説明

加熱調理器

【課題】好適に節電を実現することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【解決手段】被加熱物を収容する加熱室を有する本体と、被加熱物を加熱する加熱手段31と、加熱手段31に電力を供給する二次電池51と、二次電池51および加熱手段31に電力を供給する外部電源50と、外部電源50と二次電池51との接続をONまたはOFFする電池スイッチ55と、二次電池51と加熱手段31との接続をONまたはOFFする電池選択スイッチ56と、各スイッチ55、56を時刻に従って制御する制御部30とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、二次電池を備える加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子レンジなどの加熱調理器(以下、電子レンジという。)は、マイクロ波、ヒータ、過熱水蒸気などによる加熱手段を備える。これらの加熱手段は、商用交流電源などの外部電源から供給される電力で動作し、被加熱物を加熱する。
【0003】
商用交流電源の電圧が100Vである場合、消費電流が一般家庭の標準コンセント容量である15A以下となるよう(消費電力が1500W以下となるよう)、加熱手段の出力を制御したり、動作させる時間を区切って加熱したりする必要がある。
【0004】
そこで、従来、電子レンジに二次電池を備え、この二次電池により電力を補う技術が知られている(例えば特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−20773号公報
【特許文献2】特開2008−2761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今日、電子レンジを含む電気製品に対しては、電力消費量を低減したり、電気料金が低い深夜に電源を利用することにより電気料金を低減したりする技術が求められている。また、外部電源が利用できない非常時などにおいても二次電池を活用し、二次電池の電力により駆動したり、他の電気製品を動作させたりすることも求められている。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、好適に節電を実現することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る加熱調理器は、上述した課題を解決するために、被加熱物を収容する加熱室を有する本体と、前記被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段に電力を供給する二次電池と、前記二次電池および前記加熱手段に電力を供給する外部電源と、前記外部電源と前記二次電池との接続をONまたはOFFする第1のスイッチと、前記二次電池と前記加熱手段との接続をONまたはOFFする第2のスイッチと、前記第1および第2のスイッチを時刻に従って制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る加熱調理器においては、好適に節電を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る加熱調理器の一実施形態である電子レンジの正面図。
【図2】図1の電子レンジを正面から見た場合の縦断面図。
【図3】本実施形態における電子レンジの機能ブロック図。
【図4】本実施形態における電子レンジの電力供給系統を特に示す回路図。
【図5】電池スイッチ、電池選択スイッチおよび外部電源スイッチの状態に対応する電子レンジの動作を説明する表。
【図6】本実施形態における電子レンジにより実行される充電制御処理を説明するフローチャート。
【図7】本実施形態における電子レンジにより実行される電源切替処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る加熱調理器の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る加熱調理器の一実施形態である電子レンジ1の正面図である。
【0013】
図2は、図1の電子レンジ1を正面から見た場合の縦断面図である。
【0014】
図3は、本実施形態における電子レンジ1の機能ブロック図である。
【0015】
図4は、本実施形態における電子レンジ1の電力供給系統を特に示す回路図である。
【0016】
図1に示すように、電子レンジ1は、本体10および扉11を有する。
【0017】
本体10は、本体10の上面、側面および背面を形成するキャビネット10aと、底面を形成する底板10bとを有する。
【0018】
扉11は、本体10の前面に取り付けられる。扉11は、本体10の前面下部に設けられたヒンジによって加熱室14の開口部を開閉可能にする。
【0019】
扉11の例えば下側には、操作部20および表示部21が設けられる。
【0020】
操作部20(操作手段)は、ダイヤル・決定キー25と、スタートキー26と、取消キー27とを有する。
【0021】
ダイヤル・決定キー25は、ダイヤルの回転操作により手動または自動運転の選択、加熱条件、自動調理メニューなどの選択を受け付ける。また、ダイヤル・決定キー25は、回転操作により行われた選択の決定を押下操作により受け付ける。
【0022】
スタートキー26は、決定された調理メニューや加熱モード、加熱条件に基づく運転の開始指示を受け付ける。取消キー27は、既に受け付けた選択や決定を取り消したり、開始した加熱運転を停止させたりする指示を受け付ける。例えば、取消キー27は、調理メニューや加熱条件の選択中の押下により、既に決定された内容をリセットする指示を受け付ける。
【0023】
表示部21は、操作部20を介して使用者により行われた調理メニューの選択および設定や電子レンジ1の運転状態などを表示する。また、表示部21は、後述する二次電池51が充電中である旨や二次電池51の使用可能電力量を表示することにより、使用者に二次電池51の状態を通知する。電子レンジ1は、通知に基づいて節電やピークカット、ピークシフトの意識喚起を使用者に対して行うことができる。
【0024】
図2に示すように、内箱12は、キャビネット10aに収容される。内箱12は、被加熱物を収容する加熱室14を形成する。内箱12は、電子レンジ1の前面に、加熱室14に被加熱物を出し入れする開口を有する。
【0025】
フラット皿15(固定皿)は、加熱室14の底面に配置され、フラット皿15上には被加熱物が配置される。
【0026】
図2に示すように、本体10は、マグネトロン31、ヒータ32、スチーム発生用ヒータ33などの加熱手段(以下、マグネトロン31、ヒータ32およびスチーム発生用ヒータ33を区別しない場合には、単に「加熱手段31〜33」という。)を所定位置に備える。電子レンジ1は、加熱手段31〜33により加熱室14に収容された被加熱物のレンジ調理、オーブン調理、スチーム調理などの調理を行なうことができる。
【0027】
マグネトロン31は、マイクロ波を発生させる。マイクロ波の出力は、インバータ40より供給される電源に応じて制御される。インバータ40(図3参照)は、マグネトロン31の出力を複数の値に変更する。
【0028】
マグネトロン31から放射されるマイクロ波は、マグネトロン31に接続された導波管35を通り、回転アンテナ36の下面に流入する。マイクロ波は、回転アンテナ36によって撹拌された後、フラット皿15を透過し、加熱室14内に放射される。
【0029】
回転アンテナ36は、回転または停止することによりマイクロ波を加熱室14に伝播する。
【0030】
アンテナ駆動部41は、回転アンテナ36と軸41aで接続されたモータである。アンテナ駆動部41は、制御部30(図3参照)の制御信号に基づいて回転アンテナ36を回転および停止させる。アンテナ駆動部41は、ステッピングモータを用いることにより、回転速度を容易に変更できる。
【0031】
アンテナ位置検出部42は、例えばマイクロスイッチやフォトインタラプタなどであり、回転アンテナ36の回転角度や位置を検知する。アンテナ位置検出部42は、検出結果を制御部30へ供給する。
【0032】
ヒータ32は、例えば加熱室14の天井側(上方)に設けられ、放射した熱によりオーブン調理を行う。スチーム発生用ヒータ33は、タンクより供給された水を加熱してスチームを発生させる。発生したスチームは、例えば内箱12の側面に設けられたスチーム供給口から加熱室14に供給される。
【0033】
赤外線センサ45は、加熱室14の右側面上方に設けられ、加熱室14内(フラット皿15上)の赤外線を検知することで温度を検出する。赤外線センサ45は、単眼や複数眼の赤外線センサである。
【0034】
図3に示す制御部30は、電子レンジ1の各部を電気的に制御する。制御部30は、後述する二次電池51の電池残量を検出したり、電池スイッチ55、電池選択スイッチ56および外部電源スイッチ57の切替を制御したりする。
【0035】
制御部30は、各スイッチ55〜57を制御したり、二次電池51の充電を開始したりする際に参照するための時刻を記憶する記憶部30aを有する。また、制御部30は、現在時刻を計測するタイマ30bを有する。制御部30は、記憶部30aおよびタイマ30bを有することにより、各スイッチ55〜57を時刻に従って制御する。
【0036】
ブザー報知部46は、所定のタイミングにおいて使用者に通知を行うためのブザー音を制御部30の指示に基づいて出力する。
【0037】
図4に示すように、電子レンジ1は、電力供給源として外部電源50および二次電池51を有する。外部電源50は、商用交流電源、発電機またはバッテリーなどの電源である。本実施形態においては、外部電源50は商用交流電源である場合を例に説明する。外部電源50は、インバータ40(加熱手段31〜33)および外部電源端子52に接続され電力を供給する。
【0038】
二次電池51は、外部電源50から供給される電力を蓄電する。また、二次電池51は、インバータ40および外部電源端子52に電力を供給する。外部電源端子52は、外部電源50および二次電池51から供給される電源を、外部電源端子52に接続される他の電気機器に供給する。他の電気機器は、例えば電子レンジ1近傍で使用される電気ポットなどの調理小物家電が考えられる。
【0039】
なお、図4においては、外部電源50の接続先としてのヒータ32、スチーム発生用ヒータ33の図示を省略するが、外部電源50および二次電池51より供給される電力によりヒータ32およびスチーム発生用ヒータ33は動作する。
【0040】
電子レンジ1は、電池スイッチ55、電池選択スイッチ56および外部電源スイッチ57を有する。電池スイッチ55(第1のスイッチ)は、外部電源50と二次電池51との接続をONまたはOFFする。電池選択スイッチ56は、二次電池51の接続先を外部電源端子52およびインバータ40との間で切り替える。すなわち、電池選択スイッチ56(第2のスイッチ)は、二次電池51とインバータ40との接続をONまたはOFFする。電池選択スイッチ56(第3のスイッチ)は、二次電池51と外部電源端子52との接続をONまたはOFFする。外部電源スイッチ57(第4のスイッチ)は、外部電源50と外部電源端子52との接続をONまたはOFFする。
【0041】
図5は、電池スイッチ55、電池選択スイッチ56および外部電源スイッチ57の状態に対応する電子レンジ1の動作を説明する表である。外部電源スイッチ57がONおよびOFFのいずれの状態も取り得る場合を、図5においては斜線で示す。
【0042】
電池スイッチ55がON、電池選択スイッチ56がOFFである場合(パターン1)、外部電源50は二次電池51に電力を供給し、二次電池51は充電される。電池スイッチ55がOFF、電池選択スイッチ56がOFFである場合(パターン2)、外部電源50はインバータ40(加熱手段)に電力を供給し、マグネトロン31による加熱調理が行われる。
【0043】
電池スイッチ55がOFF、電池選択スイッチ56がインバータ40に接続される場合(パターン3)、外部電源50および二次電池51はインバータ40に対して電力を供給し、マグネトロン31による加熱調理が行われる。
【0044】
電池スイッチ55がOFF、電池選択スイッチ56が外部電源端子52に接続される場合(パターン4)、二次電池51は外部電源端子52に電力を供給する。電池スイッチ55がOFF、電池選択スイッチ56がOFF、外部電源スイッチ57がONである場合(パターン5)、外部電源50は外部電源端子52に電力を供給する。
【0045】
なお、パターン4および5においては、加熱手段31〜33および外部電源端子52に同時に電力供給される場合、加熱手段31〜33の使用電力量と外部電源端子52の使用電力量とをカレントトランスなどの計測器により計測し、使用電力量が大きい方に二次電池51より電力供給してもよい。外部電源50の電力を二次電池51で補うことで、外部電源50の使用電力量を抑制することができる。
【0046】
また、各スイッチ55〜57の接続状態(電子レンジ1の動作状態)は、適宜表示部21に表示され使用者に通知されることにより、使用者の節電に対する意識喚起を行うことができる。
【0047】
次に、本実施形態における電子レンジ1の動作をフローチャートを用いて説明する。まず、二次電池51を充電するタイミングを判定するために制御部30により実行される充電制御処理について説明する。
【0048】
図6は、本実施形態における電子レンジ1により実行される充電制御処理を説明するフローチャートである。
【0049】
ステップS1において、制御部30は、現在時刻が深夜電力時刻か否かの判定を行う。「深夜電力時刻」は、電力消費の少ない深夜から朝にかけて電気を使用する場合に料金が割安になる時刻をいう。制御部30は現在時刻が深夜電力時刻ではないと判定した場合(ステップS1のNO)、深夜電力時刻が到来するまで待機する。
【0050】
一方、制御部30は現在時刻が深夜電力時刻であると判定した場合(ステップS1のYES)、ステップS2において、二次電池51の充電状態を検出し、二次電池51の蓄電容量に対してほぼ100%充電されているか(充電状態がMAXであるか)否かの判定を行う。制御部30は、二次電池51の充電状態がMAXであると判定した場合(ステップS2のYES)、二次電池51の充電は不要であるため充電制御処理を終了する。
【0051】
一方、制御部30は、二次電池51の充電状態がMAXではないと判定した場合(ステップS2のNO)、ステップS3において、電子レンジ1が外部電源50による電力供給に基づいてレンジ調理、オーブン調理、またはスチーム調理中であるか否かの判定を行う。制御部30は電子レンジ1が調理中であると判定した場合(ステップS3のYES)、調理が終了するまで待機する。
【0052】
一方、制御部30は、電子レンジ1が調理中ではないと判定した場合(ステップS3のNO)、ステップS4において、電池スイッチ55をONし、外部電源50から二次電池51に電力供給することにより二次電池51の充電を開始する。このとき、制御部30は、表示部21に二次電池51が充電中である旨を表示する。
【0053】
ステップS5において、制御部30は、二次電池51の充電状態を検出し、二次電池51の充電状態はMAXとなったか否かの判定を行う。制御部30は二次電池51の充電状態はMAXではないと判定した場合(ステップS5のNO)、充電状態がMAXになるまで二次電池51の充電を継続する。
【0054】
一方、制御部30は二次電池51の充電状態はMAXであると判定した場合(ステップS5のYES)、ステップS6において、二次電池51の充電を終了する。
【0055】
電子レンジ1は、このような充電制御処理を実行することにより、電力料金が安価になる深夜電力を用いて自動的に二次電池51を充電することができる。これにより、電子レンジ1は、二次電池51の充電に必要な電気料金を低減することができる。また、電子レンジ1は、外部電源が商用交流電源である場合には、夜間など比較的電力需要の少ない時間帯に電気を使用する時間を移動する「ピークシフト」を実現することができる。
【0056】
なお、図6の充電制御処理は、充電開始条件の一つに深夜電力時刻になったか否かを用いたが、他の時刻の到来を開始条件としてもよい。例えば、制御部30は、午前中に二次電池51の充電状態(電池残量)を確認する。制御部30は、充電状態がMAXではない場合には、電力需要がピークとなる午後から夕方にかけて、午前中に充電した二次電池51を使用して電力供給することができる。これにより、電子レンジ1は、電力需要がピークとなり得る時間帯には商用交流電源である外部電源50の電力消費を抑制する「ピークカット」を実現することができる。
【0057】
以上で本実施形態における電子レンジ1により実行される充電制御処理の説明を終了する。
【0058】
次に、本実施形態における電子レンジ1が使用する電源を切り替えるための電源切替処理について説明する。
【0059】
電子レンジ1は、2つの加熱モードを有する。第1の加熱モードは、外部電源50または二次電池51を使用し、外部電源50のみを使用する場合と同等またはそれ以下の電力を用いて加熱調理を行う通常加熱モードである。第2の加熱モードは、外部電源50および二次電池51の両者を使用し、外部電源50のみを使用する場合よりも大きい電力を用いて加熱調理を行う快速加熱モードである。以下に説明する電源切替処理は、第1の加熱モードである通常加熱モードを用いて被加熱物の加熱を行う指示を、操作部20を介して電子レンジ1が受け付けた場合に実行される処理である。
【0060】
図7は、本実施形態における電子レンジ1により実行される電源切替処理を説明するフローチャートである。
【0061】
ステップS11において、制御部30は、通常加熱モードによる加熱調理の指示を受け付けたか否かの判定を行う。制御部30は、通常加熱モードによる加熱調理の指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS11のNO)、指示を受け付けるまで待機する。
【0062】
一方、制御部30は通常加熱モードによる加熱調理の指示を受け付けたと判定した場合(ステップS11のYES)、ステップS12において、現在の時刻は深夜電力時刻であるか否かの判定を行う。制御部30は現在の時刻は深夜電力時刻であると判定した場合(ステップS12のYES)、ステップS13において、使用者の指示に基づき動作させる加熱手段31〜33に対して、外部電源50による電力を供給する。現在の時刻が深夜電力時刻である場合には、上述した通り電力料金が安価であるため、電子レンジ1は外部電源50による電力供給を選択する。
【0063】
一方、制御部30は現在の時刻は深夜電力時刻ではないと判定した場合(ステップS12のNO)、ステップS14において、二次電池51の残量を検出し、検出された残量は所定値以上であるか否かの判定を行う。判定に用いられる所定値は、例えば、使用者より指示された調理メニューに基づく加熱手段31〜33の動作に必要な電力を補うことができる電池残量の値である。
【0064】
制御部30は残量が所定値以上であると判定した場合(ステップS14のYES)、ステップS15において、使用者の指示に基づき動作させる加熱手段31〜33に対して二次電池51による電力を供給する。電子レンジ1は、二次電池51により電力供給することにより、深夜電力時刻以外の電力需要がピークとなり得る時間帯には商用交流電源などの外部電源50の電力消費を抑制し、「ピークカット」を実現することができる。
【0065】
一方、制御部30は残量が所定値より小さいと判定した場合(ステップS14のNO)、二次電池51のみにより加熱手段31〜33を動作させることができないと判定する。ステップS16において、制御部30は、使用者の指示に基づき動作させる加熱手段31〜33に対して外部電源50および二次電池51により電力を供給する。
【0066】
このとき、制御部30は、外部電源50と二次電池51との間の電力供給比率を、電力需要のピークを考慮して設定する。具体的には、制御部30の記憶部30aに電力需要がピークとなる時刻を詳細に記憶させる。制御部30は、記憶部30aに記憶された時刻に従って、外部電源50と二次電池51との間の電力供給比率を制御する。例えば、制御部30は、ピークが到来する時刻においては二次電池51の電力供給比率を大きくする。記憶部30aに記憶される時刻に応じた電力供給比率は、使用者によりまたは自動的に変更可能としてもよい。
【0067】
また、制御部30は、外部電源50のみを使用する場合の電力量よりも大きくなるように外部電源50および二次電池51の電力供給比率を制御し大きな電力を用いた加熱調理を行うことで、調理時間を短縮することができる。
【0068】
以上で本実施形態における電子レンジ1により実行される電源切替処理の説明を終了する。
【0069】
なお、図7の電源切替処理は、外部電源端子52に他の電気機器が接続された場合においても適用することができる。具体的には、制御部30は、深夜電力時刻であるか否か(図7の時刻判定ステップS12)、二次電池の残量は所定値以上であるか否か(残量判定ステップS14)に応じて、外部電源端子52に対する電力の供給元を切替える。これにより、電子レンジ1は、外部電源端子52使用時においても上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【0070】
なお、外部電源端子52に他の電気機器が接続された場合の電源切替処理は、図7の指示受付判定ステップS11が、外部電源端子52に他の電気機器が接続されたか否かを判定する処理に変更されるのみであるため、フローチャートを用いた説明を省略する。
【0071】
以上説明した本実施形態における電子レンジ1によれば、外部電源50からの電力の供給を時刻に応じて制御することにより、電子レンジ1が使用する外部電源50を好適に節電することができる。
【0072】
また、二次電池51に充電された電力は他の電気機器にも使用することができるため、非常時や外部電源50が使用できない場合であっても、二次電池51を活用することができる。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1 電子レンジ
10 本体
14 加熱室
20 操作部
21 表示部
30 制御部
30a 記憶部
30b タイマ
31 マグネトロン
32 ヒータ
33 スチーム発生用ヒータ
50 外部電源
51 二次電池
52 外部電源端子
55 電池スイッチ
56 電池選択スイッチ
57 外部電源スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を収容する加熱室を有する本体と、
前記被加熱物を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段に電力を供給する二次電池と、
前記二次電池および前記加熱手段に電力を供給する外部電源と、
前記外部電源と前記二次電池との接続をONまたはOFFする第1のスイッチと、
前記二次電池と前記加熱手段との接続をONまたはOFFする第2のスイッチと、
前記第1および第2のスイッチを時刻に従って制御する制御手段とを備えたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記制御手段は、所定の時刻が到来した場合に、前記第1のスイッチをONして前記外部電源より前記二次電池に電力を供給し前記二次電池の充電を開始する請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記加熱手段による加熱を開始する指示を受け付ける操作手段を更に備え、
前記制御手段は、前記操作手段が指示を受け付けた場合、前記第2のスイッチをONして前記外部電源および前記前記二次電池より前記加熱手段に電力を供給し、予め定められた時刻に従って前記加熱手段に対する前記外部電源と前記二次電池電力との間の供給比率を制御する請求項1または2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記加熱手段による加熱を開始する指示を受け付ける操作手段を更に備え、
前記制御手段は、前記操作手段が指示を受け付けた場合、前記二次電池の電池残量を検出し前記電池残量が所定値以上である場合、前記第2のスイッチをONして前記二次電池より前記加熱手段に電力を供給する請求項1または2記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記外部電源および前記二次電池の少なくとも一方より供給される電力を他の電気機器に供給する外部電源端子をさらに備える請求項1〜4のいずれか一項記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記二次電池と前記外部電源端子との接続をONまたはOFFする第3のスイッチと、
前記外部電源と前記外部電源端子との接続をONまたはOFFする第4のスイッチをとさらに備え、
前記制御手段は、前記外部電源端子に前記他の電気機器が接続された場合、前記第3および第4のスイッチをONして前記外部電源および前記前記二次電池より前記外部電源端子に電力を供給し、予め定められた時刻に従って前記外部電源と前記二次電池より前記外部電源端子に対する電力供給比率を制御する請求項5記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第4のスイッチをONし前記加熱手段および前記外部電源端子に対して前記外部電源より電力が供給される場合、前記加熱手段および前記外部電源端子のうち使用電力量が大きい方に前記二次電池より電力が供給されるよう前記第2または前記第3のスイッチをONする請求項6記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記二次電池の電池残量を表示する表示手段をさらに備える請求項1〜7のいずれか一項記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記二次電池が充電中である旨を表示する表示手段をさらに備える請求項1〜8のいずれか一項記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−76472(P2013−76472A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214843(P2011−214843)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(390010168)東芝ホームテクノ株式会社 (292)
【Fターム(参考)】