説明

動物のための搾乳装置

【課題】 動物のための搾乳装置を提供する。
【解決手段】 この搾乳装置は、回転プラットホーム(2)、プラットホーム(2)の回転運動を提供するのに適合された駆動手段(12)、及びプラットホーム(2)上の搾乳される動物(1)を収容するのに適合された搾乳房(3)を含む。搾乳装置は、動物(1)がある時間中閉塞された搾乳位置(3)に接近しないようにプラットホーム(2)上の選択された搾乳房(3)を一時的に閉塞することができる閉塞システム(11,20,25)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物のための搾乳装置に関し、そこでは搾乳装置は、回転プラットホーム、プラットホームの回転運動を提供するのに適合された駆動手段、及び搾乳される動物をプラットホーム上に収容するのに適合された搾乳房を含む。
【背景技術】
【0002】
従来の回転搾乳室においては、乳牛は環状回転プラットホーム上に歩いて搾乳房に入る。環状プラットホームの外側または内側に位置される操作者または搾乳ロボットは、乳首カップを乳牛の乳首に取り付ける。プラットホームは通常、一定の低速度で連続的に回転する。搾乳工程が完了したとき、除去装置は乳首カップを乳牛から除去し、搾乳された乳牛は搾乳房及びプラットホームを離れる。
【0003】
回転プラットホームを含む搾乳装置が使用されるとき、回転室への乳牛の流れは24時間中に変わるであろう。従って、プラットホーム上の全ての搾乳房は、搾乳装置に往来する乳牛が少ない時間には連続的に占有されないであろう。これは効果的でなく、それは衛生上の問題をもたらすかもしれない。往来する乳牛の少ない時間中は、ある搾乳房は比較的長時間、空でありうる。もし搾乳房内の乳首カップ及び乳ラインがある期間使用されないなら、それらは乳ラインを通して流れる乳により洗浄されないであろう。ここでは乳首カップ及び乳ライン内に残る乳残留物が細菌のような微生物のための繁殖地を構成する危険がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、効果的な態様で操作される回転プラットホームを持つ搾乳装置を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、搾乳装置が、動物がある時間の間、閉塞された搾乳房に接近しないようにプラットホーム上の選択された搾乳房を一時的に閉塞することができる閉塞システムを含むことにより特徴付けられる、冒頭に規定された回転室により達成される。従って、搾乳装置に入る動物の数が少ないとき、閉塞システムはプラットホーム上の搾乳房の好適な数を閉塞する。それによって残る閉塞されていない搾乳房はより頻繁に、好ましくは実質的に連続的に使用されるであろう。使用される搾乳位置の乳首カップ及び乳ラインは乳により実質的に連続的に洗浄されるであろう。従って、乳首カップ及び乳ラインに残る乳残留物による問題は起こらないであろう。さらに、閉塞されたきれいな搾乳房はなおきれいな状態にあるであろう。浄化作業は閉塞された搾乳房でなされる必要がない。
【0006】
本発明の一実施態様によれば、閉塞システムは、プラットホーム上の少なくとも一つの搾乳房に続く通路内に配置された閉塞部材を含み、そこでは閉塞部材は、動物が搾乳房に入るのを可能にする開放位置と、動物が搾乳房に入るのを防ぐ閉鎖位置との間で可動的に配置される。かかる閉塞部材は、可動門、バーまたはいずれかの他の種類の可動要素であることができる。前記可動閉塞部材は、プラットホーム上の少なくとも一つの搾乳房に通ずる通路内のプラットホームの外側に位置されることができる。従来の回転搾乳室は回転プラットホーム上の搾乳房への入口通路を含む。この入口通路は、プラットホーム上の空の搾乳房が入口通路及び門のちょうど前方の回転位置に到着するときに開かれる可動門を含む。かかる既存の門は、プラットホーム上の選ばれた搾乳房を閉塞するために使用されることができる。この場合、閉塞された搾乳房が門のちょうど前方の回転位置に到着するとき、この門は開かれないであろう。これに代えて、前記閉塞部材は、少なくとも一つの搾乳房へ通ずる通路内のプラットホーム上に配置される。搾乳房を閉塞するためにプラットホーム上の既存の要素を使用することができる。かかる要素は、プラットホームを搾乳位置に分割する可動柵装置、または閉鎖位置では動物がプラットホーム上の搾乳房を離れるのを防ぐ保持バーであることができる。かかる要素の好適な設計により、それらの要素は、それらがまた動物が閉塞された搾乳房に入るのを防ぐような態様で制御されることができる。
【0007】
本発明の好適な実施態様によれば、閉塞システムは、閉塞部材の動きを制御するように適合された制御装置を含む。かかる制御装置は、閉塞部材の動きを制御するように適合されたソフトウエアを備えたコンピュータ等であることができる。制御装置は、ある時間中に搾乳房に入る動物の数を見積もるのに適合されることができ、それは、回転プラットホームに入る動物の数が予め決められた値より少ないときにプラットホーム上の一つまたは複数の搾乳房を閉塞するように閉鎖部材を制御するのに適合されることができる。好ましくは、制御装置は、搾乳装置に入る動物の数が少ないとき、プラットホーム上の比較的多数の搾乳房を閉塞する。それによって、残る開放搾乳房は実質的に連続的に使用されるであろう。
【0008】
本発明の好適な実施態様によれば、搾乳装置は、動物がプラットホーム上の搾乳房に入るのを許可される前に入らなければならない待機領域を含む。かかる待機領域は、自発的な動物往来に基づいた搾乳装置内でまたは操作者が動物を待機領域にもたらす一回分の搾乳が実行される室内で使用することができる。待機領域は濃厚食料を含むことができる。濃厚食料の供給は搾乳装置への動物往来の増加をもたらす。制御装置は、搾乳房に入る動物の数を、動物が待機領域に入るときかつ離れるときを検出する検出センサからの情報により見積もるのに適合されることができる。かかる情報により、制御装置は待機領域内の動物の数及び未来の時間中にプラットホームに入る動物の数を計算することができる。これに代えてまたは組み合わせて、制御装置は、搾乳房に入る動物の数を、動物の訪問頻度についての履歴情報により見積もるのに適合されることができる。もし一回分の搾乳が実行されるなら、ある数の動物が予め決められた時間にまたは予め決められた時間間隔で搾乳されることができる。制御装置は、ある時間中に搾乳房に入る動物の数を、対応する時間に対する訪問頻度についての履歴情報により見積もるのに適合されることができる。搾乳装置への動物往来は、例えば昼間時より夜間時に著しく少ない。搾乳装置への動物往来は、昼間及び夜間の異なる期間中であっても変わる。従って、回転プラットホームへの動物往来を、ある群のための統計データにより良好な精度を持って見積もることができる。
【0009】
本発明のさらなる実施態様によれば、搾乳装置は、もしプラットホーム上の搾乳房内で搾乳された動物が不健康であるかどうかを検出するのに適合された検出手段を含む。前記検出手段は動物からの乳の品質を検出することができる。制御装置は、前記検出手段から情報を受けとり、不健康な動物が搾乳された搾乳房を閉塞するのに適合されることができる。搾乳房は、搾乳装置の完全な浄化工程が実施されるまで閉塞されることができる。閉塞システムは、ある動物がこの搾乳房で搾乳されたとき、搾乳房を閉塞するのに適合されることができる。もし、例えば、動物が薬を服用するなら、その動物からの乳は薬を含むかもしれない。この場合、搾乳房は、乳首カップ及び搾乳房内の搾乳導管の完全な浄化工程が実施されるまで閉塞されることができる。閉塞システムは、搾乳房内の搾乳器具の要素の具合が悪いとき、搾乳房を閉塞するのに適合されることができる。具合が悪い要素を持つ搾乳房を閉塞することにより、搾乳房内の要素を直ちに交換または修理する必要がない。搾乳房は、要素の具合の悪いときに自動的に検出する検出手段を含むことができる。これに代えて、操作者は、具合が悪い搾乳房を閉塞するようにキーボード等により制御装置を制御することができる。
【0010】
本発明のさらなる実施態様によれば、搾乳装置は、プラットホーム上の搾乳房内に位置された動物に乳首カップを取り付けるのに適合されたロボット腕を含む。この場合、回転プラットホーム上の搾乳工程は、手動で乳首カップを動物に取り付けるいかなる操作者もなしに自動的に実施されることができる。好ましくは、搾乳装置は浄化装置を含み、それにより搾乳工程間に搾乳房内の乳首カップを浄化することができる。かかる浄化工程は搾乳房内の各搾乳工程後に実施されることができる。これに代えて、それは、予め決められた間隔でまたは悪い乳が検出されたときに実施されるであろう。
【0011】
本発明のさらなる実施態様によれば、前記位置決め手段はプラットホーム上の搾乳房内の動物をそれらの頭が環状プラットホームの内周付近にあるように位置決めするのに適合されている。かかる場合には、動物は環状プラットホーム上に完全に半径方向に延長部を持つことができるか、または杉綾模様で配置されることができる。この場合、位置決め手段は、プラットホームを搾乳房に分割する環状プラットホーム上に実質的に半径方向延長部を持つ柵装置を含むことができる。これに代えて、前記位置決め手段は、プラットホーム上の搾乳房内の動物をそれらの頭が環状プラットホームの外周付近にあるように位置決めするのに適合される。かかる位置決め手段は、プラットホームに外周から入る動物がプラットホーム上の搾乳房内で外向きに面するように回転運動を与えることを可能にする回転柵部材であることができる。
【0012】
本発明は、例として添付図面を参照して開示されている好適な実施態様によって詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、回転プラットホームに入る乳牛が多数であるときのある時間内の乳牛の搾乳のための自発的な搾乳装置を示す。
【0014】
【図2】図2は、回転プラットホームに入る乳牛が少数であるときのある時間内の図1の搾乳装置を示す。
【0015】
【図3】図3は、乳牛の搾乳のための自発的な搾乳装置の代替実施態様を示す。
【0016】
【図4】図4は、乳牛の搾乳のための自発的な搾乳装置のさらなる代替実施態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1及び2は、乳牛1の搾乳のための自発的な搾乳装置を示す。自発的な搾乳装置は、内縁部2aと外縁部2bを持つ回転環状プラットホーム2を含む。プラットホーム2は操作時に垂直軸2cの周りに回転する。プラットホーム2は、乳牛1のための支持表面を形成する上表面を持つ。複数の柵装置4がプラットホーム2の上表面上に配置されている。柵装置4は、個々の乳牛1を受け入れるための搾乳房3を形成する。乳牛1は、搾乳房3内の予め決められた搾乳位置内で搾乳されるのに適合されている。この場合、柵装置4は、プラットホームの内縁部2aの付近に位置する内端とプラットホームの外縁部2bの付近に位置する外端の間のプラットホーム2上に本質的に直線的な半径方向延長部を持つ。柵装置4は、環状プラットホーム2の周りに等しい間隔で配置される。外部柵装置5がプラットホーム2の外周の主要部の周りに取り付けられている。外部柵装置5は、搾乳房3内の乳牛1が後方に歩いたり、搾乳工程時にプラットホーム2から歩み出るのを防ぐ。
【0018】
各搾乳房3は、プラットホームの内周2aの付近に配置された給飼おけ6を備えている。各搾乳房3はまた、それぞれの搾乳房3内に立つ乳牛1の乳首に取り付けられる搾乳部材を備えている。この場合、搾乳部材は四つの別個の乳首カップ7を含む。各乳首カップは乳導管7a及び脈動導管7bを備えている。各搾乳房は、不使用時に乳首カップ7を留めて置く位置に保持するのに適合された乳首カップ貯蔵装置8を含む。ロボット腕9のベース部9aは、プラットホーム2の外縁部2bの外側の位置に配置される。浄化装置10のベース部10aは、プラットホーム2の外縁部2bの外側のロボット腕9から離れた位置に配置される。
【0019】
制御装置11は、プラットホーム2の駆動のための概略的に示された駆動機構12を制御するのに適合されている。駆動機構12は駆動ホイール機構を含むことができ、それはプラットホーム2の下側の円形レールと接触して配置される。位置センサ13は、プラットホーム2の回転位置を感知しかつ制御装置11にプラットホーム2の実際の位置についての信号を送るのに適合されている。
【0020】
待機領域14の形の閉鎖領域がプラットホーム2に関連して配置される、待機領域14は、識別センサ16の形の第一識別センサを備えた入口門15を持つ。濃厚食料を持つ多数の給飼ステーション17が待機領域14内に配置されている。待機領域14は、第二検出センサ19及び可動門20を備えた出口通路18を持つ。出口領域21がプラットホーム2に関連して配置されている。出口領域21は、乳牛1がプラットホーム2を離れるときに乳牛1により入られる。
【0021】
回転室装置は、プラットホーム2上の選ばれた搾乳房3を閉塞することができる閉塞システムを含む。閉塞システムは、可動門20、及びこの可動門20の動きを制御する制御装置11を含む。搾乳装置の作動時に、制御装置11は、ある将来の時間中にプラットホーム2に入る乳牛1の数を見積もるのに適合されている。この場合、制御装置11は、第一識別センサ16及び検出センサ19からの情報により回転プラットホームに入る乳牛の数を見積もる。この情報を考慮して、制御装置11は待機領域14内の乳牛1の数を数えることができる。この情報により、制御装置11は、ある将来の時間中に回転プラットホームに入る乳牛1の数を見積もることができる。もし回転室2に入る乳牛1の見積もった数が予め決められた全収容値より大きいなら、制御装置11は、回転プラットホームが全収容力で使用されなければならないことを結論づける。この場合、閉塞システムはプラットホーム上のどの搾乳房3も閉塞しない。もし回転室2に入る乳牛1の見積もった数が予め決められた全収容値より小さいなら、制御装置11は、回転室が全収容力で使用される必要がないことを結論づける。この場合、閉塞システムは、プラットホーム2上の一つまたは複数の搾乳房3を閉塞するように適合される。閉塞された搾乳房3の数は、搾乳装置に入る乳牛1の見積もった数に関連している。図1は、多数の乳牛が回転プラットホーム2に入りかつ搾乳装置が全収容力で使用されるときのある時間の装置を示す。図2は、少数の乳牛1が回転プラットホーム2に入るときのある期間の搾乳装置を示す。この場合、14房の搾乳房3のうちの9房が閉塞システムにより閉塞されている。好ましくは、閉塞システムは、作動中の搾乳房3が最適な態様でプラットホーム2の周りに広げられるような態様で閉塞されるように搾乳房3を選ぶ。
【0022】
搾乳されることを望んだ乳牛1は待機領域14の入口門15に歩く。乳牛1は、個々の乳牛1についてのデータを含むトランスポンダーを担持する。識別センサ16は、トランスポンダーを読み、乳牛1の識別信号を制御装置11に送る。制御装置11は、乳牛が搾乳許可を与えられるかどうかを結論づける。もし乳牛1が搾乳許可を与えられるなら、門15は開かれ、乳牛1は待機領域14に入る。もし乳牛1が搾乳許可を与えられないなら、門15は開かれず、乳牛1は待機領域14に入るのを許容されない。
【0023】
待機領域14では、乳牛1は、回転プラットホーム2に通ずる出口通路18に歩く前に給飼ステーション17内の濃厚食料を食べる可能性を持つ。出口通路18は、一時にただ一頭の乳牛1が通路18の前方位置に位置されることができるような幅を持つ。検出センサ19は、乳牛1が通路18の前方位置に到着するときに乳牛1を検出しかつ信号を制御装置11に送る。門20は、乳牛1が出口通路18の前方位置に到着するときに閉じた位置にある。制御装置11は、位置センサ13からプラットホーム2の実際の回転位置についての情報を実質的に連続的に受ける。搾乳房3が門20のちょうど前方の第1回転位置Pに到着するとき、制御装置11は、この搾乳房3が閉塞されなければならないか否かを決定するように適合されている。
【0024】
図1に示されている、多数の乳牛が搾乳装置に入るときのある時間中に、全ての搾乳房3は回転プラットホーム2上で使用される。この場合、制御装置11は、空の搾乳房3が第1回転位置Pに到着するとすぐに通路18の前方位置に立つ乳牛1のために門20を常に開く。図2に示されている、少数の乳牛1が搾乳装置に入るときのある時間中に、五つの搾乳房3だけが搾乳装置内で使用される。この場合、制御装置11は、使用中の五つの搾乳房3の一つが第1回転位置Pに到着するまで門20を閉じた位置に保つ。この場合、通路18の前方位置の乳牛1は一時待たなければならないことがありうる。
【0025】
制御装置11が門20を開くと、通路18の前方位置の乳牛1は搾乳房3に入る。門20は、全体の乳牛1が搾乳房3の内側にいるとすぐにその閉鎖位置に動かされる。給飼おけ6は、乳牛を誘引し、搾乳房3中の乳牛1の位置決めを容易にする。給飼おけ6は可動的に配置されることができる。給飼おけ6を好適な位置に設置することにより、搾乳房3内の乳牛1の位置を希望の搾乳位置に調整することができる。この場合、乳牛1は、乳牛の縦軸1aがプラットホーム2上の乳牛1の移動方向1bに対して約90度の角度を形成するようにプラットホーム2上の搾乳房3内に配置される。ここでは乳牛1は、プラットホーム上の半径方向にそれらの頭をプラットホーム2の内縁部2aに向けてかつ後方部をプラットホーム2の外縁部2bに向けて立つ。
【0026】
乳牛1を持つ搾乳房3が第2回転位置Pに回転されたとき、ロボット腕9が起動され、それは乳首カップ貯蔵装置8から乳首カップ7を取って来てそれらを乳牛1に取り付ける。プラットホーム2は、ロボット腕9がプラットホーム2上の乳牛1と、乳首カップ7を乳牛1に取り付ける工程中のロボット腕9との間の相対運動を補償するのに問題のないような遅い速度で駆動される。乳牛1の搾乳工程は、全ての乳首カップが乳牛1に取り付けられたときに開始する。乳計量器(図示せず)は搾乳工程時の乳の流量を管理する。乳の流量が予め決められた値以下に落ちるとすぐに、除去装置(図示せず)が乳牛1の乳首から乳首カップ7を除去する。もし乳首カップ7が早く除去されなかったら、それらは、搾乳房3が13番目の回転位置P13に到着するときに少なくとも除去される。13番目の位置P13では、処理供給装置は、消毒媒体または別の種類の処理媒体を乳首カップ7が除去された後の乳牛1の乳首に噴霧することができる。最後に、搾乳房3が14番目の回転位置P14に到着するとき、乳牛1は搾乳房3を離れ、出口領域21に入る。14番目の位置P14では、浄化装置10が起動され、それは、乳首カップ7が乳首カップ貯蔵装置8内に留め置かれているときに乳首カップ7の浄化工程を実施する。かかる浄化工程は、各搾乳工程後に実施されることができる。これに代えて、それは、予め決められた間隔でまたは悪い乳が検出されたときに実施されるであろう。浄化装置10は水、洗剤入りの水またはいずれかの他の種類の浄化媒体の形の浄化媒体を使用することができる。その後、搾乳房3は、再度第1回転位置Pに回転され、新しい乳牛1を受ける準備がなされるであろう。
【0027】
図3は、乳牛1のための代替的な自発的搾乳装置の一部を示す。回転可能柵部材4は、ここではプラットホーム2を予め決められた搾乳位置内の個々の乳牛1を受けるための搾乳房3に分割するために使用されている。回転可能柵部材4の使用により、乳牛1をプラットホーム2上に一緒に非常に接近して位置させることができる。柵部材4のそれぞれは給飼おけ6に固定的に連結される。臀部レール24がプラットホーム2の内縁部2aに配置されている。臀部レール24は、乳牛1が偶然にプラットホーム2から落ちたりまたは踏み外すのを防ぐ。この場合、乳牛1は、プラットホーム2上にそれぞれの乳牛の縦軸1aがプラットホーム2上の乳牛1の移動方向1bに対して90度未満のある角度を形成するように配置される。乳牛1は、ここではプラットホーム2上に杉綾模様で配置される。乳牛1の頭は、それらがプラットホーム2上の搾乳房3内に立っているときにプラットホーム2の外側半径方向位置内にある。乳牛1のための入口通路18及び出口領域21は、プラットホーム2の外縁部2bに互いに隣接して位置されている。搾乳ロボット腕9は、ここではプラットホーム2の内縁部2aの内側の位置に配置される。乳首カップ貯蔵装置8はプラットホーム2上に配置されている。この場合、乳首カップ貯蔵装置8は、搾乳房3の乳牛の一方側にかつ隣接搾乳房3内に立つ乳牛1の後ろに配置される。乳牛1がプラットホーム2上に杉綾模様で配置されるとき、上述の空間は通常空になっている。従って、この空間を乳首カップ7の貯蔵のために使用することは非常に適している。
【0028】
浄化装置10は、ここではプラットホーム2の内縁部2aの内側の位置のロボット腕9から離れて配置される。この場合、浄化装置10は、制御装置11により三つの位置に位置決め可能であるいわゆるバックフラッシュ弁22を含む。乳首カップ7が乳牛1に取り付けられるとき、このバックフラッシュ弁22は第1搾乳位置にあり、そこではそれは搾乳装置の脈動ライン23bを乳首カップ7の脈動導管7bに連結する。第1搾乳位置では、バックフラッシュ弁22は乳首カップ7の乳導管7aを搾乳装置の水ライン23aから外す。乳首カップ7が例えば乳牛1に取り付けまたは乳牛1から除去されるとき、バックフラッシュ弁22は第2位置に位置されており、そこではそれは乳首カップ7の脈動導管7bを搾乳装置の脈動ライン23bから外し、乳首カップ7の乳導管7aを搾乳装置の水ライン23aから外すことの両方をする。
【0029】
第3洗浄位置では、バックフラッシュ弁22は乳首カップ7の脈動導管7bを搾乳装置の脈動ライン23aから外し、同時に搾乳装置の水ライン23bを乳首カップ7の乳導管7aに連結する。この場合、水ライン23bから乳導管7aにかつそれぞれの乳首カップ7から水が流れるであろう。この水流は、乳導管7a内及び乳首カップ7内の存在しうる乳残留物を除去する。
【0030】
搾乳装置は、一つまたは複数の搾乳房3を、それによりある環境時にプラットホーム2上の一つまたは複数の搾乳位置を閉塞するのに適合された閉塞システムを含む。閉塞システムはまた、この場合においても可動門20、及びこの門20を制御する制御装置11を含む。搾乳装置の作動時に、制御装置11は、ある時間中のプラットホーム2に入る乳牛1の数を見積もるのに適合されている。この場合、制御装置11は、どのようにプラットホーム上の搾乳頻度が24時間中に変わるかについての記憶された情報11aによりプラットホーム2に入る乳牛1の数を見積もる。夜間には、搾乳装置に入る乳牛の数は通常少ない。昼間には、搾乳装置に入る乳牛1の数は通常多いが、一日のある期間はそれはより少ないこともある。この場合、制御装置11は、このプラットホーム2のための24時間周期の異なる時間中の通常の搾乳頻度について記憶された情報11aを含む。この記憶された情報11aにより、制御装置11は、昼間及び夜間の異なる時間中の回転プラットホームに入る乳牛1の数を見積もることができる。もし回転室2に入る乳牛1の見積もった数がある期間中の予め決められた全収容値より大きいなら、回転室の全収容力が使用され、閉塞システムはプラットホーム上のいずれの搾乳房3も閉塞しない。もし回転室2に入る乳牛1の見積もった数が予め決められた全収容値より小さいなら、制御装置11は、回転室が全収容力で使用される必要がないことを結論づけ、閉塞システムはプラットホーム2上の一つまたは複数の搾乳房3を閉塞するのに適合される。閉塞された搾乳房3が門20のすぐ前方の第1回転位置Pに到着するとき、制御装置11は門20を開かない。
【0031】
好ましくは、搾乳装置に入る乳牛1の数ができるだけ小さい夜間時には搾乳装置は停止される。完全な浄化工程後に搾乳装置が開始されるとき、比較的少数の乳牛1だけが搾乳されるのを望む。従って、制御装置11は、完全な浄化工程後の初期時間時にほとんど全部の搾乳房3を閉塞する。一つまたは二つの搾乳房3が例えばこの初期時間に閉塞されないであろう。時間が経過すると、搾乳装置に入る乳牛1の数は増え、閉塞された搾乳房3は連続的に開かれる。昼間の主要な時間時には、搾乳装置の全ての搾乳房3が使用されるであろう。昼間が過ぎて搾乳装置に入る乳牛1の数が減ると、搾乳房3は連続的に閉塞されるであろう。搾乳装置の完全な浄化工程が実施される直前に、一つまたは二つの搾乳房だけが使用されることができる。
【0032】
図4は、自発的な搾乳装置のさらなる実施態様を示す。この場合、閉塞システムは制御装置11及び保持バー25の形の可動門を含む。保持バー25の目的は、乳牛1がプラットホーム2上で一回転後に搾乳房3を離れるのを防ぐことである。保持バー25は、搾乳房3の対向側上の柵装置4に旋回可能に連結される。図示されない作動シリンダーは、保持バーを閉鎖位置と開放位置の間で変化する。保持バーは、乳牛1が搾乳房3を離れるのを保持バー25が防ぐように閉鎖された位置の搾乳房3内の乳牛1の後ろに下げられる。保持バー25は、乳牛1が自由に搾乳房3を離れるように開放位置の乳牛1の上のレベルに上昇される。
【0033】
この場合、閉塞システムは、プラットホーム2上の一つまたは複数の搾乳房3を閉塞するために既に存在する保持バー25を使用する。搾乳装置に入る乳牛の数が少ないとき、制御装置11は、閉塞される選択された搾乳房3内の閉鎖位置に保持棒25を配置する。かかる閉塞された搾乳房3が通路18のちょうど前方の第1位置Pに到着するとき、閉鎖された保持バー25は、通路18の前方位置の乳牛1が閉塞された搾乳房3に入るのを防ぐ。
【0034】
この場合、搾乳装置は、搾乳房3内の乳牛1からの乳の品質を試験するのに適合された概略的に示した第一検出手段26を含む。もし検出手段が、乳が良好であることを検出するなら、搾乳房内の乳受け器内に集められた乳は乳タンクに導かれる。そうでなければ、乳受け器内の乳は拒否されるかまたは特別な乳タンクに送られる。もし乳検出手段が、乳牛が乳腺炎を持つことを検出するなら、またはもし乳中に細菌があるなら、搾乳房内の続いて搾乳される乳牛が感染するであろう危険がある。もし検出手段26が、乳が抗生物質または他の薬剤を含むことを検出するなら、乳受け器内の乳はまた、拒否されるかまたは特別な乳タンクに送られる。この場合、制御装置11はまた、搾乳装置の完全な浄化工程が実施されるまで搾乳房3を閉塞する。
【0035】
この場合、搾乳装置は、搾乳房3内の搾乳工程を実施するために必要である搾乳房3内の少なくとも一つの要素の機能を管理するのに適合された概略的に示した第2検出手段27を含む。もしこの要素の具合が悪いなら、制御装置11はこれについての情報を検出手段27から受ける。この場合、制御装置11は、搾乳房3をこの要素が交換されるかまたは修理されるまで閉塞する。操作者がプラットホーム2上の一つまたは複数の搾乳房3を概略的に開示されたキーボード28等により閉塞するように制御装置11を手動的に制御することもまた可能である。
【0036】
本発明は、述べられた実施態様に限定されず、請求項の範囲内で自由に変更されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物のための搾乳装置であって、搾乳装置が回転プラットホーム(2)、プラットホーム(2)の回転運動を提供するために適合された駆動手段(12)、及びプラットホーム(2)上で搾乳される動物(1)を収容するのに適合された搾乳房(3)を含むものにおいて、搾乳装置が、動物(1)がある時間中閉塞された搾乳房(3)に接近しないようにプラットホーム(2)上の選択された搾乳房(3)を一時的に閉塞することができる閉塞システム(11,20,25)を含むことを特徴とする搾乳装置。
【請求項2】
閉塞システム(11,20,25)が、プラットホーム(2)上の少なくとも一つの搾乳房(3)に通ずる通路(3a,18)内に配置された閉塞部材(20,25)を含み、閉塞部材(20,25)が、動物(1)が搾乳房(3)に入ることを可能にする開放位置と、動物(1)が搾乳房(3)に入るのを防ぐ閉鎖位置との間で可動的に配置されることを特徴とする請求項1に記載の搾乳装置。
【請求項3】
前記可動な閉塞部材(20)が、プラットホーム(2)上の少なくとも一つの搾乳房(3)に通ずる通路(18)内のプラットホーム(2)の外側に位置されていることを特徴とする請求項2に記載の搾乳装置。
【請求項4】
前記閉塞部材(25)が、少なくとも一つの搾乳房(3)に通ずる通路(3a)内のプラットホーム(2)上に位置されていることを特徴とする請求項2に記載の搾乳装置。
【請求項5】
閉塞システム(11,20,25)が、閉塞部材(20,25)の動きを制御するのに適合された制御装置(11)を含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の搾乳装置。
【請求項6】
制御装置(11)が、ある時間中に搾乳房(3)に入る動物の数を見積もるのに適合され、それが、回転プラットホーム(2)に入る動物の数が予め決められた値より小さいときにプラットホーム(2)上の一つまたは複数の搾乳房(3)を閉塞するように閉塞部材(20,25)を制御するのに適合されていることを特徴とする請求項5に記載の搾乳装置。
【請求項7】
搾乳装置が、動物(1)がプラットホーム(2)上の搾乳房(3)に入ることを許容される前に動物(1)が入らなければならない待機領域(14)を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の搾乳装置。
【請求項8】
制御装置(11)が、動物(1)が待機領域(14)に入るとき及び待機領域(14)を離れるときを検出する検出センサ(16,19)により搾乳房(3)に入る動物の数を見積もるのに適合されていることを特徴とする請求項6または7に記載の搾乳装置。
【請求項9】
制御装置(11)が、ある時間中に搾乳房(3)に入る動物の数を、動物の訪問頻度についての履歴情報(11a)により見積もるのに適合されていることを特徴とする請求項6に記載の搾乳装置。
【請求項10】
制御装置(11)が、ある時間中に搾乳房(3)に入る動物の数を、対応する時間に対する訪問頻度についての履歴情報により見積もるのに適合されていることを特徴とする請求項9に記載の搾乳装置。
【請求項11】
プラットホーム上の搾乳房(3)内で搾乳された動物(1)が不健康であるかどうかを検出するのに適合された検出手段(26)を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の搾乳装置。
【請求項12】
制御装置(11)が、前記検出手段(26)からの情報を受けかつ不健康な動物(1)が搾乳された搾乳位置(3)を閉塞するのに適合されていることを特徴とする請求項5または10に記載の搾乳装置。
【請求項13】
閉塞システム(11,20,25)が、ある動物が搾乳房(3)で搾乳されたとき、この搾乳房(3)を閉塞するのに適合されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の搾乳装置。
【請求項14】
閉塞システム(11,20,25)が、搾乳房(3)内の搾乳器具のある要素の具合が悪いとき、搾乳房(3)を閉塞するのに適合されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の搾乳装置。
【請求項15】
プラットホーム(2)上の搾乳房(3)内に位置された動物(1)に乳首カップ(7)を取り付けるのに適合されたロボット腕(9)を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の搾乳装置。
【請求項16】
搾乳工程間の搾乳房(3)内の乳首カップ(7)を浄化することを可能にする浄化装置(10)を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の搾乳装置。
【請求項17】
搾乳房(3)内の動物(1)の頭をプラットホーム(2)の内縁部(2a)の付近に位置決めするのに適合された位置決め手段(4,6)を含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載の搾乳装置。
【請求項18】
搾乳房(3)内の動物(1)の頭をプラットホーム(2)の外周(2b)付近に位置決めするのに適合された位置決め手段(4,6)を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の搾乳装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−522494(P2012−522494A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502535(P2012−502535)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052583
【国際公開番号】WO2010/112284
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(500215931)デラヴァル ホルディング アーベー (13)