説明

動物処理装置

ある速度で回転しかつそれぞれの動物を収容する動物場所を持つ搾乳プラットフォーム(P)のそばに運搬装置を含む動物処理装置が提供される。この運搬装置は、基礎(11)、基礎上に設けられた第一支持装置(12)、腕(13)を基礎に対して第一軸の周りに回転させる第一支持装置に連結された腕(13)、腕(13)に連結された支持プラットフォーム(15)を含む。駆動装置は、支持プラットフォームを動かしかつ腕を第一軸の周りに回転する第一駆動部材(31)を含む。センサ(37)は、制御装置(36)と通信しかつ速度の瞬時値を感知する。制御装置は、第一駆動部材を搾乳プラットフォームの回転の部分中に出発位置から終了位置まで搾乳プラットフォームに追従するように支持プラットフォームを動かすように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提文に記載の動物処理装置に関する。
【0002】
本発明は、動物が回転プラットフォーム上に入って静止し、例えば搾乳、乳首掃除及び/または乳首噴霧を含む処理が回転プラットフォーム上で静止する動物に実施される動物処理装置に関する。
【背景技術】
【0003】
かかる動物処理装置は、それらが比較的短時間中に多数の動物の処理を高効率で可能にするので有利である。回転プラットフォーム上で静止する動物の乳首に自動的な方法で搾乳機の乳首カップを付与するためにかかる動物処理装置を搾乳ロボットと組み合わせることが既に提案されている。
【0004】
第一解決策によれば、搾乳ロボットがプラットフォームと共に回転する幾つかの搾乳ロボットをプラットフォーム上に設けることができる。この解決策の欠点は、一つの搾乳ロボットが各搾乳場所のために必要であることである。第二の解決策によれば、搾乳ロボットまたは幾つかの搾乳ロボットがプラットフォームのそばに設けられ、それによりプラットフォームの回転時に搾乳ロボットが乳首カップを搾乳ロボットの前に位置している動物場所に存在する動物に取り付ける。
【0005】
EP−A−1523882は、第二解決策による動物処理装置を開示する。その図13aに開示された実施態様では、腕は搾乳ロボット腕である。搾乳ロボットは、搾乳プラットフォーム上で静止する動物の乳首の位置を決定するための装置を持つ。ロボット腕は、その回転を含めて、乳首の位置に応答して制御される。その図13dに開示された実施態様では、腕は、搾乳プラットフォームに沿って動く可動車に取り付けられた搾乳ロボット腕である。搾乳プラットフォーム上で静止する動物の乳首の位置を決定するための装置が車上に設けられている。さらに、この実施態様は静止レールを含み、このレール上で多数の乳首カップ運搬台が、搾乳プラットフォームの外縁と平行に延びる経路に沿って移動可能である。
【0006】
WO 2008/118068は、第二解決策による別の動物処理装置を開示する。この装置は、中心軸の周りにある回転速度で回転するように配置された回転搾乳プラットフォームのそばに配置されるように構成されかつ回転搾乳プラットフォームの回転時にそれぞれの動物を収容するように配置された多数の動物場所を持つ運搬装置を含む。この運搬装置は、搾乳プラットフォームのそばに配置された静止レールを含む。搾乳プラットフォーム上の動物の乳首に乳首カップを取り付けるように構成された搾乳ロボット腕はこのレール上で移動可能である。搾乳ロボット腕は、乳首カップの取り付け時に搾乳プラットフォームの回転速度と同じ速度でレールに沿って移動可能である。
【0007】
WO 00/74472は、第二解決策によるさらなる動物処理装置を開示し、そこでは運搬装置は、中心軸の周りに回転するように配置された回転搾乳経路の内側に位置されるように構成されかつ多数の動物場所を持つ。運搬装置は、回転搾乳経路の内側に配置された静止レールを含む。搾乳プラットフォーム上の動物の乳首に乳首カップを取り付けるように構成された搾乳ロボット腕は、このレール上で移動可能である。搾乳ロボット腕は、乳首カップの取り付け時にこのレールに沿って移動可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
第二解決策の欠点は、搾乳ロボットの動きを動物のみならずプラットフォームの回転運動にも適合させる困難性にある。
【0009】
本発明の目的は、上述の問題が改善された動物処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、冒頭に規定された動物処理装置において、それが、制御装置と通信しかつ搾乳プラットフォーム速度の瞬時値を感知するように構成されたセンサを含むこと、及び制御装置が、回転搾乳プラットフォームの回転の部分中に出発位置から終了位置まで回転搾乳プラットフォームに追従するように支持プラットフォームを動かすように第一駆動部材を制御するように構成されていることを特徴とする動物処理装置により達成される。
【0011】
かかる運搬装置は、基礎により地面に固定されることができる。本発明による運搬装置は支持プラットフォームを支持し、この支持プラットフォーム上に搾乳ロボットのような自動操縦装置が配置されることができる。支持プラットフォームは出発位置から終了位置まで回転搾乳プラットフォームに追従するので、回転搾乳プラットフォーム上の動物場所に対して静止しているかのように搾乳ロボットを作動させることができる。従って、搾乳ロボットは、静止搾乳場所のそばに静止態様で設けられた搾乳ロボットとして構成されることができる。搾乳ロボットの追加の特徴は必要ないが、一般的な搾乳ロボットが運搬装置の支持プラットフォーム上で使用されかつ配置されることができる。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、制御装置は、第二軸が回転搾乳プラットフォームの回転の前記部分中に回転搾乳プラットフォームの一つの同じ半径方向線を横切るような方法で第一駆動部材を制御するように構成される。従って、第一駆動部材は、回転搾乳プラットフォームの回転のその部分中に支持プラットフォームの中心が回転搾乳プラットフォームの中心軸に対して同じまたは正確に同じ角速度で動かされることを確保するように設けられる。半径方向線は、搾乳場所の一つの中心線、または中心線のそばの半径方向線であることができる。後者の可能性は、動物が搾乳場所の中央で静止しない場合に有利である。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、運搬装置は、腕に連結されかつ第二軸の周りに腕に対して支持プラットフォームを回転可能にする第二支持装置を含み、駆動装置は、制御装置と通信しかつ第二軸の周りに支持プラットフォームを回転するように配置された第二駆動部材を含む。有利には、支持プラットフォームの直径方向は第二軸に垂直な第二軸を横切り、制御装置は、回転搾乳プラットフォームの回転の前記部分中に支持プラットフォームの直径方向が回転搾乳プラットフォームの一つの同じ半径方向線と一定の角度を形成するような方法で支持プラットフォームを回転するように第二駆動部材を制御するように構成される。有利には、決定された角度はゼロであり、すなわち支持プラットフォームの直径方向は回転搾乳プラットフォームの一つの同じ半径方向線と一致する。従って、第二駆動部材は、回転搾乳プラットフォームの回転のその部分中に、支持プラットフォーム、従って搾乳ロボットが常に回転搾乳プラットフォームの中心軸に対して水平面内で同じ方向を持つことを確保するように設けられる。支持プラットフォームの直径方向はまた、特に動物が搾乳場所を通して延びる半径方向線に沿って真直ぐに静止していない場合に回転搾乳プラットフォームの一つの同じ半径方向線に対してある角度で傾斜されることができる。
【0014】
本発明の一実施態様によれば、駆動装置は、制御装置と通信しかつ腕に連結された第三駆動部材を含み、制御装置は、回転搾乳プラットフォームの回転のその部分中に第二軸が回転搾乳プラットフォームの中心軸から決定された距離に設けられるような方法で第三駆動部材を制御するように構成される。従って、第三駆動部材は、搾乳ロボットから動物場所までの距離が回転搾乳プラットフォームの回転のその部分中に決定されるかまたは一定であることを確保するように設けられる。決定された距離は、搾乳場所に存在する動物の長さに依存して回転搾乳プラットフォームの異なる搾乳場所に対し異なることができる。
【0015】
本発明の一実施態様によれば、腕は、第一支持装置に連結された第一腕要素、及び第一軸及び第二軸と平行に延びる第三軸の周りに第一腕要素に対して第二腕要素を回転可能にする第三支持装置を介して第一腕要素に連結された第二腕要素を含む。有利には、第三駆動部材は、第三軸の周りに第二腕要素を回転するように配置され、それにより回転搾乳プラットフォームの回転のその部分中に第二軸を回転搾乳プラットフォームの中心軸から前記の決定された距離に維持する。
【0016】
本発明の一実施態様によれば、回転搾乳プラットフォームの回転のその部分は、動物場所の一つの周辺長に相当する長さを持つ。
【0017】
本発明の一実施態様によれば、制御装置は、回転搾乳プラットフォームの回転のその部分に沿って動いた後に終了位置から出発位置に支持プラットフォームを戻すように駆動装置を制御するように構成される。駆動装置は、回転のその部分に沿った移動時と同じ経路に沿って支持プラットフォームを戻すように構成されることができる。しかし、支持プラットフォームを別の経路に沿って、例えば回転搾乳プラットフォームの中心軸からより大きな距離に戻すことも可能である。
【0018】
本発明の一実施態様によれば、支持プラットフォームは、自動操縦装置を運搬するように構成される。自動操縦装置は、回転搾乳プラットフォーム上の動物場所の一つに存在する動物の乳首に溶液を噴霧するための噴霧ノズルを設けるように構成されることができ、または回転搾乳プラットフォーム上の動物場所の一つに存在する動物の乳首に処理カップを取り付けるように構成されることができる。有利には、自動操縦装置は、支持プラットフォーム上に取り付けられたベース部材、及び処理カップを乳首に取り付けるように構成されたロボット腕を含むことができる。さらに、自動操縦装置は、乳首の位置を感知するように構成された乳首センサ、及び乳首センサに応答してロボット腕を制御するように構成された制御装置を含むことができる。
【0019】
本発明の一実施態様によれば、回転搾乳プラットフォーム上に収納箱が設けられ、ロボット腕は、収納箱から処理カップをつかみ、次いで処理カップを動物の乳首に取り付けるように構成されている。
【0020】
本発明の一実施態様によれば、処理カップは、回転搾乳プラットフォーム上に設けられた搾乳装置の乳首カップである。
【0021】
本発明の別の実施態様によれば、処理カップは乳首掃除カップである。
【0022】
本発明の一実施態様によれば、装置は回転搾乳プラットフォームを含むことができる。
【0023】
本発明は、今や好適な実施態様の説明によりここに添付された図面に関して説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明による動物処理装置の上からの図を示す。
【0025】
【図2】図2は、図1の装置の一部の透視図を開示する。
【0026】
【図3】図3は、図1の装置の一部の上からの図を開示する。
【0027】
【図4】図4は、図1の装置の一部の透視図を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明による動物処理装置が図1〜4に関して説明されるであろう。図1に示された動物処理装置は、回転搾乳プラットフォームPのそばに設けられた二つの運搬装置1を含む。動物処理装置はまた、唯一のまたは二つ以上のかかる運搬装置1を含むことができることは注目されるべきである。かかる運搬装置の設計は図2〜4により詳細に示される。
【0029】
回転搾乳プラットフォームPは動物処理装置により構成されることができ、または動物処理装置の運搬装置は、回転搾乳プラットフォームPのそばに配置されるようにかつ回転搾乳プラットフォームPと以下に説明される態様で共働するように構成されることができる。
【0030】
回転搾乳プラットフォームPは、回転搾乳プラットフォームPの垂直中心軸xの周りに搾乳プラットフォーム速度で回転するように配置される。好適な駆動装置(開示なし)が、回転搾乳プラットフォームPを一定搾乳プラットフォーム速度でまたは可変搾乳プラットフォーム速度で回転するために設けられる。回転搾乳プラットフォームPは、回転搾乳プラットフォームPの回転時にそれぞれの動物を収容するように配置された12個より多い動物場所2のような複数の動物場所2を持つ。各動物場所2は周辺長lを持つ。回転搾乳プラットフォームPは、それぞれが中心軸xから半径方向に垂直に延びる無数の(infinite)半径方向線rを持つかまたは規定する。
【0031】
搾乳装置3(図2参照)が、回転搾乳プラットフォームP上のそれぞれのまたは実質的にそれぞれの動物場所2に設けられる。搾乳装置3は、それ自身既知の態様で、減圧源及び好適なミルク収集容器(図示せず)に連結される。搾乳装置3はまた、乳首カップ収納箱のような収納箱4、及びそれぞれが乳首カップ6を運ぶ四つのミルクライン5を含む。ここで乳首カップ6はどのような種類の処理カップであることができ、すなわち動物の搾乳のための乳首カップ6のみならず、しぼり初めの搾乳カップまたは掃除及びマッサージ及びおそらく動物のしぼり初めの搾乳のための乳首掃除カップであることもできる。図2に示された収納箱4はまた、処理カップが乳首掃除カップまたはしぼり初めの搾乳カップであるこれらの可能性を示すことができる。
【0032】
運搬装置1は、地面または床上に静止態様で設けられる基礎11を含む。従って、基礎11は静止基礎であることができる。基礎11はまた、地面に対して可動であることができる。この場合、基礎11は、それが地面に対して静止するように地面への基礎の錠止を可能にする手段を含む。有利には、基礎は、基礎11と回転搾乳プラットフォームPの間の距離が調整されることができるように半径方向線rの上に沿って半径方向に延びるレール(図示せず)に取り付けられることができる。錠止手段(図示せず)は、基礎11を回転搾乳プラットフォームPから希望の距離に錠止するために設けられている。
【0033】
運搬装置1はまた、基礎11上に設けられた第一支持装置12、及び第一支持装置12に連結された腕13を含み、この第一支持装置12は、基礎11に対して腕13を第一軸x周りに回転可能にする。第一軸xは、回転搾乳プラットフォームPの中心軸xと平行にまたは実質的に平行に延びる。
【0034】
さらに、運搬装置1は、腕13に連結されかつ自動操縦装置16を運ぶように構成された支持プラットフォーム15を含む。自動操縦装置16は、搾乳装置3の乳首カップ6を回転搾乳プラットフォームP上の動物場所2の一つに存在する動物に取り付けるよう構成されている。自動操縦装置16は、一般的な種類のいわゆる搾乳ロボットとして構成または設計されることができる。自動操縦装置16は、支持プラットフォーム15上に配置され及び/または取り付けられたベース部材17、及び乳首カップ6を乳首に取り付けるように構成されたロボット腕18を含む。ロボット腕18は、乳首カップ6をつかむためにその遠位端につかみ部材19を持つ。さらに、ロボット腕18はビデオカメラまたは他の好適なセンサのような乳首センサ20を運ぶ。乳首センサ20は、回転搾乳プラットフォームPの動物場所2に存在する動物の乳首の位置を感知するように構成されている。自動操縦装置16はまた、21で概略的に示された制御装置を含む。制御装置21は、乳首センサ20に応答してロボット腕18及びつかみ部材19を制御するように構成されている。自動操縦装置16はまた、好適な殺菌溶液を搾乳が行われた後の乳首に噴霧するように構成された噴霧ノズル(開示せず)を設けることができることは注目されるべきである。噴霧ノズルは、つかみ部材19によりつかまれかつ保持されることができ、または自動操縦装置16のロボット腕18の一部であることができる。
【0035】
運搬装置1はまた、腕13に連結されかつ支持プラットフォーム15を第二軸xの周りに腕13に対して回転させる第二支持装置27を含む。第二軸xは、第一軸x及び中心軸xと平行にまたは実質的に平行に延びる。第二支持装置27は、図3に見ることができるように、腕13の外方端に設けられかつ支持プラットフォーム15を回転態様で支持する。
【0036】
腕13は、第一支持装置12に連結された第一腕要素13a、及び第二支持装置27を運ぶ第二腕要素13bを含む。第一腕要素13aと第二要素13bは、第二腕要素13bを第一腕要素13aに対して第三軸xの周りに回転させる第三支持装置30を介して互いに連結されている。第三軸xは、第三支持装置30を通して延び、第一軸x、第二軸x及び中心軸xと平行にまたは実質的に平行に延びる。
【0037】
支持プラットフォーム15は、第二軸xに垂直に第二軸xを横切る直径方向dを持つかまたは規定する。支持プラットフォーム15はまた、取り付け表面または取り付け部材を持つかまたは規定し、その上に自動操縦装置16が設けられるかまたは取り付けられる。取り付け表面は、例えば上部平坦表面により形成されることができる。かかる平坦表面は水平面と平行に延びることができる。
【0038】
運搬装置1はまた、支持プラットフォーム15を動かすように構成された駆動装置31,32,33を含む。駆動装置31,32,33は、基礎11及び腕13に連結されかつ腕13を第一軸xの周りに回転するように配置された第一駆動部材31を含む。駆動装置31,32,33はまた、腕13及び支持プラットフォーム15に連結されかつ支持プラットフォーム15を第二軸xの周りに回転するように配置された第二駆動部材32を含む。さらに、駆動装置31,32,33は第一腕要素13a及び第二腕要素13bに連結され、かつ第二腕要素13bを第三軸xの周りに回転するように配置された第三駆動部材33を含む。
【0039】
動物処理装置は、36で概略的に示された制御装置、及び37で概略的に示されたセンサを含む。センサ37は制御装置36と通信する。センサ37は、搾乳プラットフォーム速度の瞬時値を感知するように構成されている。センサ37はいかなる好適な種類のもの、例えば回転搾乳プラットフォームP上に設けられた光パターンを読む光学センサであることができ、または回転搾乳プラットフォームPのための駆動装置に連結されたセンサであることができる。
【0040】
制御装置36はまた、駆動装置と通信し、特に第一駆動部材31、第二駆動部材32及び第三駆動部材33と通信する。制御装置36はまた、運搬装置1の駆動装置31,32,33を制御するために搾乳場所2中の動物の位置が考慮されることができるように乳首センサ20と通信することができることが注目されるべきである。
【0041】
従って、制御装置36は、腕13を第一軸xの周りに回転するために第一駆動部材31を制御するように、支持プラットフォーム15を第二軸xの周りに回転するために第二駆動部材32を制御するように、かつ第二腕要素13bを第一腕要素13aに対して第三軸xの周りに回転するために第三駆動部材33を制御するように構成されている。
【0042】
より詳細には、制御装置36は、回転搾乳プラットフォームPの回転の一部中のその出発位置から終了位置までのその回転時に回転搾乳プラットフォームPに追従するように、腕13を回転し、従って支持プラットフォーム15を動かすように、第一駆動部材31を制御するように構成される。回転搾乳プラットフォームPの回転の部分は、動物場所2のそれぞれの周辺長lに相当する長さまたは延長部を持つ。かかる方法では、第二軸xは、回転搾乳プラットフォームPの回転の部分中に、すなわち出発位置から終了位置までの回転時に回転搾乳プラットフォームPの一つの同じ半径方向線rを横切るだろう。半径方向線の選択は予め決められることができ、例えば搾乳場所2の中心線であることができ、または搾乳場所2中に存在する動物に依存させることができ、そこでは制御装置36は乳首センサ20から動物位置信号を受けるように構成されることができる。従って、第一駆動部材31により作られた動きのおかげで、支持プラットフォーム15から動物の乳首までの距離は、乳首カップ6が動物場所2の動物の乳首に取り付けられるときに回転搾乳プラットフォームPの回転の部分中に実質的に一定であるだろう。
【0043】
制御装置36は、回転搾乳プラットフォームPの回転の部分中に支持プラットフォーム15の直径方向dが回転搾乳プラットフォームPの一つの同じ半径方向線と一致するか、または一定角度を形成するような方法で支持プラットフォーム15を回転するために第二駆動部材32を制御するように構成される。かかる方法では、自動搾乳装置16は、回転搾乳プラットフォームPの回転の部分中に、すなわち出発位置から終了位置まで、搾乳場所2の動物に対して一定の方向または配向を持つだろう。直径方向は、有利には一つの同じ半径方向線と一致することができ、すなわち決定された角度はゼロとして予め決められる。動物が搾乳場所内に真直ぐに静止しない場合には、この角度はゼロから逸脱させるのが適切であるかもしれない。そのとき、角度は、搾乳場所2内の動物のかかる斜めの位置を感知し、かつ感知した位置を制御装置36に通信するように構成されることができる乳首センサ20の感知に応答して決定されることができる。
【0044】
制御装置36は、第二軸xが回転搾乳プラットフォームPの回転の部分中に、すなわち出発位置から終了位置まで、回転搾乳プラットフォームPの中心軸xから一定の距離に維持されるように第二腕要素13bを第一腕要素13aに対して第三軸xの周りに回転するように第三駆動部材33を制御するように構成される。かかる方法では、自動操縦装置16から動物の乳首までの距離は回転搾乳プラットフォームPの回転の部分中に実質的に一定であるだろう。この距離は予め決められるか、または例えば搾乳場所2に存在する動物の長さに依存して決められることができ、そこでは動物の長さは、乳首センサ20を介して感知されかつ制御装置36に通信されることができる。
【0045】
さらに、制御装置36は、回転搾乳プラットフォームPの回転の部分に沿って移動した後に支持プラットフォーム15を終了位置から出発位置に戻すために、駆動装置、すなわち第一駆動部材31、第二駆動部材32及び第三駆動部材33を制御するように構成される。かかる方法では、自動操縦装置16は、回転搾乳プラットフォームPの連続する動物場所2に存在する動物に対して同じ位置及び同じ配向にあるだろう。
【0046】
本発明は、記載された実施態様に限定されないが、以下の請求項の範囲内で変更されかつ修正されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸(x)の周りに搾乳プラットフォーム速度で回転するように配置されかつ回転搾乳プラットフォーム(P)の回転時にそれぞれの動物を収容するように配置された複数の動物場所(2)を持つ回転搾乳プラットフォーム(P)のそばに配置されるように構成された少なくとも一つの運搬装置(1)を含む動物処理装置であって、回転搾乳プラットフォーム(P)が、中心軸(x)から垂直に延びる無数の半径方向線(r)を持ち、
運搬装置(1)が
基礎(11)、
基礎(11)上に設けられた第一支持装置(12)、
腕(13)を基礎(11)に対して第一軸(x)の周りに回転させる第一支持装置(12)に連結された腕(13)、
腕(13)に連結された支持プラットフォーム(15)、ただし第二軸(x)が支持プラットフォーム(15)を通してかつ第一軸(x)に平行に延びる、及び
基礎(11)に連結されかつ腕(13)を第一軸(x)の周りに回転するように配置された第一駆動部材(31)を含みかつ支持プラットフォーム(15)を動かすように構成された駆動装置(31,32,33)、
を含み、
動物処理装置が、第一駆動部材(31)と通信する制御装置(36)を含むものにおいて、
動物処理装置が、制御装置(36)と通信しかつ搾乳プラットフォーム速度の瞬時値を感知するように構成されたセンサ(37)を含むこと、及び制御装置(36)が、回転搾乳プラットフォーム(P)の回転の部分中の出発位置から終了位置まで回転搾乳プラットフォーム(P)に追従するように支持プラットフォーム(15)を動かすように第一駆動部材(31)を制御するように構成されていること、
を特徴とする動物処理装置。
【請求項2】
制御装置(36)が、第二軸(x)が回転搾乳プラットフォーム(P)の回転の前記部分中に回転搾乳プラットフォーム(P)の一つの同じ半径方向(r)線を横切るような方法で第一駆動部材(31)を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の動物処理装置。
【請求項3】
運搬装置が、腕(13)に連結されかつ支持プラットフォーム(15)を腕(13)に対して第二軸(x)の周りに回転させる第二支持装置(27)を含み、駆動装置(31,32,33)が、制御装置(36)と通信しかつ支持プラットフォーム(15)を第二軸(x)の周りに回転するように配置された第二駆動部材(32)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の動物処理装置。
【請求項4】
支持プラットフォーム(15)の直径方向(d)が第二軸(x)に垂直に第二軸(x)を横切り、制御装置(36)が、回転搾乳プラットフォーム(P)の回転の前記部分中の支持プラットフォーム(15)の直径方向(d)が回転搾乳プラットフォーム(P)の一つの同じ半径方向線(r)と決定された角度を形成するような方法で支持プラットフォーム(15)を回転するために第二駆動部材(32)を制御するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の動物処理装置。
【請求項5】
駆動装置(31,32,33)が、制御装置(36)と通信しかつ腕(13)に連結された第三駆動部材(33)を含み、制御装置(36)が、回転搾乳プラットフォーム(P)の回転の部分中に第二軸(x)が回転搾乳プラットフォーム(P)の中心軸(x)から決定された距離に位置されるような方法で第三駆動部材(33)を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の動物処理装置。
【請求項6】
腕(13)が、第一支持装置(12)に連結された第一腕要素(13a)、及び第三支持装置(30)を介して第一腕要素(13a)に連結された第二腕要素(13b)を含み、第三支持装置(30)が、第二腕要素(13b)を第一軸(x)及び第二軸(x)に対して平行に延びる第三軸(x)の周りに第一腕要素(13a)に対して回転させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の動物処理装置。
【請求項7】
第三駆動部材(33)が第二腕要素(13b)を第三軸(x)の周りに回転するように配置され、それにより回転搾乳プラットフォーム(P)の回転の部分中に第二軸(x)を回転搾乳プラットフォーム(P)の中心軸(x)から前記決定された距離に維持することを特徴とする請求項5または6に記載の動物処理装置。
【請求項8】
回転搾乳プラットフォーム(P)の回転の部分が、動物場所(2)の一つの周辺長(l)に相当する長さを持つことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の動物処理装置。
【請求項9】
制御装置(36)が、回転搾乳プラットフォーム(P)の回転の部分に沿って移動した後に支持プラットフォーム(15)を終了位置から出発位置に戻すように駆動装置(31,32,33)を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の動物処理装置。
【請求項10】
支持プラットフォーム(15)が、自動操縦装置(16)を運搬するように構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の動物処理装置。
【請求項11】
自動操縦装置が、回転搾乳プラットフォーム(P)の動物場所(2)の一つに存在する動物の乳首に溶液を噴霧するための噴霧ノズルを設けるように構成されているか、または回転搾乳プラットフォーム(P)の動物場所(2)の一つに存在する動物の乳首に処理カップを取り付けるように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の動物処理装置。
【請求項12】
自動操縦装置(16)が、支持プラットフォーム(15)に取り付けられたベース部材(17)、及び処理カップを乳首に取り付けるように構成されたロボット腕(18)を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の動物処理装置。
【請求項13】
自動操縦装置(16)が、乳首の位置を感知するように構成された乳首センサ(20)、及び乳首センサに応答してロボット腕を制御するように構成された制御装置を含むことを特徴とする請求項12に記載の動物処理装置。
【請求項14】
収納箱(4)が、回転搾乳プラットフォーム(P)に設けられ、ロボット腕が、収納箱(4)から処理カップをつかみ、次いで処理カップを動物の乳首に取り付けるように構成されていることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一つに記載の動物処理装置。
【請求項15】
処理カップが、回転搾乳プラットフォーム(P)に設けられた搾乳装置(3)の乳首カップ(6)であることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一つに記載の動物処理装置。
【請求項16】
処理カップが乳首掃除カップであることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一つに記載の動物処理装置。
【請求項17】
装置が回転搾乳プラットフォーム(P)を含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載の動物処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−519362(P2013−519362A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552370(P2012−552370)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051833
【国際公開番号】WO2011/098454
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(500215931)デラヴァル ホルディング アーベー (13)