説明

包装システム

【課題】高さが不均一な不安定積層製品束を自動的に胴巻き包装する。
【解決手段】積層製品束Wを、胴巻き開始製品位置Aへ供給する供給装置100と、胴巻き開始製品位置Aの直下に設定された胴巻き開始前シート位置Bへ、ウェブ状をした梱包用のシートSを供給するとともに、当該シートの先端縁に粘着テープを配し、且つ積層製品束Wの周囲を胴巻きできる長さに当該シートを切断する梱包用シート仕立て装置200と、胴巻き開始製品位置Aに供給された積層製品束Wを、高さ方向に圧縮しつつ、胴巻き開始前シート位置Bに供給されたシートSで胴巻きする圧縮胴巻き装置300と、胴巻きされた積層製品束Wを、シート折畳み位置Cへ移送する移送装置400と、シート折畳み位置Cにて、積層製品束Wの両端部を高さ方向に圧縮しつつ、当該積層製品束Wの両端から幅方向に延出しているシートの耳部を折り畳むシート折畳み装置500と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、商店などで提供される手提げ紐の付いた紙袋や打抜きブランク(展開状態の包装箱)など、積層した際に部分的に膨らみが生じて高さが不均一となる製品を、多数枚積み重ねて胴巻き包装するための包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の包装システムとしては、例えば、特許文献1乃至3に開示された構成のものが提案されている。これら従来の包装システムは、本や冊子など紙製品を一定量重ねて包装するもので、詳しくは、エレベータ上に供給された包装シートの上に、略直方体形状に積み重ねられた積層製品束を載置し、このエレベータの下降動作を利用して、積層製品束の底面と対向する側面に包装シートをU字形に巻き付けた後、側面上方に延びたシート端部を積層製品束の上面に沿って折り込んで胴巻きし、その際に積層製品束の幅方向に形成される筒状のシート延出部を左右上下に折り込んで粘着テープ止めする構成となっている。
【0003】
しかしながら、これら従来の包装システムは、積み重ねた積層製品束が略直方体となるものを包装対象としており、商店などで提供される手提げ紐の付いた紙袋や打抜きブランク(展開状態の包装箱)など、積層した際に部分的に膨らみが生じて高さが不均一となる製品については、包装対象として想定されてなく、仮にこの種の高さが不均一な積層製品束を包装しようとした場合、包装作業中に荷崩れが生じたり、包装後の形態において部分的に隙間が生じるなどして製品が内部で移動して荷姿が不安定となり、物流搬送中に包装形態が損壊する等のおそれがある。
したがって、従来は、積み重ねた際に高さが不均一となる製品は、もっぱら手作業で胴巻き包装が行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−338206号公報
【特許文献2】特許第3483038号公報
【特許文献3】特許第3403434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、複数の製品を縦方向に積層してなる積層製品束であって、高さが不均一な不安定積層製品束を自動的に胴巻き包装することのできる包装システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の製品を縦方向に積層してなる積層製品束であって、高さが不均一な不安定積層製品束を胴巻き包装するための包装システムであって、
不安定積層製品束を、あらかじめ設定された胴巻き開始製品位置へ供給する積層製品束供給装置と、
胴巻き開始製品位置の直下に設定された胴巻き開始前シート位置へ、ウェブ状をした梱包用のシートを供給するとともに、当該シートの先端縁に粘着媒体を配し、且つ不安定積層製品束の周囲を胴巻きできる長さに当該シートを切断する梱包用シート仕立て装置と、
胴巻き開始製品位置に供給された不安定積層製品束を、高さ方向に圧縮しつつ、胴巻き開始前シート位置に供給されたシートで胴巻きする圧縮胴巻き装置と、
シートで胴巻きされた不安定積層製品束の両端部を高さ方向に圧縮しつつ、当該不安定積層製品束の両端から幅方向に延出しているシートの耳部を折り畳むシート折畳み装置と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明は、更に、シートで胴巻きされた不安定積層製品束を、シート折畳み装置による作業位置であるシート折畳み位置へ移送する移送装置を備えた構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0008】
上述した構成の本発明に係る包装システムによれば、高さが不均一な不安定積層製品束を自動的に胴巻き包装することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る包装システムの概要を説明するための工程図である。
【図2】本発明の実施形態に係る包装システムの外観を示す正面図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】積層製品束供給装置を説明するための図で、(a)は第1供給ユニットを示す斜視図、(b)は第2供給ユニットを示す斜視図である。
【図5】積層製品束供給装置の構成と動作を示す斜視図である。
【図6】梱包用シート仕立て装置の構成と動作を示す斜視図である。
【図7】梱包用シート仕立て装置の粘着テープ付与機構を示す斜視図である。
【図8】圧縮胴巻き装置におけるエレベータの構成と動作を模式的に示す断面図である。
【図9】圧縮胴巻き装置におけるエレベータ、胴巻きプレス機構、および荷崩れ防止機構の構成と動作を示す斜視図である。
【図10】(a)〜(c)は圧縮胴巻き装置における上面巻き込み機構の構成と動作を示す模式図、(d)は同じく斜視図である。
【図11】図9に続く、圧縮胴巻き装置におけるエレベータ、胴巻きプレス機構、および荷崩れ防止機構の構成と動作を示す斜視図である。
【図12】移送装置の構成と動作を示す斜視図である。
【図13】図12に続く、移送装置の構成と動作を示す斜視図である。
【図14】シート折畳み装置の構成と動作を示す斜視図である。
【図15】図14に続く、シート折畳み装置の構成と動作を示す斜視図である。
【図16】図15に続く、シート折畳み装置の構成と動作を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る包装システムの概要を説明するための工程図である。
本実施形態に係る包装システムは、積層製品束供給装置100、梱包用シート仕立て装置200、圧縮胴巻き装置300、移送装置400、およびシート折畳み装置500の各装置により構成されている。
【0011】
すなわち、まず、積層製品束供給装置100が、不安定積層製品束Wを、あらかじめ設定された胴巻き開始製品位置Aに供給するとともに、これと並行して梱包用シート仕立て装置200が、胴巻き開始製品位置Aの直下に設定された胴巻き開始前シート位置Bに、ウェブ状をした梱包用のシートSを切断して供給する。このとき、シートSの先端縁には、粘着テープT(粘着媒体)が貼り付けられる。続いて、圧縮胴巻き装置300が、胴巻き開始製品位置Aに供給された不安定積層製品束Wを、高さ方向に圧縮しつつ、胴巻き開始前シート位置Bに供給されたシートSで胴巻きする。このようにシートSで胴巻きされた不安定積層製品束W1は、移送装置400によって、シート折畳み装置500による作業位置であるシート折畳み位置Cに移送される。最後に、シート折畳み装置500が、シートSで胴巻きされた不安定積層製品束Wの両端部を高さ方向に圧縮しつつ、当該不安定積層製品束Wの両端から幅方向に延出しているシートSの耳部を折り畳む。このようにして胴巻き包装された不安定積層製品束W2は、移送装置400によって排出される。
【0012】
図2は、本発明の実施形態に係る包装システムの外観を示す正面図、図3は、同じく平面図である。
包装システムは、これらの図の左側を上流側としており、上流側から下流側に向かって、積層製品束供給装置100と梱包用シート仕立て装置200、圧縮胴巻き装置300、シート折畳み装置500の順で配設されている。また、圧縮胴巻き装置300からシート折畳み装置500を経てさらに下流方向に延ばして移送装置400が配設されている。
【0013】
積層製品束供給装置100は、図3に示すように、水平面上でL字形の供給軌道を形成しており、始端部で作業員が、製品を積み重ねて不安定積層製品束Wを作り、供給位置Dに配置する。供給位置Dに配置された不安定積層製品束Wは、L字形の供給軌道に沿って、まず横方向に搬送され、角部から方向を変えて前方へと搬送されていき、胴巻き開始製品位置Aに配置される。
【0014】
梱包用シート仕立て装置200は、図2に示すように、積層製品束供給装置100における前方に向かう搬送軌道の下方に配設されており、システムの後部に設置した巻ロールSXから繰り出してきたウェブ状をした梱包用のシートSを、システムの上流側から前方(下流側)へと供給し、当該シートSを切断し、且つ当該シートSの先端縁に粘着テープTを貼り付けて、胴巻き開始製品位置Aの直下に設定された胴巻き開始前シート位置Bに供給する。
【0015】
ウェブ状のシートSは、図2に破線で示すように、システムの後部から床面近くに設けたシートS繰り出し軌道を通って、システムの上流側から梱包用シート仕立て装置200に送り込まれる。
なお、本実施形態では、2本の巻ロールSXからそれぞれシートSを繰り出し、2枚のシートSを重ね合わせて供給している。このように重ね合わされた2枚のシートSにより不安定積層製品束Wを胴巻き包装することで、高い強度で破れにくい包装形態を形成することができる。
【0016】
圧縮胴巻き装置300は、シートSの上面に配置された不安定積層製品束Wを、シートSと一緒に、胴巻き開始製品位置Aからその下方にあらかじめ設定した胴巻き位置Eまで下降させる過程で、シートSを不安定積層製品束Wの側部に巻き込み、さらに胴巻き位置Eにて不安定積層製品束Wの上面にシートSを巻き込んで、胴巻きする。
【0017】
移送装置400は、胴巻き位置Eを始端として、同位置の下流側に配設されたシート折畳み装置500のシート折畳み位置Cへと、胴巻きされた不安定積層製品束Wを移送する。
シート折畳み装置500は、このシート折畳み位置Cにて、シートSで胴巻きされた不安定積層製品束Wの両端から幅方向に延出しているシートSの耳部を折り畳んで、胴巻き包装形態を完成させる。このようにして胴巻き包装された不安定積層製品束Wは、移送装置400によって、さらに下流側に設けた排出位置Fへと排出される。
【0018】
次に、実施形態に係る包装システムを構成する各装置について、それぞれ詳細に説明する。
〔積層製品束供給装置100〕
図4および図5は、積層製品束供給装置100を説明するための図である。
積層製品束供給装置100は、L字形の供給軌道(図1、図3参照)における横方向への搬送を行う第1供給ユニット110と、同供給軌道における角部を中継位置Gとして、この中継位置Gから前方への搬送を行う第2供給ユニット120で構成されている。
【0019】
図4(a)に示すように、第1供給ユニット110は、横方向の供給軌道に沿って往復移動する移動テーブル111と、この移動テーブル111に組み込まれた一対の第1支持部材112とを備えている。移動テーブル111は、横方向の供給軌道に沿って配設した案内レール113上を、図示しない駆動モータからの駆動力を受けて往復移動する。移動テーブル111の一方の移動端は、不安定積層製品束Wの供給位置Dに設定してあり、他方の移動端は、上述した中継位置Gに設定してある。
【0020】
1対の第1支持部材112は、移動テーブル111から鉛直上方向へ突き出した板状片で構成してあり、その鉛直面112aが互いに対向配置されている。この対向配置された鉛直面112aは、図5(a)に示すように、不安定積層製品束Wにおける幅方向の両側を支持する鉛直支持面となる。なお、不安定積層製品束Wは、供給位置Dにおいて、幅方向をシステムの横方向に合わせて移動テーブル111上で、且つ第1支持部材112に挟まれた中間部に配置される。
これにより、第1供給ユニット110は、図5(a)(b)に示すように、不安定積層製品束Wにおける幅方向の両側を、鉛直支持面を有する一対の第1支持部材112により支持した状態で、移動テーブル111が移動して当該不安定積層製品束Wを中継位置Gまで搬送する。
なお、この中継位置Gは、供給位置Dにおいて、幅方向をシステムの横方向に合わせて移動テーブル111上に配置された不安定積層製品束Wに対しては、当該幅方向の延長線上に存在する。
【0021】
第1供給ユニット110には、図4(a)に示すように、対向配置された一対の第1支持部材112の間隔を調整するための間隔調整機構114が組み込まれている。この間隔調整機構114は、一対の第1支持部材112を中心基準で、それぞれ横方向(不安定積層製品束Wの幅方向)に対称移動して、各第1支持部材112の間隔を、供給対象となる不安定積層製品束Wの幅寸法に合わせる機能を有している。
間隔調整機構114は、例えば、周知の送りねじ機構を利用して構成することができる。具体的構成例としては、ボールねじに螺合したナット部材に各第1支持部材112を固定し、ボールねじの回転に伴い各第1支持部材112を対称移動させる構成により実現することができる。
図4に示す本実施形態では、操作ハンドルの手動操作をもって、間隔調整機構114を駆動して第1支持部材112を対称移動させるようにしているが、サーボモータ等を利用して自動的に駆動させることもできる。
【0022】
この間隔調整機構114をもって、一対の第1支持部材112の間隔を中心基準で調整し、その中間部に不安定積層製品束Wを配置することで、幅寸法が異なる各種の不安定積層製品束Wも、第1供給ユニット110上での配置中心は常に一定位置となる。
ここで、中継位置Gにおける各第1支持部材112の幅方向中心位置は、胴巻き開始製品位置Aの中心を通り、第2供給ユニット120の供給軌道と平行な直線上に設定してある。
これにより、第1供給ユニット110により中継位置Gに搬送されてきた不安定積層製品束Wは、第2供給ユニット120による搬送を経て、幅方向中心位置が胴巻き開始製品位置Aの中心に配置されることになる。
【0023】
第2供給ユニット120は、図4(b)に示すように、一対の第2支持部材121を備えている。各第2支持部材121は、図示しない駆動機構により、システムの前後方向に一体に駆動される。これら一対の第2支持部材121は、上方から鉛直下方に垂下された各2枚の板状をした支持片122で構成してあり、その鉛直面122bが互いに対向配置されている。この対向配置された鉛直面は、不安定積層製品束Wにおける奥行き方向の両側を支持する鉛直支持面となる。なお、不安定積層製品束Wにおける奥行き方向とは、既述した幅方向に水平面上で直交する方向をいう。
【0024】
第2供給ユニット120は、図5(b)に示すように、中継位置Gで不安定積層製品束Wを受け取り、当該不安定積層製品束Wの奥行き方向の両側を、各2枚の支持片122からなる一対の第2支持部材121により支持する。そして、図5(c)に示すように、システムの前方に移動して胴巻き開始製品位置Aまで不安定積層製品束Wを搬送する。第2供給ユニット120によるシステムの前方に向かう供給軌道は、中継位置Gにて第2支持部材121が支持する不安定積層製品束Wの奥行き方向と一致している。換言すれば、第2供給ユニット120は、中継位置Gで受け取った不安定積層製品束Wを、その奥行き方向の延長線上に設けた胴巻き開始製品位置Aまで搬送する。
【0025】
一対の第2支持部材121は、図4(b)に示すように、間隔調整できるようになっている。この間隔調整は、奥側の第2支持部材121を固定し、当該奥側の第2支持部材121を基準にして手前側の第2支持部材121を奥行き方向に移動させる機構となっている。これにより、各第2支持部材121の間隔を、供給対象となる不安定積層製品束Wの奥行き寸法に合わせることができる。
さらに、一対の第2支持部材121を構成する各2枚の支持片122は、それぞれ幅方向に移動して不安定積層製品束Wの支持位置を可変できるようになっている。これにより、不安定積層製品束Wの幅寸法に合わせて、2枚の支持片122による支持位置を調整することができる。
これらの調整手段機構も、既述した第1供給ユニット110の間隔調整機構114と同様に、例えば、周知の送りねじ機構を利用して構成することができる。
【0026】
また、図4(a)に示すように、供給位置Dから中継位置Gにかけての第1供給ユニット110の供給軌道に沿って、その両縁部に支持板130、131が設けてある。これらの支持板130、131は、第1供給ユニット110により搬送される不安定積層製品束Wに対し、その奥行き方向の両側部を支持して、搬送中の荷崩れを防止する。手前側の支持板130は、前後方向(搬送される不安定積層製品束Wの奥行き方向)に移動調整できるようになっている。これにより、各支持板130、131の間隔を、供給対象となる不安定積層製品束Wの奥行き寸法に合わせることができる。
なお、図5(a)に示すように、これら支持板130、131は、供給位置Dまで延在しており、これらの支持板130、131と第1支持部材112で、不安定積層製品束Wの供給エリアが画定される。したがって、作業員は、これら支持板130、131と第1支持部材112に囲まれたエリア内に、不安定積層製品束Wを供給すればよい。
【0027】
上述した構成の積層製品束供給装置100は、図5(a)に示すように、第1供給ユニット110の第1支持部材112が供給位置Dに待機している状態で、作業員による不安定積層製品束Wの供給が行われ、続いて図5(b)に示すように、第1支持部材112が横方向(不安定積層製品束Wの幅方向)に移動して不安定積層製品束Wを中継位置Gまで搬送する。このとき、中継位置Gには、第2供給ユニット120の第2支持部材121が待機しており、中継位置Gに搬送されてきた不安定積層製品束Wを、前方(不安定積層製品束Wの奥行き方向)に設定してある胴巻き開始製品位置Aへと搬送して配置する。
【0028】
〔梱包用シート仕立て装置200〕
図6および図7は、梱包用シート仕立て装置200を説明するための図である。
梱包用シート仕立て装置200は、シート搬送機構210(シート搬送手段)と、粘着テープ付与機構220(粘着媒体付与手段)と、シートカッタ230(シート切断手段)とで構成されている。
図6に示すように、シート搬送機構210は、巻ロールSX(図2参照)から繰り出してきたウェブ状をした梱包用のシートSを、当該シートSの先端縁をあらかじめ設定してある粘着テープ付与位置H(粘着媒体付与位置)まで搬送して途中停止するともに(図6(b)参照)、更にシートSを搬送して既述した胴巻き開始前シート位置Bに当該シートSを配置する機能を有している(図6(c)参照)。
【0029】
ここで、粘着テープ付与位置Hは、胴巻き開始前シート位置Bの前方に設定されており、巻ロールSXから繰り出されてきたシートSの先端縁は、胴巻き開始前シート位置Bを通過して、粘着テープ付与位置Hに到達する。そこで、シートSの先端縁を粘着テープ付与位置Hへ搬送する際は、あらかじめ胴巻き開始前シート位置Bに後述するエレベータ310の載置盤311が、胴巻き開始前シート位置Bに配置されて、シートSの搬送軌道を形成している。(この点については、後で詳細に説明する。)
【0030】
粘着テープ付与機構220は、図7に示すように、粘着テープ繰出し機構221(粘着テープT繰出し手段)と、テープカッタ222(テープ切断手段)と、テープ搬送コンベア223(テープ搬送手段)と、テープ貼付けブロック224(テープ貼付け手段)とで構成されている。
粘着テープ繰出し機構221は、片面が粘着面となっている帯状の粘着テープTを、粘着面を上面にしてテープ搬送コンベア223に受け渡す位置まで繰り出し供給する。
テープカッタ222は、繰り出されてきた粘着テープTをあらかじめ設定した長さに切断する。
そして、テープ搬送コンベア223は、粘着テープ付与位置Hを通る搬送軌道を吸引ベルトが移動する構成となっており、切断された粘着テープTを、吸引ベルトの表面に吸着して、粘着テープ付与位置Hまで搬送し、当該位置の床面に配置する。
なお、粘着テープ付与位置Hは、搬送されてくるシートSに対し、横断する方向に延在して設定されている。
【0031】
シート搬送機構210は、粘着テープ付与位置Hに配置された粘着テープTに対して、シートSの先端縁が一部重なり合う位置までシートSを搬送して一旦停止する。
テープ貼付けブロック224は、粘着テープ付与位置Hに配置された粘着テープTの粘着面に向かって、上方の対向位置から下降して粘着テープTを押圧する。これにより、シートSの先端縁に重なり合った粘着テープTの部分が、テープ貼付けブロック224によってシートSの先端縁に押し付けられて、当該シートSの先端縁に貼り付く。テープ貼付けブロック224は、粘着テープTに塗布された粘着剤が粘着しにくい材料で製作してあり、シートSの先端縁からはみ出した粘着テープTがテープ貼付けブロック224に貼り付くおそれはない。
【0032】
なお、粘着テープ付与機構220は、粘着テープ繰出し機構221、テープカッタ222、およびテープ搬送コンベア223を連携して制御することで、図7に示すように、粘着テープTを断続的に繰り出して切断し、複数枚に小分けした粘着テープTを、テープ搬送コンベア223における吸引ベルトの表面に供給して、粘着テープ付与位置Hに配置できる機能を備えている。
【0033】
このように、粘着テープTを複数枚に小分けにして供給配置することで、例えば、シートSの中央と両隅近くの3箇所に粘着テープTを配置することができる。不安定積層製品束Wの多くは、中央部分が膨らみ、両端部は密度粗く押圧すると凹んで高さが低くなる傾向にある。
このような不安定積層製品束Wに対して、シートSの一端から他端にかけて1枚の粘着テープTで貼り付けて胴巻きを行うと(図1のW1参照)、テープTやシートSに皺が生じやすく、見栄えが悪い。
一方、膨らみのある中央部のみを粘着テープTで貼り付けて胴巻きを行うと(図1のW1参照)、凹んで高さが低くなった端部から延出するシートSの耳部S1を折り畳む際(図14(c)参照)、胴巻きしたシートSの重なり部分が開いてしまい、適正な折り畳み形態を形成できないおそれがある。
そこで、上述したように、シートSの中央と両隅近くの3箇所に粘着テープTを配置すれば、このような不都合を回避することが可能となる。
【0034】
上述した構成では、ウェブ状をした梱包用のシートSに対して、粘着テープ付与位置H(粘着媒体付与位置)でまず粘着テープTを貼り付け、その後にシートSを切断する構成としていたが、動作順序はこれに限定されるものではない。
例えば、胴巻き包装に使用するシートSの長さが短い場合は、先に使用長さにシートを切断し、その後に粘着テープTを貼り付け、続いて胴巻き開始前シート位置BにシートSを配置することもできる。
【0035】
また、本実施形態では、粘着媒体として粘着テープTを使用したが、これに限らず、例えば、液体状又はゲル上の状の糊を粘着媒体として使用することもできる。その場合は、粘着媒体付与位置(粘着テープ付与位置Hに相当する位置)に糊ガンを設置しておけばよい。
【0036】
〔圧縮胴巻き装置300〕
図8〜図11は、圧縮胴巻き装置300を説明するための図である。
圧縮胴巻き装置300は、エレベータ310(昇降手段)と、胴巻きプレス機構320(胴巻きプレス手段)と、荷崩れ防止機構330(荷崩れ防止手段)と、上面巻き込み機構340(上面巻込み手段)と、高さセンサ350とで構成されている。
エレベータ310は、図8に示すように、昇降自在な載置盤311を備えている。この載置盤311は、胴巻き開始製品位置Aに供給された不安定積層製品束Wを載置して、胴巻き開始製品位置Aの下方にあらかじめ設定した胴巻き位置Eへと下降する。
【0037】
ここで、図8(a)に示すように、胴巻き開始前シート位置Bの床面には、載置盤311の平面形状に対応した形状で、当該載置盤311が通過できる下部切欠口B1が形成してある。また、胴巻き開始製品位置Aの床面には、載置盤311の平面形状に対応した形状で、当該載置盤311が嵌合する上部切欠口A1が形成してある。
【0038】
エレベータ310は、既述した梱包用シート仕立て装置200によって、胴巻き開始前シート位置BをシートSが搬送されるとき、あらかじめ載置盤311を上昇させて、下部切欠口B1内に配置するように制御されている(図8(b)参照)。これにより、載置盤311がシートS搬送軌道の一部を形成することになり、搬送されてくるシートSの先端縁が、下部切欠口B1の縁部に引っ掛かることを防止できる。
【0039】
さらに、エレベータ310は、既述した積層製品束供給装置100によって、胴巻き開始製品位置Aに不安定積層製品束Wが供給されるとき、あらかじめ載置盤311を上昇させて、シートSを持ち上げるとともに、上部切欠口A1内に配置するよう制御されている(図8(c)参照)。これにより、載置盤311と上部切欠口A1の内縁との間にシートSが噛み込まれて、当該シートSが胴巻き開始製品位置Aの床面に固定配置されるため、その後に胴巻き開始製品位置Aに供給されてくる不安定積層製品束WがシートSに摺接しても、シートSが位置ずれを生じるおそれはない。
【0040】
また、エレベータ310は、胴巻き開始製品位置Aで載置盤311の上面に不安定積層製品束Wが載置された後、当該不安定積層製品束Wとその下に敷かれたシートSを、載置盤311とともに下降させて、下方に設定した胴巻き位置Eに配置する(図8(d)参照)。
【0041】
図9に示すように、胴巻きプレス機構320は、胴巻き開始製品位置Aから胴巻き位置Eへと下降する不安定積層製品束Wの上面を一対のプレス板321で押圧し、当該不安定積層製品束Wを圧縮する。一対のプレス板321は、不安定積層製品束Wの幅方向外側から、胴巻き開始製品位置Aに配置された不安定積層製品束Wの上方近傍位置に移動してくる(図9(a)参照)。次いで、下方に移動して不安定積層製品束Wの上面を圧縮する(図9(b)参照)。
このように高さ方向に圧縮した状態で、後述するようにシートSを胴巻きすることで、高さの不均一な不安定積層製品束Wを、固く安定して荷崩れしにくい荷姿に梱包することができる。
【0042】
荷崩れ防止機構330は、胴巻き開始製品位置Aに配置された不安定積層製品束Wの幅方向の両側部を、押圧支持する一対の側部支持板331を備えている。これらの側部支持板331は、平坦な鉛直面(鉛直押圧面)を有しており、当該鉛直押圧面を不安定積層製品束Wの幅方向の両側部に当接させて押圧支持する構成となっている。
不安定積層製品束Wは、胴巻き開始製品位置Aから下方に移動する間、一対の側部支持板331により幅方向の両側部が支持されて、当該幅方向への荷崩れが防止される。
【0043】
高さセンサ350は、胴巻き開始製品位置Aにて、不安定積層製品束Wの上面を押圧して当該不安定積層製品束Wを圧縮した状態にあるプレス板321の上面高さ位置を検出する。
エレベータ310の制御部は、高さセンサ350で検出したプレス板321の上面高さ位置を基準にして、当該プレス板321の上面高さ位置から胴巻き位置Eまでの距離を算出し、当該プレス板321の上面を胴巻き位置Eに配置するように、載置盤311を下降させる(図9(c)参照)。
【0044】
上面巻き込み機構340は、図10に示すように、胴巻き位置Eまで下降してきた不安定積層製品束Wの上面に、シートSを巻き込む機能を備えている。本実施形態では、不安定積層製品束Wの上面を圧縮する一対のプレス板321も一緒にシートSに巻き込む構成としてある。
上面巻き込み機構340は、一対の巻込みローラ341、342を備えている。これら一対の巻込みローラ341、342は、胴巻き位置Eにおいて、システムの前後方向(同位置に配置された不安定積層製品束Wの奥行き方向)の両側位置(待機位置)で待機している(図10(a)参照)。
【0045】
本実施形態では、これら一対の巻込みローラ341、342は、不安定積層製品束WおよびシートSが下降する過程で、当該シートSを不安定積層製品束Wにおける奥行き方向の両側部に巻き込む側面巻込み案内部としても機能している。
すなわち、載置盤311とともに胴巻き開始製品位置Aから下降してくる際、シートSは、一対の巻込みローラ341、342に案内されて、不安定積層製品束Wの奥行き方向の両側部へと巻き込まれていく(図10(a)参照)
【0046】
一対の巻込みローラ341、342は、まず、粘着テープTが貼り付けられていないシートSの端縁を巻き込む側の巻込みローラ341が、上記待機位置から内側へ水平に移動して、不安定積層製品束Wの上面を押圧するプレス板321の上面に、シートSを巻き込んでいく(図10(b)参照)。次いで、当該巻込みローラ341が待機位置へ後退する動作に同期して、他方の巻込みローラ342が、上記待機位置から内側へ水平に移動して、不安定積層製品束Wの上面を押圧するプレス板321の上面に、シートSを巻き込んでいく(図10(c)参照)。当該シートSの端縁には、粘着テープTが貼り付けられており、この粘着テープTは他方の巻込みローラ342によって、先に巻き込まれたシートSの上面に貼り付けられる。これにより不安定積層製品束Wの周囲にシートSが胴巻きされる(図10(d)参照)。
【0047】
なお、各巻込みローラ341、342は、待機位置から内側に水平移動してシートSを巻き込む動作過程においては回転が規制され、巻き込み動作後に退避する動作過程において回転する一方向回転ローラを採用している。これにより、シートSを巻き込む際はシートSとの間に摺接抵抗が生じて、当該シートSを引っ張りながら巻き込むため、高さの不均一な不安定積層製品束Wを、いっそう固く安定して荷崩れしにくい荷姿に梱包することができる。一方、退避する際は、回転によりシートSとの間に摺接抵抗が生じないため、巻き込んだシートSを引き剥がしてしまうおそれがない。
【0048】
胴巻き位置Eにて、不安定積層製品束Wの周囲にシートSを胴巻きした後、一対のプレス板321は、不安定積層製品束Wの幅方向外側に水平移動して、シートSの内側から抜け出る(図11(a)参照)。さらに、一対の側部支持板331も、幅方向外側に退避して不安定積層製品束Wから離間する。
【0049】
その後、エレベータ310は、胴巻き位置Eからさらに載置盤311を下降させる。胴巻き位置Eの下方には、後述する移送装置400による移送開始位置Iが設定してあり、載置盤311の下降動作をもって、シートSが胴巻きされた不安定積層製品束Wは当該移送開始位置Iに配置される(図11(b)参照)。
【0050】
〔移送装置400〕
図12および図13は、移送装置400を説明するための図である。
移送装置400は、移送開始位置Iに配置された胴巻き済みの不安定積層製品束Wを、後述するシート折畳み装置500による作業位置であるシート折畳み位置Cへと移送する機能を有している。
この移送装置400は、プッシャユニット410と、搬送ユニット420と、挟持ストッパユニット430とで構成されている。
【0051】
プッシャユニット410は、図12に示すように、移送開始位置Iに配置されたエレベータ310の載置盤311の上面から、胴巻き済みの不安定積層製品束Wを掻き出すプッシャ411と、当該不安定積層製品束Wを挟んだプッシャ411の対向位置に設けられ、プッシャ411による掻き出し方向の搬送軌道を開閉する開閉ストッパ412とで構成されている。
開閉ストッパ412は、一対の板状片からなり、移送開始位置Iに配置された不安定積層製品束Wの幅方向に開閉する構成となっている。また、プッシャ411は、支持脚411aの上部に固定された板状の押圧板からなり、システムの前方(移送開始位置Iに配置された不安定積層製品束Wの奥行き方向)に移動して、不安定積層製品束Wを移送開始位置Iから掻き出す。
【0052】
移送開始位置Iに胴巻き済みの不安定積層製品束Wが配置されると、あらかじめ閉じた状態の開閉ストッパ412に向かってプッシャ411が作動して、これら開閉ストッパ412とプッシャ411により不安定積層製品束Wが奥行き方向に押圧される(図12(a)参照)。
この状態から開閉ストッパ412が開いて、プッシャ411による不安定積層製品束Wの掻き出し方向が開放される(図12(b)参照)。このとき、開閉ストッパ412は、不安定積層製品束Wの奥行き方向にある一側部に摺接しながら開くので、胴巻き済みの不安定積層製品束Wに奥行き方向の倒れや傾きがあった場合にも、摺接する開閉ストッパ412の押圧力をもって適正な荷姿に矯正することができる。
【0053】
開閉ストッパ412が開くと、プッシャ411が移動して不安定積層製品束Wを載置盤311の上面から掻き出して、その前方に設けた搬送ユニット420に移送する(図12(c)(d)参照)。ここで、載置盤311は、中央部分で2分割されており、その隙間を通ってプッシャ411の支持脚411aが移動可能となっている。
【0054】
搬送ユニット420は、ベルトコンベヤ421で構成してあり、プッシャ411により移送されてきた不安定積層製品束Wを下流にあるシート折畳み位置Cへ搬送する(図13(a)参照)。
シート折畳み位置Cには、挟持ストッパユニット430が設けてある。挟持ストッパユニット430は、前ストッパ431と、挟撃ストッパ432とを有している。前ストッパ431は、シート折畳み位置Cの先端縁で待ち受けて、ベルトコンベヤ421により搬送されてきた不安定積層製品束Wに対し、奥行き方向の一側部に当接して移動を阻止する(図13(b)参照)。続いて、挟撃ストッパ432が下方から突き出して前方に移動し、不安定積層製品束Wにおける奥行き方向の他側部に当接する(図13(b)参照)。これにより、不安定積層製品束Wは、シート折畳み位置Cにて、前ストッパ431と挟撃ストッパ432とによって挟持固定される(図13(c)参照)。したがって、後述するシート折畳み装置500による折り畳み動作中の、不安定積層製品束Wの位置ずれを防止することができる。
前ストッパ431と挟撃ストッパ432は、後述するシート折畳み装置500による折り畳み動作が終了した後、下方に移動してベルトコンベヤによる搬送軌道から退避する。シート折畳み装置500によりシートSの耳部が折り畳まれた胴巻き梱包済みの不安定積層製品束Wは、ベルトコンベヤによって、排出位置Fへと搬送されていく(図13(d)参照)。
【0055】
〔シート折畳み装置500〕
図14〜図16は、シート折畳み装置500を説明するための図である。
シート折畳み装置500は、折り下げガイド510と、端部押さえ部材520と、一対の横折りガイド530と、サイドテープ供給機構540と、折り上げガイド550と、を備えている。
シート折畳み位置Cに配置された不安定積層製品束Wの幅方向の両端からは、周囲を胴巻きするシートSが外方に延出して耳部S1を形成している(図14(b)参照)。
【0056】
折り下げガイド510は、これらシートSの耳部S1に対し、上方から下降してきて当該耳部S1を折り下げる(図14(c)参照)。このとき、図4(a)に示す如き構成をした端部押さえ部材520が下降してきて、不安定積層製品束Wの幅方向の両端部を押圧保持する(図14(b)参照)。
高さが不均一な不安定積層製品束Wの場合、特に中央部が膨らんでいると、シートSにより胴巻きされた状態にあって両端部に隙間ができることがある。両端部に隙間がある状態で、耳部S1を折り下げると、当該両端部が型崩れしてしまい、搬送に適した荷姿を形成できないおそれがある。
そこで、耳部S1を折り下げる際に、不安定積層製品束Wの幅方向の両端部を上方から押圧保持することで、当該両端部の隙間をなくし、固く安定して荷崩れしにくい荷姿に梱包することができる。
【0057】
一対の横折りガイド530は、上述した折り下げ動作によって耳部S1に形成された左右のフラップS2(図14(c)参照)を、不安定積層製品束Wにおける奥行き方向の内側に折り込む(図15(a)参照)。
これら横折りガイド530は、縦アングル状で下端を矩形状に閉じた一対の3面ガイドであって、折り下げガイド510により耳部S1に形成された左右のフラップS2を、縦アングルの合掌動作で折り込む。その際に、縦アングル下端に相当する横折りガイド530の下端面は、耳部S1の下フラップS3を押し潰すとともに、サイドテープ供給機構540による下フラップS3への粘着テープTの貼り付け動作に際して、下フラップS3を上方から支持する当て板となる(図15(b)参照)。
【0058】
サイドテープ供給機構540は、図15(c)に示すごとく、後述する折り上げガイド550の上面に粘着テープTを切断して供給する。
このサイドテープ供給機構540は、既述した搬送ユニット420の下方に設けられ、不安定積層製品束Wの幅方向の寸法に合わせて同方向に移動し、折り上げガイド550の上面において、耳部S1に形成された下フラップS3の先端に対して粘着テープTが半分ほど重なる位置に、粘着テープTを供給配置する。
【0059】
折り上げガイド550は、サイドテープ供給機構540によって送り込まれた粘着テープTを、耳部S1に形成された下フラップS3の先端に貼り付けた後(図16(a)(b)参照)、当該下フラップS3を上方へ折り上げる(図16(c)参照)。
すなわち、折り上げガイド550は、下フラップS3の折り上げに先立って、サイドテープ供給機構540から下フラップS3先端に向けて送り込まれた粘着テープTを、そのガイドヘッドで下フラップS3先端を介して横折りガイド530の下面に押し付けて、下フラップS3の膨らみを押し潰しつつ半分ほど貼り付ける。そして、横折りガイド530の上昇と連動して上昇し、不安定積層製品束Wの幅方向の端面に耳部S1の下フラップS3を撫で付けながら、粘着テープTで接着する。
【0060】
このようにして、図16(d)に示すように、不安定積層製品束Wの幅方向の端面にシートSの耳部S1が折り込まれ、胴巻き梱包が完成する。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形実施や応用実施が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
100:積層製品束供給装置、110:第1供給ユニット、111:移動テーブル、112:第1支持部材、112a:鉛直面、113:案内レール、114:間隔調整機構、120:第2供給ユニット、121:第2支持部材、122:支持片、122b:鉛直面、130,131:支持板、
200:梱包用シート仕立て装置、210:シート搬送機構、220:粘着テープ付与機構、221:粘着テープ繰出し機構、222:テープカッタ、223:テープ搬送コンベア、224:テープ貼付けブロック、230:シートカッタ、
300:圧縮胴巻き装置、310:エレベータ、311:載置盤、320:胴巻きプレス機構、321:プレス板、330:荷崩れ防止機構、331:側部支持板、340:上面巻き込み機構、341,342:巻込みローラ、350:高さセンサ、
400:移送装置、410:プッシャユニット、411:プッシャ、411a:支持脚、412:開閉ストッパ、420:搬送ユニット、421:ベルトコンベヤ、430:挟持ストッパユニット、431:前ストッパ、432:挟撃ストッパ、
500:シート折畳み装置、510:折り下げガイド、520:端部押さえ部材、530:横折りガイド、540:サイドテープ供給機構、550:折り上げガイド、
A:胴巻き開始製品位置、A1:上部切欠口、B:胴巻き開始前シート位置、B1:下部切欠口、C:シート折畳み位置、D:供給位置、E:胴巻き位置、F:排出位置、G:中継位置、H:粘着テープ付与位置、I:移送開始位置、
W:不安定積層製品束、S:シート、S1:耳部、S2:左右のフラップ、S3:下フラップ、T:粘着テープ、SX:巻ロール、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の製品を縦方向に積層してなる積層製品束であって、高さが不均一な不安定積層製品束を胴巻き包装するための包装システムであって、
前記不安定積層製品束を、あらかじめ設定された胴巻き開始製品位置へ供給する積層製品束供給装置と、
前記胴巻き開始製品位置の直下に設定された胴巻き開始前シート位置へ、ウェブ状をした梱包用のシートを供給するとともに、当該シートの先端縁に粘着媒体を配し、且つ前記不安定積層製品束の周囲を胴巻きできる長さに当該シートを切断する梱包用シート仕立て装置と、
前記胴巻き開始製品位置に供給された不安定積層製品束を、高さ方向に圧縮しつつ、前記胴巻き開始前シート位置に供給された前記シートで胴巻きする圧縮胴巻き装置と、
前記シートで胴巻きされた不安定積層製品束の両端部を高さ方向に圧縮しつつ、当該不安定積層製品束の両端から幅方向に延出しているシートの耳部を折り畳むシート折畳み装置と、を備えたことを特徴とする包装システム。
【請求項2】
更に、前記シートで胴巻きされた不安定積層製品束を、前記シート折畳み装置による作業位置であるシート折畳み位置へ移送する移送装置を備えたことを特徴とする請求項1の包装システム。
【請求項3】
前記積層製品束供給装置は、
前記不安定積層製品束における幅方向の両側を、鉛直支持面を有する一対の第1支持部材により支持した状態で、当該不安定積層製品束を幅方向の延長線上に設けた中継位置まで搬送する第1供給ユニットと、
前記不安定積層製品束における前記幅方向に水平面上で直交する奥行き方向の両側を、鉛直支持面を有する一対の第2支持部材により支持した状態で、当該不安定積層製品束を奥行き方向の延長線上に設けた前記胴巻き開始製品位置まで搬送する第2供給ユニットと、を含むことを特徴とする請求項1又は2の包装システム。
【請求項4】
前記第1供給ユニットは、前記一対の第1支持部材が中心基準でそれぞれ前記幅方向に対称移動して、各第1支持部材の間隔を供給対象となる不安定積層製品束の幅寸法に合わせる間隔調整機構を備えるとともに、
前記中継位置に移動してきた各第1支持部材の幅方向中心位置を、前記胴巻き開始製品位置の中心を通り、前記第2供給ユニットの搬送軌道と平行な直線上に設定したことを特徴とする請求項3の包装システム。
【請求項5】
梱包用シート仕立て装置は、
巻ロールからウェブ状をした梱包用のシートを繰り出し、当該シートの先端縁をあらかじめ設定してある粘着媒体付与位置まで搬送して途中停止するともに、更に当該シートを搬送して前記胴巻き開始前シート位置に前記シートを配置するシート搬送手段と、
前記粘着媒体付与位置に配置された前記シートの先端縁に、粘着媒体を配する粘着媒体付与手段と、
前記シートを先端縁からあらかじめ設定した長さに切断するシート切断手段と、を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装システム。
【請求項6】
前記粘着媒体付与手段は、
片面が粘着面となっている粘着テープを、粘着面を上面にして繰り出し供給する粘着テープ繰出し手段と、
繰り出されてきた粘着テープをあらかじめ設定した長さに切断するテープ切断手段と、
切断された粘着テープを前記粘着媒体付与位置まで搬送するテープ搬送手段と、
前記粘着媒体付与位置に配置された粘着テープの粘着面に向かって上方の対向位置から下降して、前記粘着テープを押圧するテープ貼付け手段と、を含み、
前記シート搬送手段が、前記粘着媒体付与位置に配置された粘着テープに対して、前記シートの先端縁が一部重なり合う位置まで前記シートを搬送する構成としてあることを特徴とする請求項5の包装システム。
【請求項7】
前記圧縮胴巻き装置は、
前記胴巻き開始前シート位置に配置されたシートを前記胴巻き開始製品位置まで持ち上げるとともに、前記不安定積層製品束および前記シートを、前記胴巻き開始製品位置からその下方にあらかじめ設定した胴巻き位置まで下降させる昇降手段と、
前記胴巻き開始製品位置から下降する前記不安定積層製品束の上面を押圧して当該不安定積層製品束を圧縮する胴巻きプレス手段と、
前記不安定積層製品束および前記シートが下降する過程で当該シートを不安定積層製品束における奥行き方向の両側部に巻き込む側面巻込み案内部と、
前記胴巻き位置まで下降してきた前記不安定積層製品束の上面に、前記シートを巻き込む上面巻込み手段と、含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の包装システム。
【請求項8】
前記圧縮胴巻き装置は、
更に、前記胴巻き開始製品位置に配置された不安定積層製品束の幅方向の両側部を鉛直押圧面にて押圧支持する荷崩れ防止手段を備えていることを特徴とする請求項7の包装システム。
【請求項9】
前記昇降手段は、前記不安定積層製品束を載置するための昇降自在な載置盤を有しており、
前記胴巻き開始前シート位置の床面には、前記載置盤の平面形状に対応した形状で、当該載置盤が通過できる下部切欠口が形成してあり、
前記胴巻き開始製品位置の床面には、前記載置盤の平面形状に対応した形状で、当該載置盤が嵌合する上部切欠口が形成してあり、
前記載置盤は、前記胴巻き開始前シート位置に前記シートが搬送されるとき、前記下部切欠口内に配置されてシート搬送軌道の一部を形成し、更に、前記胴巻き開始製品位置に前記不安定積層製品束が供給されるときは、前記上部切欠口内に配置されて、当該上部切欠口の内縁との間に前記シートを噛み込んだ状態で当該シートを前記胴巻き開始製品位置の床面に配置することを特徴とした請求項7又は8の包装システム。
【請求項10】
前記胴巻きプレス手段は、前記不安定積層製品束の上面を押圧するプレス板を備えており、
前記圧縮胴巻き装置は、
更に、前記胴巻き開始製品位置にて、前記不安定積層製品束の上面を押圧して当該不安定積層製品束を圧縮した状態にある前記プレス板の上面高さ位置を検出する高さセンサを有し、
前記高さセンサで検出した前記プレス板の上面高さ位置を基準にして、前記不安定積層製品束を前記胴巻き位置に向け下降させることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の包装システム。
【請求項11】
前記圧縮胴巻き装置は、
前記プレス板を一対備えており、各プレス板にて前記不安定積層製品束の上面を押圧するとともに、
前記上面巻き込み手段が、前記不安定積層製品束の上面を押圧するこれら一対のプレス板を一緒に前記シートにて巻き込む構成となっており、
更に、前記一対のプレス板が、前記不安定積層製品束の幅方向に移動して前記シートの内側から抜け出す構成としてあることを特徴とする請求項10の包装システム。
【請求項12】
前記シート折畳み装置は、
前記シートで胴巻きされた不安定積層製品束の両端部を高さ方向に圧縮しつつ、当該不安定積層製品束の両端から幅方向に延出しているシートの耳部を折り畳む構成であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の包装システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−218776(P2012−218776A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86418(P2011−86418)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(511089675)株式会社パックマン (1)
【Fターム(参考)】