包装装置、包装装置のための戻止機構、その包装装置の操作方法
物品、その中でも特にパレットなどの上に積み重ねられた物品をチューブ状フィルムで包装するため、ドーム状フィルムカバーを生成させて供給する溶融切断システムを有するフィルム供給装置4を装置用フレーム6の中に備えていて、そのフィルム供給装置4は、装置用フレーム6の中を鉛直方向に上下に移動する被覆装置7と協働し、その被覆装置7は、フィルムカバーを掴んで配置し、装置用フレーム6の下方区画に位置する物品を被覆する設計の包装装置1は、フィルム供給装置4が装置用フレーム6の中を鉛直方向に移動することを特徴とする。この構成により、特にフィルム供給装置の設置、メンテナンス、修理が容易になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品、その中でも特にパレットなどの上に積み重ねられた物品をチューブ状フィルムで包装するため、ドーム状フィルムカバーを生成させて供給する溶融切断システムを有するフィルム供給装置をフレームの中に備えていて、そのフィルム供給装置は、フレームの中を鉛直方向に上下に移動する被覆装置と協働し、その被覆装置は、フィルムカバーを掴んで広げ、装置用フレームの下方区画に位置する物品を被覆する設計の包装装置に関する。
【0002】
本発明は、更に、包装装置のための戻止機構、および、その包装装置の操作方法に関する。
【背景技術】
【0003】
チューブ状のフィルムを用いて物品を包装するための方法と装置が従来から知られている。例えば上記のタイプの包装装置は、通常、溶融切断システムを有するフィルム供給装置と、被覆装置とを備えていて、フィルム供給装置と溶融切断システムは、被覆装置の上方にあるフレームの中に固定されている。フィルム供給装置は、フィルム供給ロールからチューブ状フィルムの断片を供給する。そのチューブ状フィルムの断片は溶融してフィルムカバーまたはフィルムドームになり、溶融ラインの上方で分離される。すると被覆装置がこのようにして製造されたフィルムドームを掴んで開き、フレーム内で下方に移動させる結果、フィルムドームがフレームの下部区画に位置する物品の上に広げられてその物品を覆う。
【0004】
上記のタイプの公知の包装装置は、フレームの外側に、この装置の上端にあるメンテナンス用または修理用の土台に通じる階段が含まれる設計にされている。従来の包装装置で階段が必要なのは、メンテナンス要員が、フィルム供給装置と、その装置の上部区画に固定された溶融切断システムにアクセスするためである。階段は、メンテナンスと修理の作業(例えばナイフまたは溶融ワイヤの交換、メンテナンス、フィルムの交換など)で利用される。
【0005】
用語を簡単にするため、フィルム供給装置とそれに付属する溶融切断システムを今後は短く「フィルム供給装置」と呼ぶことにする。この用語には、それぞれの場合に溶融切断システムが含まれるものとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
包装装置の上部区画に階段とそれに対応する土台を設けるというのは、以前から知られている装置を購入するのに費用がより多くかかることを意味するという欠点と見なさねばならない。上記のメンテナンスと修理の作業は装置のはるか上方で実施する必要もあるため、全体として作業条件がより不利になり、それに対応して安全性の制約が生じる。
【0007】
本発明は、上記のタイプの包装装置を更に発展させるという目的に応え、包装装置のメンテナンスや修理を容易にするとともに、その包装装置を動作させる方法を具体的に示すことを目的とする。それと同時に、包装装置の購入価格を安くし、作業とメンテナンスの安全性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、上に説明したタイプの包装装置のためにフィルム供給装置がフレーム内を鉛直方向に移動する設計にした本発明の第1の特徴によって解決される。
【0009】
本発明の第2の特徴では、特に本発明で提案する包装装置のための、溶融切断システムを備えていてフレーム内を鉛直方向に移動できるフィルム供給装置を鉛直方向に固定する戻止機構によって上記の目的を解決する。この戻止機構は、フィルム供給装置が移動する鉛直な方向に対して垂直な第1の回転軸のまわりを回転するトグルレバーを備えていて、このトグルレバーは、フィルム供給装置と向かい合う内側戻止ノッチを有する。このトグルスイッチの傾斜区画はフィルム供給装置の相補的なラッチと一致する形状にされているため、フィルム供給装置が鉛直方向に沿って上方に移動すると、ラッチが戻止ノッチに嵌まってフィルム供給装置が下方に移動できなくなるまでトグルレバーが外側に向かって回転する。
【0010】
本発明の第3の特徴では、特に上記の戻止機構を用いて本発明の包装装置を操作する方法によって上記の目的を解決する。この方法では、フィルム供給装置をフレーム内で上方動作位置に移動させてその位置に係止するとともに、フィルム供給装置をフレーム内の下方位置に下げ、例えばメンテナンスのためにフィルム供給装置にアクセスできるようにする。
【0011】
本発明の基本的な考え方によれば、装置用フレーム内でフィルム供給装置を下げることができる。その結果、メンテナンスと修理の作業を低位の楽な位置で実施することができる。従って、従来の装置で必要とされる階段とメンテナンス用の土台は不要である。それどころか、メンテナンス作業をする人は、フィルム供給装置のメンテナンスまたは修理を地上レベルで立ったまま楽に行なうことができる。メンテナンスまたは修理が終了すると、フィルム供給装置を包装装置の上部に位置する望む動作位置に戻すことができる。従って、階段とメンテナンス用の土台が省略されたことによる節約分だけ、本発明の装置のコストが低下することになる。それに加え、作業とメンテナンスの安全性が向上する。
【0012】
本発明の包装装置の更に別の一実施態様では、装置用フレーム内を鉛直方向に移動するフレームにフィルム供給装置を固定する設計にできる。従って、そのフレームを移動させることで、フィルム供給装置を装置用フレーム内で容易に下げることができる。
【0013】
本発明による包装装置の別の一実施態様では、フィルム供給装置が上方動作位置と下方メンテナンス位置の間を移動する設計にされている。従って、本発明による装置のこのような実施態様は、移動可能なフィルム供給装置の2つの位置を特徴とする。その2つの位置とは、特に、装置用フレームの上端であることが好ましい第1の上方動作位置と、装置用フレームの下端にあって、物品の挿入または取り出しのためにそこに含まれる輸送ユニットのおそらく上方に位置する第2のメンテナンス位置または修理位置である。フィルム供給装置は、これらの2つの位置の間を移動することができる。
【0014】
この文脈における本発明の包装装置の別の一実施態様は、フィルム供給装置を装置用フレームの特定の位置に保持する少なくとも1つの係止機構を備える設計にできる。より詳細には、本発明による包装装置の一実施態様は、フィルム供給装置またはフレームを装置用フレームの上方動作位置に保持する係止機構を備えている。この係止機構は、フィルム供給装置を上方位置に係止したりフィルム供給装置を上方位置から解放したりするため、自動的に、または遠隔操作によって解放したり係止したりすることができる。
【0015】
本発明による包装装置の別の一実施態様では、フィルム供給装置を係止するための少なくとも1つの係止機構を装置用フレームそのものの中に一体化することができる。
【0016】
本発明の包装装置の別の改良法では、被覆装置を鉛直方向に移動させ、その被覆装置とフィルム供給装置が接触した状態でフィルム供給装置を移動させることによって作動する係止機構の中に、フィルム供給装置を適切な位置(動作位置)に保持する少なくとも1つの戻止機構が含まれる設計にすることができる。言い換えるならば、このタイプの包装装置に存在していて鉛直方向に移動する被覆装置は、上方に移動してフィルム供給装置と接触すること、またはフィルム供給装置を収容している移動可能なフレームと接触することができ、その接触によって戻止機構が作動するため、その後フィルム供給装置も移動することが可能になる。従って、フィルム供給装置は、本発明のこの目的の一実施態様では鉛直方向の移動に関して純粋に受動的に設計されている。すなわちフィルム供給装置は独立した推進手段を含んでいない。そのためコストが低下する。然しながら、別の方法として、フィルム供給装置を独立に鉛直方向に移動させるための適切なモータを含めることも可能である。するとフィルム供給装置は被覆装置と独立になり、それに対応して鉛直方向の移動の時間が節約される。
【0017】
本発明による包装装置の別の一実施態様では、フィルム供給装置の複数の動作位置を包装装置の鉛直なフレームに沿ったいろいろな位置に設けることができる。これら動作位置のそれぞれには、フィルム供給装置をその位置に保持する上記の少なくとも1つの係止機構、および/または少なくとも1つの戻止機構を備えることができる。様々な係止機構または戻止機構が、装置のフレーム内の様々な高さまたは高さレベルにそれぞれ位置する。
【0018】
本発明の包装装置のこのような実施態様により、特にパレット上にあまり高くは積み重ねられていない包装される物品に関し、適切な動作位置において、包装される物品のわずかに上方にフィルム供給装置と被覆装置を保持することで、それぞれの包装操作においてフィルム供給装置の現在の動作位置から包装する物品の下端である最低位置まで移動する必要がある被覆装置の移動距離を最小にすることができる。従って、上に説明した本発明による包装装置の実施態様では、被覆装置は、包装する物品の高さに実質的に対応する最小距離だけ移動することになる。このようにすると、被覆装置の操作速度を包装する物品の高さに正確に一致するように調節できるため、フィルム供給装置からフィルムカバーを受け取るために被覆装置を最高動作位置まで持ち上げる必要がなく、本発明の包装装置の速度が著しく大きくなるという特別な利点が生じる。すると本発明の包装装置の効率と出力が著しく大きくなり、しかも摩耗と損傷が減少し、従って、コストが低下する。
【0019】
本発明による包装装置の別の有利な実施態様では、装置のフレームの上部を取り外せる設計にされている。本発明では、これは、被覆装置とフィルム供給装置を装置用フレームの下部区画の中で鉛直方向に移動できるようにすることで容易になる。装置用フレームの上部区画を取り外すと、例えば装置を移動させるのに必要なスペースがより少なくなる。更に、このような設計にすると、メンテナンス中に包装装置の鉛直方向に移動可能な要素(特にフィルム供給装置と被覆装置)に対してよりアクセスしやすくもなる。それに加え、鉛直方向に移動可能なこれらの要素を取り外したり交換したりすることが簡単になる。これらの要素は、容易に「下方」位置に設置でき、その後、上部区画を取り付けた後にそれぞれの動作位置へと上昇させることができる。
【0020】
鉛直方向に移動可能なフィルム供給装置を所定の位置に係止したりその位置から解放したりする方法は、フィルム供給装置を制御可能なやり方で所定の位置に係止する本発明の戻止機構によってのみ可能になるか著しく単純化される。
【0021】
戻止機構を通常はアクティブな位置または動作位置に保持するため、第1の実施態様では、例えばバネ、水圧手段、空気圧手段の何れかを利用して本発明の戻止機構のトグルレバーに圧力を加える設計にすることができる。
【0022】
上述のように、被覆装置と接触させて下からフィルム供給装置を固定位置から解放するため、本発明の戻止機構の別の一実施態様では、トグルレバーで第1の回転軸とは反対側の自由端が、第1の回転軸と平行な第2の回転軸のまわりを回転する回転レバーと接触要素を通じて協働して動作することで、トグルレバーが移動すると回転レバーが移動するようにされている。この場合、回転レバーはノッチを備えており、そのノッチは、フィルム供給装置が戻止位置を超えて鉛直方向上方に移動するとトグルレバーの接触要素が押されて接触要素がそのノッチに入る形状にされている。接触要素がノッチに入ると回転レバーはトグルレバーを最大回転位置に係止するため、フィルム供給装置の自由な鉛直方向の移動が容易になる。トグルレバーが係止されると、フィルム供給装置が鉛直方向下方へと妨げられることなく戻止機構を通り過ぎることが容易になる。
【0023】
戻止機構の固定領域を超えてフィルム供給装置を十分に下方に移動させた後に戻止機構を再度アクティブにするため、本発明の戻止機構の別の一実施態様では、第2の回転軸に関するトグルレバーの最大回転位置においてフィルム供給装置に向かって延びる突起部が回転レバーに存在する設計にする。その結果、戻止位置を超えてフィルム供給装置が下方に移動すると、戻止ラッチが回転レバーの突起部と接触して回転レバーを回転させ、トグルレバーを回転レバーのノッチから解放する。
【0024】
従って、本発明の戻止機構に関する上記の実施態様では、フィルム供給装置が、邪魔されることなく(すなわち戻止機構が永久に所定の位置に係止されることなく)上方または下方に戻止機構を通り過ぎる設計にされている。然しながら、摩耗と損傷を少なくするため、本発明の更に別の一実施態様では、戻止機構の少なくとも一部を、第1の内側動作位置と第2の外側待機位置の間でフィルム供給装置に対して水平に移動させる。そのようになっていると、第2の位置にあるフィルム供給装置が鉛直方向に移動している間はラッチとトグルレバーおよび/または回転レバーの間の相互作用はない。待機位置ではフィルム供給装置と戻止機構の間に力学的な相互作用がないため、摩耗と損傷が著しく少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による包装装置の全体図である。
【図2】フィルム供給装置が第1の動作位置にある本発明の包装装置の全体図である。
【図3】フィルム供給装置が第2の動作位置にある図2の包装装置である。
【図4】被覆装置が移動してフィルム供給装置に接している状態の図2、3の包装装置である。
【図5】フィルム供給装置が被覆装置によって下方に移動した状態の図2〜図4の包装装置である。
【図6】フィルム供給装置が下がった状態の図2〜図5の包装装置である。
【図7】本発明による包装装置の更に別の一実施態様であり、この包装装置は、装置用フレームに取外し可能な上部区画を備えている。
【図8a】本発明の戻止機構が動作位置にあるときの断面図である。
【図8b】図8aの戻止機構が存在する位置を示す本発明の包装装置の断面図である。
【図9】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図10】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図11】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図12】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図13】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図14】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図15】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図16】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図17】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図18】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図19】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の更に別の利点と特徴は、実施態様に関して図面を参照して行なう以下の説明に示す。
【0027】
図1は、物品、その中でも特にパレットなどの上に積み重ねられた物品(図示せず)を包装するための本発明による包装装置1の全体図である。このような装置では一般的なことだが、図示した包装装置1は、物品をチューブ状フィルムで包装する。従って、包装装置1は、巻かれたチューブ状フィルム3の形態になったフィルム供給源2を備えている。ドーム状フィルムカバー(図示せず)を生成させて物品を包装するため、包装装置1は、このような装置において典型的でチューブ状フィルムからカバーを生成させて分離する溶融切断システム(図示せず)を有する実質的に公知のフィルム供給装置4を備えている。図1に示した設計では、フィルム供給装置とそれに付随する溶融切断システム(今後は短く「フィルム供給装置」と呼ぶ)は、装置用フレーム6内のフレーム5の中に配置される。装置用フレーム6は、フィルムカバーのための実質的に公知の被覆装置7もフィルム供給装置4の下方に備えている。被覆装置7は、装置用フレーム6内で鉛直な両方向矢印Vの方向に沿って上下に移動することができる。コンソール8も図示してある。
【0028】
当業者であれば、図示した包装装置1は、フィルム供給装置4を通じてフィルム供給源2からチューブ状フィルムの断片を最初に引き出し(繰り出し)、それを溶融切断システムを用いて溶融させてドーム状フィルムカバーにし、溶融したビーズの上方で切断するという動作をすることを知っている。次に、このようにして製造されたフィルムカバーは、装置用フレーム6の中で持ち上げられた状態の被覆装置7によって掴まれて開かれた後、下方に引っ張られて包装される物品(図1には図示せず)の上に被さる。その後、物品は、以下に図2〜図7に示すように、装置用フレーム6の中から例えば輸送装置9によって取り出される。
【0029】
図2、3は、それぞれ、図1の包装装置1にほぼ対応する包装装置の全体図である。図1とは異なり、それぞれ図2、3には、物品を挿入したり取り出したりするローラー輸送装置として実現された輸送装置9も示してある。更に、図2には、図1と比べて上昇した位置にある被覆装置7が示してあるのに対し、図3には、被覆装置がそれとは異なるより低い位置にある様子を示してある。被覆装置7が両方向矢印V(図1)の方向に移動することを考慮すると、被覆装置7には他の位置も考えられる。
【0030】
図1〜図3には、フィルム供給装置4と、例えば比較的高く積み上げられた物品の包装に必要となるであろうことに対応して(上方)動作位置にあるフレーム5とを有する本発明の包装装置1を示してある。然しながら、例えばメンテナンスまたは修理の作業を行なうためにフィルム供給装置4に容易にアクセスできるようにするには、フィルム供給装置を装置用フレーム6内で矢印V′の方向(図1)に下げて低いメンテナンス位置にするとよい。これについては図4〜図7を参照してあとでより詳しく説明する。逆に、本発明のフィルム供給装置4は、のちに矢印V″の方向(図1)に沿って移動させて図示した(上方)動作位置に戻すことができる。
【0031】
本発明により、鉛直方向に移動できるフィルム供給装置は、図示した(上方)動作位置に加え、別の(下方)動作位置も可能になる。その場合、位置は、包装される物品の高さによって、または動作させるために遵守せねばならない被覆装置7までの追加の最小距離によって決まることになろう。
【0032】
図8〜図19を参照してあとでより詳しく説明するが、本発明により、移動可能なフィルム供給装置4またはそのフィルム供給装置が収容された移動可能なフレーム5を装置用フレーム6内の望む任意の動作位置に係止するための少なくとも1つの係止機構が提供される。本発明により、この係止機構を遠隔操作によって自動的に解放したり係止したりすることで、フィルム供給装置4を動作位置に係止したり、フィルム供給装置4を動作位置から解放したりできよう。
【0033】
図4、5は、図2、3に示したのと同様の本発明による包装装置1の一実施態様である。図からわかるように、この実施態様におけるフィルム供給装置4とフレーム5は、装置用フレーム6の中を鉛直方向に受動的に移動できるだけである。すなわちフィルム供給装置4は、鉛直方向に上下運動させる内蔵モーターを備えていない。その代わり、フィルム供給装置4またはフレーム5は、適切な推進手段を備えていて鉛直方向に沿って上下に移動する被覆装置7によって移動する。このようにするため、図4に示すように、被覆装置7をフィルム供給装置4に下方から押し付けてフィルム供給装置4を(上方)動作位置から解放し、その後、装置用フレーム6内を、フィルム供給装置4を一種の「ピギーバックシステム」の中に入れて、既に言及したメンテナンス位置に向けて鉛直方向下方に移動させる。この様子を図5に示してある。
【0034】
本発明による包装装置の実施態様は、ここでは、フィルム供給装置4を(上方)動作位置に係止する係止機構(図1〜図5には示されていない)が戻止機構を含むように設計されている。戻止機構についてはあとで詳しく説明する(図8a、図9〜図19参照)。図5に示すように、この戻止機構によってフィルム供給装置4は適切な動作位置に係止される一方で、この戻止機構は、被覆装置7をフィルム供給装置4と接触させることを通じてその被覆装置7に既に説明した移動をさせることによって始動する。
【0035】
図6は、フレーム5を有するフィルム供給装置4が下方メンテナンス位置にある状態を示している。本発明の包装装置1の操作スタッフは、「地上レベル」でフィルム供給装置に直ちにアクセスすることができる。フィルム供給装置4をメンテナンス位置に係止するのにあとで説明するタイプの戻止機構を含めることもできる。別の方法として、装置用フレーム6に簡単な戻止めなどを設けてフィルム供給装置4をメンテナンス位置に係止することもできよう。
【0036】
然しながら、上に説明した本発明の包装装置の実施態様に対する別の実施態様として、フィルム供給装置4に直接接続された適切なモータを用意し、装置用フレーム6内でフィルム供給装置4を被覆装置7とは独立に移動させることも可能である。
【0037】
図7は、本発明による包装装置1の別の有利な実施態様である。装置用フレーム6は、ここでは、少なくとも2つの部分、すなわち下方装置用フレーム6′と上方装置用フレーム6″からなり、上方装置用フレーム6″を下方装置用フレーム6′から取り外すことができる。このような実施態様により、図示してあるように、装置の移動に必要なスペースがより少なくて済むことに加え、メンテナンス作業中の、すなわちフィルム供給装置4が下方メンテナンス位置にあるときのアクセスがより容易にもなる。それに加え、このような実施態様により、装置の鉛直方向に移動可能な要素、特に溶融切断システムを有するフィルム供給装置4と被覆装置7の設置が簡単になる。図7に示した実施態様ではこれらの要素は「地上レベル」に容易に設置でき、上方装置用フレーム6″が下方装置用フレーム6′に取り付けられた後にそれぞれの動作位置に移される。
【0038】
残りの図面は、フィルム供給装置を制御されたやり方で所定の位置に係止するための上に説明した本発明の包装装置の実施態様に含まれる係止機構または戻止機構を説明している。より詳細には、フィルム供給装置4の各動作位置に少なくとも1つのそのような係止機構または戻止機構が必要とされる。
【0039】
図8aは、溶融切断システムを有するフィルム供給装置4を係止するための本発明の戻止機構10の断面図である。フィルム供給装置4は、装置用フレーム6内を鉛直方向に移動して所定の鉛直位置に来る(図1〜図7)。
【0040】
図8bは更に、図8aに示した実施態様の戻止機構の特別な配置を本発明の包装装置1の断面図として示している。図8bからわかるように、戻止機構は、参照番号10を有するAで示した四角い領域に位置する。
【0041】
図8aの本発明による戻止機構10は、一般に、装置用フレーム6(図8b)に接続された要素10aと、フィルム供給装置4またはフレーム5に接続された要素10bとからなる。言い換えるならば、本発明による戻止機構10の要素10bは、フィルム供給装置4の一部であるか、それを取り囲む独立したフレーム5の一部である。このようなフレームの存在は、既に指摘したように、本発明に必要とされる特徴ではない。従って、フィルム供給装置4は、独自に移動するか、包装装置1の装置用フレーム6内のフレーム5の中を移動することができる。本発明のこの実施態様では、例えば要素10bがフレーム5の一方の側を形成する構造要素であることが仮定されている。
【0042】
本発明による戻止機構10の要素10aは、本発明の包装装置1の装置用フレーム6(図8b)に接続されていて、戻止機構10の少なくとも1つの動作位置において装置用フレーム6上の所定の位置に係止される。その実現のため、戻止機構10は連結要素11を有する。連結要素11は、本発明の戻止機構10の特別な一実施態様では、図8aに示した動作位置と点線で示した待機位置の間を両方向矢印Hの方向に水平に移動することができる。これについてはあとでより詳しく説明する。
【0043】
トグルレバー12がBにおいて連結要素11に接続されている。このトグルレバーは、図の平面に垂直な回転軸(図示せず)のまわりを回転する。トグルレバー12は、実質的にまっすぐな第1の区画またはアーム12aと、鈍角に曲がった第2の区画またはアーム12bを有する。トグルレバー12の第1の区画12aは、上述のように連結要素11に回転可能に接続されている。トグルレバー12の第1の区画12aで要素10bと向かい合っている内側には、突起部12cを有する。突起部の両側は傾斜部12d、12eにされていて突起部12cにつながっているため、突起部12cの断面は台形である。トグルレバー12は突起部12cの中に凹部12fを有する。
【0044】
トグルレバー12は包装装置1の装置用フレーム6(図8b)に固定されるか、連結要素11に対してこの連結要素の屈曲部(すなわち曲がった区画12bの頂点)が外側を向くように(すなわち戻止機構10の要素10bから離れていくように)固定される。図の平面に垂直でこの平面を貫通して延びるスタッドからなるスタッド12gが、トグルレバー12の自由端、すなわち第2の区画12bの自由端に取り付けられている。
【0045】
スタッド12gは、トグルレバーを、やはり戻止機構10の要素10aに含まれる別の回転レバー13と接続している。回転レバー13は、Cにおいてトグルレバー12の回転軸に平行な回転軸14のまわりを回転するように連結要素11に接続されている。連結要素11および/またはトグルレバー12の第2の区画12bは、図示したように、トグルレバー12の第2の区画12bが回転レバー13の近くに到達し、スタッド12gを通じて回転レバー13の内側面または下方面13aに接続される形状にされている。回転レバー13は、第1の端部13bに、曲がったフック状延長部13cを有する。このフック状延長部13cは、回転レバー13の内側面13aに向かって開いたU字形ノッチ13dとなっている。回転レバー13は回転軸14のある位置よりも先まで延びていて、第2の端部13eに延長部13fを有する。
【0046】
図8aでは、トグルレバー12と回転レバー13は初期位置または基本位置にあり、連結要素11に回転可能に接続されているため重力または自重だけによってその位置に戻る。更に、適切な力印加装置(図示せず)をトグルレバー12付加し、通常はトグルレバー12が実質的に鉛直方向(すなわち包装装置1の装置用フレーム6(図8b)に平行な方向)を向いた図8aに示した状態になるようにすることもできる。力印加装置はバネを含んでいてもよいが、水圧システムまたは空気圧システムを利用してトグルレバーに力を加えることもできる。
【0047】
戻止機構10を作動させるため、包装装置1のフィルム供給装置4またはフレーム5の要素10bは、傾斜部15aを上面に有する図8bに示した戻止突起部15を備えている。戻止突起部15は様々な方法でトグルレバー12または回転レバー13の対応する端部に接続されていて、上に説明したように要素10bが矢印V′とV″に沿って鉛直に上下運動するとき(すなわち本発明の包装装置の中でフィルム供給装置4を上下させるとき)に戻止機構10を作動させる。これについては以下の図9〜図19により詳しく示してある。
【0048】
図9は、要素10bが方向V″に沿って上方に移動してトグルレバー12が時計回りの回転Sを始めるとき、傾斜部15aを有する戻止突起部15がいかにしてトグルレバー12の対応する傾斜部12eと接触するかを示している。言い換えるならば、トグルレバー12は、要素10bがV″に沿って更に上方に移動して戻止突起部15がトグルレバー12の戻止ノッチ12fに嵌まるまで、外側に向かって回転する。その状態を図10に示してある。
【0049】
図9は、トグルレバー12がスタッド12gのまわりの回転Sを始めることによって回転レバー13も軸14のまわりに反時計回りに回転して外側に向かう(図9の矢印S′)ことも示している。
【0050】
上述のように、傾斜部12eと傾斜部15aは互いに滑るのに対し、トグルレバー12は軸回転して十分に外側に向かうため、要素10bの戻止突起部15は最終的にトグルレバー12の傾斜部12eを滑って通り過ぎ、トグルレバー12の戻止ノッチ12fに落ち込む(図10)。
【0051】
従って、図10は本発明の戻止機構10の静止位置を示している。要素10b(すなわち本発明の包装装置1のフィルム供給装置4またはフレーム5(図8b))は戻止突起部15を超えて特定の静止位置に嵌まることで鉛直方向の移動に関して所定の位置に係止されるため、本発明のこの実施態様ではフィルム供給装置4の移動に用いる被覆装置7(図8b)も動作位置に移動させることができる。
【0052】
図10は、トグルレバー12と回転レバー13も上記の力印加装置によって図8aに示したそれぞれの出発位置に戻ることも示している。
【0053】
本発明の戻止機構を解放するには、被覆装置7を下から再び持ち上げてフィルム供給装置4またはフレーム5(図8b)と接触させた後、図11に示したように鉛直方向のより高い位置に移動させる。このプロセスにおいて、要素10bの戻止突起部15の傾斜部15aはトグルレバー12の戻止ノッチ12fの上方縁部12fと接触する。すると縁部12fは傾斜部15aの表面を再び滑り、トグルレバー12の時計回りの回転運動Sを生じさせる。するとスタッド12gも回転レバー13を反時計回りの方向(図11の矢印S′)に回転させる。
【0054】
図12に示すように、縁部12fの上方で戻止突起部15がトグルレバー12の鉛直方向内側滑り面12iに沿って上方に向かって滑っている間、これらの回転運動S、S′が継続する。
【0055】
図13に示すように、鉛直方向滑り面12iがトグルレバー12の傾斜部12dへと移行する最高点に到達したとき、トグルレバー12と回転レバー13は最も外側に向かって延びた状態になる。するとトグルレバー12のスタッド12gは回転レバー13の対応するノッチ13dに嵌まり、その場所にしっかりと保持される。図13に示したように、この堅固な把持により、回転レバー13はトグルレバー12を最も延びた位置に係止する。フィルム供給装置4またはフレーム5、すなわち要素10bは、上方に向かって更に短い距離を移動した(矢印V″)後、鉛直方向下向きの予定した移動V′を開始することができる。
【0056】
図14に示すように、戻止突起部15を有する要素10bは、矢印V′に沿って鉛直方向下向きに移動し、最も外側に延びたトグルレバー12の位置を通り過ぎる。トグルレバー12と回転レバー13は、それぞれ最も延びた位置に留まる。と言うのは、スタッド12gは回転レバー13のノッチ13dにしっかりと収容された状態が継続するからである。
【0057】
要素10bまたはその戻止突起部15が所定の距離だけ下方に移動すると、戻止突起部15の水平な縁部15bが回転レバー13の端部13eにある延長部13fと接触する。その様子を図15に示してある。
【0058】
図16に示すように、戻止突起部15の水平な縁部15bと回転レバー13の延長部13fが上述のように接触すると回転レバー13が反時計回りの回転S′をする。そのときスタッド12gは、ある地点で回転レバー13のノッチ13dから飛び出し、トグルレバー12は上に説明した自重および/または力によって矢印Rの方向に回転して最初の位置に戻る(図8a参照)。
【0059】
図17に示すように、要素10bは、V′に沿って鉛直方向下向きの移動を続ける。そのため回転レバー13の反時計回りの回転S′が継続する。回転レバー13の回転S′は、戻止突起部15がもはや回転レバー13の端部13eの延長部13fと接触しなくなったときに終了する。
【0060】
そうなったとき、図18に示したように回転レバー13は解放され、自重によって時計回りに回転して(図18の矢印R′)図8aに示した最初の位置に戻る。従って、要素10bは戻止機構10とまったく接触しなくなるため、更に下がる。
【0061】
この状態を図19によりはっきりと示してある。ここでは、トグルレバー12と回転レバー13のそれぞれの位置は、図8aに示した最初の位置と再び一致し、戻止機構10がリセットされる。
【0062】
図8aを参照して既に説明したように、戻止機構10(すなわちトグルレバー12と回転レバー13に加えて適用可能な場合には力印加装置を有する連結要素11)をいわゆる待機位置へと水平移動Hさせ、フィルム供給装置4が装置用フレーム6(図8b)上の少なくとも1つの(上方)動作位置と1つの下方メンテナンス位置の間を完全に移動できるようにする。フィルム供給装置4またはフレーム5のための適切な戻止機構とともに追加の係止位置が上記の2つの位置の間に存在している場合には、このことが特に重要である。然しながら、上の説明は、戻止機構がこのように水平移動Hして待機位置になることは必ずしも必要ではないことを示している。と言うのは、戻止機構10は、係止するつもりがなければ両方向に移動できるからである。然しながら、戻止機構10を動作位置へと移動させるこのような移動によって戻止突起部15の摩耗や破断がある程度起こるため、戻止機構が動作位置と待機位置の間を上記のように水平移動すること(図8a)は有利であろう。
【0063】
上述のように、本発明の包装装置1の有利な一実施態様において装置用フレーム6の様々な高さに様々な戻止機構10が含まれていると、溶融切断システムを有するフィルム供給装置4を望む様々な高さに係止することが容易になろう。
【0064】
もちろん、本発明のあらゆる実施態様において、動作位置と待機位置の間の戻止機構10の移動を遠隔操作によって完全に制御することができる。このプロセスにおいて、戻止機構のほうは、バネ、水圧手段、空気圧手段の何れかによって、または別の手段として電動モータを利用することによってエネルギーを供給される。
【符号の説明】
【0065】
1 包装装置
2 フィルム供給源
3 フィルム
4 フィルム供給装置
5 フレーム
6 装置用フレーム
7 被覆装置
8 コンソール
9 輸送装置
10 戻止機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品、その中でも特にパレットなどの上に積み重ねられた物品をチューブ状フィルムで包装するため、ドーム状フィルムカバーを生成させて供給する溶融切断システムを有するフィルム供給装置をフレームの中に備えていて、そのフィルム供給装置は、フレームの中を鉛直方向に上下に移動する被覆装置と協働し、その被覆装置は、フィルムカバーを掴んで広げ、装置用フレームの下方区画に位置する物品を被覆する設計の包装装置に関する。
【0002】
本発明は、更に、包装装置のための戻止機構、および、その包装装置の操作方法に関する。
【背景技術】
【0003】
チューブ状のフィルムを用いて物品を包装するための方法と装置が従来から知られている。例えば上記のタイプの包装装置は、通常、溶融切断システムを有するフィルム供給装置と、被覆装置とを備えていて、フィルム供給装置と溶融切断システムは、被覆装置の上方にあるフレームの中に固定されている。フィルム供給装置は、フィルム供給ロールからチューブ状フィルムの断片を供給する。そのチューブ状フィルムの断片は溶融してフィルムカバーまたはフィルムドームになり、溶融ラインの上方で分離される。すると被覆装置がこのようにして製造されたフィルムドームを掴んで開き、フレーム内で下方に移動させる結果、フィルムドームがフレームの下部区画に位置する物品の上に広げられてその物品を覆う。
【0004】
上記のタイプの公知の包装装置は、フレームの外側に、この装置の上端にあるメンテナンス用または修理用の土台に通じる階段が含まれる設計にされている。従来の包装装置で階段が必要なのは、メンテナンス要員が、フィルム供給装置と、その装置の上部区画に固定された溶融切断システムにアクセスするためである。階段は、メンテナンスと修理の作業(例えばナイフまたは溶融ワイヤの交換、メンテナンス、フィルムの交換など)で利用される。
【0005】
用語を簡単にするため、フィルム供給装置とそれに付属する溶融切断システムを今後は短く「フィルム供給装置」と呼ぶことにする。この用語には、それぞれの場合に溶融切断システムが含まれるものとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
包装装置の上部区画に階段とそれに対応する土台を設けるというのは、以前から知られている装置を購入するのに費用がより多くかかることを意味するという欠点と見なさねばならない。上記のメンテナンスと修理の作業は装置のはるか上方で実施する必要もあるため、全体として作業条件がより不利になり、それに対応して安全性の制約が生じる。
【0007】
本発明は、上記のタイプの包装装置を更に発展させるという目的に応え、包装装置のメンテナンスや修理を容易にするとともに、その包装装置を動作させる方法を具体的に示すことを目的とする。それと同時に、包装装置の購入価格を安くし、作業とメンテナンスの安全性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、上に説明したタイプの包装装置のためにフィルム供給装置がフレーム内を鉛直方向に移動する設計にした本発明の第1の特徴によって解決される。
【0009】
本発明の第2の特徴では、特に本発明で提案する包装装置のための、溶融切断システムを備えていてフレーム内を鉛直方向に移動できるフィルム供給装置を鉛直方向に固定する戻止機構によって上記の目的を解決する。この戻止機構は、フィルム供給装置が移動する鉛直な方向に対して垂直な第1の回転軸のまわりを回転するトグルレバーを備えていて、このトグルレバーは、フィルム供給装置と向かい合う内側戻止ノッチを有する。このトグルスイッチの傾斜区画はフィルム供給装置の相補的なラッチと一致する形状にされているため、フィルム供給装置が鉛直方向に沿って上方に移動すると、ラッチが戻止ノッチに嵌まってフィルム供給装置が下方に移動できなくなるまでトグルレバーが外側に向かって回転する。
【0010】
本発明の第3の特徴では、特に上記の戻止機構を用いて本発明の包装装置を操作する方法によって上記の目的を解決する。この方法では、フィルム供給装置をフレーム内で上方動作位置に移動させてその位置に係止するとともに、フィルム供給装置をフレーム内の下方位置に下げ、例えばメンテナンスのためにフィルム供給装置にアクセスできるようにする。
【0011】
本発明の基本的な考え方によれば、装置用フレーム内でフィルム供給装置を下げることができる。その結果、メンテナンスと修理の作業を低位の楽な位置で実施することができる。従って、従来の装置で必要とされる階段とメンテナンス用の土台は不要である。それどころか、メンテナンス作業をする人は、フィルム供給装置のメンテナンスまたは修理を地上レベルで立ったまま楽に行なうことができる。メンテナンスまたは修理が終了すると、フィルム供給装置を包装装置の上部に位置する望む動作位置に戻すことができる。従って、階段とメンテナンス用の土台が省略されたことによる節約分だけ、本発明の装置のコストが低下することになる。それに加え、作業とメンテナンスの安全性が向上する。
【0012】
本発明の包装装置の更に別の一実施態様では、装置用フレーム内を鉛直方向に移動するフレームにフィルム供給装置を固定する設計にできる。従って、そのフレームを移動させることで、フィルム供給装置を装置用フレーム内で容易に下げることができる。
【0013】
本発明による包装装置の別の一実施態様では、フィルム供給装置が上方動作位置と下方メンテナンス位置の間を移動する設計にされている。従って、本発明による装置のこのような実施態様は、移動可能なフィルム供給装置の2つの位置を特徴とする。その2つの位置とは、特に、装置用フレームの上端であることが好ましい第1の上方動作位置と、装置用フレームの下端にあって、物品の挿入または取り出しのためにそこに含まれる輸送ユニットのおそらく上方に位置する第2のメンテナンス位置または修理位置である。フィルム供給装置は、これらの2つの位置の間を移動することができる。
【0014】
この文脈における本発明の包装装置の別の一実施態様は、フィルム供給装置を装置用フレームの特定の位置に保持する少なくとも1つの係止機構を備える設計にできる。より詳細には、本発明による包装装置の一実施態様は、フィルム供給装置またはフレームを装置用フレームの上方動作位置に保持する係止機構を備えている。この係止機構は、フィルム供給装置を上方位置に係止したりフィルム供給装置を上方位置から解放したりするため、自動的に、または遠隔操作によって解放したり係止したりすることができる。
【0015】
本発明による包装装置の別の一実施態様では、フィルム供給装置を係止するための少なくとも1つの係止機構を装置用フレームそのものの中に一体化することができる。
【0016】
本発明の包装装置の別の改良法では、被覆装置を鉛直方向に移動させ、その被覆装置とフィルム供給装置が接触した状態でフィルム供給装置を移動させることによって作動する係止機構の中に、フィルム供給装置を適切な位置(動作位置)に保持する少なくとも1つの戻止機構が含まれる設計にすることができる。言い換えるならば、このタイプの包装装置に存在していて鉛直方向に移動する被覆装置は、上方に移動してフィルム供給装置と接触すること、またはフィルム供給装置を収容している移動可能なフレームと接触することができ、その接触によって戻止機構が作動するため、その後フィルム供給装置も移動することが可能になる。従って、フィルム供給装置は、本発明のこの目的の一実施態様では鉛直方向の移動に関して純粋に受動的に設計されている。すなわちフィルム供給装置は独立した推進手段を含んでいない。そのためコストが低下する。然しながら、別の方法として、フィルム供給装置を独立に鉛直方向に移動させるための適切なモータを含めることも可能である。するとフィルム供給装置は被覆装置と独立になり、それに対応して鉛直方向の移動の時間が節約される。
【0017】
本発明による包装装置の別の一実施態様では、フィルム供給装置の複数の動作位置を包装装置の鉛直なフレームに沿ったいろいろな位置に設けることができる。これら動作位置のそれぞれには、フィルム供給装置をその位置に保持する上記の少なくとも1つの係止機構、および/または少なくとも1つの戻止機構を備えることができる。様々な係止機構または戻止機構が、装置のフレーム内の様々な高さまたは高さレベルにそれぞれ位置する。
【0018】
本発明の包装装置のこのような実施態様により、特にパレット上にあまり高くは積み重ねられていない包装される物品に関し、適切な動作位置において、包装される物品のわずかに上方にフィルム供給装置と被覆装置を保持することで、それぞれの包装操作においてフィルム供給装置の現在の動作位置から包装する物品の下端である最低位置まで移動する必要がある被覆装置の移動距離を最小にすることができる。従って、上に説明した本発明による包装装置の実施態様では、被覆装置は、包装する物品の高さに実質的に対応する最小距離だけ移動することになる。このようにすると、被覆装置の操作速度を包装する物品の高さに正確に一致するように調節できるため、フィルム供給装置からフィルムカバーを受け取るために被覆装置を最高動作位置まで持ち上げる必要がなく、本発明の包装装置の速度が著しく大きくなるという特別な利点が生じる。すると本発明の包装装置の効率と出力が著しく大きくなり、しかも摩耗と損傷が減少し、従って、コストが低下する。
【0019】
本発明による包装装置の別の有利な実施態様では、装置のフレームの上部を取り外せる設計にされている。本発明では、これは、被覆装置とフィルム供給装置を装置用フレームの下部区画の中で鉛直方向に移動できるようにすることで容易になる。装置用フレームの上部区画を取り外すと、例えば装置を移動させるのに必要なスペースがより少なくなる。更に、このような設計にすると、メンテナンス中に包装装置の鉛直方向に移動可能な要素(特にフィルム供給装置と被覆装置)に対してよりアクセスしやすくもなる。それに加え、鉛直方向に移動可能なこれらの要素を取り外したり交換したりすることが簡単になる。これらの要素は、容易に「下方」位置に設置でき、その後、上部区画を取り付けた後にそれぞれの動作位置へと上昇させることができる。
【0020】
鉛直方向に移動可能なフィルム供給装置を所定の位置に係止したりその位置から解放したりする方法は、フィルム供給装置を制御可能なやり方で所定の位置に係止する本発明の戻止機構によってのみ可能になるか著しく単純化される。
【0021】
戻止機構を通常はアクティブな位置または動作位置に保持するため、第1の実施態様では、例えばバネ、水圧手段、空気圧手段の何れかを利用して本発明の戻止機構のトグルレバーに圧力を加える設計にすることができる。
【0022】
上述のように、被覆装置と接触させて下からフィルム供給装置を固定位置から解放するため、本発明の戻止機構の別の一実施態様では、トグルレバーで第1の回転軸とは反対側の自由端が、第1の回転軸と平行な第2の回転軸のまわりを回転する回転レバーと接触要素を通じて協働して動作することで、トグルレバーが移動すると回転レバーが移動するようにされている。この場合、回転レバーはノッチを備えており、そのノッチは、フィルム供給装置が戻止位置を超えて鉛直方向上方に移動するとトグルレバーの接触要素が押されて接触要素がそのノッチに入る形状にされている。接触要素がノッチに入ると回転レバーはトグルレバーを最大回転位置に係止するため、フィルム供給装置の自由な鉛直方向の移動が容易になる。トグルレバーが係止されると、フィルム供給装置が鉛直方向下方へと妨げられることなく戻止機構を通り過ぎることが容易になる。
【0023】
戻止機構の固定領域を超えてフィルム供給装置を十分に下方に移動させた後に戻止機構を再度アクティブにするため、本発明の戻止機構の別の一実施態様では、第2の回転軸に関するトグルレバーの最大回転位置においてフィルム供給装置に向かって延びる突起部が回転レバーに存在する設計にする。その結果、戻止位置を超えてフィルム供給装置が下方に移動すると、戻止ラッチが回転レバーの突起部と接触して回転レバーを回転させ、トグルレバーを回転レバーのノッチから解放する。
【0024】
従って、本発明の戻止機構に関する上記の実施態様では、フィルム供給装置が、邪魔されることなく(すなわち戻止機構が永久に所定の位置に係止されることなく)上方または下方に戻止機構を通り過ぎる設計にされている。然しながら、摩耗と損傷を少なくするため、本発明の更に別の一実施態様では、戻止機構の少なくとも一部を、第1の内側動作位置と第2の外側待機位置の間でフィルム供給装置に対して水平に移動させる。そのようになっていると、第2の位置にあるフィルム供給装置が鉛直方向に移動している間はラッチとトグルレバーおよび/または回転レバーの間の相互作用はない。待機位置ではフィルム供給装置と戻止機構の間に力学的な相互作用がないため、摩耗と損傷が著しく少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による包装装置の全体図である。
【図2】フィルム供給装置が第1の動作位置にある本発明の包装装置の全体図である。
【図3】フィルム供給装置が第2の動作位置にある図2の包装装置である。
【図4】被覆装置が移動してフィルム供給装置に接している状態の図2、3の包装装置である。
【図5】フィルム供給装置が被覆装置によって下方に移動した状態の図2〜図4の包装装置である。
【図6】フィルム供給装置が下がった状態の図2〜図5の包装装置である。
【図7】本発明による包装装置の更に別の一実施態様であり、この包装装置は、装置用フレームに取外し可能な上部区画を備えている。
【図8a】本発明の戻止機構が動作位置にあるときの断面図である。
【図8b】図8aの戻止機構が存在する位置を示す本発明の包装装置の断面図である。
【図9】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図10】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図11】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図12】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図13】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図14】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図15】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図16】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図17】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図18】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【図19】本発明による戻止機構の機能を説明するための図8aと同様の更に別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の更に別の利点と特徴は、実施態様に関して図面を参照して行なう以下の説明に示す。
【0027】
図1は、物品、その中でも特にパレットなどの上に積み重ねられた物品(図示せず)を包装するための本発明による包装装置1の全体図である。このような装置では一般的なことだが、図示した包装装置1は、物品をチューブ状フィルムで包装する。従って、包装装置1は、巻かれたチューブ状フィルム3の形態になったフィルム供給源2を備えている。ドーム状フィルムカバー(図示せず)を生成させて物品を包装するため、包装装置1は、このような装置において典型的でチューブ状フィルムからカバーを生成させて分離する溶融切断システム(図示せず)を有する実質的に公知のフィルム供給装置4を備えている。図1に示した設計では、フィルム供給装置とそれに付随する溶融切断システム(今後は短く「フィルム供給装置」と呼ぶ)は、装置用フレーム6内のフレーム5の中に配置される。装置用フレーム6は、フィルムカバーのための実質的に公知の被覆装置7もフィルム供給装置4の下方に備えている。被覆装置7は、装置用フレーム6内で鉛直な両方向矢印Vの方向に沿って上下に移動することができる。コンソール8も図示してある。
【0028】
当業者であれば、図示した包装装置1は、フィルム供給装置4を通じてフィルム供給源2からチューブ状フィルムの断片を最初に引き出し(繰り出し)、それを溶融切断システムを用いて溶融させてドーム状フィルムカバーにし、溶融したビーズの上方で切断するという動作をすることを知っている。次に、このようにして製造されたフィルムカバーは、装置用フレーム6の中で持ち上げられた状態の被覆装置7によって掴まれて開かれた後、下方に引っ張られて包装される物品(図1には図示せず)の上に被さる。その後、物品は、以下に図2〜図7に示すように、装置用フレーム6の中から例えば輸送装置9によって取り出される。
【0029】
図2、3は、それぞれ、図1の包装装置1にほぼ対応する包装装置の全体図である。図1とは異なり、それぞれ図2、3には、物品を挿入したり取り出したりするローラー輸送装置として実現された輸送装置9も示してある。更に、図2には、図1と比べて上昇した位置にある被覆装置7が示してあるのに対し、図3には、被覆装置がそれとは異なるより低い位置にある様子を示してある。被覆装置7が両方向矢印V(図1)の方向に移動することを考慮すると、被覆装置7には他の位置も考えられる。
【0030】
図1〜図3には、フィルム供給装置4と、例えば比較的高く積み上げられた物品の包装に必要となるであろうことに対応して(上方)動作位置にあるフレーム5とを有する本発明の包装装置1を示してある。然しながら、例えばメンテナンスまたは修理の作業を行なうためにフィルム供給装置4に容易にアクセスできるようにするには、フィルム供給装置を装置用フレーム6内で矢印V′の方向(図1)に下げて低いメンテナンス位置にするとよい。これについては図4〜図7を参照してあとでより詳しく説明する。逆に、本発明のフィルム供給装置4は、のちに矢印V″の方向(図1)に沿って移動させて図示した(上方)動作位置に戻すことができる。
【0031】
本発明により、鉛直方向に移動できるフィルム供給装置は、図示した(上方)動作位置に加え、別の(下方)動作位置も可能になる。その場合、位置は、包装される物品の高さによって、または動作させるために遵守せねばならない被覆装置7までの追加の最小距離によって決まることになろう。
【0032】
図8〜図19を参照してあとでより詳しく説明するが、本発明により、移動可能なフィルム供給装置4またはそのフィルム供給装置が収容された移動可能なフレーム5を装置用フレーム6内の望む任意の動作位置に係止するための少なくとも1つの係止機構が提供される。本発明により、この係止機構を遠隔操作によって自動的に解放したり係止したりすることで、フィルム供給装置4を動作位置に係止したり、フィルム供給装置4を動作位置から解放したりできよう。
【0033】
図4、5は、図2、3に示したのと同様の本発明による包装装置1の一実施態様である。図からわかるように、この実施態様におけるフィルム供給装置4とフレーム5は、装置用フレーム6の中を鉛直方向に受動的に移動できるだけである。すなわちフィルム供給装置4は、鉛直方向に上下運動させる内蔵モーターを備えていない。その代わり、フィルム供給装置4またはフレーム5は、適切な推進手段を備えていて鉛直方向に沿って上下に移動する被覆装置7によって移動する。このようにするため、図4に示すように、被覆装置7をフィルム供給装置4に下方から押し付けてフィルム供給装置4を(上方)動作位置から解放し、その後、装置用フレーム6内を、フィルム供給装置4を一種の「ピギーバックシステム」の中に入れて、既に言及したメンテナンス位置に向けて鉛直方向下方に移動させる。この様子を図5に示してある。
【0034】
本発明による包装装置の実施態様は、ここでは、フィルム供給装置4を(上方)動作位置に係止する係止機構(図1〜図5には示されていない)が戻止機構を含むように設計されている。戻止機構についてはあとで詳しく説明する(図8a、図9〜図19参照)。図5に示すように、この戻止機構によってフィルム供給装置4は適切な動作位置に係止される一方で、この戻止機構は、被覆装置7をフィルム供給装置4と接触させることを通じてその被覆装置7に既に説明した移動をさせることによって始動する。
【0035】
図6は、フレーム5を有するフィルム供給装置4が下方メンテナンス位置にある状態を示している。本発明の包装装置1の操作スタッフは、「地上レベル」でフィルム供給装置に直ちにアクセスすることができる。フィルム供給装置4をメンテナンス位置に係止するのにあとで説明するタイプの戻止機構を含めることもできる。別の方法として、装置用フレーム6に簡単な戻止めなどを設けてフィルム供給装置4をメンテナンス位置に係止することもできよう。
【0036】
然しながら、上に説明した本発明の包装装置の実施態様に対する別の実施態様として、フィルム供給装置4に直接接続された適切なモータを用意し、装置用フレーム6内でフィルム供給装置4を被覆装置7とは独立に移動させることも可能である。
【0037】
図7は、本発明による包装装置1の別の有利な実施態様である。装置用フレーム6は、ここでは、少なくとも2つの部分、すなわち下方装置用フレーム6′と上方装置用フレーム6″からなり、上方装置用フレーム6″を下方装置用フレーム6′から取り外すことができる。このような実施態様により、図示してあるように、装置の移動に必要なスペースがより少なくて済むことに加え、メンテナンス作業中の、すなわちフィルム供給装置4が下方メンテナンス位置にあるときのアクセスがより容易にもなる。それに加え、このような実施態様により、装置の鉛直方向に移動可能な要素、特に溶融切断システムを有するフィルム供給装置4と被覆装置7の設置が簡単になる。図7に示した実施態様ではこれらの要素は「地上レベル」に容易に設置でき、上方装置用フレーム6″が下方装置用フレーム6′に取り付けられた後にそれぞれの動作位置に移される。
【0038】
残りの図面は、フィルム供給装置を制御されたやり方で所定の位置に係止するための上に説明した本発明の包装装置の実施態様に含まれる係止機構または戻止機構を説明している。より詳細には、フィルム供給装置4の各動作位置に少なくとも1つのそのような係止機構または戻止機構が必要とされる。
【0039】
図8aは、溶融切断システムを有するフィルム供給装置4を係止するための本発明の戻止機構10の断面図である。フィルム供給装置4は、装置用フレーム6内を鉛直方向に移動して所定の鉛直位置に来る(図1〜図7)。
【0040】
図8bは更に、図8aに示した実施態様の戻止機構の特別な配置を本発明の包装装置1の断面図として示している。図8bからわかるように、戻止機構は、参照番号10を有するAで示した四角い領域に位置する。
【0041】
図8aの本発明による戻止機構10は、一般に、装置用フレーム6(図8b)に接続された要素10aと、フィルム供給装置4またはフレーム5に接続された要素10bとからなる。言い換えるならば、本発明による戻止機構10の要素10bは、フィルム供給装置4の一部であるか、それを取り囲む独立したフレーム5の一部である。このようなフレームの存在は、既に指摘したように、本発明に必要とされる特徴ではない。従って、フィルム供給装置4は、独自に移動するか、包装装置1の装置用フレーム6内のフレーム5の中を移動することができる。本発明のこの実施態様では、例えば要素10bがフレーム5の一方の側を形成する構造要素であることが仮定されている。
【0042】
本発明による戻止機構10の要素10aは、本発明の包装装置1の装置用フレーム6(図8b)に接続されていて、戻止機構10の少なくとも1つの動作位置において装置用フレーム6上の所定の位置に係止される。その実現のため、戻止機構10は連結要素11を有する。連結要素11は、本発明の戻止機構10の特別な一実施態様では、図8aに示した動作位置と点線で示した待機位置の間を両方向矢印Hの方向に水平に移動することができる。これについてはあとでより詳しく説明する。
【0043】
トグルレバー12がBにおいて連結要素11に接続されている。このトグルレバーは、図の平面に垂直な回転軸(図示せず)のまわりを回転する。トグルレバー12は、実質的にまっすぐな第1の区画またはアーム12aと、鈍角に曲がった第2の区画またはアーム12bを有する。トグルレバー12の第1の区画12aは、上述のように連結要素11に回転可能に接続されている。トグルレバー12の第1の区画12aで要素10bと向かい合っている内側には、突起部12cを有する。突起部の両側は傾斜部12d、12eにされていて突起部12cにつながっているため、突起部12cの断面は台形である。トグルレバー12は突起部12cの中に凹部12fを有する。
【0044】
トグルレバー12は包装装置1の装置用フレーム6(図8b)に固定されるか、連結要素11に対してこの連結要素の屈曲部(すなわち曲がった区画12bの頂点)が外側を向くように(すなわち戻止機構10の要素10bから離れていくように)固定される。図の平面に垂直でこの平面を貫通して延びるスタッドからなるスタッド12gが、トグルレバー12の自由端、すなわち第2の区画12bの自由端に取り付けられている。
【0045】
スタッド12gは、トグルレバーを、やはり戻止機構10の要素10aに含まれる別の回転レバー13と接続している。回転レバー13は、Cにおいてトグルレバー12の回転軸に平行な回転軸14のまわりを回転するように連結要素11に接続されている。連結要素11および/またはトグルレバー12の第2の区画12bは、図示したように、トグルレバー12の第2の区画12bが回転レバー13の近くに到達し、スタッド12gを通じて回転レバー13の内側面または下方面13aに接続される形状にされている。回転レバー13は、第1の端部13bに、曲がったフック状延長部13cを有する。このフック状延長部13cは、回転レバー13の内側面13aに向かって開いたU字形ノッチ13dとなっている。回転レバー13は回転軸14のある位置よりも先まで延びていて、第2の端部13eに延長部13fを有する。
【0046】
図8aでは、トグルレバー12と回転レバー13は初期位置または基本位置にあり、連結要素11に回転可能に接続されているため重力または自重だけによってその位置に戻る。更に、適切な力印加装置(図示せず)をトグルレバー12付加し、通常はトグルレバー12が実質的に鉛直方向(すなわち包装装置1の装置用フレーム6(図8b)に平行な方向)を向いた図8aに示した状態になるようにすることもできる。力印加装置はバネを含んでいてもよいが、水圧システムまたは空気圧システムを利用してトグルレバーに力を加えることもできる。
【0047】
戻止機構10を作動させるため、包装装置1のフィルム供給装置4またはフレーム5の要素10bは、傾斜部15aを上面に有する図8bに示した戻止突起部15を備えている。戻止突起部15は様々な方法でトグルレバー12または回転レバー13の対応する端部に接続されていて、上に説明したように要素10bが矢印V′とV″に沿って鉛直に上下運動するとき(すなわち本発明の包装装置の中でフィルム供給装置4を上下させるとき)に戻止機構10を作動させる。これについては以下の図9〜図19により詳しく示してある。
【0048】
図9は、要素10bが方向V″に沿って上方に移動してトグルレバー12が時計回りの回転Sを始めるとき、傾斜部15aを有する戻止突起部15がいかにしてトグルレバー12の対応する傾斜部12eと接触するかを示している。言い換えるならば、トグルレバー12は、要素10bがV″に沿って更に上方に移動して戻止突起部15がトグルレバー12の戻止ノッチ12fに嵌まるまで、外側に向かって回転する。その状態を図10に示してある。
【0049】
図9は、トグルレバー12がスタッド12gのまわりの回転Sを始めることによって回転レバー13も軸14のまわりに反時計回りに回転して外側に向かう(図9の矢印S′)ことも示している。
【0050】
上述のように、傾斜部12eと傾斜部15aは互いに滑るのに対し、トグルレバー12は軸回転して十分に外側に向かうため、要素10bの戻止突起部15は最終的にトグルレバー12の傾斜部12eを滑って通り過ぎ、トグルレバー12の戻止ノッチ12fに落ち込む(図10)。
【0051】
従って、図10は本発明の戻止機構10の静止位置を示している。要素10b(すなわち本発明の包装装置1のフィルム供給装置4またはフレーム5(図8b))は戻止突起部15を超えて特定の静止位置に嵌まることで鉛直方向の移動に関して所定の位置に係止されるため、本発明のこの実施態様ではフィルム供給装置4の移動に用いる被覆装置7(図8b)も動作位置に移動させることができる。
【0052】
図10は、トグルレバー12と回転レバー13も上記の力印加装置によって図8aに示したそれぞれの出発位置に戻ることも示している。
【0053】
本発明の戻止機構を解放するには、被覆装置7を下から再び持ち上げてフィルム供給装置4またはフレーム5(図8b)と接触させた後、図11に示したように鉛直方向のより高い位置に移動させる。このプロセスにおいて、要素10bの戻止突起部15の傾斜部15aはトグルレバー12の戻止ノッチ12fの上方縁部12fと接触する。すると縁部12fは傾斜部15aの表面を再び滑り、トグルレバー12の時計回りの回転運動Sを生じさせる。するとスタッド12gも回転レバー13を反時計回りの方向(図11の矢印S′)に回転させる。
【0054】
図12に示すように、縁部12fの上方で戻止突起部15がトグルレバー12の鉛直方向内側滑り面12iに沿って上方に向かって滑っている間、これらの回転運動S、S′が継続する。
【0055】
図13に示すように、鉛直方向滑り面12iがトグルレバー12の傾斜部12dへと移行する最高点に到達したとき、トグルレバー12と回転レバー13は最も外側に向かって延びた状態になる。するとトグルレバー12のスタッド12gは回転レバー13の対応するノッチ13dに嵌まり、その場所にしっかりと保持される。図13に示したように、この堅固な把持により、回転レバー13はトグルレバー12を最も延びた位置に係止する。フィルム供給装置4またはフレーム5、すなわち要素10bは、上方に向かって更に短い距離を移動した(矢印V″)後、鉛直方向下向きの予定した移動V′を開始することができる。
【0056】
図14に示すように、戻止突起部15を有する要素10bは、矢印V′に沿って鉛直方向下向きに移動し、最も外側に延びたトグルレバー12の位置を通り過ぎる。トグルレバー12と回転レバー13は、それぞれ最も延びた位置に留まる。と言うのは、スタッド12gは回転レバー13のノッチ13dにしっかりと収容された状態が継続するからである。
【0057】
要素10bまたはその戻止突起部15が所定の距離だけ下方に移動すると、戻止突起部15の水平な縁部15bが回転レバー13の端部13eにある延長部13fと接触する。その様子を図15に示してある。
【0058】
図16に示すように、戻止突起部15の水平な縁部15bと回転レバー13の延長部13fが上述のように接触すると回転レバー13が反時計回りの回転S′をする。そのときスタッド12gは、ある地点で回転レバー13のノッチ13dから飛び出し、トグルレバー12は上に説明した自重および/または力によって矢印Rの方向に回転して最初の位置に戻る(図8a参照)。
【0059】
図17に示すように、要素10bは、V′に沿って鉛直方向下向きの移動を続ける。そのため回転レバー13の反時計回りの回転S′が継続する。回転レバー13の回転S′は、戻止突起部15がもはや回転レバー13の端部13eの延長部13fと接触しなくなったときに終了する。
【0060】
そうなったとき、図18に示したように回転レバー13は解放され、自重によって時計回りに回転して(図18の矢印R′)図8aに示した最初の位置に戻る。従って、要素10bは戻止機構10とまったく接触しなくなるため、更に下がる。
【0061】
この状態を図19によりはっきりと示してある。ここでは、トグルレバー12と回転レバー13のそれぞれの位置は、図8aに示した最初の位置と再び一致し、戻止機構10がリセットされる。
【0062】
図8aを参照して既に説明したように、戻止機構10(すなわちトグルレバー12と回転レバー13に加えて適用可能な場合には力印加装置を有する連結要素11)をいわゆる待機位置へと水平移動Hさせ、フィルム供給装置4が装置用フレーム6(図8b)上の少なくとも1つの(上方)動作位置と1つの下方メンテナンス位置の間を完全に移動できるようにする。フィルム供給装置4またはフレーム5のための適切な戻止機構とともに追加の係止位置が上記の2つの位置の間に存在している場合には、このことが特に重要である。然しながら、上の説明は、戻止機構がこのように水平移動Hして待機位置になることは必ずしも必要ではないことを示している。と言うのは、戻止機構10は、係止するつもりがなければ両方向に移動できるからである。然しながら、戻止機構10を動作位置へと移動させるこのような移動によって戻止突起部15の摩耗や破断がある程度起こるため、戻止機構が動作位置と待機位置の間を上記のように水平移動すること(図8a)は有利であろう。
【0063】
上述のように、本発明の包装装置1の有利な一実施態様において装置用フレーム6の様々な高さに様々な戻止機構10が含まれていると、溶融切断システムを有するフィルム供給装置4を望む様々な高さに係止することが容易になろう。
【0064】
もちろん、本発明のあらゆる実施態様において、動作位置と待機位置の間の戻止機構10の移動を遠隔操作によって完全に制御することができる。このプロセスにおいて、戻止機構のほうは、バネ、水圧手段、空気圧手段の何れかによって、または別の手段として電動モータを利用することによってエネルギーを供給される。
【符号の説明】
【0065】
1 包装装置
2 フィルム供給源
3 フィルム
4 フィルム供給装置
5 フレーム
6 装置用フレーム
7 被覆装置
8 コンソール
9 輸送装置
10 戻止機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品、その中でも特にパレットなどの上に積み重ねられた物品をチューブ状フィルムで包装するため、ドーム状フィルムカバーを生成させて供給する溶融切断システムを有するフィルム供給装置(4)を装置用フレームの中に備えていて、そのフィルム供給装置(4)は、前記装置用フレーム(6)の中を鉛直方向に上下に移動する被覆装置(7)と協働し、その被覆装置(7)は、フィルムカバーを掴んで広げ、装置用フレーム(6)の下方区画に位置する物品を被覆する設計の包装装置(1)において、前記フィルム供給装置(4)が前記装置用フレーム(6)の中を鉛直方向に移動することを特徴とする包装装置(1)。
【請求項2】
前記フィルム供給装置(4)が前記装置用フレーム(6)内を鉛直方向に移動するフレーム(5)の中に位置することを特徴とする、請求項1に記載の包装装置(1)。
【請求項3】
前記フィルム供給装置(4)が少なくとも1つの上方動作位置と1つの下方メンテナンス位置の間を移動できることを特徴とする、請求項1または2に記載の包装装置(1)。
【請求項4】
前記フィルム供給装置(4)を前記装置用フレーム(6)内の所定の位置に係止する少なくとも1つの係止機構を備えることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の包装装置(1)。
【請求項5】
前記係止機構内に少なくとも1つの戻止機構(10)を備えていて、その戻止機構によって前記フィルム供給装置(4)を適切な位置に係止するとともに、その戻止機構を利用し、前記被覆装置(7)と前記フィルム供給装置(4)が接触したときにその被覆装置(7)を鉛直方向に移動させ始めて前記フィルム供給装置(4)を移動させることを特徴とする、請求項4に記載の包装装置(1)。
【請求項6】
溶融切断システムを有するフィルム供給装置(4)を係止するため、装置用フレーム(6)内を鉛直方向に移動させて鉛直方向に係止された位置に入れることのできる、特に請求項1〜5の何れか1項に記載の包装装置(1)のための戻止機構(10)において、前記フィルム供給装置(4)の鉛直移動方向(V′、V″)に垂直な第1の回転軸のまわりを回転するトグルレバー(12)を備えていて、そのトグルレバーが、前記フィルム供給装置(4)と向かい合う内側戻止ノッチ(12f)を持ち、そのトグルレバー(12)の傾斜区画(12e)の形状が、前記フィルム供給装置(4)上の相補的なラッチ(15)と一致しているため、前記フィルム供給装置(4)が鉛直方向上方(V″)に移動すると前記ラッチ(15)が前記戻止ノッチ(12f)に嵌まるまで前記トグルレバー(12)が外側に回転し、前記フィルム供給装置(4)が、下方への移動(V′)に関する戻止位置に係止されることを特徴とする戻止機構(10)。
【請求項7】
前記フィルム供給装置(4)に向かう力が前記トグルレバー(12)に加わることを特徴とする、請求項6に記載の戻止機構(10)。
【請求項8】
前記トグルレバー(12)で第1の回転軸とは反対側にある自由端を、第1の回転軸に平行な第2の回転軸(14)のまわりを回転する回転レバー(13)に接続する連結要素(12g)を備えることで、前記トグルレバー(12)の移動によって前記回転レバー(13)を移動させ、その回転レバー(13)はノッチ(13d)を備えており、そのノッチは、前記フィルム供給装置(4)が戻止位置を超えて鉛直方向(V″)に移動すると前記トグルレバー(12)の接触要素(12i)が押されて前記連結要素(12g)がそのノッチ(13d)に入る形状にされていて、前記連結要素(12g)が前記ノッチ(13d)に入ったときに前記回転レバー(13)が前記トグルレバー(12)を最大回転位置に係止することにより、その状態で前記フィルム供給装置(4)の自由な鉛直方向の移動(V′、V″)が容易になることを特徴とする、請求項6または7に記載の戻止機構(10)。
【請求項9】
第2の回転軸(14)に関する前記トグルレバー(12)の最大回転位置において前記フィルム供給装置(4)の正面に来る突起部が前記回転レバー(13)に存在していて、前記フィルム供給装置(4)が戻止位置を超えて下方に移動する(V′)と戻止ラッチ(15)が前記回転レバー(13)の突起部(13f)と接触してその回転レバー(13)を回転させ、前記トグルレバー(12)をその回転レバー(13)のノッチ(13d)から解放することを特徴とする、請求項8に記載の戻止機構(10)。
【請求項10】
前記フィルム供給装置(4)のための戻止機構(10)の少なくとも1つの要素(10a)が第1の内側動作位置と第2の外側待機位置の間を水平に移動し、第2の位置にある前記フィルム供給装置(4)が鉛直方向に移動している間は前記戻止ラッチ(15)と前記トグルレバー(12)および/または前記回転レバー(13)の間の相互作用がないことを特徴とする、請求項6〜9の何れか1項に記載の戻止機構(10)。
【請求項11】
請求項6〜10の何れか1項に記載の戻止機構(10)を特に利用して請求項1〜5の何れか1項に記載の包装装置(1)を操作する方法であって、装置用フレーム(6)内でフィルム供給装置(4)を移動させて物品を包装するための上方動作位置にし、その位置で係止する操作と、前記装置用フレーム(6)内で前記フィルム供給装置(4)を下方に移動させて下方位置にし、そのフィルム供給装置(4)へのアクセスを可能にする操作を含む方法。
【請求項12】
前記フィルム供給装置(4)が前記被覆装置(7)の鉛直方向の移動(V)によって移動することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項1】
物品、その中でも特にパレットなどの上に積み重ねられた物品をチューブ状フィルムで包装するため、ドーム状フィルムカバーを生成させて供給する溶融切断システムを有するフィルム供給装置(4)を装置用フレームの中に備えていて、そのフィルム供給装置(4)は、前記装置用フレーム(6)の中を鉛直方向に上下に移動する被覆装置(7)と協働し、その被覆装置(7)は、フィルムカバーを掴んで広げ、装置用フレーム(6)の下方区画に位置する物品を被覆する設計の包装装置(1)において、前記フィルム供給装置(4)が前記装置用フレーム(6)の中を鉛直方向に移動することを特徴とする包装装置(1)。
【請求項2】
前記フィルム供給装置(4)が前記装置用フレーム(6)内を鉛直方向に移動するフレーム(5)の中に位置することを特徴とする、請求項1に記載の包装装置(1)。
【請求項3】
前記フィルム供給装置(4)が少なくとも1つの上方動作位置と1つの下方メンテナンス位置の間を移動できることを特徴とする、請求項1または2に記載の包装装置(1)。
【請求項4】
前記フィルム供給装置(4)を前記装置用フレーム(6)内の所定の位置に係止する少なくとも1つの係止機構を備えることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の包装装置(1)。
【請求項5】
前記係止機構内に少なくとも1つの戻止機構(10)を備えていて、その戻止機構によって前記フィルム供給装置(4)を適切な位置に係止するとともに、その戻止機構を利用し、前記被覆装置(7)と前記フィルム供給装置(4)が接触したときにその被覆装置(7)を鉛直方向に移動させ始めて前記フィルム供給装置(4)を移動させることを特徴とする、請求項4に記載の包装装置(1)。
【請求項6】
溶融切断システムを有するフィルム供給装置(4)を係止するため、装置用フレーム(6)内を鉛直方向に移動させて鉛直方向に係止された位置に入れることのできる、特に請求項1〜5の何れか1項に記載の包装装置(1)のための戻止機構(10)において、前記フィルム供給装置(4)の鉛直移動方向(V′、V″)に垂直な第1の回転軸のまわりを回転するトグルレバー(12)を備えていて、そのトグルレバーが、前記フィルム供給装置(4)と向かい合う内側戻止ノッチ(12f)を持ち、そのトグルレバー(12)の傾斜区画(12e)の形状が、前記フィルム供給装置(4)上の相補的なラッチ(15)と一致しているため、前記フィルム供給装置(4)が鉛直方向上方(V″)に移動すると前記ラッチ(15)が前記戻止ノッチ(12f)に嵌まるまで前記トグルレバー(12)が外側に回転し、前記フィルム供給装置(4)が、下方への移動(V′)に関する戻止位置に係止されることを特徴とする戻止機構(10)。
【請求項7】
前記フィルム供給装置(4)に向かう力が前記トグルレバー(12)に加わることを特徴とする、請求項6に記載の戻止機構(10)。
【請求項8】
前記トグルレバー(12)で第1の回転軸とは反対側にある自由端を、第1の回転軸に平行な第2の回転軸(14)のまわりを回転する回転レバー(13)に接続する連結要素(12g)を備えることで、前記トグルレバー(12)の移動によって前記回転レバー(13)を移動させ、その回転レバー(13)はノッチ(13d)を備えており、そのノッチは、前記フィルム供給装置(4)が戻止位置を超えて鉛直方向(V″)に移動すると前記トグルレバー(12)の接触要素(12i)が押されて前記連結要素(12g)がそのノッチ(13d)に入る形状にされていて、前記連結要素(12g)が前記ノッチ(13d)に入ったときに前記回転レバー(13)が前記トグルレバー(12)を最大回転位置に係止することにより、その状態で前記フィルム供給装置(4)の自由な鉛直方向の移動(V′、V″)が容易になることを特徴とする、請求項6または7に記載の戻止機構(10)。
【請求項9】
第2の回転軸(14)に関する前記トグルレバー(12)の最大回転位置において前記フィルム供給装置(4)の正面に来る突起部が前記回転レバー(13)に存在していて、前記フィルム供給装置(4)が戻止位置を超えて下方に移動する(V′)と戻止ラッチ(15)が前記回転レバー(13)の突起部(13f)と接触してその回転レバー(13)を回転させ、前記トグルレバー(12)をその回転レバー(13)のノッチ(13d)から解放することを特徴とする、請求項8に記載の戻止機構(10)。
【請求項10】
前記フィルム供給装置(4)のための戻止機構(10)の少なくとも1つの要素(10a)が第1の内側動作位置と第2の外側待機位置の間を水平に移動し、第2の位置にある前記フィルム供給装置(4)が鉛直方向に移動している間は前記戻止ラッチ(15)と前記トグルレバー(12)および/または前記回転レバー(13)の間の相互作用がないことを特徴とする、請求項6〜9の何れか1項に記載の戻止機構(10)。
【請求項11】
請求項6〜10の何れか1項に記載の戻止機構(10)を特に利用して請求項1〜5の何れか1項に記載の包装装置(1)を操作する方法であって、装置用フレーム(6)内でフィルム供給装置(4)を移動させて物品を包装するための上方動作位置にし、その位置で係止する操作と、前記装置用フレーム(6)内で前記フィルム供給装置(4)を下方に移動させて下方位置にし、そのフィルム供給装置(4)へのアクセスを可能にする操作を含む方法。
【請求項12】
前記フィルム供給装置(4)が前記被覆装置(7)の鉛直方向の移動(V)によって移動することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2010−503584(P2010−503584A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527702(P2009−527702)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009023
【国際公開番号】WO2008/031449
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(508186956)ラシェンメイア アクティーゼルスカブ (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009023
【国際公開番号】WO2008/031449
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(508186956)ラシェンメイア アクティーゼルスカブ (2)
【Fターム(参考)】
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