化学分析装置
【課題】配置順序を変更可能な複数のユニットを有する化学分析装置において、ユニットの物理的配置を自動的に検知し、その配置順にユニットを表示するとともに、その配置順序に対応した液体流路系模式図を表示可能とする。
【解決手段】検出器等の各ユニットはユニット情報要求信号を待機する。ユニット情報要求信号にはホップ数が付加されホップ数が0の場合は送信側へ自ユニット種別、IDを返信する。ホップ数が1以上の場合はホップ数から1減じて隣接ユニットへ転送する。PC部は初めにホップ数0でユニット情報要求信を送信し返信したユニットの接続位置を認識する。以降ホップ数を1づつ増加させてユニット情報要求信を送信し全てのユニットの配置順序を検知する。予め定められたユニット間液体流路情報と検知したユニット配置順序とに基づき実際のユニット配置順序及びそれに従った流路順を画面表示する。
【解決手段】検出器等の各ユニットはユニット情報要求信号を待機する。ユニット情報要求信号にはホップ数が付加されホップ数が0の場合は送信側へ自ユニット種別、IDを返信する。ホップ数が1以上の場合はホップ数から1減じて隣接ユニットへ転送する。PC部は初めにホップ数0でユニット情報要求信を送信し返信したユニットの接続位置を認識する。以降ホップ数を1づつ増加させてユニット情報要求信を送信し全てのユニットの配置順序を検知する。予め定められたユニット間液体流路情報と検知したユニット配置順序とに基づき実際のユニット配置順序及びそれに従った流路順を画面表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析目的別に複数の装置ユニットの配列順序を選択可能な化学分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、化学分析分野では、液体クロマトグラフ質量分析装置等の化学分析装置が広く普及している。特に、HPLC(High Performance Liquid Chromatography)と呼ばれる高速液体クロマトグラフィーは、高スループットで様々な有機化合物を分離・定量するための手法として広く用いられている。
【0003】
このような液体クロマトグラフ装置では、分析対象の溶離液や反応液を送液するためのポンプ、試料の注入を自動化するオートサンプラ、試料を分離させるカラムを内蔵し温度を一定に保つカラムオーブン、さまざまに分離した試料成分を検出する検出器などが装置ユニットとして分かれている。そして、液体クロマトグラフ装置の利用者が、目的に合わせてこれらの装置ユニットの配列順序を自由に変更選択できるようになっている。
【0004】
また、このような液体クロマトグラフ装置を使用するラボや分析センタでは、十分な広さの装置設置スペースが得られないことが多い。このため、装置自身の省スペース化が求められることが多く、卓上型の各ユニットを積み重ねて使用できる形態となっている装置が多い。
【0005】
これらのユニットは、パーソナルコンピュータ(PC)へ接続され、専用のソフトウェアで制御される。また、分析結果等は、やはりPC上のソフトウェアによって解析処理される。
【0006】
このような装置での分析作業においては、分析目的により装置ユニットの交換や液体流路系の変更が頻繁にあり、装置の構成や液体流路系の接続状態を視覚的に認識できることが重要となる。
【0007】
このため、特許文献1に記載されているように、パソコンのメニューボタンが押されると、装置本体の流路系図が表示され、各バルブの接続状態の切り換え等が行われる。
【0008】
このように、液体流路系をPC上へ擬似表示し、分析作業における操作性を向上させることが一般的である。
【0009】
【特許文献1】特開平9−72911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に記載の表示方法では、化学分析装置の液体流路系等の模式図が表示されるものの、実際の各ユニットの設置順番とは一致せず、表示時されたものが、実際のユニットのどれに対応しているのかが判別しずらいものであった。
【0011】
特に、液体クロマトグラフ装置のメンテナンス作業等の目的では、設置されているユニットが流路上のどの部位に相当するのかが分かりづらかった。
【0012】
メンテナンス作業時の作業効率向上のためには、PC上の模式図を、実際の装置設置順に並べて表示する方法が考えられるが、この場合では逆に液体流路系の接続状態が分かりづらくなるため、分析作業を進める上では不便であった。
【0013】
本発明の目的は、配置順序を変更可能な複数の装置ユニットを有する化学分析装置において、装置ユニットの物理的配置を自動的に検知して、その配置順に装置ユニットを表示するとともに、その配置順序に対応した液体流路系模式図を表示可能な化学分析装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、ユーザが意識することなく、各ユニットの物理的配置をPC上のソフトウェアで把握し、表示するものである。
【0015】
本発明による化学分析装置又は流路表示方法においては、複数の化学分析用ユニットと、これら化学分析用ユニットの動作を制御する制御部と、画面表示部と、ユニット間の液体流路を有し、上記複数のユニットは、互いに直列に配置され、その配置順序を変更可能であり、上記複数のユニット間及びこれら複数のユニットと上記制御部との間で情報通信できる。
【0016】
そして、上記化学分析装置の制御部は、上記複数のユニットの配置順序を検索し、検索した上記複数のユニットの配置順序と、予め定められた上記複数のユニット間の液体流路情報とに基づいて、上記画面表示部の表示画面上の縦方向及び横方向のいずれか一方向を上記複数のユニット名称の配置順序とし、他方向を液体流路の順序として、液体流路を示す接続線で上記ユニット名称間を接続した流路図を上記画面表示部に表示させる。
【0017】
また、制御部であるコンピュータを動作させるためのプログラムにより流路表示方法を実行する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、配置順序を変更可能な複数の装置ユニットを有する化学分析装置について、装置ユニットの物理的配置を自動的に検知して、その配置順に装置ユニットを表示するとともに、その配置順序に対応した液体流路系模式図を表示可能な化学分析装置、流路表示方法、流路表示プログラムを実現することができる。
【0019】
化学分析装置、例えば、液体クロマトグラフ装置の各ユニットの物理的配置を示しつつ、液体流路系の流れに沿った設置流路図が表示されるため、ユーザが装置ユニットへの何らかの操作を行う場合には、液体流路上のユニットがどの位置に設置されているものなのかを瞬時に且つ確実に把握できるため、操作性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態として、液体クロマトグラフ装置に適用した場合について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態である液体クロマトグラフ装置の概略構成図である。
図1において、液体クロマトグラフ装置は、溶離液ポンプユニット101、反応液ポンプユニット102、オートサンプラユニット103、カラムユニット104、検知器ユニット105の組合せとなる装置ユニット部100と、それらを制御するPC部116とを備えている。つまり、液体クロマトグラフ装置は、2台のポンプユニット101、102と、その他各1台のづつのユニット103〜105とを備えている。
【0022】
これらのユニット101〜105は、PC部116に接続され、複合通信ケーブル112でデイジーチェーン(数珠つなぎ)接続し、各種情報をやり取りする。また、これらのユニット101〜105は、縦方向に積重ねできる構造となっており、各ユニット101〜105は、ユーザにより任意の順番で積重ね設置することができる。PC部116は、画面表示手段を備えている。
【0023】
本発明の一実施形態である液体クロマトグラフ装置では、装置の物理的配置を認識する方法が必要であるが、次の方法を用いてこれを実現する。
【0024】
各ユニット101〜105は、図1に示したとおり複合通信ケーブル112で接続するが、これを装置背面から見た図を図2に示す。
【0025】
図2において、各ユニット101〜105は、積み重ねて使用した場合にデイジーチェーン接続となる最短の長さL1の複合通信ケーブルで接続される。各ユニット101〜105にはPrimaryポートおよびSecondaryポートがあり、Primaryポートは、直列接続におけるPC部方向へ接続する。
【0026】
また、Secondaryポートは、次のユニットのPrimaryポートに接続する。本発明の一実施形態における検知器ユニット105のように、次に接続するユニットがない場合は、Secondaryポートは開放したままとする。
【0027】
PrimaryポートとSecondaryポートとはコネクタの雄雌の区別等により、Primaryポートどうし、Secondaryポートどうしは互いに接続できない構造とする。また、PC部116は、Masterコネクタを有する専用I/Fボードを有し、ユニット101〜105は、専用I/Fボードを介してPC部116の内部バスと接続する。
【0028】
ユニット101〜105の積載順以外の順番で接続しようとする場合、最低でも1つのユニットを跨いで他のユニットに接続するための、一つのユニットの厚み以上の長さL2のケーブルが必要である。このため、必ず、一つのユニットの厚み以下の長さL1のみのケーブルで接続することにより、ユニット設置順序とケーブル接続順序とが一致することとなる。
【0029】
ユニット設置順序とケーブル接続順序とを一致させる方法は、接続ケーブルの長さを限定する方法以外にも、例えば、ユニット筐体の上下の特定の個所にコネクタを固定し、積み重ね設置することによりコネクタの嵌合を実現する方法等が考えられる。
【0030】
複合通信ケーブル12には、装置ユニット制御信号線および分析データ送受信信号線のほかに、ユニット識別用の一対の送受信信号線を有する。これらの信号線は、ユニット101〜105がどのような順番で接続されているかを示すためのものである。この送受信線によるユニット接続順番の識別方法を図3に示し、以下説明する。
【0031】
図3の301〜306は、PC部及び各ユニットを横方向に並べたものを示し、矢印は信号線による情報の授受を示している。各ユニット101〜105では受信信号線でユニット情報要求信号UnitReqの受信を待機する。このユニット情報要求信号UnitReqにはホップ数が付加されており、ホップ数が0の場合は、ホップ数を付加することなく、送信信号線へ自ユニットの種別およびIDを返信する。
【0032】
また、ホップ数が1以上の場合はホップ数から1減じたユニット情報要求信号をSecondaryポートに接続されたユニットへ転送する。Secondaryポートの送信信号線に他のユニットからホップ数が付加されていない任意の情報が送信されてきた場合、各ユニットは受信した情報をそのままPrimaryポートの送信信号線へ転送する。
【0033】
PC部301は接続されているユニットを識別するため、初めに符号310で示す通り、ホップ数0でUnitReq信号を送信する。図3ではUnitReqの横にホップ数を付記している。この場合、PC部301に直接接続されているユニットである溶離液ポンプユニット302が応答しユニット情報311を返信する。PC部31はこれをもって、1番目に接続されたユニットの種別が溶離液ポンプ302であることを識別する。
【0034】
次に、PC部301は、符号312で示す通り、ホップ数1でUnitReq信号を送信する。この場合、PC部301に直接接続されているユニットである溶離液ポンプユニット302は、Secondaryポートへ接続している反応液ポンプ303へ、ホップ数を1減じた、すなわちホップ数0のUnitReq信号313を送信する。
【0035】
反応液ポンプユニット303は、ホップ数0のUnitReq信号を受信し、ホップ数を付加することなく、ユニット情報314を返信する。返信された情報314はポンプユニット302を経由しPC部301に到達する。情報314によりPC部301は2台目に接続されているユニットが反応液ポンプユニット303であることを識別することができる。
【0036】
以上の方法で、PC部301はホップ数を1ずつ増加させながらUnitReq信号を送信することにより、各ユニットがどのような順番で接続されているかを識別することができる。
【0037】
なお、全ユニットからの応答信号を受信した後、さらにホップ数を増加させたUnitReq信号を送信した場合、応答するユニットが存在しない。このため、PC部301がUnitReq信号を送信してから応答を受信するまでに適当な待ち時間を設定し、設定時間が経過してもユニットから応答がない場合は、ユニットの検知を終了する。
【0038】
ユニットの接続順序の検知は、液体クロマトグラフ装置の起動時毎に行なわれるものである。
【0039】
ユニットが返信するUnitIDの中には図7に示す情報(ユニット製造番号、ユニット種別1、2、ユニット幅、ユニット高さ、ユニット奥行き)が含まれており、本発明の設置流路図を表示する以外の目的にも用いられる。
【0040】
以上の方法により識別したユニット接続順序をもとに、PC部上で画面表示を行う。本発明の画面表示方法(設置流路図)の例を図4に示す。
【0041】
図4において、本発明の表示法である設置流路図402は、図の左から右への液体流路順で装置ユニットを配置することに加え、高さ方向に実際の装置設置順番から割り出した位置関係を加えたものである。
【0042】
すなわち、図4に示した設置流路図の横軸を流路順、縦軸をユニット(装置)設置順とした2次元平面上にユニット表示位置を決定し液体流路系および装置設置順序を同時に操作者等に視認させるものである。装置イメージ401は利用者が装置イメージを直感的に認識するために配置するものであり、液体流路順と同時に表示することにより、さらに視認性を高めることができる。この装置イメージ401は必須ではない。
【0043】
次に、本発明の特徴である設置流路図の具体的な描画フロー(PC部116で実行される描画プログラム)を図6に示し、以下説明する。
【0044】
図6において、始めの処理601では、PC部116のソフトウェアは分析目的別に予め登録された液体流路系の接続順を示すユニット接続情報を取得する。このユニット接続情報は、図示すべきユニットの関連を有効接続情報として予め格納しておくものである。
【0045】
ユニット接続情報の例を図5に示す。図5において、ユニット接続情報は各ユニットの液体流路系接続先を流路順(図5の上から下に向かって液体が流れる)に列挙したものを、かっこで囲われた分析目的別502毎にまとめたものである。各ユニット名称の後ろのかっこ503には、設置流路図を図示する上での付加情報が付記されている。
【0046】
かっこ503内に「v」が追加されているものは、図示する上で同列配置して表示可能なユニットを示すものである。これは、図示する際に省スペースとなるよう、表示位置を調整するために使用される。この詳細は後述する。また「o」はユニットではなく各種溶液の入力部位であることを示す。このユニット接続情報は、装置に予め記憶されたものであり、図5に示した例以外のユニット接続関係も用意される。
【0047】
引き続き、図6の処理601では、描画情報を仮に保存する仮想描画領域初期化およびユニットを配置する行位置を保存する[編集行]変数を0に初期化する処理、さらにはユニット列挙情報及びUnitID情報のユニット高さを用い、各ユニットの床面からの高さの計算を行う。
【0048】
ここで、仮想描画領域とは、図8に示すような仮の描画領域を作成し、実際の画面上に描画を行う前にユニットイメージ等の配置を仮作成する領域である。この仮作成領域は、横方向(流路方向)に沿って等間隔で編集行(一方向行)と呼ばれる行811を設ける。また、後述する処理601により計算された各ユニットの設置高さ表示810を設け、ユニットイメージ825の配置を行う際の補助とする。図8の縦方向に沿って配列された行を他方向行(高さ1までで一他方向行、高さ2まででさらに、一他方向行・・・)とする。
【0049】
なお、図8のユニット名称例804は、本発明の説明上、理解しやすいよう配置したものであり実際の描画処理には必要ないものである。
【0050】
次に、図6に戻り、仮想描画領域に装置を描画する処理602〜608の間の処理の繰り返しにより行う。
始めに、処理603によりユニット接続情報の1行分を取得する。この1行分の情報は、図5の例では、「溶離液A(vo)→溶離液ポンプ」510という1行分の情報である。そして、取得した情報は、この情報中に示された矢印の前後で接続元および接続先として分割する。
【0051】
次に、処理609では、取得した情報の接続元ユニットが仮想描画領域に既に配置されていないかチェックする。これは、接続元ユニットが複数の接続先を有する場合には、複数のユニット接続情報が発生するため、重複して描画してしまわないためのものである。処理609で接続元ユニットが既に配置されている場合は、処理603に戻る。処理609で接続元ユニットが配置されていなければ、処理604に進む。
【0052】
処理604では、分割した接続元情報に付加情報「o」が含まれるか否かを判定する。含まれる場合は、装置ユニットではなく、各種溶液の入力部位であるため、処理605により床面位置かつ編集行に描画する。本例の1行目では付加情報「o」が含まれるため、溶離液Aのイメージを床面位置かつ編集行すなわち0行目に描画する。
【0053】
処理604で、付加情報「o」が含まれないと判断した場合は、処理603で計算した高さ1〜5の表示領域810かつユニットイメージの編集行すなわち0行目に描画する。描画が完了すると、処理607により編集行を一つ加算し、繰り返し終了処理608によりユニット接続情報1行分の処理を完了する。この後、処理602〜608の間の処理をユニット接続情報行数分繰り返し処理する。全てのユニット接続情報を処理した後の仮想描画領域の状態を図9に示す。
【0054】
すべてのユニットが描画された後、処理620〜623の間の処理を繰り返してユニット間の液体流路系を示す接続線を描画する。処理620〜623の間の処理では、上記処理602〜608の間のユニット描画処理と同様に、ユニット接続情報各1行ごとの繰り返し処理を行う。
【0055】
処理621では、図5に示した「溶離液A(vo)→溶離液ポンプ」510等のようなユニット接続情報1行分の情報を取得し、矢印の前後で接続元および接続先として分割する。処理622では、この接続元ユニットから接続先ユニットへ線分を描画する。
【0056】
以上の処理によって全てのユニット接続情報を処理した後の仮想描画領域の状態を図10に示す。
【0057】
図10に示す状態では、横方向に液体流路系が示されつつ縦方向に各ユニットの位置関係が示されている。図10は、本発明の目的とする図が完成しているが、各編集行に1つのユニットしか配置されていないため、表示画面に余白部分が多い。
【0058】
この図10に示した例の場合、液体流路系の接続が見づらくならない程度に、同一の編集行に複数のユニットを配置することにより、より省スペースで同一内容の図示ができる。このため、処理640〜642の繰り返し処理により同一の編集行に移動できるユニットを移動する処理を行う。
【0059】
処理640〜642の間の処理の繰り返しでは、従来のユニット接続情報の取得方法と異なり、流路終端側からの取得とする処理の繰り返しを行う。これは、流路の終端方向から移動処理を行うことにより、移動しなければならないユニットイメージの数を抑えることができるからである。
【0060】
終端方向からの移動処理であるから、図5に示した例では、(1)検知器、(2)カラムユニット、(3)反応液ポンプ、・・・のような順番で、今までとは逆順でユニット接続情報の取得を行う。このユニット接続情報を処理660により読み取り、接続元および接続先の情報へ分割する。
【0061】
次に、処理661により、図示上の立て配置可能か否か、つまり、付加情報「v」が付加されているユニットか否かの判断を行う。接続元ユニットに付加情報「v」がない場合は、処理642から640へ移動し、次のユニットの処理へと進む。
【0062】
付加情報「v」がある場合は、処理662により接続元ユニットイメージを移動した際に流路接続線がユニットを跨がないか、またユニット同士が同じ位置に重ならないかのチェックを行う。このチェックで線の跨りやユニット位置の重複がある場合には、処理642から640へ移動し次のユニットの処理へと進む。処理662において、線の跨りやユニット位置の重複がなく、ユニット位置の移動が可能である場合、処理663により接続元ユニットイメージおよび流路接続線を接続先ユニットイメージと同一の編集行へ移動する。このとき流路接続線の端点は、見易さを考慮しユニットの中心部同士を接続する。ユニット配置の移動が完了した例を図11に示す。
【0063】
ここまでの描画が終了すると、処理643により空行の編集行を削除しつつ、仮想描画領域から実画面上へ設置流路図を転送する。空行の編集行とは、ユニットが1つも配置されていない編集行であり、図11に示した例では編集行1、2、4、5等を示す。
【0064】
また、ユニットイメージの位置を移動する際に流路接続線がユニットを跨ぐ場合の表示例を図12に示し、反応液ポンプが最上層に位置している場合である。図12に示す例の場合、図6に示す、処理662の判断を考慮せずにユニットイメージの位置を移動した場合には、「反応液→反応液ポンプ」の流路接続線がカラムユニットを跨ぐこととなる。この例を図13に示す。
【0065】
そこで、流路接続線がカラムユニットを跨がないように、処理662を考慮した場合、反応液ユニットイメージを移動する処理の際、処理662で判断がNに分岐する。この結果、反応液ユニットイメージは移動されず、流路接続線がカラムユニットを跨ぐことはなくなる。この結果の例を、図14に示す。
【0066】
以上の手順により、本発明の設置流路図を描画する。
【0067】
上記の例は装置を積重ねて設置する場合に適用されるものであるが、利用者から見て装置を横に並べて利用する場合においても、本発明の方法が適用可能である。この場合、液体流路系は上から下方向へ、装置の設置順は左から右へ配置することが考えられるが、これ以外の方向で示してもよい。
【0068】
また、上述した例においては、各ユニット間は、通信ケーブルまたはコネクタにより接続される構成としたが、無線通信により各ユニット間の情報通信を行なうように構成することもできる。無線通信により各ユニット間を接続する場合は、各ユニットの上面側及び下面側に赤外線の送受信部を配置しておき、積層されたユニットのうちの最上層または最下層に配置されたユニットは、他のユニットからの赤外線の受信が上面部または下面部のみとなるため、そのユニット自身の配置位置を認識し、それをPC部116に送信する。そして、その最上層又は最下層のユニットに隣接するユニットは何かを順次検知して、PC部116に送信すれば、全てユニットの配置位置を検知することができる。
【0069】
また、上述した例は、本発明を液体クロマトグラフ装置に適用した場合の例であるが、本発明は、液体クロマトグラム装置のみならず、ガスクロマトグラフ装置等の化学分析装置であって、複数のユニットからなり、その配列順序を変更可能な装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態である液体クロマトグラフ装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるユニットの配置順序による接続関係の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるユニットの配置順序の検知方法の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態における各ユニットの配置関係と流路関係との画面表示例を示す図である。
【図5】ユニット接続情報の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態におけるユニット設置流路図の描画フローチャートである。
【図7】ユニットが返信するUnitID情報の詳細の一例を示す図である。
【図8】仮想描画領域の概念図である。
【図9】設置流路図描画のためユニットイメージを配置した図である。
【図10】設置流路図描画のため流路接続線を描画した図である。
【図11】ユニット配置を移動した後の状態の例を示す図である。
【図12】流路接続線がユニットを跨ぐ場合の例を示す図である。
【図13】流路接続線がカラムユニットを跨いだ状態の例を示す図である。
【図14】流路接続線がユニットを跨がないよう考慮した例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
100 装置ユニット部
101、302 溶離液ポンプユニット
102、303 反応液ポンプユニット
103、304 オートサンプラユニット
104、305 カラムユニット
105、306 検知器ユニット
112 複合通信ケーブル
116、301 PC部
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析目的別に複数の装置ユニットの配列順序を選択可能な化学分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、化学分析分野では、液体クロマトグラフ質量分析装置等の化学分析装置が広く普及している。特に、HPLC(High Performance Liquid Chromatography)と呼ばれる高速液体クロマトグラフィーは、高スループットで様々な有機化合物を分離・定量するための手法として広く用いられている。
【0003】
このような液体クロマトグラフ装置では、分析対象の溶離液や反応液を送液するためのポンプ、試料の注入を自動化するオートサンプラ、試料を分離させるカラムを内蔵し温度を一定に保つカラムオーブン、さまざまに分離した試料成分を検出する検出器などが装置ユニットとして分かれている。そして、液体クロマトグラフ装置の利用者が、目的に合わせてこれらの装置ユニットの配列順序を自由に変更選択できるようになっている。
【0004】
また、このような液体クロマトグラフ装置を使用するラボや分析センタでは、十分な広さの装置設置スペースが得られないことが多い。このため、装置自身の省スペース化が求められることが多く、卓上型の各ユニットを積み重ねて使用できる形態となっている装置が多い。
【0005】
これらのユニットは、パーソナルコンピュータ(PC)へ接続され、専用のソフトウェアで制御される。また、分析結果等は、やはりPC上のソフトウェアによって解析処理される。
【0006】
このような装置での分析作業においては、分析目的により装置ユニットの交換や液体流路系の変更が頻繁にあり、装置の構成や液体流路系の接続状態を視覚的に認識できることが重要となる。
【0007】
このため、特許文献1に記載されているように、パソコンのメニューボタンが押されると、装置本体の流路系図が表示され、各バルブの接続状態の切り換え等が行われる。
【0008】
このように、液体流路系をPC上へ擬似表示し、分析作業における操作性を向上させることが一般的である。
【0009】
【特許文献1】特開平9−72911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に記載の表示方法では、化学分析装置の液体流路系等の模式図が表示されるものの、実際の各ユニットの設置順番とは一致せず、表示時されたものが、実際のユニットのどれに対応しているのかが判別しずらいものであった。
【0011】
特に、液体クロマトグラフ装置のメンテナンス作業等の目的では、設置されているユニットが流路上のどの部位に相当するのかが分かりづらかった。
【0012】
メンテナンス作業時の作業効率向上のためには、PC上の模式図を、実際の装置設置順に並べて表示する方法が考えられるが、この場合では逆に液体流路系の接続状態が分かりづらくなるため、分析作業を進める上では不便であった。
【0013】
本発明の目的は、配置順序を変更可能な複数の装置ユニットを有する化学分析装置において、装置ユニットの物理的配置を自動的に検知して、その配置順に装置ユニットを表示するとともに、その配置順序に対応した液体流路系模式図を表示可能な化学分析装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、ユーザが意識することなく、各ユニットの物理的配置をPC上のソフトウェアで把握し、表示するものである。
【0015】
本発明による化学分析装置又は流路表示方法においては、複数の化学分析用ユニットと、これら化学分析用ユニットの動作を制御する制御部と、画面表示部と、ユニット間の液体流路を有し、上記複数のユニットは、互いに直列に配置され、その配置順序を変更可能であり、上記複数のユニット間及びこれら複数のユニットと上記制御部との間で情報通信できる。
【0016】
そして、上記化学分析装置の制御部は、上記複数のユニットの配置順序を検索し、検索した上記複数のユニットの配置順序と、予め定められた上記複数のユニット間の液体流路情報とに基づいて、上記画面表示部の表示画面上の縦方向及び横方向のいずれか一方向を上記複数のユニット名称の配置順序とし、他方向を液体流路の順序として、液体流路を示す接続線で上記ユニット名称間を接続した流路図を上記画面表示部に表示させる。
【0017】
また、制御部であるコンピュータを動作させるためのプログラムにより流路表示方法を実行する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、配置順序を変更可能な複数の装置ユニットを有する化学分析装置について、装置ユニットの物理的配置を自動的に検知して、その配置順に装置ユニットを表示するとともに、その配置順序に対応した液体流路系模式図を表示可能な化学分析装置、流路表示方法、流路表示プログラムを実現することができる。
【0019】
化学分析装置、例えば、液体クロマトグラフ装置の各ユニットの物理的配置を示しつつ、液体流路系の流れに沿った設置流路図が表示されるため、ユーザが装置ユニットへの何らかの操作を行う場合には、液体流路上のユニットがどの位置に設置されているものなのかを瞬時に且つ確実に把握できるため、操作性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態として、液体クロマトグラフ装置に適用した場合について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態である液体クロマトグラフ装置の概略構成図である。
図1において、液体クロマトグラフ装置は、溶離液ポンプユニット101、反応液ポンプユニット102、オートサンプラユニット103、カラムユニット104、検知器ユニット105の組合せとなる装置ユニット部100と、それらを制御するPC部116とを備えている。つまり、液体クロマトグラフ装置は、2台のポンプユニット101、102と、その他各1台のづつのユニット103〜105とを備えている。
【0022】
これらのユニット101〜105は、PC部116に接続され、複合通信ケーブル112でデイジーチェーン(数珠つなぎ)接続し、各種情報をやり取りする。また、これらのユニット101〜105は、縦方向に積重ねできる構造となっており、各ユニット101〜105は、ユーザにより任意の順番で積重ね設置することができる。PC部116は、画面表示手段を備えている。
【0023】
本発明の一実施形態である液体クロマトグラフ装置では、装置の物理的配置を認識する方法が必要であるが、次の方法を用いてこれを実現する。
【0024】
各ユニット101〜105は、図1に示したとおり複合通信ケーブル112で接続するが、これを装置背面から見た図を図2に示す。
【0025】
図2において、各ユニット101〜105は、積み重ねて使用した場合にデイジーチェーン接続となる最短の長さL1の複合通信ケーブルで接続される。各ユニット101〜105にはPrimaryポートおよびSecondaryポートがあり、Primaryポートは、直列接続におけるPC部方向へ接続する。
【0026】
また、Secondaryポートは、次のユニットのPrimaryポートに接続する。本発明の一実施形態における検知器ユニット105のように、次に接続するユニットがない場合は、Secondaryポートは開放したままとする。
【0027】
PrimaryポートとSecondaryポートとはコネクタの雄雌の区別等により、Primaryポートどうし、Secondaryポートどうしは互いに接続できない構造とする。また、PC部116は、Masterコネクタを有する専用I/Fボードを有し、ユニット101〜105は、専用I/Fボードを介してPC部116の内部バスと接続する。
【0028】
ユニット101〜105の積載順以外の順番で接続しようとする場合、最低でも1つのユニットを跨いで他のユニットに接続するための、一つのユニットの厚み以上の長さL2のケーブルが必要である。このため、必ず、一つのユニットの厚み以下の長さL1のみのケーブルで接続することにより、ユニット設置順序とケーブル接続順序とが一致することとなる。
【0029】
ユニット設置順序とケーブル接続順序とを一致させる方法は、接続ケーブルの長さを限定する方法以外にも、例えば、ユニット筐体の上下の特定の個所にコネクタを固定し、積み重ね設置することによりコネクタの嵌合を実現する方法等が考えられる。
【0030】
複合通信ケーブル12には、装置ユニット制御信号線および分析データ送受信信号線のほかに、ユニット識別用の一対の送受信信号線を有する。これらの信号線は、ユニット101〜105がどのような順番で接続されているかを示すためのものである。この送受信線によるユニット接続順番の識別方法を図3に示し、以下説明する。
【0031】
図3の301〜306は、PC部及び各ユニットを横方向に並べたものを示し、矢印は信号線による情報の授受を示している。各ユニット101〜105では受信信号線でユニット情報要求信号UnitReqの受信を待機する。このユニット情報要求信号UnitReqにはホップ数が付加されており、ホップ数が0の場合は、ホップ数を付加することなく、送信信号線へ自ユニットの種別およびIDを返信する。
【0032】
また、ホップ数が1以上の場合はホップ数から1減じたユニット情報要求信号をSecondaryポートに接続されたユニットへ転送する。Secondaryポートの送信信号線に他のユニットからホップ数が付加されていない任意の情報が送信されてきた場合、各ユニットは受信した情報をそのままPrimaryポートの送信信号線へ転送する。
【0033】
PC部301は接続されているユニットを識別するため、初めに符号310で示す通り、ホップ数0でUnitReq信号を送信する。図3ではUnitReqの横にホップ数を付記している。この場合、PC部301に直接接続されているユニットである溶離液ポンプユニット302が応答しユニット情報311を返信する。PC部31はこれをもって、1番目に接続されたユニットの種別が溶離液ポンプ302であることを識別する。
【0034】
次に、PC部301は、符号312で示す通り、ホップ数1でUnitReq信号を送信する。この場合、PC部301に直接接続されているユニットである溶離液ポンプユニット302は、Secondaryポートへ接続している反応液ポンプ303へ、ホップ数を1減じた、すなわちホップ数0のUnitReq信号313を送信する。
【0035】
反応液ポンプユニット303は、ホップ数0のUnitReq信号を受信し、ホップ数を付加することなく、ユニット情報314を返信する。返信された情報314はポンプユニット302を経由しPC部301に到達する。情報314によりPC部301は2台目に接続されているユニットが反応液ポンプユニット303であることを識別することができる。
【0036】
以上の方法で、PC部301はホップ数を1ずつ増加させながらUnitReq信号を送信することにより、各ユニットがどのような順番で接続されているかを識別することができる。
【0037】
なお、全ユニットからの応答信号を受信した後、さらにホップ数を増加させたUnitReq信号を送信した場合、応答するユニットが存在しない。このため、PC部301がUnitReq信号を送信してから応答を受信するまでに適当な待ち時間を設定し、設定時間が経過してもユニットから応答がない場合は、ユニットの検知を終了する。
【0038】
ユニットの接続順序の検知は、液体クロマトグラフ装置の起動時毎に行なわれるものである。
【0039】
ユニットが返信するUnitIDの中には図7に示す情報(ユニット製造番号、ユニット種別1、2、ユニット幅、ユニット高さ、ユニット奥行き)が含まれており、本発明の設置流路図を表示する以外の目的にも用いられる。
【0040】
以上の方法により識別したユニット接続順序をもとに、PC部上で画面表示を行う。本発明の画面表示方法(設置流路図)の例を図4に示す。
【0041】
図4において、本発明の表示法である設置流路図402は、図の左から右への液体流路順で装置ユニットを配置することに加え、高さ方向に実際の装置設置順番から割り出した位置関係を加えたものである。
【0042】
すなわち、図4に示した設置流路図の横軸を流路順、縦軸をユニット(装置)設置順とした2次元平面上にユニット表示位置を決定し液体流路系および装置設置順序を同時に操作者等に視認させるものである。装置イメージ401は利用者が装置イメージを直感的に認識するために配置するものであり、液体流路順と同時に表示することにより、さらに視認性を高めることができる。この装置イメージ401は必須ではない。
【0043】
次に、本発明の特徴である設置流路図の具体的な描画フロー(PC部116で実行される描画プログラム)を図6に示し、以下説明する。
【0044】
図6において、始めの処理601では、PC部116のソフトウェアは分析目的別に予め登録された液体流路系の接続順を示すユニット接続情報を取得する。このユニット接続情報は、図示すべきユニットの関連を有効接続情報として予め格納しておくものである。
【0045】
ユニット接続情報の例を図5に示す。図5において、ユニット接続情報は各ユニットの液体流路系接続先を流路順(図5の上から下に向かって液体が流れる)に列挙したものを、かっこで囲われた分析目的別502毎にまとめたものである。各ユニット名称の後ろのかっこ503には、設置流路図を図示する上での付加情報が付記されている。
【0046】
かっこ503内に「v」が追加されているものは、図示する上で同列配置して表示可能なユニットを示すものである。これは、図示する際に省スペースとなるよう、表示位置を調整するために使用される。この詳細は後述する。また「o」はユニットではなく各種溶液の入力部位であることを示す。このユニット接続情報は、装置に予め記憶されたものであり、図5に示した例以外のユニット接続関係も用意される。
【0047】
引き続き、図6の処理601では、描画情報を仮に保存する仮想描画領域初期化およびユニットを配置する行位置を保存する[編集行]変数を0に初期化する処理、さらにはユニット列挙情報及びUnitID情報のユニット高さを用い、各ユニットの床面からの高さの計算を行う。
【0048】
ここで、仮想描画領域とは、図8に示すような仮の描画領域を作成し、実際の画面上に描画を行う前にユニットイメージ等の配置を仮作成する領域である。この仮作成領域は、横方向(流路方向)に沿って等間隔で編集行(一方向行)と呼ばれる行811を設ける。また、後述する処理601により計算された各ユニットの設置高さ表示810を設け、ユニットイメージ825の配置を行う際の補助とする。図8の縦方向に沿って配列された行を他方向行(高さ1までで一他方向行、高さ2まででさらに、一他方向行・・・)とする。
【0049】
なお、図8のユニット名称例804は、本発明の説明上、理解しやすいよう配置したものであり実際の描画処理には必要ないものである。
【0050】
次に、図6に戻り、仮想描画領域に装置を描画する処理602〜608の間の処理の繰り返しにより行う。
始めに、処理603によりユニット接続情報の1行分を取得する。この1行分の情報は、図5の例では、「溶離液A(vo)→溶離液ポンプ」510という1行分の情報である。そして、取得した情報は、この情報中に示された矢印の前後で接続元および接続先として分割する。
【0051】
次に、処理609では、取得した情報の接続元ユニットが仮想描画領域に既に配置されていないかチェックする。これは、接続元ユニットが複数の接続先を有する場合には、複数のユニット接続情報が発生するため、重複して描画してしまわないためのものである。処理609で接続元ユニットが既に配置されている場合は、処理603に戻る。処理609で接続元ユニットが配置されていなければ、処理604に進む。
【0052】
処理604では、分割した接続元情報に付加情報「o」が含まれるか否かを判定する。含まれる場合は、装置ユニットではなく、各種溶液の入力部位であるため、処理605により床面位置かつ編集行に描画する。本例の1行目では付加情報「o」が含まれるため、溶離液Aのイメージを床面位置かつ編集行すなわち0行目に描画する。
【0053】
処理604で、付加情報「o」が含まれないと判断した場合は、処理603で計算した高さ1〜5の表示領域810かつユニットイメージの編集行すなわち0行目に描画する。描画が完了すると、処理607により編集行を一つ加算し、繰り返し終了処理608によりユニット接続情報1行分の処理を完了する。この後、処理602〜608の間の処理をユニット接続情報行数分繰り返し処理する。全てのユニット接続情報を処理した後の仮想描画領域の状態を図9に示す。
【0054】
すべてのユニットが描画された後、処理620〜623の間の処理を繰り返してユニット間の液体流路系を示す接続線を描画する。処理620〜623の間の処理では、上記処理602〜608の間のユニット描画処理と同様に、ユニット接続情報各1行ごとの繰り返し処理を行う。
【0055】
処理621では、図5に示した「溶離液A(vo)→溶離液ポンプ」510等のようなユニット接続情報1行分の情報を取得し、矢印の前後で接続元および接続先として分割する。処理622では、この接続元ユニットから接続先ユニットへ線分を描画する。
【0056】
以上の処理によって全てのユニット接続情報を処理した後の仮想描画領域の状態を図10に示す。
【0057】
図10に示す状態では、横方向に液体流路系が示されつつ縦方向に各ユニットの位置関係が示されている。図10は、本発明の目的とする図が完成しているが、各編集行に1つのユニットしか配置されていないため、表示画面に余白部分が多い。
【0058】
この図10に示した例の場合、液体流路系の接続が見づらくならない程度に、同一の編集行に複数のユニットを配置することにより、より省スペースで同一内容の図示ができる。このため、処理640〜642の繰り返し処理により同一の編集行に移動できるユニットを移動する処理を行う。
【0059】
処理640〜642の間の処理の繰り返しでは、従来のユニット接続情報の取得方法と異なり、流路終端側からの取得とする処理の繰り返しを行う。これは、流路の終端方向から移動処理を行うことにより、移動しなければならないユニットイメージの数を抑えることができるからである。
【0060】
終端方向からの移動処理であるから、図5に示した例では、(1)検知器、(2)カラムユニット、(3)反応液ポンプ、・・・のような順番で、今までとは逆順でユニット接続情報の取得を行う。このユニット接続情報を処理660により読み取り、接続元および接続先の情報へ分割する。
【0061】
次に、処理661により、図示上の立て配置可能か否か、つまり、付加情報「v」が付加されているユニットか否かの判断を行う。接続元ユニットに付加情報「v」がない場合は、処理642から640へ移動し、次のユニットの処理へと進む。
【0062】
付加情報「v」がある場合は、処理662により接続元ユニットイメージを移動した際に流路接続線がユニットを跨がないか、またユニット同士が同じ位置に重ならないかのチェックを行う。このチェックで線の跨りやユニット位置の重複がある場合には、処理642から640へ移動し次のユニットの処理へと進む。処理662において、線の跨りやユニット位置の重複がなく、ユニット位置の移動が可能である場合、処理663により接続元ユニットイメージおよび流路接続線を接続先ユニットイメージと同一の編集行へ移動する。このとき流路接続線の端点は、見易さを考慮しユニットの中心部同士を接続する。ユニット配置の移動が完了した例を図11に示す。
【0063】
ここまでの描画が終了すると、処理643により空行の編集行を削除しつつ、仮想描画領域から実画面上へ設置流路図を転送する。空行の編集行とは、ユニットが1つも配置されていない編集行であり、図11に示した例では編集行1、2、4、5等を示す。
【0064】
また、ユニットイメージの位置を移動する際に流路接続線がユニットを跨ぐ場合の表示例を図12に示し、反応液ポンプが最上層に位置している場合である。図12に示す例の場合、図6に示す、処理662の判断を考慮せずにユニットイメージの位置を移動した場合には、「反応液→反応液ポンプ」の流路接続線がカラムユニットを跨ぐこととなる。この例を図13に示す。
【0065】
そこで、流路接続線がカラムユニットを跨がないように、処理662を考慮した場合、反応液ユニットイメージを移動する処理の際、処理662で判断がNに分岐する。この結果、反応液ユニットイメージは移動されず、流路接続線がカラムユニットを跨ぐことはなくなる。この結果の例を、図14に示す。
【0066】
以上の手順により、本発明の設置流路図を描画する。
【0067】
上記の例は装置を積重ねて設置する場合に適用されるものであるが、利用者から見て装置を横に並べて利用する場合においても、本発明の方法が適用可能である。この場合、液体流路系は上から下方向へ、装置の設置順は左から右へ配置することが考えられるが、これ以外の方向で示してもよい。
【0068】
また、上述した例においては、各ユニット間は、通信ケーブルまたはコネクタにより接続される構成としたが、無線通信により各ユニット間の情報通信を行なうように構成することもできる。無線通信により各ユニット間を接続する場合は、各ユニットの上面側及び下面側に赤外線の送受信部を配置しておき、積層されたユニットのうちの最上層または最下層に配置されたユニットは、他のユニットからの赤外線の受信が上面部または下面部のみとなるため、そのユニット自身の配置位置を認識し、それをPC部116に送信する。そして、その最上層又は最下層のユニットに隣接するユニットは何かを順次検知して、PC部116に送信すれば、全てユニットの配置位置を検知することができる。
【0069】
また、上述した例は、本発明を液体クロマトグラフ装置に適用した場合の例であるが、本発明は、液体クロマトグラム装置のみならず、ガスクロマトグラフ装置等の化学分析装置であって、複数のユニットからなり、その配列順序を変更可能な装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態である液体クロマトグラフ装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるユニットの配置順序による接続関係の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるユニットの配置順序の検知方法の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態における各ユニットの配置関係と流路関係との画面表示例を示す図である。
【図5】ユニット接続情報の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態におけるユニット設置流路図の描画フローチャートである。
【図7】ユニットが返信するUnitID情報の詳細の一例を示す図である。
【図8】仮想描画領域の概念図である。
【図9】設置流路図描画のためユニットイメージを配置した図である。
【図10】設置流路図描画のため流路接続線を描画した図である。
【図11】ユニット配置を移動した後の状態の例を示す図である。
【図12】流路接続線がユニットを跨ぐ場合の例を示す図である。
【図13】流路接続線がカラムユニットを跨いだ状態の例を示す図である。
【図14】流路接続線がユニットを跨がないよう考慮した例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
100 装置ユニット部
101、302 溶離液ポンプユニット
102、303 反応液ポンプユニット
103、304 オートサンプラユニット
104、305 カラムユニット
105、306 検知器ユニット
112 複合通信ケーブル
116、301 PC部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の化学分析用ユニットと、これら化学分析用ユニットの動作を制御する制御部と、画面表示部と、上記ユニット間の液体流路とを有し、上記複数のユニットは、互いに直列に配置され、その配置順序を変更可能であり、上記複数のユニット間及びこれら複数のユニットと上記制御部との間で情報通信できる化学分析装置において、
上記制御部は、上記複数のユニットの配置順序を検索し、検索した上記複数のユニットの配置順序と、予め定められた上記複数のユニット間の液体流路情報とに基づいて、上記画面表示部の表示画面上の縦方向及び横方向のいずれか一方向を上記複数のユニット名称の配置順序とし、他方向を液体流路の順序として、液体流路を示す接続線で上記ユニット名称間を接続した流路図を上記画面表示部に表示させることを特徴とする化学分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の化学分析装置において、上記流路図の近辺に、上記ユニットの配置順序に従って、上記複数のユニット名称を表示させることを特徴とする化学分析装置。
【請求項3】
請求項1記載の化学分析装置において、上記液体流路に流す液体名称を流路に接続させて上記流路図に表示させることを特徴とする化学分析装置。
【請求項4】
請求項1記載の化学分析装置において、上記複数のユニットは、一つの上記ユニットの厚み寸法以下の長さの通信ケーブルにより隣接するユニットと互いに接続されることを特徴とする化学分析装置。
【請求項5】
請求項1記載の化学分析装置において、上記複数のユニットは、これらユニットのそれぞれの上面部及び下面部に、通信用コネクタが形成され、ユニットを積み重ね配置することにより、互いに隣接するユニットの上記通信コネクタどうしが互いに接続されることを特徴とする化学分析装置。
【請求項6】
請求項1記載の化学分析装置において、上記化学分析装置は、液体クロマトグラフ装置であることを特徴とする化学分析装置。
【請求項7】
請求項6記載の化学分析装置において、上記複数のユニットは、溶離液ポンプと、反応液ポンプと、分離カラムユニットと、検出器ユニットとを有することを特徴とする化学分析装置。
【請求項8】
複数の化学分析用ユニットと、これら化学分析用ユニットの動作を制御する制御部と、画面表示部と、上記ユニット間の液体流路とを有し、上記複数のユニットは、互いに直列に配置され、その配置順序を変更可能であり、上記複数のユニット間及びこれら複数のユニットと上記制御部との間で情報通信できる化学分析装置の液体流路の表示方法において、
上記複数のユニットの配置順序を検索し、
予め定められた上記複数のユニット間の液体流路情報と、検索した上記複数のユニットの配置順序とに基づいて、上記画面表示部の表示画面上の縦方向及び横方向のいずれか一方向を上記複数のユニット名称の配置順序とし、他方向を液体流路の順序として、液体流路を示す接続線で上記ユニット名称間を接続した流路図を上記画面表示部に表示させることを特徴とする液体流路の表示方法。
【請求項9】
請求項8記載の液体流路の表示方法において、上記流路図の近辺に、上記ユニットの配置順序に従って、上記複数のユニット名称を表示させることを特徴とする液体流路の表示方法。
【請求項10】
請求項8記載の液体流路の表示方法において、上記液体流路に流す液体名称を流路に接続させて上記流路図に表示させることを特徴とする液体流路の表示方法。
【請求項11】
請求項8記載の液体流路の表示方法において、
上記複数のユニットは、上記複数のユニットのうちの他のユニット又は上記制御部との間でホップ数を示す情報を送受信し、
受信したホップ数が0を示す場合は、受信したユニット毎に定められた識別番号を示す情報を、ホップ数が0を示す情報を送信したユニット又は制御部に返信し、
受信したホップ数が1以上の数を示す場合は、そのホップ数から1を減じてホップ数とし、そのホップ数を示す情報を、送信側のユニット又は制御部とは異なるユニットに送信し、
上記制御部から、上記複数のユニットに対して、0から1づつ増加するホップ数を示す情報を、順次送信し、返信されたユニットの識別番号に基づいて、上記複数のユニットの配置順序を検索することを特徴とする液体流路の表示方法。
【請求項12】
請求項8記載の液体流路の表示方法において、上記化学分析装置は、液体クロマトグラフ装置であることを特徴とする液体流路の表示方法。
【請求項13】
請求項12記載の液体流路の表示方法において、上記複数のユニットは、溶離液ポンプと、反応液ポンプと、分離カラムユニットと、検出器ユニットとを有することを特徴とする液体流路の表示方法。
【請求項14】
複数の化学分析用ユニットと、これら化学分析用ユニットの動作を制御する制御部と、画面表示部と、上記ユニット間の液体流路とを有し、上記複数のユニットは、互いに直列に配置され、その配置順序を変更可能であり、上記複数のユニット間及びこれら複数のユニットと上記制御部との間で情報通信できる化学分析装置の上記制御部であるコンピュータを動作させるための液体流路の表示プログラムにおいて、
上記複数のユニットの配置順序を検索し、
予め制御部に記憶された上記複数のユニット間の液体流路情報を検索し、
上記検索した液体流路情報と、上記複数のユニットの配置順序とに基づいて、上記画面表示部の表示画面上の縦方向及び横方向のいずれか一方向を上記複数のユニット名称の配置順序とし、他方向を液体流路の順序として、液体流路を示す接続線で上記ユニット名称間を接続した流路図を上記画面表示部に表示させることを特徴とする液体流路の表示プログラム。
【請求項15】
請求項14記載の液体流路の表示プログラムにおいて、上記流路図の近辺に、上記ユニットの配置順序に従って、上記複数のユニット名称を表示させることを特徴とする液体流路の表示プログラム。
【請求項16】
請求項14記載の液体流路の表示プログラムにおいて、上記液体流路に流す液体名称を流路に接続させて上記流路図に表示させることを特徴とする液体流路の表示プログラム。
【請求項17】
請求項14記載の液体流路の表示プログラムにおいて、
上記複数のユニットは、上記複数のユニットのうちの他のユニット又は上記制御部との間でホップ数を示す情報を送受信し、
受信したホップ数が0を示す場合は、受信したユニット毎に定められた識別番号を示す情報を、ホップ数が0を示す情報を送信したユニット又は制御部に返信し、
受信したホップ数が1以上の数を示す場合は、そのホップ数から1を減じてホップ数とし、そのホップ数を示す情報を、送信側のユニット又は制御部とは異なるユニットに送信し、
上記制御部から、上記複数のユニットに対して、0から1づつ増加するホップ数を示す情報を、順次送信し、返信されたユニットの識別番号に基づいて、上記複数のユニットの配置順序を検索することを特徴とする液体流路の表示プログラム。
【請求項18】
請求項14記載の液体流路の表示プログラムにおいて、
上記複数のユニット名称の配置順序を示す方向に沿って配置される複数の行を他方向行とし、上記液体流路の順序を示す他方向に沿って配置される複数の行を一方向行とし、
上記複数のユニットの配置順序及び液体流路順序に従って、上記複数の一方向行及び複数の他方向行からなる流路図に上記複数のユニットの名称を表示し、
溶液とユニット間またはユニットどうしの流路接続情報に従って、流路接続線を表示し、
上記流路図の中で、同一の一方向行に配置可能な溶液又はユニットがあるか否かを判断し、同一の一方向行に配置可能な溶液又はユニットがあれば、同一の一方向行に、該当する溶液又はユニットを移動して配置し、
上記複数の一方向行のうち、溶液又はユニットが配置されていない行があるか否かを判断し、該当する一方向行があれば、その一方向行を削除して流路図を作成し、画面表示させることを特徴とする液体流路の表示プログラム。
【請求項1】
複数の化学分析用ユニットと、これら化学分析用ユニットの動作を制御する制御部と、画面表示部と、上記ユニット間の液体流路とを有し、上記複数のユニットは、互いに直列に配置され、その配置順序を変更可能であり、上記複数のユニット間及びこれら複数のユニットと上記制御部との間で情報通信できる化学分析装置において、
上記制御部は、上記複数のユニットの配置順序を検索し、検索した上記複数のユニットの配置順序と、予め定められた上記複数のユニット間の液体流路情報とに基づいて、上記画面表示部の表示画面上の縦方向及び横方向のいずれか一方向を上記複数のユニット名称の配置順序とし、他方向を液体流路の順序として、液体流路を示す接続線で上記ユニット名称間を接続した流路図を上記画面表示部に表示させることを特徴とする化学分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の化学分析装置において、上記流路図の近辺に、上記ユニットの配置順序に従って、上記複数のユニット名称を表示させることを特徴とする化学分析装置。
【請求項3】
請求項1記載の化学分析装置において、上記液体流路に流す液体名称を流路に接続させて上記流路図に表示させることを特徴とする化学分析装置。
【請求項4】
請求項1記載の化学分析装置において、上記複数のユニットは、一つの上記ユニットの厚み寸法以下の長さの通信ケーブルにより隣接するユニットと互いに接続されることを特徴とする化学分析装置。
【請求項5】
請求項1記載の化学分析装置において、上記複数のユニットは、これらユニットのそれぞれの上面部及び下面部に、通信用コネクタが形成され、ユニットを積み重ね配置することにより、互いに隣接するユニットの上記通信コネクタどうしが互いに接続されることを特徴とする化学分析装置。
【請求項6】
請求項1記載の化学分析装置において、上記化学分析装置は、液体クロマトグラフ装置であることを特徴とする化学分析装置。
【請求項7】
請求項6記載の化学分析装置において、上記複数のユニットは、溶離液ポンプと、反応液ポンプと、分離カラムユニットと、検出器ユニットとを有することを特徴とする化学分析装置。
【請求項8】
複数の化学分析用ユニットと、これら化学分析用ユニットの動作を制御する制御部と、画面表示部と、上記ユニット間の液体流路とを有し、上記複数のユニットは、互いに直列に配置され、その配置順序を変更可能であり、上記複数のユニット間及びこれら複数のユニットと上記制御部との間で情報通信できる化学分析装置の液体流路の表示方法において、
上記複数のユニットの配置順序を検索し、
予め定められた上記複数のユニット間の液体流路情報と、検索した上記複数のユニットの配置順序とに基づいて、上記画面表示部の表示画面上の縦方向及び横方向のいずれか一方向を上記複数のユニット名称の配置順序とし、他方向を液体流路の順序として、液体流路を示す接続線で上記ユニット名称間を接続した流路図を上記画面表示部に表示させることを特徴とする液体流路の表示方法。
【請求項9】
請求項8記載の液体流路の表示方法において、上記流路図の近辺に、上記ユニットの配置順序に従って、上記複数のユニット名称を表示させることを特徴とする液体流路の表示方法。
【請求項10】
請求項8記載の液体流路の表示方法において、上記液体流路に流す液体名称を流路に接続させて上記流路図に表示させることを特徴とする液体流路の表示方法。
【請求項11】
請求項8記載の液体流路の表示方法において、
上記複数のユニットは、上記複数のユニットのうちの他のユニット又は上記制御部との間でホップ数を示す情報を送受信し、
受信したホップ数が0を示す場合は、受信したユニット毎に定められた識別番号を示す情報を、ホップ数が0を示す情報を送信したユニット又は制御部に返信し、
受信したホップ数が1以上の数を示す場合は、そのホップ数から1を減じてホップ数とし、そのホップ数を示す情報を、送信側のユニット又は制御部とは異なるユニットに送信し、
上記制御部から、上記複数のユニットに対して、0から1づつ増加するホップ数を示す情報を、順次送信し、返信されたユニットの識別番号に基づいて、上記複数のユニットの配置順序を検索することを特徴とする液体流路の表示方法。
【請求項12】
請求項8記載の液体流路の表示方法において、上記化学分析装置は、液体クロマトグラフ装置であることを特徴とする液体流路の表示方法。
【請求項13】
請求項12記載の液体流路の表示方法において、上記複数のユニットは、溶離液ポンプと、反応液ポンプと、分離カラムユニットと、検出器ユニットとを有することを特徴とする液体流路の表示方法。
【請求項14】
複数の化学分析用ユニットと、これら化学分析用ユニットの動作を制御する制御部と、画面表示部と、上記ユニット間の液体流路とを有し、上記複数のユニットは、互いに直列に配置され、その配置順序を変更可能であり、上記複数のユニット間及びこれら複数のユニットと上記制御部との間で情報通信できる化学分析装置の上記制御部であるコンピュータを動作させるための液体流路の表示プログラムにおいて、
上記複数のユニットの配置順序を検索し、
予め制御部に記憶された上記複数のユニット間の液体流路情報を検索し、
上記検索した液体流路情報と、上記複数のユニットの配置順序とに基づいて、上記画面表示部の表示画面上の縦方向及び横方向のいずれか一方向を上記複数のユニット名称の配置順序とし、他方向を液体流路の順序として、液体流路を示す接続線で上記ユニット名称間を接続した流路図を上記画面表示部に表示させることを特徴とする液体流路の表示プログラム。
【請求項15】
請求項14記載の液体流路の表示プログラムにおいて、上記流路図の近辺に、上記ユニットの配置順序に従って、上記複数のユニット名称を表示させることを特徴とする液体流路の表示プログラム。
【請求項16】
請求項14記載の液体流路の表示プログラムにおいて、上記液体流路に流す液体名称を流路に接続させて上記流路図に表示させることを特徴とする液体流路の表示プログラム。
【請求項17】
請求項14記載の液体流路の表示プログラムにおいて、
上記複数のユニットは、上記複数のユニットのうちの他のユニット又は上記制御部との間でホップ数を示す情報を送受信し、
受信したホップ数が0を示す場合は、受信したユニット毎に定められた識別番号を示す情報を、ホップ数が0を示す情報を送信したユニット又は制御部に返信し、
受信したホップ数が1以上の数を示す場合は、そのホップ数から1を減じてホップ数とし、そのホップ数を示す情報を、送信側のユニット又は制御部とは異なるユニットに送信し、
上記制御部から、上記複数のユニットに対して、0から1づつ増加するホップ数を示す情報を、順次送信し、返信されたユニットの識別番号に基づいて、上記複数のユニットの配置順序を検索することを特徴とする液体流路の表示プログラム。
【請求項18】
請求項14記載の液体流路の表示プログラムにおいて、
上記複数のユニット名称の配置順序を示す方向に沿って配置される複数の行を他方向行とし、上記液体流路の順序を示す他方向に沿って配置される複数の行を一方向行とし、
上記複数のユニットの配置順序及び液体流路順序に従って、上記複数の一方向行及び複数の他方向行からなる流路図に上記複数のユニットの名称を表示し、
溶液とユニット間またはユニットどうしの流路接続情報に従って、流路接続線を表示し、
上記流路図の中で、同一の一方向行に配置可能な溶液又はユニットがあるか否かを判断し、同一の一方向行に配置可能な溶液又はユニットがあれば、同一の一方向行に、該当する溶液又はユニットを移動して配置し、
上記複数の一方向行のうち、溶液又はユニットが配置されていない行があるか否かを判断し、該当する一方向行があれば、その一方向行を削除して流路図を作成し、画面表示させることを特徴とする液体流路の表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図11】
【図12】
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【図14】
【公開番号】特開2007−108006(P2007−108006A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298977(P2005−298977)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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