説明

化粧料

【課題】 明るく自然な仕上がりが得られる化粧料の提供。
【解決手段】 次の成分(A)及び(B):
(A)CIE Publ No.15.2により規定される色相角(h*ab(A))が0°〜120°、彩度(C*ab(A))が5以上であり、かつ平均粒径が1〜25μmである粉体、
(B)CIE Publ No.15.2により規定される色相角(h*ab(B))が225°〜315°、彩度(C*ab(B))が10以上であり、かつ平均粒径が成分(A)より大きい粉体
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が0.05〜20である化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、明るく自然な仕上がりが得られる化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料用の着色剤として、明るい仕上がりを得るために、パール光沢を有する雲母チタンが用いられている。しかしながら、化粧料に配合する雲母チタンの量が少ないと、併用する着色顔料により雲母チタンの反射干渉光が吸収、散乱され、厚ぼったい化粧感のある感じとなり、透明感のある明るい自然な仕上がりを得ることはできなかった。一方、明るい仕上がりが実感できるまで雲母チタンの含有量を増やすと、雲母チタンの反射干渉光が観察される角度と、反射干渉光が観察されない角度での明るさの差が大きくなり、正面と側面の色の差が大きく、不自然に見えてしまう。更に、ギラツキ感のある不自然な仕上がりとなってしまい、日常に使用する化粧料には不向きであった。
【0003】
ギラツキ感を抑えた明るさを付与する方法として、雲母チタン表面に酸化鉄系の着色剤を被覆した着色雲母チタンを化粧料に配合することも行なわれている(特許文献1、特許文献2)。しかしながら、光が正面から当たる部位と、側面から当たる部位の彩度の差が大きくなり、依然として不自然な仕上がりとなってしまう。
【特許文献1】特開平8−81334号公報
【特許文献2】特開2000−16918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、明るく自然な仕上がりが得られる化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは、色相及び彩度が異なり、平均粒径も異なる2種の粉体を、特定の割合で組み合わせて用いれば、光が正面から当たる部位の透明感のある仕上がりと光が側面から当たる部分の素肌感のある自然な仕上がり、すなわち明るく自然な仕上がりが得られることを見出した。
【0006】
本発明は、以下の化粧料を提供するものである。
次の成分(A)及び(B):
(A)測定方法1により求めたCIE Publ No.15.2により規定される色相角(h*ab(A))が0°〜120°、彩度(C*ab(A))が5以上であり、かつ平均粒径が1〜25μmである粉体(以下、粉体(A)という)、
(B)測定方法1により求めたCIE Publ No.15.2により規定される色相角(h*ab(B))が225°〜315°、彩度(C*ab(B))が10以上であり、かつ平均粒径が成分(A)より大きい粉体(以下、粉体(B)という)
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が0.05〜20である化粧料。
(測定方法1)粉体成分4質量%、硝酸セルロース溶液(硝酸セルロース濃度16.7質量%)96質量%を混合し、黒色PETフィルム上にドクターアプリケーター(間隙0.05mm)を用いて塗布し、溶剤を蒸発させた後、変角分光測色計を用い、入射光角45°、受光角45°、試料煽り角4°で測定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の化粧料は、明るく自然な仕上がりを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の化粧料は、色相及び彩度、平均粒子径が異なる2種の粉体成分、粉体(A)及び粉体(B)を含有する。粉体(A)及び粉体(B)は、化粧塗膜中で異方的な配列状態で塗布されることで、それぞれ粉体(A)は反射干渉光による肌色を、粉体(B)は青味を帯びた光沢を演出する。つまり、これら2つの効果が同時に演出されることにより、明るく自然な仕上がりを得るものである。
【0009】
本発明で用いる粉体(A)は、測定方法1により求めたCIE Publ No.15.2により規定される色相角(h*ab(A))が0°〜120°、好ましくは30°〜110°、彩度(C*ab(A))が5以上、好ましくは10以上であり、かつ平均粒径が1〜25μm、好ましくは2〜12μmのものである。更に好ましくは、板状粉体であることが好ましく、干渉色を示すものが好ましい。ここで、平均粒径は、レーザー回折/散乱法で測定した値であり、レーザー回折/散乱式粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA−920)を用いて測定することができる。
【0010】
ここで、測定方法1は、硝酸セルロースラッカー(固形分濃度25質量%;遠藤化学工業所)64質量%、酢酸ブチル32質量%を混合した硝酸セルロース溶液96質量%と、粉体成分4質量%を混合し、黒色PETフィルム(東レルミラーX30−#100、東レ社)上にドクターアプリケーター(間隙0.05mm)を用いて塗布し、溶剤を蒸発させさせる。これを、例えば変角分光測定システム(村上色彩技術研究所製、GCMS-4)を用い、入射光角45°、受光角45°、試料煽り角4°で測定するものである。ここで試料煽り角とは、光源、試料中心(試料測定面の中心点)、受光面の3点を含む平面と試料面とのなす角をθ(0°≦θ≦90°)とするとき、下式で表される。
試料煽り角:φ=90°−θ
【0011】
粉体(A)は、目的とする色相、彩度を得るために、単一成分からなっても良く、二種以上の成分による構成物又は混合物であっても良い。粉体(A)は、全組成中に0.1〜20質量%、特に0.5〜10質量%含有することが、より自然な肌色が演出されるので好ましい。
【0012】
粉体(A)としては、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、板状二酸化チタン、二酸化チタン被覆シリカ、二酸化チタン被覆アルミナ等を用いることができ、例えば、Flamenco Satin Gold(ENGELHARD社)、PRESTIGE Silk Gold(ECKART社)、Flamenco Satin Orange(ENGELHARD社)等の市販品を用いることができる。
【0013】
また、粉体(B)は、測定方法1により求めたCIE Publ No.15.2により規定される色相角(h*ab(B))が225°〜315°、好ましくは240°〜300°、彩度(C*ab(B))が10以上、好ましくは20以上であり、かつ平均粒径が粉体(A)より大きいものである。更に好ましくは、板状粉体であることが好ましく、干渉色を示すものが好ましい。ここで、平均粒径は、レーザー回折/散乱法で測定した値であり、レーザー回折/散乱式粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA−920)を用いて測定することができる。
粉体(B)は、平均粒径10〜60μm、特に15〜30μmのものが好ましく、粉体(A)の平均粒径との関係を考慮して選択して用いる。
【0014】
粉体(B)は、単一成分からなっても良く、二種以上の成分による構成物又は混合物であっても良い。粉体(B)は、全組成中に0.1〜20質量%、特に0.5〜5質量%含有されるのが、十分な透明感が演出されるので好ましい。
【0015】
具体的には、雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、板状二酸化チタン、二酸化チタン被覆シリカ、二酸化チタン被覆アルミナ等を用いることができ、例えば、Flamenco Blue(ENGELHARD社)、Timiron Super Blue(MERCK社)、PRESTIGE Blue(ECKART社)等の市販品を用いることができる。
【0016】
粉体(A)及び粉体(B)は、疎水化処理などの表面処理を施したものを用いることもできる。表面処理とは、シリコーン油、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、ポリエチレン、金属石鹸、アミノ酸又はアルキルフォスフェート、フッ素化合物等の表面処理剤により表面処理したものが挙げられ、2種以上の処理を組み合わせて行ってもよい。表面処理は、通常の方法により行うことができ、また、表面処理効果を高めるため、前処理として、焼成処理、加熱処理、水熱処理、減圧処理、プラズマ処理等を必要に応じて行ってもよい。
【0017】
粉体(A)と粉体(B)の質量比(A)/(B)は、自然な仕上がりと明るさを実現するために0.05〜20、好ましくは0.1〜5、更には、0.3〜2である。
【0018】
また、粉体(A)と粉体(B)の平均粒径比(A)/(B)は、自然な仕上がりと明るさを実現するために0.01〜0.99、特に0.1〜0.5であるのが好ましい。
【0019】
本発明の化粧料には、更に(C)皮膜形成樹脂を含有させることができる。被膜形成樹脂は、前記粉体(A)及び(B)の併用による発色を鮮明にする効果、及び使用感の良さを損なうことなく化粧効果を持続させる作用を有する。具体的には、通常の化粧料に使用され、常温にて水及びその他の揮発成分が揮発した後に被膜を形成するものであれば良く、例えばアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、縮合系樹脂、天然樹脂、シリコーン系樹脂、含フッ素樹脂が挙げられる。また、これらの樹脂を構成する単量体を2種以上含む共重合体を用いたり、同種又は異種の樹脂を2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0020】
アクリル系樹脂としては、例えばアクリル酸とその誘導体、メタクリル酸とその誘導体、クロトン酸とその誘導体、アクリルアミド、アクリルアルキルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド等から選ばれる1種以上の単量体の(共)重合体を用いることができる。
【0021】
ビニル系樹脂としては、例えばエイコセン、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、ネオデカン酸ビニル、ビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ビニルピロリドン、ビニルブチラール、ブタジエン、ヘキサデセン等から選ばれる1種以上の単量体の(共)重合体を用いることができる。
【0022】
縮合系樹脂としては、例えば酸と、アルコール又はアルコール誘導体との縮合反応により生成したもの、又はその変性体がある。かかる酸としては、例えば無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、テトラクロロ無水フタル酸、ヘット酸等から選ばれる1種以上を用いることができる。
【0023】
天然樹脂としては、例えば生松ヤニ、カナダバルサム、トルーバルサム、ペルーバルサム、ブデリウム、ガンボージ、モツヤク、乳香、コハク、ダマール、コーパル等から選ばれる1種以上を用いることができる。
【0024】
シリコーン樹脂としては、例えば高重合メチルポリシロキサン(例えば、信越シリコーン社製、X-21-7501G)、メチルシロキサン網状重合体、架橋型メチルポリシロキサン(例えば、信越シリコーン社製、KSG16、KSG17;General Electric 社製、Gransil SR 5CYCゲル、Gransil SR DMF10ゲル、Gransil SR DC556ゲル、SF1204、JK113)、架橋型フェニルポリシロキサン、ステアロキシ変性シリコーン(例えば、信越シリコーン社製、KF7002)、オキサゾリン変性シリコーン(特開平7-133352号公報)、トリメチルシロキシケイ酸等を用いることができる。
これらのうち、オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(1)
【0025】
【化1】

【0026】
(式、R1は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、nは2又は3を示す)
で表わされる繰返し単位からなるポリN−アシルアルキレンイミン)が結合してなるオキサゾリン変性シリコーンが好ましく、特にN−プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体、更には、N−プロピオニルポリエチレンイミンとメチルポリシロキサンの比率が30:70〜10:90のものが好ましい。
【0027】
含フッ素樹脂としては、例えば四弗化エチレン樹脂、ステアリルメタクリレート・パーフルオロアルキルメタクリレート共重合体(特開平4−100534号公報)、フッ素変性シリコーン(特開平7−330540号公報)から選ばれる1種以上を用いることができる。
これらのうち、シリコーン樹脂、含フッ素樹脂が好ましく、N−プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体、ステアリルメタクリレート・パーフルオロアルキルメタクリレート共重合体、フッ素変性シリコーンが好ましい。
【0028】
これらの皮膜形成樹脂は、発色を鮮明にする効果、粉体と粉体、粉体と皮膚を密着させ、化粧の持続性を向上させる観点から、全組成中に0.01〜30質量%、特に0.05〜15質量%、更に0.1〜10質量%含有されるのが好ましい。
【0029】
本発明の化粧料は、更に(D)ワックスを含有することができる。ワックスは、前記成分(A)及び(B)の併用による発色を鮮明にする効果、及び使用感の良さを損なうことなく化粧効果を持続させる作用を有する。
【0030】
ワックスとは、融点が40℃以上である有機化合物をいう。例えば、四弗化エチレン樹脂、ステアリルメタクリレート・パーフルオロアルキルメタクリレート共重合体(特開平4-100534号公報)、フッ素変性シリコーン(特開平6-184312号公報);ホホバワックス等の植物ワックス;グリセリンモノステアリルエーテル,グリセリンモノセチルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル;セタノール,ステアリルアルコール,ベヘニルアルコール等の高級アルコールなどが挙げられる。これらのうち、ステアリルメタクリレート・パーフルオロアルキルメタクリレート共重合体、下記一般式(2)、(3)
【0031】
【化2】

【0032】
(式中、Rfは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基又は式 H(CF2)k-(kは1〜20の整数を示す)で表わされるω−H−パーフルオルアルキル基を示し、R3は炭素数2〜16の炭化水素基を示し、R2、R4及びR5は同一又は異なって、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族の炭化水素基を示し、lは2〜16の整数を示し、rは0〜50の整数を示し、sは1〜6の整数を示し、pは1〜200の整数を示し、qは0〜200の整数を示し、かつp+q≧6である)
で表わされる2個のポリシロキサン単位を有するフッ素変性シリコーンが好ましい。
【0033】
ワックスは、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜40質量%、特に0.1〜25質量%、更に1〜15質量%含有されるのが好ましい。
【0034】
更に、本発明の化粧料は、使用感を向上させるため、液状油を含有することができる。
液状油としては、例えば、ホホバ油等の植物油、液状ラノリン等の動物油、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素油、脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、グリセリン誘導体、アミノ酸誘導体等のエステル油、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
【0035】
液状油は、1種以上を用いることができ、全組成中に1〜80質量%、特に10〜70質量%、更に30〜60質量%含有されるのが好ましい。
【0036】
本発明の化粧料は、水及びその他の水性基剤を含むことができる。水性基剤としては、例えばエタノール、プロパノール等の炭素数1〜4の低級アルコールや、水溶性2〜4価の多価アルコールなどのアルコール類が挙げられる。このような多価アルコールとしては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、キシリット、ソルビット、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
水を含む水性基剤は、全組成中に1〜80質量%、特に10〜70質量%、更に20〜60質量%含有されるのが好ましい。
【0037】
本発明の化粧料は、更に、化粧料の色彩を整えるため、着色顔料を含むことができる。
着色顔料としては、酸化鉄、酸化クロム、紺青、タール系色素等を用いることができ、例えば、最新化粧品科学<改訂増補2>(日本化粧品技術者会編、薬事日報社)第330〜387頁に記載されているものが挙げられる。これらの着色顔料は、前記と同様に、表面処理されたものを用いることができる。
着色顔料は、全組成中に0.1〜20質量%、特に1〜10質量%含有されるのが好ましい。
【0038】
本発明の化粧料は、更に、化粧料の使用感、持続性、発色性を向上させるため、前記以外の粉体を含むことが好ましい。これらの粉体は、前記と同様に、表面処理されたものを用いることができる。
かかる粉体としては、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成金雲母、紅雲母、黒雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、アルミナ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等の無機粉末;ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ポリウレタン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等の有機粉末などが挙げられる。
【0039】
これらの粉体は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜40質量%、特に
2〜20質量%含有されるのが好ましい。
【0040】
また、本発明の化粧料は、前記以外に、通常化粧料に使用される他の成分、例えば界面活性剤、高分子化合物、保湿剤、防腐剤、薬剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、無機酸塩又は有機酸塩、香料、キレート剤、pH調整剤等を含むことができる。
【0041】
本発明化粧料の剤型としては、粉体を固めた固形のもの、液状のものが挙げられ、水性、油性形状のもの、2層分離タイプのもの、W/Oタイプ、O/Wタイプの乳化タイプの液状剤型ものが好ましい。
【0042】
本発明の化粧料は、通常の方法に従って製造することができ、例えばファンデーション、コンシーラー、化粧下地、口紅、ほほ紅、アイシャドウ等のメイクアップ化粧料、スキンケア用化粧料、ボディー用化粧料とすることができるが、特に、ファンデーション、化粧下地が好ましい。
【0043】
本発明の化粧料は、液状であることが好ましい。また、皮膚への塗布性や密着性から、25℃における粘度は2〜70Pa・s、特に5〜50Pa・sであるのが好ましい。粘度は、B型粘度計(例えば、東京計器(株)型式B8L型)を使用し、ローターNo.4、回転数6r/min、温度25℃で測定した値をいう。
【実施例】
【0044】
粉体の色相角、彩度を以下の方法により測定した。すなわち、硝酸セルロースラッカー(固形分濃度25質量%;遠藤化学工業所)64質量%、酢酸ブチル32質量%を混合した硝酸セルロース溶液96質量%と、各種粉体4質量%を混合し、黒色PETフィルム(東レルミラーX30−#100、東レ社)上にドクターアプリケーター(間隙0.05mm)を用いて塗布し、溶剤を蒸発させた。これを、村上色彩技術研究所製、変角分光測定システム、GCMS-4を用い、入射光角45°、受光角45°、試料煽り角4°で測定した。実施例で用いた着色干渉雲母チタンの性状は、表1に示すとおりである。
【0045】
【表1】

【0046】
実施例1〜6、比較例1〜10
表2及び表3に示す組成の液状ファンデーションを常法により製造し、これらを使用したときの仕上がりについて評価した。結果を表2及び表3に示す。
【0047】
(評価方法)
各ファンデーションを化粧品専用パネル20名が使用し、その仕上がり(自然な仕上がり、正面と側面の自然な発色、明るい仕上がり、化粧持続性)について下記の5段階で評価し、パネル20名の評価点の平均値を求めた。
【0048】
評価基準;
5点:非常に良好。
4点:良好。
3点:普通。
2点:やや不良。
1点:不良。
【0049】
【表2】

【0050】
【表3】

【0051】
実施例7(W/O型液状ファンデーション)
以下に示す組成のW/O型液状ファンデーションを、常法により製造した。得られたファンデーションは、明るく自然な仕上がりが得られるものであった。
(成分)
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体
(シリコーンSH-3775M、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製) 3.0(質量%)
メチルシクロポリシロキサン
(シリコーンSH-245、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製) 10.0
メチルポリシロキサン
(シリコーンKF-96A(6cs)、信越化学工業社製) 22.0
パーフルオロアルキルエーテルシリコーン
(SI-PFE、特開平6-184312号公報) 7.0
メトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 3.0
ポリ(N-プロピオニルポリエチレンイミン)変性シリコーン
(N-プロピオニルポリエチレンイミン:メチルポリシロキサン=30:70、
特開平7-133352号公報) 1.5
エタノール 10.0
硫酸マグネシウム 1.0
グリセリン 1.0
精製水 23.2
フッ素処理黄色干渉雲母チタンA
(PRESTIGE Silk Gold(ECKART社)、平均粒径10μm) 1.5
フッ素処理青色干渉雲母チタンB
(PRESTIGE Blue(ECKART社)、平均粒径30μm) 2.5
シリコーン処理酸化亜鉛 3.0
フッ素処理微粒子酸化チタン(平均粒径50nm) 2.0
フッ素処理酸化チタン(平均粒径0.25μm) 4.0
フッ素処理黄酸化鉄 1.5
フッ素処理ベンガラ 0.2
フッ素処理黒酸化鉄 0.1
フッ素処理球状ナイロン(平均粒径10μm) 3.5


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B):
(A)測定方法1により求めたCIE Publ No.15.2により規定される色相角(h*ab(A))が0°〜120°、彩度(C*ab(A))が5以上であり、かつ平均粒径が1〜25μmである粉体、
(B)測定方法1により求めたCIE Publ No.15.2により規定される色相角(h*ab(B))が225°〜315°、彩度(C*ab(B))が10以上であり、かつ平均粒径が成分(A)より大きい粉体
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が0.05〜20である化粧料。
(測定方法1)粉体成分4質量%、硝酸セルロース溶液(硝酸セルロース濃度16.7質量%)96質量%を混合し、黒色PETフィルム上にドクターアプリケーター(間隙0.05mm)を用いて塗布し、溶剤を蒸発させた後、変角分光測色計を用い、入射光角45°、受光角45°、試料煽り角4°で測定する。
【請求項2】
成分(A)を0.1〜20質量%、成分(B)を0.1〜20質量%含有する請求項1記載の化粧料。
【請求項3】
成分(A)と成分(B)の平均粒径比(A)/(B)が0.01〜0.99である請求項1又は2記載の化粧料。
【請求項4】
更に、(C)皮膜形成樹脂を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項5】
更に、(D)ワックスを含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項6】
液状である請求項1〜5のいずれか1項記載の化粧料。


【公開番号】特開2006−1874(P2006−1874A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179232(P2004−179232)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】