医療用進退量規制機構と医療用進退量規制方法
【課題】処置具チャンネルに対する内視鏡用処置具の進退量を規制して、突出量を容易に規制でき、初期位置を容易に設定することができる医療用進退量規制機構と医療用進退量規制方法とを提供すること。
【解決手段】医療用進退量規制機構50は、挿入口40に着脱自在に取り付けられる規制部材60と、可撓管部210に配設される当て付き部80とを有している。規制部材60の端面65a,66aは、内視鏡用処置具200(可撓管部210)が処置具チャンネル39内を進退移動する際に、当て付き部80が端面65a,66aに当て付くことで、内視鏡用処置具200の進退移動を規制することとなる。当て付き部80は、端面65aに当て付くことで処置具チャンネル39から突出する湾曲部211の突出量を規制し、端面66aに当て付くことで先端部212の後退量を規制し処置具チャンネル39における先端部212の初期位置を設定する。
【解決手段】医療用進退量規制機構50は、挿入口40に着脱自在に取り付けられる規制部材60と、可撓管部210に配設される当て付き部80とを有している。規制部材60の端面65a,66aは、内視鏡用処置具200(可撓管部210)が処置具チャンネル39内を進退移動する際に、当て付き部80が端面65a,66aに当て付くことで、内視鏡用処置具200の進退移動を規制することとなる。当て付き部80は、端面65aに当て付くことで処置具チャンネル39から突出する湾曲部211の突出量を規制し、端面66aに当て付くことで先端部212の後退量を規制し処置具チャンネル39における先端部212の初期位置を設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処置具チャンネル等の体内ガイド部材の先端に対する処置具等の内視鏡用処置具の先端の進退量を規制する医療用進退量規制機構と医療用進退量規制方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に内視鏡の挿入部には、体内に挿入される体内挿入部である処置具を挿通させる処置具チャンネルが配置されている。処置具チャンネルを有する内視鏡は、処置具を体内にガイドするためのガイド部材である。
【0003】
処置具は、例えば鉗子や高周波切除具等であり、多関節を有し、処置具チャンネルを挿通し、体内に向けて突出する。挿入部は、多関節を有しており、操作部によって操作されると、体内に配置されている患部に向かって湾曲する。この状態で、処置具は、患部を処置する。
【0004】
例えば特許文献1には、処置具の挿脱動作を中断すべき位置を確実に認識することができる内視鏡用処置具が開示されている。
【0005】
また例えば特許文献2には、管路内および口金を容易に洗浄し得る内視鏡用洗浄器具が開示されている。
【0006】
また例えば特許文献3には、内視鏡の処置具チャンネルに挿通する際には先端処置片が可撓性シース内に確実に収納された状態を保つことができ、さらに使用時において、撓性シースの先端からの先端処置片の突出長を所定の長さに確実に保持することができる内視鏡用突没型処置具が開示されている。
【特許文献1】特開平10−248800号公報
【特許文献2】特開平7−194533号公報
【特許文献3】特開2005−279126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
術者は、処置具チャンネルから突出する処置具の突出量を、使用中において例えばモニタ等では把握しにくい。また処置具が処置具チャンネル内に収納されると、処置具はモニタには表示されない。そのため術者は、挿入部先端と処置具先端との配置関係を容易に把握できない虞が生じる。言い換えると、処置具チャンネルに対する処置具の進退量が規制されないと、処置具の突出量が規制されず、また処置具チャンネルに挿入された処置具が例えば使用される前に処置具チャンネル内における処置具の初期位置が設定されないこととなる。よって術者の操作に支障をきたす虞が生じる。
【0008】
また処置具チャンネル内における処置具の初期位置が設定されないと、例えば挿入部が湾曲した際に、処置具が術者の意図に反して挿入部から突出し、体内が挿入部から突出した処置具によって傷つく虞が生じる。また突出量が規制されず、初期位置が設定されないと、処置具が挿入部から突出した状態で配置される虞も生じる。これにより体内が挿入部から突出している処置具によって傷つく虞が生じる。
【0009】
そのため処置具チャンネルに対する処置具の進退量を規制することが好適である。つまり処置具チャンネルから突出する処置具の突出量が規制されることが好適である。
【0010】
また初期位置が設定されず、処置具が処置具チャンネル内に収納され、例えば挿入部が湾曲すると、処置具が術者の意図に反して処置具チャンネルに接触する虞が生じる。これにより処置具が破損してしまう虞が生じる。
【0011】
また処置具が術者の意図に反して挿入部から突出することや処置具チャンネルとの接触を防止するために、処置具チャンネルに挿入された処置具が使用される前に、処置具チャンネル内における処置具の初期位置を、例えば挿入部先端といった所望する位置に設定することが好適である。
【0012】
そのため本発明は、上記課題を鑑みて、処置具チャンネルに対する内視鏡用処置具の進退量を規制して、突出量を容易に規制でき、初期位置を容易に設定することができる医療用進退量規制機構と医療用進退量規制方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は目的を達成するために、体内ガイド部材によって体内へとガイドされる内視鏡用処置具が挿通可能な前記体内ガイド部材に配設される処置具チャンネルと連通する挿入口に着脱自在に取り付けられ、前記体内ガイド部材に対する前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する医療用進退量規制機構であって、前記内視鏡用処置具が挿通可能な第1の開口部を有し、前記処置具チャンネルに接続される先端側端面と、前記内視鏡用処置具が挿通可能な第2の開口部を有する基端側端面と、を含む規制部材と、前記内視鏡用処置具に配設され、前記第2の開口部を挿通し、前記前記先端側端面と前記基端側端面との間を進退移動することで、前記体内ガイド部材に対する前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する当て付き部と、を具備することを特徴とする医療用進退量規制機構を提供する。
【0014】
また本発明は目的を達成するために、体内ガイド部材によって体内へとガイドされる内視鏡用処置具が挿通可能な前記体内ガイド部材に配設される処置具チャンネルと連通する挿入口に着脱自在に取り付けられ、前記体内ガイド部材に対する前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する医療用進退量規制機構であって、前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネルに向かって挿通可能で、前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネル内を進退移動する際に前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する先端側端面と基端側端面とを有する規制部材を前記挿入口に着脱自在に取り付ける第1の工程と、前記内視鏡用処置具を前記規制部材と前記挿入口を介して前記処置具チャンネルに挿通させる第2の工程と、前記内視鏡用処置具に配設され、前記内視鏡用処置具が前記規制部材を挿通し前記規制部材に対して進退移動する際に前記先端側端面と前記基端側端面とのいずれか一方に当て付く当て付き部を前記先端側端面に当て付けて前記処置具チャンネルの先端から突出する前記内視鏡用処置具の先端の突出量を規制する第3の工程と、前記当て付き部を前記基端側端面に当て付けて前記内視鏡用処置具の先端の後退量を規制し前記処置具チャンネル内における前記内視鏡用処置具の先端の初期位置を設定する第4の工程と、を具備することを特徴とする医療用進退量規制方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、処置具チャンネルに対する内視鏡用処置具の進退量を規制して、突出量を容易に規制でき、初期位置を容易に設定することができる医療用進退量規制機構と医療用進退量規制方法とを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1乃至図7を参照して一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の内視鏡操作システム1の概略構成を示す図である。
図1に示すように内視鏡2には、患者の体内等に挿入される細長い挿入部10と、挿入部10の基端と連結し、挿入部10を操作する操作部30とが設けられている。
【0017】
本実施形態において、体内とは、例えば消化管や血管などの体腔、腹腔および胸腔とを含む。また本実施形態において内視鏡2は、体内に挿入される内視鏡用処置具を体内へとガイドする体内ガイド部材である。内視鏡用処置具は、例えば後述する内視鏡用処置具200である。
【0018】
操作部30には、術者が把持する把持部31と、挿入部10の後述する湾曲部12を湾曲させる湾曲操作ノブ32が設けられている。
【0019】
把持部31には、ユニバーサルコード33の基端部が連結されている。このユニバーサルコード33の先端部には、図示しない光源装置や、ビデオプロセッサなどに接続されるコネクタ部34が配設されている。
【0020】
湾曲操作ノブ32には、挿入部10の後述する湾曲部12を左右に湾曲操作させる左右湾曲操作ノブ32aと、湾曲部12を上下に湾曲操作させる上下湾曲操作ノブ32bとが設けられている。左右湾曲操作ノブ32aには、左右湾曲操作ノブ32aによって駆動する左右方向の湾曲操作機構が接続している。また上下湾曲操作ノブ32bには、上下湾曲操作ノブ32bによって駆動する上下方向の湾曲操作機構が接続している。上下方向の湾曲操作機構と左右方向の湾曲操作機構は、湾曲部12全体を湾曲操作する図示しない操作ワイヤの基端と接続している。
【0021】
操作部30には、吸引ボタン35と、送気・送水ボタン36と、内視鏡撮影用の各種ボタン37と、処置具挿入部38とが設けられている。処置具挿入部38には、後述する内視鏡用処置具200が挿通する挿通部である後述する処置具チャンネル39の挿入口40が設けられている。
【0022】
図1に示す挿入部10は、操作部30側から順に可撓管部(蛇管部)11と、湾曲部12と、先端硬性部13とを有している。詳細には、操作部30は、細長い可撓管部11の基端と連結している。可撓管部11の先端は、湾曲部12の基端と連結している。湾曲部12の先端は、先端硬性部13の基端と連結している。
【0023】
可撓管部11は、弾力性と可撓性とを有し、外力によって曲がる。
【0024】
湾曲部12は、後述する湾曲部211と同様に複数の節輪を有しており、湾曲部211と略同一の構成である。よって湾曲部12は、多関節湾曲機構を有していることとなる。
湾曲部12は、左右湾曲操作ノブ32aが操作されることで、湾曲操作機構を介して図示しない操作ワイヤが押し引きされ、左右方向に湾曲する。また湾曲部12は、上下湾曲操作ノブ32bが操作されることで、湾曲操作機構を介して図示しない操作ワイヤが押し引きされ、上下方向に湾曲する。湾曲部12が湾曲すると、先端硬性部13の位置と向きが変わり、所望する観察対象物(体内の患部や病変部等)が観察視野(または撮像視野)内に捉えられる。
【0025】
詳細には、図示しない操作ワイヤは、湾曲部12全体を上下左右の4方向にそれぞれ湾曲操作する。操作ワイヤの先端は、湾曲部12内部に挿通され、先端硬性部13の基端と連結されている。この操作ワイヤの基端は、操作部30の上述した上下方向の湾曲操作機構と左右方向の湾曲操作機構と連結されている。
例えば左右湾曲操作ノブ32aの回動操作にともない、左右方向の湾曲操作機構が移動し、各操作ワイヤがそれぞれ牽引駆動される。これにより、例えば湾曲部12は、図2中に一点鎖線で示すように真っ直ぐに伸びた湾曲角度が0°の通常の直線状態(非湾曲状態)から同図中に実線または二点鎖線で示すように左右方向に任意の湾曲角度に湾曲した湾曲状態に湾曲する。
【0026】
図1に示すように先端硬性部13の先端面13aには、観察窓14と照明窓15と先端開口部39aとが設けられている。
【0027】
観察窓14の内側には、図示しない対物レンズ等の光学系とCCD等の撮像素子を備える撮像部が設けられている。撮像部は、体内の患部等を撮像する。撮像部で得られた撮像信号は、図示しない画像処理装置に送られる。
【0028】
先端開口部39aは、挿入部10内に形成された処置具チャンネル39の先端側と連通している。また処置具チャンネル39の基端側は、挿入口40と連通している。つまり先端開口部39aは、処置具チャンネル39の先端であり、処置具チャンネル39を通じて挿入口40に連通している。処置具チャンネル39は、例えば多関節湾曲機構を有する内視鏡用処置具200が挿入部10を挿通する通路として用いられる。挿入口40と処置具チャンネル39と先端開口部39aには、内視鏡用処置具200が挿通する。内視鏡用処置具200は、挿入口40から挿入され、処置具チャンネル39を挿通し、先端開口部39aから突出する。
【0029】
本実施形態では1つの処置具チャンネル39に対して1つの内視鏡用処置具200が挿通する場合を想定しているが、数は限定する必要はなく、例えば複数の内視鏡用処置具200が処置具チャンネル39に挿入してもよい。また複数の処置具チャンネル39が設けられ、各挿通用チャンネルそれぞれに内視鏡用処置具200が挿通することも可能である。
【0030】
なお可撓管部11や湾曲部12には、図示しない外皮チューブが被覆されている。この外皮チューブは、ゴムなどの弾性材料で可撓管部11や湾曲部12と略同形状(例えば中空形状や円筒形状)に形成されている。この外皮チューブは、熱可塑性エラストマー(スチレン系,オレフィン系,またはウレタン系等)の材質の弾性材料によって射出成形されてもよい。なお、熱可塑性エラストマーの成形は、射出成形に限定されず、注型、押出し、ブロー等の各種成形方法を適用してもよい。
【0031】
なお先端硬性部13は、可撓管部11や湾曲部12と同様に外皮チューブによって被覆されていても良い。
【0032】
また内視鏡2における挿入部10は、湾曲可能なチューブであればよい。
【0033】
次に本実施形態における内視鏡用処置具200について説明する。
図1に示すように患部を処置する内視鏡用処置具200は、多関節湾曲機構を有している。本実施形態における内視鏡用処置具200は、上述したように体内に挿入される内視鏡用処置具である。
内視鏡用処置具200は、体内に挿入される挿入部202を有している。挿入部202の基端は、内視鏡用処置具200の駆動を制御する駆動制御部203と連結している。駆動制御部203は、挿入部202における湾曲部211を湾曲駆動させる湾曲駆動部である。駆動制御部203には、後述する把持鉗子213を操作する処置具操作部201が設けられている。
【0034】
挿入部202は、図3に示すように可撓管部(軟性部)210と、可撓管部210の先端と連結している湾曲部211と、湾曲部211の先端と連結している先端部212とを有する。図1と図3に示すように挿入部202は、挿入口40と処置具チャンネル39とを通じて先端開口部39aから体内に突出(挿入)される。なお湾曲部211と先端部212とは、内視鏡用処置具200の先端となる。
【0035】
可撓管部210は、弾力性と可撓性を有し、外力によって曲がる。
【0036】
湾曲部211は、多関節湾曲機構を有し、上下左右に所望に湾曲する。詳細には、図3に示すように湾曲部211は、節輪221と節輪222と節輪223と節輪224とを有し、節輪221と節輪222と節輪223と節輪224とが互いに連結することで、構成される。なお連結する節輪の数は、4個に限定する必要はなく、少なくとも2つであればよい。節輪221と節輪222と節輪223と節輪224とは、環状の部材によって形成され、挿入部202の長軸方向へ一列に同軸的に並べて配置される。節輪221と節輪222と節輪223と節輪224とは、隣接する節輪同士で回動自在に連結し、これにより多関節湾曲機構が構成される。なお節輪224は、可撓管部210の先端と連結することとなり、湾曲部211の最も基端側に配設されている節輪である。
【0037】
節輪221と節輪222は、第1回動軸部225を中心に回動可能に接続し、第1回動軸部225によって回動自在に連結される。節輪221と節輪222は、基端側から見て相対的に左右方向へ回動自在である。
節輪222と節輪223は、第2回動軸部226を中心に回動可能に接続し、第2回動軸部226によって回動自在に連結される。節輪222と節輪223は、基端側から見て相対的に上下方向へ回動自在である。
節輪223と節輪224は、第3回動軸部227を中心に回動可能に接続し、第3回動軸部227によって回動自在に連結される。節輪223と節輪224は、基端側から見て相対的に左右方向へ回動自在である。
【0038】
このように構成された多関節湾曲機構は、柔軟な外皮(図示せず)によって被覆される。これにより湾曲部211が構成される。
【0039】
先端部212には、患部等を処置する処置具本体部である把持鉗子213が設けられている。把持鉗子213は、挿入部202内を挿通する操作ワイヤ234によって図1と図3に示す上下に開閉する把持部材213a,213bを有している。先端部212には、把持鉗子213に限らず、例えば、高周波ナイフまたは高周波凝固子等の処置具が設けられていても良い。
【0040】
なお患部を処置する内視鏡用処置具200は、多関節機構を有さずに、先端に例えば把持鉗子213や高周波ナイフや高周波凝固子等の処置具等のみを有していてもよい。
【0041】
なお上述した節輪221,222,223には、個別的に対応した一対の操作ワイヤ231,232,233が接続している。湾曲部211において、一対の操作ワイヤ231,232,233が適宜選択されて押し引き操作されると、節輪221,222,223は独立して回動する。
【0042】
これにより多関節機構が形成され、湾曲部211は上下左右の4方向にそれぞれ湾曲できるように構成される。
【0043】
なお操作ワイヤ231,232,233の先端が節輪221,222,223と接続する手段は、種々の方法を採用することが可能であり、例えばロウ付け固定される。
【0044】
図3に示すように、駆動制御部203には、湾曲部操作機構及び処置部操作機構が設けられている。
【0045】
湾曲部操作機構は、操作ワイヤ231,232,233をそれぞれ押し引き操作する駆動モータ251,252,253を備える。
【0046】
また、処置部操作機構は、操作ワイヤ234を押し引き操作するための駆動モータ254を備える。
【0047】
操作ワイヤ231,232,233は、回動操作対象である節輪221,222,223に対応し、回動操作する。操作ワイヤ234は、把持鉗子213を操作する。
【0048】
駆動モータ251,252,253,254の駆動軸には、それぞれプーリ255が取り付けられている。各駆動軸は、図示しない減速機を介して各プーリ255と連結してもよい。各プーリ255には、操作ワイヤ231,232,233,234が掛けられている。そして、駆動モータ251,252,253,254がそれぞれ個別的に駆動し、プーリ255が回動すると、プーリ255に掛けられた操作ワイヤ231,232,233,234が押し引き操作される。
【0049】
湾曲部操作機構及び処置部操作機構は、プーリ255を利用した伝達機構を用いたが、例えばピニオンギアやラックを利用する歯車機構等であってもよい。また湾曲部操作機構及び処置部操作機構は、駆動モータ251,252,253,254の代わりに他の形式の駆動アクチュエータを用いてもよい。
【0050】
図1と図3に示すように、駆動制御部203は、ケーブル257を介して処置具制御部258に接続されている。処置具制御部258には、操作入力装置としての湾曲操作部204がケーブル259を介して接続される。また処置具制御部258には、図3に示すように電力供給用電源コード290が設けられている。
【0051】
湾曲操作部204は、例えば術者によって操作されることで内視鏡用処置具200の位置と姿勢を指示する例えばジョイスティック(操作入力装置)205を有する。このジョイスティック205は、3段重に連接した3つのジョイスティックスイッチ205a,205b,205cを有する。ジョイスティックスイッチ205a,205b,205cは、操作ボックス206に取り付けられている。
【0052】
なお図3は、1つの内視鏡用処置具200に対する駆動制御部203と処置具制御部258と湾曲操作部204とを図示している。また上述したように、1つの処置具チャンネル39に対して複数の内視鏡用処置具200が挿通される場合、内視鏡用処置具200それぞれに対して駆動制御部203と処置具制御部258と湾曲操作部204が配置されることとなる。
【0053】
図1に示すように、処置具制御部258には、ジョイスティック205から出力される指示やジョイスティック205の機能を制御するための条件等を入力する機能制御入力部258aと、駆動モータ251,252,253を駆動制御するモータドライバ(処置具駆動制御部)258bと、駆動制御部203とケーブル257を介して接続し駆動制御部203との間で通信を行うモータユニット通信部258cが設けられている。
【0054】
ジョイスティックスイッチ205a,205b,205cが選択的に操作されると、処置具制御部258は、術者によるジョイスティック205の操作に応じて駆動モータ251,252,253を駆動させる制御信号をモータドライバ258bに送信し、駆動モータ251,252,253を回転させる。つまりジョイスティック205の操作に対応して駆動モータ251,252,253が個別的に駆動する。これにより操作ワイヤ231,232,233は回動するプーリ255によってそれぞれ押し引き操作され、節輪221,222,223は個別的に独立して上下左右方向へ回動し、各関節部は屈曲する。つまり湾曲部211は湾曲する。
このように湾曲操作部204は、駆動制御部203を操作し、湾曲部211を湾曲操作する操作入力装置である。電動式の内視鏡用処置具200は、マニピュレータ(マスタスレーブ)型の電動式の内視鏡用処置具を構成している。なお、内視鏡用処置具200を動かす制御が設定された後に、術者等によりジョイスティック205が操作された場合には、ジョイスティック205の操作指示が優先される。
【0055】
なお駆動モータ251,252,253には、回転数を計測する図示しないエンコーダが取り付けられている。エンコーダは、回転数に対応した信号を生成し、モータドライバ258bに送信して駆動モータ251,252,253に対するフィードバック制御を行う。
【0056】
次に処置具チャンネル39と先端開口部39aと挿入口40と医療用進退量規制機構50と内視鏡用処置具200とについて説明する。
医療用進退量規制機構50は、内視鏡用処置具200の先端である湾曲部211と先端部212とが処置具チャンネル39の先端である先端開口部39aに対して進退移動する際に、先端開口部39aに対する湾曲部211と先端部212との進退量を規制する。この医療用進退量規制機構50は、図1と図4Aに示すように、挿入口40に着脱自在に取り付けられる規制部材60と、可撓管部210に配設される当て付き部80とを有している。
【0057】
図4Aと図4Bに示す規制部材60は、例えば円筒形状を有し、弾性材料によって形成されている。この弾性材料とは、例えばエラストマーや、シリコンや、ブチルゴムやイソプロピレンゴムやシリコンゴムといったゴム等である。規制部材60は、規制部材60の先端61aから突出し、規制部材60の周方向に等間隔に配置されている3個の脚部62と、脚部62の先端にそれぞれ設けられている爪部63と、脚部62の内周面に設けられているOリング64とを有している。爪部63とOリング64とは、規制部材60が挿入口40に着脱自在に取り付けられるための取り付け部である。規制部材60が挿入口40に取り付けられる際、脚部62は挿入口40の側面に当接し、爪部63は挿入口40の先端側面に嵌まり込み、Oリング64は挿入口40の基端側面に密着する。
【0058】
規制部材60は、先端61aにおいて、規制部材60の長手軸方向(内視鏡用処置具200が処置具チャンネル39を進退移動(前進または後退)する方向)に対して規制部材60の側面60aから略垂直に突出している平面である端面65aを有している。言い換えると、端面65aは、側面60aから規制部材60の内周側に向かって突出している面であり、規制部材60の長手軸方向に対して垂直な平面である。また規制部材60は、基端61bにおいて、端面65aと同様の端面66aを有している。端面65aは規制部材60の先端側端面であり、端面66aは規制部材60の基端側端面である。端面65aの先端側には、上述したOリング64が配置されている。端面66aは、例えば上述したような弾性材料によって形成される。
【0059】
また規制部材60は、端面65aに形成されている開口部65bと、端面66aにおいて規制部材60の長手軸方向において開口部65bと同一直線状に形成されている開口部66bとを有している。開口部65bは端面65aの径方向の中央部に形成され、開口部66bは端面66aの径方向の中央部に形成されている。開口部65bの直径D1と開口部66bの直径D2は、可撓管部210等の挿入部202の直径D3よりも大きい。そのため開口部65b,66bには、内視鏡用処置具200(可撓管部210)が自在に挿通する。つまり規制部材60には、内視鏡用処置具200(可撓管部210)が処置具チャンネル39に向かって挿通する。
【0060】
またこのとき端面65a,66aは、内視鏡用処置具200(可撓管部210)が処置具チャンネル39内を進退移動する際に、当て付き部80が端面65a,66aに当て付くことで、内視鏡用処置具200(可撓管部210)の進退移動を規制することとなる。
【0061】
端面65aと端面66aとの間には、当て付き部80が規制部材60の長手軸方向に沿って進退移動可能な空間部68が形成されている。規制部材60の長手軸方向に対して略直交する方向における空間部68の長さL1は、開口部65bの直径D1と開口部66bの直径D2と挿入部202の直径D3とよりも大きい。長さL1は、空間部68の長さ(直径)であり、規制部材60の内径である。
【0062】
当て付き部80は、可撓管部210が規制部材60を挿通し規制部材60に対して進退移動する際に、空間部68に接する端面65aと端面66aとのいずれか一方に当て付き、端面65aに当て付くことで処置具チャンネル39から突出する内視鏡用処置具200の先端である湾曲部211の突出量を規制し、端面66aに当て付くことで内視鏡用処置具200の先端である先端部212の後退量を規制し処置具チャンネル39における先端部212の初期位置を設定する。
【0063】
当て付き部80は、図4Cに示すように可撓管部210の外周面の全周に渡り形成されている溝81に嵌め込まれている。当て付き部80は、溝81の深さよりも厚みを有している。
【0064】
規制部材60が爪部63とOリング64によって挿入口40に取り付けられ、内視鏡用処置具200が規制部材60と挿入口40を介して処置具チャンネル39に挿入される際、図5Aに示すように当て付き部80は端面66aに当て付く。端面66aは弾性材料によって形成されているため、図5Bに示すように端面66aは当て付き部80によって空間部68に向かって弾性変形して当て付き部80によって押し広げられる。これにより当て付き部80は開口部66bを通過し、図4Aと図5Cに示すように空間部68に配置されることとなる。
【0065】
このように当て付き部80が空間部68内に配置されると、当て付き部80は端面65a,66aと開口部65b,66bに対向する。また当て付き部80が空間部68に配置され、内視鏡用処置具200が規制部材60の長手軸方向に沿って進退移動することで、当て付き部80も空間部68を規制部材60の長手軸方向に沿って進退移動する。これにより当て付き部80は、図5Dに示すように端面65aに、または図5Eに示すように端面66aに当て付く(面当接する)。
【0066】
当て付き部80の外径D4は、処置具チャンネル39の直径D5よりも大きい。また当て付き部80の外径D4は、開口部65bの直径D1と開口部66bの直径D2とよりも大きい。
【0067】
当て付き部80は、上述したように内視鏡用処置具200(可撓管部210)が開口部66bを挿通し、図5Aに示すように当て付き部80が端面66aに当て付いた際に、図5Bに示すように端面66aを弾性変形させて押し広げ、開口部66bを通過できる大きさを有している。言い換えると、端面66aは、当て付き部80が端面66aに当て付いた際に開口部66bを中心に空間部68に向かって弾性変形して押し広げ可能である。また端面66aは、当て付き部80の外径D4よりも直径D2が小さく、端面66aが押し広げられた際に、当て付き部80が通過可能な開口部66bを有していることとなる。
【0068】
また開口部65bの直径D1は、開口部66bの直径D2と当て付き部80の直径D4よりも小さい。そのため端面65aは、当て付き部80が端面65aに当て付いても端面66aとは異なり開口部66bを中心に押し広げられることはない。開口部65bの直径D1は、処置具チャンネル39の直径D5と略同一であることが好適である。
【0069】
開口部65bと端面65aとは、当て付き部80が端面65aよりも先端側(処置具チャンネル39)に前進することを防止する防止部を兼ねている。言い換えると開口部65bと端面65aとは、当て付き部80が端面65aよりも規制部材60の長手軸方向における先端側に前進することを防止し、処置具チャンネル39の先端である先端開口部39aから突出する内視鏡用処置具200の先端である湾曲部211の突出量を規制する規制部でもある。
【0070】
なお開口部65bの直径D1の大きさは、当て付き部80が開口部66bを通過でき、処置具チャンネル39と空間部68との間を自在に進退移動することを防止できれば、限定されない。
【0071】
当て付き部80は、規制部材60よりも硬質な材料によって形成されることが好適である。また当て付き部80は、例えばポリオレフィン等のプラスチック材料等で形成されていても良い。
【0072】
上述した処置具チャンネル39から突出する内視鏡用処置具200の先端の突出量について説明する。この突出量とは、内視鏡用処置具200が処置具チャンネル39に挿入された際に、図5Dに示すように当て付き部80が端面65aに当て付くことで、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、図6Aに示すように内視鏡用処置具200の先端である湾曲部211において、最も基端側に配設される節輪224が処置具チャンネル39の先端である先端開口部39aから突出する量であり、所望量である。つまり当て付き部80は、端面65aに当て付くことで、先端開口部39aから突出する湾曲部211(節輪224)の突出量を規制し、先端開口部39aから湾曲部211(節輪224)を所望な量だけ突出させる。
【0073】
当て付き部80が進退移動可能な端面65aから端面66aまでの長さL2は、図4Aに示すように節輪224から先端部212までの長さL3よりも長い。またこの長さL2は、当て付き部80が進退移動する進退量に一致する。この進退量は、湾曲部211(節輪224)が処置具チャンネル39から突出する位置から、先端部212が処置具チャンネル39に収納され、この状態で内視鏡2を湾曲させても内視鏡用処置具200(例えば先端部212)が例えば処置具チャンネル39の内周面等に接触して破損しない位置までの距離である。
【0074】
次に上述した内視鏡用処置具200の先端の初期位置について説明する。内視鏡用処置具200の先端の初期位置とは、内視鏡用処置具200が処置具チャンネル39に挿入された際に、図5Eに示すように当て付き部80が端面66aに当て付くことで、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、図6Bに示すように内視鏡用処置具200の先端である先端部212が処置具チャンネル39の先端である先端開口部39aから所望の距離だけ基端側に配置され、処置具チャンネル39に収納され、この状態で内視鏡2を湾曲させても内視鏡用処置具200が上述したように破損しない位置である。なおこの位置は、先端部212が先端開口部39aと一致しても良いし、先端部212が先端開口部39aよりも所望な長さだけ基端側に配置されていても良い。
【0075】
次に本実施形態の動作方法について詳細に説明する。
規制部材60が挿入口40に向かって押し込まれると、脚部62は挿入口40の側面に当接し、爪部63は挿入口40の先端側面に嵌まり込み、Oリング64は挿入口40の基端側面に密着する。これにより図5Aに示すように規制部材60が挿入口40に取り付けられる。このとき処置具チャンネル39は、挿入口40を介して開口部65bと連通することになる。
【0076】
挿入部202は、規制部材60と挿入口40を介して処置具チャンネル39に挿入される。このとき挿入部202が処置具チャンネル39を容易に挿通するために、可撓管部11と湾曲部12とは非湾曲状態であることが好適である。ただし、必ずしも非湾曲状態である必要はなく、挿入部202が処置具チャンネル39を容易に挿通できれば良い。
【0077】
また挿入部202における可撓管部210が処置具チャンネル39に挿入されると、図5Aに示すように当て付き部80は端面66aに当て付く。そのため処置具チャンネル39に対する可撓管部210の挿入が、一時的に停止する。このとき可撓管部210が処置具チャンネル39に挿入される際に用いられた第1の力量、または第1の力量よりも大きい第2の力量によって、可撓管部210が処置具チャンネル39に向かって押し込まれると、図5Bに示すように端面66aが空間部68に向かって弾性変形する。よって当て付き部80は、開口部66bを通過し、図5Cに示すように規制部材60の外部から空間部68に移動する。
【0078】
なお当て付き部80が空間部68に移動すると、端面66aは、弾性材料によって形成される端面66aの弾性力によって規制部材60の外部に向かって弾性変形し、図5Cに示すように当て付き部80が開口部66bを通過する前の状態に戻る。
【0079】
また可撓管部210は押し込まれると前進し、図5Dに示すように当て付き部80は端面65aと面当接する(当て付く)。このとき内視鏡用処置具200の先端である湾曲部211(節輪224)は、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、図6Aに示すように先端開口部39aから所望に突出する。つまり当て付き部80は、図5Dに示すように端面65aと面当接することで、例えば内視鏡用処置具200が使用される際に、先端開口部39aから突出する湾曲部211(節輪224)の突出量を規定することとなる。このとき可撓管部210が第1の力量または第2の力量によって押し込まれても、端面65aと開口部65bは当て付き部80の前進を防止する。よって先端開口部39aから突出する湾曲部211(節輪224)の突出量は、当て付き部80が端面65aと面当接することで、常に同一となる。また湾曲部211(節輪224)は、先端開口部39aから突出する突出量を端面65aと開口部65bによって規制される。
【0080】
また可撓管部210は牽引されると後退し、図5Eに示すように当て付き部80は端面66aと面当接する(当て付く)。このとき内視鏡用処置具200の先端である先端部212は、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、図6Bに示すように処置具チャンネル39内における初期位置に配置される。この初期位置は、上述したように先端部212が、先端開口部39aから所望の距離だけ基端側に配置され、処置具チャンネル39に収納され、この状態で内視鏡2を湾曲させても内視鏡用処置具200が破損しない位置である。つまり当て付き部80は、図5Eに示すように端面66aと面当接することで、例えば内視鏡用処置具200が使用される前に、処置具チャンネル39内における先端部212の初期位置を設定することとなる。
【0081】
また当て付き部80は端面66aと面当接しているため、当て付き部80と端面66aは、内視鏡用処置具200が第1の力量によって牽引されても、内視鏡用処置具200が当て付き部80と端面66aとの面当接している位置よりもさらに後退することを防止している。つまり当て付き部80と端面66aとが互いに面当接することで、可撓管部210は後退することを防止され、先端部212の後退量を規制し、内視鏡用処置具200は挿入口40から引き抜かれることを防止される。
【0082】
このあと図5Dに示すように湾曲部211(節輪224)が先端開口部39aから突出すると、内視鏡用処置具200がジョイスティック205によって操作され、内視鏡2が操作部30によって操作され、体内の患部が処置される。
【0083】
処置が終了すると、内視鏡用処置具200は、処置具チャンネル39と挿入口40と規制部材60から引き抜かれる。なお内視鏡用処置具200が規制部材60から引き抜かれる際、図5Eに示すように当て付き部80が端面66aに当て付く。その際、上述したように当て付き部80が規制部材60の外部から空間部68に移動することとは逆に、第1の力量、または第2の力量によって、内視鏡用処置具200が引き抜かれることで、図5Bに示すように端面66aが規制部材60の外部に向かって弾性変形する。よって当て付き部80は、開口部66bを通過し、空間部68から規制部材60の外部に移動する。これにより内視鏡用処置具200は、規制部材60から引き抜かれる。
【0084】
この後、爪部63が挿入口40から係合解除され、脚部62は挿入口40の側面から離れ、Oリング64が挿入口40から外れる。これにより規制部材60が挿入口40から取り外される。これにより本実施形態の動作が終了する。
【0085】
なお規制部材60が挿入口40から取り外されると同時に、内視鏡用処置具200が処置具チャンネル39と挿入口40とから引き抜かれてもよい。
【0086】
このように本実施形態では、挿入口40に規制部材60を取り付け、当て付き部80を端面65a,66aに当て付けるのみで、処置具チャンネル39に対する挿入部10の進退量を規制して、先端開口部39aから突出する湾曲部211(節輪224)の突出量を容易に規制でき、処置具チャンネル39内における先端部212の初期位置を容易に設定することができる。
【0087】
また本実施形態は、当て付き部80を端面65aに当て付けることで、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、先端部212が処置具チャンネル39から術者の意図に反して必要以上に突出することを防止することができる。
【0088】
また本実施形態は、当て付き部80を端面66aに当て付けることで、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、先端部212が先端開口部39aから所望の距離だけ基端側に配置され、先端部212が処置具チャンネル39に収納され、内視鏡2を湾曲させても内視鏡用処置具200が破損しないように初期位置を設定している。
これにより本実施形態は、当て付き部80を端面66aに当て付けることで、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、先端部212を処置具チャンネル39に確実に収納でき、収納された先端部212が内視鏡2の湾曲によって破損してしまうことを防止することができる。
【0089】
また本実施形態は、図4Aに示すように端面65aから端面66aまでの長さL2を、節輪224から先端部212までの長さL3より長くすることで、湾曲部211を先端開口部39aから確実に突出させることができ、先端部212を処置具チャンネル39に確実に収納することができる。
【0090】
また本実施形態は、溝81に当て付き部80を嵌め込ませることで、当て付き部80が端面65a,66aに当て付いても、溝81から抜けることを防止でき、突出量と初期位置のずれを防止することができる。
【0091】
また本実施形態は、挿入口40に規制部材60を取り付けても、処置具チャンネル39と挿入口40と規制部材60から内視鏡用処置具200を引き抜くことができる。よって本実施形態は、内視鏡用処置具200に対する洗浄性や消毒性を確保することができる。
【0092】
また本実施形態は、挿入口40から規制部材60を取り外すと同時に、内視鏡用処置具200を処置具チャンネル39と挿入口40とから引き抜くことができる。よって本実施形態は、規制部材60を取り外す動作と、内視鏡用処置具200を引き抜く動作とを一度に実施できるために、処置後の手間を省くことができる。
【0093】
なお本実施形態において、規制部材60は弾性材料によって形成され、当て付き部80は規制部材60よりも硬質な材料によって形成されることが好適としたがこれに限定する必要はない。当て付き部80は例えば弾性材料によって形成され、規制部材60は当て付き部80よりも硬質な材料によって形成されてもよい。
【0094】
本実施形態において、突出量と初期位置のずれを防止するために、溝81に当て付き部80を嵌め込ませたがこれに限定する必要はない。例えば当て付き部80は、可撓管部210の外周面に直接固着されても良い。また可撓管部210の外周には、当て付き部80と同様の突起が設けられても良い。
【0095】
本実施形態において端面66aは、図7に示すように開口部66bの周縁に沿って形成される切り欠き部66cを有していてもよい。なお図7において、爪部63側における可撓管部210の図示を簡略化のため省略している。
【0096】
これにより端面66aは当て付き部80によって弾性変形する際に、端面66aは切り欠き部66cによって容易に押し広げられる。よって本実施形態は、開口部66bに対して当て付き部80を容易に通過させることができ、規制部材60に対して当て付き部80を含む内視鏡用処置具200を容易に挿入または抜去することができる。
【0097】
次に本実施形態における第1の変形例について図8A乃至図8Fと図9A乃至図9Cと図10A乃至図10Cとを参照して説明する。
本変形例において、図8Aに示すように当て付き部80と開口部66bとは、内視鏡用処置具200の挿入方向に向かって先細で径が縮径しているテーパ形状を有している。テーパ形状を有している当て付き部80は、テーパ形状を有している開口部66bを挿通可能である。
【0098】
図8Bに示すように本変形例における規制部材60は、例えば中空な角柱形状を有している。そのため図8A乃至図8Cに示すように規制部材60は、脚部62と爪部63とを有しておらず、例えばビス42など締結部材によって先端面69に対して着脱自在に取り付け可能な先端取付部材70を有している。
【0099】
図8Cに示すように先端取付部材70は、規制部材60の長手軸方向に対して直交する方向から平面視した際に、略コの字形状を有している。先端取付部材70は、先端取付部材70を平面視した際に相対するコの字の辺の一方である第1の脚部(脚部71a)と、先端取付部材70を平面視した際に相対するコの字の辺の他方である第2の脚部(脚部71b)と、脚部71aと脚部71bとの間に形成される溝部71cとを有している。先端取付部材70が先端面69に取り付けられる際に、脚部71aと脚部71bとは、先端面69に当接する。
【0100】
また先端取付部材70は、ビス42が係合するための4つの係合口72と、内視鏡用処置具200(可撓管部210)が貫通可能な貫通口73とを有している。係合口72と貫通口73とは、規制部材60の長手軸方向において、先端取付部材70を貫通している。貫通口73は先端取付部材70の略中央に配置されており、係合口72は貫通口73の周辺に配置されている。
【0101】
図8Aと図8Bに示すように本変形例における端面65aは、規制部材60の中端61cに配置されている。端面65aの先端側には、Oリング64が配置されている。
【0102】
図8Bに示すように規制部材60の先端61aの内側には、空間部68と連通し、空間部68と同様に内視鏡用処置具200(可撓管部210)が挿通可能な空間部68aが形成されている。先端取付部材70が取り付けられる先端面69には、先端面69の略中央に配置され、空間部68aに連通し、内視鏡用処置具200(可撓管部210)が貫通可能な貫通口69aと、貫通口69aの周辺に配置され、先端取付部材70を先端面69に取り付けるビス42が係合するための4つの係合口69bとが配設されている。貫通口69aの直径D6は、挿入口40の外径D7と略同一であり、規制部材60の長手軸方向に対して略直交する方向における空間部68aの長さである。
【0103】
貫通口69aは、貫通口73に対向し、貫通口73と同じ大きさである。係合口69bは、係合口72に対向する。
【0104】
次に本変形例の規制部材60を挿入口40に着脱自在に取り付ける止め金具90について図8D乃至図8Fを参照して説明する。止め金具90は、規制部材60の長手軸方向に対して直交する方向において溝部71cをスライドすることで規制部材60を挿入口40に着脱自在に取り付ける。止め金具90の幅の長さL4は、図8Cに示す溝部71c幅の長さL5よりも短い。なお長さL4は、長さL5と略同一であることが好適である。
【0105】
止め金具90は、挿入口40の外径を貫通可能な貫通口90aと、貫通口90aを貫通した止め金具90が規制部材60の長手軸方向に対して直交する方向にスライドすることで、挿入口40における円筒部41と係合する係合口90bとを有している。
【0106】
貫通口90aの直径D8は、挿入口40の外径D7よりも大きい。また係合口90bの直径D9は、挿入口40の外径D7よりも小さく、円筒部41の外径D10と略同一である。
【0107】
貫通口90aは、規制部材60を挿入口40から着脱自在に取り付ける際に用いられる。また係合口90bは、貫通口90aと連通し、規制部材60を挿入口40に取り付ける際に用いられる。つまり止め金具90とOリング64とは、規制部材60が挿入口40に着脱自在に取り付けられるための取り付け部である。図8Aと図8Fに示すように止め金具90は、貫通口90aの周辺部90cにおいて、係合口90bから貫通口90aに向かって先細なテーパ形状を有している。
【0108】
次に本変形例における規制部材60の取り付け方法について図9Aと図9Bを参照して説明する。
止め金具90が溝部71cに配置された状態において、脚部71aと脚部71bとが先端面69に当接される。次にビス42が係合口72と係合口69bとに係合されると、図9Aに示すように先端取付部材70は先端面69に取り付けられる。このとき、貫通口90aは貫通口73と貫通口69aに対向している。
【0109】
貫通口73が挿入口40に向かって移動すると、挿入口40は空間部68aに配置されOリング64に当接し、円筒部41は貫通口73に配置される。貫通口69aの直径D6(空間部68aの長さ)と挿入口40の外径D7は、略同一であるため、規制部材60は挿入口40に対して規制部材60の長手軸方向に対して略直交する方向にずれることが防止される。
【0110】
図9Bに示すように止め金具90が規制部材60の長手軸方向に対して直交する方向において溝部71cをスライドすることで、円筒部41は係合口90bと係合する。なお周辺部90cがテーパ形状であるために、止め金具90は滑らかにスライドする。またその際、周辺部90cは挿入口40をOリング64に向かって押圧することとなる。
【0111】
これにより規制部材60は、止め金具90によって挿入口40にがたつくことなく取り付けられる。
【0112】
なお本変形例において止め金具90は、図9Cに示すようにOリング64の弾性力によって止め金具90がスライドし係合口90bが円筒部41から抜けることを防止する爪部91を有していてもよい。
【0113】
本変形例において当て付き部80が規制部材60の外部から空間部68に移動する状態を図10A乃至図10Cに示すが、このときの動作方法は、上述した図5A乃至図5Cと略同様であるため、詳細な説明は省略する。また当て付き部80が端面65a,66aに当て付く状態も、上述した図5D乃至図5Eと略同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0114】
これにより本変形例は、テーパ形状によって当て付き部80を規制部材60の外部から空間部68に容易に挿入させることができ、規制部材60を介して処置具チャンネル39に挿入部202を容易に挿入することができる。なお本変形例において、当て付き部80と開口部66bとの一方のみがテーパ形状を有してもよい。
また本変形例は、止め金具90を規制部材60の長手軸方向に対して直交する方向にスライドさせることで、規制部材60を挿入口40に着脱自在に容易に取り付けることができる。また周辺部90cは挿入口40をOリング64に向かって押圧するため、本変形例は、規制部材60を止め金具90によって挿入口40にがたつくことなく取り付けることができる。
【0115】
次に本実施形態における第2の変形例について図11を参照して説明する。
本変形例において、図11に示すように当て付き部80の周縁部にはおねじであるネジ溝80aが形成され、開口部66bの周縁部にはめねじであるネジ溝66dが形成されている。
また規制部材60は、爪部63とOリング64ではなく、取り付け機構94によって挿入口40に着脱自在に取り付けられる。取り付け機構94は、例えば、脚部62の内周面に形成されるめねじであるネジ溝62aと、挿入口40の周縁部に形成されるおねじであるネジ溝40aとを有している。
【0116】
これにより本変形例は、当て付き部80を開口部66bにねじ込むことで、開口部66bに対して当て付き部80を容易に通過させることができ、規制部材60に対して可撓管部210を容易に挿入または抜去することができる。また本変形例は、ねじ込むことで、開口部66bに対して当て付き部80を容易に通過させることができるため、上述した第2の力量を用いることなく、第1の力量のみで規制部材60に対して内視鏡用処置具200を容易に挿入または抜去することができる。
【0117】
また本変形例は、脚部62を介して規制部材60を挿入口40にねじ込むことで、より強固に挿入口40に対して規制部材60を着脱自在に取り付けることができる。
【0118】
また当て付き部80と規制部材60とは、ネジ溝62a,66d,80aのために、硬質な金属等によって形成されていてもよい。
【0119】
次に本実施形態における第3の変形例について図12A乃至図12Dを参照して説明する。
本変形例において、当て付き部80は、図12Aに示すように周方向に例えば2つに分割可能である。当て付き部80は、分割したのち再び係合するための係合部82と、溝81に嵌るための突起部83と、を有している。なお分割する数は、限定されない。
【0120】
また可撓管部210には、図12Bに示すように複数の溝81が形成されている。本変形例の当て付き部80は、図12B乃至図12Dに示すように可撓管部210の長手軸方向に沿って、移動可能であり、一方の溝81から他方の溝81へと配置変換可能である。
これにより本変形例は、溝81によって、処置具チャンネル39内における先端部212の初期位置を多段に調整可能である。
【0121】
次に本実施形態における第4の変形例について図13A乃至図13Dを参照して説明する。
本変形例において当て付き部80は、切り欠き部85を有する略C形状の弾性体である弾性リングであってもよい。当て付き部80は、切り欠き部85を介して可撓管部210に着脱自在に嵌め込まれる。これにより本変形例は、可撓管部210に対して当て付き部80を着脱自在とすることで、当て付き部80を再利用することができる。
【0122】
なお上述した一実施形態と各変形例において、挿入口40に取り付けられた規制部材60には、図14Aに示すように内視鏡用処置具200を内視鏡2の外部である駆動制御部203から挿入口40を介して処置具チャンネル39までガイドするガイドチューブ(ガイドパイプ)100が着脱自在に取り付けられていてもよい。このときガイドチューブ100は、端面66aに着脱自在に取り付けられればよい。
【0123】
次に本実施形態における第5の変形例について図15を参照して説明する。
上述した一実施形態と各変形例において、内視鏡用処置具200(挿入部202)を体内へとガイドする体内ガイド部材となるオーバーチューブ101が用いられても良い。
オーバーチューブ101は、内視鏡用処置具200を挿通可能な処置具チャンネル103と、内視鏡2を挿通可能な内視鏡チャンネル104とを備えている。
【0124】
処置具チャンネル103には、先端であり内視鏡用処置具200が突出するための突出口である先端開口部103aと、基端である内視鏡用処置具200が処置具チャンネル103に挿入するための挿入口103bとが配設されている。先端開口部103aは、処置具チャンネル103を通じて挿入口103bに連通している。挿入口103bと処置具チャンネル103と先端開口部103aとには、内視鏡用処置具200が挿通する。
【0125】
挿入口103bは挿入口40と同様である。そのため挿入口103bには、上述した一実施形態と各変形例と同様に規制部材60が着脱自在に取り付けられる。また処置具チャンネル103は処置具チャンネル39と同様であり、先端開口部103aは先端開口部39aと同様である。
すなわちオーバーチューブ101の構造および作用は、内視鏡2を挿通可能な内視鏡チャンネル104が備えられている点を除き、処置具チャンネル39を備えた内視鏡2の構造および作用と実質的に同一である。
【0126】
また内視鏡チャンネル104には、先端であり内視鏡2が突出するための突出口である先端開口部104aと、基端である内視鏡2が内視鏡チャンネル104に挿入するための挿入口104bとが配設されている。先端開口部104aは、内視鏡チャンネル104を通じて挿入口104bに連通している。挿入口104bと内視鏡チャンネル104と先端開口部104aとには、内視鏡2が挿通する。
【0127】
また図16は、第5の変形例と構成の軌を一にした外付けチャンネル105の斜視図である。外付けチャンネル105は、第5の実施例と同様に、上述した一実施形態と各変形例において内視鏡用処置具200(挿入部202)を体内へとガイドする体内ガイド部材である。外付けチャンネル105は、内視鏡用処置具200(挿入部202)を挿入可能な処置具チャンネル(図示しない)を有しており、内視鏡2に取り付けて使用する。処置具チャンネルの図示しない挿入口に規制部材60が着脱自在に取り付けられる点は、第5の変形例と同様である。
【0128】
(付記)
前記の具体的実施形態から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
【0129】
(1) 体内に挿入される内視鏡用処置具が、前記内視鏡用処置具を前記体内へとガイドする体内ガイド部材に配設される挿入口と前記挿入口に連通する処置具チャンネルとを挿通することで前記体内ガイド部材によって前記体内にガイドされ、ガイドされた前記内視鏡用処置具の先端が前記処置具チャンネルの先端に対して進退移動する際に、前記処置具チャンネルの先端に対する前記内視鏡用処置具の先端の進退量を規制する医療用進退量規制機構であって、
前記挿入口に着脱自在に取り付けられ、前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネルに向かって挿通可能で、前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネル内を進退移動する際に前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する先端側端面と基端側端面とを有する規制部材と、
前記内視鏡用処置具に配設され、前記内視鏡用処置具が前記規制部材を挿通し前記規制部材に対して進退移動する際に前記先端側端面と前記基端側端面とのいずれか一方に当て付き、前記先端側端面に当て付くことで前記処置具チャンネルの先端から突出する前記内視鏡用処置具の先端の突出量を規制し、前記基端側端面に当て付くことで前記内視鏡用処置具の先端の後退量を規制し前記処置具チャンネル内における前記内視鏡用処置具の先端の初期位置を設定する当て付き部と、
を具備することを特徴とする医療用進退量規制機構。
【0130】
(実施形態との対応)
この(1)に記載の医療用進退量規制機構に関する実施形態は、例えば一実施形態と第1乃至第5の変形例が対応する。例えば一実施形態と各変形例において、内視鏡用処置具200が上記内視鏡用処置具に、内視鏡2とオーバーチューブ101とが上記体内ガイド部材にそれぞれ対応する。
【0131】
(作用効果)
この(1)に記載の医療用進退量規制機構によれば、例えば処置具チャンネルに対する内視鏡用処置具の進退量を規制して、処置具チャンネルの先端から突出する内視鏡用処置具の先端の突出量を容易に規制でき、処置具チャンネル内における内視鏡用処置具の先端の初期位置を容易に設定することができる。
【0132】
(2) 前記当て付き部は、前記先端側端面に当て付くことで、前記体内ガイド部材が湾曲状態または非湾曲状態であっても、前記内視鏡用処置具の先端に対する前記処置具チャンネルの先端の前記突出量を規制し、前記内視鏡用処置具の先端から前記処置具チャンネルの先端を所望な量だけ突出させることを特徴とする(1)に記載の医療用進退量規制機構。
【0133】
(作用効果)
この(2)に記載の医療用進退量規制機構によれば、例えば当て付き部を先端側端面に当て付けることで、体内ガイド部材が湾曲状態または非湾曲状態であっても、内視鏡用処置具の先端が処置具チャンネルから術者の意図に反して必要以上に突出することを防止することができる。
【0134】
(3) 前記当て付き部は、前記基端側端面に当て付くことで、前記体内ガイド部材が湾曲状態または非湾曲状態であっても、前記内視鏡用処置具の先端が前記処置具チャンネルの先端から所望の距離だけ基端側に配置され、前記処置具チャンネル内に収納される位置である前記初期位置を設定する(1)に記載の医療用進退量規制機構。
【0135】
(作用効果)
この(3)に記載の医療用進退量規制機構によれば、例えば当て付き部を基端側端面に当て付けることで、体内ガイド部材が湾曲状態または非湾曲状態であっても、内視鏡用処置具の先端が処置具チャンネルに確実に収納でき、収納された内視鏡用処置具の先端が術者の意図に反して処置具チャンネルの内周面に接触し破損してしまうことを防止することができる。
【0136】
(4) 前記当て付き部が進退移動可能な前記先端側端面から前記基端側端面までの長さは、前記内視鏡用処置具に配設され湾曲可能な湾曲部から前記内視鏡用処置具の先端までの長さよりも長いことを特徴とする(1)に記載の医療用進退量規制機構。
【0137】
(実施形態との対応)
例えば一実施形態において、端面65aから端面66aまでの長さL2が上記前記先端側端面から前記基端側端面までの長さに、湾曲部211(節輪224)と湾曲部12が上記湾曲部に、節輪224から先端部212までの長さL3が上記湾曲部から前記内視鏡用処置具の先端までの長さに、それぞれ対応する。
【0138】
(作用効果)
この(4)に記載の医療用進退量規制機構によれば、例えば湾曲部を処置具チャンネルの先端から確実に突出させることができ、内視鏡用処置具の先端を処置具チャンネル内に確実に収納することができる。
【0139】
(5) 体内に挿入される内視鏡用処置具が、前記内視鏡用処置具を前記体内へとガイドする体内ガイド部材に配設される挿入口と前記挿入口に連通する処置具チャンネルとを挿通することで前記体内ガイド部材によって前記体内にガイドされ、ガイドされた前記内視鏡用処置具の先端が前記チャンネルの先端に対して進退移動する際に、前記処置具チャンネルの先端に対する前記内視鏡用処置具の先端の進退量を規制する医療用進退量規制方法であって、
前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネルに向かって挿通可能で、前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネル内を進退移動する際に前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する先端側端面と基端側端面とを有する規制部材を前記挿入口に着脱自在に取り付ける第1の工程と、
前記内視鏡用処置具を前記規制部材と前記挿入口を介して前記処置具チャンネルに挿通させる第2の工程と、
前記内視鏡用処置具に配設され、前記内視鏡用処置具が前記規制部材を挿通し前記規制部材に対して進退移動する際に前記先端側端面と前記基端側端面とのいずれか一方に当て付く当て付き部を前記先端側端面に当て付けて前記処置具チャンネルの先端から突出する前記内視鏡用処置具の先端の突出量を規制する第3の工程と、
前記当て付き部を前記基端側端面に当て付けて前記内視鏡用処置具の先端の後退量を規制し前記処置具チャンネル内における前記内視鏡用処置具の先端の初期位置を設定する第4の工程と、
を具備することを特徴とする医療用進退量規制方法。
【0140】
(実施形態との対応)
この(5)に記載の医療用進退量規制方法に関する実施形態は、例えば一実施形態と第1乃至第5の変形例が対応する。(5)に記載の医療用進退量規制方法における各構成部材は、上述した(1)に記載の医療用進退量規制機構の構成部材と略同様である。
また例えば一実施形態と各変形例において、図5Aに示す状態が上記第1の工程に、図5Aと図5Bと図5Cに示す状態が上記第2の工程に、図5Dに示す状態が上記第3の工程に、図5Eに示す状態が上記第4の工程に、それぞれ対応する。
【0141】
このように本発明は、上記実施形態と変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る内視鏡システムを概略的に示す図である。
【図2】図2は、湾曲部の湾曲状態を示す図である。
【図3】図3は、内視鏡用処置具を概略的に示す斜視図である。
【図4A】図4Aは、規制部材が挿入口に取り付けられ、内視鏡用処置具が規制部材と挿入口と処置具チャンネルとを挿通し、当て付き部が空間に配置されている状態を示す断面図である。
【図4B】図4Bは、規制部材の斜視図である。
【図4C】図4Cは、可撓管部の側面図である。
【図5A】図5Aは、当て付き部が規制部材の外部から空間に移動する状態を示す図である。
【図5B】図5Bは、当て付き部が規制部材の外部から空間に移動する状態を示す図である。
【図5C】図5Cは、当て付き部が空間部に配置されている状態を示す図である。
【図5D】図5Dは、当て付き部が先端側端面に面当接している状態を示す図である。
【図5E】図5Eは、当て付き部が基端側端面に面当接している状態を示す図である。
【図6A】図6Aは、処置具チャンネルから突出する内視鏡用処置具の先端の突出量について説明している図である。
【図6B】図6Bは、内視鏡用処置具の先端の初期位置について説明している図である。
【図7】図7は、開口部の周縁に沿って形成される切り欠き部を有する規制部材の斜視図である。
【図8A】図8Aは、第1の変形例における規制部材が挿入口に取り付けられ、内視鏡用処置具が規制部材と挿入口と処置具チャンネルとを挿通し、当て付き部が空間に配置されている状態を示す断面図である。
【図8B】図8Bは、第1の変形例における規制部材の断面図である。
【図8C】図8Cは、第1の変形例における規制部材の斜視図である。
【図8D】図8Dは、止め金具の斜視図である。
【図8E】図8Eは、止め金具の正面図である。
【図8F】図8Fは、止め金具の断面図である。
【図9A】図9Aは、第1の変形例において、規制部材が挿入口に取り付けられる状態を示す図である。
【図9B】図9Bは、第1の変形例において、規制部材が挿入口に取り付けられる状態を示す図である。
【図9C】図9Cは、第1の変形例において、爪部を有する規制部材を示す図である。
【図10A】図10Aは、第1の変形例において、当て付き部が規制部材の外部から空間に移動する状態を示す図である。
【図10B】図10Bは、第1の変形例において、当て付き部が規制部材の外部から空間に移動する状態を示す図である。
【図10C】図10Cは、第1の変形例において、当て付き部が空間部に配置されている状態を示す図である。
【図11】図11は、第2の変形例における規制部材が挿入口に取り付けられ、内視鏡用処置具が規制部材と挿入口と処置具チャンネルとを挿通し、当て付き部が空間に配置されている状態を示す断面図である。
【図12A】図12Aは、第3の変形例における当て付き部の断面図である。
【図12B】図12Bは、第3の変形例において、複数の溝を有する可撓管部と、一方の溝に嵌め込まれた当て付き部との状態を示す図である。
【図12C】図12Cは、第3の変形例において、一方の溝から他方の溝に移動する当て付き部と、可撓管部との状態を示す図である。
【図12D】図12Dは、第3の変形例において、可撓管部と、他方の溝に嵌め込まれた当て付き部との状態を示す図である。
【図13A】図13Aは、第4の変形例における当て付き部と、当て付き部が嵌め込まれた可撓管部との断面図である。
【図13B】図13Bは、第4の変形例における当て付き部と、当て付き部が嵌め込まれた可撓管部との斜視図である。
【図13C】図13Cは、可撓管部から当て付き部を取り外す状態を示す図である。
【図13D】図13Dは、第4の変形例における当て付き部と、当て付き部が取り外された可撓管部とを示す図である。
【図14】図14は、挿入口に取り付けられた第2の変形例における規制部材にガイドチューブを取り付けた状態を示す断面図である。
【図15】図15は、第5の変形例におけるオーバーチューブの斜視図である。
【図16】図16は、第5の変形例と構成の軌を一にした外付けチャンネルの斜視図である。
【符号の説明】
【0143】
2…内視鏡、10…挿入部、11…可撓管部、12…湾曲部、13…先端硬性部、13a…先端面、39…処置具チャンネル、39a…先端開口部、40…挿入口、50…医療用進退量規制機構、60…規制部材、62…脚部、63…爪部、64…Oリング、65a…端面、65b…開口部、66a…端面、66b…開口部、68…空間部、80…当て付き部、100…ガイドチューブ、101…オーバーチューブ、103…処置具チャンネル、103a…先端開口部、103b…挿入口、104…内視鏡チャンネル、105…外付けチャンネル、200…内視鏡用処置具、202…挿入部、210…可撓管部、211…湾曲部、212…先端部、213…把持鉗子、221,222,223,224…節輪。
【技術分野】
【0001】
本発明は、処置具チャンネル等の体内ガイド部材の先端に対する処置具等の内視鏡用処置具の先端の進退量を規制する医療用進退量規制機構と医療用進退量規制方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に内視鏡の挿入部には、体内に挿入される体内挿入部である処置具を挿通させる処置具チャンネルが配置されている。処置具チャンネルを有する内視鏡は、処置具を体内にガイドするためのガイド部材である。
【0003】
処置具は、例えば鉗子や高周波切除具等であり、多関節を有し、処置具チャンネルを挿通し、体内に向けて突出する。挿入部は、多関節を有しており、操作部によって操作されると、体内に配置されている患部に向かって湾曲する。この状態で、処置具は、患部を処置する。
【0004】
例えば特許文献1には、処置具の挿脱動作を中断すべき位置を確実に認識することができる内視鏡用処置具が開示されている。
【0005】
また例えば特許文献2には、管路内および口金を容易に洗浄し得る内視鏡用洗浄器具が開示されている。
【0006】
また例えば特許文献3には、内視鏡の処置具チャンネルに挿通する際には先端処置片が可撓性シース内に確実に収納された状態を保つことができ、さらに使用時において、撓性シースの先端からの先端処置片の突出長を所定の長さに確実に保持することができる内視鏡用突没型処置具が開示されている。
【特許文献1】特開平10−248800号公報
【特許文献2】特開平7−194533号公報
【特許文献3】特開2005−279126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
術者は、処置具チャンネルから突出する処置具の突出量を、使用中において例えばモニタ等では把握しにくい。また処置具が処置具チャンネル内に収納されると、処置具はモニタには表示されない。そのため術者は、挿入部先端と処置具先端との配置関係を容易に把握できない虞が生じる。言い換えると、処置具チャンネルに対する処置具の進退量が規制されないと、処置具の突出量が規制されず、また処置具チャンネルに挿入された処置具が例えば使用される前に処置具チャンネル内における処置具の初期位置が設定されないこととなる。よって術者の操作に支障をきたす虞が生じる。
【0008】
また処置具チャンネル内における処置具の初期位置が設定されないと、例えば挿入部が湾曲した際に、処置具が術者の意図に反して挿入部から突出し、体内が挿入部から突出した処置具によって傷つく虞が生じる。また突出量が規制されず、初期位置が設定されないと、処置具が挿入部から突出した状態で配置される虞も生じる。これにより体内が挿入部から突出している処置具によって傷つく虞が生じる。
【0009】
そのため処置具チャンネルに対する処置具の進退量を規制することが好適である。つまり処置具チャンネルから突出する処置具の突出量が規制されることが好適である。
【0010】
また初期位置が設定されず、処置具が処置具チャンネル内に収納され、例えば挿入部が湾曲すると、処置具が術者の意図に反して処置具チャンネルに接触する虞が生じる。これにより処置具が破損してしまう虞が生じる。
【0011】
また処置具が術者の意図に反して挿入部から突出することや処置具チャンネルとの接触を防止するために、処置具チャンネルに挿入された処置具が使用される前に、処置具チャンネル内における処置具の初期位置を、例えば挿入部先端といった所望する位置に設定することが好適である。
【0012】
そのため本発明は、上記課題を鑑みて、処置具チャンネルに対する内視鏡用処置具の進退量を規制して、突出量を容易に規制でき、初期位置を容易に設定することができる医療用進退量規制機構と医療用進退量規制方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は目的を達成するために、体内ガイド部材によって体内へとガイドされる内視鏡用処置具が挿通可能な前記体内ガイド部材に配設される処置具チャンネルと連通する挿入口に着脱自在に取り付けられ、前記体内ガイド部材に対する前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する医療用進退量規制機構であって、前記内視鏡用処置具が挿通可能な第1の開口部を有し、前記処置具チャンネルに接続される先端側端面と、前記内視鏡用処置具が挿通可能な第2の開口部を有する基端側端面と、を含む規制部材と、前記内視鏡用処置具に配設され、前記第2の開口部を挿通し、前記前記先端側端面と前記基端側端面との間を進退移動することで、前記体内ガイド部材に対する前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する当て付き部と、を具備することを特徴とする医療用進退量規制機構を提供する。
【0014】
また本発明は目的を達成するために、体内ガイド部材によって体内へとガイドされる内視鏡用処置具が挿通可能な前記体内ガイド部材に配設される処置具チャンネルと連通する挿入口に着脱自在に取り付けられ、前記体内ガイド部材に対する前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する医療用進退量規制機構であって、前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネルに向かって挿通可能で、前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネル内を進退移動する際に前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する先端側端面と基端側端面とを有する規制部材を前記挿入口に着脱自在に取り付ける第1の工程と、前記内視鏡用処置具を前記規制部材と前記挿入口を介して前記処置具チャンネルに挿通させる第2の工程と、前記内視鏡用処置具に配設され、前記内視鏡用処置具が前記規制部材を挿通し前記規制部材に対して進退移動する際に前記先端側端面と前記基端側端面とのいずれか一方に当て付く当て付き部を前記先端側端面に当て付けて前記処置具チャンネルの先端から突出する前記内視鏡用処置具の先端の突出量を規制する第3の工程と、前記当て付き部を前記基端側端面に当て付けて前記内視鏡用処置具の先端の後退量を規制し前記処置具チャンネル内における前記内視鏡用処置具の先端の初期位置を設定する第4の工程と、を具備することを特徴とする医療用進退量規制方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、処置具チャンネルに対する内視鏡用処置具の進退量を規制して、突出量を容易に規制でき、初期位置を容易に設定することができる医療用進退量規制機構と医療用進退量規制方法とを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1乃至図7を参照して一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の内視鏡操作システム1の概略構成を示す図である。
図1に示すように内視鏡2には、患者の体内等に挿入される細長い挿入部10と、挿入部10の基端と連結し、挿入部10を操作する操作部30とが設けられている。
【0017】
本実施形態において、体内とは、例えば消化管や血管などの体腔、腹腔および胸腔とを含む。また本実施形態において内視鏡2は、体内に挿入される内視鏡用処置具を体内へとガイドする体内ガイド部材である。内視鏡用処置具は、例えば後述する内視鏡用処置具200である。
【0018】
操作部30には、術者が把持する把持部31と、挿入部10の後述する湾曲部12を湾曲させる湾曲操作ノブ32が設けられている。
【0019】
把持部31には、ユニバーサルコード33の基端部が連結されている。このユニバーサルコード33の先端部には、図示しない光源装置や、ビデオプロセッサなどに接続されるコネクタ部34が配設されている。
【0020】
湾曲操作ノブ32には、挿入部10の後述する湾曲部12を左右に湾曲操作させる左右湾曲操作ノブ32aと、湾曲部12を上下に湾曲操作させる上下湾曲操作ノブ32bとが設けられている。左右湾曲操作ノブ32aには、左右湾曲操作ノブ32aによって駆動する左右方向の湾曲操作機構が接続している。また上下湾曲操作ノブ32bには、上下湾曲操作ノブ32bによって駆動する上下方向の湾曲操作機構が接続している。上下方向の湾曲操作機構と左右方向の湾曲操作機構は、湾曲部12全体を湾曲操作する図示しない操作ワイヤの基端と接続している。
【0021】
操作部30には、吸引ボタン35と、送気・送水ボタン36と、内視鏡撮影用の各種ボタン37と、処置具挿入部38とが設けられている。処置具挿入部38には、後述する内視鏡用処置具200が挿通する挿通部である後述する処置具チャンネル39の挿入口40が設けられている。
【0022】
図1に示す挿入部10は、操作部30側から順に可撓管部(蛇管部)11と、湾曲部12と、先端硬性部13とを有している。詳細には、操作部30は、細長い可撓管部11の基端と連結している。可撓管部11の先端は、湾曲部12の基端と連結している。湾曲部12の先端は、先端硬性部13の基端と連結している。
【0023】
可撓管部11は、弾力性と可撓性とを有し、外力によって曲がる。
【0024】
湾曲部12は、後述する湾曲部211と同様に複数の節輪を有しており、湾曲部211と略同一の構成である。よって湾曲部12は、多関節湾曲機構を有していることとなる。
湾曲部12は、左右湾曲操作ノブ32aが操作されることで、湾曲操作機構を介して図示しない操作ワイヤが押し引きされ、左右方向に湾曲する。また湾曲部12は、上下湾曲操作ノブ32bが操作されることで、湾曲操作機構を介して図示しない操作ワイヤが押し引きされ、上下方向に湾曲する。湾曲部12が湾曲すると、先端硬性部13の位置と向きが変わり、所望する観察対象物(体内の患部や病変部等)が観察視野(または撮像視野)内に捉えられる。
【0025】
詳細には、図示しない操作ワイヤは、湾曲部12全体を上下左右の4方向にそれぞれ湾曲操作する。操作ワイヤの先端は、湾曲部12内部に挿通され、先端硬性部13の基端と連結されている。この操作ワイヤの基端は、操作部30の上述した上下方向の湾曲操作機構と左右方向の湾曲操作機構と連結されている。
例えば左右湾曲操作ノブ32aの回動操作にともない、左右方向の湾曲操作機構が移動し、各操作ワイヤがそれぞれ牽引駆動される。これにより、例えば湾曲部12は、図2中に一点鎖線で示すように真っ直ぐに伸びた湾曲角度が0°の通常の直線状態(非湾曲状態)から同図中に実線または二点鎖線で示すように左右方向に任意の湾曲角度に湾曲した湾曲状態に湾曲する。
【0026】
図1に示すように先端硬性部13の先端面13aには、観察窓14と照明窓15と先端開口部39aとが設けられている。
【0027】
観察窓14の内側には、図示しない対物レンズ等の光学系とCCD等の撮像素子を備える撮像部が設けられている。撮像部は、体内の患部等を撮像する。撮像部で得られた撮像信号は、図示しない画像処理装置に送られる。
【0028】
先端開口部39aは、挿入部10内に形成された処置具チャンネル39の先端側と連通している。また処置具チャンネル39の基端側は、挿入口40と連通している。つまり先端開口部39aは、処置具チャンネル39の先端であり、処置具チャンネル39を通じて挿入口40に連通している。処置具チャンネル39は、例えば多関節湾曲機構を有する内視鏡用処置具200が挿入部10を挿通する通路として用いられる。挿入口40と処置具チャンネル39と先端開口部39aには、内視鏡用処置具200が挿通する。内視鏡用処置具200は、挿入口40から挿入され、処置具チャンネル39を挿通し、先端開口部39aから突出する。
【0029】
本実施形態では1つの処置具チャンネル39に対して1つの内視鏡用処置具200が挿通する場合を想定しているが、数は限定する必要はなく、例えば複数の内視鏡用処置具200が処置具チャンネル39に挿入してもよい。また複数の処置具チャンネル39が設けられ、各挿通用チャンネルそれぞれに内視鏡用処置具200が挿通することも可能である。
【0030】
なお可撓管部11や湾曲部12には、図示しない外皮チューブが被覆されている。この外皮チューブは、ゴムなどの弾性材料で可撓管部11や湾曲部12と略同形状(例えば中空形状や円筒形状)に形成されている。この外皮チューブは、熱可塑性エラストマー(スチレン系,オレフィン系,またはウレタン系等)の材質の弾性材料によって射出成形されてもよい。なお、熱可塑性エラストマーの成形は、射出成形に限定されず、注型、押出し、ブロー等の各種成形方法を適用してもよい。
【0031】
なお先端硬性部13は、可撓管部11や湾曲部12と同様に外皮チューブによって被覆されていても良い。
【0032】
また内視鏡2における挿入部10は、湾曲可能なチューブであればよい。
【0033】
次に本実施形態における内視鏡用処置具200について説明する。
図1に示すように患部を処置する内視鏡用処置具200は、多関節湾曲機構を有している。本実施形態における内視鏡用処置具200は、上述したように体内に挿入される内視鏡用処置具である。
内視鏡用処置具200は、体内に挿入される挿入部202を有している。挿入部202の基端は、内視鏡用処置具200の駆動を制御する駆動制御部203と連結している。駆動制御部203は、挿入部202における湾曲部211を湾曲駆動させる湾曲駆動部である。駆動制御部203には、後述する把持鉗子213を操作する処置具操作部201が設けられている。
【0034】
挿入部202は、図3に示すように可撓管部(軟性部)210と、可撓管部210の先端と連結している湾曲部211と、湾曲部211の先端と連結している先端部212とを有する。図1と図3に示すように挿入部202は、挿入口40と処置具チャンネル39とを通じて先端開口部39aから体内に突出(挿入)される。なお湾曲部211と先端部212とは、内視鏡用処置具200の先端となる。
【0035】
可撓管部210は、弾力性と可撓性を有し、外力によって曲がる。
【0036】
湾曲部211は、多関節湾曲機構を有し、上下左右に所望に湾曲する。詳細には、図3に示すように湾曲部211は、節輪221と節輪222と節輪223と節輪224とを有し、節輪221と節輪222と節輪223と節輪224とが互いに連結することで、構成される。なお連結する節輪の数は、4個に限定する必要はなく、少なくとも2つであればよい。節輪221と節輪222と節輪223と節輪224とは、環状の部材によって形成され、挿入部202の長軸方向へ一列に同軸的に並べて配置される。節輪221と節輪222と節輪223と節輪224とは、隣接する節輪同士で回動自在に連結し、これにより多関節湾曲機構が構成される。なお節輪224は、可撓管部210の先端と連結することとなり、湾曲部211の最も基端側に配設されている節輪である。
【0037】
節輪221と節輪222は、第1回動軸部225を中心に回動可能に接続し、第1回動軸部225によって回動自在に連結される。節輪221と節輪222は、基端側から見て相対的に左右方向へ回動自在である。
節輪222と節輪223は、第2回動軸部226を中心に回動可能に接続し、第2回動軸部226によって回動自在に連結される。節輪222と節輪223は、基端側から見て相対的に上下方向へ回動自在である。
節輪223と節輪224は、第3回動軸部227を中心に回動可能に接続し、第3回動軸部227によって回動自在に連結される。節輪223と節輪224は、基端側から見て相対的に左右方向へ回動自在である。
【0038】
このように構成された多関節湾曲機構は、柔軟な外皮(図示せず)によって被覆される。これにより湾曲部211が構成される。
【0039】
先端部212には、患部等を処置する処置具本体部である把持鉗子213が設けられている。把持鉗子213は、挿入部202内を挿通する操作ワイヤ234によって図1と図3に示す上下に開閉する把持部材213a,213bを有している。先端部212には、把持鉗子213に限らず、例えば、高周波ナイフまたは高周波凝固子等の処置具が設けられていても良い。
【0040】
なお患部を処置する内視鏡用処置具200は、多関節機構を有さずに、先端に例えば把持鉗子213や高周波ナイフや高周波凝固子等の処置具等のみを有していてもよい。
【0041】
なお上述した節輪221,222,223には、個別的に対応した一対の操作ワイヤ231,232,233が接続している。湾曲部211において、一対の操作ワイヤ231,232,233が適宜選択されて押し引き操作されると、節輪221,222,223は独立して回動する。
【0042】
これにより多関節機構が形成され、湾曲部211は上下左右の4方向にそれぞれ湾曲できるように構成される。
【0043】
なお操作ワイヤ231,232,233の先端が節輪221,222,223と接続する手段は、種々の方法を採用することが可能であり、例えばロウ付け固定される。
【0044】
図3に示すように、駆動制御部203には、湾曲部操作機構及び処置部操作機構が設けられている。
【0045】
湾曲部操作機構は、操作ワイヤ231,232,233をそれぞれ押し引き操作する駆動モータ251,252,253を備える。
【0046】
また、処置部操作機構は、操作ワイヤ234を押し引き操作するための駆動モータ254を備える。
【0047】
操作ワイヤ231,232,233は、回動操作対象である節輪221,222,223に対応し、回動操作する。操作ワイヤ234は、把持鉗子213を操作する。
【0048】
駆動モータ251,252,253,254の駆動軸には、それぞれプーリ255が取り付けられている。各駆動軸は、図示しない減速機を介して各プーリ255と連結してもよい。各プーリ255には、操作ワイヤ231,232,233,234が掛けられている。そして、駆動モータ251,252,253,254がそれぞれ個別的に駆動し、プーリ255が回動すると、プーリ255に掛けられた操作ワイヤ231,232,233,234が押し引き操作される。
【0049】
湾曲部操作機構及び処置部操作機構は、プーリ255を利用した伝達機構を用いたが、例えばピニオンギアやラックを利用する歯車機構等であってもよい。また湾曲部操作機構及び処置部操作機構は、駆動モータ251,252,253,254の代わりに他の形式の駆動アクチュエータを用いてもよい。
【0050】
図1と図3に示すように、駆動制御部203は、ケーブル257を介して処置具制御部258に接続されている。処置具制御部258には、操作入力装置としての湾曲操作部204がケーブル259を介して接続される。また処置具制御部258には、図3に示すように電力供給用電源コード290が設けられている。
【0051】
湾曲操作部204は、例えば術者によって操作されることで内視鏡用処置具200の位置と姿勢を指示する例えばジョイスティック(操作入力装置)205を有する。このジョイスティック205は、3段重に連接した3つのジョイスティックスイッチ205a,205b,205cを有する。ジョイスティックスイッチ205a,205b,205cは、操作ボックス206に取り付けられている。
【0052】
なお図3は、1つの内視鏡用処置具200に対する駆動制御部203と処置具制御部258と湾曲操作部204とを図示している。また上述したように、1つの処置具チャンネル39に対して複数の内視鏡用処置具200が挿通される場合、内視鏡用処置具200それぞれに対して駆動制御部203と処置具制御部258と湾曲操作部204が配置されることとなる。
【0053】
図1に示すように、処置具制御部258には、ジョイスティック205から出力される指示やジョイスティック205の機能を制御するための条件等を入力する機能制御入力部258aと、駆動モータ251,252,253を駆動制御するモータドライバ(処置具駆動制御部)258bと、駆動制御部203とケーブル257を介して接続し駆動制御部203との間で通信を行うモータユニット通信部258cが設けられている。
【0054】
ジョイスティックスイッチ205a,205b,205cが選択的に操作されると、処置具制御部258は、術者によるジョイスティック205の操作に応じて駆動モータ251,252,253を駆動させる制御信号をモータドライバ258bに送信し、駆動モータ251,252,253を回転させる。つまりジョイスティック205の操作に対応して駆動モータ251,252,253が個別的に駆動する。これにより操作ワイヤ231,232,233は回動するプーリ255によってそれぞれ押し引き操作され、節輪221,222,223は個別的に独立して上下左右方向へ回動し、各関節部は屈曲する。つまり湾曲部211は湾曲する。
このように湾曲操作部204は、駆動制御部203を操作し、湾曲部211を湾曲操作する操作入力装置である。電動式の内視鏡用処置具200は、マニピュレータ(マスタスレーブ)型の電動式の内視鏡用処置具を構成している。なお、内視鏡用処置具200を動かす制御が設定された後に、術者等によりジョイスティック205が操作された場合には、ジョイスティック205の操作指示が優先される。
【0055】
なお駆動モータ251,252,253には、回転数を計測する図示しないエンコーダが取り付けられている。エンコーダは、回転数に対応した信号を生成し、モータドライバ258bに送信して駆動モータ251,252,253に対するフィードバック制御を行う。
【0056】
次に処置具チャンネル39と先端開口部39aと挿入口40と医療用進退量規制機構50と内視鏡用処置具200とについて説明する。
医療用進退量規制機構50は、内視鏡用処置具200の先端である湾曲部211と先端部212とが処置具チャンネル39の先端である先端開口部39aに対して進退移動する際に、先端開口部39aに対する湾曲部211と先端部212との進退量を規制する。この医療用進退量規制機構50は、図1と図4Aに示すように、挿入口40に着脱自在に取り付けられる規制部材60と、可撓管部210に配設される当て付き部80とを有している。
【0057】
図4Aと図4Bに示す規制部材60は、例えば円筒形状を有し、弾性材料によって形成されている。この弾性材料とは、例えばエラストマーや、シリコンや、ブチルゴムやイソプロピレンゴムやシリコンゴムといったゴム等である。規制部材60は、規制部材60の先端61aから突出し、規制部材60の周方向に等間隔に配置されている3個の脚部62と、脚部62の先端にそれぞれ設けられている爪部63と、脚部62の内周面に設けられているOリング64とを有している。爪部63とOリング64とは、規制部材60が挿入口40に着脱自在に取り付けられるための取り付け部である。規制部材60が挿入口40に取り付けられる際、脚部62は挿入口40の側面に当接し、爪部63は挿入口40の先端側面に嵌まり込み、Oリング64は挿入口40の基端側面に密着する。
【0058】
規制部材60は、先端61aにおいて、規制部材60の長手軸方向(内視鏡用処置具200が処置具チャンネル39を進退移動(前進または後退)する方向)に対して規制部材60の側面60aから略垂直に突出している平面である端面65aを有している。言い換えると、端面65aは、側面60aから規制部材60の内周側に向かって突出している面であり、規制部材60の長手軸方向に対して垂直な平面である。また規制部材60は、基端61bにおいて、端面65aと同様の端面66aを有している。端面65aは規制部材60の先端側端面であり、端面66aは規制部材60の基端側端面である。端面65aの先端側には、上述したOリング64が配置されている。端面66aは、例えば上述したような弾性材料によって形成される。
【0059】
また規制部材60は、端面65aに形成されている開口部65bと、端面66aにおいて規制部材60の長手軸方向において開口部65bと同一直線状に形成されている開口部66bとを有している。開口部65bは端面65aの径方向の中央部に形成され、開口部66bは端面66aの径方向の中央部に形成されている。開口部65bの直径D1と開口部66bの直径D2は、可撓管部210等の挿入部202の直径D3よりも大きい。そのため開口部65b,66bには、内視鏡用処置具200(可撓管部210)が自在に挿通する。つまり規制部材60には、内視鏡用処置具200(可撓管部210)が処置具チャンネル39に向かって挿通する。
【0060】
またこのとき端面65a,66aは、内視鏡用処置具200(可撓管部210)が処置具チャンネル39内を進退移動する際に、当て付き部80が端面65a,66aに当て付くことで、内視鏡用処置具200(可撓管部210)の進退移動を規制することとなる。
【0061】
端面65aと端面66aとの間には、当て付き部80が規制部材60の長手軸方向に沿って進退移動可能な空間部68が形成されている。規制部材60の長手軸方向に対して略直交する方向における空間部68の長さL1は、開口部65bの直径D1と開口部66bの直径D2と挿入部202の直径D3とよりも大きい。長さL1は、空間部68の長さ(直径)であり、規制部材60の内径である。
【0062】
当て付き部80は、可撓管部210が規制部材60を挿通し規制部材60に対して進退移動する際に、空間部68に接する端面65aと端面66aとのいずれか一方に当て付き、端面65aに当て付くことで処置具チャンネル39から突出する内視鏡用処置具200の先端である湾曲部211の突出量を規制し、端面66aに当て付くことで内視鏡用処置具200の先端である先端部212の後退量を規制し処置具チャンネル39における先端部212の初期位置を設定する。
【0063】
当て付き部80は、図4Cに示すように可撓管部210の外周面の全周に渡り形成されている溝81に嵌め込まれている。当て付き部80は、溝81の深さよりも厚みを有している。
【0064】
規制部材60が爪部63とOリング64によって挿入口40に取り付けられ、内視鏡用処置具200が規制部材60と挿入口40を介して処置具チャンネル39に挿入される際、図5Aに示すように当て付き部80は端面66aに当て付く。端面66aは弾性材料によって形成されているため、図5Bに示すように端面66aは当て付き部80によって空間部68に向かって弾性変形して当て付き部80によって押し広げられる。これにより当て付き部80は開口部66bを通過し、図4Aと図5Cに示すように空間部68に配置されることとなる。
【0065】
このように当て付き部80が空間部68内に配置されると、当て付き部80は端面65a,66aと開口部65b,66bに対向する。また当て付き部80が空間部68に配置され、内視鏡用処置具200が規制部材60の長手軸方向に沿って進退移動することで、当て付き部80も空間部68を規制部材60の長手軸方向に沿って進退移動する。これにより当て付き部80は、図5Dに示すように端面65aに、または図5Eに示すように端面66aに当て付く(面当接する)。
【0066】
当て付き部80の外径D4は、処置具チャンネル39の直径D5よりも大きい。また当て付き部80の外径D4は、開口部65bの直径D1と開口部66bの直径D2とよりも大きい。
【0067】
当て付き部80は、上述したように内視鏡用処置具200(可撓管部210)が開口部66bを挿通し、図5Aに示すように当て付き部80が端面66aに当て付いた際に、図5Bに示すように端面66aを弾性変形させて押し広げ、開口部66bを通過できる大きさを有している。言い換えると、端面66aは、当て付き部80が端面66aに当て付いた際に開口部66bを中心に空間部68に向かって弾性変形して押し広げ可能である。また端面66aは、当て付き部80の外径D4よりも直径D2が小さく、端面66aが押し広げられた際に、当て付き部80が通過可能な開口部66bを有していることとなる。
【0068】
また開口部65bの直径D1は、開口部66bの直径D2と当て付き部80の直径D4よりも小さい。そのため端面65aは、当て付き部80が端面65aに当て付いても端面66aとは異なり開口部66bを中心に押し広げられることはない。開口部65bの直径D1は、処置具チャンネル39の直径D5と略同一であることが好適である。
【0069】
開口部65bと端面65aとは、当て付き部80が端面65aよりも先端側(処置具チャンネル39)に前進することを防止する防止部を兼ねている。言い換えると開口部65bと端面65aとは、当て付き部80が端面65aよりも規制部材60の長手軸方向における先端側に前進することを防止し、処置具チャンネル39の先端である先端開口部39aから突出する内視鏡用処置具200の先端である湾曲部211の突出量を規制する規制部でもある。
【0070】
なお開口部65bの直径D1の大きさは、当て付き部80が開口部66bを通過でき、処置具チャンネル39と空間部68との間を自在に進退移動することを防止できれば、限定されない。
【0071】
当て付き部80は、規制部材60よりも硬質な材料によって形成されることが好適である。また当て付き部80は、例えばポリオレフィン等のプラスチック材料等で形成されていても良い。
【0072】
上述した処置具チャンネル39から突出する内視鏡用処置具200の先端の突出量について説明する。この突出量とは、内視鏡用処置具200が処置具チャンネル39に挿入された際に、図5Dに示すように当て付き部80が端面65aに当て付くことで、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、図6Aに示すように内視鏡用処置具200の先端である湾曲部211において、最も基端側に配設される節輪224が処置具チャンネル39の先端である先端開口部39aから突出する量であり、所望量である。つまり当て付き部80は、端面65aに当て付くことで、先端開口部39aから突出する湾曲部211(節輪224)の突出量を規制し、先端開口部39aから湾曲部211(節輪224)を所望な量だけ突出させる。
【0073】
当て付き部80が進退移動可能な端面65aから端面66aまでの長さL2は、図4Aに示すように節輪224から先端部212までの長さL3よりも長い。またこの長さL2は、当て付き部80が進退移動する進退量に一致する。この進退量は、湾曲部211(節輪224)が処置具チャンネル39から突出する位置から、先端部212が処置具チャンネル39に収納され、この状態で内視鏡2を湾曲させても内視鏡用処置具200(例えば先端部212)が例えば処置具チャンネル39の内周面等に接触して破損しない位置までの距離である。
【0074】
次に上述した内視鏡用処置具200の先端の初期位置について説明する。内視鏡用処置具200の先端の初期位置とは、内視鏡用処置具200が処置具チャンネル39に挿入された際に、図5Eに示すように当て付き部80が端面66aに当て付くことで、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、図6Bに示すように内視鏡用処置具200の先端である先端部212が処置具チャンネル39の先端である先端開口部39aから所望の距離だけ基端側に配置され、処置具チャンネル39に収納され、この状態で内視鏡2を湾曲させても内視鏡用処置具200が上述したように破損しない位置である。なおこの位置は、先端部212が先端開口部39aと一致しても良いし、先端部212が先端開口部39aよりも所望な長さだけ基端側に配置されていても良い。
【0075】
次に本実施形態の動作方法について詳細に説明する。
規制部材60が挿入口40に向かって押し込まれると、脚部62は挿入口40の側面に当接し、爪部63は挿入口40の先端側面に嵌まり込み、Oリング64は挿入口40の基端側面に密着する。これにより図5Aに示すように規制部材60が挿入口40に取り付けられる。このとき処置具チャンネル39は、挿入口40を介して開口部65bと連通することになる。
【0076】
挿入部202は、規制部材60と挿入口40を介して処置具チャンネル39に挿入される。このとき挿入部202が処置具チャンネル39を容易に挿通するために、可撓管部11と湾曲部12とは非湾曲状態であることが好適である。ただし、必ずしも非湾曲状態である必要はなく、挿入部202が処置具チャンネル39を容易に挿通できれば良い。
【0077】
また挿入部202における可撓管部210が処置具チャンネル39に挿入されると、図5Aに示すように当て付き部80は端面66aに当て付く。そのため処置具チャンネル39に対する可撓管部210の挿入が、一時的に停止する。このとき可撓管部210が処置具チャンネル39に挿入される際に用いられた第1の力量、または第1の力量よりも大きい第2の力量によって、可撓管部210が処置具チャンネル39に向かって押し込まれると、図5Bに示すように端面66aが空間部68に向かって弾性変形する。よって当て付き部80は、開口部66bを通過し、図5Cに示すように規制部材60の外部から空間部68に移動する。
【0078】
なお当て付き部80が空間部68に移動すると、端面66aは、弾性材料によって形成される端面66aの弾性力によって規制部材60の外部に向かって弾性変形し、図5Cに示すように当て付き部80が開口部66bを通過する前の状態に戻る。
【0079】
また可撓管部210は押し込まれると前進し、図5Dに示すように当て付き部80は端面65aと面当接する(当て付く)。このとき内視鏡用処置具200の先端である湾曲部211(節輪224)は、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、図6Aに示すように先端開口部39aから所望に突出する。つまり当て付き部80は、図5Dに示すように端面65aと面当接することで、例えば内視鏡用処置具200が使用される際に、先端開口部39aから突出する湾曲部211(節輪224)の突出量を規定することとなる。このとき可撓管部210が第1の力量または第2の力量によって押し込まれても、端面65aと開口部65bは当て付き部80の前進を防止する。よって先端開口部39aから突出する湾曲部211(節輪224)の突出量は、当て付き部80が端面65aと面当接することで、常に同一となる。また湾曲部211(節輪224)は、先端開口部39aから突出する突出量を端面65aと開口部65bによって規制される。
【0080】
また可撓管部210は牽引されると後退し、図5Eに示すように当て付き部80は端面66aと面当接する(当て付く)。このとき内視鏡用処置具200の先端である先端部212は、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、図6Bに示すように処置具チャンネル39内における初期位置に配置される。この初期位置は、上述したように先端部212が、先端開口部39aから所望の距離だけ基端側に配置され、処置具チャンネル39に収納され、この状態で内視鏡2を湾曲させても内視鏡用処置具200が破損しない位置である。つまり当て付き部80は、図5Eに示すように端面66aと面当接することで、例えば内視鏡用処置具200が使用される前に、処置具チャンネル39内における先端部212の初期位置を設定することとなる。
【0081】
また当て付き部80は端面66aと面当接しているため、当て付き部80と端面66aは、内視鏡用処置具200が第1の力量によって牽引されても、内視鏡用処置具200が当て付き部80と端面66aとの面当接している位置よりもさらに後退することを防止している。つまり当て付き部80と端面66aとが互いに面当接することで、可撓管部210は後退することを防止され、先端部212の後退量を規制し、内視鏡用処置具200は挿入口40から引き抜かれることを防止される。
【0082】
このあと図5Dに示すように湾曲部211(節輪224)が先端開口部39aから突出すると、内視鏡用処置具200がジョイスティック205によって操作され、内視鏡2が操作部30によって操作され、体内の患部が処置される。
【0083】
処置が終了すると、内視鏡用処置具200は、処置具チャンネル39と挿入口40と規制部材60から引き抜かれる。なお内視鏡用処置具200が規制部材60から引き抜かれる際、図5Eに示すように当て付き部80が端面66aに当て付く。その際、上述したように当て付き部80が規制部材60の外部から空間部68に移動することとは逆に、第1の力量、または第2の力量によって、内視鏡用処置具200が引き抜かれることで、図5Bに示すように端面66aが規制部材60の外部に向かって弾性変形する。よって当て付き部80は、開口部66bを通過し、空間部68から規制部材60の外部に移動する。これにより内視鏡用処置具200は、規制部材60から引き抜かれる。
【0084】
この後、爪部63が挿入口40から係合解除され、脚部62は挿入口40の側面から離れ、Oリング64が挿入口40から外れる。これにより規制部材60が挿入口40から取り外される。これにより本実施形態の動作が終了する。
【0085】
なお規制部材60が挿入口40から取り外されると同時に、内視鏡用処置具200が処置具チャンネル39と挿入口40とから引き抜かれてもよい。
【0086】
このように本実施形態では、挿入口40に規制部材60を取り付け、当て付き部80を端面65a,66aに当て付けるのみで、処置具チャンネル39に対する挿入部10の進退量を規制して、先端開口部39aから突出する湾曲部211(節輪224)の突出量を容易に規制でき、処置具チャンネル39内における先端部212の初期位置を容易に設定することができる。
【0087】
また本実施形態は、当て付き部80を端面65aに当て付けることで、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、先端部212が処置具チャンネル39から術者の意図に反して必要以上に突出することを防止することができる。
【0088】
また本実施形態は、当て付き部80を端面66aに当て付けることで、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、先端部212が先端開口部39aから所望の距離だけ基端側に配置され、先端部212が処置具チャンネル39に収納され、内視鏡2を湾曲させても内視鏡用処置具200が破損しないように初期位置を設定している。
これにより本実施形態は、当て付き部80を端面66aに当て付けることで、湾曲部12が湾曲状態または非湾曲状態であっても、先端部212を処置具チャンネル39に確実に収納でき、収納された先端部212が内視鏡2の湾曲によって破損してしまうことを防止することができる。
【0089】
また本実施形態は、図4Aに示すように端面65aから端面66aまでの長さL2を、節輪224から先端部212までの長さL3より長くすることで、湾曲部211を先端開口部39aから確実に突出させることができ、先端部212を処置具チャンネル39に確実に収納することができる。
【0090】
また本実施形態は、溝81に当て付き部80を嵌め込ませることで、当て付き部80が端面65a,66aに当て付いても、溝81から抜けることを防止でき、突出量と初期位置のずれを防止することができる。
【0091】
また本実施形態は、挿入口40に規制部材60を取り付けても、処置具チャンネル39と挿入口40と規制部材60から内視鏡用処置具200を引き抜くことができる。よって本実施形態は、内視鏡用処置具200に対する洗浄性や消毒性を確保することができる。
【0092】
また本実施形態は、挿入口40から規制部材60を取り外すと同時に、内視鏡用処置具200を処置具チャンネル39と挿入口40とから引き抜くことができる。よって本実施形態は、規制部材60を取り外す動作と、内視鏡用処置具200を引き抜く動作とを一度に実施できるために、処置後の手間を省くことができる。
【0093】
なお本実施形態において、規制部材60は弾性材料によって形成され、当て付き部80は規制部材60よりも硬質な材料によって形成されることが好適としたがこれに限定する必要はない。当て付き部80は例えば弾性材料によって形成され、規制部材60は当て付き部80よりも硬質な材料によって形成されてもよい。
【0094】
本実施形態において、突出量と初期位置のずれを防止するために、溝81に当て付き部80を嵌め込ませたがこれに限定する必要はない。例えば当て付き部80は、可撓管部210の外周面に直接固着されても良い。また可撓管部210の外周には、当て付き部80と同様の突起が設けられても良い。
【0095】
本実施形態において端面66aは、図7に示すように開口部66bの周縁に沿って形成される切り欠き部66cを有していてもよい。なお図7において、爪部63側における可撓管部210の図示を簡略化のため省略している。
【0096】
これにより端面66aは当て付き部80によって弾性変形する際に、端面66aは切り欠き部66cによって容易に押し広げられる。よって本実施形態は、開口部66bに対して当て付き部80を容易に通過させることができ、規制部材60に対して当て付き部80を含む内視鏡用処置具200を容易に挿入または抜去することができる。
【0097】
次に本実施形態における第1の変形例について図8A乃至図8Fと図9A乃至図9Cと図10A乃至図10Cとを参照して説明する。
本変形例において、図8Aに示すように当て付き部80と開口部66bとは、内視鏡用処置具200の挿入方向に向かって先細で径が縮径しているテーパ形状を有している。テーパ形状を有している当て付き部80は、テーパ形状を有している開口部66bを挿通可能である。
【0098】
図8Bに示すように本変形例における規制部材60は、例えば中空な角柱形状を有している。そのため図8A乃至図8Cに示すように規制部材60は、脚部62と爪部63とを有しておらず、例えばビス42など締結部材によって先端面69に対して着脱自在に取り付け可能な先端取付部材70を有している。
【0099】
図8Cに示すように先端取付部材70は、規制部材60の長手軸方向に対して直交する方向から平面視した際に、略コの字形状を有している。先端取付部材70は、先端取付部材70を平面視した際に相対するコの字の辺の一方である第1の脚部(脚部71a)と、先端取付部材70を平面視した際に相対するコの字の辺の他方である第2の脚部(脚部71b)と、脚部71aと脚部71bとの間に形成される溝部71cとを有している。先端取付部材70が先端面69に取り付けられる際に、脚部71aと脚部71bとは、先端面69に当接する。
【0100】
また先端取付部材70は、ビス42が係合するための4つの係合口72と、内視鏡用処置具200(可撓管部210)が貫通可能な貫通口73とを有している。係合口72と貫通口73とは、規制部材60の長手軸方向において、先端取付部材70を貫通している。貫通口73は先端取付部材70の略中央に配置されており、係合口72は貫通口73の周辺に配置されている。
【0101】
図8Aと図8Bに示すように本変形例における端面65aは、規制部材60の中端61cに配置されている。端面65aの先端側には、Oリング64が配置されている。
【0102】
図8Bに示すように規制部材60の先端61aの内側には、空間部68と連通し、空間部68と同様に内視鏡用処置具200(可撓管部210)が挿通可能な空間部68aが形成されている。先端取付部材70が取り付けられる先端面69には、先端面69の略中央に配置され、空間部68aに連通し、内視鏡用処置具200(可撓管部210)が貫通可能な貫通口69aと、貫通口69aの周辺に配置され、先端取付部材70を先端面69に取り付けるビス42が係合するための4つの係合口69bとが配設されている。貫通口69aの直径D6は、挿入口40の外径D7と略同一であり、規制部材60の長手軸方向に対して略直交する方向における空間部68aの長さである。
【0103】
貫通口69aは、貫通口73に対向し、貫通口73と同じ大きさである。係合口69bは、係合口72に対向する。
【0104】
次に本変形例の規制部材60を挿入口40に着脱自在に取り付ける止め金具90について図8D乃至図8Fを参照して説明する。止め金具90は、規制部材60の長手軸方向に対して直交する方向において溝部71cをスライドすることで規制部材60を挿入口40に着脱自在に取り付ける。止め金具90の幅の長さL4は、図8Cに示す溝部71c幅の長さL5よりも短い。なお長さL4は、長さL5と略同一であることが好適である。
【0105】
止め金具90は、挿入口40の外径を貫通可能な貫通口90aと、貫通口90aを貫通した止め金具90が規制部材60の長手軸方向に対して直交する方向にスライドすることで、挿入口40における円筒部41と係合する係合口90bとを有している。
【0106】
貫通口90aの直径D8は、挿入口40の外径D7よりも大きい。また係合口90bの直径D9は、挿入口40の外径D7よりも小さく、円筒部41の外径D10と略同一である。
【0107】
貫通口90aは、規制部材60を挿入口40から着脱自在に取り付ける際に用いられる。また係合口90bは、貫通口90aと連通し、規制部材60を挿入口40に取り付ける際に用いられる。つまり止め金具90とOリング64とは、規制部材60が挿入口40に着脱自在に取り付けられるための取り付け部である。図8Aと図8Fに示すように止め金具90は、貫通口90aの周辺部90cにおいて、係合口90bから貫通口90aに向かって先細なテーパ形状を有している。
【0108】
次に本変形例における規制部材60の取り付け方法について図9Aと図9Bを参照して説明する。
止め金具90が溝部71cに配置された状態において、脚部71aと脚部71bとが先端面69に当接される。次にビス42が係合口72と係合口69bとに係合されると、図9Aに示すように先端取付部材70は先端面69に取り付けられる。このとき、貫通口90aは貫通口73と貫通口69aに対向している。
【0109】
貫通口73が挿入口40に向かって移動すると、挿入口40は空間部68aに配置されOリング64に当接し、円筒部41は貫通口73に配置される。貫通口69aの直径D6(空間部68aの長さ)と挿入口40の外径D7は、略同一であるため、規制部材60は挿入口40に対して規制部材60の長手軸方向に対して略直交する方向にずれることが防止される。
【0110】
図9Bに示すように止め金具90が規制部材60の長手軸方向に対して直交する方向において溝部71cをスライドすることで、円筒部41は係合口90bと係合する。なお周辺部90cがテーパ形状であるために、止め金具90は滑らかにスライドする。またその際、周辺部90cは挿入口40をOリング64に向かって押圧することとなる。
【0111】
これにより規制部材60は、止め金具90によって挿入口40にがたつくことなく取り付けられる。
【0112】
なお本変形例において止め金具90は、図9Cに示すようにOリング64の弾性力によって止め金具90がスライドし係合口90bが円筒部41から抜けることを防止する爪部91を有していてもよい。
【0113】
本変形例において当て付き部80が規制部材60の外部から空間部68に移動する状態を図10A乃至図10Cに示すが、このときの動作方法は、上述した図5A乃至図5Cと略同様であるため、詳細な説明は省略する。また当て付き部80が端面65a,66aに当て付く状態も、上述した図5D乃至図5Eと略同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0114】
これにより本変形例は、テーパ形状によって当て付き部80を規制部材60の外部から空間部68に容易に挿入させることができ、規制部材60を介して処置具チャンネル39に挿入部202を容易に挿入することができる。なお本変形例において、当て付き部80と開口部66bとの一方のみがテーパ形状を有してもよい。
また本変形例は、止め金具90を規制部材60の長手軸方向に対して直交する方向にスライドさせることで、規制部材60を挿入口40に着脱自在に容易に取り付けることができる。また周辺部90cは挿入口40をOリング64に向かって押圧するため、本変形例は、規制部材60を止め金具90によって挿入口40にがたつくことなく取り付けることができる。
【0115】
次に本実施形態における第2の変形例について図11を参照して説明する。
本変形例において、図11に示すように当て付き部80の周縁部にはおねじであるネジ溝80aが形成され、開口部66bの周縁部にはめねじであるネジ溝66dが形成されている。
また規制部材60は、爪部63とOリング64ではなく、取り付け機構94によって挿入口40に着脱自在に取り付けられる。取り付け機構94は、例えば、脚部62の内周面に形成されるめねじであるネジ溝62aと、挿入口40の周縁部に形成されるおねじであるネジ溝40aとを有している。
【0116】
これにより本変形例は、当て付き部80を開口部66bにねじ込むことで、開口部66bに対して当て付き部80を容易に通過させることができ、規制部材60に対して可撓管部210を容易に挿入または抜去することができる。また本変形例は、ねじ込むことで、開口部66bに対して当て付き部80を容易に通過させることができるため、上述した第2の力量を用いることなく、第1の力量のみで規制部材60に対して内視鏡用処置具200を容易に挿入または抜去することができる。
【0117】
また本変形例は、脚部62を介して規制部材60を挿入口40にねじ込むことで、より強固に挿入口40に対して規制部材60を着脱自在に取り付けることができる。
【0118】
また当て付き部80と規制部材60とは、ネジ溝62a,66d,80aのために、硬質な金属等によって形成されていてもよい。
【0119】
次に本実施形態における第3の変形例について図12A乃至図12Dを参照して説明する。
本変形例において、当て付き部80は、図12Aに示すように周方向に例えば2つに分割可能である。当て付き部80は、分割したのち再び係合するための係合部82と、溝81に嵌るための突起部83と、を有している。なお分割する数は、限定されない。
【0120】
また可撓管部210には、図12Bに示すように複数の溝81が形成されている。本変形例の当て付き部80は、図12B乃至図12Dに示すように可撓管部210の長手軸方向に沿って、移動可能であり、一方の溝81から他方の溝81へと配置変換可能である。
これにより本変形例は、溝81によって、処置具チャンネル39内における先端部212の初期位置を多段に調整可能である。
【0121】
次に本実施形態における第4の変形例について図13A乃至図13Dを参照して説明する。
本変形例において当て付き部80は、切り欠き部85を有する略C形状の弾性体である弾性リングであってもよい。当て付き部80は、切り欠き部85を介して可撓管部210に着脱自在に嵌め込まれる。これにより本変形例は、可撓管部210に対して当て付き部80を着脱自在とすることで、当て付き部80を再利用することができる。
【0122】
なお上述した一実施形態と各変形例において、挿入口40に取り付けられた規制部材60には、図14Aに示すように内視鏡用処置具200を内視鏡2の外部である駆動制御部203から挿入口40を介して処置具チャンネル39までガイドするガイドチューブ(ガイドパイプ)100が着脱自在に取り付けられていてもよい。このときガイドチューブ100は、端面66aに着脱自在に取り付けられればよい。
【0123】
次に本実施形態における第5の変形例について図15を参照して説明する。
上述した一実施形態と各変形例において、内視鏡用処置具200(挿入部202)を体内へとガイドする体内ガイド部材となるオーバーチューブ101が用いられても良い。
オーバーチューブ101は、内視鏡用処置具200を挿通可能な処置具チャンネル103と、内視鏡2を挿通可能な内視鏡チャンネル104とを備えている。
【0124】
処置具チャンネル103には、先端であり内視鏡用処置具200が突出するための突出口である先端開口部103aと、基端である内視鏡用処置具200が処置具チャンネル103に挿入するための挿入口103bとが配設されている。先端開口部103aは、処置具チャンネル103を通じて挿入口103bに連通している。挿入口103bと処置具チャンネル103と先端開口部103aとには、内視鏡用処置具200が挿通する。
【0125】
挿入口103bは挿入口40と同様である。そのため挿入口103bには、上述した一実施形態と各変形例と同様に規制部材60が着脱自在に取り付けられる。また処置具チャンネル103は処置具チャンネル39と同様であり、先端開口部103aは先端開口部39aと同様である。
すなわちオーバーチューブ101の構造および作用は、内視鏡2を挿通可能な内視鏡チャンネル104が備えられている点を除き、処置具チャンネル39を備えた内視鏡2の構造および作用と実質的に同一である。
【0126】
また内視鏡チャンネル104には、先端であり内視鏡2が突出するための突出口である先端開口部104aと、基端である内視鏡2が内視鏡チャンネル104に挿入するための挿入口104bとが配設されている。先端開口部104aは、内視鏡チャンネル104を通じて挿入口104bに連通している。挿入口104bと内視鏡チャンネル104と先端開口部104aとには、内視鏡2が挿通する。
【0127】
また図16は、第5の変形例と構成の軌を一にした外付けチャンネル105の斜視図である。外付けチャンネル105は、第5の実施例と同様に、上述した一実施形態と各変形例において内視鏡用処置具200(挿入部202)を体内へとガイドする体内ガイド部材である。外付けチャンネル105は、内視鏡用処置具200(挿入部202)を挿入可能な処置具チャンネル(図示しない)を有しており、内視鏡2に取り付けて使用する。処置具チャンネルの図示しない挿入口に規制部材60が着脱自在に取り付けられる点は、第5の変形例と同様である。
【0128】
(付記)
前記の具体的実施形態から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
【0129】
(1) 体内に挿入される内視鏡用処置具が、前記内視鏡用処置具を前記体内へとガイドする体内ガイド部材に配設される挿入口と前記挿入口に連通する処置具チャンネルとを挿通することで前記体内ガイド部材によって前記体内にガイドされ、ガイドされた前記内視鏡用処置具の先端が前記処置具チャンネルの先端に対して進退移動する際に、前記処置具チャンネルの先端に対する前記内視鏡用処置具の先端の進退量を規制する医療用進退量規制機構であって、
前記挿入口に着脱自在に取り付けられ、前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネルに向かって挿通可能で、前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネル内を進退移動する際に前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する先端側端面と基端側端面とを有する規制部材と、
前記内視鏡用処置具に配設され、前記内視鏡用処置具が前記規制部材を挿通し前記規制部材に対して進退移動する際に前記先端側端面と前記基端側端面とのいずれか一方に当て付き、前記先端側端面に当て付くことで前記処置具チャンネルの先端から突出する前記内視鏡用処置具の先端の突出量を規制し、前記基端側端面に当て付くことで前記内視鏡用処置具の先端の後退量を規制し前記処置具チャンネル内における前記内視鏡用処置具の先端の初期位置を設定する当て付き部と、
を具備することを特徴とする医療用進退量規制機構。
【0130】
(実施形態との対応)
この(1)に記載の医療用進退量規制機構に関する実施形態は、例えば一実施形態と第1乃至第5の変形例が対応する。例えば一実施形態と各変形例において、内視鏡用処置具200が上記内視鏡用処置具に、内視鏡2とオーバーチューブ101とが上記体内ガイド部材にそれぞれ対応する。
【0131】
(作用効果)
この(1)に記載の医療用進退量規制機構によれば、例えば処置具チャンネルに対する内視鏡用処置具の進退量を規制して、処置具チャンネルの先端から突出する内視鏡用処置具の先端の突出量を容易に規制でき、処置具チャンネル内における内視鏡用処置具の先端の初期位置を容易に設定することができる。
【0132】
(2) 前記当て付き部は、前記先端側端面に当て付くことで、前記体内ガイド部材が湾曲状態または非湾曲状態であっても、前記内視鏡用処置具の先端に対する前記処置具チャンネルの先端の前記突出量を規制し、前記内視鏡用処置具の先端から前記処置具チャンネルの先端を所望な量だけ突出させることを特徴とする(1)に記載の医療用進退量規制機構。
【0133】
(作用効果)
この(2)に記載の医療用進退量規制機構によれば、例えば当て付き部を先端側端面に当て付けることで、体内ガイド部材が湾曲状態または非湾曲状態であっても、内視鏡用処置具の先端が処置具チャンネルから術者の意図に反して必要以上に突出することを防止することができる。
【0134】
(3) 前記当て付き部は、前記基端側端面に当て付くことで、前記体内ガイド部材が湾曲状態または非湾曲状態であっても、前記内視鏡用処置具の先端が前記処置具チャンネルの先端から所望の距離だけ基端側に配置され、前記処置具チャンネル内に収納される位置である前記初期位置を設定する(1)に記載の医療用進退量規制機構。
【0135】
(作用効果)
この(3)に記載の医療用進退量規制機構によれば、例えば当て付き部を基端側端面に当て付けることで、体内ガイド部材が湾曲状態または非湾曲状態であっても、内視鏡用処置具の先端が処置具チャンネルに確実に収納でき、収納された内視鏡用処置具の先端が術者の意図に反して処置具チャンネルの内周面に接触し破損してしまうことを防止することができる。
【0136】
(4) 前記当て付き部が進退移動可能な前記先端側端面から前記基端側端面までの長さは、前記内視鏡用処置具に配設され湾曲可能な湾曲部から前記内視鏡用処置具の先端までの長さよりも長いことを特徴とする(1)に記載の医療用進退量規制機構。
【0137】
(実施形態との対応)
例えば一実施形態において、端面65aから端面66aまでの長さL2が上記前記先端側端面から前記基端側端面までの長さに、湾曲部211(節輪224)と湾曲部12が上記湾曲部に、節輪224から先端部212までの長さL3が上記湾曲部から前記内視鏡用処置具の先端までの長さに、それぞれ対応する。
【0138】
(作用効果)
この(4)に記載の医療用進退量規制機構によれば、例えば湾曲部を処置具チャンネルの先端から確実に突出させることができ、内視鏡用処置具の先端を処置具チャンネル内に確実に収納することができる。
【0139】
(5) 体内に挿入される内視鏡用処置具が、前記内視鏡用処置具を前記体内へとガイドする体内ガイド部材に配設される挿入口と前記挿入口に連通する処置具チャンネルとを挿通することで前記体内ガイド部材によって前記体内にガイドされ、ガイドされた前記内視鏡用処置具の先端が前記チャンネルの先端に対して進退移動する際に、前記処置具チャンネルの先端に対する前記内視鏡用処置具の先端の進退量を規制する医療用進退量規制方法であって、
前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネルに向かって挿通可能で、前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネル内を進退移動する際に前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する先端側端面と基端側端面とを有する規制部材を前記挿入口に着脱自在に取り付ける第1の工程と、
前記内視鏡用処置具を前記規制部材と前記挿入口を介して前記処置具チャンネルに挿通させる第2の工程と、
前記内視鏡用処置具に配設され、前記内視鏡用処置具が前記規制部材を挿通し前記規制部材に対して進退移動する際に前記先端側端面と前記基端側端面とのいずれか一方に当て付く当て付き部を前記先端側端面に当て付けて前記処置具チャンネルの先端から突出する前記内視鏡用処置具の先端の突出量を規制する第3の工程と、
前記当て付き部を前記基端側端面に当て付けて前記内視鏡用処置具の先端の後退量を規制し前記処置具チャンネル内における前記内視鏡用処置具の先端の初期位置を設定する第4の工程と、
を具備することを特徴とする医療用進退量規制方法。
【0140】
(実施形態との対応)
この(5)に記載の医療用進退量規制方法に関する実施形態は、例えば一実施形態と第1乃至第5の変形例が対応する。(5)に記載の医療用進退量規制方法における各構成部材は、上述した(1)に記載の医療用進退量規制機構の構成部材と略同様である。
また例えば一実施形態と各変形例において、図5Aに示す状態が上記第1の工程に、図5Aと図5Bと図5Cに示す状態が上記第2の工程に、図5Dに示す状態が上記第3の工程に、図5Eに示す状態が上記第4の工程に、それぞれ対応する。
【0141】
このように本発明は、上記実施形態と変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る内視鏡システムを概略的に示す図である。
【図2】図2は、湾曲部の湾曲状態を示す図である。
【図3】図3は、内視鏡用処置具を概略的に示す斜視図である。
【図4A】図4Aは、規制部材が挿入口に取り付けられ、内視鏡用処置具が規制部材と挿入口と処置具チャンネルとを挿通し、当て付き部が空間に配置されている状態を示す断面図である。
【図4B】図4Bは、規制部材の斜視図である。
【図4C】図4Cは、可撓管部の側面図である。
【図5A】図5Aは、当て付き部が規制部材の外部から空間に移動する状態を示す図である。
【図5B】図5Bは、当て付き部が規制部材の外部から空間に移動する状態を示す図である。
【図5C】図5Cは、当て付き部が空間部に配置されている状態を示す図である。
【図5D】図5Dは、当て付き部が先端側端面に面当接している状態を示す図である。
【図5E】図5Eは、当て付き部が基端側端面に面当接している状態を示す図である。
【図6A】図6Aは、処置具チャンネルから突出する内視鏡用処置具の先端の突出量について説明している図である。
【図6B】図6Bは、内視鏡用処置具の先端の初期位置について説明している図である。
【図7】図7は、開口部の周縁に沿って形成される切り欠き部を有する規制部材の斜視図である。
【図8A】図8Aは、第1の変形例における規制部材が挿入口に取り付けられ、内視鏡用処置具が規制部材と挿入口と処置具チャンネルとを挿通し、当て付き部が空間に配置されている状態を示す断面図である。
【図8B】図8Bは、第1の変形例における規制部材の断面図である。
【図8C】図8Cは、第1の変形例における規制部材の斜視図である。
【図8D】図8Dは、止め金具の斜視図である。
【図8E】図8Eは、止め金具の正面図である。
【図8F】図8Fは、止め金具の断面図である。
【図9A】図9Aは、第1の変形例において、規制部材が挿入口に取り付けられる状態を示す図である。
【図9B】図9Bは、第1の変形例において、規制部材が挿入口に取り付けられる状態を示す図である。
【図9C】図9Cは、第1の変形例において、爪部を有する規制部材を示す図である。
【図10A】図10Aは、第1の変形例において、当て付き部が規制部材の外部から空間に移動する状態を示す図である。
【図10B】図10Bは、第1の変形例において、当て付き部が規制部材の外部から空間に移動する状態を示す図である。
【図10C】図10Cは、第1の変形例において、当て付き部が空間部に配置されている状態を示す図である。
【図11】図11は、第2の変形例における規制部材が挿入口に取り付けられ、内視鏡用処置具が規制部材と挿入口と処置具チャンネルとを挿通し、当て付き部が空間に配置されている状態を示す断面図である。
【図12A】図12Aは、第3の変形例における当て付き部の断面図である。
【図12B】図12Bは、第3の変形例において、複数の溝を有する可撓管部と、一方の溝に嵌め込まれた当て付き部との状態を示す図である。
【図12C】図12Cは、第3の変形例において、一方の溝から他方の溝に移動する当て付き部と、可撓管部との状態を示す図である。
【図12D】図12Dは、第3の変形例において、可撓管部と、他方の溝に嵌め込まれた当て付き部との状態を示す図である。
【図13A】図13Aは、第4の変形例における当て付き部と、当て付き部が嵌め込まれた可撓管部との断面図である。
【図13B】図13Bは、第4の変形例における当て付き部と、当て付き部が嵌め込まれた可撓管部との斜視図である。
【図13C】図13Cは、可撓管部から当て付き部を取り外す状態を示す図である。
【図13D】図13Dは、第4の変形例における当て付き部と、当て付き部が取り外された可撓管部とを示す図である。
【図14】図14は、挿入口に取り付けられた第2の変形例における規制部材にガイドチューブを取り付けた状態を示す断面図である。
【図15】図15は、第5の変形例におけるオーバーチューブの斜視図である。
【図16】図16は、第5の変形例と構成の軌を一にした外付けチャンネルの斜視図である。
【符号の説明】
【0143】
2…内視鏡、10…挿入部、11…可撓管部、12…湾曲部、13…先端硬性部、13a…先端面、39…処置具チャンネル、39a…先端開口部、40…挿入口、50…医療用進退量規制機構、60…規制部材、62…脚部、63…爪部、64…Oリング、65a…端面、65b…開口部、66a…端面、66b…開口部、68…空間部、80…当て付き部、100…ガイドチューブ、101…オーバーチューブ、103…処置具チャンネル、103a…先端開口部、103b…挿入口、104…内視鏡チャンネル、105…外付けチャンネル、200…内視鏡用処置具、202…挿入部、210…可撓管部、211…湾曲部、212…先端部、213…把持鉗子、221,222,223,224…節輪。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内ガイド部材によって体内へとガイドされる内視鏡用処置具が挿通可能な前記体内ガイド部材に配設される処置具チャンネルと連通する挿入口に着脱自在に取り付けられ、前記体内ガイド部材に対する前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する医療用進退量規制機構であって、
前記内視鏡用処置具が挿通可能な第1の開口部を有し、前記処置具チャンネルに接続される先端側端面と、前記内視鏡用処置具が挿通可能な第2の開口部を有する基端側端面と、を含む規制部材と、
前記内視鏡用処置具に配設され、前記第2の開口部を挿通し、前記前記先端側端面と前記基端側端面との間を進退移動することで、前記体内ガイド部材に対する前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する当て付き部と、
を具備することを特徴とする医療用進退量規制機構。
【請求項2】
前記当て付き部は、前記先端側端面に当て付くことで、前記体内ガイド部材が湾曲状態または非湾曲状態であっても、前記内視鏡用処置具の先端の前記処置具チャンネルの先端に対する前記突出量を規制し、前記内視鏡用処置具の先端を前記処置具チャンネルの先端から所望な量だけ突出させることを特徴とする請求項1に記載の医療用進退量規制機構。
【請求項3】
前記当て付き部は、前記基端側端面に当て付くことで、前記体内ガイド部材が湾曲状態または非湾曲状態であっても、前記内視鏡用処置具の先端が前記処置具チャンネルの先端から所望の距離だけ基端側に配置され、前記処置具チャンネル内に収納される位置である前記初期位置を設定することを特徴とする請求項1に記載の医療用進退量規制機構。
【請求項4】
前記当て付き部が進退移動可能な前記先端側端面から前記基端側端面までの長さは、前記内視鏡用処置具に配設され湾曲可能な湾曲部の基端側から前記内視鏡用処置具の先端までの長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の医療用進退量規制機構。
【請求項5】
体内ガイド部材によって体内へとガイドされる内視鏡用処置具が挿通可能な前記体内ガイド部材に配設される処置具チャンネルと連通する挿入口に着脱自在に取り付けられ、前記体内ガイド部材に対する前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する医療用進退量規制方法であって、
前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネルに向かって挿通可能で、前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネル内を進退移動する際に前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する先端側端面と基端側端面とを有する規制部材を前記挿入口に着脱自在に取り付ける第1の工程と、
前記内視鏡用処置具を前記規制部材と前記挿入口を介して前記処置具チャンネルに挿通させる第2の工程と、
前記内視鏡用処置具に配設され、前記内視鏡用処置具が前記規制部材を挿通し前記規制部材に対して進退移動する際に前記先端側端面と前記基端側端面とのいずれか一方に当て付く当て付き部を前記先端側端面に当て付けて前記処置具チャンネルの先端から突出する前記内視鏡用処置具の先端の突出量を規制する第3の工程と、
前記当て付き部を前記基端側端面に当て付けて前記内視鏡用処置具の先端の後退量を規制し前記処置具チャンネル内における前記内視鏡用処置具の先端の初期位置を設定する第4の工程と、
を具備することを特徴とする医療用進退量規制方法。
【請求項1】
体内ガイド部材によって体内へとガイドされる内視鏡用処置具が挿通可能な前記体内ガイド部材に配設される処置具チャンネルと連通する挿入口に着脱自在に取り付けられ、前記体内ガイド部材に対する前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する医療用進退量規制機構であって、
前記内視鏡用処置具が挿通可能な第1の開口部を有し、前記処置具チャンネルに接続される先端側端面と、前記内視鏡用処置具が挿通可能な第2の開口部を有する基端側端面と、を含む規制部材と、
前記内視鏡用処置具に配設され、前記第2の開口部を挿通し、前記前記先端側端面と前記基端側端面との間を進退移動することで、前記体内ガイド部材に対する前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する当て付き部と、
を具備することを特徴とする医療用進退量規制機構。
【請求項2】
前記当て付き部は、前記先端側端面に当て付くことで、前記体内ガイド部材が湾曲状態または非湾曲状態であっても、前記内視鏡用処置具の先端の前記処置具チャンネルの先端に対する前記突出量を規制し、前記内視鏡用処置具の先端を前記処置具チャンネルの先端から所望な量だけ突出させることを特徴とする請求項1に記載の医療用進退量規制機構。
【請求項3】
前記当て付き部は、前記基端側端面に当て付くことで、前記体内ガイド部材が湾曲状態または非湾曲状態であっても、前記内視鏡用処置具の先端が前記処置具チャンネルの先端から所望の距離だけ基端側に配置され、前記処置具チャンネル内に収納される位置である前記初期位置を設定することを特徴とする請求項1に記載の医療用進退量規制機構。
【請求項4】
前記当て付き部が進退移動可能な前記先端側端面から前記基端側端面までの長さは、前記内視鏡用処置具に配設され湾曲可能な湾曲部の基端側から前記内視鏡用処置具の先端までの長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の医療用進退量規制機構。
【請求項5】
体内ガイド部材によって体内へとガイドされる内視鏡用処置具が挿通可能な前記体内ガイド部材に配設される処置具チャンネルと連通する挿入口に着脱自在に取り付けられ、前記体内ガイド部材に対する前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する医療用進退量規制方法であって、
前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネルに向かって挿通可能で、前記内視鏡用処置具が前記処置具チャンネル内を進退移動する際に前記内視鏡用処置具の進退移動を規制する先端側端面と基端側端面とを有する規制部材を前記挿入口に着脱自在に取り付ける第1の工程と、
前記内視鏡用処置具を前記規制部材と前記挿入口を介して前記処置具チャンネルに挿通させる第2の工程と、
前記内視鏡用処置具に配設され、前記内視鏡用処置具が前記規制部材を挿通し前記規制部材に対して進退移動する際に前記先端側端面と前記基端側端面とのいずれか一方に当て付く当て付き部を前記先端側端面に当て付けて前記処置具チャンネルの先端から突出する前記内視鏡用処置具の先端の突出量を規制する第3の工程と、
前記当て付き部を前記基端側端面に当て付けて前記内視鏡用処置具の先端の後退量を規制し前記処置具チャンネル内における前記内視鏡用処置具の先端の初期位置を設定する第4の工程と、
を具備することを特徴とする医療用進退量規制方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−69003(P2010−69003A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239507(P2008−239507)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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