説明

印刷インキ用バインダー及びこれを用いた印刷インキ

【課題】 トルエンを含まず、再溶解性に優れた印刷インキを与えることの可能な印刷インキ用バインダーを提供する。
【解決手段】 活性水素成分(A)と、炭素数4〜16の脂肪族ポリイソシアネート(B1)、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(B2)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(B3)及びこれらの変性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)からなる印刷インキ用バインダーであって、前記活性水素成分(A)が、前記活性水素成分(A)と前記有機ポリイソシアネート(B)の合計重量に基づいて、0.2〜3重量%の数平均分子量又は化学式量が300以下の分岐を有する低分子ジオール(a21)と1〜8重量%の炭素数4〜16の複素環式ジアミン(a31)とを含有することを特徴とする印刷インキ用バインダー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷インキ用バインダーに関する。更に詳しくは、インキの再溶解性に優れたプラスチックフィルムの印刷に適した印刷インキ用バインダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックフィルム用の印刷インキの溶剤として、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)及び酢酸エチル等の溶剤が混合使用されてきた。このなかでもトルエンは安価でしかも比較的高沸点であるために、印刷時にグラビア版上のインキの乾燥を押さえ、フィルムへ転移せずに残存したグラビア版のセル中のインキが、インキパン中の新インキと接触して、十分に再溶解することにより、セルの版詰まりを防ぐのに好適な溶剤であり、印刷インキの主溶剤として使用されてきた。これらトルエンを含有する溶剤を使用した印刷インキで再溶解性の良いバインダーとしては、3−メチルペンタンアジペートジオールを使用したポリウレタン樹脂が知られている。(特許文献1)
【0003】
しかしながら、近年、労働安全衛生法の改正でトルエンの環境濃度規制が強化され、印刷作業環境の改善が必要となり、またトルエンは比較的高沸点であるために印刷物中に多く残留する傾向にあり、PL法施行後、残留溶剤の低減が必要となり、トルエンを含まない溶剤系の印刷インキの要望が大きくなった。トルエンを使用せずMEK及び酢酸エチル等の溶剤だけを使用して、従来のポリエステル系ポリウレタン樹脂をバインダーとして用いた印刷インキは、溶剤の乾燥が速いためにグラビア版のセル中に残存したインキがインキパン中の新インキと接触するまでに乾燥し、十分に再溶解せずに版詰まりを起こし、深度の浅い版では印刷できなくなる等の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−161065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、本発明の目的はトルエンを含まず、再溶解性に優れた印刷インキを与えることの可能な印刷インキ用バインダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は活性水素成分(A)と、炭素数4〜16の脂肪族ポリイソシアネート(B1)、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(B2)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(B3)及びこれらの変性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)からなる印刷インキ用バインダーであって、前記活性水素成分(A)が、前記活性水素成分(A)と前記有機ポリイソシアネート(B)の合計重量に基づいて、0.2〜3重量%の数平均分子量又は化学式量が300以下の分岐を有する低分子ジオール(a21)と1〜8重量%の炭素数4〜16の複素環式ジアミン(a31)とを含有することを特徴とする印刷インキ用バインダー並びに該印刷インキ用バインダーを用いてなる印刷インキである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のバインダーを用いた印刷インキは、従来のポリエステル系ポリウレタン樹脂を用いた印刷インキに比べ、トルエンを含まないインキ溶剤を使用しても、再溶解性に優れており、印刷時にグラビア版のセル中に残存するインキが再溶解され、版の目詰まりが非常に少ない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の印刷インキ用バインダーは、活性水素成分(A)と、炭素数4〜16の脂肪族ポリイソシアネート(B1)、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(B2)及び炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(B3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)からなり、前記活性水素成分(A)が、前記活性水素成分(A)と前記有機ポリイソシアネート(B)の合計重量に基づいて、0.2〜3重量%の数平均分子量(以下、Mnと略記)又は化学式量が300以下の分岐を有する低分子ジオール(a21)と1〜8重量%の炭素数4〜16の複素環式ジアミン(a31)とを含有することを特徴とする。
尚、本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、テトラヒドロフランを溶媒とし、ポリエチエレングリコールを標準として測定される。
【0009】
本発明における活性水素成分(A)としては、Mnが300を超える高分子ポリオール(a1)、Mn又は化学式量が300以下の低分子ジオール(a2)、炭素数2〜16のジアミン(a3)及び反応停止剤(a4)等が挙げられる。
(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)はそれぞれ1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0010】
Mnが300を超える高分子ポリオール(a1)としては、公知のポリエステルジオール(ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリ3−メチルペンチレンアジペートジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリヘキサメチレンカーボネートジオール等)等及び公知のポリエーテルポリオール[ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン(ブロック及び/又はランダム)グリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシブチレン−ポリオキシエチレン(ブロック及び/又はランダム)グリコール、ポリオキシブチレン−ポリオキシプロピレン(ブロック及び/又はランダム)グリコール並びにビスフェノールAのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等]等が挙げられる。
高分子ポリオール(a1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0011】
Mn又は化学式量が300以下の低分子ジオール(a2)としては、分岐を有するジオール(a21)及び直鎖のジオール(a22)が挙げられる。
【0012】
Mn又は化学式量が300以下の分岐を有する低分子ジオール(a21)としては、1,2−プロピレングリコール、4−オキサヘプタン−2,6−ジオール、1,2−、1,3−、又は2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−、1,4−又は2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−、1,5−又は2,5−ヘキサンジオール、2−又は3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−又は3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、2−、3−又は4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、3−又は4−メチル−1,8−オクタンジオール及びネオペンチルグリコール等が挙げられる。
【0013】
これらの内、ポリウレタン樹脂(U)の溶剤への再溶解性の観点から好ましいのは、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、4−オキサヘプタン−2,6−ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール及びネオペンチルグリコール、更に好ましいのは、1,2−プロピレングリコール及び1,3−ブタンジオールである。
【0014】
本発明における活性水素成分(A)は、得られるポリウレタン樹脂(U)の溶剤への再溶解性の観点から、活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)の合計重量に基づいて、Mn又は化学式量が300以下の分岐を有する低分子ジオール(a21)を0.2〜3重量%含有することが必要であり、1〜2重量%含有することが好ましい。
【0015】
Mn又は化学式量が300以下の直鎖の低分子ジオール(a22)としては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール及び1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。
【0016】
Mn又は化学式量が300以下の低分子ジオール(a2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0017】
炭素数2〜16のジアミン(a3)としては、炭素数4〜16の複素環式ジアミン(a31)及び炭素数2〜16の直鎖、分岐又は脂環式のジアミン(a32)が挙げられる。
【0018】
炭素数4〜16の複素環式ジアミン(a31)としては、ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(3−アミノプロピル)ピペラジン、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン及び1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等が挙げられる。これらの内、ポリウレタン樹脂(U)の溶剤への再溶解性の観点から好ましいのは1−(2−アミノエチル)ピペラジン及び1−(3−アミノプロピル)ピペラジンである。
【0019】
本発明における活性水素成分(A)は、得られるポリウレタン樹脂(U)の溶剤への再溶解性の観点から、活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)の合計重量に基づいて、炭素数4〜16の複素環式ジアミン(a31)を1〜8重量%含有することが必要であり、3〜6重量%含有することが好ましい。
【0020】
炭素数2〜16の直鎖、分岐又は脂環式のジアミン(a32)としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びイソホロンジアミン等が挙げられる。
炭素数2〜16のジアミン(a3)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】
反応停止剤(a4)としては、炭素数1〜10のモノアルコール(メタノール、プロパノール、ブタノール及び2−エチルヘキサノール等)、炭素数2〜8のモノアミン[炭素数2〜8のモノ又はジアルキルアミン(n−ブチルアミン及びジ−n−ブチルアミン等)、炭素数2〜6のモノ又はジアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びプロパノールアミン等)]等が挙げられる。これらの内、好ましいのは炭素数2〜6のモノ又はジアルカノールアミンである。
反応停止剤(a4)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0022】
本発明における有機ジイソシアネート(B)としては、炭素数4〜16の脂肪族ジイソシアネート(B1)[テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等];炭素数6〜18の脂環式ジイソシアネート(B2)[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHI)及びメチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)等];炭素数10〜18の芳香脂肪族ジイソシアネート(B3)[キシリレンジイソシアネート(XDI)及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等];及びこれらの有機ジイソシアネートの変性体(例えばウレトジオン、イソシアヌレート、ビュレット及びカーボジイミド等の変性体)等が挙げられる。
【0023】
これらの内で耐候性の観点から好ましいのは、炭素数4〜16の脂肪族ポリイソシアネート(B1)及び脂肪族炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(B2)、更にポリウレタン樹脂(U)の機械物性の観点から好ましいのはHDI、IPDI及び水添MDI、特に好ましいのはIPDI及び水添MDIである。
有機ポリイソシアネート(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させてポリウレタン樹脂(U)を製造する方法は特に制限されず、(A)と(B)を一度に反応させるワンショット法又は段階的に反応させる多段法[例えば(B)と(A)の一部とを反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、活性水素化合物の残量を加えて更に反応させて製造する方法等]のいずれの方法でもよいが、バインダーの接着性の観点からはイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、炭素数2〜16のジアミン(a3)を用いてポリウレタン分子鎖の末端にアミノ基を導入できることから多段法が好ましい。
【0025】
ポリウレタン樹脂(U)の製造に当たって、有機ポリイソシアネート(B)のNCO基と、活性水素成分(A)の活性水素含有基の当量比(NCO基:活性水素含有基)は、通常0.7:1〜0.99:1、好ましくは0.8:1〜0.98:1である。
【0026】
活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)の反応は通常20〜140℃、好ましくは40〜120℃の温度で行われる。但し、アミンを反応させる場合は通常100℃以下、好ましくは0〜80℃である。
【0027】
上記反応に際しては、反応を促進させるため、必要により通常のウレタン反応において使用される触媒[アミン触媒(トリエチルアミン、N−エチルモルホリン及びトリエチレンジアミン等)、錫系触媒(ジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジラウリレート及びオクチル酸錫等)、チタン系触媒(テトラブチルチタネート等)]等を使用してもよい。触媒の使用量はポリウレタン樹脂に対して通常0.1重量%以下である。
【0028】
また、上記反応は有機溶剤中で行ってもよく、有機溶剤を反応途中又は反応後に加えてもよい。使用できる溶剤としては[エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル及びエチルセロソルブアセテート等)、ケトン系溶剤(アセトン、MEK及びメチルイソブチルケトン等)、エーテル系溶剤(ジオキサン、テトラヒドロフラン及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、炭化水素系溶剤(n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサン等)、アルコール系溶剤{エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、n−プロピルアルコール及びn−ブタノール等}等]が挙げられる。これらの内、ポリウレタン樹脂(U)の溶解性の観点から好ましいのは、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、MEK、IPA及びn−プロピルアルコールであり、特に好ましいのは酢酸エチル、MEK及びIPAである。
有機溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0029】
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)の重量平均分子量(以下、Mwと略記)は、ポリウレタン樹脂(U)の溶剤への再溶解性と乾燥後の樹脂物性の観点から好ましくは20,000〜100,000、更に好ましくは30,000〜80,000である。本発明におけるMwは、GPCにより、ジメチルホルムアミドを溶媒とし、ポリスチレンを標準として測定される。
【0030】
ポリウレタン樹脂(U)からなる本発明の印刷インキ用バインダーは、ハンドリング性等の観点から、ポリウレタン樹脂(U)を前述の有機溶剤に溶解させた溶液(ワニス)として用いることが好ましい。有機溶剤溶液の樹脂濃度はハンドリング性等の観点から好ましくは10〜60重量%、更に好ましくは20〜50重量%である。また、有機溶剤溶液の20℃で粘度は、同様の観点から好ましくは50〜100,000mPa・s、更に好ましくは100〜10,000mPa・sである。
【0031】
本発明の印刷インキは、本発明の印刷インキ用バインダー、顔料及び溶剤を必須成分としてなる。顔料としては特に制限はなく、通常の印刷インキに用いられる無機顔料及び有機顔料等が使用できる。
【0032】
また、必要により印刷インキに通常使用される他の樹脂類及び顔料分散剤等の添加剤を配合することもできる。他の樹脂類及び添加剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
他の樹脂類としては、例えばポリアミド樹脂、ニトロセルロース、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレンマレイン酸共重合系樹脂、塩素化ポリオレフィン、エポキシ樹脂及びロジン系樹脂等が挙げられる。これら他の樹脂類の添加量は印刷インキ中通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
【0034】
印刷インキの製造方法は特に制限はなく、公知の方法等、例えば三本ロール、ボールミル及びサンドグラインダーミル等の通常のインキ製造装置を用いて印刷インキを製造できる。
【0035】
本発明の印刷インキの配合処方の一例を示せば下記の通りである。
本発明のバインダー(樹脂固形分の量):5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)
顔料:5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)
他の樹脂類:0〜30重量%(好ましくは0〜20重量%)
溶剤:30〜80重量%(好ましくは40〜70重量%)
【0036】
本発明の印刷インキ用バインダーを用いてなる印刷インキは、一液型印刷インキとして使用してもよいが、例えばポリイソシアネート系硬化剤と併用して二液型印刷インキとして使用することもできる。この場合のポリイソシアネート系硬化剤としては、例えばトリメチロールプロパン1モルと、1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、トリレンジイオシアネート又はイソオロンジイソシアネート3モルとからのアダクト体;1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート又はイソホロンジイソシアネートのイソシアネート基の環状三量化によって合成されるイソシアヌレート基含有の三量体;水1モルと1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート3モルとから誘導される部分ビュレット反応物及びこれらの2種以上の混合物が好適である。二液型印刷インキとして使用する場合、ポリイソシアネート系硬化剤の使用量は、主剤の重量に基づいて通常0.5〜10重量%である。
【0037】
本発明の印刷インキを用いた印刷方法は、従来のプラスチックフィルムの印刷に使用される特殊グラビア印刷用のインキの場合と同様でよい。
【0038】
本発明の印刷インキは、例えばポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、表面処理又は無処理ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、アセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム及びこれらのフィルムにアルミ蒸着を施したフィルム等の各種プラスチックフィルムの印刷に好適に用いることができる。
【実施例】
【0039】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0040】
実施例1
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成(株)製「サンエスター5620」:Mn=1941]130部、1,3−ブタンジオール0.36部及び水添MDI 38.6部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で5時間反応させ、NCO含量3.6%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル276部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール138部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン1.8部及びモノエタノールアミン8.67部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−1)の溶液を得た。(U−1)のMwは32,000であった。
【0041】
実施例2
1−(2−アミノエチル)ピペラジンの仕込量を6.8部に、モノエタノールアミンの仕込量を3.93部にした以外は実施例1と同様にして本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−2)の溶液を得た。(U−2)のMwは55,000であった。
【0042】
実施例3
1,3−ブタンジオールの仕込量を2.6部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量2.4%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル275部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール137部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン6.8部及びモノエタノールアミン0.55部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−3)の溶液を得た。(U−3)のMwは61,000であった。
【0043】
実施例4
1,3−ブタンジオールの仕込量を5.8部に、水添MDIの仕込量を48.6部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量2.4%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル296部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール148部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン7.3部及びモノエタノールアミン0.44部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−4)の溶液を得た。(U−4)のMwは65,000であった。
【0044】
実施例5
1,3−ブタンジオールの仕込量を0.34部に、水添MDIの仕込量を48.6部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量4.9%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル301部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール150部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン15.5部及びモノエタノールアミン0.9部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−5)の溶液を得た。(U−5)のMwは75,000であった。
【0045】
実施例6
1,3−ブタンジオールの仕込量を5.2部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量1.1%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル273部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール136部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン1.7部及びモノエタノールアミン1.47部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−6)の溶液を得た。(U−6)のMwは52,000であった。
【0046】
実施例7
1,3−ブタンジオールの仕込量を2.6部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量2.4%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル275部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール137部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン1.7部及びモノエタノールアミン5.39部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−7)の溶液を得た。(U−7)のMwは43,000であった。
【0047】
実施例8
1,3−ブタンジオールの仕込量を3.2部に、水添MDIの仕込量を58.6部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量4.9%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル322部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール161部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン16.8部及びモノエタノールアミン0.54部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−8)の溶液を得た。(U−8)のMwは76,000であった。
【0048】
実施例9
1,3−ブタンジオールの仕込量を6.4部に、水添MDIの仕込量を68.6部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量4.7%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル343部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール172部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン17.5部及びモノエタノールアミン0.24部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−9)の溶液を得た。(U−9)のMwは78,000であった。
【0049】
実施例10
水添MDI 38.6部をIPDI 33.7部にした以外は実施例3と同様に反応させ、NCO含量2.7%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル268部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール134部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン6.6部及びモノエタノールアミン1.34部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−10)の溶液を得た。(U−10)のMwは59,000であった。
【0050】
実施例11
水添MDIの仕込量を19.3部とし、IPDI 16.3部を併用した以外は実施例3と同様に反応させ、NCO含量2.5%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル270部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール135部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン6.7部及びモノエタノールアミン0.61部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−11)の溶液を得た。(U−11)のMwは63,000であった。
【0051】
実施例12
1,3−ブタンジオール2.6部を1,2−プロピレングリコール2.6部にした以外は実施例3と同様に反応させ、NCO含量2.2%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル275部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール137部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(3−アミノプロピル)ピペラジン6.3部及びモノエタノールアミン0.89部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−12)の溶液を得た。(U−12)のMwは61,000であった。
【0052】
実施例13
ポリネオペンチレンアジペートジオールをポリプロピレングリコール(57.3Mn=1958)にした以外は実施例3と同様に反応させ、NCO含量2.5%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル275部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール138部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン6.8部及びモノエタノールアミン0.63部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−13)の溶液を得た。(U−13)のMwは57,000であった。
【0053】
比較例1
1,3−ブタンジオールの仕込量を0.34部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量3.8%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル261部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール131部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン0.8部及びモノエタノールアミンを9.63部加え、40℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂(U’−1)の溶液を得た。(U’−1)のMwは30,000であった。
【0054】
比較例2
1,3−ブタンジオールの仕込量を5.2部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量1.1%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル269部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール135部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン0.9部及びモノエタノールアミン2.22部を加え、40℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂(U’−2)の溶液を得た。(U’−2)のMwは39,000であった。
【0055】
比較例3
1,3−ブタンジオールの仕込量を0.34部に、水添MDIの仕込量を48.6部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量5.2%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル284部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール142部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン15.2部及びモノエタノールアミン1.18部を加え、40℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂(U’−3)の溶液を得た。(U’−3)のMwは71,000であった。
【0056】
比較例4
1,3−ブタンジオールの仕込量を5.5部に、水添MDIの仕込量を63.6部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量5.1%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル292部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール146部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン15.6部及びモノエタノールアミン0.8部を加え、40℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂(U’−4)の溶液を得た。(U’−4)のMwは74,000であった。
【0057】
比較例5
1,3−ブタンジオールの仕込量を0.17部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量3.9%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル263部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール131部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン1.7部及びモノエタノールアミン9.05部を加え、40℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂(U’−5)の溶液を得た。(U’−5)のMwは31,000であった。
【0058】
比較例6
1,3−ブタンジオールの仕込量を0.17部に、水添MDIの仕込量を48.6部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量5.4%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル282部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール141部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン14.5部及びモノエタノールアミン2.1部を加え、40℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂(U’−6)の溶液を得た。(U’−6)のMwは68,000であった。
【0059】
比較例7
1,3−ブタンジオールの仕込量を5.5部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量0.9%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル271部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール135を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン1.8部及びモノエタノールアミン0.92部を加え、40℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂(U’−7)の溶液を得た。(U’−7)のMwは48,000であった。
【0060】
比較例8
1,3−ブタンジオールの仕込量を6部に、水添MDIの仕込量を68.6部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量5.7%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル292部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール146部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン15部及びモノエタノールアミン3.21部を加え、40℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂(U’−8)の溶液を得た。(U’−8)のMwは62,000であった。
【0061】
比較例9
1,3−ブタンジオール0.36部を、分岐を有しない低分子ジオールであるエチレングリコール(化学式量:62)2.6部に、水添MDIの仕込量を43.6部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量2.7%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル274部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール137部を加えて均一になるまで撹拌後、1−(2−アミノエチル)ピペラジン6.8部及びモノエタノールアミン1.37部加え、40℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂(U’−9)の溶液を得た。(U’−9)のMwは60,000であった。
【0062】
比較例10
1,3−ブタンジオールの仕込量を2.6部に、水添MDIの仕込量を53.6部にした以外は実施例1と同様に反応させ、NCO含量5.1%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル274部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール137部を加えて均一になるまで撹拌後、複素環式でないジアミンであるエチレンジアミン6.8部及びモノエタノールアミン0.93部加え、40℃で1時間反応させてポリウレタン樹脂(U’−10)の溶液を得た。(U’−10)のMwは63,000であった。
【0063】
実施例14〜26及び比較例11〜20
実施例1〜13及び比較例1〜10で得られたポリウレタン樹脂溶液を用いて、次の処方にて実施例14〜26及び比較例11〜20の印刷インキを作製した。
[青インキの作製]
ポリウレタン樹脂溶液100部、顔料(β型フタロシアニンブルー)30部、IPA30部、酢酸エチル70部及びガラスビーズ150部からなる混合物をペイントコンデイショナー(レッドデビル社製)にて1時間混練した。
【0064】
得られた印刷インキを使用して下記性能試験を行った結果を、使用した各ポリウレタン樹脂における活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)の合計重量に対する低分子ジオール(a21)と複素環式ジアミン(a31)の重量割合と共に表1に示す。
【0065】
[再溶解性の試験方法]
版詰まりグラビア印刷試験機(TS−1型印刷機;東谷鉄工所製)で、深度35μmのグラビア版を用いて、30m/分のスピードでOPPフィルムに青インキを100m印刷した後、グラビア版に付着した余分のインキをIPAと酢酸エチルの混合溶剤(重量比3:7)でかるく洗い落とした後、セルの目詰まり状態を観察した。
<評価基準>
○:セル中のインキの残りが30%未満。
×:セル中のインキが30%以上残る。
【0066】
[接着性の試験方法]
セロハンテープ接着性表面処理ポリプロピレンフィルム(OPP)、表面処理ポリエステルフィルム(PET)及び表面処理ナイロンフィルムに青インキを固形分で2〜3μmの厚みになるようにバーコーターで塗布し、60℃で1分間乾燥後、塗布面にセロハンテープ(ニチバン製、12mm巾)を貼り、このセロハンテープの一端を塗面に対して、直角方向に急速に引き剥がしたときの塗布面状態を観察した。
<評価基準>
◎:インキがまったく剥がれない。
○:インキが80%以上残る。
×:インキの残りが80%未満。
【0067】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のバインダーはトルエンを含まないインキ溶剤を使用しても、再溶解性に優れることから、特に各種プラスチックフィルム(ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム及びセロファンフィルム等)用特殊グラビアインキ用バインダーとして特に好適である。また、本発明のバインダーは、各種基材に対する接着性に優れことから、上記用途だけではなく、フレキソ印刷インキ用バインダー、塗料用のバインダー、接着剤及び紙等のコーテング剤としても有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性水素成分(A)と、炭素数4〜16の脂肪族ポリイソシアネート(B1)、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(B2)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(B3)及びこれらの変性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)からなる印刷インキ用バインダーであって、前記活性水素成分(A)が、前記活性水素成分(A)と前記有機ポリイソシアネート(B)の合計重量に基づいて、0.2〜3重量%の数平均分子量又は化学式量が300以下の分岐を有する低分子ジオール(a21)と1〜8重量%の炭素数4〜16の複素環式ジアミン(a31)とを含有することを特徴とする印刷インキ用バインダー。
【請求項2】
前記有機ポリイソシアネート(B)が、炭素数4〜16の脂肪族ポリイソシアネート(B1)及び/又は脂肪族炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(B2)である請求項1記載の印刷インキ用バインダー。
【請求項3】
前記炭素数4〜16の脂肪族ポリイソシアネート(B1)がヘキサメチレンジイソシアネートであり、前記脂肪族炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(B2)がイソホロンジイソシアネート及び/又はジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートである請求項2記載の印刷インキ用バインダー。
【請求項4】
前記低分子ジオール(a21)が、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、4−オキサヘプタン−2,6−ジオール、3−メチルペンタンジオール及びネオペンチルグリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の低分子ジオールである請求項1〜3のいずれか記載の印刷インキ用バインダー。
【請求項5】
前記複素環式ジアミン(a31)が、ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(3−アミノプロピル)ピペラジン、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン及び1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンからなる群から選ばれる少なくとも1種の複素環式ジアミンである請求項1〜4のいずれか記載の印刷インキ用バインダー。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の印刷インキ用バインダーを用いてなる印刷インキ。

【公開番号】特開2013−108021(P2013−108021A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255688(P2011−255688)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】