説明

印刷装置及び印刷システム

【課題】作品販売等において、作品に限定部数を設けて販売する場合、速やかに印刷することができ、また、地域拠点装置に作品データを分散させた場合、印刷する作品データを管理し、限定部数を設けることができる印刷システムを提供することを目的とする。
【解決手段】作品の総印刷部数を管理する中央拠点装置と、上記作品を印刷する地域拠点装置とを具備する印刷システムであって、上記各地域拠点装置は、印刷装置を具備する印刷システムにおいて、インターネットで送信することが現実的ではない大容量の画像データを、上記地域拠点装置の印刷装置に予め保存しておく印刷システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に保存されている画像データの印刷可否を、ネットワークを介して判断する手段を有する印刷装置及び印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機等の印刷装置において、ハードディスク(以下、「HDD」という)等の大容量データ保存媒体を搭載することによって、印刷データを装置内に保存することが可能である。HDDが搭載されることが少なかったインクジェット印刷装置のような印刷装置にも、近年、HDDの価格下落、印刷装置の機能向上の要求に伴い、HDDが搭載され始めている。
【0003】
インクジェット印刷装置の中でも、単価が高い大判印刷装置のような機器で、HDDが搭載され始めている。印刷装置にHDDを搭載することによって、HDD内に画像等の印刷データを保存し、都合の良いときに印刷することができる。
【0004】
また、従来、ユーザ自身は、印刷装置をもたず、ユーザ自身の印刷データをネットワーク経由でプリントセンタに送信し、プリントセンタで印刷された印刷物を、宅配で配送する発明が知られている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0005】
さらに、インターネットへの接続手段がない相手にメール送信すると、管理センタで一括して受信し、配達先確認の上、ネットワークを介して、最寄りの拠点に転送する。最寄りの拠点では、印刷後に、自動的に封緘処理し、指定の宛先に人手によって配達する発明が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−29944号公報
【特許文献2】特開2002−55924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来例では、大判印刷装置における画像データのように、大容量の画像データである場合、インターネットで送信することが現実的ではなく、インターネットで送信することが適していないという問題がある。
【0007】
本発明は、地域拠点装置において、インターネットで送信することが現実的ではない大容量の画像データについて、印刷要求があった場合、データのダウンロードを必要とせずに、速やかに印刷することができる印刷システムを提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、作品販売等において、作品に限定部数を設けて販売する場合、速やかに印刷することができ、また、地域拠点装置に作品データを分散させた場合、印刷する作品データを管理し、限定部数を設けることができる印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、作品の総印刷部数を管理する中央拠点装置と、上記作品を印刷する地域拠点装置とを具備する印刷システムであって、上記地域拠点装置は、印刷装置を具備する印刷システムにおいて、インターネットで送信することが現実的ではない大容量の画像データを、上記地域拠点装置の印刷装置に予め保存しておく印刷システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、地域拠点装置において、インターネットで送信することが現実的ではない大容量の画像データについて、印刷要求があった場合、データのダウンロードを必要とせずに、速やかに印刷することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
発明を実施するための最良の形態は、次の実施例である。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1である印刷システムPS1を示す図である。
【0013】
印刷システムPS1は、作品の総印刷部数を管理する中央拠点装置100と、上記作品を印刷装置で印刷する地域拠点装置200、300、400と、ネットワークNW1とを有する。
【0014】
印刷システムPS1は、作品ID、限定部数(アート作品などの限定部数)等、作品データの情報と、地域拠点装置200、300、400における印刷部数の総数とを管理する制御部を、中央拠点装置100に設ける。そして、各地域拠点装置200、300、400が、中央拠点装置100に、印刷許可を問い合わせることによって、作品データを印刷する。
【0015】
実施例1では、各地域拠点装置200、300、400へ、画像データが予め配布されている。この画像データの配布方法として、DVDやメモリカードにデータを格納し、配布する方法、ネットワークを介して予め配布する方法が考えられる。しかし、他の配布方法を採用するようにしてもよい。
【0016】
中央拠点装置100は、作品データの情報と、地域拠点装置200、300、400の総印刷部数とを管理する制御部を有し、地域拠点装置200、300、400から印刷許可要求が来ると、印刷の可否を判断し、印刷許可要求を出した地域拠点装置に通知する。
【0017】
地域拠点装置200、300、400は、作品データを実際に印刷する拠点に設けられている装置である。地域拠点装置200、300、400は、作品画像を保存する印刷装置を有する。印刷装置の作品データ管理部に、作品データを予め保存し、印刷する際に、中央拠点装置100に印刷可能であるかどうかを問い合わせ、印刷可能であれば、保存してある作品画像データを印刷する。また、削除要求が中央拠点装置100から通知されると、保存してある作品画像データを削除する。
【0018】
ネットワークNW1は、中央拠点装置100、各地域拠点装置200、300、400を結ぶ。
【0019】
図2は、中央拠点装置100と、地域拠点装置200との構成を示す図である。
【0020】
各地域拠点装置300、400の構成は、地域拠点装置200の構成と同様である。
【0021】
中央拠点装置100は、対地域拠点装置の通信部11と、作品データ管理部12と、入力部13とを有する。
【0022】
対地域拠点装置の通信部11は、各地域拠点装置200、300、400と通信し、印刷の許可要求を受信し、印刷の許可通知・作品画像データ削除通知を送信する。
【0023】
作品データ管理部12は、作品データを管理し、作品に設定する作品ID番号・限定部数・総印刷部数を管理し、印刷の許可判断、作品画像データの削除判断を行なう。
【0024】
入力部13は、作品データに設定する作品ID、作品名、限定部数を入力する。
【0025】
つまり、作品データ管理部12は、作品データに、作品を一意に識別する作品IDと、上記作品の限定部数とを設定する作品データ情報設定手段の例である。また、作品データ管理部12は、上記地域拠点装置における上記作品のデータの印刷部数を記憶し、作品の限定部数に達しているかいないかを判断する限定部数判断手段の例である。
【0026】
また、対地域拠点装置の通信部11は、印刷許可通知手段の例である。この印刷許可通知手段は、上記地域拠点装置から印刷許可通知要求を受信し、上記限定部数判断手段が、上記印刷要求の部数分、印刷可能であると判断すれば、印刷許可を通知する手段である。さらに、印刷許可通知手段は、上記印刷要求の部数分、印刷不可であると判断すれば、印刷不可を通知する手段である。
【0027】
地域拠点装置200は、入力部21と、作品データ管理部22と、対中央拠点装置の通信部23と、保存画像復号化部24と、印刷部25とを有する。
【0028】
入力部21は、作品データを印刷する際に入力する作品ID番号を入力し、作品画像データを印刷部25の画像保存部(実施例1では、作品データ管理部12)に入力する。入力する場合、PCを介して、作品ID番号や作品データを、印刷部25へ入力するようにしてもよく、また、印刷部25のパネルを介して、作品IDを入力するようにしてもよい。また、印刷部25に、読み取り装置を取り付け、画像データの配布媒体(DVD、メモリカード等)を直接読み込んで入力するようにしてもよい。
【0029】
作品データ管理部22は、入力部21を介して入力された画像データを、保存管理する管理部である。印刷時に作品IDが入力されると、対中央拠点装置の通信部23を通して、作品ID番号に基づいて、中央拠点装置100に印刷許可を問い合わせる。印刷許可されると、保存画像を復号化し、保存画像データを印刷する。また、中央拠点装置100から、画像データの削除命令通知が来ると、保存画像を削除する。
【0030】
なお、実施例1では、画像データに作品IDが予め付加されているが、中央拠点装置100等と通信し、作品IDを決定するようにしてもよい。
【0031】
対中央拠点装置の通信部23は、中央拠点装置100と通信し、ネットワークNW1を介して、中央拠点装置100との間で通信する。
【0032】
保存画像復号化部24は、作品画像管理部で、暗号化され、保存されている画像データを復号化し、印刷する際にだけ保存画像を復号化する。
【0033】
印刷部25は、複合化された印刷データを実際に印刷する。
【0034】
つまり、対中央拠点装置の通信部23は、上記作品のデータを記憶可能な大容量の記憶機能を具備し、上記作品を印刷する場合、上記中央拠点装置に、作品を印刷可能であるかどうかを問い合わせる印刷要求の機能を持つ情報処理手段の例である。また、印刷部25は、問い合わせ結果が印刷可能であれば、上記作品を印刷する印刷手段の例である。
【0035】
次に、中央拠点装置100で管理する作品データに関する情報を設定する動作について説明する。
【0036】
図3は、中央拠点装置100が管理する作品データに関する情報を、中央拠点装置100に設定する動作を示すフローチャートである。
【0037】
S1で、入力部13が、作品ID、作品名、限定部数を入力する。S2では、S1で入力された情報を、作品データ管理部12に保存する。
【0038】
図4は、S1で作品データを入力する場合における作品データの入力画面30を示す図である。
【0039】
次に、各地域拠点装置200、300、400で、作品データを印刷する動作について説明する。
【0040】
図5は、各地域拠点装置200、300、400で、作品データを印刷する動作を示すフローチャートである。
【0041】
S11で、入力部21を介して、作品ID、印刷部数を入力する。S12で、入力された作品IDが、作品データ管理部22に存在していれば、中央拠点装置100に、作品ID、印刷部数に基づいて、印刷の可否を問い合わせる。S13で、中央拠点装置100の判断結果を受信し、印刷が許可されていれば、S14の処理を行い、許可されていなければ、S15の処理を行なう。
【0042】
S14では、S13で印刷許可がされていると判断したので、許可された印刷部数分を印刷する。印刷する場合、保存画像復号化部24に保存されている画像データと、印刷部数とを、作品データ管理部22が通知する。通知された保存画像復号化部24は、画像データを復号化した後に、復号化データと印刷部数のデータとを、印刷部25に渡す。印刷部25は、渡された印刷データと印刷部数とに基づいて印刷する。
【0043】
S15では、S13で印刷が不許可であったと判断されたので、限定部数が超えていることを表示する。限定部数が超えていることを、印刷部25のパネルを用いて表示してもよく、印刷部25に接続されているPC等へ通知するようにしてもよい。
【0044】
図6は、S11で作品ID、印刷部数を印刷部25のパネルから入力する際に表示するパネル表示40の例を示す図である。
【0045】
次に、中央拠点装置100が、各地域拠点装置200、300、400から印刷の許可要求を受けた際に行なう処理について説明する。
【0046】
図7は、中央拠点装置100が、各地域拠点装置200、300、400から印刷の許可要求を受けた際に行なう処理を示すフローチャートである。
【0047】
S21で、各地域拠点装置200、300、400から作品データID、印刷部数に基づく作品データの印刷許可要求を受信する。
【0048】
S22で、作品データ管理部12が管理しているデータに基づいて、印刷許可要求のあった作品データの限定部数−総印刷部数が、0よりも大きい(1以上である)かどうかを判断する。0よりも大きいと判断した場合には、作品データの印刷限定部数がまだ上限に達していないと判断され、0以下である(0である)と判断すると、限定部数の上限に達していると判断される。
【0049】
S23では、S22で限定部数に達していないと判断されたので、限定部数−(総印刷部数+印刷要求部数)が0以上であるかどうかを判断する。0以上であると判断すると、要求された全枚数を印刷しても、限定部数以下であることを意味し、0よりも小さければ、全枚数を印刷することができないことを意味する。
【0050】
S24では、S23で全部数印刷しても限定部数以下であると判断されたので、要求された印刷部数の全部数の印刷許可を通知する。S25で、作品データ管理部12が管理している総印刷部数について、総印刷部数=(総印刷部数+印刷許可部数)の処理を行なう。
【0051】
S26では、S23で全部数の印刷許可はできないと判断されたので、限定部数に達する枚数分(限定部数−総印刷部数)の印刷許可を通知する。S27で(限定部数−総印刷部数)が0よりも大きいかどうかを判断する。0よりも大きければ、印刷要求があった作品データは、限定部数に達していないことを意味し、0以下であれば、限定部数に達したことを意味する。
【0052】
S28では、S27で限定部数に達したと判断されたので、作品データIDに基づいて、各地域拠点装置200、300、400について、データの削除命令を通知する。S29では、S22で限定部数に既に達していると判断されたので、地域拠点装置200、300、400からの印刷許可要求について不許可を通知する。
【0053】
図8は、作品データ管理部12が保持する作品データの情報のデータ構造例を示す図である。
【0054】
図8に示す作品データの情報のデータ構造例として、各作品における作品データID、作品名、限定部数、総印刷部数が保存されている。
【0055】
次に、地域拠点装置200、300、400が、中央拠点装置100から、作品データの削除命令を受けた場合における動作について説明する。
【0056】
図9は、地域拠点装置200、300、400が、中央拠点装置100から、作品データの削除命令を受けた場合における動作を示すフローチャートである。
【0057】
S31で、中央拠点装置100から、作品データIDに応じた削除命令を受信する。S32で、作品データ管理部22に通知された作品データIDが保存されていれば、該当データを削除する。
【0058】
上記実施例によれば、地域拠点装置200、300、400において、インターネットで送信することが現実的ではない大容量の画像データについて、印刷要求があった場合、データのダウンロードを必要とせず、速やかに印刷することができる。
【0059】
つまり、上記実施例によれば、印刷会社は、印刷時にデータをダウンロードする必要がないので、顧客から印刷物の購入希望があった際に、速やかに印刷することができる。また、作品データに対して、限定部数を設定することができるので、作品データの印刷部数を管理することができる。
【0060】
上記実施例において、上記中央拠点装置は、上記印刷部数が上記限定部数に達すると、上記地域拠点装置に、作品データを消去する作品データ消去命令を通知する装置である。上記地域拠点装置は、上記作品のデータ消去命令通知を受信すると、データを削除する装置である。
【0061】
また、上記地域拠点装置の印刷装置は、上記印刷装置の記憶装置内の作品データが暗号化されていれば、印刷許可が下りた際に、暗号化されている上記作品のデータを復号化し、印刷する装置である。
【0062】
さらに、上記中央拠点装置との通信と印刷管理とを行う地域拠点装置の主体は、制御手段を有する印刷装置自身である。
【0063】
しかも、上記中央拠点装置との通信と印刷管理とを行う地域拠点装置の主体は、制御手段を有するコンピュータである。
【0064】
そして、上記地域拠点装置が、上記限定部数を記憶し、印刷時に上記地域拠点装置は、上記中央拠点装置に、現在の総印刷部数を問い合わせる。そして、上記地域拠点装置が、現時点における総印刷部数とこれから印刷しようとする印刷部数との合計が上記限定部数を超えているかいないかをチェックし、超えていれば、印刷し、さらに、限定部数に達したら、記憶装置から上記作品のデータを消去する。
【0065】
加えて、上記中央拠点装置との通信と印刷管理とを行う地域拠点装置の主体は、制御手段を有する印刷装置自身である。
【0066】
また、上記中央拠点装置との通信と印刷管理とを行う地域拠点装置の主体は、制御手段を有するコンピュータである。
【0067】
さらに、上記実施例を方法の発明として把握することができる。つまり、上記実施例は、作品の総印刷部数を管理する中央拠点装置と、上記作品を印刷する地域拠点装置とを具備し、上記地域拠点装置は、印刷装置を具備する印刷システムの制御方法である。印刷装置が、上記作品のデータを記憶可能な大容量の記憶機能を具備し、上記作品を印刷する場合、上記中央拠点装置に、作品を印刷可能であるかどうかを問い合わせる情報処理工程と、問い合わせ結果が印刷可能であれば、上記作品を印刷する印刷工程とを実行する。上記中央拠点装置が、作品データに、作品を一意に識別する作品IDと、上記作品の限定部数とを設定し、記憶装置に記憶する作品データ情報設定工程を実行する。上記地域拠点装置における上記作品のデータの印刷部数を、記憶装置に記憶し、作品の限定部数に達しているかいないかを判断し、記憶装置に記憶する限定部数判断工程を実行する。上記地域拠点装置から印刷許可通知要求を受信し、上記限定部数判断工程で、上記印刷要求の部数分、印刷可能であると判断されれば、印刷許可通知を出力し、上記印刷要求の部数分、印刷不可であると判断すれば、印刷不可を通知する印刷許可通知工程を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施例1である印刷システムPS1を示す図である。
【図2】中央拠点装置100と、地域拠点装置200との構成を示す図である。
【図3】中央拠点装置100が管理する作品データに関する情報を、中央拠点装置100に設定する動作を示すフローチャートである。
【図4】S1で作品データを入力する場合における作品データの入力画面30を示す図である。
【図5】各地域拠点装置200、300、400で、作品データを印刷する動作を示すフローチャートである。
【図6】S11で作品ID、印刷部数を印刷部25のパネルから入力する際に表示するパネル表示40の例を示す図である。
【図7】中央拠点装置100が、各地域拠点装置200、300、400から印刷の許可要求を受けた際に行なう処理を示すフローチャートである。
【図8】作品データ管理部12が保持する作品データの情報のデータ構造例を示す図である。
【図9】地域拠点装置200、300、400が、中央拠点装置100から、作品データの削除命令を受けた場合における動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
100…中央拠点装置、
NW1…ネットワーク、
11…対地域拠点装置の通信部、
12…作品データ管理部、
13…入力部、
200、300、400…地域拠点装置、
21…入力部、
22…作品データ管理部、
23…対中央拠点装置の通信部、
24…保存画像復号化部、
25…印刷部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作品の総印刷部数を管理する中央拠点装置と、上記作品を印刷する地域拠点装置とを具備する印刷システムであって、上記地域拠点装置は、印刷装置を具備する印刷システムにおいて、
上記印刷装置は、
上記作品のデータを記憶可能な大容量の記憶機能を具備し、上記作品を印刷する場合、上記中央拠点装置に、作品を印刷可能であるかどうかを問い合わせる印刷要求の機能を持つ情報処理手段と;
問い合わせ結果が印刷可能であれば、上記作品を印刷する印刷手段と;
を有し、
上記中央拠点装置は、
作品データに、作品を一意に識別する作品IDと、上記作品の限定部数とを設定する作品データ情報設定手段と;
上記地域拠点装置における上記作品のデータの印刷部数を記憶し、作品の限定部数に達しているかいないかを判断する限定部数判断手段と;
上記地域拠点装置から印刷許可通知要求を受信し、上記限定部数判断手段が、上記印刷要求の部数分、印刷可能であると判断すれば、印刷許可を通知し、上記印刷要求の部数分、印刷不可であると判断すれば、印刷不可を通知する印刷許可通知手段と;
を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
請求項1において、
上記中央拠点装置は、上記印刷部数が上記限定部数に達すると、上記地域拠点装置に、作品データを消去させる作品データ消去命令を通知する装置であり、
上記地域拠点装置は、上記作品のデータ消去命令の通知を受信すると、データを削除する装置であることを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
請求項1において、
上記印刷装置は、上記印刷装置の記憶装置内の作品データが暗号化されていれば、印刷許可が下りた際に、暗号化されている上記作品のデータを復号化し、印刷する装置であることを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
請求項1において、
上記中央拠点装置との通信と印刷管理とを行う地域拠点装置の主体は、制御手段を有する印刷装置自身であることを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
請求項1において、
上記中央拠点装置との通信と印刷管理とを行う地域拠点装置の主体は、制御手段を有するコンピュータであることを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
請求項1において、
上記地域拠点装置が、上記限定部数を記憶し、印刷時に上記地域拠点装置は、上記中央拠点装置に、現在の総印刷部数を問い合わせ、上記地域拠点装置が、現時点における総印刷部数とこれから印刷しようとする印刷部数との合計が上記限定部数を超えているかいないかをチェックし、超えていれば、印刷し、さらに、限定部数に達したら、記憶装置から上記作品のデータを消去することを特徴とする印刷システム。
【請求項7】
請求項6において、
上記中央拠点装置との通信と印刷管理とを行う地域拠点装置の主体は、制御手段を有する印刷装置自身であることを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
請求項6において、
上記中央拠点装置との通信と印刷管理とを行う地域拠点装置の主体は、制御手段を有するコンピュータであることを特徴とする印刷システム。
【請求項9】
作品の総印刷部数を管理する中央拠点装置と、上記作品を印刷する地域拠点装置とを具備する印刷システムであって、上記地域拠点装置は、印刷装置を具備する印刷システムにおいて、
上記作品のデータを記憶可能な大容量の記憶機能を具備し、上記作品を印刷する場合、上記中央拠点装置に、作品を印刷可能であるかどうかを問い合わせる情報処理手段と;
問い合わせ結果が印刷可能であれば、上記作品を印刷する印刷手段と;
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
作品の総印刷部数を管理する中央拠点装置と、上記作品を印刷する地域拠点装置とを具備する印刷システムであって、上記地域拠点装置は、印刷装置を具備する印刷システムの制御方法において、
上記印刷装置が、
上記作品のデータを記憶可能な大容量の記憶機能を具備し、上記作品を印刷する場合、上記中央拠点装置に、作品を印刷可能であるかどうかを問い合わせる情報処理工程と;
問い合わせ結果が印刷可能であれば、上記作品を印刷する印刷工程と;
を実行し、
上記中央拠点装置が、
作品データに、作品を一意に識別する作品IDと、上記作品の限定部数とを設定し、記憶装置に記憶する作品データ情報設定工程と;
上記地域拠点装置における上記作品のデータの印刷部数を、記憶装置に記憶し、作品の限定部数に達しているかいないかを判断する限定部数判断工程と;
上記地域拠点装置から印刷許可通知要求を受信し、上記限定部数判断工程で、印刷要求の部数分、印刷可能であると判断されれば、印刷許可を通知し、上記印刷要求の部数分、印刷不可であると判断すれば、印刷不可を通知する印刷許可通知工程と;
を実行することを特徴とする印刷システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−104304(P2009−104304A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273926(P2007−273926)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】