印刷装置
【課題】印刷済の媒体を操作者が取る際の作業を簡素化することができるようにする。
【解決手段】装置本体50と、印刷済の媒体を装置本体50の後部側に排出するための後部側排出部と、湾曲面を有し、印刷済の媒体を湾曲面上で反転させ、装置本体50のトップカバー15に沿って正面側に排出するための媒体反転部材16とを有する。この場合、印刷済の媒体が、媒体反転部材16によって湾曲面上で反転させられ、装置本体50のトップカバー15に沿って正面側に排出されるので、印刷済の媒体を操作者が取る際に印刷装置の後部側まで手を伸ばす必要がなくなり、作業を簡素化することができる。
【解決手段】装置本体50と、印刷済の媒体を装置本体50の後部側に排出するための後部側排出部と、湾曲面を有し、印刷済の媒体を湾曲面上で反転させ、装置本体50のトップカバー15に沿って正面側に排出するための媒体反転部材16とを有する。この場合、印刷済の媒体が、媒体反転部材16によって湾曲面上で反転させられ、装置本体50のトップカバー15に沿って正面側に排出されるので、印刷済の媒体を操作者が取る際に印刷装置の後部側まで手を伸ばす必要がなくなり、作業を簡素化することができる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、業務用の印刷装置においては、印刷が終了した媒体としての用紙、すなわち、印刷済の用紙を、印刷面を下にして順に排出してスタックするフェースダウン機能、及び印刷済の用紙を、印刷面を上にして順に排出してスタックするフェースアップ機能を備えたものが多いが、個人用の印刷装置においては、小型化し、コストを低くするためにフェースアップ機能だけを備えたものが多い。
【0003】
図2は従来の印刷装置の断面図である。
【0004】
図において、50は印刷装置の装置本体であり、該装置本体50は正面パネル50a及び背面パネル50bを備え、該背面パネル50bの上端の近傍に媒体セット台51が取り付けられ、装置本体50内に、前記媒体セット台51と接続させて、かつ、背面パネル50bの上端の近傍から斜め下方に向けて媒体吸入ガイド20が配設され、前記媒体セット台51及び媒体吸入ガイド20によって媒体セット部54が構成される。そして、図示されない用紙は、媒体セット台51にセットされ、装置本体50における媒体セット台51と媒体吸入ガイド20との間に形成された入口Inを介して矢印A方向に挿入され、前端が給紙ローラ52に接触させられる。
【0005】
印刷が開始されると、給紙ローラ52が回転させられることによって、用紙は、矢印B方向に繰り出され、媒体搬送路に沿って搬送される。該媒体搬送路の途中には画像形成部53が配設され、該画像形成部53は、通過する用紙に画像を形成する。
【0006】
そして、画像形成部53を通過した用紙は、定着装置56を通過し、印刷が終了される。続いて、印刷済の用紙は、排出ユニット11によって印刷面を上にして矢印C方向に排出され、前記入口Inよりわずかに内側に配設された排出媒体載置部55に後端を載置し、印刷装置の背面側において立てられた状態でスタックされる。
【0007】
また、従来の他の印刷装置においては、正面パネルの下部に媒体収容部が配設され、該媒体収容部にセットされた用紙が繰り出され、同様に、画像形成部を通過する間に、用紙に画像を形成することができる。その場合も、画像形成部を通過した用紙は、定着装置を通過し、印刷が終了される。続いて、印刷済の用紙は、排出ユニットによって印刷面を上にして排出され、排出媒体載置部に後端を載置し、印刷装置の背面側において立てられた状態でスタックされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の各印刷装置において、用紙は、印刷装置の背面側においてスタックされるので、印刷済の用紙を操作者が取る際に印刷装置の背面側まで手を伸ばす必要があり、作業が煩わしい。
【0009】
本発明は、前記従来の印刷装置の問題点を解決して、印刷済の媒体を操作者が取る際の作業を簡素化することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の印刷装置においては、装置本体と、印刷済の媒体を装置本体の後部側に排出するための後部側排出部と、湾曲面を有し、印刷済の媒体を湾曲面上で反転させ、装置本体のトップカバーに沿って正面側に排出するための媒体反転部材とを有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の第1の実施の形態における印刷装置の断面図、図3は本発明の第1の実施の形態における印刷装置の側面図である。
【0013】
図において、50は印刷装置の装置本体であり、該装置本体50は正面パネル50a、背面パネル50b、及び後部側(背面側)から正面側にかけて徐々に低くなるように傾斜させられたトップカバー15を備え、前記背面パネル50bの上端の近傍に、媒体セット台51が上方に突出させて取り付けられ、装置本体50内に、前記媒体セット台51と接続させて、かつ、背面パネル50bの上端の近傍から斜め下方に向けて媒体吸入ガイド20が配設され、前記媒体セット台51及び媒体吸入ガイド20によって媒体セット部54が構成される。前記媒体吸入ガイド20の前端の近傍に給紙ローラ52が回転自在に配設される。
【0014】
そして、媒体としての図示されない用紙は、媒体セット台51にセットされ、装置本体50における媒体セット台51と媒体吸入ガイド20との間に形成された入口Inを介して矢印A方向に挿入され、媒体吸入ガイド20によって導入され、前端が給紙ローラ52に接触させられる。なお、前記媒体セット台51は、印刷済の用紙を排出し、積層するための後部側排出部としてのスタックを兼ねる。
【0015】
印刷が開始されると、給紙ローラ52が回転させられることによって、用紙は、矢印B方向に繰り出され、反転させられ、媒体搬送路に沿って搬送される。該媒体搬送路の途中には画像形成部53が配設され、該画像形成部53は、通過する用紙に画像を形成する。前記画像形成部53は、IDユニット81、露光装置としてのLEDヘッド82、転写ローラ83等を備え、前記IDユニット81は、像担持体としての感光体ドラム84、現像ローラ85、トナー供給ローラ86等を備える。
【0016】
前記画像形成部53において、まず、前記感光体ドラム84の表面が図示されない帯電装置としての帯電ローラによって一様に、かつ、均一に帯電させられ、続いて、感光体ドラム84の表面が前記LEDヘッド82によって露光され、感光体ドラム84の表面に静電潜像が形成される。続いて、前記現像ローラ85によって静電潜像が現像されて画像としてのトナー像が形成され、該トナー像は、感光体ドラム84と転写ローラ83との間を通過させられた用紙に転写される。
【0017】
そして、画像形成部53を通過した用紙は、定着装置56を通過し、印刷が終了される。前記定着装置56は、加熱ローラ87及び加圧ローラ88を備え、用紙上のトナー像は、加熱ローラ87によって加熱され、溶融させられ、加圧ローラ88によって用紙に押し付けられ、定着される。
【0018】
続いて、印刷済の用紙は、排出ユニット11によって装置本体50外に排出される。前記排出ユニット11は、用紙を排出するための駆動力を受けて回転させられる排出ローラ12、及び該排出ローラ12と接触させて配設され、用紙を排出ローラ12に押し付けるピンチローラ13を備える。
【0019】
ところで、前記構成の印刷装置は、印刷済の用紙を、印刷面を下にして順に排出してスタックするフェースダウン機能、及び印刷済の用紙を、印刷面を上にして順に排出してスタックするフェースアップ機能を備える。そのために、前記トップカバー15の後端部(図1R>1において右端部)の上方に、媒体反転部材16が、支点部17を揺動中心にして矢印D方向に揺動自在に配設され、図3の二点鎖線で表される第1の作動位置、及び図3の実線で表される第2の作動位置を採る。前記媒体反転部材16は、頂壁16a、背壁16b、左右の側壁16cを備え、前面(図1において左面)に排出口16dが、底面に導入口16eが形成される。また、前記媒体反転部材16は、背壁16bを延長させて形成された突出部18を備える。なお、前記頂壁16a及び背壁16bは、湾曲するコーナ部によって滑らかに接続され、媒体反転部材16の内周面に湾曲面を有する湾曲部を形成する。
【0020】
次に、前記構成の印刷装置の動作について説明する。
【0021】
まず、印刷が開始されると、給紙ローラ52が回転させられることによって、用紙は繰り出される。そして、画像形成部53によってトナー像が形成され、該トナー像は、媒体搬送路を搬送される用紙に転写される。続いて、用紙は、定着装置56に送られ、該定着装置56によってトナー像が定着され、印刷が終了する。
【0022】
そして、前記媒体反転部材16を第1の作動位置に置くと、排出ユニット11によって搬送された用紙は、突出部18に当たり、導入口16eから媒体反転部材16内に導入され、背壁16b及び頂壁16aによって案内されて前記湾曲面上で反転させられ、印刷面を下にして排出口16dからトップカバー15に沿って正面側に、矢印E方向に排出される。
【0023】
また、前記媒体反転部材16を第2の作動位置に置くと、排出ユニット11によって搬送された用紙は、印刷面を上にして矢印C方向に排出され、前記入口Inよりわずかに内側に配設された排出媒体載置部55に後端を載置し、印刷装置の後部側において立てられた状態で媒体セット台51にスタックされる。
【0024】
このように、フェースダウン機能を使用して印刷を行った場合、用紙をトップカバー15に沿って正面側に排出することができるので、印刷済の用紙を操作者が取る際に印刷装置の後部側まで手を伸ばす必要がなくなり、作業を簡素化することができる。
【0025】
また、媒体反転部材16の内周面に湾曲部が形成されるので、媒体反転部材16内において用紙を案内するためにローラ等を配設する必要がない。したがって、印刷装置のコストを低くすることができる。
【0026】
なお、本実施の形態において、媒体反転部材16は揺動自在に配設されるようになっているが、媒体反転部材16を装置本体50に対して着脱自在に配設し、媒体反転部材16を装置本体50に取り付けたときに、用紙をトップカバー15上に排出し、媒体反転部材16を装置本体50から取り外したときに、用紙を媒体セット台51にスタックすることもできる。
【0027】
ところで、本実施の形態においては、フェースダウン機能を使用して印刷を行った場合、用紙をトップカバー15上に排出することができるが、複数の用紙に対して印刷を行った場合、用紙をスタックすることができない。
【0028】
そこで、フェースダウン機能を使用して印刷を行った場合に、用紙をスタックすることができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0029】
図4は本発明の第2の実施の形態における印刷装置の斜視図である。
【0030】
図において、26は、排出ユニット11(図1)によって搬送された媒体としての図示されない用紙を反転させ、スタックするための媒体反転・スタック部材であり、該媒体反転・スタック部材26は、図示されない係合部材によって装置本体50に対して着脱自在に配設され、前記媒体反転部材16と同じ構造を有する反転部材27、及び該反転部材27から前方に向けて突出させられ、トップカバー15上に載置させられ、頂壁16aに沿って、正面側に排出された用紙をスタックするためのスタック部材28を備える。該スタック部材28は、トップカバー15の後端15aに取り付けられ、トップカバー15に沿って前方に延び、「Y」字状の形状を有する媒体載置部28a、及び該媒体載置部28aの前端において上方に向けて突出させて形成され、用紙が滑り落ちないように係止させるストッパ28bを備える。
【0031】
この場合、媒体反転・スタック部材26を装置本体50に取り付けたときに、排出ユニット11によって搬送された用紙は、突出部18(図3)に当たり、導入口16eから媒体反転部材16内に導入され、背壁16b及び頂壁16aによって案内されて反転させられ、印刷面を下にして排出口16dからスタック部材28上に排出され、スタックされる。また、媒体反転・スタック部材26を装置本体50から取り外したときに、用紙を後部側排出部としての媒体セット台51にスタックすることができる。
【0032】
ところで、本実施の形態においては、印刷装置のトップカバー15の上方に、装置本体50より大きな面積を有する媒体反転・スタック部材26が配設されるので、印刷装置の外観が悪くなってしまう。また、装置本体50内に配設された消耗品を交換する場合、媒体反転・スタック部材26を取り外した後にトップカバー15を開く必要があり、作業が煩わしい。
【0033】
そこで、印刷装置のトップカバー15の上方に媒体反転部材だけを配設し、スタック部材を装置本体50の下部に配設するようにした本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0034】
図5は本発明の第3の実施の形態における印刷装置の斜視図、図6は本発明の第3の実施の形態におけるスタック部材を展開した状態を示す印刷装置の斜視図、図7は本発明の第3の実施の形態におけるスタック部材を展開する前の状態を示す断面図、図8は本発明の第3の実施の形態におけるスタック部材を展開した後の状態を示す断面図、図9は本発明の第3の実施の形態における用紙の排出状態を示す図である。
【0035】
図において、30は装置本体50の下部に配設されたスタック部材収容部であり、該スタック部材収容部30に引出し式のスタック部材33が装置本体50に対して出入自在に配設される。該スタック部材33は補助プレート34を備え、該補助プレート34に媒体受け部35及び媒体ストッパ36がそれぞれ揺動自在に配設される。そのために、補助プレート34の所定の箇所に第1、第2の支点部37、39が形成され、第1の支点部37が、媒体受け部35の両側壁に形成された小判孔38に嵌(かん)合され、第2の支点部39が、媒体ストッパ36の両側壁に形成された小判孔40に嵌合される。
【0036】
また、前記媒体ストッパ36には角穴41が形成され、該角穴41に媒体受け部35が貫通させられる。さらに、媒体受け部35の先端部の近傍に手掛け孔42が形成され、該手掛け孔42に操作者が指を掛けて引き上げると、媒体ストッパ36が連動して立ち上げられ、媒体受け部35の後端に形成された係止爪部43を補助プレート34に形成された角穴部44に挿入することによって、媒体受け部35は所定の角度で保持される。これに伴って、媒体ストッパ36は、媒体受け部35に対してほぼ直交した状態で保持される。
【0037】
次に、前記構成の印刷装置の動作について説明する。
【0038】
まず、媒体反転部材16を第1の作動位置に置き、スタック部材収容部30からスタック部材33を引き出し、媒体受け部35及び媒体ストッパ36を立ち上げると、図9に示されるように、媒体受け部35はトップカバー15の表面を延長した面を形成する。そして、排出ユニット11(図1)によって搬送された媒体としての図示されない用紙は、突出部18に当たり、導入口16eから媒体反転部材16内に導入され、背壁16b及び頂壁16aによって案内されて反転させられ、印刷面を下にして排出口16dから媒体受け部35上に矢印F方向に排出され、スタックされる。なお、前記媒体ストッパ36は、媒体受け部35とほぼ直交させられるので、媒体受け部35に排出された用紙のストッパとしても機能する。
【0039】
本実施の形態においては、装置本体50の下部にスタック部材収容部30が配設され、該スタック部材収容部30に引出し式のスタック部材33が出入自在に配設されるので、印刷装置の外観が悪くなるのを防止することができる。また、装置本体50内に配設された消耗品を交換する際の作業を簡素化することができる。
【0040】
次に、印刷装置のトップカバー15の上方に媒体反転部材だけを配設し、スタック部材を正面パネル50aの上部に配設するようにした本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0041】
図10は本発明の第4の実施の形態における印刷装置の斜視図、図11は本発明の第4の実施の形態における用紙の排出状態を示す図である。
【0042】
図において、60はトップカバー15の直下に配設されたスタック部材収容部であり、該スタック部材収容部60に引出し式のスタック部材61が出入自在に配設される。該スタック部材61は、媒体受け部66、及び該媒体受け部66の先端において、支点部68によって揺動自在に配設された媒体ストッパ67を備える。
【0043】
次に、前記構成の印刷装置の動作について説明する。
【0044】
この場合、媒体反転部材16を第1の作動位置に置き、スタック部材61を引き出すと、図11に示されるように、媒体受け部66はトップカバー15の表面を延長した面を形成する。そして、排出ユニット11(図1)によって搬送された媒体としての図示されない用紙は、突出部18に当たり、導入口16eから媒体反転部材16内に導入され、背壁16b及び頂壁16aによって案内されて反転させられ、印刷面を下にして排出口16dから媒体受け部66上に矢印G方向に排出され、スタックされる。
【0045】
本実施の形態においては、トップカバー15の直下にスタック部材収容部60が配設され、媒体セット台51に対してスタック部材61が出入自在に配設されるので、印刷装置の外観が悪くなるのを防止することができる。
【0046】
しかも、前記スタック部材収容部60が装置本体50と一体的に形成されるので、印刷装置の寸法が大きくなることがなく、部品点数が多くなることもない。
【0047】
次に、フェースダウン機能を使用して印刷を行った場合に、スタックされた用紙がカールするのを防止することができるようにした本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0048】
図12は本発明の第5の実施の形態における印刷装置の斜視図、図13は本発明の第5の実施の形態における用紙の排出状態を示す図である。
【0049】
図において、70はトップカバー75の直下に配設されたスタック部材収容部であり、該スタック部材収容部70に引出し式のスタック部材71が出入自在に配設される。該スタック部材71は、媒体受け部76、及び該媒体受け部76の先端において、支点部78によって揺動自在に配設された媒体ストッパ77を備える。また、前記トップカバー75の中央には、後部側から正面側にかけて、山形の突出部75aが用紙の搬送方向に沿って突出させて形成され、前記媒体受け部76にも、後方から前方にかけて、突出部75aに対応する形状を有する山形の突出部76aが形成される。
【0050】
次に、前記構成の印刷装置の動作について説明する。
【0051】
この場合、媒体反転部材16を第1の作動位置に置き、スタック部材71を引き出すと、媒体受け部76は突出部75aの表面を延長した面を形成する。そして、排出ユニット11(図1)によって搬送された媒体としての用紙21は、突出部18に当たり、導入口16eから媒体反転部材16内に導入され、背壁16b及び頂壁16aによって案内されて反転させられ、印刷面を下にして排出口16dから突出部75a、76a上に排出され、スタックされる。
【0052】
この場合、例えば、用紙21が、印刷面を下にして排出口16dから突出部75a、76a上に排出され、排出方向にカールしていても、排出方向と直交する方向に山形に折り曲げられるので、用紙21のカールを除去することができる。
【0053】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0054】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、印刷装置においては、装置本体と、印刷済の媒体を装置本体の後部側に排出するための後部側排出部と、湾曲面を有し、印刷済の媒体を湾曲面上で反転させ、装置本体のトップカバーに沿って正面側に排出するための媒体反転部材とを有する。
【0055】
この場合、印刷済の媒体が、媒体反転部材によって湾曲面上で反転させられ、装置本体のトップカバーに沿って正面側に排出されるので、印刷済の媒体を操作者が取る際に印刷装置の後部側まで手を伸ばす必要がなくなり、作業を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における印刷装置の断面図である。
【図2】従来の印刷装置の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における印刷装置の側面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における印刷装置の斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における印刷装置の斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態におけるスタック部材を展開した状態を示す印刷装置の斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態におけるスタック部材を展開する前の状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態におけるスタック部材を展開した後の状態を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態における用紙の排出状態を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における印刷装置の斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態における用紙の排出状態を示す図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態における印刷装置の斜視図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態における用紙の排出状態を示す図である。
【符号の説明】
15、75 トップカバー
16 媒体反転部材
16a 頂壁
21 用紙
28、33、61、71 スタック部材
35、66、76 媒体受け部
50 装置本体
51 媒体セット台
75a 突出部
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、業務用の印刷装置においては、印刷が終了した媒体としての用紙、すなわち、印刷済の用紙を、印刷面を下にして順に排出してスタックするフェースダウン機能、及び印刷済の用紙を、印刷面を上にして順に排出してスタックするフェースアップ機能を備えたものが多いが、個人用の印刷装置においては、小型化し、コストを低くするためにフェースアップ機能だけを備えたものが多い。
【0003】
図2は従来の印刷装置の断面図である。
【0004】
図において、50は印刷装置の装置本体であり、該装置本体50は正面パネル50a及び背面パネル50bを備え、該背面パネル50bの上端の近傍に媒体セット台51が取り付けられ、装置本体50内に、前記媒体セット台51と接続させて、かつ、背面パネル50bの上端の近傍から斜め下方に向けて媒体吸入ガイド20が配設され、前記媒体セット台51及び媒体吸入ガイド20によって媒体セット部54が構成される。そして、図示されない用紙は、媒体セット台51にセットされ、装置本体50における媒体セット台51と媒体吸入ガイド20との間に形成された入口Inを介して矢印A方向に挿入され、前端が給紙ローラ52に接触させられる。
【0005】
印刷が開始されると、給紙ローラ52が回転させられることによって、用紙は、矢印B方向に繰り出され、媒体搬送路に沿って搬送される。該媒体搬送路の途中には画像形成部53が配設され、該画像形成部53は、通過する用紙に画像を形成する。
【0006】
そして、画像形成部53を通過した用紙は、定着装置56を通過し、印刷が終了される。続いて、印刷済の用紙は、排出ユニット11によって印刷面を上にして矢印C方向に排出され、前記入口Inよりわずかに内側に配設された排出媒体載置部55に後端を載置し、印刷装置の背面側において立てられた状態でスタックされる。
【0007】
また、従来の他の印刷装置においては、正面パネルの下部に媒体収容部が配設され、該媒体収容部にセットされた用紙が繰り出され、同様に、画像形成部を通過する間に、用紙に画像を形成することができる。その場合も、画像形成部を通過した用紙は、定着装置を通過し、印刷が終了される。続いて、印刷済の用紙は、排出ユニットによって印刷面を上にして排出され、排出媒体載置部に後端を載置し、印刷装置の背面側において立てられた状態でスタックされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の各印刷装置において、用紙は、印刷装置の背面側においてスタックされるので、印刷済の用紙を操作者が取る際に印刷装置の背面側まで手を伸ばす必要があり、作業が煩わしい。
【0009】
本発明は、前記従来の印刷装置の問題点を解決して、印刷済の媒体を操作者が取る際の作業を簡素化することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の印刷装置においては、装置本体と、印刷済の媒体を装置本体の後部側に排出するための後部側排出部と、湾曲面を有し、印刷済の媒体を湾曲面上で反転させ、装置本体のトップカバーに沿って正面側に排出するための媒体反転部材とを有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の第1の実施の形態における印刷装置の断面図、図3は本発明の第1の実施の形態における印刷装置の側面図である。
【0013】
図において、50は印刷装置の装置本体であり、該装置本体50は正面パネル50a、背面パネル50b、及び後部側(背面側)から正面側にかけて徐々に低くなるように傾斜させられたトップカバー15を備え、前記背面パネル50bの上端の近傍に、媒体セット台51が上方に突出させて取り付けられ、装置本体50内に、前記媒体セット台51と接続させて、かつ、背面パネル50bの上端の近傍から斜め下方に向けて媒体吸入ガイド20が配設され、前記媒体セット台51及び媒体吸入ガイド20によって媒体セット部54が構成される。前記媒体吸入ガイド20の前端の近傍に給紙ローラ52が回転自在に配設される。
【0014】
そして、媒体としての図示されない用紙は、媒体セット台51にセットされ、装置本体50における媒体セット台51と媒体吸入ガイド20との間に形成された入口Inを介して矢印A方向に挿入され、媒体吸入ガイド20によって導入され、前端が給紙ローラ52に接触させられる。なお、前記媒体セット台51は、印刷済の用紙を排出し、積層するための後部側排出部としてのスタックを兼ねる。
【0015】
印刷が開始されると、給紙ローラ52が回転させられることによって、用紙は、矢印B方向に繰り出され、反転させられ、媒体搬送路に沿って搬送される。該媒体搬送路の途中には画像形成部53が配設され、該画像形成部53は、通過する用紙に画像を形成する。前記画像形成部53は、IDユニット81、露光装置としてのLEDヘッド82、転写ローラ83等を備え、前記IDユニット81は、像担持体としての感光体ドラム84、現像ローラ85、トナー供給ローラ86等を備える。
【0016】
前記画像形成部53において、まず、前記感光体ドラム84の表面が図示されない帯電装置としての帯電ローラによって一様に、かつ、均一に帯電させられ、続いて、感光体ドラム84の表面が前記LEDヘッド82によって露光され、感光体ドラム84の表面に静電潜像が形成される。続いて、前記現像ローラ85によって静電潜像が現像されて画像としてのトナー像が形成され、該トナー像は、感光体ドラム84と転写ローラ83との間を通過させられた用紙に転写される。
【0017】
そして、画像形成部53を通過した用紙は、定着装置56を通過し、印刷が終了される。前記定着装置56は、加熱ローラ87及び加圧ローラ88を備え、用紙上のトナー像は、加熱ローラ87によって加熱され、溶融させられ、加圧ローラ88によって用紙に押し付けられ、定着される。
【0018】
続いて、印刷済の用紙は、排出ユニット11によって装置本体50外に排出される。前記排出ユニット11は、用紙を排出するための駆動力を受けて回転させられる排出ローラ12、及び該排出ローラ12と接触させて配設され、用紙を排出ローラ12に押し付けるピンチローラ13を備える。
【0019】
ところで、前記構成の印刷装置は、印刷済の用紙を、印刷面を下にして順に排出してスタックするフェースダウン機能、及び印刷済の用紙を、印刷面を上にして順に排出してスタックするフェースアップ機能を備える。そのために、前記トップカバー15の後端部(図1R>1において右端部)の上方に、媒体反転部材16が、支点部17を揺動中心にして矢印D方向に揺動自在に配設され、図3の二点鎖線で表される第1の作動位置、及び図3の実線で表される第2の作動位置を採る。前記媒体反転部材16は、頂壁16a、背壁16b、左右の側壁16cを備え、前面(図1において左面)に排出口16dが、底面に導入口16eが形成される。また、前記媒体反転部材16は、背壁16bを延長させて形成された突出部18を備える。なお、前記頂壁16a及び背壁16bは、湾曲するコーナ部によって滑らかに接続され、媒体反転部材16の内周面に湾曲面を有する湾曲部を形成する。
【0020】
次に、前記構成の印刷装置の動作について説明する。
【0021】
まず、印刷が開始されると、給紙ローラ52が回転させられることによって、用紙は繰り出される。そして、画像形成部53によってトナー像が形成され、該トナー像は、媒体搬送路を搬送される用紙に転写される。続いて、用紙は、定着装置56に送られ、該定着装置56によってトナー像が定着され、印刷が終了する。
【0022】
そして、前記媒体反転部材16を第1の作動位置に置くと、排出ユニット11によって搬送された用紙は、突出部18に当たり、導入口16eから媒体反転部材16内に導入され、背壁16b及び頂壁16aによって案内されて前記湾曲面上で反転させられ、印刷面を下にして排出口16dからトップカバー15に沿って正面側に、矢印E方向に排出される。
【0023】
また、前記媒体反転部材16を第2の作動位置に置くと、排出ユニット11によって搬送された用紙は、印刷面を上にして矢印C方向に排出され、前記入口Inよりわずかに内側に配設された排出媒体載置部55に後端を載置し、印刷装置の後部側において立てられた状態で媒体セット台51にスタックされる。
【0024】
このように、フェースダウン機能を使用して印刷を行った場合、用紙をトップカバー15に沿って正面側に排出することができるので、印刷済の用紙を操作者が取る際に印刷装置の後部側まで手を伸ばす必要がなくなり、作業を簡素化することができる。
【0025】
また、媒体反転部材16の内周面に湾曲部が形成されるので、媒体反転部材16内において用紙を案内するためにローラ等を配設する必要がない。したがって、印刷装置のコストを低くすることができる。
【0026】
なお、本実施の形態において、媒体反転部材16は揺動自在に配設されるようになっているが、媒体反転部材16を装置本体50に対して着脱自在に配設し、媒体反転部材16を装置本体50に取り付けたときに、用紙をトップカバー15上に排出し、媒体反転部材16を装置本体50から取り外したときに、用紙を媒体セット台51にスタックすることもできる。
【0027】
ところで、本実施の形態においては、フェースダウン機能を使用して印刷を行った場合、用紙をトップカバー15上に排出することができるが、複数の用紙に対して印刷を行った場合、用紙をスタックすることができない。
【0028】
そこで、フェースダウン機能を使用して印刷を行った場合に、用紙をスタックすることができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0029】
図4は本発明の第2の実施の形態における印刷装置の斜視図である。
【0030】
図において、26は、排出ユニット11(図1)によって搬送された媒体としての図示されない用紙を反転させ、スタックするための媒体反転・スタック部材であり、該媒体反転・スタック部材26は、図示されない係合部材によって装置本体50に対して着脱自在に配設され、前記媒体反転部材16と同じ構造を有する反転部材27、及び該反転部材27から前方に向けて突出させられ、トップカバー15上に載置させられ、頂壁16aに沿って、正面側に排出された用紙をスタックするためのスタック部材28を備える。該スタック部材28は、トップカバー15の後端15aに取り付けられ、トップカバー15に沿って前方に延び、「Y」字状の形状を有する媒体載置部28a、及び該媒体載置部28aの前端において上方に向けて突出させて形成され、用紙が滑り落ちないように係止させるストッパ28bを備える。
【0031】
この場合、媒体反転・スタック部材26を装置本体50に取り付けたときに、排出ユニット11によって搬送された用紙は、突出部18(図3)に当たり、導入口16eから媒体反転部材16内に導入され、背壁16b及び頂壁16aによって案内されて反転させられ、印刷面を下にして排出口16dからスタック部材28上に排出され、スタックされる。また、媒体反転・スタック部材26を装置本体50から取り外したときに、用紙を後部側排出部としての媒体セット台51にスタックすることができる。
【0032】
ところで、本実施の形態においては、印刷装置のトップカバー15の上方に、装置本体50より大きな面積を有する媒体反転・スタック部材26が配設されるので、印刷装置の外観が悪くなってしまう。また、装置本体50内に配設された消耗品を交換する場合、媒体反転・スタック部材26を取り外した後にトップカバー15を開く必要があり、作業が煩わしい。
【0033】
そこで、印刷装置のトップカバー15の上方に媒体反転部材だけを配設し、スタック部材を装置本体50の下部に配設するようにした本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0034】
図5は本発明の第3の実施の形態における印刷装置の斜視図、図6は本発明の第3の実施の形態におけるスタック部材を展開した状態を示す印刷装置の斜視図、図7は本発明の第3の実施の形態におけるスタック部材を展開する前の状態を示す断面図、図8は本発明の第3の実施の形態におけるスタック部材を展開した後の状態を示す断面図、図9は本発明の第3の実施の形態における用紙の排出状態を示す図である。
【0035】
図において、30は装置本体50の下部に配設されたスタック部材収容部であり、該スタック部材収容部30に引出し式のスタック部材33が装置本体50に対して出入自在に配設される。該スタック部材33は補助プレート34を備え、該補助プレート34に媒体受け部35及び媒体ストッパ36がそれぞれ揺動自在に配設される。そのために、補助プレート34の所定の箇所に第1、第2の支点部37、39が形成され、第1の支点部37が、媒体受け部35の両側壁に形成された小判孔38に嵌(かん)合され、第2の支点部39が、媒体ストッパ36の両側壁に形成された小判孔40に嵌合される。
【0036】
また、前記媒体ストッパ36には角穴41が形成され、該角穴41に媒体受け部35が貫通させられる。さらに、媒体受け部35の先端部の近傍に手掛け孔42が形成され、該手掛け孔42に操作者が指を掛けて引き上げると、媒体ストッパ36が連動して立ち上げられ、媒体受け部35の後端に形成された係止爪部43を補助プレート34に形成された角穴部44に挿入することによって、媒体受け部35は所定の角度で保持される。これに伴って、媒体ストッパ36は、媒体受け部35に対してほぼ直交した状態で保持される。
【0037】
次に、前記構成の印刷装置の動作について説明する。
【0038】
まず、媒体反転部材16を第1の作動位置に置き、スタック部材収容部30からスタック部材33を引き出し、媒体受け部35及び媒体ストッパ36を立ち上げると、図9に示されるように、媒体受け部35はトップカバー15の表面を延長した面を形成する。そして、排出ユニット11(図1)によって搬送された媒体としての図示されない用紙は、突出部18に当たり、導入口16eから媒体反転部材16内に導入され、背壁16b及び頂壁16aによって案内されて反転させられ、印刷面を下にして排出口16dから媒体受け部35上に矢印F方向に排出され、スタックされる。なお、前記媒体ストッパ36は、媒体受け部35とほぼ直交させられるので、媒体受け部35に排出された用紙のストッパとしても機能する。
【0039】
本実施の形態においては、装置本体50の下部にスタック部材収容部30が配設され、該スタック部材収容部30に引出し式のスタック部材33が出入自在に配設されるので、印刷装置の外観が悪くなるのを防止することができる。また、装置本体50内に配設された消耗品を交換する際の作業を簡素化することができる。
【0040】
次に、印刷装置のトップカバー15の上方に媒体反転部材だけを配設し、スタック部材を正面パネル50aの上部に配設するようにした本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0041】
図10は本発明の第4の実施の形態における印刷装置の斜視図、図11は本発明の第4の実施の形態における用紙の排出状態を示す図である。
【0042】
図において、60はトップカバー15の直下に配設されたスタック部材収容部であり、該スタック部材収容部60に引出し式のスタック部材61が出入自在に配設される。該スタック部材61は、媒体受け部66、及び該媒体受け部66の先端において、支点部68によって揺動自在に配設された媒体ストッパ67を備える。
【0043】
次に、前記構成の印刷装置の動作について説明する。
【0044】
この場合、媒体反転部材16を第1の作動位置に置き、スタック部材61を引き出すと、図11に示されるように、媒体受け部66はトップカバー15の表面を延長した面を形成する。そして、排出ユニット11(図1)によって搬送された媒体としての図示されない用紙は、突出部18に当たり、導入口16eから媒体反転部材16内に導入され、背壁16b及び頂壁16aによって案内されて反転させられ、印刷面を下にして排出口16dから媒体受け部66上に矢印G方向に排出され、スタックされる。
【0045】
本実施の形態においては、トップカバー15の直下にスタック部材収容部60が配設され、媒体セット台51に対してスタック部材61が出入自在に配設されるので、印刷装置の外観が悪くなるのを防止することができる。
【0046】
しかも、前記スタック部材収容部60が装置本体50と一体的に形成されるので、印刷装置の寸法が大きくなることがなく、部品点数が多くなることもない。
【0047】
次に、フェースダウン機能を使用して印刷を行った場合に、スタックされた用紙がカールするのを防止することができるようにした本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0048】
図12は本発明の第5の実施の形態における印刷装置の斜視図、図13は本発明の第5の実施の形態における用紙の排出状態を示す図である。
【0049】
図において、70はトップカバー75の直下に配設されたスタック部材収容部であり、該スタック部材収容部70に引出し式のスタック部材71が出入自在に配設される。該スタック部材71は、媒体受け部76、及び該媒体受け部76の先端において、支点部78によって揺動自在に配設された媒体ストッパ77を備える。また、前記トップカバー75の中央には、後部側から正面側にかけて、山形の突出部75aが用紙の搬送方向に沿って突出させて形成され、前記媒体受け部76にも、後方から前方にかけて、突出部75aに対応する形状を有する山形の突出部76aが形成される。
【0050】
次に、前記構成の印刷装置の動作について説明する。
【0051】
この場合、媒体反転部材16を第1の作動位置に置き、スタック部材71を引き出すと、媒体受け部76は突出部75aの表面を延長した面を形成する。そして、排出ユニット11(図1)によって搬送された媒体としての用紙21は、突出部18に当たり、導入口16eから媒体反転部材16内に導入され、背壁16b及び頂壁16aによって案内されて反転させられ、印刷面を下にして排出口16dから突出部75a、76a上に排出され、スタックされる。
【0052】
この場合、例えば、用紙21が、印刷面を下にして排出口16dから突出部75a、76a上に排出され、排出方向にカールしていても、排出方向と直交する方向に山形に折り曲げられるので、用紙21のカールを除去することができる。
【0053】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0054】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、印刷装置においては、装置本体と、印刷済の媒体を装置本体の後部側に排出するための後部側排出部と、湾曲面を有し、印刷済の媒体を湾曲面上で反転させ、装置本体のトップカバーに沿って正面側に排出するための媒体反転部材とを有する。
【0055】
この場合、印刷済の媒体が、媒体反転部材によって湾曲面上で反転させられ、装置本体のトップカバーに沿って正面側に排出されるので、印刷済の媒体を操作者が取る際に印刷装置の後部側まで手を伸ばす必要がなくなり、作業を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における印刷装置の断面図である。
【図2】従来の印刷装置の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における印刷装置の側面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における印刷装置の斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における印刷装置の斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態におけるスタック部材を展開した状態を示す印刷装置の斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態におけるスタック部材を展開する前の状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態におけるスタック部材を展開した後の状態を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態における用紙の排出状態を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における印刷装置の斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態における用紙の排出状態を示す図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態における印刷装置の斜視図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態における用紙の排出状態を示す図である。
【符号の説明】
15、75 トップカバー
16 媒体反転部材
16a 頂壁
21 用紙
28、33、61、71 スタック部材
35、66、76 媒体受け部
50 装置本体
51 媒体セット台
75a 突出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)装置本体と、
(b)印刷済の媒体を装置本体の後部側に排出するための後部側排出部と、
(c)湾曲面を有し、印刷済の媒体を湾曲面上で反転させ、装置本体のトップカバーに沿って正面側に排出するための媒体反転部材とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記媒体反転部材は、揺動自在に配設され、媒体を正面側に排出するための第1の作動位置、及び媒体を後部側に排出するための第2の作動位置を採る請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
(a)前記媒体反転部材は、装置本体に対して着脱自在に配設され、
(b)前記媒体反転部材が装置本体に取り付けられたときに、媒体は正面側に排出され、
(c)前記媒体反転部材が装置本体から取り外されたときに、媒体は後部側に排出される請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
(a)前記トップカバーは、後部側から正面側にかけて徐々に低くなるように傾斜させられ、
(b)前記媒体反転部材は、頂壁に沿って、正面側に排出された媒体をスタックするためのスタック部材を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
正面側に排出された媒体をスタックするためのスタック部材が装置本体に対して出入自在に配設される請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記スタック部材は、装置本体から引き出されたときに、前記トップカバーの表面を延長した面を形成する請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記スタック部材は、装置本体から引き出されたときに、立ち上げられ、前記トップカバーの表面を延長した面を形成する媒体受け部を備える請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記トップカバーは、媒体の排出方向に沿って形成された突出部を備える請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項1】
(a)装置本体と、
(b)印刷済の媒体を装置本体の後部側に排出するための後部側排出部と、
(c)湾曲面を有し、印刷済の媒体を湾曲面上で反転させ、装置本体のトップカバーに沿って正面側に排出するための媒体反転部材とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記媒体反転部材は、揺動自在に配設され、媒体を正面側に排出するための第1の作動位置、及び媒体を後部側に排出するための第2の作動位置を採る請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
(a)前記媒体反転部材は、装置本体に対して着脱自在に配設され、
(b)前記媒体反転部材が装置本体に取り付けられたときに、媒体は正面側に排出され、
(c)前記媒体反転部材が装置本体から取り外されたときに、媒体は後部側に排出される請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
(a)前記トップカバーは、後部側から正面側にかけて徐々に低くなるように傾斜させられ、
(b)前記媒体反転部材は、頂壁に沿って、正面側に排出された媒体をスタックするためのスタック部材を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
正面側に排出された媒体をスタックするためのスタック部材が装置本体に対して出入自在に配設される請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記スタック部材は、装置本体から引き出されたときに、前記トップカバーの表面を延長した面を形成する請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記スタック部材は、装置本体から引き出されたときに、立ち上げられ、前記トップカバーの表面を延長した面を形成する媒体受け部を備える請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記トップカバーは、媒体の排出方向に沿って形成された突出部を備える請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2004−74588(P2004−74588A)
【公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−238277(P2002−238277)
【出願日】平成14年8月19日(2002.8.19)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年8月19日(2002.8.19)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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