説明

印刷装置

【課題】本体制御部からヘッド制御部へ送信される信号の量を少なくすることにより、信号の送信の際に、必要となる信号線を少なくすることのできる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置は、本体制御部21とヘッド制御部23を備えている。本体制御部21とヘッド制御部23は、信号線101〜115及び、信号線201〜215を有するフレキシブルケーブル100で接続されている。ヘッド制御部23は、本体制御部21から受信したインクの吐出の有無を示す画像データとインクの吐出量を制御する波形信号に基づいて、前処理ヘッド駆動部33と後処理ヘッド駆動部34を制御する。本体制御部21は全てのヘッド駆動部に対応する画像データと、一部のヘッド駆動部に対応する波形信号をヘッド制御部23に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドを搭載するキャリッジを備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙、Tシャツなどの記録媒体に対して、キャリッジに搭載されたインクジェットヘッドからインクを吐出して印刷を行う印刷装置が知られている。この印刷装置は、例えば、白(W1、W2、W3、W4)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)等の複数のインクの各々の吐出を制御して印刷を行う。特許文献1には、記録媒体である布帛に印刷を行う印刷装置が開示されている。
【0003】
このような印刷装置において、装置本体に備えられている本体制御部と、移動可能なキャリッジに備えられているヘッド制御部とが、フレキシブルケーブルなどの配線部材で電気的に接続されている。この配線部材を通して、各色に対応する画像データと、これらの色に対応したインクの吐出量を制御するための信号である波形信号とが、本体制御部からヘッド制御部へ送信される。
【0004】
上記のような印刷装置における本体制御部からヘッド制御部へのデータの送信の一例についてのタイミングチャートを図9に示す。図9は、白(W1、W2、W3、W4)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の8つの信号群を示している。図9に示されている8つの信号群の全てにおいて、画像データ、クロック、波形データ1、波形データ2、及びストローブの5種類の信号が、本体制御部からヘッド制御部へ送信されている。本体制御部からヘッド制御部に送信される信号は、40種類の信号となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−226768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の印刷装置では、画像データ及び波形信号が共に、インクジェットヘッド毎に、本体制御部からヘッド制御部に送信されている。よって、送信されるデータ量が多い。そのため、装置本体とキャリッジを電気的に接続している配線部材であるフレキシブルケーブルの信号線の本数が多く必要となる。このように必要となる信号線の数が増加すると、幅寸法の広いフレキシブルケーブルが必要となる。装置本体とキャリッジの間の配線が煩雑となる。
【0007】
本発明の目的は、本体制御部からヘッド制御部へ送信される信号の量を少なくすることにより、信号の送信の際に、必要となる信号線を少なくすることのできる印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る印刷装置は、所定の領域に対してインクの吐出の有無を示す画像データに基づき、記録媒体にインクを吐出する複数のインクジェットヘッドと、前記複数のインクジェットヘッドを搭載するキャリッジとを備えた印刷装置において、前記キャリッジに搭載され、前記複数のインクジェットヘッドをそれぞれ駆動する複数のヘッド駆動部と、前記キャリッジに搭載され、前記複数のヘッド駆動部を制御するヘッド制御部と、前記印刷装置の装置本体に設けられ、前記装置本体と前記キャリッジとの間に設けられた信号線を用いて、前記ヘッド制御部に対して、前記ヘッド駆動部毎の画像データ、及び前記画像データに対応したインク量を吐出するための信号であって、前記複数のヘッド駆動部の一部に対応する波形信号を送信する本体制御部とを備え、前記ヘッド制御部は、前記本体制御部から送信された前記波形信号と、前記本体制御部から送信された前記ヘッド駆動部毎の前記画像データとに基づき、前記複数のヘッド駆動部を制御することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る印刷装置は、装置本体に備えられた本体制御部からキャリッジに備えられたヘッド制御部へ送信される波形データの数を少なくすることができる。これによって、本体制御部とヘッド制御部とを電気的に接続するフレキシブルケーブルの信号線を少なくすることができる。
【0010】
前記複数のインクジェットヘッドは、前記記録媒体に前処理用の印刷を行うための複数の前処理ヘッドを搭載する前処理ヘッド部と、前記前処理ヘッド部による前処理用の印刷後の前記記録媒体に後処理用の印刷を行うための複数の後処理ヘッドを搭載する後処理ヘッド部とを含んでもよい。前記ヘッド駆動部は、前記複数の前処理ヘッドをそれぞれ駆動する複数の第一ヘッド駆動部と、前記複数の後処理ヘッドをそれぞれ駆動する複数の第二ヘッド駆動部とを備えてもよい。前記ヘッド制御部は、前記複数の第一ヘッド駆動部を制御する第一ヘッド制御部と、前記複数の第二ヘッド駆動部を制御する第二ヘッド制御部とを備えてもよい。前記本体制御部は、前記第一ヘッド制御部に対して、前記第一ヘッド駆動部毎の画像データ、及び当該画像データに対応したインク量を吐出するための信号であって、前記複数の第一ヘッド駆動部の一部に対応する第一波形信号を送信してもよい。前記第二ヘッド制御部に対して、前記第二ヘッド駆動部毎の画像データ、及び当該画像データに対応したインク量を吐出するための信号であって、前記複数の第二ヘッド駆動部の一部に対応する第二波形信号を送信してもよい。この場合、前処理ヘッド部と後処理ヘッド部とで別々に、第一ヘッド駆動部及び第二ヘッド駆動部のそれぞれの何れか一つに対応する波形信号を送信するので、本体制御部と第一ヘッド制御部とを接続する信号線の本数と本体制御部と第二ヘッド制御部とを接続する信号線の本数を少なくすることができる。
【0011】
前記前処理ヘッドから吐出される第一のインクの量を制御する前記第一波形信号と、前記後処理ヘッドから吐出される第二のインクの量を制御する前記第二波形信号とは互いに異なる波形の信号であってもよい。この場合、前処理ヘッドから吐出されるインクの量と後処理ヘッドから吐出されるインクの量とを、独立に制御することができる。
【0012】
また、第一態様において、前記第一のインクの量は、前記第二のインクの量よりも少ない量であってもよい。この場合、前処理ヘッドから吐出されるインクの量を後処理ヘッドから吐出されるインクの量よりも少なくなるように制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】印刷装置1の概略構成の模式図である。
【図2】印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における本体制御部21とヘッド制御部23の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】白波形データ1と白波形データ2のタイミングチャートである。
【図5】生成波形データテーブル500の概念図である。
【図6】カラー波形データ1とカラー波形データ2のタイミングチャートである。
【図7】生成波形データテーブル600の概念図である。
【図8】本実施形態における本体制御部21からヘッド制御部23へ送信されるデータのタイミングチャートである。
【図9】従来例における本体制御部からヘッド制御部へ送信されるデータのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照して、印刷装置1について説明する。印刷装置1は、インクカートリッジ10から供給されたインクを用いて、インクジェットヘッドユニット14により印刷媒体である布帛に印刷を行うことが可能なプリンタである。なお、図1の上下方向、左右方向、および左下方向が、印刷装置1の上下方向、左右方向および正面側、並びにインクカートリッジ10の上下方向、左右方向および正面側である。
【0015】
印刷装置1は、矩形箱状の筐体11を有する。筐体11の内部の左右方向略中央下部に、一対のプラテンガイドレール2が前後方向に延びている。プラテン支持台3は、プラテンガイドレール2により、プラテンガイドレール2に沿って前後方向に移動可能に支持されている。プラテン支持台3上面の左右方向略中央には、取り換え可能なプラテン4が固定されている。プラテン4は、平面視略五角形の板体であり、その上面に、例えばTシャツなどの布帛を載置するためのものである。詳細は図示しないが、プラテン4が固定されたプラテン支持台3は、プラテン駆動モータやベルト伝達機構を含むプラテン駆動機構により、プラテンガイドレール2に沿って前後方向に移動される。
【0016】
筐体11の前後方向略中央、かつ、プラテン4の上方には、キャリッジガイドレール12が左右方向に延びている。キャリッジ13は、キャリッジガイドレール12によって、キャリッジガイドレール12に沿って左右方向に移動可能に支持されている。キャリッジ13の下部にはインクジェットヘッドユニット14が固定されている。詳細は図示しないが、インクジェットヘッドユニット14を備えたキャリッジ13は、キャリッジ駆動モータやベルト伝達機構を含むキャリッジ駆動機構によって、キャリッジガイドレール12に沿って左右方向に移動される。インクジェットヘッドユニット14には、チューブ(図示略)を介して、筐体11内に設けられたカートリッジ装着部(図示略)にセットされたインクカートリッジ10からインクが供給される。
【0017】
インクジェットヘッドユニット14には、後述する前処理ヘッド部43と後処理ヘッド部44が設けられている。なお、特に図示しないが、前処理ヘッド部43は、キャリッジ13の走査方向(図1の左右方向)に対して平行に、前処理インクを吐出する4つのヘッドを直線状に有する。後処理ヘッド部44は前処理ヘッド部43の後ろ側において、キャリッジ13の走査方向(図1の左右方向)に対して平行に、後処理インクを吐出する4つのヘッドを直線状に有する。前処理ヘッド部43と後処理ヘッド部44に備えられたインクジェットヘッドの底面には複数個の微細なノズルが設けられており、圧電素子の駆動によりノズルから下向きにインクの液滴が吐出されることで、プラテン4上に載置された布帛に印刷が行われる。
【0018】
印刷装置は、前処理において、印刷媒体上の文字やイラストなどが印刷される領域に対して、白のインクを吐出し、印刷を行う。後処理において、前処理で印刷された白の領域の範囲内で、シアン、マゼンダ、イエロー、及びブラックのインクを吐出し、印刷を行う。
【0019】
印刷装置1の前面には、印刷装置1の操作を行うための操作部16が設けられている。この操作部16には、各種の表示を行うディスプレイ17、および印刷などを指示する操作ボタン18が設けられている。
【0020】
筐体11内のカートリッジ装着部には、8個のインクカートリッジ10がセット可能である。筐体11前面の右下部には、インクカートリッジ10をインク収容部に着脱するための開口であるカートリッジ挿入口15が8個設けられている。なお、本実施形態の印刷装置1では、前処理インク用の白インク(以下、W1、W2、W3、W4とする)のインクカートリッジ10が4個と、後処理インク用のシアン(以下、Cとする)、マゼンタ(以下、Mとする)、イエロー(以下、Yとする)、及びブラック(以下、Kとする)の4色のカラーインクカートリッジ10が1個ずつ使用される。本実施形態では、一回の吐出動作でノズルから吐出されるインクの量は、白インクの方がカラーインクよりも少ない。
【0021】
次に、図2を参照して、印刷装置1の電気的構成について説明する。図2は、印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。図2に示すように、印刷装置1には、印刷装置1の制御を司るCPU20が設けられている。CPU20には、本体制御部21、表示制御部25、入力検知部26、及びUSB I/F27がバス22を介して接続されている。
【0022】
本体制御部21には、ROM31とRAM32が接続されている。ROM31には、印刷装置1の動作を制御するための制御プログラムや、印刷処理を実行するための印刷実行プログラムなどを記憶する各種記憶領域が設けられている。
【0023】
RAM32には、印刷の実行時に、印刷に必要な印刷データを一時的に記憶する印刷データ記憶領域、その他各種記憶領域が設けられている。本体制御部21とキャリッジ13に設けられたヘッド制御部23は、可撓性を有するフレキシブルケーブル100によって接続されている。
【0024】
ヘッド制御部23は、キャリッジ13に設けられている。前処理ヘッド駆動部33は、キャリッジ13に設けられている。前処理ヘッド駆動部33は、第一ヘッド駆動部33A、第二ヘッド駆動部33B、第三ヘッド駆動部33C、及び第四ヘッド駆動部33Dを備えている。
【0025】
前処理ヘッド部43は、インクジェットヘッドユニット14に備えられている。前処理ヘッド部43は、キャリッジ13に設けられている。前処理ヘッド部43は、第一ヘッド43A、第二ヘッド43B、第三ヘッド43C、及び第四ヘッド43Dを備えている。例えば、第一ヘッド43AはW1のインクを、第二ヘッド43BはW2のインクを、第三ヘッド43CはW3のインクを、第四ヘッド43DはW4のインクを、記録媒体に吐出する。
【0026】
後処理ヘッド駆動部34は、キャリッジ13に設けられている。後処理ヘッド駆動部34は、第五ヘッド駆動部34E、第六ヘッド駆動部34F、第七ヘッド駆動部34G、第八ヘッド駆動部34Hを備えている。
【0027】
後処理ヘッド部44は、インクジェットヘッドユニット14に備えられている。後処理ヘッド部44は、キャリッジ13に設けられている。後処理ヘッド部44は、第五ヘッド44E、第六ヘッド44F、第七ヘッド44G、及び第八ヘッド44Hを備えている。例えば、第五ヘッド44EはCのインクを、第六ヘッド44FはMのインクを、第七ヘッド44GはYのインクを、第八ヘッド44HはKのインクを、記録媒体に吐出する。
【0028】
ヘッド制御部23は、前処理ヘッド駆動部33と後処理ヘッド駆動部34に接続されている。前処理ヘッド駆動部33は、前処理ヘッド部43に接続されている。前処理ヘッド駆動部33は、前処理ヘッド部43に備えられた、第一ヘッド43A、第二ヘッド43B、第三ヘッド43C、及び第四ヘッド43Dの各吐出チャンネルに設けられた圧電アクチュエータを駆動する。後処理ヘッド駆動部34は、後処理ヘッド部44に接続されている。後処理ヘッド駆動部34は、後処理ヘッド部44に備えられた、第五ヘッド44E、第六ヘッド44F、第七ヘッド44G、及び第八ヘッド44Hの各吐出チャンネルに設けられた圧電アクチュエータを駆動する。
【0029】
表示制御部25は、ディスプレイ17に接続されており、CPU40からの制御により表示処理を行う。また、入力検知部26は、操作ボタン18と接続されており、入力の検知を行う。また、USB I/F27を介して、印刷装置1がPC28などの外部機器に接続される。
【0030】
このような構成のもと、本実施の形態の印刷装置1は、PC28から印刷データを受信し、ユーザによって布帛がプラテン4へ載置されて、操作ボタン18が操作されることにより、印刷処理を開始する。
【0031】
この印刷処理では、キャリッジ13が記録開始位置となるようにプラテン4を印刷装置1の後方へ移動させる。次いで、印刷装置1は、キャリッジ13を、キャリッジガイドレール12に沿った印刷装置1の左右方向へ移動させながら、画像データに基づいて、前処理ヘッド部43によるインクの吐出をし、前処理印刷を行う。このようにして1ラインの印刷が行われる。
【0032】
画像データは、インクを吐出するか否かを画素毎に示すデータである。ここでの画像データは、画像データW1、画像データW2、画像データW3、画像データW4、画像データC、画像データM、画像データY、及び画像データKの8つのデータによって構成されている。例えば、画像データは複数ビットの信号である。少なくとも1ビットの信号と、記録波形データを選択するための、少なくとも2ビットの信号とを併せ持った3ビットのデータである。印刷装置1は、選択された記録波形データを用いて、複数のインクジェットヘッドを駆動する。
【0033】
記録波形データは、画像データに対応したインクの吐出を制御するための信号である。例えば、インクの吐出回数やインク滴の大きさを示す信号である。記録波形データは、複数ビットの画像データの中から選択される、少なくとも4個のパルス列の信号である。印刷装置1は、このパルス列の信号に基づいて最適な複数のインクジェットヘッドを駆動する。
【0034】
図3を参照して本体制御部21とヘッド制御部23の説明をする。装置本体に備えられている本体制御部21は、白画像データ生成部51、白波形データ生成部52、白基本データ生成部53、カラー画像データ生成部61、カラー波形データ生成部62、及びカラー基本データ生成部63を備え、CPU20の指令によりデータを生成する。CPU20は、印刷処理が開始される際に、白画像データ生成部51、白波形データ生成部52、白基本データ生成部53、カラー画像データ生成部61、カラー波形データ生成部62、及びカラー基本データ生成部63に対して、データを生成する指令を送信する。
【0035】
白画像データ生成部51、白波形データ生成部52、及び白基本データ生成部53は、白データ転送セレクタ54に接続されている。カラー画像データ生成部61、カラー波形データ生成部62及び、カラー基本データ生成部63は、カラーデータ転送セレクタ64に接続されている。
【0036】
白画像データ生成部51は、CPU20の指令に基づいて、画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4を生成する。白画像データ生成部51は、画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4を白データ転送セレクタ54に送信する。
【0037】
白波形データ生成部52は、CPU20の指令に基づいて、画像データW1に対応したインクの吐出量を制御するための信号である白波形データを生成する。つまり、白波形データ生成部52は、画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4のうちの一部に対応した白波形データを生成する。白波形データは、白波形データ1と白波形データ2を含む信号である。また、白波形データ生成部52は、画像データと白波形データを切換えるための画像/白波形データ選択信号を生成する。白波形データ生成部52は、白波形データと画像/白波形選択データを白データ転送セレクタ54に送信する。
【0038】
白基本データ生成部53は、CPU20の指令に基づいて、画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4に対応した、4種類のストローブ信号と4種類のクロック信号を生成する。白基本データ生成部53は、4種類のストローブ信号と4種類のクロック信号を白データ転送セレクタ54に送信する。
【0039】
白データ転送セレクタ54は、白画像データ生成部51、白波形データ生成部52、及び白基本データ生成部53で生成されたデータを受信する。白データ転送セレクタ54は、受信したデータを、フレキシブルケーブル100を通じて白データデセレクタ55に送信する。
【0040】
カラー画像データ生成部61は、CPU20の指令に基づいて、画像データC、画像データM、画像データY、及び画像データKを生成する。カラー画像データ生成部61は、画像データC、画像データM、画像データY、及び画像データKをカラーデータ転送セレクタ64に送信する。なお、カラー画像データ生成部61と白画像データ生成部51は、互いに独立して信号を生成する。
【0041】
カラー波形データ生成部62は、CPU20の指令に基づいて、画像データKに対応したインクの吐出量を制御するためのカラー波形データを生成する。つまり、カラー波形データ生成部62は、画像データY、画像データM、画像データC、及び画像データKのうちの一部に対応したカラー波形データを生成する。カラー波形データは、カラー波形データ1とカラー波形データ2を含んでいる。また、カラー波形データ生成部62は、画像データとカラー波形データを切換えるための画像/カラー波形データ選択信号を生成する。カラー波形データ生成部62は、カラー波形データと画像/カラー波形選択データをカラーデータ転送セレクタ64に送信する。なお、カラー波形データ生成部62と白波形データ生成部52は、互いに独立してデータを生成する。
【0042】
カラー基本データ生成部63は、CPU20の指令に基づいて、画像データC、画像データM、画像データY、及び画像データKに対応した、4種類のストローブ信号と4種類のクロック信号を生成する。カラー基本データ生成部63は、4種類のストローブ信号と4種類のクロック信号をカラーデータ転送セレクタ64に送信する。
【0043】
カラーデータ転送セレクタ64は、カラー画像データ生成部61、カラー波形データ生成部62及び、カラー基本データ生成部63で生成された信号を受信する。カラーデータ転送セレクタ64は、受信した信号を、フレキシブルケーブル100を通じてカラーデータデセレクタ65に送信する。
【0044】
フレキシブルケーブル100は、図2に示す、装置本体に備えられた本体制御部21と、キャリッジ13に備えられたヘッド制御部を接続する。フレキシブルケーブル100は、信号線101〜115と信号線201〜215を備えている。
【0045】
信号線101は、画像データW1を、白データ転送セレクタ54から白データデセレクタ55に送信する際に使用される。信号線102は、白波形データ1を、白データ転送セレクタ54から白データデセレクタ55に送信する際に使用される。信号線103は、白波形データ2を、白データ転送セレクタ54から白データデセレクタ55に送信する際に使用される。
【0046】
信号線104は、画像/白波形選択データを、白データ転送セレクタ54から白データデセレクタ55に送信する際に使用される。信号線105、信号線106、及び信号線107は、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4を、白データ転送セレクタ54から白データデセレクタ55に送信する際に使用される。
【0047】
信号線108、信号線109、信号線110、及び信号線111は、画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4に対応したストローブ信号を、白データ転送セレクタ54から白データデセレクタ55に送信する際に使用される。
【0048】
信号線112、信号線113、信号線114、及び信号線115は、画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4に対応したクロック信号を、白データ転送セレクタ54から白データデセレクタ55に送信する際に使用される。
【0049】
信号線201は、画像データKを、カラーデータ転送セレクタ64からカラーデータデセレクタ65に送信する際に使用される。信号線202は、カラー波形データ1を、カラーデータ転送セレクタ64からカラーデータデセレクタ65に送信する際に使用される。信号線203は、カラー波形データ2を、カラーデータ転送セレクタ64からカラーデータデセレクタ65に送信する際に使用される。
【0050】
信号線204は、画像/カラー波形選択データを、カラーデータ転送セレクタ64からカラーデータデセレクタ65に送信する際に使用される。信号線205、信号線206、及び信号線207は、画像データC、画像データM、及び画像データYを、カラーデータ転送セレクタ64からカラーデータデセレクタ65に送信する際に使用される。
【0051】
信号線208、信号線209、信号線210、及び信号線211は、各々、画像データC、画像データM、画像データY、及び画像データKに対応したストローブ信号を、カラーデータ転送セレクタ64からカラーデータデセレクタ65に送信する際に使用される。
【0052】
信号線212、信号線213、信号線214、及び信号線215は、各々、画像データC、画像データM、画像データY、及び画像データKに対応したクロック信号を、カラーデータ転送セレクタ64からカラーデータデセレクタ65に送信する際に使用される。
【0053】
ヘッド制御部23は、白データデセレクタ55、白データデコーダ56、白波形生成部57、カラーデータデセレクタ65、カラーデータデコーダ66、及びカラー波形生成部67を備えている。
【0054】
前処理ヘッド駆動部33は、白データデコーダ56と白波形生成部57に接続されている。白データデコーダ56と白波形生成部57は、白データデセレクタ55に接続されている。白データデセレクタ55は、フレキシブルケーブル100を介して、白データ転送セレクタ54に接続されている。
【0055】
後処理ヘッド駆動部34は、カラーデータデコーダ66とカラー波形生成部65に接続されている。カラーデータデコーダ66とカラー波形生成部65は、カラーデータデセレクタ65に接続されている。カラーデータデセレクタ65は、フレキシブルケーブル100を介して、カラーデータ転送セレクタ64に接続されている。
【0056】
白データデセレクタ55は、画像/白波形選択データがロウの場合に、画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4を白データデコーダ56に送信する。一方、画像/白波形データ選択信号がハイの場合には、白波形データを白波形生成部57に送信する。
【0057】
白データデコーダ56は、白データデセレクタ55から送信された、画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4に基づいて、前処理ヘッド駆動部33を駆動するための、W1駆動データ、W2駆動データ、W3駆動データ、W4駆動データの各信号を生成する。白データデコーダ56は、W1駆動データ、W2駆動データ、W3駆動データ、及びW4駆動データを前処理ヘッド部43に送信する。
【0058】
白波形生成部57は、白データデセレクタ55から送信された画像データW1に対応する白波形データ1と白波形データ2に基づいて、画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4に対応した、W1波形データ、W2波形データ、W3波形データ、及びW4波形データを生成する。また、白波形生成部57は、W1波形データ、W2波形データ、W3波形データ、及びW4波形データを前処理ヘッド駆動部33に送信する。
【0059】
ここで、白波形生成部57は、白波形データに基づいて、W1インク、W2インク、W3インク、及びW4インクを吐出するヘッドの各ノズルに対応した波形データを生成する。つまり、白波形データ1と白波形データ2に基づいて、記録波形データである、W1波形データ、W2波形データ、W3波形データ、及びW4波形データを生成する。
【0060】
ここで、W1波形データ、W2波形データ、W3波形データ、及びW4波形データが生成される例を図4と図5を用いて説明する。図4に示すように、白波形データは、白波形データ1と白波形データ2の2ビットで構成される。図5に示した生成波形データテーブル500は、白波形データ1と白波形データ2に基づいて生成される、FIRE0、FIRE2、FIRE4、及びFIRE6を示したものである。
【0061】
白波形データ1と白波形データ2が共にロウの場合、つまり、白波形データ1と白波形データが共に0の場合、FIRE0が生成される。白波形データ1がハイ、白波形データ2がロウの場合、つまり、白波形データが1、白波形データ2が0の場合、FIRE2が生成される。白波形データ1がロウ、白波形データ2がハイの場合、つまり、白波形データ1が0、白波形データ2が1の場合、FIRE4が生成される。白波形データ1と白波形データ2が共にハイの場合、つまり、白波形データ1と白波形データ2が共に1の場合、FIRE6が生成される。
【0062】
本実施形態において、第一ヘッド43A、第二ヘッド43B、第三ヘッド43C、及び第四ヘッド43Dは、各々、インクを吐出するノズルを128個備えている。白波形生成部57は、白波形データに基づいて、4つのノズル単位で記録波形データを生成する。白波形データは、画像データW1に対応している。このように、画像データW1に対応した白波形データのみを本体制御部21からヘッド制御部23に送信し、第一ヘッド43A
、第二ヘッド43B、第三ヘッド43C、及び第四ヘッド43Dのインクの吐出を制御するので、信号線の数を大幅に少なくすることができる。
【0063】
図2に示す前処理ヘッド部43に備えられた第一ヘッド43A、第二ヘッド43B、第三ヘッド43C、及び第四ヘッド43Dに備えられているノズルからのインクの吐出は、図3に示す前処理ヘッド駆動部33に送信されるW1波形データ、W2波形データ、W3波形データ、及びW4波形データに従って制御される。
【0064】
カラーデータデセレクタ65は、画像/カラー波形選択データがロウの場合に、画像データC、画像データM、画像データY、及び画像データKをカラーデータデコーダ66に送信する。一方、画像/カラー波形選択データがハイの場合には、カラー波形データをカラー波形生成部67に送信する。
【0065】
カラーデータデコーダ66は、カラーデータデセレクタ65から送信された、画像データC、画像データM、画像データY、及び画像データKに基づいて、後処理ヘッド駆動部34を駆動するための、C駆動データ、M駆動データ、Y駆動データ、及びK駆動データを生成する。カラーデータデコーダ66は、C駆動データ、M駆動データ、Y駆動データ、及びK駆動データを後処理ヘッド部44に送信する。
【0066】
カラー波形生成部67は、カラーデータデセレクタ65から送信された画像データKに対応するカラー波形データに基づいて、画像データC、画像データM、画像データY、及び画像データKの各々に対応した、C波形データ、M波形データ、Y波形データ、及びK波形データを生成する。また、カラー波形生成部67は、C波形データ、M波形データ、Y波形データ、及びK波形データを後処理ヘッド駆動部34に送信する。
【0067】
ここで、カラー波形生成部67は、カラー波形データに基づいて、Cインク、Mインク、Yインク、及びKインクを吐出するヘッドの各ノズルに対応した波形データを生成する。つまり、カラー波形データ1とカラー波形データ2に基づいて、C波形データ、M波形データ、Y波形データ、及びK波形データを生成する。
【0068】
ここで、C波形データ、M波形データ、Y波形データ、及びK波形データが生成される例を図6と図7を用いて説明する。図6に示すように、カラー波形データは、カラー波形データ1とカラー波形データ2の2ビットで構成されている。図7に示した生成波形データテーブル600は、白波形データ1と白波形データ2に基づいて生成される、記録波形データである、FIRE0、FIRE2、FIRE4、及びFIRE6を示したものである。
【0069】
カラー波形データ1とカラー波形データ2が共にロウの場合、つまり、カラー波形データ1とカラー波形データが共に0の場合、FIRE0が生成される。カラー波形データ1がハイ、カラー波形データ2がロウの場合、つまり、カラー波形データが1、カラー波形データ2が0の場合、FIRE2が生成される。カラー波形データ1がロウ、カラー波形データ2がハイの場合、つまり、カラー波形データ1が0、カラー波形データ2が1の場合、FIRE4が生成される。カラー波形データ1とカラー波形データ2が共にハイの場合、つまり、カラー波形データ1とカラー波形データ2が共に1の場合、FIRE6が生成される。
【0070】
本実施形態において、第五ヘッド44E、第六ヘッド44F、第七ヘッド44G、及び第八ヘッド44Hは、各々、インクを吐出するノズルを128個備えている。カラー波形生成部67は、カラー波形データに基づいて、4つのノズル単位で記録波形データを生成する。カラー波形データは、画像データKに対応している。このように、画像データKに対応したカラー波形データのみを本体制御部21からヘッド制御部23に送信し、第五ヘッド44E、第六ヘッド44F、第七ヘッド44G、及び第八ヘッド44Hのインクの吐出を制御するので、信号線の数を大幅に少なくすることができる。
【0071】
図2に示す後処理ヘッド部44に備えられた第五ヘッド44E、第六ヘッド44F、第七ヘッド44G、及び第八ヘッド44Hに備えられているノズルからのインクの吐出は、図3に示す後処理ヘッド駆動部34に送信されるC波形データ、M波形データ、Y波形データ、及びK波形データに従って制御される。
【0072】
次いで、図8を参照して、本体制御部21からヘッド制御部23へ送信される信号について説明する。図8は、図9と同様に、白(W1、W2、W3、W4)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の8つの信号群を示している。白(W1)の信号群は、画像/白波形選択データ、画像データ、クロック、白波形データ1、白波形データ2、及びストローブの6種類の信号である。よって、6種類の信号が、本体制御部21からヘッド制御部23へ送信される。
【0073】
ブラック(K)の信号群は、画像/カラー波形選択データ、画像データ、クロック、カラー波形データ1、カラー波形データ2、及びストローブの6種類の信号である。よって、6種類の信号が、本体制御部21からヘッド制御部23へ送信される。
【0074】
白(W2、W3、W4)、シアン(C)、マゼンダ(M)、及びイエロー(Y)の6つの信号群は、画像データ、クロック、及びストローブの3種類の信号である。これら6種類の信号群では、合計18種類の信号が、本体制御部21からヘッド制御部23へ送信される。
【0075】
白(W1、W2、W3、W4)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の8つの信号群では、合計30種類の信号が本体制御部21からヘッド制御部23へ送信される。
【0076】
次に上記構成を有する印刷装置1の動作について説明する。前処理ヘッド部43は画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4に基づいて、各ノズルから白インクの吐出を行う。1ラインの印刷が完了すると、プラテン4を印刷装置1の前後方向に移動させて次のラインの印刷を行い、これらの動作を繰り返し行うことで前処理印刷である白色の印刷を完了させる。
【0077】
同様に、後処理ヘッド部44によるインクの吐出をし、後処理印刷を行う。後処理ヘッド部44は、画像データY、画像データM、画像データC、及び画像データKに基づいて、各ノズルから各色のインクの吐出を行う。前処理印刷の場合と同様に、1ライン毎の印刷を繰り返し、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)4色のカラーの印刷を完了させる。
【0078】
本実施形態では、このように、1ラインの印刷が完了してプラテン4を印刷装置1の前後方向に移動させることで、前処理ヘッド部43と後処理ヘッド部44から同時に各色インクの吐出を行っても、所定の領域において、前処理インクを吐出した後に後処理インクを吐出することができる。
【0079】
以上の説明において、図2の前処理ヘッド部43と後処理ヘッド部44が、本発明の「複数のインクジェットヘッド」の一例である。図2の前処理ヘッド駆動部33と後処理ヘッド駆動部34が、本発明の「複数のヘッド駆動部」の一例である。図3の白データデセレクタ55、白データデコーダ56、白波形生成部57、カラーデータデセレクタ65、カラーデータデコーダ66とカラー波形生成部67が、本発明の「ヘッド制御部」の一例である。図2の白画像データ生成部51、白波形データ生成部52、白基本データ生成部53、白データ転送セレクタ54、カラー画像データ生成部61、カラー波形データ生成部62、カラー基本データ生成部63とカラーデータ転送セレクタ64が、本発明の「本体制御部」の一例である。図2の前処理ヘッド駆動部33が、本発明の「複数の第一ヘッド駆動部」の一例である。図2の後処理ヘッド駆動部34が、本発明の「複数の第二ヘッド駆動部」の一例である。図3の白データデセレクタ55、白データデコーダ56、及び白波形生成部57が、本発明の「第一ヘッド制御部」の一例である。図3のカラーデータデセレクタ65、カラーデータデコーダ66、及びカラー波形生成部67が「第二ヘッド制御部」の一例である。図3のカラーデータデセレクタ65とカラーデータデコーダ66とカラー波形生成部67が、本発明の「第二ヘッド制御部」の一例である。
【0080】
以上説明したように、本実施形態の印刷装置1では、フレキシブルケーブル100を通じて、本体制御部21からヘッド制御部23へ送信される信号の種類は、図9に例示した従来の方法で信号を送信する場合は、40種類であったが、本実施形態においては、信号線101〜115及び、信号線201〜215の30種類と、減少させることが可能である。よって、フレキシブルケーブル100の配線の本数を減らすことが可能となる。これにより、信号の伝達方向と垂直方向である、フレキシブルケーブル100の幅方向のサイズを小さくすることが可能となり、キャリッジ13の動作がスムーズになる。また、前処理ヘッド部43と後処理ヘッド部44とで別々に制御することで、ヘッド部の処理の負荷を軽減することができる。また、前処理ヘッド部43から吐出されるインクの量と後処理ヘッド部44から吐出されるインクの量とを、独立に制御することができる。また、前処理ヘッド部43から吐出されるインクの量を後処理ヘッド部44から吐出されるインクの量よりも少なくなるように制御することができる。
【0081】
なお、図9に例示した従来の方法で信号を送信する場合の印刷装置では、インクの吐出量にバラツキが存在するような場合があり、それぞれのインクジェットヘッドからインクを吐出するための画像データと波形データをインクジェットヘッド毎に送信する必要があった。仮に、複数のインクジェットヘッドで代表となる波形データを送信して、その代表となる波形データを基に、複数のインクジェットヘッドごとの波形データを生成しようとしても、あるヘッドでは1回に所定量のインクが吐出できるが、他のヘッドでは1回のインクの吐出量が所定量よりも多い、あるいは少ない量しか吐出できないなど、各インクジェットヘッド間で1回の吐出でのインク吐出量の差が大きかった。そのため、代表する波形データで複数のヘッドのインク吐出量を制御することは困難であった。しかしながら、ヘッドが1回に吐出するインク量のバラツキが少なくなったことにより、各ヘッド間のインク吐出量の差が少なくなり、複数のヘッドを代表する波形データを本体制御部からヘッド制御部に送信して、その波形データに基づき他のヘッドの波形データを生成してインクを吐出するようにしても、問題なく所望とするインク量を各ヘッドから吐出することができる。
【0082】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。上記実施形態において、前処理ヘッド部43と後処理ヘッド部44は、同一のキャリッジに搭載されている。しかし、例えば、前処理ヘッド部43と後処理ヘッド部44とが異なるキャリッジに搭載されている複数のキャリッジを備えた印刷装置にも、本発明は適用できる。
【0083】
上記実施形態では、白波形データ生成部52で生成される白波形データは、画像データW1に対応する白波形データであった。しかし、白波形データの生成方法はこれに限られない。例えば、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4のいずれかに対応する白波形データを生成してもよい。同様に、カラー波形データ生成部62で生成されるカラー波形データは、画像データKに対応するカラー波形データであったが、画像データC、画像データM、及び画像データYのいずれかに対応するカラー波形データを生成してもよい。また、上記実施形態の印刷装置1は、画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4のいずれか1つに対応する白波形データを1つ生成して送信することで、信号の数を減少させる。カラー波形データについても同様である。しかし、生成する波形データに対応する画像データの数は1つに限られず、2つ以上でもよい。つまり、印刷装置1は、複数の画像データの一部に対応する波形データを生成して送信すれば、複数の画像データの全てに対応する波形データを生成する場合に比べて信号の数を減少させることができる。
【0084】
また、上記実施形態では、白波形データ生成部52は、画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4のうちの画像データW1に対応した白波形データを生成し、カラー波形データ生成部62は、画像データC、画像データM、画像データY、及び画像データKのうち画像データKに対応したカラー波形データを生成している。例えば、印刷装置1は、一つの波形データのみ生成するようにしてもよい。例えば、上記8種類の画像データのうち、画像データW1に対応した白波形データに基づいて、前処理ヘッド駆動部33と後処理ヘッド駆動部34とを共に駆動するようにしてもよい。つまり、前処理ヘッド部43と後処理ヘッド部44を別々に制御しない印刷装置にも、本発明は適用できる。
【0085】
また、上記実施形態では、印刷装置は、白波形データに基づいて、第一ヘッド43A、第二ヘッド43B、第三ヘッド43C、及び第四ヘッド43Dのインクの吐出を制御し、カラー波形データに基づいて、第五ヘッド44E、第六ヘッド44F、第七ヘッド44G、及び第八ヘッド44Hのインクの吐出を制御している。例えば、カラー波形データに基づいて、第一ヘッド43A、第二ヘッド43B、第三ヘッド43C、第四ヘッド43D、第五ヘッド44E、第六ヘッド44F、第七ヘッド44G、及び第八ヘッド44Hのインクの吐出を制御するようにしてもよい。つまり、ひとつの波形データで全てのインクジェットヘッドのインクの吐出を制御する印刷装置にも、本発明は適用できる。
【0086】
また、上記実施形態では、前処理ヘッド部43は画像データW1、画像データW2、画像データW3、及び画像データW4に基づいて、各ノズルから白インクの吐出を行うようにしている。しかし、白色に関する画像データの数が4種類に限られないことは言うまでも無い。例えば、画像データW2、画像データW3の2種類の画像データに基づいて、各ノズルからインクの吐出を行うようにしてもよい。
【0087】
同様に、上記実施形態では、後処理ヘッド部44は、画像データY、画像データM、画像データC、及び画像データKに基づいて、各ノズルから各色のインクの吐出を行うようにしている。しかし、カラーの色材の種類は4種類に限られない。例えば、画像データY、画像データM、及び画像データCの3種類の画像データに基づいて、各ノズルからインクの吐出を行うようにしてもよい。また、上記の色材に加えてオレンジ等の他の色材を用いてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、前処理用の印刷を行うための複数の前処理ヘッドは、白インクを吐出するようにしている。しかし、前処理において行われる動作は白インクの吐出に限られない。例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)などのインクを印刷媒体に定着させるための液体を前処理において吐出するようにしてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、後処理用の印刷を行うための複数の後処理ヘッドは、カラーインクを吐出するようにしている。しかし、後処理において行われる動作はカラーインクの吐出に限られない。例えば、後処理用の印刷として、前処理印刷したインクの上にオーバーコート、保護等するための後処理剤を吐出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 印刷装置
13 キャリッジ
14 インクジェットヘッドユニット
21 本体制御部
23 ヘッド制御部
33 前処理ヘッド駆動部
34 後処理ヘッド駆動部
43 前処理ヘッド部
44 後処理ヘッド部
51 白画像データ生成部
52 白波形データ生成部
53 白基本データ生成部
54 白データ転送セレクタ
55 白データデセレクタ
56 白データデコーダ
57 白波形生成部
61 カラー画像データ生成部
62 カラー波形データ生成部
63 カラー基本データ生成部
64 カラーデータ転送セレクタ
65 カラーデータデセレクタ
66 カラーデータデコーダ
67 カラー波形生成部
100 フレキシブルケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の領域に対してインクの吐出の有無を示す画像データに基づき、記録媒体にインクを吐出する複数のインクジェットヘッドと、前記複数のインクジェットヘッドを搭載するキャリッジとを備えた印刷装置において、
前記キャリッジに搭載され、前記複数のインクジェットヘッドをそれぞれ駆動する複数のヘッド駆動部と、
前記キャリッジに搭載され、前記複数のヘッド駆動部を制御するヘッド制御部と、
前記印刷装置の装置本体に設けられ、前記装置本体と前記キャリッジとの間に設けられた信号線を用いて、前記ヘッド制御部に対して、前記ヘッド駆動部毎の画像データ、及び前記画像データに対応したインク量を吐出するための信号であって、前記複数のヘッド駆動部の一部に対応する波形信号を送信する本体制御部と
を備え、
前記ヘッド制御部は、前記本体制御部から送信された前記波形信号と、前記本体制御部から送信された前記ヘッド駆動部毎の前記画像データとに基づき、前記複数のヘッド駆動部を制御することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記複数のインクジェットヘッドは、
前記記録媒体に前処理用の印刷を行うための複数の前処理ヘッドを搭載する前処理ヘッド部と、
前記前処理ヘッド部による前処理用の印刷後の前記記録媒体に後処理用の印刷を行うための複数の後処理ヘッドを搭載する後処理ヘッド部と
を含み、
前記ヘッド駆動部は、
前記複数の前処理ヘッドをそれぞれ駆動する複数の第一ヘッド駆動部と、
前記複数の後処理ヘッドをそれぞれ駆動する複数の第二ヘッド駆動部と
を備え、
前記ヘッド制御部は、
前記複数の第一ヘッド駆動部を制御する第一ヘッド制御部と、
前記複数の第二ヘッド駆動部を制御する第二ヘッド制御部と
を備え、
前記本体制御部は、
前記第一ヘッド制御部に対して、前記第一ヘッド駆動部毎の画像データ、及び当該画像データに対応したインク量を吐出するための信号であって、前記複数の第一ヘッド駆動部の一部に対応する第一波形信号を送信し、
前記第二ヘッド制御部に対して、前記第二ヘッド駆動部毎の画像データ、及び当該画像データに対応したインク量を吐出するための信号であって、前記複数の第二ヘッド駆動部の一部に対応する第二波形信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記前処理ヘッドから吐出される第一のインクの量を制御する前記第一波形信号と、前記後処理ヘッドから吐出される第二のインクの量を制御する前記第二波形信号とは互いに異なる波形の信号であることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第一のインクの量は、前記第二のインクの量よりも少ない量であることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−1036(P2013−1036A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136501(P2011−136501)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】