収納ボックス
【課題】
底板と底板に連結される周板との連結構造に作用する荷重を分散して、連結構造が破損することを抑制することのできる収納ボックスを提供する。
【解決手段】ボックス背板41には、その内側面の下端から前方向へ向けて突出するように略四角板状の支持ヒンジ部42が形成されている。支持ヒンジ部42の側縁先端には回動軸としての突起部43が設けられており、この突起部43がボックス底板11の収容部15の溝部15aに挿入されることで、ボックス背板41はボックス底板11に対してスライド移動可能に連結されている。そして、ボックス背板41を起き上がらせた状態において支持ヒンジ部42の上面が収容部15の下面15b(ボックス底板11の下面の一部)に接触するようになっている。
底板と底板に連結される周板との連結構造に作用する荷重を分散して、連結構造が破損することを抑制することのできる収納ボックスを提供する。
【解決手段】ボックス背板41には、その内側面の下端から前方向へ向けて突出するように略四角板状の支持ヒンジ部42が形成されている。支持ヒンジ部42の側縁先端には回動軸としての突起部43が設けられており、この突起部43がボックス底板11の収容部15の溝部15aに挿入されることで、ボックス背板41はボックス底板11に対してスライド移動可能に連結されている。そして、ボックス背板41を起き上がらせた状態において支持ヒンジ部42の上面が収容部15の下面15b(ボックス底板11の下面の一部)に接触するようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四角箱状のボックス部と、該ボックス部に対して出し入れ可能な四角箱状の引出部とを備えた収納ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
収納ボックスとして、前面側に開口を有する四角箱状のボックス部と、上面側に開口を有するとともにボックス部に対して出し入れ可能な四角箱状の引出部とを備えたものが知られている。また、この種の収納ボックスにおいて、ボックス部や引出部を折り畳み可能に構成し、組み立てて使用することができる収納ボックスが提案されている。
【0003】
図22及び図23に示すように、特許文献1に記載の収納ボックスにおいて、ボックス部100は、底板101と、底板101の側縁に連結された側板102と、底板101の後縁に連結された背板103とを備えている。そして、これら底板101及び側板102及び背板103は合成樹脂製であって、一体成型により形成されている。底板101と側板102との境界部分は、他の部分よりも薄肉にされて薄肉ヒンジ部104が形成されている。また、同様に、底板101と背板103との境界部分は、他の部分よりも薄肉にされて薄肉ヒンジ部105が形成されている。これらの薄肉ヒンジ部104、105によって側板102及び背板103が底板101に対して起倒可能に連結されており、ボックス部100を折り畳んだり、組み立てたりすることが可能となっている。
【特許文献1】特開平4−282105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
収納ボックスのボックス部や引出部を持ち上げようとする場合、側板や背板を掴んで持ち上げることがある。このような持ち上げ方をした場合、収納された物品の荷重を底板と側板との連結構造及び底板と背板との連結構造によって支持することになる。ここで、特許文献1の収納ボックスにおいて側板102及び背板103は、他の部分よりも薄肉にされた薄肉ヒンジ部104、105によって底板101に連結されており、この強度の低い薄肉ヒンジ部104、105に荷重が集中することになる。そのため、たとえば、重量のある物品を収容した状態で側板102や背板103を掴みつつのボックス部100や引出部を持ち上げようとすると、過剰に大きな荷重が薄肉ヒンジ部104、105に作用し、薄肉ヒンジ部104、105が裂けるなどして破損してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を鑑みてなされたものであって、その目的は、底板と底板に連結される周板との連結構造に作用する荷重を分散して、連結構造が破損することを抑制することのできる収納ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、前面側に開口を有する四角箱状のボックス部と、上面側に開口を有するとともにボックス部に対して出し入れ可能な四角箱状の引出部とを備えた収納ボックスであって、ボックス部及び引出部は、底板と該底板の周縁に設けられた周板とを備え、ボックス部及び引出部は、周板が底板に対して回動可能に連結されることで組み立て可能に構成され、周板の少なくとも一つには該周板の内側面から突出するように支持ヒンジ部が形成されるとともに、該支持ヒンジ部が底板に対して回動可能に連結され、支持ヒンジ部は、周板を起き上がらせた状態において底板の下面に接触して底板を支持していることを特徴としている。
【0007】
この構成によれば、支持ヒンジ部は、底板の連結部分に加えて底板の下面とも接触している。そのため、底板を下面から抱え込むようにして支持することができ、支持ヒンジ部と底板と連結部分に集中しがちな荷重を分散することができる。したがって、底板と支持ヒンジ部とが連結している部分に過剰に大きな力が作用することを抑制し、支持ヒンジ部が変形したり、破損したりすることを抑制することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の収納ボックスにおいて、支持ヒンジ部の回動中心は、底板の下面に接触する接触面よりも下方に位置していることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、支持ヒンジ部の回動中心が底板の下面に接触する接触面よりも下方に位置しているため、ボックス部や引出部にかかる荷重は、先ず支持ヒンジ部の接触面により受け止められる。したがって、支持ヒンジ部の回動中心に直接的に過剰な力が作用することをより効果的に抑制することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の収納ボックスにおいて、底板の下面には、周板を起き上がらせた状態において支持ヒンジ部を収容することのできる収容部が設けられており、支持ヒンジ部は収容部に連結されているとともに、その回動中心が収容部内をスライド移動可能であることを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、底板の下面に収容部が設けられており、この収容部に支持ヒンジ部を収容して支持ヒンジ部の厚み分を吸収することができるので、支持ヒンジ部を設けたことによって、とくに組み立てられた状態のボックス部や引出部の厚みが増すことが抑制される。また、支持ヒンジ部は、収容部の壁面に案内されつつスライド移動可能であるため、周板の組み立て作業を行いやすい。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の収納ボックスにおいて、周板は、支持ヒンジ部が形成される背板と支持ヒンジ部が形成されない一対の側板とからなり、底板の両側縁には側板の下端部と嵌合する立設部が設けられ、背板の支持ヒンジ部の先端には回動軸が設けられ、支持ヒンジ部の基端から先端までの長さは立設部の立設長と等しいことを特徴としている。
【0013】
組み立て前状態において、背板の高さ位置は、支持ヒンジ部の基端から先端までの長さに左右される。そして、底板の高さは立設部の高さによって規定される。上の構成によれば、支持ヒンジ部の先端に回動軸が設けられ、支持ヒンジ部の基端から先端までの長さは立設部の立設長と等しくなっている。そのため、ボックス部や引出部の組み立て前状態では、支持ヒンジ部が形成された背板と底板の立設部の上端との高さ位置が等しくなる。それゆえ、組み立て前状態においても、内部が視認しにくい形態をなすとともに、背板によって組み立て前状態の側板の一部分を覆い隠すことができる。したがって、組み立て前状態の収納ボックスがすっきりとした外観となり、見栄えがよい。なお、ここでいう「長さが等しい」とは、完全に長さが一致している場合に限らず、支持ヒンジ部が形成された周板と底板の立設部の上端との高さ位置が近似しており、組み立て前状態において内部が視認しにくい形態をなすのであれば、若干の寸法差は許容できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の収納ボックスにおいて、引出部は周板として背板と一対の側板とを備えるとともに背板には支持ヒンジ部が形成され、底板及び一対の側板の前端部には前面パネルが嵌合され、該前面パネルが嵌合した状態において前面パネルは底板の下面を支持することを特徴としている。
【0015】
この構成によれば、引出部の底板の下面は、支持ヒンジ部に加えて前面パネルによっても支持されているので、底板と背板との連結部分に作用する荷重をより効果的に分散させることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の収納ボックスにおいて、ボックス部は周板として背板と一対の側板とを備えるとともに背板には支持ヒンジ部が形成され、一対の側板には天板が取り付けられ、底板及び一対の側板及び天板の前端部には口枠が嵌合され、該口枠が嵌合した状態において口枠は底板の下面を支持することを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、ボックス部の底板の下面は、支持ヒンジ部に加えて口枠によっても支持されているので、底板と背板との連結部分に作用する荷重をより効果的に分散させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の収納ボックスによれば、底板を下面から抱え込むように支持して支持ヒンジ部と底板との連結部分に集中しがちな荷重を分散することができ、底板と周板との連結構成が破損することを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の収納ボックスを図面に基づいて説明する。図1に示すように、本発明の収納ボックスのボックス部1は、前面側に開口を有する四角箱状に形成されているとともに、収納ボックスの引出部6は、上面側に開口を有するとともにボックス部1に対して出し入れ可能な四角箱状に形成されている。なお、以下の説明では、図1に示すように、組み立てられた状態のボックス部1及び引出部6を基準として上下方向(高さ方向)、左右方向(幅方向)を規定している。また、引出部6が引き出される方向を前方向、押し入れられる方向を後方向としている。さらに、ボックス部1及び引出部6を組み立てた状態を基準として、外側及び内側を規定している。
【0020】
(ボックス部1の構成)
先ず、ボックス部1について説明する。図2に示すように、ボックス部1は、ボックス本体10に天板50及び口枠55が取り付けられることで組み立てられた状態をなしている。ボックス本体10は、長四角板状に形成されたボックス底板11の両側縁にそれぞれボックス側板31が回動可能に連結されるとともに、ボックス底板11の後縁にボックス背板41が回動可能に連結されている。
【0021】
図4(a)に示すように、ボックス底板11の側縁には、ボックス側板31と連結、嵌合するための立設部12が立設されている。立設部12は、図5(b)に示すように、断面逆U字状に形成されて内部が中空になっている。そして、図5(a)に示すように、立設部12には、上端面から下方向に四角形状に切欠き凹設された側板ヒンジ連結部13が形成されている。図7(a)〜(c)に示すように、この側板ヒンジ連結部13の前端面及び後端面には、溝部13aが上下方向に延設されている。なお、図7(a)〜(c)は、図4(a)におけるE−E線断面図であり、側板ヒンジ連結部13の後端面が図示されている。そして、図4(a)及び図5(b)に示すように、立設部12の上端面には側板嵌合凹部14が形成されている。
【0022】
一方、図4(b)及び図9に示すように、ボックス底板11の下面(外側面)後縁には、ボックス背板41と連結するための収容部15が設けられている。収容部15は、ボックス底板11の下面に形成されたリブによって前方及び両側方が囲まれることによって形成されている。そして、収容部15の側面、すなわち、側方のリブ15cには、溝部15aが前後方向に延設されている。さらに、ボックス底板11の前端面には、口枠55と嵌合するための口枠嵌合凸部16が形成されている。そして、この口枠嵌合凸部16の下面(外側面)には、ボックス底板11の幅方向に延びるとともに外方(下方)に向かって突出する係止突起16aが形成されている。なお、図9では、ボックス底板11を下側から見た状態を図示している。
【0023】
図12に示すように、ボックス底板11は、その一部が外側に向かって断面四角形状に膨出されることで脚部17が形成されている。図4(a)及び(b)に示すように、本実施形態では、脚部17はボックス底板11の幅方向において立設部12に隣接するようにボックス部1の前後方向に沿って形成されている。脚部17の前端部(図4(a)及び(b)において左側)における内側面はローラ収容部18として機能し、このローラ収容部18にボックスローラ19が回転可能に軸支されている。
【0024】
図4(a)及び(b)に示すように、ボックス底板11の中央には、四角形状に肉盗みされた穴部22が形成されている。そして、図4(a)に示すように、ボックス底板11の内側面には、穴部22と脚部17との間においてボックス部1の前後方向に延びる一対の転動面23が設けられている。図5(b)に示すように、転動面23には、ボックス部1の前後方向に延びる平坦面23aが設けられている。そして、図5(a)に示すように、平坦面23aは、頂上部23cを形成し、平坦面23aを側方から断面視すると、後方側から前方側に向けて、頂上部23cまでは上り勾配が付けられているとともに、頂上部23cから前方側においては緩やかな下り勾配が付けられている。また、図5(b)に示すように、転動面23の幅方向におけるボックス底板11の中央側には、平坦面23aに対して上方向に傾斜する傾斜面23bが形成されている。本実施形態では、平坦面23aと傾斜面23bとが150度の角度をなすように傾斜面23bの傾斜が設定されている。
【0025】
ここで、傾斜面23bの最頂部Tの高さ位置は、ボックス底板11の前後方向において一定である。その一方で、平坦面23aは、頂上部23c側に向かうほど高い位置に存在する。したがって、頂上部23c側ほど平坦面23aの幅方向の長さが長くなるとともに、傾斜面23bの幅方向の長さZ1が短くなる。また、頂上部23c側ほど平坦面23aから最頂部Tまでの上下方向長さHが小さくなる。なお、本実施形態では、頂上部23cの高さ位置と傾斜面23bの最頂部Tの高さ位置とが等しいため、平坦面23aの頂上部23cにおいてその側方に傾斜面23bが存在しない。
【0026】
図6に示すように、ボックス側板31は略四角板状に形成されるとともに、その下端面には側板ヒンジ部32が突設されている。側板ヒンジ部32は、ボックス底板11の側板ヒンジ連結部13と略同じ大きさに形成されているとともに、その先端に突起部33が前後方向に突出するように設けられている。この突起部33が側板ヒンジ連結部13の溝部13aに挿入されることで、ボックス側板31はボックス底板11に対して溝部13aの延設方向(上下方向)に沿ってスライド移動可能に連結されている。また、ボックス側板31は、いずれのスライド位置(上下位置)においてもボックス底板11に対して回動可能になっている。
【0027】
ボックス側板31の下端面には、側板嵌合凸部34が形成されている。この側板嵌合凸部34は、側板ヒンジ部32よりも短く形成されるとともに、立設部12の側板嵌合凹部14に嵌合できるようになっている。立設部12の側板嵌合凹部14と、ボックス側板31の側板嵌合凸部34とが嵌合することによって、ボックス側板31は起き上がった状態でボックス底板11に固定される。なお、図6において、立設部12の側板ヒンジ連結部13及び側板嵌合凹部14とボックス側板31との位置関係を明らかにするために、ボックス底板11のみ断面図(図4(a)におけるC−C断面図)を示している。
【0028】
また、図6に示すように、ボックス側板31の後端面には、ボックス背板41と嵌合するための背板嵌合凹部35が前方向へ向けて凹み形成されている。この背板嵌合凹部35には、その内域とボックス部1の内側域とを連通する係止穴35aが形成されている。そして、ボックス側板31の前端面には口枠55と嵌合するための口枠嵌合凸部37が形成されているとともに、ボックス側板31の上端面には、天板50と嵌合するための天板嵌合凸部36が形成されている。なお、図6において背板嵌合凹部35を点線で図示している。
【0029】
図2に示すように、ボックス背板41はその幅方向の長さがボックス底板11の幅方向の長さと等しく、上下方向の長さがボックス側板31の上下方向の長さよりも長くなるように略四角板状に形成されている。そして、図8に示すように、その内側面の下端から前方向へ向けて突出するように略四角板状の支持ヒンジ部42が形成されている。支持ヒンジ部42の基端から先端までの突出長X1は、ボックス底板11の立設部12の立設長X2と等しくなるように形成されている。なお、立設部12の立設長X2については、図5(b)において図示しており、突出長X1と立設長X2との比較については図10(a)において図示している。
【0030】
支持ヒンジ部42の側縁先端には回動軸としての突起部43がボックス背板41の幅方向に突出するように設けられている。図9に示すように、この突起部43がボックス底板11の収容部15の溝部15aに挿入されることで、ボックス背板41はボックス底板11に対して溝部15aの延設方向(前後方向)に沿ってスライド移動可能に連結されている。
【0031】
また、支持ヒンジ部42は、ボックス底板11の収容部15の内部空間と略同じ形状に形成されており、さらに、支持ヒンジ部42の厚みは収容部15の深さ(側方のリブ15cの高さ)と等しく形成されている。したがって、本実施形態では、ボックス背板41を起き上がらせてボックス側板31及び天板50と嵌合させることにより、支持ヒンジ部42の略全体を収容部15の内部に収めることができるようになっている。そして、ボックス背板41を起き上がらせた状態において支持ヒンジ部42の上面42aが収容部15の下面15b(ボックス底板11の下面の一部)に接触するようになっている。ここで、本実施形態では、支持ヒンジ部42の回動中心は側縁先端に形成された突起部43であり、支持ヒンジ部42はその上面42aにおいてボックス底板11の収容部15の下面15bと接触している。したがって、ボックス背板41を起き上がらせた状態では、支持ヒンジ部42の回動中心(突起部43)は、収容部15の下面15bと接触する支持ヒンジ部42の上面42aよりも下方に位置している。
【0032】
図8に示すように、ボックス背板41の内側面の両側縁には前方に突出するように背板嵌合凸部44が形成されている。そして、図10(a)〜(c)に示すように、背板嵌合凸部44の外側(ボックス部1の幅方向外側)の面には、係止突起44aが形成されている。背板嵌合凸部44は、ボックス背板41を起き上がらせた状態でボックス側板31の背板嵌合凹部35に嵌合できるようになっているとともに背板嵌合凸部44の係止突起44aが背板嵌合凹部35の係止穴35aに嵌まり込んで係止される。そして、ボックス側板31とボックス背板41との嵌合時には、ボックス背板41の内側面とボックス側板31の後端面とが互いに接しつつ係止される。なお、本実施形態では、背板嵌合凸部44と背板嵌合凹部35とでボックス部1の凹凸嵌合手段を構成する。
【0033】
さらに、図10(a)に示すように、ボックス背板41の背板嵌合凸部44の高さ位置は、ボックス底板11の後端から立設部12の側板嵌合凹部14までの長さに合わせて設定されている。すなわち、組み立て前状態におけるボックス背板41がボックス背板41の背板嵌合凸部44が立設部12の側板嵌合凹部14内に収まって、ボックス背板41の内側面と立設部12の上端面とが接触するようになっている。なお、本実施形態では、背板嵌合凸部44と側板嵌合凹部14とでボックス部1の凹凸収容手段を構成する。
【0034】
図10(b)及び(c)に示すように、ボックス背板41の内側面上縁には、前方向を指向して天板50と嵌合するための天板嵌合凹部45が形成されている。天板嵌合凹部45は、ボックス背板41の上縁に沿って前方向に突出形成された二つのリブによって囲われることで構成されており、それら二つのリブのうち、下側のリブ45aには係止穴45bが形成され、該係止穴45bによって、天板嵌合凹部45の内外間は貫通している。
【0035】
図2に示すように、上記のように構成されたボックス本体10には天板50が取り付けられている。天板50には、幅方向の両側縁から下方を指向する側面部51が備えられ、全体として断面コ字状をなすように形成されている。天板50の側面部51の下端面には、天板嵌合凹部(図示略)が所定間隔をおいて複数形成されており、ボックス側板31の天板嵌合凸部36と嵌合するようになっている。また、天板50の後端面には天板嵌合凸部52が形成されており、ボックス背板41の天板嵌合凹部45と嵌合するようになっている。また、図11に示すように、天板嵌合凸部52の下側面には係止突起52aが下方に向けて突出形成されており、天板嵌合凹部45の係止穴45bに嵌まり込むようになっている。これらの嵌合構成によって、天板50がボックス本体10に固定されるとともに、ボックス側板31及びボックス背板41の回動が防止される。さらに、図11に示すように、天板50の前端面には、口枠嵌合凸部53が形成されている。また、口枠嵌合凸部53の下側面には係止突起53aが下方に向けて突出形成されている。なお、天板50は、前後対称に形成されているため、天板嵌合凸部52と口枠嵌合凸部53とは同じ形状に形成されている。
【0036】
図2に示すように、ボックス底板11及びボックス側板31及び天板50の前端部には、四角枠状に形成された口枠55が取り付けられている。図11に示すように、口枠55は、断面U字状(図11においては横向きのU字状)に形成されており、このU字状部分が口枠嵌合凹部56となっている。すなわち、口枠嵌合凹部56は、四角枠状に形成された嵌合凹部である。また、図11に示すように、口枠嵌合凹部56のうちのボックス底板11に対向する下辺部分において、下側の壁(横向きU字状の下側の壁)には、下辺係止穴56aが形成されており、該下辺係止穴56aによって、口枠嵌合凹部56の内外間は貫通している。一方、口枠嵌合凹部56のうちの天板50に対向する上辺部分において下側の壁(横向きU字状の下側の壁)には、上辺係止穴56bが形成されており、該上辺係止穴56bによって、口枠嵌合凹部56の内外間は貫通している。
【0037】
そして、図2に示すように、ボックス底板11の口枠嵌合凸部16、ボックス側板31の口枠嵌合凸部37及び天板50の口枠嵌合凸部53が口枠嵌合凹部56と嵌合することで、口枠55が取り付けられるようになっている。図11に示すように、ボックス本体10に口枠55を取り付けた状態では、ボックス底板11の口枠嵌合凸部16の係止突起16aが口枠55の口枠嵌合凹部56の下辺係止穴56aに嵌まり込むとともに、天板50の口枠嵌合凸部53の係止突起53aが口枠55の口枠嵌合凹部56の上辺係止穴56bに嵌まり込んで係止される。
【0038】
なお、本実施形態では、図11に示すように、ボックス底板11の口枠嵌合凸部16の下面(外側面)は、ボックス底板11の下面の一部であり、口枠嵌合凹部56が口枠嵌合凸部16を下側から覆うようにして嵌合している。したがって、ボックス本体10に口枠55が嵌合した状態において、口枠55はボックス底板11の下面を支持しているといえる。
【0039】
(引出部6の構成)
次に、引出部6について説明する。図2に示すように、引出部6は、引出本体60に前面パネル90が取り付けられることで組み立てられた状態をなしている。引出本体60は、長四角板状に形成された引出底板61の両側縁にそれぞれ引出側板71が回動可能に連結されるとともに、引出底板61の後縁に引出背板81が回動可能に連結されている。
【0040】
図13(a)に示すように、引出底板61の側縁には、引出側板71と連結、嵌合するための立設部62が立設されている。立設部62は、断面逆U字状に形成されて内部が中空になっている。また、図21に示すように、立設部62はその外側の壁62aが長く形成されて下側に突出するようになっている。そして、図14に示すように、立設部62には、上端面から下方向に四角形状に切欠き凹設された側板ヒンジ連結部63が形成されている。図16(a)〜(c)に示すように、この側板ヒンジ連結部63の前端面及び後端面には、溝部63aが上下方向に延設されている。なお、図16(a)〜(c)は、図13(a)におけるE−E線断面図であり、側板ヒンジ連結部13の後端面が図示されている。また、図13(a)に示すように、立設部62の上端面には側板嵌合凹部64が形成されている。
【0041】
一方、図13(b)及び図18に示すように、引出底板61の下面(外側面)後縁には、引出背板81と連結するための収容部65が設けられている。収容部65は、引出底板61の下面に形成されたリブによって前方及び両側方が囲まれることによって形成されている。そして、収容部65の側面、すなわち側方のリブ65cには、溝部65aが前後方向に延設されている。さらに、図13(b)に示すように、引出底板61の下面において前縁に沿うとともに下方に向かって突出するようにパネル嵌合リブ66が形成されている。そして、パネル嵌合リブ66の後側面(図13(b)において右側面)には、引出底板61の後側に向かって突出する係止突起66aが形成されている。なお、図18では、引出底板61を下側から見た状態を図示している。
【0042】
図13(b)及び図21に示すように、引出底板61の下面において、側縁の後方側(図13(b)において右側)には、引出底板61の前後方向に延びる二つのリブ67aが設けられている。そして、これら二つのリブ67aの間の空間がローラ収容部67として機能し、このローラ収容部67に引出ローラ68が回転可能に軸支されている。
【0043】
図15に示すように、引出側板71は略四角板状に形成されるとともに、その下端面には側板ヒンジ部72が突設されている。側板ヒンジ部72は、引出底板61の側板ヒンジ連結部63と略同じ大きさに形成されているとともに、その先端に突起部43が前後方向に突出するように設けられている。この突起部83が側板ヒンジ連結部63の溝部63aに挿入されることで、引出側板71は溝部63aの延設方向(上下方向)に沿ってスライド移動可能に連結されている。また、引出側板71は、いずれのスライド位置(上下位置)においても引出底板61に対して回動可能になっている。
【0044】
引出側板71の下端面には、側板嵌合凸部74が形成されている。この側板嵌合凸部74は、側板ヒンジ部72よりも短く形成されるとともに、立設部62の側板嵌合凹部64に嵌合できるようになっている。立設部62の側板嵌合凹部64と、引出側板71の側板嵌合凸部74とが嵌合することによって、引出側板71は起き上がった状態で引出底板61に固定される。
【0045】
さらに、引出側板71の後端面には引出背板81と嵌合するための背板嵌合凹部75が前方向へ向けて凹み形成されている。この背板嵌合凹部75には、その内域と引出部6の内側域とを連通する係止穴75aが形成されている。また、引出側板71の前端面には前面パネル90と嵌合するためのパネル嵌合凸部76が形成されているとともに、図15に示すように、パネル嵌合凸部76の下面(外側面)には引出部6の幅方向内側に向かって突出するように係止突起76aが形成されている。なお、図15において、立設部62の側板ヒンジ連結部63及び側板嵌合凹部64と引出側板71との位置関係を明らかにするために、引出底板61のみ断面図(図13(a)におけるC−C断面図)を示している。また、図15において背板嵌合凹部75を点線で図示している。さらに、図15において破断線を基準として、引出側板71の前側部分は内側面を図示し、引出側板71の後側部分は外側面を図示している。
【0046】
図2及び図17に示すように、引出背板81はその幅方向の長さが引出底板61の幅方向の長さと等しく、かつ高さ方向の長さも引出側板71の高さ方向の長さと等しくなるように略四角板状に形成されている。そして、図17に示すように、その内側面の下端から前方向へ向けて突出するように略四角板状の支持ヒンジ部82が形成されている。支持ヒンジ部82の基端から先端までの突出長Y1は、引出底板61の立設部62の立設長Y2と等しくなるように形成されている。なお、立設部62の立設長Y2については、図21において図示しており、突出長Y1と立設長Y2との比較については図19(a)において図示している。
【0047】
支持ヒンジ部82の側縁先端には回動軸としての突起部83が引出背板81の幅方向に突出するように設けられている。図18に示すように、この突起部83が引出底板61の収容部65の溝部65aに挿入されることで、引出背板81が溝部65aの延設方向に沿ってスライド移動可能に連結されている。
【0048】
また、支持ヒンジ部82は、引出底板61の収容部65の内部空間と略同じ形状に形成されており、さらに、支持ヒンジ部82の厚みは収容部65の深さ(側方のリブ65cの高さ)と等しく形成されている。したがって、本実施形態では、引出背板81を起き上がらせた状態において引出側板71と嵌合させることにより支持ヒンジ部82の略全体を収容部65の内部に収めることができるようになっている。そして、引出背板81を起き上がらせた状態において支持ヒンジ部82の上面82aが収容部65の下面65b(引出底板61の下面の一部)に接触するようになっている。ここで、本実施形態では、支持ヒンジ部82の回動中心は側縁先端に形成された突起部83であり、支持ヒンジ部82はその上面82aにおいて引出底板61の収容部65の下面65bと接触している。したがって、引出背板81を起き上がらせた状態では、支持ヒンジ部82の回動中心(突起部83)は、収容部65の下面65bと接触する支持ヒンジ部82の上面82aよりも下方に位置している。
【0049】
図17に示すように、引出背板81の内側面の両側縁には前方向に突出するように背板嵌合凸部84が形成されている。そして、背板嵌合凸部84の外側(引出部6の幅方向外側)の面には、係止突起84aが形成されている。背板嵌合凸部84は、引出背板81を起き上がらせた状態では、引出側板71の背板嵌合凹部75に嵌合できるようになっているとともに背板嵌合凸部84の係止突起84aが背板嵌合凹部75の係止穴75aに嵌まり込んで係止される。そして、引出側板71と引出背板81との嵌合時には、引出背板81の内側面と引出側板71の後端面とが係止される。なお、本実施形態では、背板嵌合凸部84と背板嵌合凹部75とで引出部6の凹凸嵌合手段を構成する。
【0050】
さらに、図19(a)に示すように、引出背板81の背板嵌合凸部84の高さ位置は、引出底板61の後端から立設部62の側板嵌合凹部64までの長さに合わせて設定されている。すなわち、組み立て前状態における引出背板81が引出背板81の背板嵌合凸部84が立設部62の側板嵌合凹部64に収まって、引出背板81の内側面と立設部62の上端面とが接触するようになっている。なお、本実施形態では、背板嵌合凸部84と側板嵌合凹部64とで引出部6の凹凸収容手段を構成する。
【0051】
図2に示すように、上記のように構成された引出本体60には前面パネル90が取り付けられている。前面パネル90は、その高さ方向の長さがボックス底板11の穴部22の幅方向の長さよりも小さく、その幅方向の長さが穴部22の前後方向の長さよりも小さく設定されている。さらに、本実施形態では、図1に示すように、前面パネル90の高さ及び幅は、口枠55の高さ及び幅と等しく形成されている。一方、前面パネル90の外側面には、幅方向に延びる指掛部91が形成されている。図20に示すように、指掛部91は下面側に開口を有しており、使用者が手指を差し入れて引出部6を前側へ引き出すことができるようになっている。
【0052】
また、図20に示すように、前面パネル90には、引出底板61のパネル嵌合リブ66及び引出側板71のパネル嵌合凸部76と嵌合するための嵌合リブ92が形成されている。嵌合リブ92は、前面パネル90の内側面から後方に向かって突出する板状に形成されるとともに、前面パネル90の側縁及び底縁に沿うように形成されている。すなわち、嵌合リブ92は、全体として、引出底板61及び引出側板71の前端面の形状に合わせてコ字状に延設されている。そして、嵌合リブ92の底縁に沿う部分93の上側面には、引出底板61のパネル嵌合リブ66の係止突起66aに対して係止することのできる係止爪93aが上方に向かって突出形成されている。また、嵌合リブ92の側縁に沿う部分94の幅方向中央側の面には、引出側板71のパネル嵌合凸部76の係止突起76aに対して係止することのできる係止爪94aが幅方向中央側に向かって突出形成されている。これらの係止関係によって、前面パネル90の嵌合リブ92に引出底板61のパネル嵌合リブ66及び引出側板71のパネル嵌合凸部76が嵌合される。なお、本実施形態では、図20に示すように、引出底板61のパネル嵌合凸部の下面(外側面)は引出底板61の下面(外側面)の一部である。そして、引出底板61のパネル嵌合リブ66に対して、嵌合リブ92の底縁に沿う部分93が下側から係止されている。したがって、引出本体60に前面パネル90が嵌合した状態において、前面パネル90は引出底板61の下面を支持しているといえる。
【0053】
(組み立て前状態の収納ボックス)
次に、組み立て前状態の収納ボックスについて説明する。組み立て前状態のボックス本体10のボックス底板11の穴部22には、引出部6の前面パネル90が収容されている。ボックス本体10の上には、組み立て前状態の引出本体60が上下反転した状態(引出底板61が上になった状態)で積み重ねられている。そして、引出本体60の上には、ボックス部1の口枠55が積み重ねられている。さらに、引出本体60の上には、引出本体60及び口枠55を覆い隠すようにしてボックス部1の天板50が積み重ねられている。天板50を積み重ねることによって、口枠55が隠されて視認できなくなるとともに、天板50の側面部51によって組み立て前状態の引出部6の側面が視認し難くなっている。
【0054】
図3(a)及び図7(a)に示すように、組み立て前状態のボックス本体10において、二つのボックス側板31は、ボックス底板11の立設部12の対向する内側面の間に配置されるとともに、二つのボックス側板31が重なり合って配置されている。ここで、本実施形態では、ボックス側板31は、いずれのスライド位置(上下位置)においても回動可能である。そのため、図7(a)に示すように、一方のボックス側板31(図7(a)において左側)は、より下側の位置に配置されるとともに、他方のボックス側板31(図7(a)において右側)は、より上側の位置に配置されている。そして、組み立て前状態の二つのボックス側板31は、互いに平行関係を維持するようになっている。なお、この組み立て前状態のボックス側板31の側板ヒンジ部32の突起部33(回動中心)の高さ位置を比較すると、一方のボックス側板31の突起部33よりも、他方のボックス側板31の突起部33の方が高い位置に配置されている。
【0055】
図10(a)に示すように、組み立て前状態のボックス本体10において、ボックス背板41は、その内側面がボックス底板11の立設部12の上端面に接するようになっている。ここで、ボックス背板41の背板嵌合凸部44の高さ位置は、ボックス底板11の後端から立設部12の側板嵌合凹部14までの長さに合わせて設定されている。そして、さらに、ボックス背板41の支持ヒンジ部42の突出長X1が立設部12の立設長X2と等しくなっている。したがって、組み立て前状態では、図10(a)に示すように、ボックス背板41の背板嵌合凸部44が立設部12の側板嵌合凹部14に収容されつつ、ボックス背板41の内側面と立設部12の上端面とが接触するようになっている。また、図3(a)に示すように、組み立て前状態のボックス部1は、略後半分がボックス背板41によって覆われて、とくに、支持ヒンジ部42の構成によって後方側からその内部が視認し難くなっている。なお、図10(a)において、立設部12の側板嵌合凹部14とボックス背板41の背板嵌合凸部44との位置関係を明らかにするために、ボックス底板11の断面図(図4(a)におけるC−C断面図)を示している。
【0056】
一方、本実施形態の引出部6の引出本体60も、図3(b)及び図16(a)に示すように、組み立て前状態の引出本体60において、二つの引出側板71は、引出底板61の立設部62の対向する内側面の間に配置されるとともに、二つの引出側板71が重なり合って配置されている。ここで、本実施形態では、引出側板71は、いずれのスライド位置(上下位置)においても回動可能である。そのため、図16(a)に示すように、一方の引出側板71(図16(a)において左側)は、より下側の位置に配置されるとともに、他方の引出側板71(図16(a)において右側)は、より上側の位置に配置されている。そして、組み立て前状態の二つの引出側板71は、互いに平行関係を維持するようになっている。なお、この組み立て前状態の引出側板71の側板ヒンジ部72の突起部73(回動中心)の高さ位置を比較すると、一方の引出側板71の突起部73よりも、他方の引出側板71の突起部73の方が高い位置に配置されている。
【0057】
図19(a)に示すように、組み立て前状態の引出本体60において、引出背板81は、その内側面が引出底板61の立設部62の上端面に接するようになっている。ここで、引出背板81の背板嵌合凸部84の高さ位置は、引出底板61の後端から立設部62の側板嵌合凹部64までの長さに合わせて設定されている。そして、さらに、引出背板81の支持ヒンジ部82の突出長Y1が立設部62の立設長Y2と等しくなっている。したがって、組み立て前状態では、図19(a)に示すように、引出背板81の背板嵌合凸部84が立設部62の側板嵌合凹部64に収容されつつ、引出背板81の内側面と立設部62の上端面とが接触するようになっている。また、図3(b)に示すように、組み立て前状態の引出部6は、略後半分が引出背板81によって覆われて、とくに、支持ヒンジ部82の構成によって後方側からその内部が視認し難くなっている。なお、図19(a)において、立設部62の側板嵌合凹部64と引出背板81の背板嵌合凸部84との位置関係を明らかにするために、引出底板61の断面図(図13(a)におけるC−C断面図)を示している。
【0058】
(ボックス部1及び引出部6の組み立て方法)
次に、ボックス部1及び引出部6の組み立て方法について説明する。
ボックス部1を組み立てるにあたっては、先ず、図10(b)に示すとおり、組み立て前状態のボックス背板41(図10(a)参照)を90度後側へ回動させて起き上がらせる。なお、この状態では、支持ヒンジ部42の突起部43は、収容部15の溝部15aの後端部分に位置していて、収容部65の下面65bと支持ヒンジ部82の上面82aとの接触領域は最小になっている。
【0059】
次いで、図7(b)に示すとおり、組み立て前状態のボックス側板31(図7(a)参照)を90度外側へ回動させて起き上がらせる。このとき、ボックス側板31の側板嵌合凸部34がボックス底板11の立設部12にぶつからないように、側板ヒンジ部32の突起部33(回動中心)を立設部12の側板ヒンジ連結部13の溝部13aにおける上側部分に引き上げる必要がある。そして、図7(c)に示すように、起き上がった状態のボックス側板31を下方側にスライド移動させ、ボックス側板31の側板嵌合凸部34を立設部12の側板嵌合凹部14に嵌合させることで、ボックス側板31を起き上がった状態に固定する。こうしたボックス側板31の回動、下方へのスライド移動、嵌合固定は、左右一対のボックス側板31とも行う。そして、起き上がった状態の左右一対のボックス側板31の天板嵌合凸部36に天板50の天板嵌合凹部(図示略)を嵌合させることで、ボックス側板31に天板50を取り付ける。
【0060】
ボックス側板31に天板50を取り付けた後、図10(c)に示すように、ボックス背板41を前側にスライド移動させる。ボックス背板41を前側にスライド移動させることで、ボックス背板41の背板嵌合凸部44をボックス側板31の背板嵌合凹部35に嵌合させ、ボックス背板41とボックス側板31とを互いに固定する。また、ボックス背板41の天板嵌合凹部45を天板50の天板嵌合凸部52に嵌合させることでボックス背板41と天板50とを互いに固定する。このとき、収容部65の下面65bと支持ヒンジ部82の上面82aとの接触領域は最大になっている。
【0061】
その後、ボックス本体10及び天板50の前端面に口枠55を取り付ける。口枠55を取り付ける際には、口枠55の口枠嵌合凹部56を、ボックス底板11の口枠嵌合凸部16、ボックス側板31の口枠嵌合凸部37及び天板50の口枠嵌合凸部53それぞれと嵌合させることで、口枠55をボックス本体10及び天板50に固定する。このようにしてボックス部1は、前面に開口を有する四角箱状に組み立てられる。
【0062】
一方、引出部6を組み立てるにあたっては、先ず、図19(b)に示すとおり、組み立て前状態の引出背板81(図19(a)参照)を90度後側へ回動させて起き上がらせる。なお、この状態では、支持ヒンジ部82の突起部83は、収容部65の溝部65aの後端部分に位置している。
【0063】
次いで、図16(b)に示すとおり、組み立て前状態の引出側板71(図16(a)参照)を90度外側へ回動させて起き上がらせる。このとき、引出側板71の側板嵌合凸部74が引出底板61の立設部62にぶつからないように、側板ヒンジ部72の突起部73(回動中心)を立設部62の側板ヒンジ連結部63の溝部63aにおける上側部分に引き上げる必要がある。そして、図16(c)に示すように、起き上がった状態の引出側板71を下方側にスライド移動させ、引出側板71の側板嵌合凸部74を立設部62の側板嵌合凹部64に嵌合させることで、引出側板71を起き上がった状態に固定する。
【0064】
引出側板71を固定した後、図19(c)に示すように、引出背板81を前側にスライド移動させる。引出背板81を前側にスライド移動させることで、引出背板81の背板嵌合凸部84を引出側板71の背板嵌合凹部75に嵌合させ、引出背板81と引出側板71とを互いに固定する。
【0065】
その後、引出本体60の前端面に前面パネル90を取り付ける。前面パネル90を取り付ける際には、図20に示すように、前面パネル90の嵌合リブ92の係止爪93aと引出底板61のパネル嵌合リブ66の係止突起66aとが係合させるとともに、前面パネル90の嵌合リブ92の係止爪94aが引出側板71のパネル嵌合凸部76の係止突起76aと係合させる。このようにして引出部6は、上面に開口を有する四角箱状に組み立てられる。
【0066】
(収納ボックスの使用態様)
以下では、上記のようにして組み立てられた収納ボックスの使用態様について記載する。図12に示すように、引出底板61の立設部62の外側の壁62aは引出底板61の下面(外側面)よりも下方へ突出するように形成されているため、立設部62の外側の壁62aの下端面が脚部17内に挿入されてボックスローラ19に接触できる。このとき、ボックスローラ19は、その表面が中央ほど凹むように形成されているため、立設部62の外側の壁62aの下端面はその凹みに案内される。したがって、引出部6をボックス部1に対して出し入れする際には、ボックスローラ19が回転しつつ引出部6を支持するため、引出部6のボックス部1に対する引き出し及び押し入れの円滑性を支援する。また、立設部62の外側の壁62aの下端面とボックスローラ19との接触関係によって、引出部6の横ずれを好適に抑制する。なお、図12においては、引出底板61の立設部62を点線で図示している。
【0067】
一方、図5(b)に示すように、ボックス底板11の転動面23は、とくに、平坦面23a上において、引出底板61の引出ローラ68が転動することを可能にする。引出部6をボックス部1に対して出し入れする際には、引出ローラ68が転動面23上を回転して走行するため、引出部6のボックス部1に対する引き出し及び押し入れの円滑性を支援する。ここで、引出部6をボックス部1に完全に押し入れた状態では、引出ローラ68が平坦面23aの後方部分に位置するようになっている。上述したように、平坦面23aの後方側は、前方側に向かうほど頂上部23cに向けて上り傾斜となっているため、引出部6が完全に押し入れられた状態から誤って引き出され難いようになっている。また、平坦面23aは、頂上部23cから前方側へ向けて緩やかに下り傾斜となっているため、この下り傾斜の部分では引出部6の引出ローラ68は速やかに転動面23を転動する。なお、図5(b)では、引出本体60の引出ローラ68を点線で図示している。
【0068】
また、図5(b)に示すように、転動面23には、傾斜面23bが形成されているので、引出部6を引き出したり、押し入れたりする際に引出部6が幅方向の力を受けて引出ローラ68が左右方向にずれたとしても、引出部6の自重によって傾斜面23bを下って平坦面23aに戻される。ここで、図5(b)に示すように、傾斜面23bは、その幅方向の長さZ1の最大値がボックス部1のボックス側板31内側面と引出部6の引出側板71の外側面との間隙距離Z2よりも長く形成されている。したがって、引出部6の引出ローラ68が傾斜面23bを乗り越えてボックス底板11の幅方向中央側へ逸脱することが抑制される。なお、本実施形態では、図5(b)に示すように、引出部6が横ずれしていない状態で引出ローラ68が平坦面23aの最も幅方向内側を転動するように傾斜面23bの位置が設定されている。そのため、引出ローラ68の幅方向内側の端面から傾斜面23bの最頂部Tまでの幅寸法は、傾斜面23bの幅方向長さZ1と略等しい。なお、製造時には転動面23に対する引出ローラ68の配置にばらつきが生じることがある。そのため、引出ローラ68と傾斜面23bとの配置関係は必ずしも一定にならず、それらの間に寸法誤差が生じることがある。ここでいう「略等しい」とは、そうした寸法誤差が生じた状態も含むことを意味する。
【0069】
さらに、平坦面23aに対する傾斜面23bのうち最も上方に存在する最頂部Tにおける平坦面23aからの上下方向長さHの最大値は、引出部6の引出ローラ68の半径Rよりも小さく設定されている。したがって、引出部6のローラ収容部67を構成するリブ67aや引出ローラ68が傾斜面23bに接触し難くなっている。なお、本実施形態でいう最頂部Tにおける平坦面23aからの上下方向長さHの最大値とは、平坦面23aが最も低い位置にあるときの上下方向長さHであり、平坦面23aの最も前面側(図5(a)において左側)に位置している。また、傾斜面23bの幅方向の長さZ1とは、傾斜面23bの最頂部Tが前後方向に水平に形成されている場合、平坦面23aが最も低い位置にあるときの傾斜面23bの幅方向の長さZ1であり、平坦面23aの最も前面側(図5(a)において左側)に位置している。そして、間隙距離Z2とは、引出部6をボックス部1に完全に押し入れた状態における間隙距離で、ボックス部1及び引出部6の幅方向における各間隙は均等であることを前提とする。
【0070】
上記の実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ボックス背板41に支持ヒンジ部42が設けられ、ボックス部1を組み立てた状態では、この支持ヒンジ部42の上面42aは、ボックス底板11の下面と接触している。そのため、ボックス底板11を下面から抱え込むようにして支持することができ、支持ヒンジ部42とボックス底板11との連結部分である支持ヒンジ部42の突起部43に集中しがちな荷重を分散することができる。したがって、支持ヒンジ部42の突起部43に過剰に大きな力が作用することを抑制し、支持ヒンジ部42が変形したり、破損したりすることを抑制することができる。
【0071】
(2)上記実施形態では、支持ヒンジ部42の回動中心は側縁先端に形成された突起部43であり、支持ヒンジ部42はその上面42aにおいてボックス底板11の収容部15の下面15bと接触している。したがって、ボックス背板41を起き上がらせた状態では、支持ヒンジ部42の回動中心である突起部43は、収容部15の下面15bと接触する支持ヒンジ部42の上面42aよりも下方に位置している。そのため、ボックス部1の荷重は、先ず支持ヒンジ部42の上面42aに受け止められることになり、支持ヒンジ部42の突起部43に直接的に過剰な力が作用することをより効果的に抑制することができる。
【0072】
(3)上記実施形態では、ボックス底板11の下面にボックス背板41の支持ヒンジ部42を収容することのできる収容部15を形成している。そのため、支持ヒンジ部42を設けたことによって、組み立てられた状態のボックス本体10の厚みが増すことが抑制される。また、支持ヒンジ部42は、収容部15の収容部15の側面(側方のリブ15c)に案内されつつスライド移動可能であるため、ボックス背板41の組み立て作業を行いやすい。
【0073】
(4)上記実施形態では、ボックス背板41の支持ヒンジ部42の基端から先端までの突出長X1は、ボックス底板11の立設部12の立設長X2と等しい。そのため、組み立て前状態のボックス本体10において、その内部が視認し難い形態をなすとともに、ボックス背板41によって組み立て前状態におけるボックス側板31の一部分を覆い隠すことができる。したがって、組み立て前状態のボックス本体10がすっきりとした外観となり、見栄えが良い。
【0074】
(5)たとえば、図22及び図23に示す収納ボックスのように、薄肉ヒンジ部104、105によって起倒可能にされて、側板102が上下にスライド移動不可であると、図22に示すように、組み立て前状態において、一方の側板102の上端が底板101に当接する片当たりの状態となり、さらに、他方の側板102の上端が一方の側板102に当接する片当たりの状態となる。このような側板102の傾斜配置では、組み立て前状態の収納ボックスの見栄えが悪いという問題があった。また、側板102が片当たりの状態にあると、側板102自身の自重や外部からの荷重によって側板102が撓むなどして変形するという問題がある。上記実施形態において、ボックス側板31はボックス底板11に対して溝部13aの延設方向(上下方向)に沿ってスライド移動可能に連結されている。そのため、組み立て前状態において二つのボックス側板31が互いに平行配置関係を維持するようになっているため、ボックス側板31が変形する恐れが軽減される。
【0075】
(6)上記実施形態では、ボックス背板41の背板嵌合凸部44とボックス底板11の側板嵌合凹部14とでボックス部1の凹凸収容手段を構成し、組み立て前状態のボックス本体10では、この凹凸収容手段を介しつつボックス背板41の内側面と立設部12の上端面とが接触する。そのため、組み立て前状態におけるボックス背板41の背板嵌合凸部44の突出長が側板嵌合凹部14によって吸収されて、組み立て前状態におけるボックス本体10をより薄くすることが可能になる。
【0076】
なお、上記の(1)〜(6)では、ボックス部1(ボックス本体10)の効果として説明したが、引出部6(引出本体60)においても同等に構成されており、同じ作用効果を奏する。
【0077】
(7)上記実施形態では、口枠55の口枠嵌合凹部56によってボックス底板11の口枠嵌合凸部16の下面が支持されている。そのため、ボックス底板11とボックス背板41の連結部分である支持ヒンジ部42の突起部43に作用する荷重をより効果的に分散させることができる。また、引出底板61のパネル嵌合リブ66の係止突起66aに対して、嵌合リブ92の底縁に沿う部分93の上側の面に形成された係止爪93aが下側から係止されている。そのため、引出底板61と引出背板81との連結部分である支持ヒンジ部82の突起部83に作用する荷重をより効果的に分散させることができる。
【0078】
(8)上記実施形態では、ボックス側板31には支持ヒンジ部が形成されていないが、ボックス側板31はボックス背板41と嵌合しているとともに口枠55と嵌合している。そのため、たとえば、ボックス側板31を掴んで持ち上げたとしても、各嵌合構成によってボックス部1の荷重がボックス背板41及び口枠55に伝わり、結果として、ボックス背板41の支持ヒンジ部42の上面42aや口枠55の口枠嵌合凹部56に分散されることになる。
【0079】
(9)たとえば、図22及び図23に示す収納ボックスでは、底板101及び側板102及び背板103は一体成形により形成されているので、収納ボックスを製造するにあたっては相応に大きな金型等が必要となり、製造コストの上昇が避けられない。上記実施形態においては、ボックス部1及び引出部6を構成する各部材がそれぞれ独立して形成されているため、製造するにあたって比較的に小さな金型等を用いることができ、製造コストを低下させ得る。
【0080】
さらに、図22及び図23に示す収納ボックスでは、他の部分よりも薄肉にされることで薄肉ヒンジ部104、105が形成されており、収納ボックスを射出成形で製造する際に、この薄肉ヒンジ部104、105に相当する部分に樹脂を行き渡らせにくく、歩留りが上昇しがちである。本実施形態では、特許文献1の収納ボックスのような薄肉のヒンジ部を採用していないため、薄肉のヒンジ部を採用することに伴う不具合は生じない。
【0081】
(10)上記実施形態では、転動面23に傾斜面23bを形成している。したがって、引出部6を引き出すときに幅方向に横ずれして、引出部6の引出ローラ68が傾斜面23bに乗り上げたとしても、引出部6の自重により傾斜面23bを下って、平坦面23aに戻ることができる。
【0082】
(11)引出部6をボックス部1から引き出す際に、引出部6が横ずれしたとしても、通常、その横ずれの幅は、ボックス部1のボックス側板31内側面と引出部6の引出側板71の外側面との間隙距離Z2よりも短い。上記実施形態では、傾斜面23bの幅方向の長さZ1が前記間隙距離Z2よりも長く形成されているので、引出部6が傾斜面23bを乗り越えて転動面23から逸脱してしまうことが抑制される。
【0083】
(12)傾斜面23bは、ボックス底板11の補強リブとしても機能する。たとえば、傾斜面23bが存在しない場合、ボックス底板11に荷重がかかるとその幅方向及び前後方向に撓みが生じる場合がある。また、平坦面23aに対して90度の角度を有する補強リブをボックス部1の前後方向に沿って設けた場合、前後方向の撓みを抑制することはできても幅方向の撓みを抑制することは期待できない。本実施形態では、平坦面23aに対して傾斜面23bが150度の角度を有しているので、前後方向及び幅方向の両方の撓みに対する抑制効果が期待できる。
【0084】
(13)上記実施形態では、さらに、平坦面23aに対する傾斜面23bのうち最も上方に存在する最頂部Tにおける平坦面23aからの上下方向長さHは、引出部6の引出ローラ68の半径Rよりも小さく設定されている。そのため、引出ローラ68が傾斜面23bに乗り上げたとしても引出ローラ68や引出ローラ68を軸支するリブ67aが傾斜面23bに接触し難く、引出ローラ68の円滑な回転が確保される。
【0085】
(14)上記実施形態では、ボックス底板11の穴部22が引出部6の前面パネル90よりも大きく形成されている。そのため、前面パネル90を穴部22に収容して、組み立て前状態の収納ボックスの薄さを確保することができる。
【0086】
(15)上記実施形態では、ボックス底板11の脚部17の内側にボックスローラ19を設けている。そのため、ボックスローラ19を設けたことによって、ボックス底板11の厚みが大きくなることが最小限に抑えられる。また、組み立て前状態のボックス本体10において、ボックスローラ19が邪魔になることが最小限に抑えられる。
【0087】
なお、上記の実施形態は以下のように変更してもよく、また、以下の各変更例を互いに組み合わせて実施することも可能である。
・ 上記実施形態では、ボックス背板41の支持ヒンジ部42の基端から先端までの突出長X1をボックス底板11の立設部12の立設長X2と等しくなるように形成したが、突出長X1を立設長X2より長く形成したり、逆に、突出長X1を立設長X2より短く形成したりしてもよい。ここで、突出長X1を立設長X2より短く形成した場合、たとえば、支持ヒンジ部42を前後方向だけでなく、さらに、その後端から上下方向にスライド移動可能に構成すれば、組み立て前状態においてボックス背板41の内側面と立設部12の上端面とが接するようにすることができる。
【0088】
・ 上記実施形態では、支持ヒンジ部42の厚みと収容部15の深さ(側方のリブ15cの高さ)とを等しく形成したが、両者の関係はこれに限らない。たとえば、支持ヒンジ部42の厚みを収容部15の深さより薄くしてもよく、この場合でも、支持ヒンジ部42はその略全体が収容部15に収容される。あるいは、支持ヒンジ部42の厚みを収容部15の深さより厚くしてもよい。
【0089】
・ 上記実施形態では、ボックス底板11の下面に形成されたリブによって前方及び両側方を囲うことで収容部15を形成したが、収容部15の構成はこれに限らない。たとえば、ボックス底板11の下面(外側面)に複数のリブを形成することで、ボックス底板11がある程度の厚みを有した板体である場合、この板体について、支持ヒンジ部42の上下面を被覆するように穴状の収容部15を形成してもよい。また、収容部15の側面(側方のリブ15c)の溝部15aに支持ヒンジ部42の突起部43を連結させる構成に代えて、ボックス底板11の下面に軸支部を下側に向けて突設し、この軸支部に支持ヒンジ部42の突起部43を連結させてもよい。
【0090】
・ 上記実施形態では、支持ヒンジ部42の側面先端に突起部43を設け、収容部15の側面(側方のリブ15c)に溝部15aを設けたが、これらの関係を逆にしてもよい。すなわち、支持ヒンジ部42の側面に溝部を設け、収容部15の側面(側方のリブ15c)に突起部を設けてもよい。さらに、支持ヒンジ部42の側面と収容部15の側面(側方のリブ15c)の両方に溝部を設け、これら二つの溝部に挿入される別の連結部材を介して、支持ヒンジ部42と収容部15とを連結してもよい。これらの場合も、ボックス背板41は、ボックス底板11に対してスライド移動可能である。
【0091】
・ 上記実施形態では、支持ヒンジ部42の上面42aと収容部15の下面15bとが面接触域の全域で面接触するように構成していたが、これをその面接触域の一部で面接触するように構成してもよい。たとえば、支持ヒンジ部42の上面42aに前後方向に延びる突条を形成することによってその突条の上面と収容部15の下面15bが面接触するようにしてもよい。この場合、支持ヒンジ部42の薄型化を達成しつつも、突条によって支持ヒンジ部42の剛性を好適に維持することができる。また、上記実施形態において、支持ヒンジ部42に溝状の貫通孔を設けて軽量化を図ってもよい。なお、支持ヒンジ部42には、前後方向に撓むような力が加わるため、溝状の貫通孔を形成するにあたっては前後方向に延びるように形成することが好ましい。また、支持ヒンジ部42に貫通孔を形成した場合、収容部15の下面15bから下方に向けて突出する凸部を形成し、この凸部が支持ヒンジ部42の貫通孔に嵌まり込むようにしてもよい。
【0092】
・ 上記実施形態では、ボックス背板41に支持ヒンジ部42を形成したが、これに加えてさらにボックス側板31に、ボックス背板41の支持ヒンジ部42と同様の構成を付加してもよいし、ボックス背板41には支持ヒンジ部42を形成せず、ボックス側板31のみに支持ヒンジ部を形成してもよい。
【0093】
・ 上記実施形態では、立設部12の上端面から下方向に四角形状に切欠き凹設することで側板ヒンジ連結部13を形成した。このような構成に代えて、立設部12の内側面と外側面とが貫通するように側板ヒンジ連結部を凹設してもよい。また、このように形成される側板ヒンジ連結部の配置や数はとくに限定されない。さらに、上記実施形態では、立設部12の上端面に側板嵌合凹部14を設けたが、これを省略してもよい。
【0094】
上記のように、支持ヒンジ部42や収容部15の構成は、上記実施形態のものに限らず適宜変更を加えることができる。なお、上記の変更例では、ボックス部1の支持ヒンジ部42や収容部15について説明したが、引出部6の支持ヒンジ部82及び収容部65についても同様に変更することが可能である。
【0095】
・ 上記実施形態におけるボックス部1の口枠55とボックス底板11との嵌合構成を変更してもよい。たとえば、口枠55に口枠嵌合凸部を設け、ボックス底板11に口枠嵌合凹部を設けるようにしてもよい。同様に、引出部6の前面パネル90と引出底板61との嵌合構成を変更してもよい。たとえば、引出底板61のパネル嵌合リブ66の内側面(上側面)に係止突起66aを形成し、前面パネル90の嵌合リブ92の底縁に沿う部分93の下側面に係止爪93aを形成する。そして、引出底板61のパネル嵌合リブ66の係止突起66aに対して、嵌合リブ92の底縁に沿う部分93の下側面に形成された係止爪93aを上側から係止されるようにしてもよい。
【0096】
・ ボックス本体10のボックス背板41に支持ヒンジ部42を設け、さらに、引出本体60の引出背板81に支持ヒンジ部82を設けていたが、ボックス本体10及び引出本体60の両方に支持ヒンジ部を形成しなくとも、いずれか一方に形成してもよい。
【0097】
・ ボックス側板31と天板50との取り付け構成は、上記実施形態のものに限らない。たとえば、ボックス側板31の上端に前後方向に延びるとともに断面L字状の溝を形成する。そして、天板50の側面部51を溝の断面形状にあわせてL字状に形成する。そして、ボックス側板31の前側から、天板50のL字状の側面部51をボックス側板31の溝に挿入しつつ天板50をスライドして取り付けるようにしてもよい。
【0098】
なお、上記の実施形態の説明及び変更例の説明における「長さが等しい」及び「同じ大きさ」とは、完全に寸法が一致している場合に限らず、各部材がそれぞれの機能を発揮するのに必要な若干の寸法差が許容されているという意味を含むものであることを付言しておく。
【0099】
次に、上記の実施形態及び変更例から把握できる技術思想について以下に追記する。
・ 前面側に開口を有する四角箱状のボックス部と、上面側に開口を有するとともに前記ボックス部に対して出し入れ可能な四角箱状の引出部とを備えた収納ボックスであって、前記引出部の底板の外側面にはローラが設けられているとともに、前記ボックス部の底板の内側面には前記ローラが転動する転動面が設けられ、前記転動面には、前記ボックス部の前後方向に沿って延びる平坦面と、前記平坦面の幅方向側部において前記平坦面に対して上方向に傾斜する傾斜面とが形成されていることを特徴とする収納ボックス。
【0100】
・ 前面側に開口を有する四角箱状のボックス部と、上面側に開口を有するとともに前記ボックス部に対して出し入れ可能な四角箱状の引出部とを備えた収納ボックスであって、前記ボックス部及び前記引出部は、底板の周縁に設けられた側板及び背板が前記底板に対して回動可能に連結されることで組み立て可能に構成されており、前記底板の側縁には立設部が立設されており、前記側板は前記立設部に回動軸を介して連結されているとともに、該回動軸が前記立設部の立設方向に沿ってスライド移動可能であることを特徴とする収納ボックス。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施形態における収納ボックスの組み立てた状態の斜視図。
【図2】実施形態における収納ボックスの分解斜視図。
【図3】(a)は、実施形態におけるボックス部の組み立て前状態の斜視図。(b)は、実施形態における引出部の組み立て前状態の斜視図。
【図4】(a)は、実施形態におけるボックス底板の内側面平面図。(b)は、実施形態におけるボックス底板の外側面平面図。
【図5】(a)は、図4(a)におけるA−A線断面図。(b)は、図4(a)におけるB−B線断面図。
【図6】ボックス側板の内側面平面図及びボックス底板の図4(a)におけるCーC線断面図。
【図7】(a)〜(c)は、図4(a)のE−E線断面におけるボックス側板の組み立て態様を示す模式図。
【図8】実施形態におけるボックス背板の斜視図。
【図9】実施形態におけるボックス底板及びボックス背板を下側から見た斜視図。
【図10】(a)〜(c)は、図4(a)のA−A線断面におけるボックス背板の組み立て態様を示す模式図。
【図11】ボックス部の側方断面図。
【図12】図4(a)におけるD−D線断面図。
【図13】(a)は、実施形態における引出底板の内側面平面図。(b)は、実施形態における引出底板の外側面平面図。
【図14】図13(a)におけるA−A線断面図。
【図15】引出側板の内側面平面図及び外側面平面図及び引出底板の図13(a)におけるC−C線断面図。
【図16】(a)〜(c)は、図13(a)のE−E線断面における引出側板の組み立て態様を示す模式図。
【図17】実施形態における引出背板の斜視図。
【図18】実施形態における引出底板及び引出背板を下側から見た斜視図。
【図19】(a)〜(c)は、図13(a)のA−A線断面における引出背板の組み立て態様を示す模式図。
【図20】引出部の側方断面図。
【図21】図13(b)におけるD−D線断面図。
【図22】従来の収納ボックスの幅方向断面図。
【図23】従来の収納ボックスの前後方向部分断面図。
【符号の説明】
【0102】
1…ボックス部、10…ボックス本体、11…ボックス底板、12…ボックス底板の立設部、13…ボックス底板の側板ヒンジ連結部、13a…ボックス底板の側板ヒンジ連結部の溝部、15…ボックス底板の収容部、15a…ボックス底板の収容部の溝部、17…脚部、19…ボックスローラ、22…穴部、23…転動面、23a…平坦面、23b…傾斜面、31…ボックス側板、32…ボックス側板の側板ヒンジ部、41…ボックス背板、42…ボックス背板の支持ヒンジ部、42a…ボックス背板の支持ヒンジ部の上面、50…天板、55…口枠、6…引出部、60…引出本体、61…引出底板、62…引出底板の立設部、63…引出底板の側板ヒンジ連結部、63a…引出底板の側板ヒンジ連結部の溝部、65…引出底板の収容部、65a…引出底板の収容部の溝部、68…引出ローラ、71…引出側板、72…引出側板の側板ヒンジ部、81…引出背板、82…引出背板の支持ヒンジ部、82a…引出背板の支持ヒンジ部の上面、90…前面パネル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、四角箱状のボックス部と、該ボックス部に対して出し入れ可能な四角箱状の引出部とを備えた収納ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
収納ボックスとして、前面側に開口を有する四角箱状のボックス部と、上面側に開口を有するとともにボックス部に対して出し入れ可能な四角箱状の引出部とを備えたものが知られている。また、この種の収納ボックスにおいて、ボックス部や引出部を折り畳み可能に構成し、組み立てて使用することができる収納ボックスが提案されている。
【0003】
図22及び図23に示すように、特許文献1に記載の収納ボックスにおいて、ボックス部100は、底板101と、底板101の側縁に連結された側板102と、底板101の後縁に連結された背板103とを備えている。そして、これら底板101及び側板102及び背板103は合成樹脂製であって、一体成型により形成されている。底板101と側板102との境界部分は、他の部分よりも薄肉にされて薄肉ヒンジ部104が形成されている。また、同様に、底板101と背板103との境界部分は、他の部分よりも薄肉にされて薄肉ヒンジ部105が形成されている。これらの薄肉ヒンジ部104、105によって側板102及び背板103が底板101に対して起倒可能に連結されており、ボックス部100を折り畳んだり、組み立てたりすることが可能となっている。
【特許文献1】特開平4−282105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
収納ボックスのボックス部や引出部を持ち上げようとする場合、側板や背板を掴んで持ち上げることがある。このような持ち上げ方をした場合、収納された物品の荷重を底板と側板との連結構造及び底板と背板との連結構造によって支持することになる。ここで、特許文献1の収納ボックスにおいて側板102及び背板103は、他の部分よりも薄肉にされた薄肉ヒンジ部104、105によって底板101に連結されており、この強度の低い薄肉ヒンジ部104、105に荷重が集中することになる。そのため、たとえば、重量のある物品を収容した状態で側板102や背板103を掴みつつのボックス部100や引出部を持ち上げようとすると、過剰に大きな荷重が薄肉ヒンジ部104、105に作用し、薄肉ヒンジ部104、105が裂けるなどして破損してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を鑑みてなされたものであって、その目的は、底板と底板に連結される周板との連結構造に作用する荷重を分散して、連結構造が破損することを抑制することのできる収納ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、前面側に開口を有する四角箱状のボックス部と、上面側に開口を有するとともにボックス部に対して出し入れ可能な四角箱状の引出部とを備えた収納ボックスであって、ボックス部及び引出部は、底板と該底板の周縁に設けられた周板とを備え、ボックス部及び引出部は、周板が底板に対して回動可能に連結されることで組み立て可能に構成され、周板の少なくとも一つには該周板の内側面から突出するように支持ヒンジ部が形成されるとともに、該支持ヒンジ部が底板に対して回動可能に連結され、支持ヒンジ部は、周板を起き上がらせた状態において底板の下面に接触して底板を支持していることを特徴としている。
【0007】
この構成によれば、支持ヒンジ部は、底板の連結部分に加えて底板の下面とも接触している。そのため、底板を下面から抱え込むようにして支持することができ、支持ヒンジ部と底板と連結部分に集中しがちな荷重を分散することができる。したがって、底板と支持ヒンジ部とが連結している部分に過剰に大きな力が作用することを抑制し、支持ヒンジ部が変形したり、破損したりすることを抑制することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の収納ボックスにおいて、支持ヒンジ部の回動中心は、底板の下面に接触する接触面よりも下方に位置していることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、支持ヒンジ部の回動中心が底板の下面に接触する接触面よりも下方に位置しているため、ボックス部や引出部にかかる荷重は、先ず支持ヒンジ部の接触面により受け止められる。したがって、支持ヒンジ部の回動中心に直接的に過剰な力が作用することをより効果的に抑制することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の収納ボックスにおいて、底板の下面には、周板を起き上がらせた状態において支持ヒンジ部を収容することのできる収容部が設けられており、支持ヒンジ部は収容部に連結されているとともに、その回動中心が収容部内をスライド移動可能であることを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、底板の下面に収容部が設けられており、この収容部に支持ヒンジ部を収容して支持ヒンジ部の厚み分を吸収することができるので、支持ヒンジ部を設けたことによって、とくに組み立てられた状態のボックス部や引出部の厚みが増すことが抑制される。また、支持ヒンジ部は、収容部の壁面に案内されつつスライド移動可能であるため、周板の組み立て作業を行いやすい。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の収納ボックスにおいて、周板は、支持ヒンジ部が形成される背板と支持ヒンジ部が形成されない一対の側板とからなり、底板の両側縁には側板の下端部と嵌合する立設部が設けられ、背板の支持ヒンジ部の先端には回動軸が設けられ、支持ヒンジ部の基端から先端までの長さは立設部の立設長と等しいことを特徴としている。
【0013】
組み立て前状態において、背板の高さ位置は、支持ヒンジ部の基端から先端までの長さに左右される。そして、底板の高さは立設部の高さによって規定される。上の構成によれば、支持ヒンジ部の先端に回動軸が設けられ、支持ヒンジ部の基端から先端までの長さは立設部の立設長と等しくなっている。そのため、ボックス部や引出部の組み立て前状態では、支持ヒンジ部が形成された背板と底板の立設部の上端との高さ位置が等しくなる。それゆえ、組み立て前状態においても、内部が視認しにくい形態をなすとともに、背板によって組み立て前状態の側板の一部分を覆い隠すことができる。したがって、組み立て前状態の収納ボックスがすっきりとした外観となり、見栄えがよい。なお、ここでいう「長さが等しい」とは、完全に長さが一致している場合に限らず、支持ヒンジ部が形成された周板と底板の立設部の上端との高さ位置が近似しており、組み立て前状態において内部が視認しにくい形態をなすのであれば、若干の寸法差は許容できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の収納ボックスにおいて、引出部は周板として背板と一対の側板とを備えるとともに背板には支持ヒンジ部が形成され、底板及び一対の側板の前端部には前面パネルが嵌合され、該前面パネルが嵌合した状態において前面パネルは底板の下面を支持することを特徴としている。
【0015】
この構成によれば、引出部の底板の下面は、支持ヒンジ部に加えて前面パネルによっても支持されているので、底板と背板との連結部分に作用する荷重をより効果的に分散させることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の収納ボックスにおいて、ボックス部は周板として背板と一対の側板とを備えるとともに背板には支持ヒンジ部が形成され、一対の側板には天板が取り付けられ、底板及び一対の側板及び天板の前端部には口枠が嵌合され、該口枠が嵌合した状態において口枠は底板の下面を支持することを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、ボックス部の底板の下面は、支持ヒンジ部に加えて口枠によっても支持されているので、底板と背板との連結部分に作用する荷重をより効果的に分散させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の収納ボックスによれば、底板を下面から抱え込むように支持して支持ヒンジ部と底板との連結部分に集中しがちな荷重を分散することができ、底板と周板との連結構成が破損することを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の収納ボックスを図面に基づいて説明する。図1に示すように、本発明の収納ボックスのボックス部1は、前面側に開口を有する四角箱状に形成されているとともに、収納ボックスの引出部6は、上面側に開口を有するとともにボックス部1に対して出し入れ可能な四角箱状に形成されている。なお、以下の説明では、図1に示すように、組み立てられた状態のボックス部1及び引出部6を基準として上下方向(高さ方向)、左右方向(幅方向)を規定している。また、引出部6が引き出される方向を前方向、押し入れられる方向を後方向としている。さらに、ボックス部1及び引出部6を組み立てた状態を基準として、外側及び内側を規定している。
【0020】
(ボックス部1の構成)
先ず、ボックス部1について説明する。図2に示すように、ボックス部1は、ボックス本体10に天板50及び口枠55が取り付けられることで組み立てられた状態をなしている。ボックス本体10は、長四角板状に形成されたボックス底板11の両側縁にそれぞれボックス側板31が回動可能に連結されるとともに、ボックス底板11の後縁にボックス背板41が回動可能に連結されている。
【0021】
図4(a)に示すように、ボックス底板11の側縁には、ボックス側板31と連結、嵌合するための立設部12が立設されている。立設部12は、図5(b)に示すように、断面逆U字状に形成されて内部が中空になっている。そして、図5(a)に示すように、立設部12には、上端面から下方向に四角形状に切欠き凹設された側板ヒンジ連結部13が形成されている。図7(a)〜(c)に示すように、この側板ヒンジ連結部13の前端面及び後端面には、溝部13aが上下方向に延設されている。なお、図7(a)〜(c)は、図4(a)におけるE−E線断面図であり、側板ヒンジ連結部13の後端面が図示されている。そして、図4(a)及び図5(b)に示すように、立設部12の上端面には側板嵌合凹部14が形成されている。
【0022】
一方、図4(b)及び図9に示すように、ボックス底板11の下面(外側面)後縁には、ボックス背板41と連結するための収容部15が設けられている。収容部15は、ボックス底板11の下面に形成されたリブによって前方及び両側方が囲まれることによって形成されている。そして、収容部15の側面、すなわち、側方のリブ15cには、溝部15aが前後方向に延設されている。さらに、ボックス底板11の前端面には、口枠55と嵌合するための口枠嵌合凸部16が形成されている。そして、この口枠嵌合凸部16の下面(外側面)には、ボックス底板11の幅方向に延びるとともに外方(下方)に向かって突出する係止突起16aが形成されている。なお、図9では、ボックス底板11を下側から見た状態を図示している。
【0023】
図12に示すように、ボックス底板11は、その一部が外側に向かって断面四角形状に膨出されることで脚部17が形成されている。図4(a)及び(b)に示すように、本実施形態では、脚部17はボックス底板11の幅方向において立設部12に隣接するようにボックス部1の前後方向に沿って形成されている。脚部17の前端部(図4(a)及び(b)において左側)における内側面はローラ収容部18として機能し、このローラ収容部18にボックスローラ19が回転可能に軸支されている。
【0024】
図4(a)及び(b)に示すように、ボックス底板11の中央には、四角形状に肉盗みされた穴部22が形成されている。そして、図4(a)に示すように、ボックス底板11の内側面には、穴部22と脚部17との間においてボックス部1の前後方向に延びる一対の転動面23が設けられている。図5(b)に示すように、転動面23には、ボックス部1の前後方向に延びる平坦面23aが設けられている。そして、図5(a)に示すように、平坦面23aは、頂上部23cを形成し、平坦面23aを側方から断面視すると、後方側から前方側に向けて、頂上部23cまでは上り勾配が付けられているとともに、頂上部23cから前方側においては緩やかな下り勾配が付けられている。また、図5(b)に示すように、転動面23の幅方向におけるボックス底板11の中央側には、平坦面23aに対して上方向に傾斜する傾斜面23bが形成されている。本実施形態では、平坦面23aと傾斜面23bとが150度の角度をなすように傾斜面23bの傾斜が設定されている。
【0025】
ここで、傾斜面23bの最頂部Tの高さ位置は、ボックス底板11の前後方向において一定である。その一方で、平坦面23aは、頂上部23c側に向かうほど高い位置に存在する。したがって、頂上部23c側ほど平坦面23aの幅方向の長さが長くなるとともに、傾斜面23bの幅方向の長さZ1が短くなる。また、頂上部23c側ほど平坦面23aから最頂部Tまでの上下方向長さHが小さくなる。なお、本実施形態では、頂上部23cの高さ位置と傾斜面23bの最頂部Tの高さ位置とが等しいため、平坦面23aの頂上部23cにおいてその側方に傾斜面23bが存在しない。
【0026】
図6に示すように、ボックス側板31は略四角板状に形成されるとともに、その下端面には側板ヒンジ部32が突設されている。側板ヒンジ部32は、ボックス底板11の側板ヒンジ連結部13と略同じ大きさに形成されているとともに、その先端に突起部33が前後方向に突出するように設けられている。この突起部33が側板ヒンジ連結部13の溝部13aに挿入されることで、ボックス側板31はボックス底板11に対して溝部13aの延設方向(上下方向)に沿ってスライド移動可能に連結されている。また、ボックス側板31は、いずれのスライド位置(上下位置)においてもボックス底板11に対して回動可能になっている。
【0027】
ボックス側板31の下端面には、側板嵌合凸部34が形成されている。この側板嵌合凸部34は、側板ヒンジ部32よりも短く形成されるとともに、立設部12の側板嵌合凹部14に嵌合できるようになっている。立設部12の側板嵌合凹部14と、ボックス側板31の側板嵌合凸部34とが嵌合することによって、ボックス側板31は起き上がった状態でボックス底板11に固定される。なお、図6において、立設部12の側板ヒンジ連結部13及び側板嵌合凹部14とボックス側板31との位置関係を明らかにするために、ボックス底板11のみ断面図(図4(a)におけるC−C断面図)を示している。
【0028】
また、図6に示すように、ボックス側板31の後端面には、ボックス背板41と嵌合するための背板嵌合凹部35が前方向へ向けて凹み形成されている。この背板嵌合凹部35には、その内域とボックス部1の内側域とを連通する係止穴35aが形成されている。そして、ボックス側板31の前端面には口枠55と嵌合するための口枠嵌合凸部37が形成されているとともに、ボックス側板31の上端面には、天板50と嵌合するための天板嵌合凸部36が形成されている。なお、図6において背板嵌合凹部35を点線で図示している。
【0029】
図2に示すように、ボックス背板41はその幅方向の長さがボックス底板11の幅方向の長さと等しく、上下方向の長さがボックス側板31の上下方向の長さよりも長くなるように略四角板状に形成されている。そして、図8に示すように、その内側面の下端から前方向へ向けて突出するように略四角板状の支持ヒンジ部42が形成されている。支持ヒンジ部42の基端から先端までの突出長X1は、ボックス底板11の立設部12の立設長X2と等しくなるように形成されている。なお、立設部12の立設長X2については、図5(b)において図示しており、突出長X1と立設長X2との比較については図10(a)において図示している。
【0030】
支持ヒンジ部42の側縁先端には回動軸としての突起部43がボックス背板41の幅方向に突出するように設けられている。図9に示すように、この突起部43がボックス底板11の収容部15の溝部15aに挿入されることで、ボックス背板41はボックス底板11に対して溝部15aの延設方向(前後方向)に沿ってスライド移動可能に連結されている。
【0031】
また、支持ヒンジ部42は、ボックス底板11の収容部15の内部空間と略同じ形状に形成されており、さらに、支持ヒンジ部42の厚みは収容部15の深さ(側方のリブ15cの高さ)と等しく形成されている。したがって、本実施形態では、ボックス背板41を起き上がらせてボックス側板31及び天板50と嵌合させることにより、支持ヒンジ部42の略全体を収容部15の内部に収めることができるようになっている。そして、ボックス背板41を起き上がらせた状態において支持ヒンジ部42の上面42aが収容部15の下面15b(ボックス底板11の下面の一部)に接触するようになっている。ここで、本実施形態では、支持ヒンジ部42の回動中心は側縁先端に形成された突起部43であり、支持ヒンジ部42はその上面42aにおいてボックス底板11の収容部15の下面15bと接触している。したがって、ボックス背板41を起き上がらせた状態では、支持ヒンジ部42の回動中心(突起部43)は、収容部15の下面15bと接触する支持ヒンジ部42の上面42aよりも下方に位置している。
【0032】
図8に示すように、ボックス背板41の内側面の両側縁には前方に突出するように背板嵌合凸部44が形成されている。そして、図10(a)〜(c)に示すように、背板嵌合凸部44の外側(ボックス部1の幅方向外側)の面には、係止突起44aが形成されている。背板嵌合凸部44は、ボックス背板41を起き上がらせた状態でボックス側板31の背板嵌合凹部35に嵌合できるようになっているとともに背板嵌合凸部44の係止突起44aが背板嵌合凹部35の係止穴35aに嵌まり込んで係止される。そして、ボックス側板31とボックス背板41との嵌合時には、ボックス背板41の内側面とボックス側板31の後端面とが互いに接しつつ係止される。なお、本実施形態では、背板嵌合凸部44と背板嵌合凹部35とでボックス部1の凹凸嵌合手段を構成する。
【0033】
さらに、図10(a)に示すように、ボックス背板41の背板嵌合凸部44の高さ位置は、ボックス底板11の後端から立設部12の側板嵌合凹部14までの長さに合わせて設定されている。すなわち、組み立て前状態におけるボックス背板41がボックス背板41の背板嵌合凸部44が立設部12の側板嵌合凹部14内に収まって、ボックス背板41の内側面と立設部12の上端面とが接触するようになっている。なお、本実施形態では、背板嵌合凸部44と側板嵌合凹部14とでボックス部1の凹凸収容手段を構成する。
【0034】
図10(b)及び(c)に示すように、ボックス背板41の内側面上縁には、前方向を指向して天板50と嵌合するための天板嵌合凹部45が形成されている。天板嵌合凹部45は、ボックス背板41の上縁に沿って前方向に突出形成された二つのリブによって囲われることで構成されており、それら二つのリブのうち、下側のリブ45aには係止穴45bが形成され、該係止穴45bによって、天板嵌合凹部45の内外間は貫通している。
【0035】
図2に示すように、上記のように構成されたボックス本体10には天板50が取り付けられている。天板50には、幅方向の両側縁から下方を指向する側面部51が備えられ、全体として断面コ字状をなすように形成されている。天板50の側面部51の下端面には、天板嵌合凹部(図示略)が所定間隔をおいて複数形成されており、ボックス側板31の天板嵌合凸部36と嵌合するようになっている。また、天板50の後端面には天板嵌合凸部52が形成されており、ボックス背板41の天板嵌合凹部45と嵌合するようになっている。また、図11に示すように、天板嵌合凸部52の下側面には係止突起52aが下方に向けて突出形成されており、天板嵌合凹部45の係止穴45bに嵌まり込むようになっている。これらの嵌合構成によって、天板50がボックス本体10に固定されるとともに、ボックス側板31及びボックス背板41の回動が防止される。さらに、図11に示すように、天板50の前端面には、口枠嵌合凸部53が形成されている。また、口枠嵌合凸部53の下側面には係止突起53aが下方に向けて突出形成されている。なお、天板50は、前後対称に形成されているため、天板嵌合凸部52と口枠嵌合凸部53とは同じ形状に形成されている。
【0036】
図2に示すように、ボックス底板11及びボックス側板31及び天板50の前端部には、四角枠状に形成された口枠55が取り付けられている。図11に示すように、口枠55は、断面U字状(図11においては横向きのU字状)に形成されており、このU字状部分が口枠嵌合凹部56となっている。すなわち、口枠嵌合凹部56は、四角枠状に形成された嵌合凹部である。また、図11に示すように、口枠嵌合凹部56のうちのボックス底板11に対向する下辺部分において、下側の壁(横向きU字状の下側の壁)には、下辺係止穴56aが形成されており、該下辺係止穴56aによって、口枠嵌合凹部56の内外間は貫通している。一方、口枠嵌合凹部56のうちの天板50に対向する上辺部分において下側の壁(横向きU字状の下側の壁)には、上辺係止穴56bが形成されており、該上辺係止穴56bによって、口枠嵌合凹部56の内外間は貫通している。
【0037】
そして、図2に示すように、ボックス底板11の口枠嵌合凸部16、ボックス側板31の口枠嵌合凸部37及び天板50の口枠嵌合凸部53が口枠嵌合凹部56と嵌合することで、口枠55が取り付けられるようになっている。図11に示すように、ボックス本体10に口枠55を取り付けた状態では、ボックス底板11の口枠嵌合凸部16の係止突起16aが口枠55の口枠嵌合凹部56の下辺係止穴56aに嵌まり込むとともに、天板50の口枠嵌合凸部53の係止突起53aが口枠55の口枠嵌合凹部56の上辺係止穴56bに嵌まり込んで係止される。
【0038】
なお、本実施形態では、図11に示すように、ボックス底板11の口枠嵌合凸部16の下面(外側面)は、ボックス底板11の下面の一部であり、口枠嵌合凹部56が口枠嵌合凸部16を下側から覆うようにして嵌合している。したがって、ボックス本体10に口枠55が嵌合した状態において、口枠55はボックス底板11の下面を支持しているといえる。
【0039】
(引出部6の構成)
次に、引出部6について説明する。図2に示すように、引出部6は、引出本体60に前面パネル90が取り付けられることで組み立てられた状態をなしている。引出本体60は、長四角板状に形成された引出底板61の両側縁にそれぞれ引出側板71が回動可能に連結されるとともに、引出底板61の後縁に引出背板81が回動可能に連結されている。
【0040】
図13(a)に示すように、引出底板61の側縁には、引出側板71と連結、嵌合するための立設部62が立設されている。立設部62は、断面逆U字状に形成されて内部が中空になっている。また、図21に示すように、立設部62はその外側の壁62aが長く形成されて下側に突出するようになっている。そして、図14に示すように、立設部62には、上端面から下方向に四角形状に切欠き凹設された側板ヒンジ連結部63が形成されている。図16(a)〜(c)に示すように、この側板ヒンジ連結部63の前端面及び後端面には、溝部63aが上下方向に延設されている。なお、図16(a)〜(c)は、図13(a)におけるE−E線断面図であり、側板ヒンジ連結部13の後端面が図示されている。また、図13(a)に示すように、立設部62の上端面には側板嵌合凹部64が形成されている。
【0041】
一方、図13(b)及び図18に示すように、引出底板61の下面(外側面)後縁には、引出背板81と連結するための収容部65が設けられている。収容部65は、引出底板61の下面に形成されたリブによって前方及び両側方が囲まれることによって形成されている。そして、収容部65の側面、すなわち側方のリブ65cには、溝部65aが前後方向に延設されている。さらに、図13(b)に示すように、引出底板61の下面において前縁に沿うとともに下方に向かって突出するようにパネル嵌合リブ66が形成されている。そして、パネル嵌合リブ66の後側面(図13(b)において右側面)には、引出底板61の後側に向かって突出する係止突起66aが形成されている。なお、図18では、引出底板61を下側から見た状態を図示している。
【0042】
図13(b)及び図21に示すように、引出底板61の下面において、側縁の後方側(図13(b)において右側)には、引出底板61の前後方向に延びる二つのリブ67aが設けられている。そして、これら二つのリブ67aの間の空間がローラ収容部67として機能し、このローラ収容部67に引出ローラ68が回転可能に軸支されている。
【0043】
図15に示すように、引出側板71は略四角板状に形成されるとともに、その下端面には側板ヒンジ部72が突設されている。側板ヒンジ部72は、引出底板61の側板ヒンジ連結部63と略同じ大きさに形成されているとともに、その先端に突起部43が前後方向に突出するように設けられている。この突起部83が側板ヒンジ連結部63の溝部63aに挿入されることで、引出側板71は溝部63aの延設方向(上下方向)に沿ってスライド移動可能に連結されている。また、引出側板71は、いずれのスライド位置(上下位置)においても引出底板61に対して回動可能になっている。
【0044】
引出側板71の下端面には、側板嵌合凸部74が形成されている。この側板嵌合凸部74は、側板ヒンジ部72よりも短く形成されるとともに、立設部62の側板嵌合凹部64に嵌合できるようになっている。立設部62の側板嵌合凹部64と、引出側板71の側板嵌合凸部74とが嵌合することによって、引出側板71は起き上がった状態で引出底板61に固定される。
【0045】
さらに、引出側板71の後端面には引出背板81と嵌合するための背板嵌合凹部75が前方向へ向けて凹み形成されている。この背板嵌合凹部75には、その内域と引出部6の内側域とを連通する係止穴75aが形成されている。また、引出側板71の前端面には前面パネル90と嵌合するためのパネル嵌合凸部76が形成されているとともに、図15に示すように、パネル嵌合凸部76の下面(外側面)には引出部6の幅方向内側に向かって突出するように係止突起76aが形成されている。なお、図15において、立設部62の側板ヒンジ連結部63及び側板嵌合凹部64と引出側板71との位置関係を明らかにするために、引出底板61のみ断面図(図13(a)におけるC−C断面図)を示している。また、図15において背板嵌合凹部75を点線で図示している。さらに、図15において破断線を基準として、引出側板71の前側部分は内側面を図示し、引出側板71の後側部分は外側面を図示している。
【0046】
図2及び図17に示すように、引出背板81はその幅方向の長さが引出底板61の幅方向の長さと等しく、かつ高さ方向の長さも引出側板71の高さ方向の長さと等しくなるように略四角板状に形成されている。そして、図17に示すように、その内側面の下端から前方向へ向けて突出するように略四角板状の支持ヒンジ部82が形成されている。支持ヒンジ部82の基端から先端までの突出長Y1は、引出底板61の立設部62の立設長Y2と等しくなるように形成されている。なお、立設部62の立設長Y2については、図21において図示しており、突出長Y1と立設長Y2との比較については図19(a)において図示している。
【0047】
支持ヒンジ部82の側縁先端には回動軸としての突起部83が引出背板81の幅方向に突出するように設けられている。図18に示すように、この突起部83が引出底板61の収容部65の溝部65aに挿入されることで、引出背板81が溝部65aの延設方向に沿ってスライド移動可能に連結されている。
【0048】
また、支持ヒンジ部82は、引出底板61の収容部65の内部空間と略同じ形状に形成されており、さらに、支持ヒンジ部82の厚みは収容部65の深さ(側方のリブ65cの高さ)と等しく形成されている。したがって、本実施形態では、引出背板81を起き上がらせた状態において引出側板71と嵌合させることにより支持ヒンジ部82の略全体を収容部65の内部に収めることができるようになっている。そして、引出背板81を起き上がらせた状態において支持ヒンジ部82の上面82aが収容部65の下面65b(引出底板61の下面の一部)に接触するようになっている。ここで、本実施形態では、支持ヒンジ部82の回動中心は側縁先端に形成された突起部83であり、支持ヒンジ部82はその上面82aにおいて引出底板61の収容部65の下面65bと接触している。したがって、引出背板81を起き上がらせた状態では、支持ヒンジ部82の回動中心(突起部83)は、収容部65の下面65bと接触する支持ヒンジ部82の上面82aよりも下方に位置している。
【0049】
図17に示すように、引出背板81の内側面の両側縁には前方向に突出するように背板嵌合凸部84が形成されている。そして、背板嵌合凸部84の外側(引出部6の幅方向外側)の面には、係止突起84aが形成されている。背板嵌合凸部84は、引出背板81を起き上がらせた状態では、引出側板71の背板嵌合凹部75に嵌合できるようになっているとともに背板嵌合凸部84の係止突起84aが背板嵌合凹部75の係止穴75aに嵌まり込んで係止される。そして、引出側板71と引出背板81との嵌合時には、引出背板81の内側面と引出側板71の後端面とが係止される。なお、本実施形態では、背板嵌合凸部84と背板嵌合凹部75とで引出部6の凹凸嵌合手段を構成する。
【0050】
さらに、図19(a)に示すように、引出背板81の背板嵌合凸部84の高さ位置は、引出底板61の後端から立設部62の側板嵌合凹部64までの長さに合わせて設定されている。すなわち、組み立て前状態における引出背板81が引出背板81の背板嵌合凸部84が立設部62の側板嵌合凹部64に収まって、引出背板81の内側面と立設部62の上端面とが接触するようになっている。なお、本実施形態では、背板嵌合凸部84と側板嵌合凹部64とで引出部6の凹凸収容手段を構成する。
【0051】
図2に示すように、上記のように構成された引出本体60には前面パネル90が取り付けられている。前面パネル90は、その高さ方向の長さがボックス底板11の穴部22の幅方向の長さよりも小さく、その幅方向の長さが穴部22の前後方向の長さよりも小さく設定されている。さらに、本実施形態では、図1に示すように、前面パネル90の高さ及び幅は、口枠55の高さ及び幅と等しく形成されている。一方、前面パネル90の外側面には、幅方向に延びる指掛部91が形成されている。図20に示すように、指掛部91は下面側に開口を有しており、使用者が手指を差し入れて引出部6を前側へ引き出すことができるようになっている。
【0052】
また、図20に示すように、前面パネル90には、引出底板61のパネル嵌合リブ66及び引出側板71のパネル嵌合凸部76と嵌合するための嵌合リブ92が形成されている。嵌合リブ92は、前面パネル90の内側面から後方に向かって突出する板状に形成されるとともに、前面パネル90の側縁及び底縁に沿うように形成されている。すなわち、嵌合リブ92は、全体として、引出底板61及び引出側板71の前端面の形状に合わせてコ字状に延設されている。そして、嵌合リブ92の底縁に沿う部分93の上側面には、引出底板61のパネル嵌合リブ66の係止突起66aに対して係止することのできる係止爪93aが上方に向かって突出形成されている。また、嵌合リブ92の側縁に沿う部分94の幅方向中央側の面には、引出側板71のパネル嵌合凸部76の係止突起76aに対して係止することのできる係止爪94aが幅方向中央側に向かって突出形成されている。これらの係止関係によって、前面パネル90の嵌合リブ92に引出底板61のパネル嵌合リブ66及び引出側板71のパネル嵌合凸部76が嵌合される。なお、本実施形態では、図20に示すように、引出底板61のパネル嵌合凸部の下面(外側面)は引出底板61の下面(外側面)の一部である。そして、引出底板61のパネル嵌合リブ66に対して、嵌合リブ92の底縁に沿う部分93が下側から係止されている。したがって、引出本体60に前面パネル90が嵌合した状態において、前面パネル90は引出底板61の下面を支持しているといえる。
【0053】
(組み立て前状態の収納ボックス)
次に、組み立て前状態の収納ボックスについて説明する。組み立て前状態のボックス本体10のボックス底板11の穴部22には、引出部6の前面パネル90が収容されている。ボックス本体10の上には、組み立て前状態の引出本体60が上下反転した状態(引出底板61が上になった状態)で積み重ねられている。そして、引出本体60の上には、ボックス部1の口枠55が積み重ねられている。さらに、引出本体60の上には、引出本体60及び口枠55を覆い隠すようにしてボックス部1の天板50が積み重ねられている。天板50を積み重ねることによって、口枠55が隠されて視認できなくなるとともに、天板50の側面部51によって組み立て前状態の引出部6の側面が視認し難くなっている。
【0054】
図3(a)及び図7(a)に示すように、組み立て前状態のボックス本体10において、二つのボックス側板31は、ボックス底板11の立設部12の対向する内側面の間に配置されるとともに、二つのボックス側板31が重なり合って配置されている。ここで、本実施形態では、ボックス側板31は、いずれのスライド位置(上下位置)においても回動可能である。そのため、図7(a)に示すように、一方のボックス側板31(図7(a)において左側)は、より下側の位置に配置されるとともに、他方のボックス側板31(図7(a)において右側)は、より上側の位置に配置されている。そして、組み立て前状態の二つのボックス側板31は、互いに平行関係を維持するようになっている。なお、この組み立て前状態のボックス側板31の側板ヒンジ部32の突起部33(回動中心)の高さ位置を比較すると、一方のボックス側板31の突起部33よりも、他方のボックス側板31の突起部33の方が高い位置に配置されている。
【0055】
図10(a)に示すように、組み立て前状態のボックス本体10において、ボックス背板41は、その内側面がボックス底板11の立設部12の上端面に接するようになっている。ここで、ボックス背板41の背板嵌合凸部44の高さ位置は、ボックス底板11の後端から立設部12の側板嵌合凹部14までの長さに合わせて設定されている。そして、さらに、ボックス背板41の支持ヒンジ部42の突出長X1が立設部12の立設長X2と等しくなっている。したがって、組み立て前状態では、図10(a)に示すように、ボックス背板41の背板嵌合凸部44が立設部12の側板嵌合凹部14に収容されつつ、ボックス背板41の内側面と立設部12の上端面とが接触するようになっている。また、図3(a)に示すように、組み立て前状態のボックス部1は、略後半分がボックス背板41によって覆われて、とくに、支持ヒンジ部42の構成によって後方側からその内部が視認し難くなっている。なお、図10(a)において、立設部12の側板嵌合凹部14とボックス背板41の背板嵌合凸部44との位置関係を明らかにするために、ボックス底板11の断面図(図4(a)におけるC−C断面図)を示している。
【0056】
一方、本実施形態の引出部6の引出本体60も、図3(b)及び図16(a)に示すように、組み立て前状態の引出本体60において、二つの引出側板71は、引出底板61の立設部62の対向する内側面の間に配置されるとともに、二つの引出側板71が重なり合って配置されている。ここで、本実施形態では、引出側板71は、いずれのスライド位置(上下位置)においても回動可能である。そのため、図16(a)に示すように、一方の引出側板71(図16(a)において左側)は、より下側の位置に配置されるとともに、他方の引出側板71(図16(a)において右側)は、より上側の位置に配置されている。そして、組み立て前状態の二つの引出側板71は、互いに平行関係を維持するようになっている。なお、この組み立て前状態の引出側板71の側板ヒンジ部72の突起部73(回動中心)の高さ位置を比較すると、一方の引出側板71の突起部73よりも、他方の引出側板71の突起部73の方が高い位置に配置されている。
【0057】
図19(a)に示すように、組み立て前状態の引出本体60において、引出背板81は、その内側面が引出底板61の立設部62の上端面に接するようになっている。ここで、引出背板81の背板嵌合凸部84の高さ位置は、引出底板61の後端から立設部62の側板嵌合凹部64までの長さに合わせて設定されている。そして、さらに、引出背板81の支持ヒンジ部82の突出長Y1が立設部62の立設長Y2と等しくなっている。したがって、組み立て前状態では、図19(a)に示すように、引出背板81の背板嵌合凸部84が立設部62の側板嵌合凹部64に収容されつつ、引出背板81の内側面と立設部62の上端面とが接触するようになっている。また、図3(b)に示すように、組み立て前状態の引出部6は、略後半分が引出背板81によって覆われて、とくに、支持ヒンジ部82の構成によって後方側からその内部が視認し難くなっている。なお、図19(a)において、立設部62の側板嵌合凹部64と引出背板81の背板嵌合凸部84との位置関係を明らかにするために、引出底板61の断面図(図13(a)におけるC−C断面図)を示している。
【0058】
(ボックス部1及び引出部6の組み立て方法)
次に、ボックス部1及び引出部6の組み立て方法について説明する。
ボックス部1を組み立てるにあたっては、先ず、図10(b)に示すとおり、組み立て前状態のボックス背板41(図10(a)参照)を90度後側へ回動させて起き上がらせる。なお、この状態では、支持ヒンジ部42の突起部43は、収容部15の溝部15aの後端部分に位置していて、収容部65の下面65bと支持ヒンジ部82の上面82aとの接触領域は最小になっている。
【0059】
次いで、図7(b)に示すとおり、組み立て前状態のボックス側板31(図7(a)参照)を90度外側へ回動させて起き上がらせる。このとき、ボックス側板31の側板嵌合凸部34がボックス底板11の立設部12にぶつからないように、側板ヒンジ部32の突起部33(回動中心)を立設部12の側板ヒンジ連結部13の溝部13aにおける上側部分に引き上げる必要がある。そして、図7(c)に示すように、起き上がった状態のボックス側板31を下方側にスライド移動させ、ボックス側板31の側板嵌合凸部34を立設部12の側板嵌合凹部14に嵌合させることで、ボックス側板31を起き上がった状態に固定する。こうしたボックス側板31の回動、下方へのスライド移動、嵌合固定は、左右一対のボックス側板31とも行う。そして、起き上がった状態の左右一対のボックス側板31の天板嵌合凸部36に天板50の天板嵌合凹部(図示略)を嵌合させることで、ボックス側板31に天板50を取り付ける。
【0060】
ボックス側板31に天板50を取り付けた後、図10(c)に示すように、ボックス背板41を前側にスライド移動させる。ボックス背板41を前側にスライド移動させることで、ボックス背板41の背板嵌合凸部44をボックス側板31の背板嵌合凹部35に嵌合させ、ボックス背板41とボックス側板31とを互いに固定する。また、ボックス背板41の天板嵌合凹部45を天板50の天板嵌合凸部52に嵌合させることでボックス背板41と天板50とを互いに固定する。このとき、収容部65の下面65bと支持ヒンジ部82の上面82aとの接触領域は最大になっている。
【0061】
その後、ボックス本体10及び天板50の前端面に口枠55を取り付ける。口枠55を取り付ける際には、口枠55の口枠嵌合凹部56を、ボックス底板11の口枠嵌合凸部16、ボックス側板31の口枠嵌合凸部37及び天板50の口枠嵌合凸部53それぞれと嵌合させることで、口枠55をボックス本体10及び天板50に固定する。このようにしてボックス部1は、前面に開口を有する四角箱状に組み立てられる。
【0062】
一方、引出部6を組み立てるにあたっては、先ず、図19(b)に示すとおり、組み立て前状態の引出背板81(図19(a)参照)を90度後側へ回動させて起き上がらせる。なお、この状態では、支持ヒンジ部82の突起部83は、収容部65の溝部65aの後端部分に位置している。
【0063】
次いで、図16(b)に示すとおり、組み立て前状態の引出側板71(図16(a)参照)を90度外側へ回動させて起き上がらせる。このとき、引出側板71の側板嵌合凸部74が引出底板61の立設部62にぶつからないように、側板ヒンジ部72の突起部73(回動中心)を立設部62の側板ヒンジ連結部63の溝部63aにおける上側部分に引き上げる必要がある。そして、図16(c)に示すように、起き上がった状態の引出側板71を下方側にスライド移動させ、引出側板71の側板嵌合凸部74を立設部62の側板嵌合凹部64に嵌合させることで、引出側板71を起き上がった状態に固定する。
【0064】
引出側板71を固定した後、図19(c)に示すように、引出背板81を前側にスライド移動させる。引出背板81を前側にスライド移動させることで、引出背板81の背板嵌合凸部84を引出側板71の背板嵌合凹部75に嵌合させ、引出背板81と引出側板71とを互いに固定する。
【0065】
その後、引出本体60の前端面に前面パネル90を取り付ける。前面パネル90を取り付ける際には、図20に示すように、前面パネル90の嵌合リブ92の係止爪93aと引出底板61のパネル嵌合リブ66の係止突起66aとが係合させるとともに、前面パネル90の嵌合リブ92の係止爪94aが引出側板71のパネル嵌合凸部76の係止突起76aと係合させる。このようにして引出部6は、上面に開口を有する四角箱状に組み立てられる。
【0066】
(収納ボックスの使用態様)
以下では、上記のようにして組み立てられた収納ボックスの使用態様について記載する。図12に示すように、引出底板61の立設部62の外側の壁62aは引出底板61の下面(外側面)よりも下方へ突出するように形成されているため、立設部62の外側の壁62aの下端面が脚部17内に挿入されてボックスローラ19に接触できる。このとき、ボックスローラ19は、その表面が中央ほど凹むように形成されているため、立設部62の外側の壁62aの下端面はその凹みに案内される。したがって、引出部6をボックス部1に対して出し入れする際には、ボックスローラ19が回転しつつ引出部6を支持するため、引出部6のボックス部1に対する引き出し及び押し入れの円滑性を支援する。また、立設部62の外側の壁62aの下端面とボックスローラ19との接触関係によって、引出部6の横ずれを好適に抑制する。なお、図12においては、引出底板61の立設部62を点線で図示している。
【0067】
一方、図5(b)に示すように、ボックス底板11の転動面23は、とくに、平坦面23a上において、引出底板61の引出ローラ68が転動することを可能にする。引出部6をボックス部1に対して出し入れする際には、引出ローラ68が転動面23上を回転して走行するため、引出部6のボックス部1に対する引き出し及び押し入れの円滑性を支援する。ここで、引出部6をボックス部1に完全に押し入れた状態では、引出ローラ68が平坦面23aの後方部分に位置するようになっている。上述したように、平坦面23aの後方側は、前方側に向かうほど頂上部23cに向けて上り傾斜となっているため、引出部6が完全に押し入れられた状態から誤って引き出され難いようになっている。また、平坦面23aは、頂上部23cから前方側へ向けて緩やかに下り傾斜となっているため、この下り傾斜の部分では引出部6の引出ローラ68は速やかに転動面23を転動する。なお、図5(b)では、引出本体60の引出ローラ68を点線で図示している。
【0068】
また、図5(b)に示すように、転動面23には、傾斜面23bが形成されているので、引出部6を引き出したり、押し入れたりする際に引出部6が幅方向の力を受けて引出ローラ68が左右方向にずれたとしても、引出部6の自重によって傾斜面23bを下って平坦面23aに戻される。ここで、図5(b)に示すように、傾斜面23bは、その幅方向の長さZ1の最大値がボックス部1のボックス側板31内側面と引出部6の引出側板71の外側面との間隙距離Z2よりも長く形成されている。したがって、引出部6の引出ローラ68が傾斜面23bを乗り越えてボックス底板11の幅方向中央側へ逸脱することが抑制される。なお、本実施形態では、図5(b)に示すように、引出部6が横ずれしていない状態で引出ローラ68が平坦面23aの最も幅方向内側を転動するように傾斜面23bの位置が設定されている。そのため、引出ローラ68の幅方向内側の端面から傾斜面23bの最頂部Tまでの幅寸法は、傾斜面23bの幅方向長さZ1と略等しい。なお、製造時には転動面23に対する引出ローラ68の配置にばらつきが生じることがある。そのため、引出ローラ68と傾斜面23bとの配置関係は必ずしも一定にならず、それらの間に寸法誤差が生じることがある。ここでいう「略等しい」とは、そうした寸法誤差が生じた状態も含むことを意味する。
【0069】
さらに、平坦面23aに対する傾斜面23bのうち最も上方に存在する最頂部Tにおける平坦面23aからの上下方向長さHの最大値は、引出部6の引出ローラ68の半径Rよりも小さく設定されている。したがって、引出部6のローラ収容部67を構成するリブ67aや引出ローラ68が傾斜面23bに接触し難くなっている。なお、本実施形態でいう最頂部Tにおける平坦面23aからの上下方向長さHの最大値とは、平坦面23aが最も低い位置にあるときの上下方向長さHであり、平坦面23aの最も前面側(図5(a)において左側)に位置している。また、傾斜面23bの幅方向の長さZ1とは、傾斜面23bの最頂部Tが前後方向に水平に形成されている場合、平坦面23aが最も低い位置にあるときの傾斜面23bの幅方向の長さZ1であり、平坦面23aの最も前面側(図5(a)において左側)に位置している。そして、間隙距離Z2とは、引出部6をボックス部1に完全に押し入れた状態における間隙距離で、ボックス部1及び引出部6の幅方向における各間隙は均等であることを前提とする。
【0070】
上記の実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ボックス背板41に支持ヒンジ部42が設けられ、ボックス部1を組み立てた状態では、この支持ヒンジ部42の上面42aは、ボックス底板11の下面と接触している。そのため、ボックス底板11を下面から抱え込むようにして支持することができ、支持ヒンジ部42とボックス底板11との連結部分である支持ヒンジ部42の突起部43に集中しがちな荷重を分散することができる。したがって、支持ヒンジ部42の突起部43に過剰に大きな力が作用することを抑制し、支持ヒンジ部42が変形したり、破損したりすることを抑制することができる。
【0071】
(2)上記実施形態では、支持ヒンジ部42の回動中心は側縁先端に形成された突起部43であり、支持ヒンジ部42はその上面42aにおいてボックス底板11の収容部15の下面15bと接触している。したがって、ボックス背板41を起き上がらせた状態では、支持ヒンジ部42の回動中心である突起部43は、収容部15の下面15bと接触する支持ヒンジ部42の上面42aよりも下方に位置している。そのため、ボックス部1の荷重は、先ず支持ヒンジ部42の上面42aに受け止められることになり、支持ヒンジ部42の突起部43に直接的に過剰な力が作用することをより効果的に抑制することができる。
【0072】
(3)上記実施形態では、ボックス底板11の下面にボックス背板41の支持ヒンジ部42を収容することのできる収容部15を形成している。そのため、支持ヒンジ部42を設けたことによって、組み立てられた状態のボックス本体10の厚みが増すことが抑制される。また、支持ヒンジ部42は、収容部15の収容部15の側面(側方のリブ15c)に案内されつつスライド移動可能であるため、ボックス背板41の組み立て作業を行いやすい。
【0073】
(4)上記実施形態では、ボックス背板41の支持ヒンジ部42の基端から先端までの突出長X1は、ボックス底板11の立設部12の立設長X2と等しい。そのため、組み立て前状態のボックス本体10において、その内部が視認し難い形態をなすとともに、ボックス背板41によって組み立て前状態におけるボックス側板31の一部分を覆い隠すことができる。したがって、組み立て前状態のボックス本体10がすっきりとした外観となり、見栄えが良い。
【0074】
(5)たとえば、図22及び図23に示す収納ボックスのように、薄肉ヒンジ部104、105によって起倒可能にされて、側板102が上下にスライド移動不可であると、図22に示すように、組み立て前状態において、一方の側板102の上端が底板101に当接する片当たりの状態となり、さらに、他方の側板102の上端が一方の側板102に当接する片当たりの状態となる。このような側板102の傾斜配置では、組み立て前状態の収納ボックスの見栄えが悪いという問題があった。また、側板102が片当たりの状態にあると、側板102自身の自重や外部からの荷重によって側板102が撓むなどして変形するという問題がある。上記実施形態において、ボックス側板31はボックス底板11に対して溝部13aの延設方向(上下方向)に沿ってスライド移動可能に連結されている。そのため、組み立て前状態において二つのボックス側板31が互いに平行配置関係を維持するようになっているため、ボックス側板31が変形する恐れが軽減される。
【0075】
(6)上記実施形態では、ボックス背板41の背板嵌合凸部44とボックス底板11の側板嵌合凹部14とでボックス部1の凹凸収容手段を構成し、組み立て前状態のボックス本体10では、この凹凸収容手段を介しつつボックス背板41の内側面と立設部12の上端面とが接触する。そのため、組み立て前状態におけるボックス背板41の背板嵌合凸部44の突出長が側板嵌合凹部14によって吸収されて、組み立て前状態におけるボックス本体10をより薄くすることが可能になる。
【0076】
なお、上記の(1)〜(6)では、ボックス部1(ボックス本体10)の効果として説明したが、引出部6(引出本体60)においても同等に構成されており、同じ作用効果を奏する。
【0077】
(7)上記実施形態では、口枠55の口枠嵌合凹部56によってボックス底板11の口枠嵌合凸部16の下面が支持されている。そのため、ボックス底板11とボックス背板41の連結部分である支持ヒンジ部42の突起部43に作用する荷重をより効果的に分散させることができる。また、引出底板61のパネル嵌合リブ66の係止突起66aに対して、嵌合リブ92の底縁に沿う部分93の上側の面に形成された係止爪93aが下側から係止されている。そのため、引出底板61と引出背板81との連結部分である支持ヒンジ部82の突起部83に作用する荷重をより効果的に分散させることができる。
【0078】
(8)上記実施形態では、ボックス側板31には支持ヒンジ部が形成されていないが、ボックス側板31はボックス背板41と嵌合しているとともに口枠55と嵌合している。そのため、たとえば、ボックス側板31を掴んで持ち上げたとしても、各嵌合構成によってボックス部1の荷重がボックス背板41及び口枠55に伝わり、結果として、ボックス背板41の支持ヒンジ部42の上面42aや口枠55の口枠嵌合凹部56に分散されることになる。
【0079】
(9)たとえば、図22及び図23に示す収納ボックスでは、底板101及び側板102及び背板103は一体成形により形成されているので、収納ボックスを製造するにあたっては相応に大きな金型等が必要となり、製造コストの上昇が避けられない。上記実施形態においては、ボックス部1及び引出部6を構成する各部材がそれぞれ独立して形成されているため、製造するにあたって比較的に小さな金型等を用いることができ、製造コストを低下させ得る。
【0080】
さらに、図22及び図23に示す収納ボックスでは、他の部分よりも薄肉にされることで薄肉ヒンジ部104、105が形成されており、収納ボックスを射出成形で製造する際に、この薄肉ヒンジ部104、105に相当する部分に樹脂を行き渡らせにくく、歩留りが上昇しがちである。本実施形態では、特許文献1の収納ボックスのような薄肉のヒンジ部を採用していないため、薄肉のヒンジ部を採用することに伴う不具合は生じない。
【0081】
(10)上記実施形態では、転動面23に傾斜面23bを形成している。したがって、引出部6を引き出すときに幅方向に横ずれして、引出部6の引出ローラ68が傾斜面23bに乗り上げたとしても、引出部6の自重により傾斜面23bを下って、平坦面23aに戻ることができる。
【0082】
(11)引出部6をボックス部1から引き出す際に、引出部6が横ずれしたとしても、通常、その横ずれの幅は、ボックス部1のボックス側板31内側面と引出部6の引出側板71の外側面との間隙距離Z2よりも短い。上記実施形態では、傾斜面23bの幅方向の長さZ1が前記間隙距離Z2よりも長く形成されているので、引出部6が傾斜面23bを乗り越えて転動面23から逸脱してしまうことが抑制される。
【0083】
(12)傾斜面23bは、ボックス底板11の補強リブとしても機能する。たとえば、傾斜面23bが存在しない場合、ボックス底板11に荷重がかかるとその幅方向及び前後方向に撓みが生じる場合がある。また、平坦面23aに対して90度の角度を有する補強リブをボックス部1の前後方向に沿って設けた場合、前後方向の撓みを抑制することはできても幅方向の撓みを抑制することは期待できない。本実施形態では、平坦面23aに対して傾斜面23bが150度の角度を有しているので、前後方向及び幅方向の両方の撓みに対する抑制効果が期待できる。
【0084】
(13)上記実施形態では、さらに、平坦面23aに対する傾斜面23bのうち最も上方に存在する最頂部Tにおける平坦面23aからの上下方向長さHは、引出部6の引出ローラ68の半径Rよりも小さく設定されている。そのため、引出ローラ68が傾斜面23bに乗り上げたとしても引出ローラ68や引出ローラ68を軸支するリブ67aが傾斜面23bに接触し難く、引出ローラ68の円滑な回転が確保される。
【0085】
(14)上記実施形態では、ボックス底板11の穴部22が引出部6の前面パネル90よりも大きく形成されている。そのため、前面パネル90を穴部22に収容して、組み立て前状態の収納ボックスの薄さを確保することができる。
【0086】
(15)上記実施形態では、ボックス底板11の脚部17の内側にボックスローラ19を設けている。そのため、ボックスローラ19を設けたことによって、ボックス底板11の厚みが大きくなることが最小限に抑えられる。また、組み立て前状態のボックス本体10において、ボックスローラ19が邪魔になることが最小限に抑えられる。
【0087】
なお、上記の実施形態は以下のように変更してもよく、また、以下の各変更例を互いに組み合わせて実施することも可能である。
・ 上記実施形態では、ボックス背板41の支持ヒンジ部42の基端から先端までの突出長X1をボックス底板11の立設部12の立設長X2と等しくなるように形成したが、突出長X1を立設長X2より長く形成したり、逆に、突出長X1を立設長X2より短く形成したりしてもよい。ここで、突出長X1を立設長X2より短く形成した場合、たとえば、支持ヒンジ部42を前後方向だけでなく、さらに、その後端から上下方向にスライド移動可能に構成すれば、組み立て前状態においてボックス背板41の内側面と立設部12の上端面とが接するようにすることができる。
【0088】
・ 上記実施形態では、支持ヒンジ部42の厚みと収容部15の深さ(側方のリブ15cの高さ)とを等しく形成したが、両者の関係はこれに限らない。たとえば、支持ヒンジ部42の厚みを収容部15の深さより薄くしてもよく、この場合でも、支持ヒンジ部42はその略全体が収容部15に収容される。あるいは、支持ヒンジ部42の厚みを収容部15の深さより厚くしてもよい。
【0089】
・ 上記実施形態では、ボックス底板11の下面に形成されたリブによって前方及び両側方を囲うことで収容部15を形成したが、収容部15の構成はこれに限らない。たとえば、ボックス底板11の下面(外側面)に複数のリブを形成することで、ボックス底板11がある程度の厚みを有した板体である場合、この板体について、支持ヒンジ部42の上下面を被覆するように穴状の収容部15を形成してもよい。また、収容部15の側面(側方のリブ15c)の溝部15aに支持ヒンジ部42の突起部43を連結させる構成に代えて、ボックス底板11の下面に軸支部を下側に向けて突設し、この軸支部に支持ヒンジ部42の突起部43を連結させてもよい。
【0090】
・ 上記実施形態では、支持ヒンジ部42の側面先端に突起部43を設け、収容部15の側面(側方のリブ15c)に溝部15aを設けたが、これらの関係を逆にしてもよい。すなわち、支持ヒンジ部42の側面に溝部を設け、収容部15の側面(側方のリブ15c)に突起部を設けてもよい。さらに、支持ヒンジ部42の側面と収容部15の側面(側方のリブ15c)の両方に溝部を設け、これら二つの溝部に挿入される別の連結部材を介して、支持ヒンジ部42と収容部15とを連結してもよい。これらの場合も、ボックス背板41は、ボックス底板11に対してスライド移動可能である。
【0091】
・ 上記実施形態では、支持ヒンジ部42の上面42aと収容部15の下面15bとが面接触域の全域で面接触するように構成していたが、これをその面接触域の一部で面接触するように構成してもよい。たとえば、支持ヒンジ部42の上面42aに前後方向に延びる突条を形成することによってその突条の上面と収容部15の下面15bが面接触するようにしてもよい。この場合、支持ヒンジ部42の薄型化を達成しつつも、突条によって支持ヒンジ部42の剛性を好適に維持することができる。また、上記実施形態において、支持ヒンジ部42に溝状の貫通孔を設けて軽量化を図ってもよい。なお、支持ヒンジ部42には、前後方向に撓むような力が加わるため、溝状の貫通孔を形成するにあたっては前後方向に延びるように形成することが好ましい。また、支持ヒンジ部42に貫通孔を形成した場合、収容部15の下面15bから下方に向けて突出する凸部を形成し、この凸部が支持ヒンジ部42の貫通孔に嵌まり込むようにしてもよい。
【0092】
・ 上記実施形態では、ボックス背板41に支持ヒンジ部42を形成したが、これに加えてさらにボックス側板31に、ボックス背板41の支持ヒンジ部42と同様の構成を付加してもよいし、ボックス背板41には支持ヒンジ部42を形成せず、ボックス側板31のみに支持ヒンジ部を形成してもよい。
【0093】
・ 上記実施形態では、立設部12の上端面から下方向に四角形状に切欠き凹設することで側板ヒンジ連結部13を形成した。このような構成に代えて、立設部12の内側面と外側面とが貫通するように側板ヒンジ連結部を凹設してもよい。また、このように形成される側板ヒンジ連結部の配置や数はとくに限定されない。さらに、上記実施形態では、立設部12の上端面に側板嵌合凹部14を設けたが、これを省略してもよい。
【0094】
上記のように、支持ヒンジ部42や収容部15の構成は、上記実施形態のものに限らず適宜変更を加えることができる。なお、上記の変更例では、ボックス部1の支持ヒンジ部42や収容部15について説明したが、引出部6の支持ヒンジ部82及び収容部65についても同様に変更することが可能である。
【0095】
・ 上記実施形態におけるボックス部1の口枠55とボックス底板11との嵌合構成を変更してもよい。たとえば、口枠55に口枠嵌合凸部を設け、ボックス底板11に口枠嵌合凹部を設けるようにしてもよい。同様に、引出部6の前面パネル90と引出底板61との嵌合構成を変更してもよい。たとえば、引出底板61のパネル嵌合リブ66の内側面(上側面)に係止突起66aを形成し、前面パネル90の嵌合リブ92の底縁に沿う部分93の下側面に係止爪93aを形成する。そして、引出底板61のパネル嵌合リブ66の係止突起66aに対して、嵌合リブ92の底縁に沿う部分93の下側面に形成された係止爪93aを上側から係止されるようにしてもよい。
【0096】
・ ボックス本体10のボックス背板41に支持ヒンジ部42を設け、さらに、引出本体60の引出背板81に支持ヒンジ部82を設けていたが、ボックス本体10及び引出本体60の両方に支持ヒンジ部を形成しなくとも、いずれか一方に形成してもよい。
【0097】
・ ボックス側板31と天板50との取り付け構成は、上記実施形態のものに限らない。たとえば、ボックス側板31の上端に前後方向に延びるとともに断面L字状の溝を形成する。そして、天板50の側面部51を溝の断面形状にあわせてL字状に形成する。そして、ボックス側板31の前側から、天板50のL字状の側面部51をボックス側板31の溝に挿入しつつ天板50をスライドして取り付けるようにしてもよい。
【0098】
なお、上記の実施形態の説明及び変更例の説明における「長さが等しい」及び「同じ大きさ」とは、完全に寸法が一致している場合に限らず、各部材がそれぞれの機能を発揮するのに必要な若干の寸法差が許容されているという意味を含むものであることを付言しておく。
【0099】
次に、上記の実施形態及び変更例から把握できる技術思想について以下に追記する。
・ 前面側に開口を有する四角箱状のボックス部と、上面側に開口を有するとともに前記ボックス部に対して出し入れ可能な四角箱状の引出部とを備えた収納ボックスであって、前記引出部の底板の外側面にはローラが設けられているとともに、前記ボックス部の底板の内側面には前記ローラが転動する転動面が設けられ、前記転動面には、前記ボックス部の前後方向に沿って延びる平坦面と、前記平坦面の幅方向側部において前記平坦面に対して上方向に傾斜する傾斜面とが形成されていることを特徴とする収納ボックス。
【0100】
・ 前面側に開口を有する四角箱状のボックス部と、上面側に開口を有するとともに前記ボックス部に対して出し入れ可能な四角箱状の引出部とを備えた収納ボックスであって、前記ボックス部及び前記引出部は、底板の周縁に設けられた側板及び背板が前記底板に対して回動可能に連結されることで組み立て可能に構成されており、前記底板の側縁には立設部が立設されており、前記側板は前記立設部に回動軸を介して連結されているとともに、該回動軸が前記立設部の立設方向に沿ってスライド移動可能であることを特徴とする収納ボックス。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施形態における収納ボックスの組み立てた状態の斜視図。
【図2】実施形態における収納ボックスの分解斜視図。
【図3】(a)は、実施形態におけるボックス部の組み立て前状態の斜視図。(b)は、実施形態における引出部の組み立て前状態の斜視図。
【図4】(a)は、実施形態におけるボックス底板の内側面平面図。(b)は、実施形態におけるボックス底板の外側面平面図。
【図5】(a)は、図4(a)におけるA−A線断面図。(b)は、図4(a)におけるB−B線断面図。
【図6】ボックス側板の内側面平面図及びボックス底板の図4(a)におけるCーC線断面図。
【図7】(a)〜(c)は、図4(a)のE−E線断面におけるボックス側板の組み立て態様を示す模式図。
【図8】実施形態におけるボックス背板の斜視図。
【図9】実施形態におけるボックス底板及びボックス背板を下側から見た斜視図。
【図10】(a)〜(c)は、図4(a)のA−A線断面におけるボックス背板の組み立て態様を示す模式図。
【図11】ボックス部の側方断面図。
【図12】図4(a)におけるD−D線断面図。
【図13】(a)は、実施形態における引出底板の内側面平面図。(b)は、実施形態における引出底板の外側面平面図。
【図14】図13(a)におけるA−A線断面図。
【図15】引出側板の内側面平面図及び外側面平面図及び引出底板の図13(a)におけるC−C線断面図。
【図16】(a)〜(c)は、図13(a)のE−E線断面における引出側板の組み立て態様を示す模式図。
【図17】実施形態における引出背板の斜視図。
【図18】実施形態における引出底板及び引出背板を下側から見た斜視図。
【図19】(a)〜(c)は、図13(a)のA−A線断面における引出背板の組み立て態様を示す模式図。
【図20】引出部の側方断面図。
【図21】図13(b)におけるD−D線断面図。
【図22】従来の収納ボックスの幅方向断面図。
【図23】従来の収納ボックスの前後方向部分断面図。
【符号の説明】
【0102】
1…ボックス部、10…ボックス本体、11…ボックス底板、12…ボックス底板の立設部、13…ボックス底板の側板ヒンジ連結部、13a…ボックス底板の側板ヒンジ連結部の溝部、15…ボックス底板の収容部、15a…ボックス底板の収容部の溝部、17…脚部、19…ボックスローラ、22…穴部、23…転動面、23a…平坦面、23b…傾斜面、31…ボックス側板、32…ボックス側板の側板ヒンジ部、41…ボックス背板、42…ボックス背板の支持ヒンジ部、42a…ボックス背板の支持ヒンジ部の上面、50…天板、55…口枠、6…引出部、60…引出本体、61…引出底板、62…引出底板の立設部、63…引出底板の側板ヒンジ連結部、63a…引出底板の側板ヒンジ連結部の溝部、65…引出底板の収容部、65a…引出底板の収容部の溝部、68…引出ローラ、71…引出側板、72…引出側板の側板ヒンジ部、81…引出背板、82…引出背板の支持ヒンジ部、82a…引出背板の支持ヒンジ部の上面、90…前面パネル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側に開口を有する四角箱状のボックス部と、上面側に開口を有するとともにボックス部に対して出し入れ可能な四角箱状の引出部とを備えた収納ボックスであって、
ボックス部及び引出部は、底板と該底板の周縁に設けられた周板とを備え、ボックス部及び引出部は、周板が底板に対して回動可能に連結されることで組み立て可能に構成され、
周板の少なくとも一つには該周板の内側面から突出するように支持ヒンジ部が形成されるとともに、該支持ヒンジ部が底板に対して回動可能に連結され、
支持ヒンジ部は、周板を起き上がらせた状態において底板の下面に接触して底板を支持していることを特徴とする収納ボックス。
【請求項2】
支持ヒンジ部の回動中心は、底板の下面に接触する接触面よりも下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の収納ボックス。
【請求項3】
底板の下面には、周板を起き上がらせた状態において支持ヒンジ部を収容することのできる収容部が設けられており、支持ヒンジ部は収容部に連結されているとともに、その回動中心が収容部内をスライド移動可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の収納ボックス。
【請求項4】
周板は、支持ヒンジ部が形成される背板と支持ヒンジ部が形成されない一対の側板とからなり、底板の両側縁には側板の下端部と嵌合する立設部が設けられ、背板の支持ヒンジ部の先端には回動軸が設けられ、
支持ヒンジ部の基端から先端までの長さは立設部の立設長と等しいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の収納ボックス。
【請求項5】
引出部は周板として背板と一対の側板とを備えるとともに背板には支持ヒンジ部が形成され、底板及び一対の側板の前端部には前面パネルが嵌合され、
該前面パネルが嵌合した状態において前面パネルは底板の下面を支持することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の収納ボックス。
【請求項6】
ボックス部は周板として背板と一対の側板とを備えるとともに背板には支持ヒンジ部が形成され、一対の側板には天板が取り付けられ、底板及び一対の側板及び天板の前端部には口枠が嵌合され、
該口枠が嵌合した状態において口枠は底板の下面を支持することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の収納ボックス。
【請求項1】
前面側に開口を有する四角箱状のボックス部と、上面側に開口を有するとともにボックス部に対して出し入れ可能な四角箱状の引出部とを備えた収納ボックスであって、
ボックス部及び引出部は、底板と該底板の周縁に設けられた周板とを備え、ボックス部及び引出部は、周板が底板に対して回動可能に連結されることで組み立て可能に構成され、
周板の少なくとも一つには該周板の内側面から突出するように支持ヒンジ部が形成されるとともに、該支持ヒンジ部が底板に対して回動可能に連結され、
支持ヒンジ部は、周板を起き上がらせた状態において底板の下面に接触して底板を支持していることを特徴とする収納ボックス。
【請求項2】
支持ヒンジ部の回動中心は、底板の下面に接触する接触面よりも下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の収納ボックス。
【請求項3】
底板の下面には、周板を起き上がらせた状態において支持ヒンジ部を収容することのできる収容部が設けられており、支持ヒンジ部は収容部に連結されているとともに、その回動中心が収容部内をスライド移動可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の収納ボックス。
【請求項4】
周板は、支持ヒンジ部が形成される背板と支持ヒンジ部が形成されない一対の側板とからなり、底板の両側縁には側板の下端部と嵌合する立設部が設けられ、背板の支持ヒンジ部の先端には回動軸が設けられ、
支持ヒンジ部の基端から先端までの長さは立設部の立設長と等しいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の収納ボックス。
【請求項5】
引出部は周板として背板と一対の側板とを備えるとともに背板には支持ヒンジ部が形成され、底板及び一対の側板の前端部には前面パネルが嵌合され、
該前面パネルが嵌合した状態において前面パネルは底板の下面を支持することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の収納ボックス。
【請求項6】
ボックス部は周板として背板と一対の側板とを備えるとともに背板には支持ヒンジ部が形成され、一対の側板には天板が取り付けられ、底板及び一対の側板及び天板の前端部には口枠が嵌合され、
該口枠が嵌合した状態において口枠は底板の下面を支持することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の収納ボックス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−30655(P2010−30655A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197085(P2008−197085)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】
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