説明

収納式レバ−型パ−キングブレ−キ

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、枢着軸によりラチェットプレ−トに起倒自在に取付けられた操作レバ−を前記ラチェットプレ−トに対して引き起こすことにより、前記操作レバ−に取付けられたトラニオンピンとこれをブレ−キケ−ブルに連結する連結具とを介してブレ−キケ−ブルを引っ張ってブレ−キを作動させ、前記操作レバ−に設けられたラチェット爪と前記ラチェットプレ−トの歯との係合により、前記ブレ−キケ−ブルが引っ張られブレ−キが作動している状態を維持しつつ、操作レバ−を倒して収納できる構成とした収納式レバ−型パ−キングブレ−キに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のレバ−型パ−キングブレ−キは、通常運転席と助手席との間に設けられるので、ブレ−キを作動させるべく引起こした操作レバ−が、ブレ−キを作動させたまま収納できると、例えば運転席と助手席とを併せて簡易ベットとして使用でき便利である。
【0003】
この目的のため、操作レバ−を基部と把持レバ−とに分割し、操作レバ−をその分割部で折曲げて収納できる構成としたものが提案されている(実開昭57−80355号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、操作レバ−の基部がなお引き起こされた状態にあり、操作レバ−全体を略完全に水平に倒した状態(ブレ−キ非作動状態と略同姿勢の状態)にすることができず、未だ前述した目的を達成するためには不十分であった。
【0005】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、操作レバ−をブレ−キ非作動状態と略同姿勢の状態に収納できる収納式パ−キングブレ−キを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、
1 枢着軸(4)によりラチェットプレート(3)に起倒自在に取付けられた操作レバー(5)を前記ラチェットプレートに対して引き起こすことにより、前記操作レバーに取付けられたトラニオンピン(7)を介してブレーキケーブルを引っ張ってブレーキを作動させ、前記操作レバーに設けられたラチェット爪(10)と前記ラチェットプレートの歯との係合により、前記ブレーキケーブルが引っ張られブレーキが作動している状態を維持しつつ、操作レバーを倒して収納できる構成とした収納式レバー型パーキングブレーキにおいて、
前記ラチェットプレートは、前記操作レバーを収納すべく前記操作レバーとともに起倒自在になるように、前記枢着軸に対して平行に設けた支軸(2,2X)によって、ブレーキケーブルの揺動中心(D)の上方において車体に固定されるベース部材(1)に起倒自在に取付け、
前記ブレーキケーブルの揺動中心(D)は、前記操作レバーを倒して収納すべく該操作レバーとともに前記ラチェットプレート(3)が倒れるときに、該ラチェットプレート(3)に対して相対的に変位するものであり、
前記トラニオンピン(7)は、前記操作レバー(5)とともに前記ラチェットプレート(3)が倒れるときに、前記揺動中心との距離が略縮まらないように変位するものであり、
前記ベース部材(1)には、ブレーキケーブルを引っ張るべく操作レバー(5)が引き起こされる際に、前記ラチェットプレート(3)に当接してこのラチェットプレート(3)の引き起こし方向への揺動を阻止する第1当接部(6)と、前記操作レバー(5)に設けられた当接部材に当接して、前記操作レバー(5)の倒し方向への揺動を前記操作レバー(5)が略水平となる位置までに規制する第2当接部(8)とを設けたことを特徴とするレバー型パーキングブレーキ。
【0007】
2 前記枢着軸(4),支軸(2)及びトラニオンピン(7)は、ブレ−キケ−ブルを引っ張るべく所定角度引き起こされた前記操作レバ−(5)が前記支軸(2)を中心に前記ラチェットプレ−ト(3)とともに前記水平位置まで倒されたときに、前記揺動中心と前記トラニオンピン(7)との距離が略縮まることなく、しかもブレ−キケ−ブルの張力により前記操作レバ−(5)又はラチェットプレ−ト(3)に生じる前記支軸(2)回りの回転モ−メントの向きが引き起こし方向から倒し方向に反転するように配置したことを特徴とする項1記載のレバ−型パ−キングブレ−キ。
【0008】
3 枢着軸(4)によりラチェットプレート(3)に起倒自在に取付けられた操作レバー(5)を前記ラチェットプレートに対して引き起こすことにより、前記操作レバーに取付けられたトラニオンピン(7)を介してブレーキケーブルを引っ張ってブレーキを作動させ、前記操作レバーに設けられたラチェット爪(10)と前記ラチェットプレートの歯との係合により、前記ブレーキケーブルが引っ張られブレーキが作動している状態を維持しつつ、操作レバーを倒して収納できる構成とした収納式レバー型パーキングブレーキにおいて、
前記ラチェットプレートは、前記操作レバーを収納すべく前記操作レバーとともに起倒自在になるように、前記枢着軸に対して平行に設けた支軸(2X)によって、ブレーキケーブルの揺動中心の上方において車体に固定されるベース部材(1)に起倒自在に取付け、
前記ベース部材(1)には、ブレーキケーブルを引っ張るべく操作レバー(5)が引き起こされる際に、前記ラチェットプレート(3)に当接してこのラチェットプレート(3)の引き起こし方向への揺動を阻止する第1当接部(6)と、前記操作レバー(5)に設けられた当接部材に当接して、前記操作レバー(5)の倒し方向への揺動を前記操作レバー(5)が略水平となる位置までに規制する第2当接部(8)とを設け、
前記支軸(2X)は、左右両端面が半円状の長円断面形状として、前記ベース部材(1)又は前記ラチェットプレート(3)に固定し、
前記ラチェットプレート(3)は、前記支軸(2X)を前記ラチェットプレート(3)又は前記ベース部材(1)に形成した挿入穴(2Y)に挿入することにより起倒自在に支持し、
前記挿入穴(2Y)は、ブレーキケーブルを引っ張るべく所定角度引き起こされた前記操作レバー(5)が前記支軸(2X)を中心に前記ラチェットプレート(3)とともに前記水平位置まで収納される途中で、前記ラチェットプレート(3)の回転中心が前記支軸(2X)の一端の半円の中心(a)から他端の半円の中心(b)に移動するよう、前記支軸(2X)に摺接する略菱形形状としたことを特徴とするレバー型パーキングブレーキ。
【0009】
4 前記枢着軸(4),支軸(2X)及びトラニオンピン(7)は、ブレ−キケ−ブルを引っ張るべく所定角度引き起こされた前記操作レバ−(5)が前記支軸(2X)を中心に前記ラチェットプレ−ト(3)とともに前記水平位置まで収納されたときに、前記揺動中心と前記トラニオンピン(7)との距離が略縮まることなく、しかもブレ−キケ−ブルの張力により前記操作レバ−(5)又はラチェットプレ−ト(3)に生じる前記支軸(2X)回りの回転モ−メントの向きが引き起こし方向から倒し方向に反転するように配置するとともに、
前記支軸(2X)の他端の半円の中心(b)は、前記支軸(2X)の一端の半円の中心(a)よりも、収納前の前記トラニオンピン(7)と前記揺動中心とを結ぶ直線から離れる方向に配置したことを特徴とする項3記載のレバ−型パ−キングブレ−キに存する。
【0010】
【作用】
本発明の収納式パ−キングブレ−キであると、ブレ−キケ−ブルを引っ張るべく引き起こした操作レバ−(5)はラチェット爪(10)の係合状態を維持しつつ、ラチェットプレ−ト(3)を支える支軸(2,2X)を中心に前記ラチェットプレ−ト(3)とともに、操作レバ−(5)の当接部材がラチェットプレ−ト(3)の第2当接部(8)に当たるまで、すなわち水平位置まで倒して収納することができる。
【0011】
そして、前記枢着軸(4),支軸(2,2X)及びトラニオンピン(7)が所定の関係に配置された場合には、所定角度引き起こした操作レバー(5)を収納する際、ブレ−キケ−ブルの揺動中心とトラニオンピン(7)との距離はほとんど縮まらないので、ブレ−キケ−ブルの張力すなわちブレ−キ力が低下することはななく、しかもブレ−キケ−ブルの張力により操作レバ−又はラチェットプレ−ト(3)に生じる前記支軸(2,2X)回りの回転モ−メントの向きが引き起こし方向から倒し方向に反転するので、操作レバ−(5)から手を離しても操作レバ−(5)は信頼性高く収納状態に維持される。また、前記回転モ−メントの向きが反転することにより変化する手ごたえ(いわゆる、クリック感)により、操作する者は収納状態になったことが明確に分かり操作感が良くなる。
【0012】
また、前記支軸(2X)あるいはこの支軸(2X)の挿入穴(2Y)が所定の長円断面形状あるいは略菱形形状とされた場合には、収納時にラチェットプレート(3)の回転中心を変えることができるので、収納時のトラニオンピン(7)又は操作レバー(5)等の挙動を二つの円運動の合成とすることができ、前記ブレーキ力が広い範囲で低下しないように設定することや、収納後の操作レバー(5)の位置を調整する等の各種チューニングが可能となる。
【0013】
特に、前記支軸(2X)の他端の半円の中心(b)を、前記支軸(2X)の一端の半円の中心(a)よりも、収納前の前記トラニオンピン(7)と前記揺動中心とを結ぶ直線から離れる方向に配置した場合には、操作レバー(5)を収納する角度(操作レバー(5)を引上げる角度に等しい)が大きくなっても、トラニオンピン(7)が揺動中心から離れる方向に運動する範囲が増加し、操作レバー(5)の収納角度の広い範囲において、ブレーキ力を低下させずしかも前記クリック感を生じさせることが可能となる。
【0014】
【実施例】
以下、図1〜図6に基づき本発明の第1実施例を説明する。
本実施例の収納式レバ−型パ−キングブレ−キは、ブレ−キケ−ブル(図示略)の揺動中心Dの上方位置において車体に固定されるベ−ス部材1と、支軸2によりこのベ−ス部材1に起倒自在に取付けられたラチェットプレ−ト3と、支軸2に対して平行に設けられた枢着軸4によりラチェットプレ−ト3に起倒自在に取付けられた操作レバ−5と、ベ−ス部材1に設けられてラチェットプレ−ト3に当接することによりラチェットプレ−ト3の引き起こし方向への揺動を通常操作位置までに規制する第1当接部6と、操作レバ−5に取付けられたトラニオンピン7と、トラニオンピン7(当接部材)に当接することにより操作レバ−5の倒し方向への揺動を操作レバ−5が略水平となる位置までに規制する第2当接部8と、このトラニオンピン7にブレ−キケ−ブルを連結する棒状の連結具9と、操作レバ−5に設けられてラチェットプレ−ト3の歯3aと係合することにより操作レバ−5がラチェットプレ−ト3に対して引き起こされた状態を保持するラチェット爪10とを備える。
【0015】
なお、ブレ−キケ−ブルの揺動中心Dとは、ブレ−キケ−ブルが例えば管状の部材に摺動自在に挿通されて案内される位置であり、図4に示す如くこの位置からトラニオンピン7までは、ブレ−キケ−ブルと連結具9とが一直線をなして張設された状態となる。
【0016】
ベース部材1は、図1に示す如く全体として中央部がくびれたコ字状の形状とされたもので、上端面中央付近には、ブレーキが非作動状態のトラニオンピン7が当接する凹部11が形成されている。そして、この凹部11から操作レバー5の倒し側(図1において左側)に続くベース部材1の上端面が前記第2当接部8である。前記第1当接部6は、図1,図2に示す如く凹部11よりも操作レバー5の引き起こし側(図1において右側)の上端部側面から横方向(図1において向う側)に突出するピンとして形成されている。また、支軸2は、ラチェットプレート3の挿入穴に挿入されてベース部材1に固定されたもので、断面円形の形状をなしており、図1において凹部11の左斜め下方の位置から向う側に伸びるように設けられている。
【0017】
ここで、凹部11は、ブレーキ非作動状態におけるトラニオンピン7の中心と前記揺動中心とを結ぶ直線が若干操作レバー5の倒し側に傾くような位置に配置されている。また、第2当接部8は、図4に示す如く操作レバー5が引起こされた後支軸2を中心にラチェットプレート3とともに操作レバー5が倒されて収納される際の、引起こし角度θと倒し角度(θ +θ )とが等しくなるような曲面に形成されている。また、支軸2が挿入されるラチェットプレート3の挿入穴は、ラチェットプレート3がこの支軸2に回転自在に枢支されるよう、断面円形の穴とされている。
【0018】
ラチェットプレート3は、ベース部材1の片面(図1における向う側の面)に接するように配置され、支軸2により揺動自在にベース部材1に取付けられたもので、爪3aは操作レバー5の倒し側の端面に形成され、これと反対側一側端には突出部12が形成されている。この突出部12がベース部材1の第1当接部6に当接すると、ラチェットプレート3は操作レバー5の引起こし方向(図1において右回転方向)には揺動できず、この位置が通常操作位置となる。
【0019】
枢着軸4は、前記通常操作位置において、支軸2あるいはトラニオンピン7よりも操作レバー5の引き方向斜め上方(図1において右斜め上方)に位置するように配置され、ラチェットプレート3には、この枢着軸4を中心としたトラニオンピン7の揺動を許す円弧状溝13が形成されている。
【0020】
操作レバー5は、図1,図2に示すように、レバー部14と、このレバー部14の先端に延設された把持部15とよりなり、さらにレバー部14は、把持部15と同一直線上に伸びる断面C字状の管状部16とこの管状部16の開口する下面側から平行に伸びる板状部17,18よりなる。そして、このレバー部14によってラチェットプレート3とベース部材1の両側面を部分的に覆うように配設され、板状部17,18において枢着軸4に取付けられている。また、板状部17,18の互に対向する位置には、図2,図3に示すように、両外側に張り出す張出し部17a,18aが形成され、これらに設けられた穴に挿通させてトラニオンピン7が取付けてあり、トラニオンピン7は前記円弧状溝13を貫通している。
【0021】
この操作レバー5には、ラチェット爪10を揺動自在に支持する支持軸19と、把持部15と管状部16内に配置されて摺動自在とされ一端がラチェット爪10に連結されたロッド20と、このロッド20の他端に取付けられ操作レバー5の先端に突出した操作ボタン21と、把持部15内に設けられ操作ボタン21を押してロッド20を把持部15側(ラチェット爪10の係合を保持する側)に付勢する圧縮ばね22とよりなるラチェット爪10の係合操作機構が設けられている。
【0022】
すなわち、操作ボタン21を操作しない限り圧縮ばね22の付勢力によりラチェット爪10はラチェットプレ−ト3の歯3aとの係合状態を維持し、操作ボタン21を押すとこの係合が解除されるよう構成されている。なお、このラチェット爪10とラチェットプレ−ト3の歯3aとの係合は、操作ボタン21を操作しなくても操作レバ−5の引き上げのみを許すように、一方向に順次その係合位置が移動することができる。
【0023】
そして、上記パーキングブレーキにおいては、前記枢着軸4,支軸2及びトラニオンピン7の前記揺動中心Dに対する配置位置は、ブレ−キケ−ブルを引っ張るべく所定角度引き起こされた操作レバ−5がラチェット爪の係合状態を維持しつつ支軸2を中心にラチェットプレ−ト3とともに水平位置まで倒されたときに、揺動中心Dとトラニオンピン7との距離が縮まることなく、しかもブレ−キケ−ブルの張力により操作レバ−5又はラチェットプレ−ト3に生じる支軸2回りの回転モ−メントの向きが引き起こし方向から倒し方向に反転するように設定されている。
【0024】
すなわち、図4に示すように、操作レバー5が通常操作される程度以上の引き起し角度に引起こされ、この状態から操作レバー5がラチェットプレート3とともに倒された場合における、揺動中心Dと支軸2の中心を結ぶ直線と、支軸2とトラニオンピン7の中心を結ぶ直線のなす角度を、図4に示す如くθ ,θ としたときに、θ ≧θ となり、θ >0となるように、枢着軸4,支軸2及びトラニオンピン7の前記揺動中心Dに対する配置位置が設定されている。
【0025】
次に、上記第1実施例の作用を説明する。
ラチェットプレート3が通常操作位置にあるときに、ブレ−キケ−ブルの張力によりラチェットプレート3及び操作レバー5に生じる支軸2回りのモ−メントの向きは、図1において時計回り方向となる。また、ラチェットプレート3が通常操作位置にあるときに、ブレ−キケ−ブルの張力により操作レバー5に生じる枢着軸4回りのモ−メントの向きは、図1におい反時計回り方向となる。
【0026】
このため、ラチェットプレート3が通常操作位置にあるときに、操作レバー5を図1に示す位置から引上げると、図4に示す如く操作レバー5のみが起き上り、揺動中心Dとトラニオンピン7との距離が増大してブレ−キが作動し、その後操作レバー5から手を離しても、ラチェットプレート3は第1当接部6に当接した状態を維持し、操作レバー5はラチェット爪10の係合によって引き起こされた状態を維持してブレ−キ作動状態が維持される。そして、この状態で操作ボタン21を押してラチェット爪10の係合を解除すると、操作レバー5は前記ブレ−キケ−ブルの張力によるモ−メントでもとの図1に示す位置に戻る。したがって、このようにラチェットプレート3が通常操作位置にあるときには、通常のハンドブレ−キ操作ができる。
【0027】
そして、このようにラチェットプレート3が通常操作位置にある状態で、ブレ−キケ−ブルを引っ張るべく引き起こした操作レバ−5(図4の状態)はラチェット爪10の係合状態を維持しつつ、ラチェットプレ−ト3を支える支軸2を中心にラチェットプレ−ト3とともに、トラニオンピン7(当接部材)がラチェットプレ−ト3の第2当接部8に当たる位置(水平位置)まで倒して収納することができる。
【0028】
すなわち、図4に示す如く引き起こした操作レバ−5を、操作ボタン21を操作しないで倒し方向(図4において左方)に押すと、操作レバー5はラチェットプレート3とともに支軸2を中心として揺動し図5に示すごとく倒れて収納できる。
【0029】
しかも、この図5に示す操作レバー5の収納位置は、図1に示す通常動作時の非操作状態とほぼ同じであり、水平姿勢となる。またこの際、ブレ−キケ−ブルの揺動中心Dとトラニオンピン7との距離は伸びることはあっても縮まらないので、ブレ−キケ−ブルの張力すなわちブレ−キ力は全く低下しない(かえって増加する)。さらに、引き起こし角度θが通常操作される程度以上の角度であれば(この場合、θ>θ であれば)、ブレ−キケ−ブルの張力により操作レバ−5又はラチェットプレ−ト3に生じる支軸2回りの回転モ−メントの向きが引き起こし方向(図1,4にける時計回転方向)から倒し方向(反時計回転方向)に反転するので、操作レバ−5から手を離しても操作レバ−5は第2当接部8に押し付けられ収納状態に信頼性高く維持される。また、回転モ−メントの向きが反転することにより変化する手ごたえ(クリック感)により、操作する者は収納状態になったことが明確に分かり操作感が良い。
【0030】
そして、この収納状態からブレ−キを解除するには、図4に示す位置に操作レバ−5を引上げて操作ボタン21を押せばよい。
【0031】
なお、引き起こし角度θが通常操作される程度より小さいときには、ブレ−キ力は収納により増加するが、回転モ−メントの反転はなくクリック感は生じない。しかし、ブレーキケーブルの張力による回転モ−メントよりも支軸2の摺動抵抗を大きく設定しておく等により、実用上安定的に収納することは可能である。また、前記設定条件θ ≧θ は厳密に満足する必要はなく、ブレーキ力の低下が支障ない範囲であればこの設定条件から外れてもよい。
【0032】
次に、図7〜11により第2実施例を説明する。
なお、前述の第1実施例と同様の構成要素には同符号を付してその説明を省略する。
この第2実施例のブレーキにおいて特徴的なのは、図7,8に示すように、ラチェットプレート3を支持する支軸2Xが、左右両端面が半円状の長円断面形状とされ、さらにこの支軸2Xが挿入されるラチェットプレート3の挿入穴2Yが、支軸2Xに摺接する略菱形形状とされている点である。
【0033】
具体的には、支軸2Xの断面外形が、図8に示すように、距離s離れた2点a,bをそれぞれ中心とする半径rの半円とこの半円の両端を平行直線で結んだ形状とされている。
【0034】
また、挿入穴2Yは、収納時のラチェットプレート3の回転中心が点aから点bに移行するよう、ラチェットプレート3が図7に示す通常操作位置にあるときに、図8に示すような形状をなすものとされている。
【0035】
すなわち、支軸2Xの点b側の端点に摺接する位置から角度θ 分だけ点aを中心として描いた略半径R(R=s+r)の円弧状部2Y と、この円弧状部2Y に連続させて点b (点bを点aを中心に角度θ だけ回転移動させた点)から90度分描いた略半径rの円弧状部2Y と、この円弧状部2Y に連続させて距離sだけ直線b −aに平行に描いた直線状部2Y と、この直線状部2Y に連続させて点aを中心に90度分描いた略半径rの円弧状部2Y と、この円弧状部2Y に連続させて角度θ 分だけ点b を中心として描いた略半径Rの円弧状部2Y と、この円弧状部2Y に連続する略半径rの円弧状部2Y と、前記円弧状部2Y の始端に連続する略半径rの円弧状部2Y と、円弧状部2Y と円弧状部2Y とに連続してこれらを結ぶ直線状部2Y とよりなる内面形状とされている。
【0036】
ここで、点a,bはベース部材1(車両)に固定された点であって(支軸2Xはベース部材1に固定されている)、点b はラチェットプレート3に固定された点である。また、以下の説明の便宜上、通常操作状態において点aに一致する点であってラチェットプレート3に固定された点を点a と定義する。
【0037】
なお、点a,bの配置位置、距離sあるいは角度θ ,θ の値は、収納時の操作レバー5又はトラニオンピン7の所望の挙動(後述するように、単なる回転運動ではなく、二つの回転運動を合成した運動)を達成するために各種の値に設定することができる。ただし、広い引き起こし角度θの範囲において、ブレーキ力が低下せず、かつクリック感が生じるという良好な収納特性を達成するのであれば、以下のような思想で設定することが好ましい。
【0038】
まず、点aは、この点aを中心に操作レバー5及びラチェットプレート3が収納回転したときに、操作レバー5の引き起こし角度θが小さくても、前述のクリック感が生じる条件(θ >0)が満足されるように、収納前のトラニオンピン7と揺動中心Dとを結ぶ直線に近接した位置に配置する。一方、点bは、点aよりも、収納前のトラニオンピン7と揺動中心Dとを結ぶ直線から離れた位置(この場合水平方向左側距離sの位置)に配置する。
【0039】
そして、θ の値は、操作レバー5が角度θ だけ引かれた状態(すなわち、θ=θ )から点aを中心に水平位置まで収納された場合に、トラニオンピン7と揺動中心Dとの間の距離(ブレーキケーブルの引き量)が減少せず、ブレーキ力が低下しない範囲で、なるべく大きな値に設定する。
【0040】
というのは、トラニオンピン7又は支軸2x等が揺動中心Dに対して図7に示すような配置関係にある場合、操作レバー5が角度θ引かれた状態から水平位置まで収納される際のトラニオンピン7と揺動中心Dとの間の距離は、ラチェットプレートの回転中心が一定であるかぎり、角度θが前述のθx(図4に示す)に相当する角度を越えるまでは増加するが、角度θがこの角度を越えた後は減少する。このため、一点aを中心とする回転による収納ではブレーキ力が緩まない引き起し角度に限界があるのであって、この限界を越えない程度にθ の値を大きく設定すべきだからである。
【0041】
つぎに、θ の値は、このθ の値から、必然的に決定される。すなわち、引起し角度θが最大の場合(θ=θmax)も収納できなければならないので、
θ ≧θmax−θ となる。
【0042】
また、点aと点bとの距離sは、収納角度(すなわち、引起し角度θ)が最大でも収納時のブレーキ力が最低限維持できる範囲で、なるべく小さく設定すべきである。というのは、この距離sを大きく設定すれば、点bがトラニオンピン7と揺動中心Dとを結ぶ直線から離れて、収納角度が大きくても収納後にブレーキ力が低下し難くなるが、一方、引起し角度θがθ を越えたところに存在するクリック感が発生しない範囲(詳細後述する)が大きくなるので、これらの調和点を考慮して設定すべきだからである。
【0043】
なお、この第2実施例におけるブレーキの第2当接部8Xは、第1実施例の場合と同様に、引起し角度θと収納角度とが等しくなるような曲面に形成されているが、ラチェットプレート3の回転中心が収納途中で移行し、トラニオンピン7の挙動(収納時の移動位置)が第1実施例の場合と異なるので、これに応じて前記第1実施例の第2当接部8とは異なった形状とされている。
【0044】
次に、この第2実施例の作用を説明する。
この第2実施例のブレーキにおいても、操作方法は前記第1実施例と同様である。すなわち、通常操作状態において操作レバー5を引き起こせば、引き起こし角度θに応じてブレーキを効かせることができ、操作ボタン21を押してこれを解除することができる。そして、このようにラチェットプレート3が通常操作位置にある状態で、引き起こした操作レバ−5を、操作ボタン21を操作しないで倒し方向に押すと、操作レバー5はラチェットプレート3とともに支軸2Xを中心として揺動し、トラニオンピン7が第2当接部8Xに当接するまで倒れるので、水平位置に収納することができる。
【0045】
ただし、この第2実施例のブレーキであると、操作レバー5及びラチェットプレート3等は、収納時に、単なる一点を中心とする回転運動ではなく、引起し角度θがθ を越える範囲から、二つの点a,bを中心とする回転運動を合成した運動をする。すなわち、収納角度θがθ を越えるまでは、ラチェットプレート3は、挿入穴2Yの円弧状部2Y と円弧状部2Y とにおいて支軸2Xの両端に摺接しつつ図9に示す位置まで点aを中心に回転し、θ を越えた後は、円弧状部2Y と円弧状部2Y とにおいて支軸2Xの両端に摺接しつつ回転し、収納角度が最大(θ +θ )の場合は、図10R>0に示す位置まで回転する。
【0046】
このため、広い範囲でブレーキ力が低下しないでしかもクリック感が生じるように設定することや、収納後の操作レバーの位置を調整する等の各種チューニングが可能となる。
【0047】
というのは、前記第1実施例のブレーキであると、図6に示すように、トラニオンピンの運動は支軸2の中心回りの単純な回転運動であるので、操作レバーの収納位置等は、この支軸2の配置位置により一義的に決まってしまい設計の自由度が少ない。
【0048】
また、ブレーキ力を低下させずしかもクリック感が生じるように設定できる範囲に限界がある。
例えば、引き起こし角度θが最大であってもブレーキ力が低下しない条件(θ ≧θ )を満足させるようにするには、図4に示すようにトラニオンピン7と揺動中心Dとを結ぶ直線からある程度離して支軸2を配置しなければならない。しかし、このようにすると、引き起こし角度θが小さいときには、θ ≧0が満足できず、収納操作時のクリック感が生じないとともに確実に安定的な収納が実現されない。一方、引き起こし角度θが小さい範囲においてもθ ≧0を満足させようとすると、支軸2をトラニオンピン7と揺動中心Dとを結ぶ直線に近接させて配置しなければならず、この場合には引き起こし角度θが大きいときに若干ブレーキ力が緩むことになる。
【0049】
いいかえると、前述した第1実施例のブレーキであると、良好な収納が可能となる範囲は、2θ ≧θ≧θ となる範囲である。ところが、この種のブレーキにおけるラチェットプレート3の第一歯とラチェット爪10との係合位置は、通常水平から10度程度の位置にあり、そこから約2度間隔で係合位置が複数(20箇所程度)設けられ、引き起こし角度θの最大値θmaxが40度以上になっているのが通常である。このため、引き起こし角度θが最小(10度)でもクリック感が生じるように、支軸2をトラニオンピン7と揺動中心Dとを結ぶ直線に近接させて配置すると、前記良好な収納が可能な範囲は概略20度≧θ≧10度となって、40度≧θ≧20度の範囲においてブレーキ力の低下が避けられないのである。
【0050】
しかし、この第2実施例のブレーキであると、トラニオンピン7は、図11に示すように、収納角度がθ を越えるまでは点aを中心に回転し、収納角度がθ を越えた後は点bを中心に回転する。このため、前述した思想で点a,b又は距離s等が設定してあれば、引き起し角度が小さくても、トラニオンピン7が揺動中心Dと点aを通る直線D−aを越えた時点(θ>θx となった時点)でクリック感が発生し、一方、ブレーキ力が緩まない限界は2θx より大きくなる。(この場合、最大収納角度=θ +θ >2θx であって、図11に示す如く、この最大収納角度においてもトラニオンピン7と揺動中心Dとの距離は引き起し直後に対して縮まっていない。)
なお、収納角度がθ を越えると回転中心が点aから点bに移行するため、ブレーキケーブルの張力による支軸2X回りの回転モーメントの向きが反時計回りから時計回りに戻る領域(θ <収納角度<θ +θx )が存在し、引き起し角度θがこの領域に相当するときには、ブレーキケーブルの張力を利用して操作レバー5を信頼性高く安定的に水平位置に収納することは理論上できない。しかし、前述のように、摺動抵抗により水平位置に維持される構成とするか、距離sを最小限に設定してこの角度θx を小さくすることで、実用上問題なく水平位置に収納することができる。
【0051】
なお、上記実施例においては、支軸をベース部材1に固定し、これを挿入する挿入穴をラチェットプレート3に形成したが、支軸をラチェットプレート3に固定し、挿入穴をベース部材1に設けてもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明にかかる収納式レバ−型パ−キングブレ−キによれば、ブレ−キを作動させたまま操作レバ−が収納できるので、車両において運転席と助手席を併せて簡易ベットとして利用する場合に、操作レバ−が邪魔にならず好都合である。しかも、本発明のものは、ブレ−キ非作動時とほぼ同じ低く倒れた姿勢に操作レバ−を収納することができるので、操作レバ−は全く邪魔になず、上記効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるパ−キングブレ−キの側面図である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】図1のIII −III 断面図である。
【図4】本発明の第1実施例であるパ−キングブレ−キにおいて、操作レバ−を引き上げた状態を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例であるパ−キングブレ−キにおいて、操作レバ−を収納した状態を示す図である。
【図6】操作レバー収納時のトラニオンピンの挙動を説明するための図である。
【図7】本発明の第2実施例であるパ−キングブレ−キの側面図である。
【図8】本発明の第2実施例における支軸と挿入穴の形状を示す拡大図である。
【図9】本発明の第2実施例における支軸と挿入穴の操作レバー収納時の挙動を示す図である。
【図10】本発明の第2実施例における支軸と挿入穴の操作レバー収納時の挙動を示す図である。
【図11】本発明の第2実施例における操作レバー収納時のトラニオンピンの挙動を説明するための図である。
【符号の説明】
1…ベ−ス部材
2,2X…支軸
2Y…挿入穴
3…ラチェットプレ−ト
4…枢着軸
5…操作レバ−
6…第1当接部
7…トラニオンピン
8…第2当接部
9…連結具
10…ラチェット爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枢着軸によりラチェットプレートに起倒自在に取付けられた操作レバーを前記ラチェットプレートに対して引き起こすことにより、前記操作レバーに取付けられたトラニオンピンを介してブレーキケーブルを引っ張ってブレーキを作動させ、前記操作レバーに設けられたラチェット爪と前記ラチェットプレートの歯との係合により、前記ブレーキケーブルが引っ張られブレーキが作動している状態を維持しつつ、操作レバーを倒して収納できる構成とした収納式レバー型パーキングブレーキにおいて、
前記ラチェットプレートは、前記操作レバーを収納すべく前記操作レバーとともに起倒自在になるように、前記枢着軸に対して平行に設けた支軸によって、ブレーキケーブルの揺動中心の上方において車体に固定されるベース部材に起倒自在に取付け、
前記ブレーキケーブルの揺動中心は、前記操作レバーを倒して収納すべく該操作レバーとともに前記ラチェットプレートが倒れるときに、該ラチェットプレートに対して相対的に変位するものであり、
前記トラニオンピンは、前記操作レバーとともに前記ラチェットプレートが倒れるときに、前記揺動中心との距離が略縮まらないように変位するものであり、前記ベース部材には、ブレーキケーブルを引っ張るべく操作レバーが引き起こされる際に、前記ラチェットプレートに当接してこのラチェットプレートの引き起こし方向への揺動を阻止する第1当接部と、前記操作レバーに設けられた当接部材に当接して、前記操作レバーの倒し方向への揺動を前記操作レバーが略水平となる位置までに規制する第2当接部とを設けたことを特徴とするレバー型パーキングブレーキ。
【請求項2】
前記枢着軸,支軸及びトラニオンピンは、ブレーキケーブルを引っ張るべく所定角度引き起こされた前記操作レバーが前記支軸を中心に前記ラチェットプレートとともに前記水平位置まで収納されたときに、前記揺動中心と前記トラニオンピンとの距離が略縮まることなく、しかもブレーキケーブルの張力により前記操作レバー又はラチェットプレートに生じる前記支軸回りの回転モーメントの向きが引き起こし方向から倒し方向に反転するように配置したことを特徴とする請求項1記載のレバー型パーキングブレーキ。
【請求項3】
枢着軸によりラチェットプレートに起倒自在に取付けられた操作レバーを前記ラチェットプレートに対して引き起こすことにより、前記操作レバーに取付けられたトラニオンピンを介してブレーキケーブルを引っ張ってブレーキを作動させ、前記操作レバーに設けられたラチェット爪と前記ラチェットプレートの歯との係合により、前記ブレーキケーブルが引っ張られブレーキが作動している状態を維持しつつ、操作レバーを倒して収納できる構成とした収納式レバー型パーキングブレーキにおいて、
前記ラチェットプレートは、前記操作レバーを収納すべく前記操作レバーとともに起倒自在になるように、前記枢着軸に対して平行に設けた支軸によって、ブレーキケーブルの揺動中心の上方において車体に固定されるベース部材に起倒自在に取付け、
前記ベース部材には、ブレーキケーブルを引っ張るべく操作レバーが引き起こされる際に、前記ラチェットプレートに当接してこのラチェットプレートの引き起こし方向への揺動を阻止する第1当接部と、前記操作レバーに設けられた当接部材に当接して、前記操作レバーの倒し方向への揺動を前記操作レバーが略水平となる位置までに規制する第2当接部とを設け、
前記支軸は、左右両端面が半円状の長円断面形状として、前記ベース部材又は前記ラチェットプレートに固定し、
前記ラチェットプレートは、前記支軸を前記ラチェットプレート又は前記ベース部材に形成した挿入穴に挿入することにより起倒自在に支持し、
前記挿入穴は、ブレーキケーブルを引っ張るべく所定角度引き起こされた前記操作レバーが前記支軸を中心に前記ラチェットプレートとともに前記水平位置まで収納される途中で、前記ラチェットプレートの回転中心が前記支軸の一端の半円の中心から他端の半円の中心に移動するよう、前記支軸に摺接する略菱形形状としたことを特徴とするレバー型パーキングブレーキ。
【請求項4】
前記枢着軸,支軸及びトラニオンピンは、ブレーキケーブルを引っ張るべく所定角度引き起こされた前記操作レバーが前記支軸を中心に前記ラチェットプレートとともに前記水平位置まで収納されたときに、前記揺動中心と前記トラニオンピンとの距離が略縮まることなく、しかもブレーキケーブルの張力により前記操作レバー又はラチェットプレートに生じる前記支軸回りの回転モーメントの向きが引き起こし方向から倒し方向に反転するように配置するとともに、
前記支軸の他端の半円の中心は、前記支軸の一端の半円の中心よりも、収納前の前記トラニオンピンと前記揺動中心とを結ぶ直線から離れる方向に配置したことを特徴とする請求項3記載のレバー型パーキングブレーキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【特許番号】特許第3562819号(P3562819)
【登録日】平成16年6月11日(2004.6.11)
【発行日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−239824
【出願日】平成4年9月8日(1992.9.8)
【公開番号】特開平5−270367
【公開日】平成5年10月19日(1993.10.19)
【審査請求日】平成11年1月26日(1999.1.26)
【審判番号】不服2001−21420(P2001−21420/J1)
【審判請求日】平成13年11月29日(2001.11.29)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【出願人】(390023098)大塚工機株式会社 (42)
【合議体】
【参考文献】
【文献】特開平4−126648(JP,A)