説明

取扱説明書、及びその取扱説明書を用いる加熱調理器

【課題】情報の検索性に優れ、使用者にとって必要な情報が集約でき、使い勝手の良い取扱説明書及びその取扱説明書を用いる加熱調理器を提供する。
【解決手段】機器の取扱い及び注意に関する説明内容が文字または図形またはその両方で記載された複数ページの取扱説明書で、複数の折り返し線によって展開自在にページ単位で複数枚に折り畳まれていて、折り返し線と直交するように設けられた切り離し線により少なくとも2つ以上に切り離し可能に加工されているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器等の取扱説明書、詳しくは要部を抜粋した製本しない取扱説明書及びその取扱説明書を用いる加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器等の説明書として、全機能についての説明が記載されている取扱説明書の他に、一部機能について製本しない形態で用意されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これは、特によく使うと思われる機能に関する説明を全体の説明書から独立させ見易くするためのものである。
また、製本しない形態で用意される取扱説明書で複数折り畳まれ、見出しが設けられているものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、製本しない形態で用意される取扱説明書で一部分離可能な構成となっているものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−11978号公報(第2頁、図8)
【特許文献2】実開平4−87265号公報(第4頁、第1図)
【特許文献3】実開昭60−182182号公報(第3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の取扱説明書の構成では、別に用意される一部機能についての取扱説明書にその取扱説明内容の全てが記載されているので、必要な説明や読みたい情報がすぐに見つからず情報の検索性が悪い、という問題があった。
【0005】
また、特許文献2に記載の取扱説明書の構成では、見出しが設けられているが複数折り畳まれていることで必要な情報を得るために広げなければならず、記載事項の多い取扱説明書では折り畳む数が増えてしまい使い勝手が悪い、という問題があった。
【0006】
また、特許文献3に記載の取扱説明書の構成では、分離できるのが機器の使用者には関係の無い施工業者のための取付工事説明書であり、機器の使用者の利便性向上には寄与していない。
【0007】
本発明はかかる課題を解決するために、情報の検索性に優れ、使用者にとって必要な情報が集約でき、使い勝手の良い取扱説明書及びその取扱説明書を用いる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の発明の取扱説明書は、機器の取扱い及び注意に関する説明内容が文字または図形またはその両方で記載された複数ページの取扱説明書で、複数の折り返し線によって展開自在にページ単位で複数枚に折り畳まれていて、折り返し線と直交するように設けられた切り離し線により少なくとも2つ以上に切り離し可能に加工されているものである。
【0009】
また、本発明の第2の発明の取扱説明書は、切り離し線により区切られた上部には機器の複数機能の基本操作に関する説明内容が記載され、下部には機器の複数機能の使用におけるポイントが記載されているものである。
【0010】
また、本発明の第3の発明の取扱説明書は、折り返し線によって折り畳まれたページ毎に、切り離し線により区切られた同一ページの上部の機器の基本操作に関する説明内容と下部の機器の使用におけるポイントは同一機能に関する記載がされているものである。
【0011】
また、本発明の第4の発明の取扱説明書は、折り返し線は切り離し可能に加工されていて、前記ページ毎またはカード状片毎に切り離し可能である。
【0012】
また、本発明の第5の発明の取扱説明書は、ページ毎またはカード状片毎に、同一位置に孔が設けられているものである。
【0013】
また、本発明の第6の発明の取扱説明書は、機器の取扱い及び注意に関する説明内容を網羅して記載する主たる取扱説明書と組み合わせて用いる、機器の取扱い及び注意に関する説明内容の要部を抜粋し簡略化した簡易取扱説明書である。
【0014】
また、本発明の第7の発明の取扱説明書は、ページ毎またはカード状片毎に、主たる取扱説明書の関連ページ番号が記載されているものである。
【0015】
また、本発明の加熱調理器は、主たる取扱説明書と簡易取扱説明書を組み合わせて用いるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、取扱説明書は複数の折り返し線によって展開自在にページ単位で複数枚に折り畳まれていて、折り返し線と直交するように設けられた切り離し線により少なくとも2つ以上に切り離し可能に加工されているので、使用者が取扱説明書を分割して必要な情報を集約したり、使用頻度の高い順にまとめたりすることができ、使い勝手が良く情報の検索性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における取扱説明書を展開し第1面側から観た状態図、(b)本発明の実施の形態1における取扱説明書を展開し第2面側から観た状態図である。
【図2】(a)本発明の実施の形態1における取扱説明書を折りたたみ表面側から観た状態図、(b)本発明の実施の形態1における取扱説明書を折りたたみ裏面側から観た状態図、(c)本発明の実施の形態1における取扱説明書を要部のみ展開した状態図である。
【図3】(a)本発明の実施の形態1における取扱説明書の第1面の記載内容例の図、(b)本発明の実施の形態1における取扱説明書の第2面の記載内容例の図である。
【図4】(a)本発明の実施の形態1における取扱説明書の切り離し線で切り離して折り畳んだ上部取扱説明書の状態図、(b)本発明の実施の形態1における取扱説明書の切り離し線で切り離して折り畳んだ下部取扱説明書の状態図である。
【図5】(a)本発明の実施の形態1における取扱説明書の切り離し線と切り離し可能な折り返し線で切り離した上部取扱説明書の状態図、(b)本発明の実施の形態1における取扱説明書の切り離し線と切り離し可能な折り返し線で切り離した下部取扱説明書の状態図である。
【図6】本発明の実施の形態1における取扱説明書をページ単位で切り離した状態図である。
【図7】(a)本発明の実施の形態2における取扱説明書を展開し第1面側から観た状態図、(b)本発明の実施の形態2における取扱説明書を展開し第2面側から観た状態図である。
【図8】(a)本発明の実施の形態2における取扱説明書の第1面の記載内容例の図、(b)本発明の実施の形態1における取扱説明書の第2面の記載内容例の図である。
【図9】(a)本発明の実施の形態2における主たる取扱説明書の概要を示す模式図、(b)本発明の実施の形態2における主たる取扱説明書の記載の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1または2の取扱説明書を用いる加熱調理器の全体構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態1または2の取扱説明書を用いる加熱調理器の天板を取り外した状態の全体構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
図1(a)は本発明の実施の形態1における取扱説明書を展開し第1面側から観た状態図、図1(b)は本発明の実施の形態1における取扱説明書を展開し第2面側から観た状態図、図2(a)は本発明の実施の形態1における取扱説明書を折りたたみ表面側から観た状態図、図2(b)は本発明の実施の形態1における取扱説明書を折りたたみ裏面側から観た状態図、図2(c)は本発明の実施の形態1における取扱説明書を要部のみ展開した状態図、図3(a)は本発明の実施の形態1における取扱説明書の第1面の記載内容例の図、図3(b)は本発明の実施の形態1における取扱説明書の第2面の記載内容例の図、図4(a)は本発明の実施の形態1における取扱説明書の切り離し線で切り離して折り畳んだ上部取扱説明書の状態図、図4(b)は本発明の実施の形態1における取扱説明書の切り離し線で切り離して折り畳んだ下部取扱説明書の状態図、図5(a)は本発明の実施の形態1における取扱説明書の切り離し線と切り離し可能な折り返し線で切り離した上部取扱説明書の状態図、図5(b)は本発明の実施の形態1における取扱説明書の切り離し線と切り離し可能な折り返し線で切り離した下部取扱説明書の状態図、図6は本発明の実施の形態1における取扱説明書をページ単位で切り離した状態図である。
【0019】
なお、それぞれの図において、同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、複数の部材であって、符号に「a、b等」を付記するものについて、共通する内容を説明する際には、符号に付した「a、b等」を削除して、その一方の
部分について説明する場合がある。
【0020】
以下、図1から図6により本実施の形態1の取扱説明書の構成について説明する。
なお、記載内容については、加熱調理器に関係する記載内容をその一例として説明することとする。
【0021】
図1(a)、(b)において100は展開した状態の取扱説明書である。取扱説明書100は中綴じや糊付等が施されない、つまり製本されない形態であって、図1(a)に示す面を取扱説明書100の第1面(表面)とすると、第1面側にそれぞれページを表す1ページ1、6ページ6、7ページ7、8ページ8があり、ミシン目加工を施された折り返し線9a、9b、9cで折り畳めるようになっている。
【0022】
取扱説明書100の第1面(表面)の裏側に図1(b)に示す第2面(裏面)があり、それぞれ1ページ1の裏側に2ページ2が、8ページ8の裏側に3ページ3が、7ページ7の裏側に4ページ4が、6ページ6の裏側に5ページ5がくるようになっている。
【0023】
図2(a)、(b)は取扱説明書100を折り畳んだ状態であり、これが保管時の状態である。使用時には図1(a)、(b)のように全体を展開したり図2(c)のように必要なページ部分を展開したりして記載情報が閲覧できるようになっている。
【0024】
取扱説明書100を完全に展開すると図3(a)、(b)のように1枚のシート状になり、その表面と裏面には機器の使い方に関する説明が記載されている。図3(a)、(b)では前述のように加熱調理器の取扱説明書としての内容を記載例として説明する。
【0025】
各ページの上の部分、例えば7ページ7上部7aには「魚焼きの使いかた」や8ページ8上部8aには「オーブンの使いかた」のように基本的に使い方の説明を中心とした記載があり、下の部分の7ページ7下部7bには「魚焼き使い分けのポイント」や8ページ8下部8bには「オーブン使い分けのポイント」のように、上の部分で説明したそれぞれの使い方をした際の使い分けのワンポイントを説明するような記載の配置となっていて、その上部と下部の中央にミシン目加工を施された切り離し線10が通っている。
【0026】
加熱調理器を使い続けていくうちに操作に慣れ、使い方を習熟した使用者にとっては上の部分、上部(使いかた)取扱説明書100aに記載されている、使い方に関する情報は閲覧の必要性が低くなってくる。
【0027】
一方、下の部分、下部(使い分けのポイント)取扱説明書100bに記載されている調理による使い分けのポイントに関する情報は、使い方に慣れた使用者においても閲覧が必要とされる場合が多い。
【0028】
それは、電源を入れて火力を調節するところまでは簡単にできても、例えばハンバーグを焼くときには火力をどのように設定すれば適正値であるのか、メニュー毎の適正な設定火力を全て覚えることは難しいためで閲覧の必要性がさほど低下しないからである。
【0029】
よって、このような場合、図3(a)、(b)の切り離し線10はミシン目加工を施されていて簡単に切り離せるので、切り離すことにより図4(a)、(b)に示すように、前述の基本的に使い方の説明を中心とした記載の上部(使いかた)取扱説明書100aと、それぞれの使い方をした際のワンポイントを説明した記載の下部(使い分けのポイント)取扱説明書100bとに分割することができ、必要性の低下した部分と必要とされる部分に分けることができる。
【0030】
このようにすることで、取扱説明書100の必要な部分のみを扱い易くコンパクトにでき、さらに不要な情報に目を通すことなく必要な情報に目を通し易くなるので、扱い易さと必要な情報の入手性が向上することになる。
【0031】
さらに加熱調理器を使い続けていくと、使用者によっては特定の調理(例えば揚げ物調理)は殆どしない場合もあり、それぞれの使い方をした際のワンポイントを説明した記載の下部(使い分けのポイント)取扱説明書100bの中でも、使用者によっては必要性の低い説明部分が存在することになる。
【0032】
図4(a)、(b)に示す折り返し線9a、9b、9cがミシン目加工を施され切り離し可能になっているので図5(a)、(b)のようにそれぞれがカード状片に分割することができるようになっている。よって、前述のように必要性の低い部分がある場合は分割して必要な部分のみ閲覧することができるようになる。
【0033】
カード状片に分割された2a(裏面が1a)、3a(裏面が8a)、4a(裏面が7a)、5a(裏面が6a)、2b(裏面が1b)、3b(裏面が8b)、4b(裏面が7b)、5b(裏面が6b)には、それぞれ同一位置に同一寸法の孔11が設けられている。この孔11は綴じ孔として使うことができ、この孔11を図示しない紐等で綴じることでカード状片がばらばらになることなく保管することが可能である。
【0034】
また、使用者にとって必要な情報が異なる場合であってもカード状片に分割できることで、さまざまな使用者が自分に必要な情報が記載されたカード状片、例えば4b(裏面が7b)と5b(裏面が6b)だけ抽出して綴じておくことが可能となるので、使用者毎に使い易い取扱説明書に加工することができる。
【0035】
前述のように切り離し線10で切り離し、さらにミシン目加工を施され切り離し可能な折り返し線9a、9b、9cで切り離したカード状片に分割可能であることを説明したが、図6に示すように、切り離し線10で切り離さずに折り返し線9a、9b、9cで切り離すことにより1ページ単位の取扱説明書に加工することが可能である。
【0036】
これは使用者によっては、例えば4ページ4の上部4aに記載されている煮込みの使いかた(図3参照)と下部4bに記載されている煮込み料理のポイント(図3参照)が必要な情報であり分割したくはないと考え、それ以外は必要性が低いと考えることもあるので、必要な情報をページ単位で閲覧することができるようにすることで、使用者毎に使い易い取扱説明書に加工することができる。
【0037】
以上のように本発明の実施の形態1の取扱説明書は、使用者毎の使い方に合わせて必要な情報が記載された部分を分割してまとめることができるようになっているので、使用者毎に使い勝手のよい取扱説明書に加工でき必要な情報の入手性、閲覧性が向上する、という効果を奏することができる。
【0038】
(実施の形態2)
図7(a)は本発明の実施の形態2における取扱説明書を展開し第1面側から観た状態図、図7(b)は本発明の実施の形態2における取扱説明書を展開し第2面側から観た状態図、図8(a)は本発明の実施の形態2における取扱説明書の第1面の記載内容例の図、図8(b)は本発明の実施の形態1における取扱説明書の第2面の記載内容例の図、図9(a)は本発明の実施の形態2における主たる取扱説明書の概要を示す模式図、図9(b)は本発明の実施の形態2における主たる取扱説明書の記載の一例を示す図である。
【0039】
なお、それぞれの図において、同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略し、実施の形態1と同じ部分または相当する部分にも同じ符号を付し、説明を省略する。また、複数の部材であって、符号に「a、b等」を付記するものについて、共通する内容を説明する際には、符号に付した「a、b等」を削除して、その一方の部分について説明する場合がある。
【0040】
以下、図7から図9により本実施の形態2の取扱説明書の構成について説明する。
なお、記載内容については実施の形態1と同様、加熱調理器に関係する記載内容をその一例として説明することとする。
【0041】
図7(a)、(b)において200は展開した状態の取扱説明書であり、必要最低限の情報を抜粋してまとめた簡略化された取扱説明書である。取扱説明書200は中綴じや糊付等が施されない、つまり製本されない形態となっている。
【0042】
図9(a)において300は加熱調理器の取扱い及び注意に関する説明内容を詳しく記載した主たる取扱説明書であり、簡略化された取扱説明書200と組み合わせて使用されるようになっている。
【0043】
主たる取扱説明書300は図9(a)のように製本されてページ数も多く、図9(b)に示す記載一例のように、使いかたや調理のポイントに関する情報が詳細に記載されていて、初めて使う使用者には必要なものとなっている。
【0044】
しかし、有る程度使い慣れてくると前述のように製本されてページ数も多いので、主たる取扱説明書300を必要とする頻度が低下し、簡略化された取扱説明書200の使用頻度が高くなってくる。
【0045】
取扱説明書200は図7(a)に示す面を第1面(表面)とすると、第1面側にそれぞれページを表す1ページ31、6ページ36、7ページ37、8ページ38があり、ミシン目加工を施された折り返し線9a、9b、9cで折り畳めるようになっている。
【0046】
取扱説明書200の第1面(表面)の裏側に図7(b)に示す第2面(裏面)があり、それぞれ1ページ31の裏側に2ページ32が、8ページ38の裏側に3ページ33が、7ページ37の裏側に4ページ34が、6ページ36の裏側に5ページ35がくるようになっている。
【0047】
取扱説明書200を完全に展開すると図8(a)、(b)のように1枚のシート状になり、その表面と裏面には機器の使い方に関する説明が記載されている。図8(a)、(b)では前述のように加熱調理器の取扱説明書としての内容を記載例として説明する。
【0048】
各ページの上の部分、例えば7ページ37上部37aには「魚焼きの使いかた」や8ページ8上部8aには「オーブンの使いかた」のように簡略化された使い方の説明を中心とした記載があり、下の部分の7ページ7下部7bには「魚焼き使い分けのポイント」や8ページ8下部8bには「オーブン使い分けのポイント」のように、上の部分で説明したそれぞれの使い方をした際の使い分けのワンポイントを簡略化して説明するような記載の配置となっていて、その上部と下部の中央にミシン目加工を施された切り離し線10が通っている。
【0049】
また、7ページ37上部37aには「魚焼きの使いかた」の詳しい情報が記載されている主たる取扱説明書のページ数が記載されている。同様に31aとその裏面32a、31bとその裏面32a、38aとその裏面33a、38bとその裏面33b、37aの裏面34a、37bとその裏面34b、36aとその裏面35a、36bとその裏面35bにもそれぞれの簡略化された使いかたの説明やポイントの詳しい情報が記載されている主たる取扱説明書の該当ページ数が記載されている。
【0050】
簡略化された取扱説明書200では情報が不足している場合や、より高度な使いかたをする使用者、覚えている使いかたで調理すると思い通りにできあがらない使用者には主たる取扱説明書300が必要となるが、その詳しい情報が記載されている主たる取扱説明書300の記載ページにすぐ辿り着くことができ、情報の検索性が向上する。
【0051】
なお、詳しい説明は実施の形態1と同様であるので省略するが、本発明の実施の形態の取扱説明書200は、実施の形態1の取扱説明書100と同様、ミシン目加工を施された切り離し線10とミシン目加工を施され切り離し可能な折り返し線9a、9b、9cで、ページ単位、カード状片に分割可能で、使用者毎に必要と思われる情報をまとめておくことができ、使用者毎に使い易い取扱説明書に加工することができる。
【0052】
以上のように本発明の実施の形態2の取扱説明書は、本発明の実施の形態1の取扱説明書同様に使用者毎の使い方に合わせて必要な情報が記載された部分を分割してまとめることができるようになっているので、使用者毎に使い勝手のよい取扱説明書に加工でき必要な情報の入手性、閲覧性が向上する、という効果を奏することができる。
【0053】
さらに本発明の実施の形態2の取扱説明書は主たる取扱説明書と組み合わせて使用され、簡略化された情報が記載された取扱説明書の情報記載箇所に、詳しい情報が記載された主たる取扱説明書の該当ページ数が記載されているので、詳しい情報の検索性が向上し入手性が向上するという効果を奏することができる。
【0054】
(本発明の実施の形態1または2の取扱説明書を用いる加熱調理器の説明)
図10は本発明の実施の形態1または2の取扱説明書を用いる加熱調理器の全体構成を示す斜視図、図11は本発明の実施の形態1または2の取扱説明書を用いる加熱調理器の天板を取り外した状態の全体構成を示す斜視図である。
以下、図10、図11により本発明の実施の形態1または2の取扱説明書を用いる加熱調理器の構成を説明をする。
【0055】
図10に示すように、本発明の実施の形態1または2の取扱説明書を用いる加熱調理器は、本体401の天面に被調理物を収容した調理容器405を載置可能な非磁性体、例えば結晶化ガラスからなるトッププレート403を備え、外周にはシリコン系接着剤等で固着された金属、例えばステンレスで構成された枠体404を備えてなる天板402を備えている。それから、天板402に各種の操作入力を行う天面操作部407を備え、本体401の前面に各種の操作入力を行う前面操作部408と、誘導加熱調理器の電源を入切する電源スイッチ406を備えている。
【0056】
412は輻射式加熱手段(図示せず)により、魚等の被調理物をその内部に載置してグリル調理やオーブン調理をする調理庫で、前面が開口していて調理庫扉413が前方に引き出し自在に設けられている。調理庫扉413の引き出しに連動して、被調理物を載置する載置皿(図示せず)と焼き網(図示せず)が引き出されるようになっており、調理庫扉413を最も押し込んだ状態で調理庫412の前面開口が閉塞され調理が行える。調理の操作入力は、天面操作部407または前面操作部408から行えるようになっている。
【0057】
図11に示すように、トッププレート403の下方には、複数の加熱手段が配設されている。409は誘導加熱コイルからなる誘導加熱手段で、誘導加熱手段の外側に近い外周コイルと、内側中心に近い内周コイルの複数コイルによって構成されている。410、411も同様に誘導加熱手段である。
【0058】
ここで、誘導加熱手段とは、電磁誘導の原理を利用した加熱手段のことを言い、誘導加熱コイルに高周波交流電流を印加すると回転した磁力線が発生し誘導加熱コイル内部には一様な磁界が発生する。磁界が誘導加熱コイルを貫通すると誘導加熱コイル内部では磁束変化を妨げる磁界が発生し、被加熱物に渦電流が流れ高周波交流電流、例えば20〜90kHzの交流電流を印加することで流れ続ける。それで被加熱物の電気抵抗と渦電流によってジュール熱が発生することにより被加熱物が発熱する加熱方式のことである。
【0059】
なお、前述の説明では3口の誘導加熱手段を備えた例をあげたが、加熱手段を3口供えた誘導加熱調理器では、1口が誘導加熱手段ではない加熱手段、例えばラジエントヒーターのような電熱線からなる輻射式加熱手段で構成してもよく適宜選択可能である。また、加熱手段が2口でもよく、その場合の加熱手段の組合せも誘導加熱手段、輻射式加熱手段から適宜選択可能である。
【0060】
誘導加熱手段409の外周コイルと内周コイルの間には、例えばサーミスタ等の接触式温度センサー、非接触式の赤外線センサー等からなる温度検出手段(図示せず)が配設されている。温度検出手段(図示せず)はトッププレート403を介して調理容器405の温度を検出するようになっている。
【0061】
誘導加熱手段409の下方には、印刷配線基板と電子部品から構成される制御手段(図示せず)と、印刷配線基板に半導体スイッチング素子と整流回路とその他電子部品から構成されるインバーター回路を内包した駆動手段(図示せず)が配設されている。
【0062】
駆動手段(図示せず)により駆動される誘導加熱手段409、410、411は湯沸し、焼き物、煮物、煮込み、揚げ物等、多様な調理に対応が可能である。それぞれの調理により使用する調理容器405も異なり、図10では煮物や煮込み調理に適した蓋付きの鍋を示したが、焼き物調理ではフライパン、揚げ物ではてんぷら鍋というように調理に適した調理容器が使用される。
【0063】
これらの調理では調理容器だけでなく調理の火の強さや調理時間の選択等、操作の仕方もそれぞれ異なり天面操作部407や前面操作部408によりそれぞれの調理に適した火力や時間等を操作して調理を行うようになっている。
【0064】
前述のような加熱調理器において、本発明の実施の形態1の取扱説明書を用いることで、使用者毎の使い方に合わせて必要な情報が記載された部分を分割してまとめることができる取扱説明書により、使用者毎操作に必要な情報の入手性、閲覧性が向上することから、加熱調理器の操作性が向上するという効果を奏することができる。
【0065】
また、以上のような加熱調理器において、本発明の実施の形態2の取扱説明書を用いることで、使用者毎の使い方に合わせて必要な情報が記載された部分を分割してまとめることができる取扱説明書により、使用者毎操作に必要な情報の入手性、閲覧性が向上することから、加熱調理器の操作性が向上し、さらに本発明の実施の形態2の取扱説明書は主たる取扱説明書と組み合わせて使用され、簡略化された情報が記載された取扱説明書の情報記載箇所に、詳しい情報が記載された主たる取扱説明書の該当ページ数が記載されているので、詳しい情報の検索性が向上し入手性が向上することから、加熱調理器の詳しい使用方法での操作性が向上するという効果を奏することができる。
【0066】
なお、ここでは誘導加熱手段を有する加熱調理器で説明したが、誘導加熱手段を有する加熱調理器に限定されるものではなく、電子レンジやオーブンレンジのような高周波加熱手段を有する加熱調理器や、オーブントースターのような石英管ヒーター等の輻射式加熱手段を有する加熱調理器等に本発明の実施の形態1または2の取扱説明書を用いることが可能であり広く応用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 1ページ、1a 1ページ上部、1b 1ページ下部、2 2ページ、2a 2ページ上部、2b 2ページ下部、3 3ページ、3a 3ページ上部、3b 3ページ下部、4 4ページ、4a 4ページ上部、4b 4ページ下部、5 5ページ、5a 5ページ上部、5b 5ページ下部、6 6ページ、6a 6ページ上部、6b 6ページ下部、7 7ページ、7a 7ページ上部、7b 7ページ下部、8 8ページ、8a 8ページ上部、8b 8ページ下部、9a 折り返し線、9b 折り返し線、9c 折り返し線、10 切り離し線、11 孔、31 1ページ、31a 1ページ上部、31b 1ページ下部、32 2ページ、32a 2ページ上部、32b 2ページ下部、33 3ページ、33a 3ページ上部、33b 3ページ下部、34 4ページ、34a 4ページ上部、34b 4ページ下部、35 5ページ、35a 5ページ上部、35b 5ページ下部、36 6ページ、36a 6ページ上部、36b 6ページ下部、37 7ページ、37a 7ページ上部、37b 7ページ下部、38 8ページ、38a 8ページ上部、38b 8ページ下部、 100 取扱説明書、100a 上部(使いかた)取扱説明書、100b 下部(使い分けのポイント)取扱説明書、200 取扱説明書(簡易取扱説明書)、300 主たる取扱説明書、300a 加熱調理器の使いかたの記載一例、300b 加熱調理器の調理のポイントの記載一例、400 加熱調理器、401 本体、402 天板、403 トッププレート、404 枠体、405 調理容器、406 電源スイッチ、407 天面操作部、408 前面操作部、409 誘導加熱手段、410 誘導加熱手段、411 誘導加熱手段、412 調理庫、413 調理庫扉。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の取扱い及び注意に関する説明内容が文字または図形またはその両方で複数ページに記載され、
複数の折り返し線によって展開自在にページ単位で複数枚に折りたたまれていて、前記折り返し線と直交するように設けられた切り離し線により少なくとも2つ以上に切り離し可能に加工されていることを特徴とする取扱説明書。
【請求項2】
前記切り離し線により区切られた上部には機器の複数機能の基本操作に関する説明内容が記載され、下部には機器の複数機能の使用におけるポイントが記載されていることを特徴とする請求項1に記載の取扱説明書。
【請求項3】
前記折り返し線によって折りたたまれた前記ページ毎に、前記切り離し線により区切られた同一ページの上部の機器の基本操作に関する説明内容と下部の機器の使用におけるポイントは同一機能に関する記載がされていることを特徴とする請求項2に記載の取扱説明書。
【請求項4】
前記折り返し線は切り離し可能に加工されていて、前記ページ毎またはカード状片に切り離し可能であることを特徴とする請求項1または請求項3いずれかに記載の取扱説明書。
【請求項5】
前記ページ毎または前記カード状片毎に、同一位置に孔が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項4いずれかに記載の取扱説明書。
【請求項6】
機器の取扱い及び注意に関する説明内容を網羅して記載する主たる取扱説明書と組み合わせて用いる、機器の取扱い及び注意に関する説明内容の要部を抜粋し簡略化した取扱説明書であることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかに記載の取扱説明書。
【請求項7】
前記ページ毎または前記カード状片毎に、前記主たる取扱説明書の関連ページ番号または関連ページに関係する記載がされていることを特徴とする請求項6記載の取扱説明書。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れかに記載の取扱説明書を用いることを特徴とする加熱調理器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−43309(P2013−43309A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181275(P2011−181275)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)