説明

受信ユニット、情報処理装置および被検体内導入システム

【課題】簡易な構成で精度の高いカプセル型内視鏡の位置検出を行うことが可能な受信ユニット、情報処理装置および被検体内導入システムを提供すること。
【解決手段】1枚のシート上で位置関係が固定された複数の受信アンテナを有し、少なくとも検出対象の位置検出データを取得する取得用アンテナ4と、位置ずれ測定用データおよび取得用アンテナ4の位置の基準となる基準値データを出力する基準信号アンテナ7と、基準信号アンテナ7から得られた位置ずれ測定用データと基準値データとに基づいて取得用アンテナ4のずれ量を算出する算出部53と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、被検体内に導入されたカプセル型内視鏡から送信される無線信号を被検体外のアンテナを用いて受信する受信ユニット、情報処理装置および被検体内導入システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、患者等の被検者の体内に導入されて体腔内を観察する医用観察装置として、内視鏡が広く普及している。また、近年では、カプセル型の筐体内部に撮像装置やこの撮像装置によって撮像された画像データを体外に無線送信する通信装置等を備えた飲み込み型の内視鏡(カプセル型内視鏡)が開発されている。カプセル型内視鏡は、体腔内の観察のために患者の口から飲み込まれた後、人体から自然排出されるまでの間、たとえば食道、胃、小腸などの臓器の内部をその蠕動運動にしたがって移動し、順次撮像する機能を有する。
【0003】
体腔内を移動する間、カプセル型内視鏡によって体腔内で撮像された画像データは、順次無線通信により体外に送信され、体外の受信装置の内部もしくは外部に設けられたメモリに蓄積されるか、または受信装置に設けられたディスプレイに画像表示される。医師もしくは看護師においては、メモリに蓄積された画像データを、受信装置を差し込んだクレードルを介して情報処理装置に取り込んで、この情報処理装置のディスプレイに表示させた画像、あるいは受信装置に設けられたディスプレイに受信とともに表示させた画像に基づいて診断を行うことができる。
【0004】
ところで、カプセル型内視鏡から無線信号を受信する場合、一般に受信装置では、複数の受信アンテナを被検体の外部に分散配置し、受信する受信強度が最も強い1つのアンテナを選択し、その選択したアンテナによって無線信号を受信している。たとえば、被検体の外部に配置された複数のアンテナの受信切り替えを行い、各アンテナが受信する電界強度をもとに、無線信号の発信源である被検体内のカプセル型内視鏡の位置を探知する受信装置が知られている。
【0005】
上述したような受信装置を有する被検体内導入システムとして、テストカプセルに備わる永久磁石の静磁場を検出する複数の磁場検出装置からの信号を受信して各磁場検出装置の位置を検出する基準センサ装置と、この検出結果を用いてテストカプセルの位置を導出する位置情報導出装置とを有する被検体内導入システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、固定部材によって各磁場検出装置を固定してテストカプセルの位置を検出する被検体内導入システムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−278816号公報
【特許文献2】特開2005−185499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1が開示する被検体内導入システムでは、基準センサ装置が各磁場検出装置から送信される無線信号を受信して各磁場検出装置の位置(距離)を検出した後、位置情報導出装置が、基準センサ装置の検出結果をもとにテストカプセルの位置を導出するため、テストカプセルの位置を導出するまでの処理が複雑になっていた。
【0008】
また、特許文献2が開示する被検体内導入システムでは、基準センサ装置を用いずにテストカプセルの位置導出を行うことができるものの、各磁場検出装置を固定する固定部材によって検出結果が変化するため、位置導出の精度が低下してしまうおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、簡易な処理で精度の高いカプセル型内視鏡の位置検出を行うことが可能な受信ユニット、情報処理装置および被検体内導入システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる受信ユニットは、1枚のシート上で位置関係が固定された複数の受信アンテナを有し、少なくとも検出対象の位置検出データを取得する取得用アンテナと、位置ずれ測定用データおよび前記取得用アンテナの位置の基準となる基準値データを出力する出力手段と、前記出力手段が出力した前記位置ずれ測定用データと前記基準値データとに基づいて前記取得用アンテナのずれ量を算出する算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる受信ユニットは、上記の発明において、前記ずれ量を用いて前記位置検出データの補正を行なう補正手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる受信ユニットは、上記の発明において、前記算出手段は、前記位置ずれ測定用データと前記基準値データとの差を算出し、前記差をもとに前記取得用アンテナが位置ずれしたか否かを判断し、前記取得用アンテナが位置ずれしていると判断した場合に、前記算出手段に前記ずれ量を算出させる制御手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる受信ユニットは、上記の発明において、前記出力手段は、前記取得用アンテナと異なる位置に配設され、前記基準値データを含む第1の基準信号および前記位置ずれ測定用データを含む第2の基準信号を前記取得用アンテナに向けて出力する基準信号アンテナであり、前記取得用アンテナが、前記第1の基準信号および第2の基準信号を受信して前記基準値データまたは前記位置ずれ測定用データを取得することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる受信ユニットは、上記の発明において、前記出力手段は、前記取得用アンテナに取り付けられ、前記位置ずれ測定用データとしての加速度データを出力する加速度センサと、前記基準値データとしての基準加速度データを出力する基準加速度センサと、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる受信ユニットは、上記の発明において、前記出力手段は、光を入射して反射した光を受光する光学検出器と、前記光学検出器が出射した光の入射位置に応じて異なる反射光を反射する識別部材と、を有し、前記光学検出器は、前記反射光に基づいて前記位置ずれ測定用データおよび前記基準値データを出力することを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる受信ユニットは、上記の発明において、前記取得用アンテナが前記位置検出データを取得する取得動作と、前記出力手段が前記位置ずれ測定用データを出力する出力動作とを異なるタイミングとする制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる受信ユニットは、上記の発明において、前記複数の受信アンテナは、平面上の基準点から等距離で、前記基準点を介して対向する位置にそれぞれ配置される第1および第2の受信アンテナと、前記第1および第2の受信アンテナに対して前記基準点を中心として前記平面内でそれぞれ90度回転した位置に配置される第3および第4の受信アンテナと、前記第1および第2の受信アンテナより前記平面内の外周側の位置であって、前記第1および第2の受信アンテナに対して前記基準点を中心として前記平面内でそれぞれ45度回転した位置に配置される第5および第6の受信アンテナと、前記第5および第6の受信アンテナに対して前記基準点を中心として前記平面内でそれぞれ90度回転した位置に配置される第7および第8の受信アンテナと、を有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる情報処理装置は、検出対象の位置検出データを取得する取得用アンテナを有し、前記取得用アンテナの位置ずれ測定用データおよび前記取得用アンテナの位置の基準となる基準値データを取得する受信ユニットから得られた情報の処理を行う情報処理装置であって、前記位置ずれ測定用データおよび前記基準値データ、または前記取得用アンテナのずれ量を含む位置ずれデータをもとに前記位置検出データの補正を行なう補正手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる情報処理装置は、上記の発明において、前記位置ずれ測定用データと前記基準値データとに基づいて前記ずれ量を算出する算出手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明にかかる被検体内導入システムは、被検体に導入され、該被検体の内部を移動する被検体内導入装置と、前記被検体内導入装置からの情報を受信する受信ユニットと、前記受信ユニットから得られた情報の処理を行う情報処理装置とを備えた被検体内導入システムであって、前記受信ユニットに設けられ、1枚のシート上で位置関係が固定された複数の受信アンテナを有し、少なくとも前記被検体内導入装置の位置検出データを取得する取得用アンテナと、前記受信ユニットに設けられ、位置ずれ測定用データおよび前記取得用アンテナの位置の基準となる基準値データを出力する出力手段と、前記出力手段が出力した前記位置ずれ測定用データと前記基準値データとに基づいて前記取得用アンテナのずれ量を算出する算出手段と、前記算出手段が算出した前記取得用アンテナのずれ量をもとに前記位置検出データの補正を行なう補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる受信ユニット、情報処理装置および被検体内導入システムは、位置ずれ測定用データと基準値データとの差分を算出して取得用アンテナの位置ずれの検出およびずれ量の算出を行ない、算出されたずれ量をもとにカプセル型内視鏡からの位置検出データを補正するようにしたので、簡易な処理で精度の高いカプセル型内視鏡の位置検出を行うことが可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる被検体内導入システムの全体構成を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる被検体内導入システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる被検体内導入システムの要部の構成を示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1にかかる被検体内導入システムの取得用アンテナの構成を示す模式図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる被検体内導入システムの取得用アンテナの要部の構成を示す模式図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1にかかる位置ずれ検出処理を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1にかかる被検体内導入システムの取得用アンテナの要部の構成を示す模式図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態1にかかる被検体内導入システムの信号出力を示すタイミングチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施の形態2にかかる被検体内導入システムの構成を示す模式図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態2にかかる被検体内導入システムの構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態3にかかる被検体内導入システムの構成を示す模式図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態3にかかる被検体内導入システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる被検体内導入システムの全体構成を示す模式図である。また、図2は、本発明の実施の形態1にかかる被検体内導入システムの構成を示すブロック図である。図3は、本発明の実施の形態1にかかる被検体内導入システムの要部の構成を示す模式図である。図1,2に示すように、被検体内導入システム1は、被検体2内の体内画像を撮像するカプセル型内視鏡3と、被検体2内に導入されたカプセル型内視鏡3から送信された無線信号を受信する取得用アンテナ4と、取得用アンテナ4から入力された無線信号に所定の処理を行って記憶する受信装置5と、カプセル型内視鏡3によって撮像された被検体2内の画像データに対応する画像を処理および/または表示する情報処理装置6と、を備える。また、図3に示すように、被検体2の取得用アンテナ4の反対側に、基準信号を出力する基準信号アンテナ7が設けられている。なお、取得用アンテナ4、受信装置5および基準信号アンテナ7によって受信ユニットを構成する。
【0025】
カプセル型内視鏡3は、被検体2内を撮像する撮像機能と、被検体2内を撮像して得られた画像データを受信装置5に送信する無線通信機能とを有する。カプセル型内視鏡3は、被検体2に飲み込まれることによって被検体2内の食道を通過し、消化管腔の蠕動運動によって体腔内を移動する。カプセル型内視鏡3は、体腔内を移動しながら微小な時間間隔、例えば0.5秒間隔で被検体2の体腔内を逐次撮像し、撮像した被検体2内の画像データを生成して受信装置5に順次送信する。この場合、カプセル型内視鏡3は、画像データと、受信電界強度を検出し易くする位置情報(ビーコン)等を含む受信電界強度検出データ(位置検出データ)とを含む送信信号を生成し、この生成した送信信号を変調することによって得られる無線信号を受信装置5に無線送信する。
【0026】
取得用アンテナ4は、アンテナケーブル51を介してカプセル型内視鏡3から受信した無線信号を受信装置5に出力する。また、取得用アンテナ4は、基準信号アンテナ7から受信した無線信号を受信装置5に出力する。なお、取得用アンテナ4は、検査を行う際に被検体2に対してベルト等で固定することによって装着される。
【0027】
受信装置5は、取得用アンテナ4を介してカプセル型内視鏡3および基準信号アンテナ7から無線送信された無線信号を取得する。受信装置5は、カプセル型内視鏡3から受信した無線信号をもとに被検体2内の画像データを取得する。受信装置5は、位置情報および時刻を示す時刻情報等を、受信した画像データに対応付けてメモリに記憶する。受信装置5は、カプセル型内視鏡3により撮像が行われている間、たとえば被検体2の口から導入され、消化管内を通過して被検体2から排出されるまでの間、被検体2に携帯される。受信装置5は、カプセル型内視鏡3による検査の終了後、被検体2から取り外され、カプセル型内視鏡3から受信した画像データ等の情報の転送のため、情報処理装置6に接続される。
【0028】
また、受信装置5は、受信装置5全体の制御を行う制御部52と、取得用アンテナ4が取得した基準信号アンテナ7からの信号強度の差分値を算出し、差分値をもとに取得用アンテナ4のずれ量(方向を含む)を算出する算出部53と、ずれ量をもとに位置検出データの補正を行う補正部54と、算出部53および補正部54が用いる関数を記憶する記憶部55と、を備える。記憶部55は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、被検体内導入システム1が処理を実行する際にその処理にかかわる、本実施の形態にかかる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成される。
【0029】
情報処理装置6は、液晶ディスプレイ等の表示部を備えたワークステーションまたはパーソナルコンピュータを用いて構成される。情報処理装置6は、受信装置5を介して取得した被検体2内の画像データに対応する画像を表示する。情報処理装置6には、受信装置5のメモリから画像データを読み取るクレードル6aと、キーボード、マウス等の操作入力デバイス6bとが接続される。
【0030】
クレードル6aは、受信装置5が装着された際に受信装置5のメモリから、画像データと、この画像データに関連付けされた受信信号強度情報、時刻情報およびカプセル型内視鏡3の識別情報等の関連データと、を取得し、取得した各種データを情報処理装置6に転送する。
【0031】
操作入力デバイス6bは、ユーザによる入力を受け付ける。これにより、ユーザは、操作入力デバイス6bを操作しつつ、情報処理装置6が順次表示する被検体2内の画像を見ながら、被検体2の生体部位、たとえば食道、胃、小腸および大腸等を観察し、被検体2を診断する。
【0032】
基準信号アンテナ7は、被検体2に対してベルトまたはシール材等によって体表面に対して動かないように固定され、位置ずれ測定用データおよび基準値データを含む基準信号を取得用アンテナ4に向けて等方的に出力する。
【0033】
つぎに、図4に示した取得用アンテナ4の詳細な構成について説明する。図4は、本発明の実施の形態1にかかる被検体内導入システムの取得用アンテナの構成を示す模式図である。図4に示すように、取得用アンテナ4は、プレート部40と、第1の受信アンテナ41と、第2の受信アンテナ42と、第3の受信アンテナ43と、第4の受信アンテナ44と、第5の受信アンテナ45と、第6の受信アンテナ46と、第7の受信アンテナ47と、第8の受信アンテナ48と、コネクタ部49と、を備える。第1の受信アンテナ41〜第8の受信アンテナ48は、コネクタ部49にそれぞれ接続され、一つのプレート部40上に設けられる。
【0034】
プレート部40は、1枚のシート状をなすフレキシブル基板を用いて構成される。プレート部40の主面は、略八角形をなす。プレート部40は、被検体2の腹部表面全体を覆う大きさで形成される。プレート部40は、開口部40aを有する。開口部40aは、中心がプレート部40の基準点Oと一致するように形成される。開口部40aは、被検体2に装着される際に被検体2に対して装着位置を決める位置決め部として機能する。これにより、取得用アンテナ4は、プレート部40を被検体2へ装着する際に容易に位置決めを行うことができる。なお、開口部40aに、透明部材、たとえばビニールシート等を設けてもよい。また、プレート部40の主面は、略八角形の必要はなく、たとえば四角形等であってもよい。
【0035】
第1の受信アンテナ41および第2の受信アンテナ42は、基準点Oを介して対向する位置にそれぞれ配置される。第1の受信アンテナ41および第2の受信アンテナ42は、基準点Oから等距離離れた位置にそれぞれ配置される。具体的には、第1の受信アンテナ41および第2の受信アンテナ42は、基準点Oまでの距離がそれぞれ最短距離となる点PaおよびPbと基準点Oとの間がそれぞれ距離r離れたプレート部40上の位置に配置される。第1の受信アンテナ41および第2の受信アンテナ42は、エレメント部41aおよびエレメント部42aがそれぞれプリント配線によってプレート部40に形成される。第1の受信アンテナ41および第2の受信アンテナ42は、エレメント部41a,42aそれぞれに接続される能動回路41b,42bを有する。能動回路41b,42bは、平面回路によってそれぞれプレート部40に形成される。能動回路41b,42bは、第1の受信アンテナ41および第2の受信アンテナ42それぞれのインピーダンスマッチング、受信した無線信号の増幅や減衰を含む増幅処理および平衡から不平衡に変換する変換処理等を行う。第1受信アンテナ41および第2の受信アンテナ42は、平面型の伝送線路(ストリップライン)によってプレート部40に設けられたコネクタ部49に接続される。
【0036】
第3の受信アンテナ43および第4の受信アンテナ44は、第1の受信アンテナ41および第2の受信アンテナ42に対して基準点Oを中心として平面内でそれぞれ90度回転した位置に配置される。第3の受信アンテナ43および第4の受信アンテナ44は、点PcおよびPdと基準点Oとの間がそれぞれ距離r離れたプレート部40上の位置に配置される。第3の受信アンテナ43および第4の受信アンテナ44は、エレメント部43a,44aがそれぞれプリント配線によってプレート部40に形成される。第3の受信アンテナ43および第4の受信アンテナ44は、エレメント部43a,44aそれぞれに接続される能動回路43b,43bを有する。第3の受信アンテナ43および第4の受信アンテナ44は、平面型の伝送線路によってそれぞれコネクタ部49に接続される。
【0037】
第5の受信アンテナ45および第6の受信アンテナ46は、第1の受信アンテナ41および第2の受信アンテナ42に対して基準点Oを中心として平面内でそれぞれ45度回転した位置に配置される。第5の受信アンテナ45および第6の受信アンテナ46は、第1の受信アンテナ41および第2の受信アンテナ42より平面内の外周側の位置にそれぞれ配置される。具体的には、第5の受信アンテナ45および第6の受信アンテナ46は、点PeおよびPfと基準点Oとの間がそれぞれ距離r(r<r)離れたプレート部40上の位置にそれぞれ配置される。第5の受信アンテナ45および第6の受信アンテナ46は、エレメント部45a,46aがそれぞれプリント配線によってプレート部40に形成される。第5の受信アンテナ45および第6の受信アンテナ46は、エレメント部45a,46aそれぞれに接続される能動回路45b,46bを有する。第5の受信アンテナ45および第6の受信アンテナ46は、平面型の伝送線路によってそれぞれコネクタ部49に接続される。
【0038】
第7の受信アンテナ47および第8の受信アンテナ48は、第5の受信アンテナ45および第6の受信アンテナ46に対して基準点Oを中心として平面内でそれぞれ90度回転した位置に配置される。第7の受信アンテナ47および第8の受信アンテナ48は、第1の受信アンテナ41および第2の受信アンテナ42より平面内の外周側の位置にそれぞれ配置される。具体的には、第7の受信アンテナ47および第8の受信アンテナ48は、点PgおよびPhと基準点Oとの間がそれぞれ距離r離れたプレート部40上の位置にそれぞれ配置される。第7の受信アンテナ47および第8の受信アンテナ48は、エレメント部47a,48aがそれぞれプリント配線によってプレート部40に形成される。第7の受信アンテナ47および第8の受信アンテナ48は、エレメント部47a,48aそれぞれに接続される能動回路47b,48bを有する。第7の受信アンテナ47および第8の受信アンテナ48は、平面型の伝送線路によってそれぞれコネクタ部49に接続される。
【0039】
ここで、図4で説明した第1の受信アンテナ41の構成について詳細に説明する。図5は、第1の受信アンテナ41の構成を示すブロック図である。
【0040】
図5に示すように、第1の受信アンテナ41は、平衡型のアンテナを用いて構成される。具体的には、第1の受信アンテナ41は、エレメント部41aが2本の直線状の導線を有するダイポールアンテナを用いて構成される。第1の受信アンテナ41は、エレメント部41aの2本の直線状の導線が左右対称に一直線上に同じ長さで形成される。これにより、第1の受信アンテナ41は、主偏波に対して交差偏波のロスが大きくなる。なお、上述した第2の受信アンテナ42〜第8の受信アンテナ48は、第1の受信アンテナ41と同様の構成を有するので、説明を省略する。また、本実施の形態1では、受信アンテナの数を8個に限定して解釈する必要はなく、8個より多くてもよい。
【0041】
以上の構成により取得用アンテナ4は、被検体2内におけるカプセル型内視鏡3がどのような向きや位置であっても、カプセル型内視鏡3が送信する全ての偏波を受信することができる。なお、第1の受信アンテナ41〜第8の受信アンテナ48の配置は、図4に限定されることはなく、例えば、基準点Oからの距離rが、距離rと等しくてもよい。
【0042】
続いて、カプセル型内視鏡3の位置検出について、図2,6〜8を参照して説明する。図6は、本実施の形態1にかかる位置ずれ検出処理を示すフローチャートである。また、図7,8は、カプセル型内視鏡3または基準信号アンテナ7からの信号処理を説明するための図である。
【0043】
まず、取得用アンテナ4および基準信号アンテナ7が被検体2に固定された後、受信装置5は、取得用アンテナ4の第1の受信アンテナ41〜第8の受信アンテナ48の各アンテナから基準アンテナ7が出力した基準信号(第1の基準信号)の信号強度を受信する。制御部52は、この受信したそれぞれの信号強度を各アンテナにおける基準値とする(ステップS102)。その後、受信装置5は、取得用アンテナ4を介してカプセル型内視鏡3からの位置検出データを取得する(ステップS104)。
【0044】
ここで、取得用アンテナ4は、図3に示すように、カプセル型内視鏡3から出力された無線信号S1を取得する。なお、この無線信号は、生成された画像データおよび位置検出データを含む送信信号を変調することによって得られる。取得用アンテナ4は、無線信号S1を取得すると、取得した無線信号S1をカプセル型内視鏡3の位置検出データ信号S2として受信装置5に出力する。
【0045】
受信装置5が位置検出データ信号S2を受信すると、制御部52が、基準信号アンテナ7に基準信号を出力させるための制御信号S3を出力する。基準信号アンテナ7は、制御部52の制御のもとで駆動し、制御信号S3を受信することによって、取得用アンテナ4に対して基準信号S4を出力する(ステップS106)。
【0046】
取得用アンテナ4は、それぞれのアンテナで基準信号S4(第2の基準信号)を受信すると、各信号強度をアンテナ位置ずれ測定用データ信号S5として受信装置5に出力する。このとき、取得用アンテナ4は、第1の受信アンテナ41〜第8の受信アンテナ48において、基準信号アンテナ7からの基準信号をそれぞれ受信して、信号強度を取得する(ステップS108)。
【0047】
信号強度を取得後、算出部53は、取得した第1の受信アンテナ41〜第8の受信アンテナ48の各アンテナの信号強度と、被検体2に取得用アンテナ4および基準信号アンテナ7を取り付けた際に取得した第1の受信アンテナ41〜第8の受信アンテナ48の各アンテナの信号強度との差分値を算出する(ステップS110)。
【0048】
その後、制御部52は、差分値をもとに取得用アンテナ4が位置ずれしたか否かを判断する(ステップS112)。このとき、位置ずれの有無は、差分値が、例えば、ゼロであるか否かで判断される。取得用アンテナ4が位置ずれしていない場合は、基準信号アンテナ7から受信する信号強度は、被検体2に取得用アンテナ4および基準信号アンテナ7を取り付けた際の信号強度に対して変化しないため、差分値はゼロとなる。なお、差分値が所定の範囲に含まれる場合に、取得アンテナ4が位置ずれしていないと判断するようにしてもよい。
【0049】
例えば、図7に示すように、取得用アンテナ4がある一方向(図7では上方向)にずれた場合、取得用アンテナ4の各アンテナと基準信号アンテナ7との位置関係が変化する。図7の場合、エレメント部42a,46a,47aは、各エレメント部の重心位置と基準信号アンテナ7との距離が短くなるため、受信する信号の強度が、ずれが生じる前に受信した信号強度より大きくなる。一方、エレメント部41a,43a,44a,45a,48aは、各エレメント部の重心位置と基準信号アンテナ7との距離が長くなるため、受信する信号の強度が、ずれが生じる前に受信した信号強度より小さくなる。取得用アンテナ4のずれ方向は、第1の受信アンテナ41〜第8の受信アンテナ48の信号強度変化から判断することができる。
【0050】
このとき、エレメント部43aとエレメント部44aは、それぞれ重心位置と基準信号アンテナ7と等距離にあるため、各信号強度の差分値が等しくなる。また、エレメント部45aとエレメント部48aは、それぞれ重心位置と基準信号アンテナ7と等距離にあるため、各信号強度の差分値が等しくなる。同様に、エレメント部46aとエレメント部47aは、それぞれ重心位置と基準信号アンテナ7と等距離にあるため、各信号強度の差分値が等しくなる。
【0051】
取得用アンテナ4に位置ずれが生じている場合(ステップS112:Yes)、制御部52は、算出部53に、算出した差分値からずれ量を算出させる(ステップS114)。補正部54は、算出されたずれ量を用いて位置検出データに対して補正を行なう(ステップS116)。なお、算出部53は、第1の受信アンテナ41〜第8の受信アンテナ48における各差分値からそれぞれずれ量を算出し、それらのうちの最大値、最小値または平均値を補正に用いるずれ量としてもよいし、第1の受信アンテナ41〜第8の受信アンテナ48の各差分値のうちの最大値または最小値を用いてずれ量を算出してもよい。
【0052】
位置検出データを補正後、受信装置5は、情報処理装置6に補正した位置検出データを補正位置検出データ信号S6として出力する(ステップS118)。その後、カプセル型内視鏡3から新たな位置検出データを受信した場合(ステップS120:Yes)、制御部52は、ステップS106に移行する。また、制御部52は、カプセル型内視鏡3からの新たな位置検出データがない場合(ステップS120:No)、処理を終了する。
【0053】
一方、ステップS112において、取得用アンテナ4に位置ずれが生じていない場合(ステップS112:No)、制御部52は、ステップS118に移行して、補正を行わずに位置検出データを補正位置検出データ信号S6として情報処理装置6に出力する。
【0054】
本実施の形態1では、上述したステップS106〜S118の処理を繰り返すことによって周期的にカプセル型内視鏡3の位置を検出することができる。カプセル型内視鏡3および基準信号アンテナ7の信号出力のタイミングは、図8に示すように、カプセル型内視鏡3の移動時間に対して交互にオンオフを繰り返す。このとき、制御部52は、取得用アンテナ4が位置検出データを取得する取得動作と、基準信号アンテナ7が位置ずれ測定用データを含む基準信号を出力する出力動作とを異なるタイミングとする制御を行う。ここで、基準信号アンテナ7は、カプセル型内視鏡3から所定回数信号出力があった後に、信号を出力(オン)するようにしてもよい。また、基準信号アンテナ7の信号出力時間は、第1の受信アンテナ41〜第8の受信アンテナ48が信号を取得できる長さであればよい。
【0055】
なお、制御部52は、ステップS112における位置ずれの判断を行わずに、算出部53が算出したずれ量から補正部54が位置検出データの補正を行なうものであってもよい。このとき、ずれ量がゼロであって、補正後の位置検出データに変化がないものであっても、位置検出データが補正されたものとみなして処理を継続する。
【0056】
上述した実施の形態1によれば、基準信号アンテナからの基準信号の信号強度を取得用アンテナで取得し、取得した信号強度を基準値と比較して取得用アンテナの位置ずれを検出するとともに、基準値との差を求めて、その差をもとに取得用アンテナのずれ量を算出するようにしたので、カプセル型内視鏡からの信号を取得する取得用アンテナの位置ずれを補正することで、取得用アンテナの位置が被検体に最初に固定された位置からずれた場合であってもカプセル型内視鏡の位置検出を高精度で維持することができる。
【0057】
なお、本実施の形態1では、受信装置が備える算出部および補正部によって位置検出データの補正を行なうものとして説明したが、情報処理装置が、算出部および補正部、または補正部を備え、受信装置は、取得したカプセル型内視鏡から得られた位置検出データおよび取得用アンテナから得られたアンテナ位置ずれ測定用データ、または取得用アンテナずれ量を含む位置ずれデータを情報処理装置に出力するものであってもよい。
【0058】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2にかかる被検体内導入システムを示す模式図である。図10は、本実施の形態2にかかる被検体内導入システムの構成を示すブロック図である。なお、図1等で上述した被検体内導入システム1と同じ構成要素には同じ符号を付してある。図9に示す被検体内導入システム1aは、上述したカプセル型内視鏡3、取得用アンテナ4および情報処理装置6と、受信装置5と同様、制御部52a、算出部53a、補正部54aおよび記憶部55aを有する受信装置56と、取得用アンテナ4に取り付けられる加速度センサ70と、被検体2の取得用アンテナ4と異なる位置に固定される基準加速度センサ71と、を備える。基準加速度センサ71は、ケーブル57を介して受信装置56に電気的に接続されている。なお、取得用アンテナ4、受信装置56、加速度センサ70および基準加速度センサ71によって受信ユニットを構成する。
【0059】
被検体内導入システム1aでは、加速度センサ70および基準加速度センサ71が、被検体2に対して別個独立に加速度(位置ずれ測定用データおよび基準値データ)を計測する。算出部53aは、加速度センサ70および基準加速度センサ71がそれぞれ計測した加速度の差を算出する。制御部52aは、この差が予め設定した基準値を超えると、取得用アンテナ4に位置ずれが生じたと判断する。また、位置ずれの検出は、加速度の差のほか、加速度センサ70と基準加速度センサ71との移動方向が異なる場合も含まれる。ここで、受信装置56は、加速度センサ70が計測した加速度データおよび/または基準加速度センサ71が計測した基準加速度データを加速度データ信号S7および/または基準加速度データ信号S8として随時取得する。
【0060】
算出部53aは、位置ずれが生じている場合、その加速度の差に応じたずれ量の算出を行う。補正部54aは、算出されたずれ量を、その加速度の情報が得られた時刻に対応して、カプセル型内視鏡3から得られた位置検出データの補正に用いられる。補正部54aによる位置検出データの補正後、受信装置56は、情報処理装置6に補正した位置検出データを補正位置検出データ信号S6として出力する。
【0061】
上述した実施の形態2によれば、取得用アンテナに取り付けられた加速度センサが計測する加速度データを取得し、取得した加速度データを別個取得した基準加速度データと比較して取得用アンテナの位置ずれを検出するとともに、位置ずれ測定用データおよび基準値データ(加速度データおよび基準加速度データ)の差を求めて、その差をもとに取得用アンテナのずれ量を算出するようにしたので、カプセル型内視鏡からの信号を取得する取得用アンテナの位置ずれを補正することで、取得用アンテナの位置が被検体に最初に固定された位置からずれた場合であってもカプセル型内視鏡の位置検出の精度を維持することができ、精度の高い位置検出を行なうことが可能となる。
【0062】
なお、受信装置56が、加速度センサ70および基準加速度センサ71から取得した加速度データを情報処理装置6に出力するようにしてもよい。このとき、情報処理装置6は、受信した加速度データをもとに取得用アンテナ4の位置ずれの検出処理および位置検出データの補正を行う。
【0063】
また、基準加速度センサ71は、取得用アンテナ4の近傍に配設されることが好ましい。基準加速度センサ71を取得用アンテナ4の近傍に配設することによって、被検体2の動きに応じて取得用アンテナ4が受けた影響をより反映させることができる。
【0064】
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3にかかる被検体内導入システムを示す模式図である。図12は、本実施の形態3にかかる被検体内導入システムの構成を示すブロック図である。なお、図1等で上述した被検体内導入システム1と同じ構成要素には同じ符号を付してある。図11に示す被検体内導入システム1bは、上述したカプセル型内視鏡3、取得用アンテナ4および情報処理装置6と、受信装置5と同様の制御部52b、算出部53b、補正部54bおよび記憶部55bを有する受信装置58と、取得用アンテナ4に取り付けられる識別部材72と、被検体2の識別部材72が配設される位置に固定される光学検出器73と、を備える。光学検出器73は、ケーブル59を介して受信装置58に電気的に接続されている。なお、取得用アンテナ4、受信装置58、識別部材72および光学検出器73によって受信ユニットを構成する。
【0065】
被検体内導入システム1bでは、光学検出器73が、取得用アンテナ4に取り付けられた識別部材72を検出することで取得用アンテナ4の位置ずれの検出を行なう。光学検出器73は、光を識別部材72に対して入射し、その反射した光を受光する。ここで、識別部材72は、光学検出器73が出射した光の入射位置に応じて異なる反射光を反射するものであって、例えば、視野領域内において場所ごとに濃淡の度合いが異なるとともに、その濃淡パターンが決められている。
【0066】
算出部53bは、光学検出器73が検出した識別部材72の光学的な濃さである濃淡検出データ(位置ずれ測定用データ)と、取得用アンテナ4が固定され、検出を開始する前に検出した識別部材72の濃さである基準値(基準値データ)との差を用いることによって、取得アンテナ4の位置ずれの検出し、濃淡パターンを参照してずれ量(方向を含む)の算出を行なう。
【0067】
補正部54bは、算出されたずれ量を、その位置ずれ測定用データの情報が得られた時刻に対応して、カプセル型内視鏡3から得られた位置検出データの補正に用いる。ここで、受信装置58は、図12に示したように、取得用アンテナ4から位置検出データ信号S2を受信した後に、光学検出器73に制御信号S3を出力することで光学検出器73から位置ずれ測定用データを含む位置ずれ測定用データ信号S9を取得する。
【0068】
上述した実施の形態3によれば、光学検出器が取得用アンテナに取り付けられた識別部材を読み取り、読み取った識別データを基準となる識別データと比較して取得用アンテナの位置ずれを検出するとともに、位置ずれ測定用データおよび基準値データ(濃淡検出データおよび基準値データ)の差を求めて、その差をもとに取得用アンテナのずれ量を算出するようにしたので、カプセル型内視鏡からの信号を取得する取得用アンテナの位置ずれを補正することで、取得用アンテナの位置が被検体に最初に固定された位置からずれた場合であってもカプセル型内視鏡の位置検出の精度を維持することができ、精度の高い位置検出を行なうことが可能となる。
【0069】
なお、受信装置58が、光学検出器73から取得した検出データを情報処理装置6に出力するようにしてもよい。このとき、情報処理装置6は、受信した検出データをもとに取得用アンテナ4の位置ずれの検出処理および位置検出データの補正を行う。
【0070】
また、識別部材72が色や所定パターンを有するものであって、光学検出器73は識別部材72の画像を撮像するものであってもよい。この場合、算出部53bは、光学検出器73によって取得された画像(位置ずれ測定用データ)の画像処理を行って、検出開始前に撮像した識別部材72の画像(基準値データ)との差異を確認することによって取得用アンテナ4の位置ずれの検出およびずれ量の算出を行う。
【0071】
以上のように、本発明にかかる受信ユニット、情報処理装置および被検体内導入システムは、カプセル型内視鏡からの信号を取得する取得用アンテナの位置ずれを検出し、カプセル型内視鏡の位置検出の精度を維持することに有用である。
【符号の説明】
【0072】
1,1a,1b 被検体内導入システム
2 被検体
3 カプセル型内視鏡
4 取得用アンテナ
5,56,58 受信装置
6 情報処理装置
7 基準信号アンテナ
41 第1の受信アンテナ
42 第2の受信アンテナ
43 第3の受信アンテナ
44 第4の受信アンテナ
45 第5の受信アンテナ
46 第6の受信アンテナ
47 第7の受信アンテナ
48 第8の受信アンテナ
51 アンテナケーブル
52,52a,52b 制御部
53,53a,53b 算出部
54,54a,54b 補正部
55,55a,55b 記憶部
57,59 ケーブル
70 加速度センサ
71 基準加速度センサ
72 識別部材
73 光学検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚のシート上で位置関係が固定された複数の受信アンテナを有し、少なくとも検出対象の位置検出データを取得する取得用アンテナと、
位置ずれ測定用データおよび前記取得用アンテナの位置の基準となる基準値データを出力する出力手段と、
前記出力手段が出力した前記位置ずれ測定用データと前記基準値データとに基づいて前記取得用アンテナのずれ量を算出する算出手段と、
を備えたことを特徴とする受信ユニット。
【請求項2】
前記ずれ量を用いて前記位置検出データの補正を行なう補正手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の受信ユニット。
【請求項3】
前記算出手段は、前記位置ずれ測定用データと前記基準値データとの差を算出し、
前記差をもとに前記取得用アンテナが位置ずれしたか否かを判断し、前記取得用アンテナが位置ずれしていると判断した場合に、前記算出手段に前記ずれ量を算出させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の受信ユニット。
【請求項4】
前記出力手段は、前記取得用アンテナと異なる位置に配設され、前記基準値データを含む第1の基準信号および前記位置ずれ測定用データを含む第2の基準信号を前記取得用アンテナに向けて出力する基準信号アンテナであり、
前記取得用アンテナが、前記第1の基準信号および第2の基準信号を受信して前記基準値データまたは前記位置ずれ測定用データを取得することを特徴とする請求項1に記載の受信ユニット。
【請求項5】
前記出力手段は、
前記取得用アンテナに取り付けられ、前記位置ずれ測定用データとしての加速度データを出力する加速度センサと、
前記基準値データとしての基準加速度データを出力する基準加速度センサと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の受信ユニット。
【請求項6】
前記出力手段は、
光を入射して反射した光を受光する光学検出器と、
前記光学検出器が出射した光の入射位置に応じて異なる反射光を反射する識別部材と、
を有し、
前記光学検出器は、前記反射光に基づいて前記位置ずれ測定用データおよび前記基準値データを出力することを特徴とする請求項1に記載の受信ユニット。
【請求項7】
前記取得用アンテナが前記位置検出データを取得する取得動作と、前記出力手段が前記位置ずれ測定用データを出力する出力動作とを異なるタイミングとする制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の受信ユニット。
【請求項8】
前記複数の受信アンテナは、
平面上の基準点から等距離で、前記基準点を介して対向する位置にそれぞれ配置される第1および第2の受信アンテナと、
前記第1および第2の受信アンテナに対して前記基準点を中心として前記平面内でそれぞれ90度回転した位置に配置される第3および第4の受信アンテナと、
前記第1および第2の受信アンテナより前記平面内の外周側の位置であって、前記第1および第2の受信アンテナに対して前記基準点を中心として前記平面内でそれぞれ45度回転した位置に配置される第5および第6の受信アンテナと、
前記第5および第6の受信アンテナに対して前記基準点を中心として前記平面内でそれぞれ90度回転した位置に配置される第7および第8の受信アンテナと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の受信ユニット。
【請求項9】
検出対象の位置検出データを取得する取得用アンテナを有し、前記取得用アンテナの位置ずれ測定用データおよび前記取得用アンテナの位置の基準となる基準値データを取得する受信ユニットから得られた情報の処理を行う情報処理装置であって、
前記位置ずれ測定用データおよび前記基準値データ、または前記取得用アンテナのずれ量を含む位置ずれデータをもとに前記位置検出データの補正を行なう補正手段を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
前記位置ずれ測定用データと前記基準値データとに基づいて前記ずれ量を算出する算出手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
被検体に導入され、該被検体の内部を移動する被検体内導入装置と、前記被検体内導入装置からの情報を受信する受信ユニットと、前記受信ユニットから得られた情報の処理を行う情報処理装置とを備えた被検体内導入システムであって、
前記受信ユニットに設けられ、1枚のシート上で位置関係が固定された複数の受信アンテナを有し、少なくとも前記被検体内導入装置の位置検出データを取得する取得用アンテナと、
前記受信ユニットに設けられ、位置ずれ測定用データおよび前記取得用アンテナの位置の基準となる基準値データを出力する出力手段と、
前記出力手段が出力した前記位置ずれ測定用データと前記基準値データとに基づいて前記取得用アンテナのずれ量を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記取得用アンテナのずれ量をもとに前記位置検出データの補正を行なう補正手段と、
を備えたことを特徴とする被検体内導入システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate