口腔衛生装置
【課題】光の照射機能および優れた携帯性を有する口腔衛生装置を提供する。
【解決手段】電動歯ブラシは、ブラシ体を有する装置本体と、ブラシ体を覆うキャップ50とを有する。キャップ50は、ブラシ体を殺菌する殺菌装置80と、ブラシ体が配置される内部空間50Aと、内部空間50Aと外部とを互いに連通する通気路60とを有する。通気路60は、殺菌装置80の紫外線が内部空間50Aから漏れることを抑制する漏洩抑制構造を有する。
【解決手段】電動歯ブラシは、ブラシ体を有する装置本体と、ブラシ体を覆うキャップ50とを有する。キャップ50は、ブラシ体を殺菌する殺菌装置80と、ブラシ体が配置される内部空間50Aと、内部空間50Aと外部とを互いに連通する通気路60とを有する。通気路60は、殺菌装置80の紫外線が内部空間50Aから漏れることを抑制する漏洩抑制構造を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生部分を有する装置本体と、衛生部分を覆うキャップとを有する口腔衛生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人の口腔内は、多数の細菌が住み着いている。このため、口腔衛生装置により口腔内をケアしたとき、歯垢および食物滓に加えて多数の細菌が口腔衛生装置の衛生部分に付着する。使用者は、多くの場合、口腔衛生装置の使用後に衛生部分を水洗いする。しかし、水分が付着した状態で長時間にわたり放置された場合、適当な水分および養分が与えられた細菌が繁殖する。
【0003】
特許文献1の携帯用殺菌装置は、細菌の繁殖を抑制するため、口腔衛生装置(歯ブラシ)を収納する本体ケースに殺菌用の光源を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−318566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記携帯用殺菌装置の使用者は、ブリッスル束の殺菌作用が得られる状態で歯ブラシを携帯するためには、本体ケースと歯ブラシと併せて携帯することが必要になる。一方、本体ケースは、歯ブラシを収納するための空間を有するため、歯ブラシよりもサイズが大きい。このため、携帯性の観点からすると改善の余地が残されている。
【0006】
なお、ここでは歯ブラシおよび殺菌用の光源を有する口腔衛生装置の課題について検討したが、殺菌以外の用途を有する光源を有する口腔衛生装置、および歯ブラシとは別の機能を有する口腔衛生装置(例えばステイン除去装置)においても上記の課題は概ね共通する。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、光の照射機能および優れた携帯性を有する口腔衛生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
・本口腔衛生装置は、衛生部分を有する装置本体と、前記衛生部分を覆うキャップとを有し、前記キャップは、前記衛生部分が配置される内部空間と、前記内部空間と外部とを互いに連通する通気路とを有し、前記装置本体および前記キャップの少なくとも一方は、前記内部空間に光を照射する光源を有し、前記通気路は、前記光源の光が前記内部空間から漏れることを抑制する漏洩抑制構造を有することを特徴としている。
【0009】
・上記口腔衛生装置において、前記キャップは、前記光源を有することが好ましい。
・上記口腔衛生装置において、前記光源は、前記キャップの内面において前記衛生部分と対向する箇所に位置することが好ましい。
【0010】
・上記口腔衛生装置において、前記キャップは、前記装置本体の周囲を覆う周壁部分と、前記周壁部分の開口部分を閉塞する閉塞壁部とを有し、前記通気路は、前記閉塞壁部に形成されることが好ましい。
【0011】
・上記口腔衛生装置において、前記閉塞壁部は、前記キャップの長手方向に配列される第1閉塞壁部および第2閉塞壁部を有し、前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部は、前記キャップの長手方向において前記キャップの先端側から前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部の順に位置し、前記第1閉塞壁部は、前記通気路の一方の開口部分としての第1通気孔を有し、前記第2閉塞壁部は、前記通気路の他方の開口部分としての第2通気孔を有することが好ましい。
【0012】
・上記口腔衛生装置において、前記漏洩抑制構造は、前記キャップの長手方向に直交する仮想の平面を基準平面とし、この基準平面に投影される前記第1通気孔の投影図および前記第2通気孔の投影図をそれぞれ第1投影図および第2投影図として、前記第1投影図および前記第2投影図の少なくとも一部分が互いに重なり合わない関係を有することが好ましい。
【0013】
・上記口腔衛生装置において、前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部は、前記キャップの長手方向において空間を介して互いに対向することが好ましい。
・上記口腔衛生装置において、前記第1閉塞壁部は、前記周壁部分と一体的に形成され、前記第2閉塞壁部は、前記周壁部分と別の部品として形成されることが好ましい。
【0014】
・上記口腔衛生装置において、前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部は、前記周壁部分と別の部品として一体的に形成されることが好ましい。
・上記口腔衛生装置において、前記衛生部分は、ブリッスルが植毛されたブラシヘッドを有し、前記装置本体は、歯ブラシとしての構成を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、光の照射機能および優れた携帯性を有する口腔衛生装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態の電動歯ブラシについて、(a)は部分断面構造を示す断面図、(b)は(a)の平面構造を示す平面図、(c)はキャップの上方部分の正面構造を示す正面図。
【図2】第1実施形態の電動歯ブラシの遮光板について、(a)は正面構造を示す正面図、(b)は側面構造を示す側面図、(c)は背面構造を示す背面図。
【図3】第1実施形態の電動歯ブラシについて、図1(a)のA−A平面の断面構造を示す断面図。
【図4】第1実施形態の電動歯ブラシについて、キャップの閉塞壁部および遮光板の斜視構造を示す斜視図。
【図5】第1実施形態の電動歯ブラシのキャップおよび遮光板について、図1(b)のB−B平面の断面構造を示す断面図。
【図6】第1実施形態の電動歯ブラシについて、殺菌装置の斜視構造を示す斜視図。
【図7】第1実施形態の電動歯ブラシについて、通電経路の構成を示す回路図。
【図8】本発明の第2実施形態の電動歯ブラシについて、キャップの閉塞壁部および遮光板の斜視構造を示す斜視図。
【図9】第2実施形態の電動歯ブラシのキャップおよび遮光板について、図1(b)のB−B平面の断面構造を示す断面図。
【図10】本発明の第3実施形態の電動歯ブラシの遮光部材について、(a)は正面構造を示す正面図、(b)は背面構造を示す背面図、(c)は側面構造を示す側面図、(d)は(a)のC−C平面の断面構造を示す断面図、(e)は(b)のD−D平面の断面構造を示す断面図。
【図11】第3実施形態の電動歯ブラシのキャップおよび遮光板について、図1(b)のB−B平面の断面構造を示す断面図。
【図12】本発明の第4実施形態の電動歯ブラシについて、(a)はブラシヘッドおよびその周辺の断面構造を示す断面図、(b)は(a)の一点鎖線円の拡大構造を示す断面図。
【図13】第4実施形態の電動歯ブラシについて、キャップの閉塞壁部および遮光板の斜視構造を示す斜視図。
【図14】第4実施形態の電動歯ブラシのキャップおよび遮光板について、図1(b)のB−B平面の断面構造を示す断面図。
【図15】本発明のその他の実施形態の電動歯ブラシについて、(a)はキャップから閉塞壁部および遮光板を取り外した状態のキャップ本体、閉塞壁部、および遮光板の断面構造を示す断面図、(b)はキャップの断面構造を示す断面図。
【図16】本発明のその他の実施形態の電動歯ブラシのキャップおよび遮光板について、図1(b)のB−B平面の断面構造を示す断面図。
【図17】本発明のその他の実施形態の電動歯ブラシについて、(a)は図1(a)のA−A平面の断面構造を示す断面図、(b)は図1(b)のB−B平面の断面構造を示す断面図。
【図18】本発明のその他の実施形態の電動歯ブラシのキャップについて、(a)は平面構造を示す平面図、(b)は(a)のE−E平面の断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
図1を参照して、電動歯ブラシ1の構成について説明する。
図1(a)に示されるように、電動歯ブラシ1は、使用者が把持する装置本体10と、歯を清掃する複数のブリッスル束40を有するブラシ体30と、ブラシ体30を保護するキャップ50とを有する。ブリッスル束40は、複数のブリッスル41を有する。なお、電動歯ブラシ1は「口腔衛生装置」に相当する。また、ブラシ体30は「衛生部分」に相当する。
【0018】
キャップ50は、装置本体10への取り付けおよび装置本体10からの取り外しが可能な構造を有する。キャップ50は、装置本体10に取り付けられた状態において、ブラシ体30の全体を覆う。
【0019】
ここで、電動歯ブラシ1についての各方向を次のように定義する。
(A)電動歯ブラシ1の長手方向を「軸方向ZA」とする。
(B)電動歯ブラシ1の正面視において軸方向ZAと直交する方向を「幅方向ZB」とする。
(C)軸方向ZAおよび幅方向ZBに直交する方向を「奥行方向ZC」とする。
(D)軸方向ZAにおいて装置本体10からブラシ体30に向かう方向を「上方ZA1」とし、軸方向ZAにおいて上方ZA1とは反対方向を「下方ZA2」とする。
(E)幅方向ZBにおいて電動歯ブラシ1の正面視の左側に向かう方向を「左方ZB1」とし、幅方向ZBにおいて左方ZB1とは反対方向を「右方ZB2」とする。
(F)奥行方向ZCにおいて、ブリッスル41の基端部分から先端部分に向かう方向を「前方ZC1」とし、奥行方向ZCにおいて前方ZC1とは反対方向を「後方ZC2」とする。
【0020】
ブラシ体30は、複数のブリッスル束40と、装置本体10への取り付けおよび装置本体10からの取り外しが可能なブラシ柄31と、複数のブリッスル束40の植毛部分を構成するブラシヘッド32とを有する。またこの他に、各ブリッスル束40が植毛された導電部材33と、導電部材33と電気的に接続された接続ターミナル34とを有する。
【0021】
ブラシ柄31およびブラシヘッド32は、同じ材料により一体の部材として形成されている。導電部材33は、ブラシヘッド32のうちの外面に固定されている。接続ターミナル34は、ブラシ柄31およびブラシヘッド32の内部においてブラシ柄31およびブラシヘッド32に固定されている。
【0022】
ブラシ柄31およびブラシヘッド32の材料としては、非導電性を有する樹脂材料が用いられている。導電部材33の材料としては、導電性を有する樹脂材料が用いられている。接続ターミナル34の材料としては、導電性を有する金属材料が用いられている。各ブリッスル41の材料としては、非導電性を有する樹脂材料が用いられている。
【0023】
装置本体10は、各種の部品を収容する空間を有する本体ケース11と、電動歯ブラシ1の電源となる2次電池12と、ブラシ体30を振動させる振動発生装置13と、振動発生装置13の動作を制御する制御部20とを有する。またこの他に、2次電池12から制御部20への電力の供給および遮断を切り替える電源スイッチ19を有する。2次電池12、振動発生装置13、および制御部20は、本体ケース11の内部に位置する。
【0024】
本体ケース11は、導電性を有する導電ケース18を有する。導電ケース18は、本体ケース11の上方ZA1の部分に位置する。導電ケース18の上端面は、キャップ50と対向する本体ケース11の上端面を形成している。導電ケース18の材料としては、導電性を有する樹脂材料が用いられている。
【0025】
振動発生装置13は、ブラシ体30に振動を伝達する駆動軸14と、軸方向ZAにおいて駆動軸14を振動させる電動モーター15と、駆動軸14を支持する転がり軸受16と、転がり軸受16を支持する軸受支持体17とを有する。
【0026】
駆動軸14は、電動モーター15の出力軸に固定され、かつブラシ柄31の穴に嵌め込まれている。電動モーター15は、本体ケース11に固定されている。電動モーター15としては、出力軸が軸方向ZAに往復駆動するリニアモータが用いられている。転がり軸受16の外輪は、軸受支持体17に固定されている。軸受支持体17は、本体ケース11に固定されている。駆動軸14の材料、転がり軸受16の外輪および転動体の材料、および軸受支持体17の材料としては、金属材料が用いられている。
【0027】
制御部20は、電子部品が実装される回路基板27と、導電ケース18に接続される第1接続端子21と、軸受支持体17に接続される第2接続端子22と、キャップ50が装置本体10に取り付けられたことを検知する磁気センサー23とを有する。第1接続端子21および第2接続端子22は、回路基板27上に固定されている。磁気センサー23は、リード線(図示略)を介して回路基板27と電気的に接続されている。
【0028】
電源スイッチ19としては、押ボタンスイッチが用いられている。電源スイッチ19は、使用者により押し込み操作が行われる毎にオン信号またはオフ信号を制御部20に送信する。
【0029】
キャップ50は、ブラシ体30が配置される内部空間50Aを有するキャップ本体51と、紫外線によりブリッスル束40を殺菌する殺菌装置80と、装置本体10と殺菌装置80とを電気的に接続する導電筒52とを有する。またこの他に、内部空間50Aとキャップ50の外部とを互いに連通する通気路60と、殺菌装置80の紫外線を遮る遮光板70と、殺菌装置80の外側から同装置80を覆うカバー53と、磁気センサー23の検出対象としての磁石54とを有する。なお、遮光板70は「第2閉塞壁部」に相当する。
【0030】
キャップ本体51は、ブラシ体30の周囲を覆う周壁部分51Aと、ブラシ体30を上方ZA1から覆う閉塞壁部51Bと、殺菌装置80が嵌め込まれる取付孔51Cとを有する。閉塞壁部51Bは、キャップ50の内部空間50Aとキャップ50の外部とを互いに連通する通気孔51Dを有する。通気孔51Dは、奥行方向ZCが長手となる長孔として形成されている。なお、閉塞壁部51Bは「第1閉塞壁部」に相当する。また、通気孔51Dは「第1通気孔」に相当する。
【0031】
カバー53は、キャップ本体51の取付孔51Cに固定されている。カバー53の外面は、キャップ本体51の外面の一部を形成している。カバー53の材料としては、キャップ本体51と同じ樹脂材料が用いられている。
【0032】
磁石54は、キャップ本体51の下端部分の内面に固定されている。磁石54の磁束は、キャップ50が装置本体10に取り付けられた状態において、磁気センサー23に鎖交する。磁気センサー23は、磁石54の磁束に応じた出力を制御部20に出力する。
【0033】
殺菌装置80は、奥行方向ZCにおいて空間を介してブリッスル束40と対向する。また、図1(c)に示されるように、ブラシヘッド32の上端部分のブリッスル束40と対向する。
【0034】
遮光板70は、周壁部分51Aのうちの閉塞壁部51Bよりも下方ZA2かつ殺菌装置80よりも上方ZA1の部分に位置する。遮光板70および閉塞壁部51Bは、軸方向ZAにおいて空間62を介して互いに対向する。遮光板70は、キャップ本体51に圧入される。遮光板70の材料としては、紫外線を透過しない黒色のポリエチレンテレフタレートが用いられる。
【0035】
図2に示されるように、遮光板70は、平板状の板本体71と、遮光板70を図1のキャップ本体51に嵌め合わせる取付部分72と、図1の閉塞壁部51Bに対する軸方向ZAの位置を決める位置決め部分73とを有する。板本体71の材料としては、非導電性の樹脂材料が用いられている。
【0036】
板本体71は、導電性を有する導電部分74と、板本体71を軸方向ZAに貫通する2つの通気孔75とを有する。導電部分74の材料としては、導電性の樹脂材料が用いられている。通気孔75は、幅方向ZBにおいて互いに離間する。各通気孔75は、幅方向ZBに対して奥行方向ZCが長手となる長孔として形成されている。なお、通気孔75は「第2通気孔」に相当する。
【0037】
図3に示されるように、各取付部分72は、キャップ本体51の内面に接触する。このため、板本体71の側面は、キャップ本体51に対して隙間61を介して位置する。
図4および図5に示されるように、通気路60は、閉塞壁部51Bの通気孔51Dを通気路60の一方の開口部分とし、遮光板70の各通気孔75を通気路60の他方の開口部分とする空間により形成される。
【0038】
図3に示されるように、二点鎖線により示される通気孔51Dは、2つの通気孔75の幅方向ZBの間に位置する。このため、通気路60は、幅方向ZBおよび奥行方向ZCに沿う平面(以下、「基準平面」)に投影される通気孔51Dの投影図は、基準平面に投影される各通気孔75の投影図に重なり合わない関係を有する。このため、通気路60は、図1の殺菌装置80の紫外線がキャップ50の内部空間50Aからキャップ50の外部に漏れることを抑制する構造(以下、「漏洩抑制構造」)を有する。これにより、殺菌装置80の紫外線は、遮光板70および閉塞壁部51Bにおいて反射するため、殺菌装置80の紫外線は、キャップ50の外部に漏れにくい。
【0039】
図6を参照して、殺菌装置80の詳細な構成について説明する。
殺菌装置80は、殺菌作用を有する紫外線を図1の各ブリッスル束40に照射するLED81と、LED81が実装される回路基板82と、図1の遮光板70および図1の導電筒52と電気的に接続する一対の端子84とを有する。またこの他に、各端子84に回路基板82を固定する固定部材85を有する。LED81としては、チップ型の発光ダイオードが用いられている。なお、LED81は「光源」に相当する。
【0040】
回路基板82は、LED81と各端子84とを電気的に接続する一対の配線部分83と、配線部分83が形成される実装面82Aと、実装面82A上に塗布されたコーティング層とを有する。またこの他に、LED81に過大な電力が供給されることを抑制する保護抵抗86(図7参照)を有する。
【0041】
各端子84は、固定部材85により回路基板82の実装面82Aに固定されている。また、図1のキャップ50内において、導電筒52と接触している。各端子84は、金属板により形成されている。
【0042】
図7を参照して、制御部20の構成について説明する。
制御部20は、2次電池12への電力の供給状態を制御する充放電回路24と、磁気センサー23の出力に基づいて装置本体10に対するキャップ50の取付状態を検出する磁気検出回路25と、LED81の点灯時間を制御するタイマー回路26とを有する。タイマー回路26は、LED81の点灯時間に相当する時間として、キャップ50が装置本体10に取り付けられてからの経過時間(以下、「取付後時間」)をカウントする。
【0043】
電動歯ブラシ1の各部品は、以下の電気的な接続関係を有する。
(A)2次電池12の陽極は、制御部20の第1接続端子21と接続する。
(B)第1接続端子21は、導電ケース18と接続する。
(C)導電ケース18は、導電筒52と接続する。
(D)導電筒52は、殺菌装置80の一方の端子84と接続する。
(E)2次電池12の陰極は、制御部20の第2接続端子22と接続する。
(F)第2接続端子22は、軸受支持体17と接続する。
(G)軸受支持体17は、転がり軸受16と接続する。
(H)転がり軸受16は、駆動軸14と接続する。
(I)駆動軸14は、接続ターミナル34と接続する。
(J)接続ターミナル34は、導電部材33と接続する。
(K)導電部材33は、遮光板70と接続する。
(L)遮光板70は、殺菌装置80の他方の端子84と接続する。
【0044】
電動歯ブラシ1の通電回路について説明する。
電動歯ブラシ1は、キャップ50が装置本体10に取り付けられているとき、殺菌装置80に電力を供給するための通電回路、すなわち図7に示される通電回路を形成する。この通電回路は、キャップ50において通電経路を形成するキャップ通電経路と、ブラシ体30において通電経路を形成するブラシ体通電経路と、装置本体10において通電経路を形成する第1本体通電経路および第2本体通電経路とを有する。
【0045】
各通電経路の構成内容を以下に示す。
(A)キャップ通電経路は、キャップ50の導電筒52と、殺菌装置80内の通電経路と、キャップ50の遮光板70とにより構成されている。
(B)ブラシ体通電経路は、ブラシ体30の接続ターミナル34および導電部材33により構成されている。
(C)第1本体通電経路は、2次電池12の陽極から制御部20の第1接続端子21までの通電経路と、装置本体10の導電ケース18とにより構成されている。
(D)第2本体通電経路は、2次電池12の陰極から制御部20の第2接続端子22までの通電経路、装置本体10の軸受支持体17、転がり軸受16、および駆動軸14により構成されている。
【0046】
通電回路は、2次電池12、制御部20、第1接続端子21、導電ケース18、導電筒52、殺菌装置80、遮光板70、導電部材33、接続ターミナル34、駆動軸14、転がり軸受16、軸受支持体17、第2接続端子22、および制御部20の順に電流を流す。これにより、2次電池12から殺菌装置80に電力が供給される。
【0047】
殺菌装置80の点灯に関する動作を以下に示す。
LED81は、キャップ50が装置本体10に取り付けられたとき、2次電池12から供給された電力により点灯する。また、制御部20により電力の供給が停止されるまで継続して点灯する。
【0048】
制御部20は、磁気センサー23から信号を受信したとき、図7のタイマー回路26により取付後時間のカウントを開始する。そして、取付後時間が所定時間以上のとき、すなわちLED81の点灯時間が所定時間以上のとき、LED81を消灯する。なお、所定時間は、LED81により各ブリッスル束40を十分に殺菌するために必要な時間に相当し、試験等の結果に基づいて予め設定されている。
【0049】
本実施形態の電動歯ブラシ1は、以下の効果を奏する。
(1)電動歯ブラシ1のキャップ50は、ブリッスル束40を殺菌する殺菌装置80を有する。この構成によれば、歯ブラシを収容するためのケースに殺菌装置を有する構成とは異なり、ケースを携帯しなくともブリッスル束40の殺菌効果を得ることが可能になる。すなわち電動歯ブラシ1はブリッスル束40の殺菌作用および優れた携帯性を有する。
【0050】
(2)キャップ50は、キャップ50の内部空間50Aとキャップ50の外部を互いに連通する通気路60を有する。通気路60は、殺菌装置80の紫外線がキャップ50の内部空間50Aからキャップ50の外部に漏れることを抑制する漏洩抑制構造を有する。この構成によれば、キャップ50の内部空間50Aとキャップ50の外部との間に空気が流通するため、ブラシ体30を乾燥させることができる。また、殺菌装置80の紫外線がキャップ50の外部に漏洩することが抑制される。
【0051】
(3)2次電池12は、殺菌装置80の電源を兼ねる。この構成によれば、2次電池12とは別の殺菌装置80の専用の電源を有する構成と比較して、電動歯ブラシ1の部品点数が少なくなる。また、電動歯ブラシ1が軽量化する。
【0052】
(4)電動歯ブラシ1は、キャップ50が装置本体10に取り付けられたとき、殺菌装置80のLED81が点灯する。そして、LED81の点灯状態において、キャップ50が装置本体10から取り外されたとき、LED81が消灯する。この構成によれば、使用者がLED81の光を直接的に見ることが抑制される。
【0053】
(第2実施形態)
図8に示される本実施形態の電動歯ブラシ1は、図1に示される第1実施形態の電動歯ブラシ1との主要な相違点として、次の相違点を有する。すなわち、第1実施形態のキャップ50は、キャップ本体51の閉塞壁部51Bと1つの遮光板70とを有する。一方、本実施形態のキャップ50は、キャップ本体51の閉塞壁部51Bと、2つの遮光板70と、1つの遮光板90とを有する。以下では第1実施形態の電動歯ブラシ1と異なる点の詳細を説明し、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を省略する。
【0054】
遮光板90は、板本体71の幅方向ZBの中央部分に1つの通気孔91を有する。通気孔91は、遮光板70の通気孔75と同形状を有する。遮光板90の材料としては、紫外線を透過しない黒色のポリエチレンテレフタレートが用いられる。
【0055】
2つの遮光板70のうちの閉塞壁部51Bに隣り合う一方の遮光板70の各通気孔75と、他方の遮光板70の各通気孔75は、幅方向ZBに同位置となる。遮光板90の通気孔91は、遮光板70の各通気孔75の幅方向ZBの間に位置する。このため、通気路60は、漏洩抑制構造を有する。これにより、殺菌装置80の紫外線は、一方の遮光板70、他方の遮光板70、遮光板90、および閉塞壁部51Bにおいて反射するため、殺菌装置80の紫外線は、キャップ50の外部に漏れにくい。
【0056】
図9に示されるように、閉塞壁部51B、2つの遮光板70、および遮光板90は、上方ZA1から下方ZA2に向けて、閉塞壁部51B、一方の遮光板70、遮光板90、および他方の遮光板70の順に位置する。一方の遮光板70は、位置決め部分73が閉塞壁部51Bに接触することにより閉塞壁部51Bから下方ZA2に空間63を介して互いに対向する。遮光板90は、位置決め部分73が一方の遮光板70に接触することにより一方の遮光板70から下方ZA2に空間64を介して互いに対向する。他方の遮光板70は、位置決め部分73が遮光板90に接触することにより遮光板90から下方ZA2に空間65を介して互いに対向する。他方の遮光板70は、キャップ本体51のうちの殺菌装置80よりも上方ZA1の部分に位置する。
【0057】
通気路60は、閉塞壁部51Bの通気孔51Dを通気路60の一方の開口部分とし、他方の遮光板70の各通気孔75を通気路60の他方の開口部分とする空間により形成される。なお、閉塞壁部51Bは「第1閉塞壁部」に相当する。また、閉塞壁部51Bの通気孔51Dは「第1通気孔」に相当する。また、他方の遮光板70は「第2閉塞壁部」に相当する。また、他方の遮光板70の通気孔75は「第2通気孔」に相当する。
【0058】
本実施形態の電動歯ブラシ1は、第1実施形態の電動歯ブラシ1の(1)〜(4)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(5)電動歯ブラシ1のキャップ50は、複数の遮光板70,90を有する。通気路60の漏洩抑制構造は、一方の遮光板70の各通気孔75、他方の遮光板70の各通気孔75、遮光板90の通気孔91、および閉塞壁部51Bの通気孔51Dを有する。このため、殺菌装置80の紫外線が通気路60を介してキャップ50の外部に漏洩することを抑制する効果が高くなる。
【0059】
(第3実施形態)
図10に示される本実施形態の電動歯ブラシ1は、図1に示される第1実施形態の電動歯ブラシ1との主要な相違点として、次の相違点を有する。すなわち、第1実施形態のキャップ50は、キャップ本体51の閉塞壁部51Bと遮光板70とを有する。一方、本実施形態のキャップ50は、閉塞壁部51Bおよび遮光板70に代えて、遮光部材100を有する。以下では第1実施形態の電動歯ブラシ1と異なる点の詳細を説明し、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を省略する。
【0060】
遮光部材100は、内部空間106を有する袋状の本体部分101と、遮光部材100を図11のキャップ本体51に取り付ける取付部分102と、導電材料により形成された導電部分103とを有する。またこの他に、本体部分101のうちの導電部分103が形成される正面側の部分に形成された2つの正面側通気孔104と、本体部分101のうちの背面側の部分に形成された1つの背面側通気孔105とを有する。遮光部材100の材料としては、紫外線を透過しない黒色のポリエチレンテレフタレートが用いられる。なお、遮光部材100は「周壁部分の開口部分に取り付けられる閉塞壁部」に相当する。
【0061】
図10(a)および図10(b)に示されるように、遮光部材100の外郭は、図2に示される第1実施形態の遮光板70の外郭と同様の形状を有する。
正面側通気孔104は、本体部分101の幅方向ZBにおいて互いに離間する。各正面側通気孔104は、幅方向ZBに対して奥行方向ZCが長手となる長孔として形成されている。図10(d)に示されるように、正面側通気孔104は、本体部分101の内部空間106と遮光部材100の外部とを互いに連通する。
【0062】
図10(b)に示されるように、本体部分101の幅方向ZBの中央部分に位置する。背面側通気孔105は、幅方向ZBに対して奥行方向ZCが長手となる長孔として形成されている。図10(e)に示されるように、背面側通気孔105は、本体部分101の内部空間106と遮光部材100の外部とを互いに連通する。
【0063】
図11に示されるように、遮光部材100は、キャップ本体51の周壁部分51Aの開口部分に圧入される。本体部分101の正面側の部分は、本体部分101の背面側の部分よりも下方ZA2に位置する。すなわち、正面側通気孔104は、背面側通気孔105よりも下方ZA2に位置する。通気路60は、背面側通気孔105を通気路60の一方の開口部分とし、正面側通気孔104を通気路60の他方の開口部分とする空間により形成される。なお、遮光部材100の本体部分101の背面側の部分は「第1閉塞壁部」に相当する。また、遮光部材100の本体部分101の正面側の部分は「第2閉塞壁部」に相当する。また、背面側通気孔105は「第1通気孔」に相当する。また、正面側通気孔104は「第2通気孔」に相当する。
【0064】
図10(b)に示されるように、背面側通気孔105は、正面側通気孔104の幅方向ZBの間に位置する。このため、通気路60は、基準平面に投影される背面側通気孔105の投影図が基準平面に投影される各正面側通気孔104の投影図に重なり合わない関係を有する。このため、通気路60は、漏洩抑制構造を有する。これにより、殺菌装置80の紫外線は、本体部分101の外面および本体部分101の内部において反射するため、キャップ50の外部に漏れにくい。
【0065】
本実施形態の電動歯ブラシ1は、第1実施形態の電動歯ブラシ1が奏する(1)〜(4)の効果と同様の効果に加え、以下の効果を奏する。
(6)電動歯ブラシ1のキャップ50は、遮光部材100を有する。遮光部材100は、通気路60を有する。この構成によれば、通気路60が遮光部材100の一部品により形成されるため、複数の部品により通気路60を形成する構成と比較して、電動歯ブラシ1の部品点数が少なくなる。
【0066】
(第4実施形態)
図12に示される本実施形態の電動歯ブラシ1は、図1に示される第1実施形態の電動歯ブラシ1との主要な相違点として、次の相違点を有する。すなわち、第1実施形態の電動歯ブラシ1の遮光板70は、通電回路の一部を構成する。一方、本実施形態の電動歯ブラシ1のブリッスル束40は、遮光板70に代えて通電回路の一部を構成する。キャップ50は、第1実施形態の遮光板70に代えて、図8に示される遮光板90を有する。以下では第1実施形態の電動歯ブラシ1と異なる点の詳細を説明し、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を省略する。
【0067】
図12に示されるように、キャップ50は、ブリッスル束40および殺菌装置80の端子84と接触する導電リング55を有する。導電リング55は、キャップ本体51に固定される。導電リング55は、キャップ50のうちのブリッスル束40と奥行方向ZCにおいて対向する部分に位置する。導電筒52は、キャップ本体51のうちのブリッスル束40よりも下方ZA2の部分に固定されている。導電筒52は、殺菌装置80の端子84に接触する。
【0068】
各ブリッスル束40は、複数のブリッスル41と、複数のブリッスル41が互いに溶着された溶着部分44とを有する。図12(b)に示されるように、各ブリッスル41は、導電性を有する芯部42と、非導電性を有する鞘部43とを有する。鞘部43は、芯部42の外周面を被覆する。芯部42の先端部分42Aは、鞘部43よりも前方ZC1に突出する。
【0069】
各ブリッスル束40の各先端部分42Aは、図1の装置本体10にキャップ50が取り付けられたとき、導電リング55の内面に接触する。これにより、図1の2次電池12の陰極および殺菌装置80の他方の端子84は、図1に示される制御部20の第2接続端子22、軸受支持体17、転がり軸受16、駆動軸14、図12に示される接続ターミナル34、導電部材33、ブリッスル束40の芯部42を介して互いに接続される。
【0070】
図13に示されるように、キャップ本体51の閉塞壁部51Bは、第1実施形態の閉塞壁部51Bの通気孔51Dに代えて、2つの通気孔51Eを有する。通気孔51Eは、閉塞壁部51Bの幅方向ZBにおいて互いに離間する。各通気孔51Eは、通気孔51Dと同形状を有する。なお、閉塞壁部51Bは「第1閉塞壁部」に相当する。また、通気孔51Eは「第1通気孔」に相当する。
【0071】
図14に示されるように、遮光板90は、位置決め部分73が閉塞壁部51Bに接触することにより閉塞壁部51Bから下方ZA2に空間66を介して互いに対向する。
通気路60は、閉塞壁部51Bの各通気孔51Eを通気路60の一方の開口部分とし、遮光板90の通気孔91を通気路60の他方の開口部分とする空間により形成される。なお、遮光板90は「第2閉塞壁部」に相当する。また、通気孔91は「第2通気孔」に相当する。
【0072】
遮光板90の通気孔91は、閉塞壁部51Bの通気孔51Eの幅方向ZBの間に位置する。すなわち、通気路60は、基準平面に投影される遮光板90の通気孔91の投影図が基準平面に投影される閉塞壁部51Bの各通気孔51Eの投影図に重なり合わない関係を有する。このため、通気路60は、漏洩抑制構造を有する。これにより、殺菌装置80の紫外線は、遮光板90および閉塞壁部51Bにおいて反射するため、キャップ50の外部に漏れにくい。また、本実施形態の電動歯ブラシ1は、第1実施形態の電動歯ブラシ1が奏する(1)〜(4)の効果と同様の効果を奏する。
【0073】
(その他の実施形態)
本発明は、第1〜第4実施形態とは別の実施形態を含む。以下、本発明のその他の実施形態としての各実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、互いに組み合わせることもできる。
【0074】
・第2実施形態のキャップ50は、2つの遮光板70と、1つの遮光板90とを有する。変形例のキャップ50は、3以上の自然数であるN個の遮光板70と、(N−1)個の遮光板90とを有する。また、別の変形例のキャップ50は、自然数であるM個の遮光板70と、M個の遮光板90とを有する。上記変形例のキャップ50において、遮光板70および遮光板90は、軸方向ZAにおいて交互に配置される。
【0075】
・第3実施形態のキャップ50は、1つの遮光部材100を有する。一方、変形例のキャップ50は、複数の遮光部材100を有する。
・第3実施形態の遮光部材100は、正面側通気孔104が背面側通気孔105よりも下方ZA2に位置する。一方、変形例の遮光部材100は、正面側通気孔104が背面側通気孔105よりも上方ZA1に位置する。本体部分101は、正面側の部分の導電部分103に代えて、背面側の部分に導電部分103を有する。なお、遮光部材100の本体部分101の正面側の部分は「第1閉塞壁部」に相当する。また、遮光部材100の本体部分101の背面側の部分は「第2閉塞壁部」に相当する。また、正面側通気孔104は「第1通気孔」に相当する。また、背面側通気孔105は「第1通気孔」に相当する。
【0076】
・第1、第2、および第4実施形態のキャップ50は、周壁部分51Aおよび閉塞壁部51Bが同じ材料により一体の部材として形成されている。一方、変形例のキャップ50は、図15に示されるように、周壁部分51Aおよび閉塞壁部51Bが個別の部材として形成されている。
【0077】
閉塞壁部51Bは、周壁部分51Aの開口部分に位置する。遮光板70は、周壁部分51Aのうちの閉塞壁部51Bよりも下方ZA2の部分に位置する。なお、閉塞壁部51Bは「第1閉塞壁部」に相当する。また、遮光板70は「第2閉塞壁部」に相当する。また、閉塞壁部51Bの通気孔51Dは「第1通気孔」に相当する。また、遮光板70の各通気孔75は「第2通気孔」に相当する。
【0078】
・第1〜第4実施形態のキャップ50は、遮光板70,90およびキャップ本体51の閉塞壁部51Bが平板状を有している。一方、変形例のキャップ50は、図16に示されるように、キャップ本体51の閉塞壁部51Bから下方ZA2に向けて突出する突起51Fを有する。通気孔51Dは、突起51Fを軸方向ZAに貫通する。遮光板70は、板本体71から上方ZA1に向けて突出する2つの突起76を有する。通気孔75は、突起76を軸方向ZAに貫通する。
【0079】
・第1、第2、および第4実施形態のキャップ50は、キャップ本体51の閉塞壁部51Bと遮光板70との軸方向ZAの間に空間を有する。一方、変形例のキャップ50は、図17(b)に示されるように、キャップ本体51の閉塞壁部51Bと遮光板70との軸方向ZAの間に空間を有していない。遮光板70の板本体71は、閉塞壁部51Bに接触する。また、位置決め部分73を省略している。
【0080】
図17(a)に示されるように、二点鎖線により示される通気孔51Dの一部は、遮光板70の各通気孔75と幅方向ZBに重ならない部分を有する。このため、通気路60は、基準平面に投影される遮光板70の各通気孔75の投影図の一部が基準平面に投影される閉塞壁部51Bの通気孔51Dの投影図の一部に重なり合わない関係を有する。すなわち、通気路60は、漏洩抑制構造を有する。
【0081】
・第1〜第4実施形態の遮光板70,90、および遮光部材100は、紫外線を透過しない黒色のポリエチレンテレフタレートにより形成されている。一方、変形例の遮光板70,90、および遮光部材100は、紫外線を透過しない黒色のポリプロピレンにより形成される。
【0082】
・第1および第4実施形態の通気路60の漏洩抑制構造は、キャップ本体51の閉塞壁部51Bと、遮光板70,90とを有する。一方、変形例の通気路60の漏洩抑制構造は、図18に示されるように、キャップ本体51の閉塞壁部51Bを有する。閉塞壁部51Bは、上方ZA1に向かうにつれて左方ZB1に傾斜する通気孔51Gと、導電性材料により形成された導電部分51Hとを有する。導電部分51Hは、殺菌装置80と図1のブラシ体30の導電部材33とを電気的に接続する。
【0083】
通気孔51Gの下方ZA2の開口部分および通気孔51Gの上方ZA1の開口部分は、幅方向ZBの位置が異なる。このため、通気路60は、基準平面に投影される通気孔51Gの下方ZA2の開口部分の投影図が基準平面に投影される通気孔51Gの上方ZA1の開口部分の投影図に重なり合わない関係を有する。すなわち、通気路60は、漏洩抑制構造を有する。
【0084】
・第1〜第4実施形態の電動歯ブラシ1は、第1本体通電経路を2次電池12の陽極に接続し、かつ第2本体通電経路を2次電池12の陰極に接続している。一方、変形例の電動歯ブラシ1は、第1本体通電経路を2次電池12の陰極に接続し、かつ第2本体通電経路を2次電池12の陽極に接続する。この場合、保護抵抗86はLED81の陽極と遮光板70を互いに電気的に接続する。
【0085】
・第1〜第4実施形態の電動歯ブラシ1は、2次電池12がLED81の電源を兼ねる。一方、変形例の電動歯ブラシ1は、LED81の電源として2次電池12とは別の電源を有する。
【0086】
・第1〜第4実施形態のキャップ50は、装置本体10に直接的に取り付けられる構成を有する。一方、変形例のキャップ50は、ブラシ体30に取り付けられる構成、すなわちブラシ体30を介して間接的に装置本体10に取り付けられる構成を有する。
【0087】
・第1〜第4実施形態の殺菌装置80は、殺菌作用を有する波長の紫外線を照射するLED81を有する。一方、変形例の殺菌装置80は、殺菌作用を有する波長の紫外線を照射する蛍光灯を有する。
【0088】
・第1〜第4実施形態の殺菌装置80は、紫外線を照射するLED81を有する。一方、変形例の殺菌装置80は、紫外線以外の波長の光を照射する光源を有する。この光源の一例としては、歯の清掃時に口腔内を照らすための白色光の波長を照射する光源が挙げられる。
【0089】
・第1〜第4実施形態のLED81は、幅方向ZBにおいて第2通気孔(通気孔75,104,91)と異なる箇所に位置する。一方、変形例のLED81は、幅方向ZBにおいて第2通気孔(通気孔75,104,91)と同じ箇所に位置する。この変形例の電動歯ブラシ1も各実施形態の電動歯ブラシ1と同様の効果を奏する。要するに、各実施形態の効果は、各キャップ50の内部空間50Aに光を照射する位置にLED81を有する構成であれば、各実施形態とは別の位置にLED81を有する構成においても得られる。
【0090】
・第1〜第4実施形態の電動歯ブラシ1は、キャップ50に1つの殺菌装置80を有する。一方、変形例の電動歯ブラシ1は、キャップ50に複数の殺菌装置80を有する。
・第1〜第4実施形態の電動歯ブラシ1は、キャップ50に殺菌装置80を有する。一方、変形例の電動歯ブラシ1は、装置本体10に殺菌装置80を有する。また、別の変形例の電動歯ブラシ1は、キャップ50および装置本体10に殺菌装置80を有する。また、別の変形例の電動歯ブラシ1は、キャップ50および装置本体10の少なくとも一方に加えて、ブラシ体30に殺菌装置を有する。これら変形例の電動歯ブラシ1のうち装置本体10およびブラシ体30に殺菌装置を有する構成は、ブラシ体30のブラシ柄31に殺菌装置80の紫外線を透過させる透光部材を有する。これにより、殺菌装置80の紫外線がブリッスル束40に照射される。
【0091】
・第1〜第4実施形態のブラシ体30は、装置本体10から取り外すことが可能な構成を有する。一方、変形例のブラシ体30は、装置本体と一体化している。
・本発明は、第1〜第4実施形態に例示される電動歯ブラシ1以外の他の口腔衛生装置に適用することもできる。他の口腔衛生装置としては、例えばステインケア装置が挙げられる。要するに、光源を有する口腔衛生装置であれば、いずれの口腔衛生装置に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1…電動歯ブラシ(口腔衛生装置)、10…装置本体、30…ブラシ体(衛生部分)、32…ブラシヘッド、40…ブリッスル束、41…ブリッスル、50…キャップ、50A…内部空間、51A…周壁部分、51B…閉塞壁部(第1閉塞壁部)、51D…通気孔(第1通気孔)、51E…通気孔(第1通気孔)、60…通気路、62…空間、63…空間、64…空間、65…空間、66…空間、70…遮光板(第2閉塞壁部)、75…通気孔(第2通気孔)、80…殺菌装置、81…LED(光源)、90…遮光板、91…通気孔(第2通気孔)、100…遮光部材(閉塞壁部)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生部分を有する装置本体と、衛生部分を覆うキャップとを有する口腔衛生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人の口腔内は、多数の細菌が住み着いている。このため、口腔衛生装置により口腔内をケアしたとき、歯垢および食物滓に加えて多数の細菌が口腔衛生装置の衛生部分に付着する。使用者は、多くの場合、口腔衛生装置の使用後に衛生部分を水洗いする。しかし、水分が付着した状態で長時間にわたり放置された場合、適当な水分および養分が与えられた細菌が繁殖する。
【0003】
特許文献1の携帯用殺菌装置は、細菌の繁殖を抑制するため、口腔衛生装置(歯ブラシ)を収納する本体ケースに殺菌用の光源を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−318566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記携帯用殺菌装置の使用者は、ブリッスル束の殺菌作用が得られる状態で歯ブラシを携帯するためには、本体ケースと歯ブラシと併せて携帯することが必要になる。一方、本体ケースは、歯ブラシを収納するための空間を有するため、歯ブラシよりもサイズが大きい。このため、携帯性の観点からすると改善の余地が残されている。
【0006】
なお、ここでは歯ブラシおよび殺菌用の光源を有する口腔衛生装置の課題について検討したが、殺菌以外の用途を有する光源を有する口腔衛生装置、および歯ブラシとは別の機能を有する口腔衛生装置(例えばステイン除去装置)においても上記の課題は概ね共通する。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、光の照射機能および優れた携帯性を有する口腔衛生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
・本口腔衛生装置は、衛生部分を有する装置本体と、前記衛生部分を覆うキャップとを有し、前記キャップは、前記衛生部分が配置される内部空間と、前記内部空間と外部とを互いに連通する通気路とを有し、前記装置本体および前記キャップの少なくとも一方は、前記内部空間に光を照射する光源を有し、前記通気路は、前記光源の光が前記内部空間から漏れることを抑制する漏洩抑制構造を有することを特徴としている。
【0009】
・上記口腔衛生装置において、前記キャップは、前記光源を有することが好ましい。
・上記口腔衛生装置において、前記光源は、前記キャップの内面において前記衛生部分と対向する箇所に位置することが好ましい。
【0010】
・上記口腔衛生装置において、前記キャップは、前記装置本体の周囲を覆う周壁部分と、前記周壁部分の開口部分を閉塞する閉塞壁部とを有し、前記通気路は、前記閉塞壁部に形成されることが好ましい。
【0011】
・上記口腔衛生装置において、前記閉塞壁部は、前記キャップの長手方向に配列される第1閉塞壁部および第2閉塞壁部を有し、前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部は、前記キャップの長手方向において前記キャップの先端側から前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部の順に位置し、前記第1閉塞壁部は、前記通気路の一方の開口部分としての第1通気孔を有し、前記第2閉塞壁部は、前記通気路の他方の開口部分としての第2通気孔を有することが好ましい。
【0012】
・上記口腔衛生装置において、前記漏洩抑制構造は、前記キャップの長手方向に直交する仮想の平面を基準平面とし、この基準平面に投影される前記第1通気孔の投影図および前記第2通気孔の投影図をそれぞれ第1投影図および第2投影図として、前記第1投影図および前記第2投影図の少なくとも一部分が互いに重なり合わない関係を有することが好ましい。
【0013】
・上記口腔衛生装置において、前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部は、前記キャップの長手方向において空間を介して互いに対向することが好ましい。
・上記口腔衛生装置において、前記第1閉塞壁部は、前記周壁部分と一体的に形成され、前記第2閉塞壁部は、前記周壁部分と別の部品として形成されることが好ましい。
【0014】
・上記口腔衛生装置において、前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部は、前記周壁部分と別の部品として一体的に形成されることが好ましい。
・上記口腔衛生装置において、前記衛生部分は、ブリッスルが植毛されたブラシヘッドを有し、前記装置本体は、歯ブラシとしての構成を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、光の照射機能および優れた携帯性を有する口腔衛生装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態の電動歯ブラシについて、(a)は部分断面構造を示す断面図、(b)は(a)の平面構造を示す平面図、(c)はキャップの上方部分の正面構造を示す正面図。
【図2】第1実施形態の電動歯ブラシの遮光板について、(a)は正面構造を示す正面図、(b)は側面構造を示す側面図、(c)は背面構造を示す背面図。
【図3】第1実施形態の電動歯ブラシについて、図1(a)のA−A平面の断面構造を示す断面図。
【図4】第1実施形態の電動歯ブラシについて、キャップの閉塞壁部および遮光板の斜視構造を示す斜視図。
【図5】第1実施形態の電動歯ブラシのキャップおよび遮光板について、図1(b)のB−B平面の断面構造を示す断面図。
【図6】第1実施形態の電動歯ブラシについて、殺菌装置の斜視構造を示す斜視図。
【図7】第1実施形態の電動歯ブラシについて、通電経路の構成を示す回路図。
【図8】本発明の第2実施形態の電動歯ブラシについて、キャップの閉塞壁部および遮光板の斜視構造を示す斜視図。
【図9】第2実施形態の電動歯ブラシのキャップおよび遮光板について、図1(b)のB−B平面の断面構造を示す断面図。
【図10】本発明の第3実施形態の電動歯ブラシの遮光部材について、(a)は正面構造を示す正面図、(b)は背面構造を示す背面図、(c)は側面構造を示す側面図、(d)は(a)のC−C平面の断面構造を示す断面図、(e)は(b)のD−D平面の断面構造を示す断面図。
【図11】第3実施形態の電動歯ブラシのキャップおよび遮光板について、図1(b)のB−B平面の断面構造を示す断面図。
【図12】本発明の第4実施形態の電動歯ブラシについて、(a)はブラシヘッドおよびその周辺の断面構造を示す断面図、(b)は(a)の一点鎖線円の拡大構造を示す断面図。
【図13】第4実施形態の電動歯ブラシについて、キャップの閉塞壁部および遮光板の斜視構造を示す斜視図。
【図14】第4実施形態の電動歯ブラシのキャップおよび遮光板について、図1(b)のB−B平面の断面構造を示す断面図。
【図15】本発明のその他の実施形態の電動歯ブラシについて、(a)はキャップから閉塞壁部および遮光板を取り外した状態のキャップ本体、閉塞壁部、および遮光板の断面構造を示す断面図、(b)はキャップの断面構造を示す断面図。
【図16】本発明のその他の実施形態の電動歯ブラシのキャップおよび遮光板について、図1(b)のB−B平面の断面構造を示す断面図。
【図17】本発明のその他の実施形態の電動歯ブラシについて、(a)は図1(a)のA−A平面の断面構造を示す断面図、(b)は図1(b)のB−B平面の断面構造を示す断面図。
【図18】本発明のその他の実施形態の電動歯ブラシのキャップについて、(a)は平面構造を示す平面図、(b)は(a)のE−E平面の断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
図1を参照して、電動歯ブラシ1の構成について説明する。
図1(a)に示されるように、電動歯ブラシ1は、使用者が把持する装置本体10と、歯を清掃する複数のブリッスル束40を有するブラシ体30と、ブラシ体30を保護するキャップ50とを有する。ブリッスル束40は、複数のブリッスル41を有する。なお、電動歯ブラシ1は「口腔衛生装置」に相当する。また、ブラシ体30は「衛生部分」に相当する。
【0018】
キャップ50は、装置本体10への取り付けおよび装置本体10からの取り外しが可能な構造を有する。キャップ50は、装置本体10に取り付けられた状態において、ブラシ体30の全体を覆う。
【0019】
ここで、電動歯ブラシ1についての各方向を次のように定義する。
(A)電動歯ブラシ1の長手方向を「軸方向ZA」とする。
(B)電動歯ブラシ1の正面視において軸方向ZAと直交する方向を「幅方向ZB」とする。
(C)軸方向ZAおよび幅方向ZBに直交する方向を「奥行方向ZC」とする。
(D)軸方向ZAにおいて装置本体10からブラシ体30に向かう方向を「上方ZA1」とし、軸方向ZAにおいて上方ZA1とは反対方向を「下方ZA2」とする。
(E)幅方向ZBにおいて電動歯ブラシ1の正面視の左側に向かう方向を「左方ZB1」とし、幅方向ZBにおいて左方ZB1とは反対方向を「右方ZB2」とする。
(F)奥行方向ZCにおいて、ブリッスル41の基端部分から先端部分に向かう方向を「前方ZC1」とし、奥行方向ZCにおいて前方ZC1とは反対方向を「後方ZC2」とする。
【0020】
ブラシ体30は、複数のブリッスル束40と、装置本体10への取り付けおよび装置本体10からの取り外しが可能なブラシ柄31と、複数のブリッスル束40の植毛部分を構成するブラシヘッド32とを有する。またこの他に、各ブリッスル束40が植毛された導電部材33と、導電部材33と電気的に接続された接続ターミナル34とを有する。
【0021】
ブラシ柄31およびブラシヘッド32は、同じ材料により一体の部材として形成されている。導電部材33は、ブラシヘッド32のうちの外面に固定されている。接続ターミナル34は、ブラシ柄31およびブラシヘッド32の内部においてブラシ柄31およびブラシヘッド32に固定されている。
【0022】
ブラシ柄31およびブラシヘッド32の材料としては、非導電性を有する樹脂材料が用いられている。導電部材33の材料としては、導電性を有する樹脂材料が用いられている。接続ターミナル34の材料としては、導電性を有する金属材料が用いられている。各ブリッスル41の材料としては、非導電性を有する樹脂材料が用いられている。
【0023】
装置本体10は、各種の部品を収容する空間を有する本体ケース11と、電動歯ブラシ1の電源となる2次電池12と、ブラシ体30を振動させる振動発生装置13と、振動発生装置13の動作を制御する制御部20とを有する。またこの他に、2次電池12から制御部20への電力の供給および遮断を切り替える電源スイッチ19を有する。2次電池12、振動発生装置13、および制御部20は、本体ケース11の内部に位置する。
【0024】
本体ケース11は、導電性を有する導電ケース18を有する。導電ケース18は、本体ケース11の上方ZA1の部分に位置する。導電ケース18の上端面は、キャップ50と対向する本体ケース11の上端面を形成している。導電ケース18の材料としては、導電性を有する樹脂材料が用いられている。
【0025】
振動発生装置13は、ブラシ体30に振動を伝達する駆動軸14と、軸方向ZAにおいて駆動軸14を振動させる電動モーター15と、駆動軸14を支持する転がり軸受16と、転がり軸受16を支持する軸受支持体17とを有する。
【0026】
駆動軸14は、電動モーター15の出力軸に固定され、かつブラシ柄31の穴に嵌め込まれている。電動モーター15は、本体ケース11に固定されている。電動モーター15としては、出力軸が軸方向ZAに往復駆動するリニアモータが用いられている。転がり軸受16の外輪は、軸受支持体17に固定されている。軸受支持体17は、本体ケース11に固定されている。駆動軸14の材料、転がり軸受16の外輪および転動体の材料、および軸受支持体17の材料としては、金属材料が用いられている。
【0027】
制御部20は、電子部品が実装される回路基板27と、導電ケース18に接続される第1接続端子21と、軸受支持体17に接続される第2接続端子22と、キャップ50が装置本体10に取り付けられたことを検知する磁気センサー23とを有する。第1接続端子21および第2接続端子22は、回路基板27上に固定されている。磁気センサー23は、リード線(図示略)を介して回路基板27と電気的に接続されている。
【0028】
電源スイッチ19としては、押ボタンスイッチが用いられている。電源スイッチ19は、使用者により押し込み操作が行われる毎にオン信号またはオフ信号を制御部20に送信する。
【0029】
キャップ50は、ブラシ体30が配置される内部空間50Aを有するキャップ本体51と、紫外線によりブリッスル束40を殺菌する殺菌装置80と、装置本体10と殺菌装置80とを電気的に接続する導電筒52とを有する。またこの他に、内部空間50Aとキャップ50の外部とを互いに連通する通気路60と、殺菌装置80の紫外線を遮る遮光板70と、殺菌装置80の外側から同装置80を覆うカバー53と、磁気センサー23の検出対象としての磁石54とを有する。なお、遮光板70は「第2閉塞壁部」に相当する。
【0030】
キャップ本体51は、ブラシ体30の周囲を覆う周壁部分51Aと、ブラシ体30を上方ZA1から覆う閉塞壁部51Bと、殺菌装置80が嵌め込まれる取付孔51Cとを有する。閉塞壁部51Bは、キャップ50の内部空間50Aとキャップ50の外部とを互いに連通する通気孔51Dを有する。通気孔51Dは、奥行方向ZCが長手となる長孔として形成されている。なお、閉塞壁部51Bは「第1閉塞壁部」に相当する。また、通気孔51Dは「第1通気孔」に相当する。
【0031】
カバー53は、キャップ本体51の取付孔51Cに固定されている。カバー53の外面は、キャップ本体51の外面の一部を形成している。カバー53の材料としては、キャップ本体51と同じ樹脂材料が用いられている。
【0032】
磁石54は、キャップ本体51の下端部分の内面に固定されている。磁石54の磁束は、キャップ50が装置本体10に取り付けられた状態において、磁気センサー23に鎖交する。磁気センサー23は、磁石54の磁束に応じた出力を制御部20に出力する。
【0033】
殺菌装置80は、奥行方向ZCにおいて空間を介してブリッスル束40と対向する。また、図1(c)に示されるように、ブラシヘッド32の上端部分のブリッスル束40と対向する。
【0034】
遮光板70は、周壁部分51Aのうちの閉塞壁部51Bよりも下方ZA2かつ殺菌装置80よりも上方ZA1の部分に位置する。遮光板70および閉塞壁部51Bは、軸方向ZAにおいて空間62を介して互いに対向する。遮光板70は、キャップ本体51に圧入される。遮光板70の材料としては、紫外線を透過しない黒色のポリエチレンテレフタレートが用いられる。
【0035】
図2に示されるように、遮光板70は、平板状の板本体71と、遮光板70を図1のキャップ本体51に嵌め合わせる取付部分72と、図1の閉塞壁部51Bに対する軸方向ZAの位置を決める位置決め部分73とを有する。板本体71の材料としては、非導電性の樹脂材料が用いられている。
【0036】
板本体71は、導電性を有する導電部分74と、板本体71を軸方向ZAに貫通する2つの通気孔75とを有する。導電部分74の材料としては、導電性の樹脂材料が用いられている。通気孔75は、幅方向ZBにおいて互いに離間する。各通気孔75は、幅方向ZBに対して奥行方向ZCが長手となる長孔として形成されている。なお、通気孔75は「第2通気孔」に相当する。
【0037】
図3に示されるように、各取付部分72は、キャップ本体51の内面に接触する。このため、板本体71の側面は、キャップ本体51に対して隙間61を介して位置する。
図4および図5に示されるように、通気路60は、閉塞壁部51Bの通気孔51Dを通気路60の一方の開口部分とし、遮光板70の各通気孔75を通気路60の他方の開口部分とする空間により形成される。
【0038】
図3に示されるように、二点鎖線により示される通気孔51Dは、2つの通気孔75の幅方向ZBの間に位置する。このため、通気路60は、幅方向ZBおよび奥行方向ZCに沿う平面(以下、「基準平面」)に投影される通気孔51Dの投影図は、基準平面に投影される各通気孔75の投影図に重なり合わない関係を有する。このため、通気路60は、図1の殺菌装置80の紫外線がキャップ50の内部空間50Aからキャップ50の外部に漏れることを抑制する構造(以下、「漏洩抑制構造」)を有する。これにより、殺菌装置80の紫外線は、遮光板70および閉塞壁部51Bにおいて反射するため、殺菌装置80の紫外線は、キャップ50の外部に漏れにくい。
【0039】
図6を参照して、殺菌装置80の詳細な構成について説明する。
殺菌装置80は、殺菌作用を有する紫外線を図1の各ブリッスル束40に照射するLED81と、LED81が実装される回路基板82と、図1の遮光板70および図1の導電筒52と電気的に接続する一対の端子84とを有する。またこの他に、各端子84に回路基板82を固定する固定部材85を有する。LED81としては、チップ型の発光ダイオードが用いられている。なお、LED81は「光源」に相当する。
【0040】
回路基板82は、LED81と各端子84とを電気的に接続する一対の配線部分83と、配線部分83が形成される実装面82Aと、実装面82A上に塗布されたコーティング層とを有する。またこの他に、LED81に過大な電力が供給されることを抑制する保護抵抗86(図7参照)を有する。
【0041】
各端子84は、固定部材85により回路基板82の実装面82Aに固定されている。また、図1のキャップ50内において、導電筒52と接触している。各端子84は、金属板により形成されている。
【0042】
図7を参照して、制御部20の構成について説明する。
制御部20は、2次電池12への電力の供給状態を制御する充放電回路24と、磁気センサー23の出力に基づいて装置本体10に対するキャップ50の取付状態を検出する磁気検出回路25と、LED81の点灯時間を制御するタイマー回路26とを有する。タイマー回路26は、LED81の点灯時間に相当する時間として、キャップ50が装置本体10に取り付けられてからの経過時間(以下、「取付後時間」)をカウントする。
【0043】
電動歯ブラシ1の各部品は、以下の電気的な接続関係を有する。
(A)2次電池12の陽極は、制御部20の第1接続端子21と接続する。
(B)第1接続端子21は、導電ケース18と接続する。
(C)導電ケース18は、導電筒52と接続する。
(D)導電筒52は、殺菌装置80の一方の端子84と接続する。
(E)2次電池12の陰極は、制御部20の第2接続端子22と接続する。
(F)第2接続端子22は、軸受支持体17と接続する。
(G)軸受支持体17は、転がり軸受16と接続する。
(H)転がり軸受16は、駆動軸14と接続する。
(I)駆動軸14は、接続ターミナル34と接続する。
(J)接続ターミナル34は、導電部材33と接続する。
(K)導電部材33は、遮光板70と接続する。
(L)遮光板70は、殺菌装置80の他方の端子84と接続する。
【0044】
電動歯ブラシ1の通電回路について説明する。
電動歯ブラシ1は、キャップ50が装置本体10に取り付けられているとき、殺菌装置80に電力を供給するための通電回路、すなわち図7に示される通電回路を形成する。この通電回路は、キャップ50において通電経路を形成するキャップ通電経路と、ブラシ体30において通電経路を形成するブラシ体通電経路と、装置本体10において通電経路を形成する第1本体通電経路および第2本体通電経路とを有する。
【0045】
各通電経路の構成内容を以下に示す。
(A)キャップ通電経路は、キャップ50の導電筒52と、殺菌装置80内の通電経路と、キャップ50の遮光板70とにより構成されている。
(B)ブラシ体通電経路は、ブラシ体30の接続ターミナル34および導電部材33により構成されている。
(C)第1本体通電経路は、2次電池12の陽極から制御部20の第1接続端子21までの通電経路と、装置本体10の導電ケース18とにより構成されている。
(D)第2本体通電経路は、2次電池12の陰極から制御部20の第2接続端子22までの通電経路、装置本体10の軸受支持体17、転がり軸受16、および駆動軸14により構成されている。
【0046】
通電回路は、2次電池12、制御部20、第1接続端子21、導電ケース18、導電筒52、殺菌装置80、遮光板70、導電部材33、接続ターミナル34、駆動軸14、転がり軸受16、軸受支持体17、第2接続端子22、および制御部20の順に電流を流す。これにより、2次電池12から殺菌装置80に電力が供給される。
【0047】
殺菌装置80の点灯に関する動作を以下に示す。
LED81は、キャップ50が装置本体10に取り付けられたとき、2次電池12から供給された電力により点灯する。また、制御部20により電力の供給が停止されるまで継続して点灯する。
【0048】
制御部20は、磁気センサー23から信号を受信したとき、図7のタイマー回路26により取付後時間のカウントを開始する。そして、取付後時間が所定時間以上のとき、すなわちLED81の点灯時間が所定時間以上のとき、LED81を消灯する。なお、所定時間は、LED81により各ブリッスル束40を十分に殺菌するために必要な時間に相当し、試験等の結果に基づいて予め設定されている。
【0049】
本実施形態の電動歯ブラシ1は、以下の効果を奏する。
(1)電動歯ブラシ1のキャップ50は、ブリッスル束40を殺菌する殺菌装置80を有する。この構成によれば、歯ブラシを収容するためのケースに殺菌装置を有する構成とは異なり、ケースを携帯しなくともブリッスル束40の殺菌効果を得ることが可能になる。すなわち電動歯ブラシ1はブリッスル束40の殺菌作用および優れた携帯性を有する。
【0050】
(2)キャップ50は、キャップ50の内部空間50Aとキャップ50の外部を互いに連通する通気路60を有する。通気路60は、殺菌装置80の紫外線がキャップ50の内部空間50Aからキャップ50の外部に漏れることを抑制する漏洩抑制構造を有する。この構成によれば、キャップ50の内部空間50Aとキャップ50の外部との間に空気が流通するため、ブラシ体30を乾燥させることができる。また、殺菌装置80の紫外線がキャップ50の外部に漏洩することが抑制される。
【0051】
(3)2次電池12は、殺菌装置80の電源を兼ねる。この構成によれば、2次電池12とは別の殺菌装置80の専用の電源を有する構成と比較して、電動歯ブラシ1の部品点数が少なくなる。また、電動歯ブラシ1が軽量化する。
【0052】
(4)電動歯ブラシ1は、キャップ50が装置本体10に取り付けられたとき、殺菌装置80のLED81が点灯する。そして、LED81の点灯状態において、キャップ50が装置本体10から取り外されたとき、LED81が消灯する。この構成によれば、使用者がLED81の光を直接的に見ることが抑制される。
【0053】
(第2実施形態)
図8に示される本実施形態の電動歯ブラシ1は、図1に示される第1実施形態の電動歯ブラシ1との主要な相違点として、次の相違点を有する。すなわち、第1実施形態のキャップ50は、キャップ本体51の閉塞壁部51Bと1つの遮光板70とを有する。一方、本実施形態のキャップ50は、キャップ本体51の閉塞壁部51Bと、2つの遮光板70と、1つの遮光板90とを有する。以下では第1実施形態の電動歯ブラシ1と異なる点の詳細を説明し、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を省略する。
【0054】
遮光板90は、板本体71の幅方向ZBの中央部分に1つの通気孔91を有する。通気孔91は、遮光板70の通気孔75と同形状を有する。遮光板90の材料としては、紫外線を透過しない黒色のポリエチレンテレフタレートが用いられる。
【0055】
2つの遮光板70のうちの閉塞壁部51Bに隣り合う一方の遮光板70の各通気孔75と、他方の遮光板70の各通気孔75は、幅方向ZBに同位置となる。遮光板90の通気孔91は、遮光板70の各通気孔75の幅方向ZBの間に位置する。このため、通気路60は、漏洩抑制構造を有する。これにより、殺菌装置80の紫外線は、一方の遮光板70、他方の遮光板70、遮光板90、および閉塞壁部51Bにおいて反射するため、殺菌装置80の紫外線は、キャップ50の外部に漏れにくい。
【0056】
図9に示されるように、閉塞壁部51B、2つの遮光板70、および遮光板90は、上方ZA1から下方ZA2に向けて、閉塞壁部51B、一方の遮光板70、遮光板90、および他方の遮光板70の順に位置する。一方の遮光板70は、位置決め部分73が閉塞壁部51Bに接触することにより閉塞壁部51Bから下方ZA2に空間63を介して互いに対向する。遮光板90は、位置決め部分73が一方の遮光板70に接触することにより一方の遮光板70から下方ZA2に空間64を介して互いに対向する。他方の遮光板70は、位置決め部分73が遮光板90に接触することにより遮光板90から下方ZA2に空間65を介して互いに対向する。他方の遮光板70は、キャップ本体51のうちの殺菌装置80よりも上方ZA1の部分に位置する。
【0057】
通気路60は、閉塞壁部51Bの通気孔51Dを通気路60の一方の開口部分とし、他方の遮光板70の各通気孔75を通気路60の他方の開口部分とする空間により形成される。なお、閉塞壁部51Bは「第1閉塞壁部」に相当する。また、閉塞壁部51Bの通気孔51Dは「第1通気孔」に相当する。また、他方の遮光板70は「第2閉塞壁部」に相当する。また、他方の遮光板70の通気孔75は「第2通気孔」に相当する。
【0058】
本実施形態の電動歯ブラシ1は、第1実施形態の電動歯ブラシ1の(1)〜(4)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(5)電動歯ブラシ1のキャップ50は、複数の遮光板70,90を有する。通気路60の漏洩抑制構造は、一方の遮光板70の各通気孔75、他方の遮光板70の各通気孔75、遮光板90の通気孔91、および閉塞壁部51Bの通気孔51Dを有する。このため、殺菌装置80の紫外線が通気路60を介してキャップ50の外部に漏洩することを抑制する効果が高くなる。
【0059】
(第3実施形態)
図10に示される本実施形態の電動歯ブラシ1は、図1に示される第1実施形態の電動歯ブラシ1との主要な相違点として、次の相違点を有する。すなわち、第1実施形態のキャップ50は、キャップ本体51の閉塞壁部51Bと遮光板70とを有する。一方、本実施形態のキャップ50は、閉塞壁部51Bおよび遮光板70に代えて、遮光部材100を有する。以下では第1実施形態の電動歯ブラシ1と異なる点の詳細を説明し、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を省略する。
【0060】
遮光部材100は、内部空間106を有する袋状の本体部分101と、遮光部材100を図11のキャップ本体51に取り付ける取付部分102と、導電材料により形成された導電部分103とを有する。またこの他に、本体部分101のうちの導電部分103が形成される正面側の部分に形成された2つの正面側通気孔104と、本体部分101のうちの背面側の部分に形成された1つの背面側通気孔105とを有する。遮光部材100の材料としては、紫外線を透過しない黒色のポリエチレンテレフタレートが用いられる。なお、遮光部材100は「周壁部分の開口部分に取り付けられる閉塞壁部」に相当する。
【0061】
図10(a)および図10(b)に示されるように、遮光部材100の外郭は、図2に示される第1実施形態の遮光板70の外郭と同様の形状を有する。
正面側通気孔104は、本体部分101の幅方向ZBにおいて互いに離間する。各正面側通気孔104は、幅方向ZBに対して奥行方向ZCが長手となる長孔として形成されている。図10(d)に示されるように、正面側通気孔104は、本体部分101の内部空間106と遮光部材100の外部とを互いに連通する。
【0062】
図10(b)に示されるように、本体部分101の幅方向ZBの中央部分に位置する。背面側通気孔105は、幅方向ZBに対して奥行方向ZCが長手となる長孔として形成されている。図10(e)に示されるように、背面側通気孔105は、本体部分101の内部空間106と遮光部材100の外部とを互いに連通する。
【0063】
図11に示されるように、遮光部材100は、キャップ本体51の周壁部分51Aの開口部分に圧入される。本体部分101の正面側の部分は、本体部分101の背面側の部分よりも下方ZA2に位置する。すなわち、正面側通気孔104は、背面側通気孔105よりも下方ZA2に位置する。通気路60は、背面側通気孔105を通気路60の一方の開口部分とし、正面側通気孔104を通気路60の他方の開口部分とする空間により形成される。なお、遮光部材100の本体部分101の背面側の部分は「第1閉塞壁部」に相当する。また、遮光部材100の本体部分101の正面側の部分は「第2閉塞壁部」に相当する。また、背面側通気孔105は「第1通気孔」に相当する。また、正面側通気孔104は「第2通気孔」に相当する。
【0064】
図10(b)に示されるように、背面側通気孔105は、正面側通気孔104の幅方向ZBの間に位置する。このため、通気路60は、基準平面に投影される背面側通気孔105の投影図が基準平面に投影される各正面側通気孔104の投影図に重なり合わない関係を有する。このため、通気路60は、漏洩抑制構造を有する。これにより、殺菌装置80の紫外線は、本体部分101の外面および本体部分101の内部において反射するため、キャップ50の外部に漏れにくい。
【0065】
本実施形態の電動歯ブラシ1は、第1実施形態の電動歯ブラシ1が奏する(1)〜(4)の効果と同様の効果に加え、以下の効果を奏する。
(6)電動歯ブラシ1のキャップ50は、遮光部材100を有する。遮光部材100は、通気路60を有する。この構成によれば、通気路60が遮光部材100の一部品により形成されるため、複数の部品により通気路60を形成する構成と比較して、電動歯ブラシ1の部品点数が少なくなる。
【0066】
(第4実施形態)
図12に示される本実施形態の電動歯ブラシ1は、図1に示される第1実施形態の電動歯ブラシ1との主要な相違点として、次の相違点を有する。すなわち、第1実施形態の電動歯ブラシ1の遮光板70は、通電回路の一部を構成する。一方、本実施形態の電動歯ブラシ1のブリッスル束40は、遮光板70に代えて通電回路の一部を構成する。キャップ50は、第1実施形態の遮光板70に代えて、図8に示される遮光板90を有する。以下では第1実施形態の電動歯ブラシ1と異なる点の詳細を説明し、同実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を省略する。
【0067】
図12に示されるように、キャップ50は、ブリッスル束40および殺菌装置80の端子84と接触する導電リング55を有する。導電リング55は、キャップ本体51に固定される。導電リング55は、キャップ50のうちのブリッスル束40と奥行方向ZCにおいて対向する部分に位置する。導電筒52は、キャップ本体51のうちのブリッスル束40よりも下方ZA2の部分に固定されている。導電筒52は、殺菌装置80の端子84に接触する。
【0068】
各ブリッスル束40は、複数のブリッスル41と、複数のブリッスル41が互いに溶着された溶着部分44とを有する。図12(b)に示されるように、各ブリッスル41は、導電性を有する芯部42と、非導電性を有する鞘部43とを有する。鞘部43は、芯部42の外周面を被覆する。芯部42の先端部分42Aは、鞘部43よりも前方ZC1に突出する。
【0069】
各ブリッスル束40の各先端部分42Aは、図1の装置本体10にキャップ50が取り付けられたとき、導電リング55の内面に接触する。これにより、図1の2次電池12の陰極および殺菌装置80の他方の端子84は、図1に示される制御部20の第2接続端子22、軸受支持体17、転がり軸受16、駆動軸14、図12に示される接続ターミナル34、導電部材33、ブリッスル束40の芯部42を介して互いに接続される。
【0070】
図13に示されるように、キャップ本体51の閉塞壁部51Bは、第1実施形態の閉塞壁部51Bの通気孔51Dに代えて、2つの通気孔51Eを有する。通気孔51Eは、閉塞壁部51Bの幅方向ZBにおいて互いに離間する。各通気孔51Eは、通気孔51Dと同形状を有する。なお、閉塞壁部51Bは「第1閉塞壁部」に相当する。また、通気孔51Eは「第1通気孔」に相当する。
【0071】
図14に示されるように、遮光板90は、位置決め部分73が閉塞壁部51Bに接触することにより閉塞壁部51Bから下方ZA2に空間66を介して互いに対向する。
通気路60は、閉塞壁部51Bの各通気孔51Eを通気路60の一方の開口部分とし、遮光板90の通気孔91を通気路60の他方の開口部分とする空間により形成される。なお、遮光板90は「第2閉塞壁部」に相当する。また、通気孔91は「第2通気孔」に相当する。
【0072】
遮光板90の通気孔91は、閉塞壁部51Bの通気孔51Eの幅方向ZBの間に位置する。すなわち、通気路60は、基準平面に投影される遮光板90の通気孔91の投影図が基準平面に投影される閉塞壁部51Bの各通気孔51Eの投影図に重なり合わない関係を有する。このため、通気路60は、漏洩抑制構造を有する。これにより、殺菌装置80の紫外線は、遮光板90および閉塞壁部51Bにおいて反射するため、キャップ50の外部に漏れにくい。また、本実施形態の電動歯ブラシ1は、第1実施形態の電動歯ブラシ1が奏する(1)〜(4)の効果と同様の効果を奏する。
【0073】
(その他の実施形態)
本発明は、第1〜第4実施形態とは別の実施形態を含む。以下、本発明のその他の実施形態としての各実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、互いに組み合わせることもできる。
【0074】
・第2実施形態のキャップ50は、2つの遮光板70と、1つの遮光板90とを有する。変形例のキャップ50は、3以上の自然数であるN個の遮光板70と、(N−1)個の遮光板90とを有する。また、別の変形例のキャップ50は、自然数であるM個の遮光板70と、M個の遮光板90とを有する。上記変形例のキャップ50において、遮光板70および遮光板90は、軸方向ZAにおいて交互に配置される。
【0075】
・第3実施形態のキャップ50は、1つの遮光部材100を有する。一方、変形例のキャップ50は、複数の遮光部材100を有する。
・第3実施形態の遮光部材100は、正面側通気孔104が背面側通気孔105よりも下方ZA2に位置する。一方、変形例の遮光部材100は、正面側通気孔104が背面側通気孔105よりも上方ZA1に位置する。本体部分101は、正面側の部分の導電部分103に代えて、背面側の部分に導電部分103を有する。なお、遮光部材100の本体部分101の正面側の部分は「第1閉塞壁部」に相当する。また、遮光部材100の本体部分101の背面側の部分は「第2閉塞壁部」に相当する。また、正面側通気孔104は「第1通気孔」に相当する。また、背面側通気孔105は「第1通気孔」に相当する。
【0076】
・第1、第2、および第4実施形態のキャップ50は、周壁部分51Aおよび閉塞壁部51Bが同じ材料により一体の部材として形成されている。一方、変形例のキャップ50は、図15に示されるように、周壁部分51Aおよび閉塞壁部51Bが個別の部材として形成されている。
【0077】
閉塞壁部51Bは、周壁部分51Aの開口部分に位置する。遮光板70は、周壁部分51Aのうちの閉塞壁部51Bよりも下方ZA2の部分に位置する。なお、閉塞壁部51Bは「第1閉塞壁部」に相当する。また、遮光板70は「第2閉塞壁部」に相当する。また、閉塞壁部51Bの通気孔51Dは「第1通気孔」に相当する。また、遮光板70の各通気孔75は「第2通気孔」に相当する。
【0078】
・第1〜第4実施形態のキャップ50は、遮光板70,90およびキャップ本体51の閉塞壁部51Bが平板状を有している。一方、変形例のキャップ50は、図16に示されるように、キャップ本体51の閉塞壁部51Bから下方ZA2に向けて突出する突起51Fを有する。通気孔51Dは、突起51Fを軸方向ZAに貫通する。遮光板70は、板本体71から上方ZA1に向けて突出する2つの突起76を有する。通気孔75は、突起76を軸方向ZAに貫通する。
【0079】
・第1、第2、および第4実施形態のキャップ50は、キャップ本体51の閉塞壁部51Bと遮光板70との軸方向ZAの間に空間を有する。一方、変形例のキャップ50は、図17(b)に示されるように、キャップ本体51の閉塞壁部51Bと遮光板70との軸方向ZAの間に空間を有していない。遮光板70の板本体71は、閉塞壁部51Bに接触する。また、位置決め部分73を省略している。
【0080】
図17(a)に示されるように、二点鎖線により示される通気孔51Dの一部は、遮光板70の各通気孔75と幅方向ZBに重ならない部分を有する。このため、通気路60は、基準平面に投影される遮光板70の各通気孔75の投影図の一部が基準平面に投影される閉塞壁部51Bの通気孔51Dの投影図の一部に重なり合わない関係を有する。すなわち、通気路60は、漏洩抑制構造を有する。
【0081】
・第1〜第4実施形態の遮光板70,90、および遮光部材100は、紫外線を透過しない黒色のポリエチレンテレフタレートにより形成されている。一方、変形例の遮光板70,90、および遮光部材100は、紫外線を透過しない黒色のポリプロピレンにより形成される。
【0082】
・第1および第4実施形態の通気路60の漏洩抑制構造は、キャップ本体51の閉塞壁部51Bと、遮光板70,90とを有する。一方、変形例の通気路60の漏洩抑制構造は、図18に示されるように、キャップ本体51の閉塞壁部51Bを有する。閉塞壁部51Bは、上方ZA1に向かうにつれて左方ZB1に傾斜する通気孔51Gと、導電性材料により形成された導電部分51Hとを有する。導電部分51Hは、殺菌装置80と図1のブラシ体30の導電部材33とを電気的に接続する。
【0083】
通気孔51Gの下方ZA2の開口部分および通気孔51Gの上方ZA1の開口部分は、幅方向ZBの位置が異なる。このため、通気路60は、基準平面に投影される通気孔51Gの下方ZA2の開口部分の投影図が基準平面に投影される通気孔51Gの上方ZA1の開口部分の投影図に重なり合わない関係を有する。すなわち、通気路60は、漏洩抑制構造を有する。
【0084】
・第1〜第4実施形態の電動歯ブラシ1は、第1本体通電経路を2次電池12の陽極に接続し、かつ第2本体通電経路を2次電池12の陰極に接続している。一方、変形例の電動歯ブラシ1は、第1本体通電経路を2次電池12の陰極に接続し、かつ第2本体通電経路を2次電池12の陽極に接続する。この場合、保護抵抗86はLED81の陽極と遮光板70を互いに電気的に接続する。
【0085】
・第1〜第4実施形態の電動歯ブラシ1は、2次電池12がLED81の電源を兼ねる。一方、変形例の電動歯ブラシ1は、LED81の電源として2次電池12とは別の電源を有する。
【0086】
・第1〜第4実施形態のキャップ50は、装置本体10に直接的に取り付けられる構成を有する。一方、変形例のキャップ50は、ブラシ体30に取り付けられる構成、すなわちブラシ体30を介して間接的に装置本体10に取り付けられる構成を有する。
【0087】
・第1〜第4実施形態の殺菌装置80は、殺菌作用を有する波長の紫外線を照射するLED81を有する。一方、変形例の殺菌装置80は、殺菌作用を有する波長の紫外線を照射する蛍光灯を有する。
【0088】
・第1〜第4実施形態の殺菌装置80は、紫外線を照射するLED81を有する。一方、変形例の殺菌装置80は、紫外線以外の波長の光を照射する光源を有する。この光源の一例としては、歯の清掃時に口腔内を照らすための白色光の波長を照射する光源が挙げられる。
【0089】
・第1〜第4実施形態のLED81は、幅方向ZBにおいて第2通気孔(通気孔75,104,91)と異なる箇所に位置する。一方、変形例のLED81は、幅方向ZBにおいて第2通気孔(通気孔75,104,91)と同じ箇所に位置する。この変形例の電動歯ブラシ1も各実施形態の電動歯ブラシ1と同様の効果を奏する。要するに、各実施形態の効果は、各キャップ50の内部空間50Aに光を照射する位置にLED81を有する構成であれば、各実施形態とは別の位置にLED81を有する構成においても得られる。
【0090】
・第1〜第4実施形態の電動歯ブラシ1は、キャップ50に1つの殺菌装置80を有する。一方、変形例の電動歯ブラシ1は、キャップ50に複数の殺菌装置80を有する。
・第1〜第4実施形態の電動歯ブラシ1は、キャップ50に殺菌装置80を有する。一方、変形例の電動歯ブラシ1は、装置本体10に殺菌装置80を有する。また、別の変形例の電動歯ブラシ1は、キャップ50および装置本体10に殺菌装置80を有する。また、別の変形例の電動歯ブラシ1は、キャップ50および装置本体10の少なくとも一方に加えて、ブラシ体30に殺菌装置を有する。これら変形例の電動歯ブラシ1のうち装置本体10およびブラシ体30に殺菌装置を有する構成は、ブラシ体30のブラシ柄31に殺菌装置80の紫外線を透過させる透光部材を有する。これにより、殺菌装置80の紫外線がブリッスル束40に照射される。
【0091】
・第1〜第4実施形態のブラシ体30は、装置本体10から取り外すことが可能な構成を有する。一方、変形例のブラシ体30は、装置本体と一体化している。
・本発明は、第1〜第4実施形態に例示される電動歯ブラシ1以外の他の口腔衛生装置に適用することもできる。他の口腔衛生装置としては、例えばステインケア装置が挙げられる。要するに、光源を有する口腔衛生装置であれば、いずれの口腔衛生装置に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1…電動歯ブラシ(口腔衛生装置)、10…装置本体、30…ブラシ体(衛生部分)、32…ブラシヘッド、40…ブリッスル束、41…ブリッスル、50…キャップ、50A…内部空間、51A…周壁部分、51B…閉塞壁部(第1閉塞壁部)、51D…通気孔(第1通気孔)、51E…通気孔(第1通気孔)、60…通気路、62…空間、63…空間、64…空間、65…空間、66…空間、70…遮光板(第2閉塞壁部)、75…通気孔(第2通気孔)、80…殺菌装置、81…LED(光源)、90…遮光板、91…通気孔(第2通気孔)、100…遮光部材(閉塞壁部)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生部分を有する装置本体と、前記衛生部分を覆うキャップとを有する口腔衛生装置において、
前記キャップは、前記衛生部分が配置される内部空間と、前記内部空間と外部とを互いに連通する通気路とを有し、
前記装置本体および前記キャップの少なくとも一方は、前記内部空間に光を照射する光源を有し、
前記通気路は、前記光源の光が前記内部空間から漏れることを抑制する漏洩抑制構造を有する。
【請求項2】
請求項1において、
前記キャップは、前記光源を有する。
【請求項3】
請求項2において、
前記光源は、前記キャップの内面において前記衛生部分と対向する箇所に位置する。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、
前記キャップは、前記装置本体の周囲を覆う周壁部分と、前記周壁部分の開口部分を閉塞する閉塞壁部とを有し、
前記通気路は、前記閉塞壁部に形成される。
【請求項5】
請求項4において、
前記閉塞壁部は、前記キャップの長手方向に配列される第1閉塞壁部および第2閉塞壁部を有し、
前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部は、前記キャップの長手方向において前記キャップの先端側から前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部の順に位置し、
前記第1閉塞壁部は、前記通気路の一方の開口部分としての第1通気孔を有し、
前記第2閉塞壁部は、前記通気路の他方の開口部分としての第2通気孔を有する。
【請求項6】
請求項5において、
前記漏洩抑制構造は、前記キャップの長手方向に直交する仮想の平面を基準平面とし、この基準平面に投影される前記第1通気孔の投影図および前記第2通気孔の投影図をそれぞれ第1投影図および第2投影図として、前記第1投影図および前記第2投影図の少なくとも一部分が互いに重なり合わない関係を有する。
【請求項7】
請求項5または6において、
前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部は、前記キャップの長手方向において空間を介して互いに対向する。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一項において、
前記第1閉塞壁部は、前記周壁部分と一体的に形成され、
前記第2閉塞壁部は、前記周壁部分と別の部品として形成される。
【請求項9】
請求項5〜7のいずれか一項において、
前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部は、前記周壁部分と別の部品として一体的に形成される。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項において、
前記衛生部分は、ブリッスルが植毛されたブラシヘッドを有し、
前記装置本体は、歯ブラシとしての構成を有する。
【請求項1】
衛生部分を有する装置本体と、前記衛生部分を覆うキャップとを有する口腔衛生装置において、
前記キャップは、前記衛生部分が配置される内部空間と、前記内部空間と外部とを互いに連通する通気路とを有し、
前記装置本体および前記キャップの少なくとも一方は、前記内部空間に光を照射する光源を有し、
前記通気路は、前記光源の光が前記内部空間から漏れることを抑制する漏洩抑制構造を有する。
【請求項2】
請求項1において、
前記キャップは、前記光源を有する。
【請求項3】
請求項2において、
前記光源は、前記キャップの内面において前記衛生部分と対向する箇所に位置する。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、
前記キャップは、前記装置本体の周囲を覆う周壁部分と、前記周壁部分の開口部分を閉塞する閉塞壁部とを有し、
前記通気路は、前記閉塞壁部に形成される。
【請求項5】
請求項4において、
前記閉塞壁部は、前記キャップの長手方向に配列される第1閉塞壁部および第2閉塞壁部を有し、
前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部は、前記キャップの長手方向において前記キャップの先端側から前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部の順に位置し、
前記第1閉塞壁部は、前記通気路の一方の開口部分としての第1通気孔を有し、
前記第2閉塞壁部は、前記通気路の他方の開口部分としての第2通気孔を有する。
【請求項6】
請求項5において、
前記漏洩抑制構造は、前記キャップの長手方向に直交する仮想の平面を基準平面とし、この基準平面に投影される前記第1通気孔の投影図および前記第2通気孔の投影図をそれぞれ第1投影図および第2投影図として、前記第1投影図および前記第2投影図の少なくとも一部分が互いに重なり合わない関係を有する。
【請求項7】
請求項5または6において、
前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部は、前記キャップの長手方向において空間を介して互いに対向する。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一項において、
前記第1閉塞壁部は、前記周壁部分と一体的に形成され、
前記第2閉塞壁部は、前記周壁部分と別の部品として形成される。
【請求項9】
請求項5〜7のいずれか一項において、
前記第1閉塞壁部および前記第2閉塞壁部は、前記周壁部分と別の部品として一体的に形成される。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項において、
前記衛生部分は、ブリッスルが植毛されたブラシヘッドを有し、
前記装置本体は、歯ブラシとしての構成を有する。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−111128(P2013−111128A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258255(P2011−258255)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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