説明

可撓性ケーブルダクト

【課題】2つの把持部材の組み付けと、把持筒の連設作業を同時に行うことなくケーブルダクトを容易に構築できる可撓性ケーブルダクトを提供すること。
【解決手段】2つの把持部材12,13を組み付けることにより、中央の連結部14とケーブルを収納し把持する左右の把持部23、23とを備えた把持筒11を形成し、この把持筒11の連結部14同士を連結して複数個の把持筒11を直列状に可撓連設した可撓性ケーブルダクトにおいて、連結部14は、中央に空間部を有する基部15と、この基部15の上面から上方に向けて一体となって突設し、上端に係合爪21を有する連結軸部20と、下方に配設された隣接把持筒の係合爪21が係合可能な係合孔17aとを備えた把持筒11とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの把持部材を組み付けることにより、中央の連結部とケーブルを収納し把持する把持部とを備えた把持筒を形成し、該把持筒の連結部同士を連結して複数個の把持筒を直列状に可撓連設した可撓性ケーブルダクトに関する。
【背景技術】
【0002】
2つの把持部材に相当するガイド部材を組み付けて把持筒(ガイド本体)を形成し、把持筒同士を連結部材(連結駒部材)により複数直列状に可撓連設した従来の可撓性ケーブルダクトは、連結部材が把持筒とは別部材で構成され、2つの把持部材を組み付けるときに、予め連結部材を2つの把持部材の間に組み入れて、把持筒を形成すると同時に連結部材が把持筒から抜けでないように保持していた。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第3330331号明細書(段落0009,0012,図2、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、連結部材が把持筒とは別部材で構成されているため、連結部材を把持筒に取付保持するためには、2つの把持部材の組み付け時に連結部材を把持筒に組み入れなければ成らず、特に把持筒を連設する場合には、上下に2つの連結部材を同時に組み入れて組み付けることが必要となり、把持筒の連設作業が面倒であり手間が掛かった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、2つの把持部材の組み付けと、把持筒の連設作業を同時に行うことなくケーブルダクトを容易に構築できる可撓性ケーブルダクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の可撓性ケーブルダクトは、2つの把持部材を組み付けることにより、中央の連結部とケーブルを収納し把持する左右の把持部とを備えた把持筒を形成し、該把持筒の連結部同士を連結して複数個の把持筒を直列状に可撓連設した可撓性ケーブルダクトにおいて、前記連結部は、中央に空間部を有する基部と、該基部の上面から上方に向けて一体となって突設し、上端に係合爪を有する連結軸部と、下方に配設された隣接把持筒の係合爪が係合可能な係合孔とを備えることを特徴としている。
この特徴によれば、2つの把持部材を組み付けることにより、連結部の基部から一体となって上方に突設した係合爪を有する連結軸部が構成されるので、連結のための部材を新たに用意する必要がなく、しかも把持筒同士の連結は、係合爪を相手側の係合孔に係合させるだけですみ、可撓性ケーブルダクトの構築を容易に行うことができる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の可撓性ケーブルダクトは、請求項1に記載の可撓性ケーブルダクトであって、下方に配設された把持筒の連結軸部の係合爪が、隣接する上方の把持筒の基部の空間部内を上下方向に移動可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、係合爪が隣接する把持筒の基部の空間部内を上下方向に移動可能であるので、連結された複数の把持筒の全長、即ちケーブルダクト長さを各係合爪の摺動範囲内で自由に調整することができる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の可撓性ケーブルダクトは、請求項1または2に記載の可撓性ケーブルダクトであって、前記係合爪は、左右方向に屈曲可能な一対の可撓片で構成したことを特徴としている。
この特徴によれば、左右方向に屈曲可能な一対の可撓片で構成されているので、把持筒が左右方向にのみ屈曲しやすく、ケーブルダクトの保形性がよい。
【0009】
本発明の請求項4に記載の可撓性ケーブルダクトは、請求項1乃至3のいずれかに記載の可撓性ケーブルダクトであって、ケーブルダクトの最上部の把持筒の係合爪は固定部材に取り付けられた取付具と係合し、最下部の把持筒の係合孔はベース体に設けた係合爪と係合することを特徴としている。
この特徴によれば、最上部の把持筒の係合爪と最下部の把持筒の係合孔を利用してケーブルダクトを取付具とベース体とに係合させることができるので、ケーブルダクトを安定して保持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明の実施例における可撓性ケーブルダクトの使用例を示す斜視図であり、図2は、可撓性ケーブルダクトの全体像および取付具とベース体を示す斜視図であり、図3は、可撓性ケーブルダクトを構成する把持筒の分解組立斜視図であり、図4(a)は、把持筒の構成する二つの把持部材の取り付け前を示す図3のA−A線およびB−B線の断面図であり、図4(b)は、二つの把持部材の取り付け完了状態を示す断面図であり、図5(a)は、把持筒を上部から見下ろした斜視図であり、図5(b)は把持筒を底部から見上げた斜視図であり、図6(a)は、一方の把持筒に他方の把持筒を連結する過程を示す断面図であり、図6(b)は、連結された把持筒の左右方向への動きを示す断面図であり、図7は、ベース体の分解組立図斜視図であり、図8は、把持筒のベース体への連結過程を示す斜視図であり、図9(a)は、取付具の分解組立斜視図であり、図9(b)は、取付具を天板に取り付ける過程を示す説明図であり、図9(c)は、取付具に把持筒を取り付ける過程を示す斜視図であり、図10は、可撓性ケーブルダクトが天板と床面との間に装架された状態を示す斜視図である。
【0012】
図1に示されるように、本発明の可撓性ケーブルダクト(以下、ケーブルダクト10)は、例えば、支柱3に天板2の角部が各々支持されたテーブル1に設けられ、天板2の下面2bと床面6との間に装架されている。ケーブルダクト10内には床面6側から下面2bに向けて上下方向に給電ケーブルや通信ケーブル等の各種ケーブル9,9が挿通され、これらケーブル9,9の一端が天板2の上面2aに予め設けられたコンセント5,5に接続されている。そこで、パソコン等の電気機器4,4を上面2aに設置して作業を行う場合には、各電気機器4,4に接続されたプラグ付き給電コードやLANケーブル等の各ケーブル4a,4aをコンセント5,5に各々挿し込んで利用可能になっている。
【0013】
図2に示されるように、ケーブルダクト10は複数の把持筒11,11・・・が直列状に連設され、後述においても説明するが図示されるように可撓可能となっている。ケーブルダクト10の上部には、このケーブルダクト10を支持する箱体状の取付具30が取り付けられ、床面6にはベース体40が設置され、連結部材42を介して、ケーブルダクト10の下部に取り付け可能になっている。
【0014】
図3に示されるように、把持筒11は一対の分割された把持部材12,13同士を組み合わせることで成型されている。尚、この把持筒11を構成する2つの把持部材12,13は、類似した形状であるので、同一の部分に関しては同じ符号を付するものとして、把持部材12と異なる形状の部分に関しては、把持部材13に新たな符合を付して以下に説明する。
【0015】
まず、把持筒11の一方側を構成する把持部材12と、他方側を構成する把持部材13との共通部分として、両把持部材12,13には、中央に位置する連結半体14Aと、その連結半体14Aの中核をなす基部半体15Aの両側壁18,18からそれぞれ延設した左右一対の把持片24,25と、から構成されている。連結半体14Aは硬質のプラスチック材等の硬質材で成型されている。この連結半体14Aには、中央に空隙部15cを有する上下に延びる矩形の基部半体15Aと、基部半体15Aの上面16から上方に向けて一体となって突設され上端に左右方向に屈曲可能な一対の可撓片21a,21aからなる係合爪21を有する連結軸部20と、基部半体15Aの下面17を上下に貫通して形成される切欠き溝17bと、が形成されている。
【0016】
把持片24,25には、基部半体15Aの両側壁18,18の一端部側から略左右方向に向けて、連結半体14Aと同材質の硬質材から成型された一対の硬質把持片26,26が上面視でやや内方に向けて若干湾曲され延設されている。硬質把持片26,26の遊端部26a,26aには、軟質のプラスチック材等の軟質材からなる軟質把持片27,27が2色成型法で一体に成形されており、この軟質把持片27,27が両把持部材12,13を一体化したときに互いに対面する方向に向けて延設されている。
【0017】
次いで、把持部材12と把持部材13の異なる部分として、両連結半体14A,14Aに一部異なる非対称箇所があり、把持部材12の連結軸部20に他方の把持部材13側に嵌合するピン20aが凸設され、把持部材13の連結軸部20には、ピン20aを嵌入可能なピン穴20bが凹設されており、ピン穴20bにピン20aが嵌合可能になっている。把持部材12の基部半体15Aの開口端面19の略上下中央位置には、左右一対の凹部19a,19aが形成され、同じく把持部材13の開口端面19の同位置には、凹部19a,19aに向けて左右一対の凸部19b,19bが設けられ、凹部19aに凸部19bが嵌合可能になっている。
【0018】
さらに、把持部材12の基部半体15Aの側壁18,18から、上下に所定間隔離間され把持部材13と対面する方向に向けて、一対の係止片18a,18aが開口端面19よりも突設して設けられており、この先端部にそれぞれ係止爪18bが側壁18より左右方向に突出して設けられている。把持部材13の左右側壁18,18には、上下に所定間隔離間された位置に左右に貫通された一対の係止孔18c,18cが形成され、係止孔18cに係止爪18bが係止可能になっている。
【0019】
次に、把持筒11を組み立てる過程について図4,図5に基づき説明する。図4(a)に示されるように、一方の把持部材12の中央位置のピン20aおよび左右の凹部19a,19aと、他方の把持部材13の中央位置のピン穴20bおよび左右の凸部19b,19bとを近接する位置で向かい合わせたのち、把持部材12を矢印に示される方向に移動していくことで、図4(b)に示されるように、ピン20aがピン穴20bに嵌合されるとともに、係止片18aが対面する把持部材13の側壁18,18内面に案内されることで、係止孔18c,18cに係止爪18b,18bが係止され、さらに凹部19a,19aに凸部19b,19bが嵌合され、両把持部材12,13の基部半体15A,15Aが互いに連結されて基部15を形成し、一対の連結半体14A,14Aも一体化されて連結部14が構成される。
【0020】
この両把持部材12,13の連結時には、両基部半体15A,15A内に形成されている空隙部15c,15cが連結され1つの周囲が囲まれた空間部15aを形成するとともに、把持部材12,13の互いに対向する軟質把持片27,27同士の先端部27a,27aが互いに近接した状態となり、連結部14の左右位置には、基部14の側壁18,18と、硬質把持片26,26および軟質把持片27,27からなる把持片24,25によって、2つのケーブル収納空間28,29を有する把持部23が形成され、これらケーブル収納空間28,29にケーブル9が収納される。また1対の切欠き溝17bが合体して一個の係合孔17aが構成される。
【0021】
このように、ピン20aがピン穴20bに嵌合されたことで、図5(a)に示されるように、連結軸部20が1つに連結されるとともに、図5(a)、(b)に示すように、凹部19a,19aに凸部19b,19bが嵌合され、係止爪18b,18bが係止孔18c,18c内で係止されたことで、両把持部12,13が確実に合体し、堅固な連結構造の把持筒11が構成される。
【0022】
把持筒11を複数用いたケーブルダクト10(図2参照)の組み立てについて図6〜図10に基づいて以下に説明する。
【0023】
まず図6に示されるように、ケーブルダクト10,10’は複数の把持筒11を直列状に連結することで構成されており、具体的には、図6(a)に示されるように、把持筒11の基部15の下端に形成された係合孔17aから空間部15a内に向けて、隣接する新たな把持筒11の連結軸部20の係合爪21を挿通させていく。この挿通時には、係合爪21を構成する左右の可撓片21a,21aの左右幅が係合孔17aよりも幅広に形成されているが、強く押し込むことで左右の可撓片21a,21aの外側面が係合孔17aの内周面に摺接されながら、中央に撓んで空間部15a内に挿入される。
【0024】
そして、図6(b)に示されるように、挿入後は可撓片21a,21aの撓みが解除され、再度、可撓片21a,21aが左右方向に復帰することで、係合爪21が係合孔17aと係止し空間部15a内で保持され、新たな把持片11が吊持され連結される。また、連結軸部20は係合孔17aよりも幅径が同等もしくは若干小さく成型されているので、空間部15a内で上下に摺動可能となっている。したがって、下方に配設された新たな把持筒11の連結軸部20の係合爪21が、隣接する上方の把持筒11の基部15の空間部15a内を上下方向に移動することができ、連結された複数の把持筒11の全長、即ちケーブルダクト10の長さを各係合爪21の摺動範囲内で自由に調整することができる。尚、把持筒11から新たな把持筒11を取り外すには、嵌合爪21の取り付けと逆の工程で取り外しが簡便に行える。このようにして、新たな把持筒11を複数直列状に連結していくことで、所望の長さのケーブルダクト10を組み立てることができる。
【0025】
さらに図示されるように、係合爪21は左右方向に屈曲可能な一対の可撓片21a,21aで構成されているので、把持筒11が左右方向にのみ屈曲しやすく、隣接する把持筒11同士が係合爪21により左右方向に相対的に移動して、ケーブルダクト10に可撓性を持たせることが可能となる。このように、把持筒11同士が嵌め外し自在な可撓連結構造となっているので把持筒11,11同士を連結する索状体を別途必要とせず、可撓性のケーブル9(図2参照)の所望の長さに合わせて把持筒11の数を容易に調節することができる。
【0026】
次いで、ケーブルダクト10の下部に取り付けられるベース体40(図2参照)および、その付属品について説明する。図7に示されるように、ベース体40は上面視円形で中央が上面視C字状に切り取られるとともに、外方に一部切り欠かれた配線溝40aが形成されており、この配線溝40a内にケーブル9が配線可能となっている。ベース体40の下端面には、床面6との滑りを防止する上面視C字状の滑り止め材43が複数のネジ44を介して螺着されている。ベース体40の中央位置には、上下に貫通する取付孔41が形成され、連結部材42を取り付け可能になっている。
【0027】
この連結部材42の上部は、前述の把持筒11の連結軸部20と同様の構成で、上端に係合爪42aを有しており、下部には取付孔41に嵌入可能な嵌合部42bが設けられ、取付孔41に嵌合部42bを嵌入することでベース体40に連結部材42が一体で設けられている。そこで、図8に示されるように、床面6に載置されたベース体40の上方に突出して設けられた連結部材42の係合爪42aを、ケーブルダクト10の最下端に位置する把持筒11の連結部14の下部に形成された前述の係合孔(図示省略)に嵌合させることで、係合爪42aが連結部14内の前述の空間部(図示省略)に嵌合され確実に連結される。尚、ベース体40の上に隣接する把持筒11は、係合爪42aにより左右方向に揺動可能な構成となっている。
【0028】
次に、ケーブルダクト10の上部に取り付けられる取付具30(図2参照)について説明する。図9(a)に示されるように、取付具30は上方に開口32aを有する箱体32と、この箱体32の開口32aを閉蓋する蓋体31の2つの部材で構成されている。箱体32の下面には、矩形状の係合孔32bが形成されており、前述した把持筒11の係合爪21を係合可能な係合孔17aと略同一の形状になっている。箱体32の側壁には対向する左右面にそれぞれ横幅な係止孔33c,33cが形成されている。
【0029】
蓋体31には、中央に上下に貫通するボルト用の貫通孔31aが形成され、蓋体31の左右側縁からは一対の係止片31b,31bが下方に延設され、各係止片31b,31bには外方に向けて、それぞれ係止爪31c,31cが突設されている。そこで、係止片31b,31bを開口32aから箱体32の内部に嵌入させることで、係止孔33c,33cに係止爪31c,31cが係止され、箱体32に蓋体31が固定される。
【0030】
図9(b)に示されるように、取付具30にケーブルダクト10を取り付ける前工程として、予め天板2の下面2bに形成されたボルト穴2cに、蓋体31の貫通孔31aを上下に重ね合わせたのち、ボルト33をドライバ34等の工具で箱体32の係合孔32bから貫通孔31aを介して、ボルト穴2cに螺合させることで、固定部材である天板2に取付具30が固着される。そして、図9(c)に示されるように、ケーブルダクト10の最上位置の把持筒11の上方に突出して設けられた連結軸部20の係合爪21を、取付具30の下面に形成された前述の係合孔32bに係合させることで、係合爪21が箱体32内に嵌合され確実に把持筒11が取付具30に連結され吊架された状態となる。
【0031】
そして、図10に示されるように、ケーブルダクト10の上部を取付け具30を介して天板2の下面2bに取り付け、下部をベース体40を介して床面6に接地して、ケーブルダクト10を上下方向に装架することで、直列状に可撓連設された各把持筒11のケーブル収納空間28,29も同様に直列状に連通され、ケーブルを天板2の下面2bから床面6に向けて配線可能なスペースが確保される。
【0032】
このように、最上部の把持筒11の係合軸部20の係合爪と、最下部の把持筒11の係合孔を利用してケーブルダクト10を取付具30とベース体40とに係合させることができるので、ケーブルダクト10が安定して保持される。そこで、直列状に可撓連結された各把持筒11,11,11・・・の連結部14の左右に形成された各ケーブル収納空間28,29内に、図1にも示されるようにケーブル9,9を挿通させることで、ケーブル9,9を天板2のコンセント5,5から床面6まで配線することができる。また、ケーブル9,9は各ケーブル収納空間28,29を形成する一対の把持部23,23によって外部から保護されている。
【0033】
以上の説明により実施例では、2つの把持部材12,13内に新たな連結部材を別途用意して取り付ける必要がなく、この2つの把持部材12,13の組み付け時に、連結部14の基部15から一体となって上方に突設した係合爪21を有する連結軸部20が構成されるので、隣接する把持筒11,11同士の連結は、係合爪21を相手側の係合孔17に係合させるだけですみ、可撓性ケーブルダクト10の構築を容易に行うことができる。
【0034】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、上記実施例では、連結軸部20の係合爪21を左右方向に屈曲可能な一対の可撓片21a,21aで構成したことで、この可撓片21a,21aの左右方向への弾性力(撓み)を利用して、隣接する把持筒11,11同士の着脱を繰り返し行えることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば係合爪21の形状を球体形状にし係合孔側に抜け止め舌片を設けて、隣接する把持筒11,11同士を連結するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例における可撓性ケーブルダクトの使用例を示す斜視図である。
【図2】可撓性ケーブルダクトの全体像および取付具とベース体を示す斜視図である。
【図3】可撓性ケーブルダクトを構成する把持筒の分解組立斜視図である。
【図4】(a)は、把持筒の構成する二つの把持部材の取り付け前を示す図3のA−A線およびB−B線の断面図であり、(b)は、二つの把持部材の取り付け完了状態を示す断面図である。
【図5】(a)は、把持筒を上部から見下ろした斜視図であり、(b)は把持筒を底部から見上げた斜視図である。
【図6】(a)は、一方の把持筒に他方の把持を連結する過程を示す断面図であり、(b)は、連結された把持筒の左右方向への動きを示す断面図である。
【図7】ベース体の分解組立図斜視図である。
【図8】は、把持筒のベース体への連結過程を示す斜視図である。
【図9】(a)は、取付具の分解組立斜視図であり、(b)は、取付具を天板に取り付ける過程を示す説明図であり、(c)は、取付具に把持筒を取り付ける過程を示す斜視図である。
【図10】可撓性ケーブルダクトが天板と床面との間に装架された状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
1 テーブル
2 天板(固定部材)
2a 上面
2b 下面
2c ボルト穴
3 支柱
4 パソコン等の電気機器
4a ケーブル
5 コンセント
6 床面
9 ケーブル
10 ケーブルダクト(可撓性ケーブルダクト)
11 把持筒
12、13 把持部材
14 連結部
14A 連結半体
15 基部
15A 基部半体
15a 空間部
15c 空隙部
16 上面
17 下面
17a 係合孔
17b 切欠き溝
18 側壁
18a 係止片
18b 係止爪
18c 係止孔
19 開口端面
19a 凹部
19b 凸部
20 連結軸部
20a ピン
20b ピン穴
21 係合爪
21a 可撓片
23 把持部
24、25 把持片
26 硬質把持片
26a 遊端部
27 軟質把持片
27a 先端部
28、29 ケーブル収納空間
30 取付具
31 蓋体
31a 貫通孔
31b 係止片
31c 係止爪
32 箱体
32a 開口
32b 係合孔
33c 係止孔
33 ボルト
34 ドライバ
40 ベース体
40a 配線溝
41 取付孔
42 連結部材
42a 係合爪
42b 嵌合部
43 滑り止め材
44 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの把持部材を組み付けることにより、中央の連結部とケーブルを収納し把持する左右の把持部とを備えた把持筒を形成し、該把持筒の連結部同士を連結して複数個の把持筒を直列状に可撓連設した可撓性ケーブルダクトにおいて、前記連結部は、中央に空間部を有する基部と、該基部の上面から上方に向けて一体となって突設し、上端に係合爪を有する連結軸部と、下方に配設された隣接把持筒の係合爪が係合可能な係合孔とを備えることを特徴とする可撓性ケーブルダクト。
【請求項2】
下方に配設された把持筒の連結軸部の係合爪が、隣接する上方の把持筒の基部の空間部内を上下方向に移動可能である請求項1に記載の可撓性ケーブルダクト。
【請求項3】
前記係合爪は、左右方向に屈曲可能な一対の可撓片で構成した請求項1または2に記載の可撓性ケーブルダクト。
【請求項4】
ケーブルダクトの最上部の把持筒の係合爪は固定部材に取り付けられた取付具と係合し、最下部の把持筒の係合孔はベース体に設けた係合爪と係合する請求項1乃至3のいずれかに記載の可撓性ケーブルダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−135322(P2007−135322A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326841(P2005−326841)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】