説明

可調整分光透過率アイウェア

【課題】アイウェアにより与えられる知覚難しさレベルを変更する結果として、アイウェアの着用者は競争優位性が得られるように自身の視覚能力を訓練することができるアイウェアを提供する。
【解決手段】アイウェアは可変分光透過率を制御するレンズドライバを含む。レンズドライバは、分光透過率状態の持続時間を分光透過率状態の所望の周波数及び/又はデューティサイクルに基づいて変更するように機能する。ユーザはアイウェアにより与えられる所望の難しさレベルを指示する入力を供給し、その入力によって前記周波数、前記デューティサイクル又はその両者の組み合わせを変更すべきことを指示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願(代理人整理番号NIKE160398)は、2006年8月31日に出願され、米国特許第7,828,434号として特許された米国非仮出願第11/514,822号(代理人整理番号NIKE135899)の一部継続出願である、2010年7月2日に出願された米国非仮出願第12/829,878号(代理人整理番号NIKE154991)の一部継続出願である。上記の出願の内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
個人スポーツでもチームスポーツでも運動の成果は向上し続けている。科学的に証明された栄養摂取及びトレーニング方法が、個人トレーナ、専門トレーナ及びインターネットベースのトレーナ及びトレーニングプログラムから、あらゆるレベルのアスリートに入手可能である。更に、優れた性能のみならずスタイリッシュな外見及び快適さをアスリートに提供するために様々な運動競技用器材、フットウェア及び衣料が開発されている。傷害処置も向上し、以前はキャリアを終えなければならなかったいくつかの重篤な障害も短期間のリハビリのみでほぼ完全な回復を可能にする技術で処置できるようになってきている。従って、アスリートは以前よりもより適切で、強く、効果的なトレーニング及び準備ができるとともにより効果的なケアができる。
【0003】
運動能力はアスリートの身体的状態に直接関係するが、多くのスポーツは、アスリートがチームメート、競争相手及びフットバール、バスケットボール、野球ボール、パックなどのスポーツ固有物体の位置及び動き(例えば速度、加速度、方向)を正確に知覚し応答することを要求する。例えば、成功した野球の打者又はフットボールのクウォータバックは少なくともそのスポーツで遭遇する状況に対して他の人より高い視力を持っているものと思われる。個人能力を高めるために、アスリートは能力向上への別の手段として視覚トレーニングに関心を持つようになってきている。例えば、打者は時速90マイル以上の速球の縫い目を見ることができるように視覚を向上させることを望んでいる。従って、アスリートは身体的機敏さを補うために優れた視覚的機敏さを達成することをめざしている。あいにく、入手可能な視覚トレーニング及び評価方法は一般に特定スポーツに必要とされるスキルまでうまく仕上げられておらず、また要求される変更トレーニングを提供するように直に設定できるものでもない。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は電気的に切り替え可能な分光透過率レンズを有するアイウェアに関する。本アイウェアは、着用者により知覚される光を減衰させることができる電気的に切り替え可能な分光透過率を有する第1のレンズを備える。本アイウェアは着用者により知覚される光を減衰させることができる電気的に切り替え可能な第2のレンズも備える。第1及び第2のレンズの電気的に切り替え可能な分光透過率はアイウェアのレンズドライバにより制御される。レンズドライバは、第1のレンズの可変分光透過率のデューティサイクル及び周波数を第1の持続時間に亘る第1の分光透過率及び第2の持続時間に亘る第2の分光透過率から調整するように機能する。本アイウェアは第1のレンズ及び第2のレンズを着用者に対して所定の位置に保持するように構成されたフレームも備える。
【0005】
この概要は以下の詳細な説明で更に説明される種々のコンセプトの選択を簡略化して紹介するものである。この概要は請求の範囲に記載された本発明の要旨の重要な又は本質的な特徴を特定することを意図するものでなく、また請求の範囲に記載された発明の範囲を決定することを意図するものではない。
【0006】
本発明の実施形態が添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態による視覚トレーニング用アイウェアの代表的な例を示す。
【図2】本発明の実施形態による視覚トレーニング用アイウェアを含む視覚トレーニングシステムを示す。
【図3】本発明の実施形態による視覚トレーニング用アイウェアを示す。
【図4】本発明の実施形態による、アイウェアにより与えられる視覚難易レベルを選択する制御部を含む視覚トレーニング用アイウェアのテンプルピースを示す。
【図5】本発明の実施形態による、複数のゾーンを含む左及び右レンズを示す。
【図6】本発明の実施形態による図5のレンズに対する同相動作時の透明状態を示す。
【図7】本発明の実施形態による図5のレンズに対する同相動作時の暗状態を示す。
【図8】本発明の実施形態による図5のレンズの2つの部分に対する位相ずれ動作時の透明状態及び暗状態を示す。
【図9】本発明の実施形態による図5のレンズの2つの部分に対する位相ずれ状態時の透明状態及び暗状態を示す。
【図10】本発明の実施形態による、複数のゾーンの行及び列を選択する制御部を含む視覚トレーニングアイウェアの代表的なテンプルピースの一部分を示す。
【図11】本発明の実施形態による湾曲アイウェアを示す。
【図12】本発明の実施形態による湾曲アイウェアの後部分解斜視図を示す。
【図13】本発明の実施形態による、湾曲溝を有する湾曲アイウェアフレームの一部分を示す。
【図14】本発明の実施形態による湾曲アイウェアの正面斜視図を示す。
【図15】本発明の実施形態による着用者の両眼で知覚された光を操作するのに有効な湾曲レンズを示す。
【図16】本発明の実施形態による湾曲アイウェアの上面図を示す。
【図17】本発明の実施形態による、曲線で規定される模範的な湾曲レンズを示す。
【図18】本発明の実施形態による、一組の曲線により規定される模範的な湾曲レンズを示す。
【図19】本発明の実施形態による、模範的な反復サイクルに対応する透明状態及び暗状態の持続時間を示す。
【図20】本発明の実施形態による、図19のものと反対である、模範的な反復サイクルに対応する透明状態及び暗状態の持続時間を示す。
【図21】本発明の実施形態による、レベルごとに一定のデューティサイクル及び変化した周波数を有する透明状態及び暗状態の模範的な反復サイクルを示す。
【図22】本発明の実施形態による、レベルごとに変化したデューティサイクル及び一定の周波数を有する透明状態及び暗状態の模範的な反復サイクルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態の要旨は法的要件を満すように特定的に記載されている。しかしながら、記載自体は本発明の範囲を限定することを意図しない。むしろ、本発明者は、請求の範囲に記載された要旨は他の様々な方法により、本明細書に記載された様々なステップ又は類似のステップの組み合わせを現在又は将来の技術と関連して含むように具体化することができることを意図している。
【0009】
本発明の実施形態は、電気的に切り替え可能な分光透過率レンズを有するアイウェアに関する。本アイウェアは、着用者により知覚される光を減衰させることができる電気的に切り替え可能な分光透過率を有する第1のレンズを備える。本アイウェアは着用者により知覚される光を減衰させることができる電気的に切り替え可能な第2のレンズも備える。第1及び第2のレンズの電気的に切り替え可能な分光透過率はアイウェアのレンズドライバにより制御される。レンズドライバは、第1のレンズの可変分光透過率のデューティサイクル及び周波数を第1の持続時間に亘る第1の分光透過率及び第2の持続時間に亘る第2の分光透過率から調整する働きをする。本アイウェアは第1のレンズ及び第2のレンズを着用者に対して所定の位置に保持するように構成されたフレームも備える。
【0010】
従って、一つの態様では、本発明は視覚トレーニング用アイウェアを提供する。本視覚トレーニング用アイウェアは、本アイウェアの着用者により知覚される光を減衰させることができる電気的に切り替え可能な分光透過率を有する第1のレンズを備え、その電気的に切り替え可能な分光透過率はレンズドライバにより制御される。本アイウェアは、着用者により知覚される光を減衰させることができる電気的に切り替え可能な分光透過率を有する第2のレンズを備え、その電気的に切り替え可能な分光透過率はレンズドライバにより制御される。レンズドライバは、第1のレンズの可変分光透過率のデューティサイクル及び周波数を第1の持続時間に亘る第1の分光透過率及び第2の持続時間に亘る第2の分光透過率から調整するように機能する。本アイウェアは第1のレンズ及び第2のレンズを着用者に対して所定の位置に保持するように構成されたフレームも備える。
【0011】
別の態様では、本発明は視覚トレーニングシステムを提供する。本視覚トレーニングシステムは第1レンズ及び第2のレンズを有するアイウェアを備え、第1レンズ及び第2レンズは被訓練者の視野の一部分を掩蔽するために電気的に可変の分光透過率を有し、第1のレンズ及び第2のレンズの電気的に可変の分光透過率の変化は同相で行われる。視覚トレーニングシステムは第1のレンズ及び第2のレンズの電気的に可変の分光透過率のデューティサイクル及び周波数を制御するように構成されたレンズドライバも備える。第1のレンズ及び第2のレンズの電気的に可変の分光透過率のデューティサイクルは、第1の持続時間を有する掩蔽状態のためのサイクルの割合又は第2の持続時間を有する非掩蔽状態のためのサイクルの割合を変えるために調整可能である。第1のレンズおよび第2のレンズの電気的に可変の分光透過率の周波数は一定期間内のサイクル数を変えるために調整可能であり、周波数は15Hz以下に調整できる。
【0012】
本発明の第3の態様は、視覚トレーニング用アイウェアを提供する。本アイウェアは第1の持続時間を有する第1の分光透過率で光を減衰するように機能する電気的に可変の分光透過率を有する第1のレンズを備え、その電気的に可変の分光透過率はレンズドライバで制御される。本アイウェアは第1の持続時間を有する第1の分光透過率で光を減衰するように機能する電気的に可変の分光透過率を有する第2のレンズを備え、その電気的に可変の分光透過率はレンズドライバで制御される。レンズドライバは周波数又はデューティサイクルを受信し、第1のレンズ及び第2のレンズの第1の持続時間をその周波数またはディーティサイクルに基づいて制御するように構成される。
【0013】
本発明の実施形態を簡単に概説したが、これらの実施形態を実現するのに適した模範的な動作環境について以下に記載する。
【0014】
本明細書においては、文脈で明確に示されない限り、単数表現は複数表現も含む。更に、「含む」は「備える」も意味する。開示するシステム、装置及び方法は決して限定と解釈されるべきでない。代りに、本開示は種々の開示した実施形態の新規且つ非自明の特徴及び態様のすべて、単独及びそれらの種々の組み合わせ及び部分組み合わせに向けられている。開示のシステム、方法及び装置は特定の態様又は特徴又はその組み合わせに限定されず、また開示のシステム、方法及び装置は一つ以上の特定の利点の存在又は問題の解決を必要としない。
【0015】
開示の方法のいくつかの動作が説明の便宜上特定の順序で記載されるが、特定の順序が以下に述べる特定の言語で要求されない限り、この記載方法は再配置を含むものと理解すべきである。例えば、連続的に記載される動作は場合によっては再配置する又は同時に実行することができる。更に、簡単にするために、添付図面は開示のシステム、方法及び装置を他のシステム、方法及び装置と併用し得る様々な方法のすべてを示していない。
【0016】
アイウェア用の可変分光透過率レンズが提供される。代表的なアイウェアは選択可能な光透過率を有するゾーンを規定する少なくとも第1のレンズと、第1のレンズを保持し、第1のレンズを着用者の眼の前に支持するように構成されたフレームを備える。1つ以上のゾーン接続導体が第1のレンズに結合され、ゾーンに制御信号を供給するように構成される。典型的な例では、アイウェハは第2のレンズを更に備え、第1のレンズ及び第2のレンズが着用者のそれぞれの眼の前に保持されるようにフレームに保持される。ゾーン接続導体が第1のレンズ及び第2のレンズに結合される。他の例では、制御信号を第1のレンズ及び第2のレンズに供給するために、レンズドライバがフレームに固定され、第1のレンズ及び第2のレンズに結合される。いくつかの例では、レンズはフレキシブル液晶装置を備え、フレキシブル液晶装置はレンジ基板に固着される。レンズは着用位置で前面及び後面を有する。
【0017】
追加の例では、アイウェアは一つ又は両方のレンズで提供される視覚難易レベルを調整するように構成されたレベル選択器を備える。いくつかの例では、視覚難易レベルはレンズが非乖離を減衰する持続時間と関連する。
【0018】
一例では、アイウェアはそれぞれ複数のゾーンを規定する第1のレンズ及び第2のレンズを備え、第1および第2のレンズは着用者のそれぞれの眼の前に位置するようにフレームに保持される。少なくとも一つのゾーン接続導体が第1及び第2のレンズのゾーンに結合され、それぞれのゾーンの光透過率を選択的に変化させるために制御信号を受信するように構成される。レンズドライバはアイウェアに固定する(又は別個に設ける)ことができ、このレンズドライバは、第1のレンズ及び第2のレンズを通る光束を交互にほぼ透過及びほぼ減衰させるために第1のレンズ上の第1組のゾーン及び第2のレンズ上の第2組のゾーンを駆動するように構成することができる。アイウェアは、第1組のゾーン及び第2組のゾーンを選択するように構成されたパターン選択器及び第1組のゾーン及び第2組のゾーンが光をほぼ減衰する時間間隔を選択するユーザ入力も含む。第1のレンズ及び第2のレンズのゾーンは行列に配置することができ、パターン選択器はそれぞれのレンズの第1組のゾーン及び第2組のゾーンに含まれる1以上の行及び/又は1以上の列を選択するように構成された行導体及び列導体を含むことができる。
【0019】
視覚トレーニングシステムは、被訓練者の視野の一部分(又は全部)を選択的に掩蔽するように構成されたアイウェア及び被訓練者の視野の掩蔽部分を時間的に変化させるレンズドライバを備える。ランダムアクセスメモリ(RAM)のようなコンピュータ読取り可能媒体をレンズドライバに使用し、透過状態の持続時間をほぼ一定に維持するとともにほぼ非透過状態の持続時間を変化させることによって視野の掩蔽部分を変化させるように構成することができる。同様に、レンズドライバは、ほぼ非透過状態の持続時間をほぼ一定に維持するとともに透過状態の持続時間を変化させることによって視野の一部分を掩蔽するようにしてもよい。更に、透過状態及び非透過状態の両方をレンズドライバによって変化させてもよいことが考えられる。
【0020】
図1を参照するに、トレーニングアイウェア100は第1のレンズ104及び第2のレンズ196を保持するように構成されたフレーム102を含む。いくつかの例では、レンズ104,106は、近視、遠視、乱視又は他の視覚障害を矯正するために一般に使用されるような屈折力を与えることができるが、このような矯正のための屈折力を殆ど又は全く与えないように構成することもできる。従って、本明細書では、レンズはプラノ(無矯正)レンズ及び屈折レンズ(powered lens)の両方を指す。レンズ104,106は図1に示されている代表的ゾーン108,110のような複数の区分又はゾーンをそれぞれ含む。以下の説明において便宜上、レンズ104,106のすべてのゾーンは時にはゾーン108,110をそれぞれ指す。ゾーン108,110は、例えば区分(ゾーン)に供給される電気信号で調整、選択又は設定される光学特性を有する。例えば、これらの区分は、選択された区分形状を生成するようにパターン化された透明導電層間に介挿されたポリマ分散液晶、ネマチック液晶、コレステリック液晶などの液晶材料又は他の電気的に切り替え可能な光学材料で規定することができる。液晶材料の特定の例としては、捩れネマチック面内スイッチング、アドバンストフリンジフィールドスイッチング、バーチカルアライメント、及びブルーフェーズモードが挙げられるが、これらに限定されない。液晶材料は比較的低い駆動電圧のために好都合であるが、例えば電気泳動材料又はフレキシブルフラットパネル用に開発された所謂「電子インク」などの他の電子光学材料を使用することもできる。
【0021】
ここで使用されるゾーンのコンセプトは単一ゾーンにも複数ゾーンにも適用可能である。例えば、ユーザの第1の眼が知覚する光が通過する第1のレンズが第1の単一ゾーンを規定する。更に、ユーザの第2の眼が知覚する光が通過する第2のレンズが第2の単一ゾーンを規定する。従って、この例のレンズドライバは第1のゾーン(第1のレンズ全体)及び第2のゾーン(第2のレンズ全体)の両方を制御することができる。
【0022】
本明細書において、用語「分光透過率」は材料によって透過された光の知覚状態を表現するために使用される。例えば、掩蔽(obscuring)、減衰、拡散、散乱及び遮光などは材料の分光透過率の変化とし得る。更に、模範的な特徴はユーザにより知覚される光の割合を変化させるために可変分光透過率を利用する。ユーザにより知覚される光の割合は一般に可視光に適用することができ、また明確に指示して特定の周波数の光に適用することができる。更に、可変分光透過率を有する材料はユーザにより知覚されるフォーカスのぼけ又は低下を生ずるように光を拡散させることができる。光の拡散は、光強度の変化を掩蔽状態から非掩蔽状態へ調整するとき、遮光機構よりユーザの瞳のひずみを低減し得る。それゆえ、掩蔽、遮光、拡散、減衰などのコンセプトを分光透過率のコンセプトとして交換可能に使用することができる。
【0023】
図1のアイウェアは左眼と右眼に対して別個のレンズを含むが、他の例では各眼に対して適切に置かれた単一のレンズペインを設けることができる。いくつかの例では、一つの眼に対するレンズ又はレンズペインの部分は関連する眼の視覚を相当掩蔽するように構成される。このような掩蔽は、例えば不透明、半透明又は他の遮光及び/又は光散乱レンズ領域又はレンズペイン領域によって達成することができる。いくつかの例では、パターン化された掩蔽を表示するように構成しないで、レンズ又はレンズペイン領域の一つを選択的にほぼ掩蔽又はほぼ透明に切り替えることができるようにパターン化することができる。例えば、単にレンズの部分/ゾーンではなくレンズ全体を掩蔽又は透明にすることができる。
【0024】
ゾーン108,110は、例えばアイウェアのテンプルピース112又は他の部分に固定されたレンズドライバ又は使いやすいように例えばアームバンド、ポケット又はウェストバンドなどに取り付け得る独立に取り付け可能なレンズドライバに電気的に接続することができる。レンズドライバはゾーンのいくつか又はすべてがほぼ不透明又は透明になるように又は分光透過率が変化するように駆動する電気制御信号を供給する。ゾーン/レンズは電気的に可変の分光透過率を提供するように構成できるため、透過光の分光は供給される電気信号によって変化する。言い方を変えれば、調整可能な分光透過率は、分光の光強度と一緒に、レンズを透過する光量を調整する。従って、分光透過率の調整は完全な透明状態(無電気的調整/フル電気的調整)からほぼ掩蔽状態(フル電気的調整/無電気的調整)の範囲とすることができる。ゾーンのパターン又は配列及び駆動方法はパターン発生器を備えるレンズドライバによって又はレンズドライバの一部分としてもしくは別個に設けられたコントローラによって選択することができる。リモートレンズドライバ又はパターン発生器を電気ケーブルでアイウェアに結合することもできる。いくつかの例では、トレーナが着用者の活動を妨げることなくゾーン駆動パターンを選択することができるようにパターンをアイウェアに無線で送ることができる。更に、デューティサイクル、持続時間及び他の時間要素もトレーナがアイウェアに着用者の活動を妨げることなく無線で送ることができる。
【0025】
ゾーン108,110は、駆動されるゾーンの幾何学的配列、ゾーンが駆動される時間順序、ゾーン駆動の速度、ゾーンパターンの進行、又は他の空間的に及び/又は時間的に可変の又は固定の配置に基づく様々なゾーン駆動パターンで駆動することができる。例えば、掩蔽の相対持続時間が最初は小さく、次第に増大するように着用者の視覚を時系列に掩蔽するために、一部又は全部のゾーンを駆動することができる。更に、レンズのデューティサイクル及び/又は周波数を時系列の一部分として調整することができる。
【0026】
ゾーン又は選択ゾーン群(例えばレンズ部分)を着用者の視野の一部分が掩蔽されるように選択することができる。便宜上、1以上のゾーンの配列はここでは掩蔽パターンという。ゾーン又は掩蔽パターンが光透過率を変調する程度は掩蔽強度という。一連の1以上の駆動掩蔽パターンをシーケンスという。シーケンス内の駆動パターンが駆動される速度はストローブレートということができる。ストローブレートは周波数で規定することができる。周波数は規定の持続時間内のサイクル数である。例えば、1サイクルは透明状態及び掩蔽状態と規定することができる。この場合、周波数は1秒当たりのサイクル数とすることができる。デューティレートは特定の状態であるサイクルの割合である。例えば、デューティレートは透明状態であるサイクルの割合を規定することができる。逆に、ディーティサイクルは掩蔽状態であるサイクルの割合を規定することができる。
【0027】
いくつかの例では、同じ又は類似のパターン及びシーケンスを左レンズ及び右レンズに供給するが、異なるパターン、シーケンス及びタイミングを異なるレンズに供給することもできる。シーケンス及びパターンは左右のレンズに異なる位相で供給することもできる。例えば、一パターンを左レンズに供給し、次にこのパターンの一部分又は全部の滅勢時に同一又は異なるパターンを右レンズに供給することができる。いくつかの例では、左レンズ及び右レンズに対するパターンの駆動はほぼ同時(同相)であるが、他の例では一方のレンズは他方のレンズが滅勢されるときにのみ駆動される(位相ずれ)。
【0028】
切り替え可能なアイウェア202(ここではアイウェア及び/又は湾曲アイウェアともいう)及び制御システム204を含む代表的な視覚トレーニングシステムが図2に示されている。制御システム204はアイウェア202と電気信号をやり取りするように構成されたフレキシブルな電気ケーブル206でアイウェア202に結合される。アイウェア202はテンプルピース208,209、レンズ210,211及びブリッジ212を含む。レンズ210,211は、典型的には、ブリッジ212も含むフレームフロントに形成されたレンズリムにより保持されるが、リム無しアイウェアのような他のアイウェア構造を使用することもできる。光センサ214をブリッジ212内又は上に又はアイウェア202の他の位置に置くことができる。図2に示すように、レンズ210,211はそれぞれゾーン216,217,218及び219,220,221を含むが、もっと多くのゾーン又は異なる配列のゾーンを設けることができる。
【0029】
制御システム204は適切な電気信号をレンズゾーン216−221に供給するように構成されたリモートレンズドライバ/デコーダ234を含む。いくつかの例では、レンズドライバ234は、液晶表示パネルのアドレッシングのようにゾーンを行ごとに又は列ごとに選択的にアドレスすることによって電気信号を供給するように構成される。数個のゾーンを有するのみのレンズにおいては、各ゾーンを専用の導体で個別にアドレスすることができる。制御システム204への電気接続を簡単化して、例えば多数の行及び列信号をケーブル206で供給する必要性を避けるために、アイウェアに信号デコーダ又はディストリブータを設けるのが好都合とすることができる。いくつかの例では、制御システム204又はその一部分はアイウェア202のブリッジ、テンプルピース又は他の部分に固定または一体化される。図2において、フレーム着用者デコーダ235は左テンプルピース209に置かれる。他の例では、制御システム又はその一部分はアイウェアユーザの着衣、体又は装身具に取り付けるように構成される。
【0030】
制御システム204はメモリ222及びパターン発生器/シーケンサ224も含むことができる。メモリ222は可変分光透過率レンズの駆動用の掩蔽パターン及び/又は時間シーケンスを格納するように構成することができる。更に、メモリ222は、アイウェアがトレーニングセッションに使用された持続時間及びシーケンスに対応するトレーニングデータを記録できることが考えられる。パターン発生器/シーケンサ224は、予め決められたパターンシーケンス及び/又は掩蔽パターンを決定するように構成することができる。更に、パターン及び/又はシーケンスは、例えばユーザインタフェース226を介して受信される入力コマンド又は他のユーザ入力に応答して変更又は適応させることができる。
【0031】
いくつかの例では、ユーザインタフェース226はパターン及び/又はシーケンスの選択用に構成され、ノブ、スライダ、押しボタン、導電式入力装置又は他の入力装置などの1つ以上のユーザ制御部を含むことができる。典型的な調整は、特定のパターンが繰り返されるレート又はパターンのシーケンスが与えられるレートに関連する。例えば、掩蔽パターンは高いレート(約30Hz以上)でストローブさせて、このストロービングが着用者により低減された透過光強度と認識されるようにすることができる。また、パターンは、着用者がインターバルを認識する速度でストローブすることができ、この状態では着用者の視覚が妨げられる。典型的には約5Hzより低いレートが認識可能な掩蔽と関連する。模範的な態様においては、一定のストローブレートは不要にできる。例えば、ストローブレートは着用者に与えられる視覚掩蔽が増大するように高レートから低レートへ変化させ、着用者への視覚的要求を増大させることができる。このような可変周波数ドライブは「チャープ」ドライブということができる。
【0032】
受信し得る追加の入力はデューティサイクル入力を含む。例えば、ユーザ又は第3者は、1つ以上のレンズゾーンが所定の分光透過率状態にある時間の割合を変化させたいことがある。模範的な一例では、ユーザは、アイウェアの1つ以上のレンズ(又は1つ以上のゾーン)がほぼ掩蔽状態にある時間の割合を増大させたいことがある。代替例では、ユーザは、1つ以上のレンズ(又は1つ以上のゾーン)がほぼ透明状態にある時間の割合を変えたいことがある。これらはすべて、受信し得るデューティサイクルの例である。
【0033】
受信し得る追加の入力は、1以上のレンズ(又は1以上のゾーン)がストローブする周波数に関する。例えば、ユーザ(又は第3者)はストローブレートの周波数を増大又は減少させること又は1以上のパターン/シーケンスに設定することを示す入力を供給することができる。従って、アイウェアのレンズに対する第1の状態から第2の状態へのサイクルは、受信入力によって、第1の状態にある時間の割合、第2の状態にある時間の割合及び一定期間内のサイクル数を変えるために調整できることが考えられる。追加の入力はここで検討されている機能性及び/又は特徴のいずれかを達成することも考えられる。
【0034】
ユニバーサルシリアルバス(USB)などの外部入力/出力接続部228又は他の通信接続部を設けることができる。このような接続部は、利用できるパターン及びシーケンスを供給又は調整するためにパターン発生器/シーケンサ224に接続することができる。追加のパターン及びシーケンスを接続部228から受信しメモリ222に格納することもできる。いくつかの例では、一つ以上の将来のトレーニングセッションのために視覚トレーニングスケジュールを制御システム204に転送することができる。トレーニングスケジュールはアスリートのコンピュータから転送する、又はトレーナからインターネットなどのネットワークでアスリートに転送することができる。更に、利用データをアスリートのトレーニングスケジュールの記録に含めるために制御要素228に送出することができる。このような記録はインターネットなどのネットワークを介して又はeメール又はインターネットメッセージを用いてコーチ又はトレーナに転送することができる。USB接続は1以上の電源を充電する便利なポートとして予定することもできる。例えば、再充電可能な電池を可変分光透過率レンズの電源として使用することができる。この例では、電池充電のために十分なエネルギーをUSBによって供給することができる。
【0035】
表示コントローラ230はレンズの表示部232を制御するように構成される。表示部232は、現在のアイウェア又はトレーニング設定又は状態に関する情報をユーザの視野内に提示するために、典型的には複数の表示ピクセルを含む。いくつかの例では、表示部はアイウェア状態を示すようにストローブ又は駆動し得る単一ピクセルを含む。例えば、高速にスローブする表示部232はトレーニングセッションのパターンレート又は持続時間を示すことができる。
【0036】
光センサ214はセンサプロセッサ238と通信して、例えばアイウェア202が位置する環境内の周囲光又はアイウェア202が受ける直接光の指示を提供することができる。この指示に基づいて掩蔽パターン、シーケンス及び強さを変化させることができる。プロセッサ238は、一般に光センサ214からの電気信号を受信し、センサが受けた光を表す出力信号を供給する増幅器又はバッファを含む。例えば、着用者の眼が周囲光の状態と無関係に同等の光束を受けるように全体の照明レベルを設定することができる。
【0037】
異なる掩蔽パターン及びシーケンスを左レンズ及び右レンズに供給することができる。いくつかの例では、一つの眼の視覚を訓練し、対応するレンズのみを使用する。他の例では、ファンの動き又はスポーツイベントにおける他の規則的又は不規則的な動きどのせいでもたらされ得る注意散漫状態として作用するように両レンズがランダムなインターバルで選択される。
【0038】
従って、本発明の実施形態の範囲内において所望の機能を達成するために任意の数のコンポーネントを使用することができる。図2の種々のコンポーネントは明瞭のために線図で示されているが、実際には種々のコンポーネントの区切りはあまり明瞭でなく、例えば、線図は正確にはもっとあいまいもしくは不明確である。更に。図2のいくつかのコンポーネントは単一のブロックとして描かれているが、この描画は性質的に数的に模範であり、限定として解釈されるべきでない。
【0039】
図3は代表的な視覚トレーニングアイウェア300を示し、テンプルピース301、フレームフロント304及びレンズ306を含む。レンズ306は代表的ゾーン308のようなゾーンを含む。制御スイッチ310が設けられ、フレームフロントに含められた相互接続部312でレンズゾーンに電気的に結合される。制御スイッチ310はゾーンを駆動するように又はパターン又はパターンシーケンスを選択するように構成できる。例えば、スイッチ310はパターンストローブレートを選択し得る回転部分及びアイウェアをターンオン及びオフするプッシュ機構を含むことができる。
【0040】
視覚トレーニング用アイウェアのレンズはガラス、ポリカーボネイト、アクリル又は他の適切な光学材料のレンズ素材板のようなレンズ基板を含むことができる。この基板は左及び右レンズの両方を規定するように構成する又は基板をレンズごとに分離することができる。基板は総合透過率を制御するため及び/又は所定のスペクトル周波数透過率を与えるために着色することができ、またフォトクロミック材料からなるものとすることもできる。レンズ基板は一般に着用者位置において後面(着用者に面する)及び前面(着用者と反対側に面する)。好ましい光学的補正を与えるため又はほぼ光学的に中性にするためにこれらの表面の一つ又は両方の曲率及び曲率の中心を選択することができる。更に、十分な「包み込み」又は周辺可視範囲をもたらすように曲率を与えることができる。便宜上、正の曲率は、その中心が着用位置におけるレンズ基板の後面に位置する曲率として定義される。
【0041】
ヂオプター(ヂオプトリともいう)はメートル単位で測定された曲率半径の逆数に等しい曲率の測定値とすることができる。例えば、1/2メートルの半径(即ち1メートルの直径)を有する円は2ヂオプターの曲率を有する。従って、先に述べたように、模範的な実施形態は0〜+14ヂオプターの曲率を有するレンズを含み、このレンズは1/7メートル(0.143メートル)まで及び場合によりそれより大きい直径(即ち場合により1/14より大きい半径)で規定される曲率を有するレンズと同等である。しかし、レンズの曲率はレンズの全体又は一部分として120〜200ミリメートル(0.12〜0.2メートル)のような直径で規定され得ることが理解されよう。追加の模範的な実施形態においては、レンズの曲率は130〜180ミリメートルの範囲の直径とすることもできる。また、追加の実施形態においては、レンズの曲率はレンズの少なくとも一部分において130〜140ミリメートルの範囲の直径とすることが考えられる。
【0042】
視覚トレーニングレンズは、レンズ基板の前面又は後面に合致し得る又は接着し得るゾーン切り替え可能な変調器を含むことができる。このような光変調器はヂオプター以上の光学的曲率を有する表面に取り付けるためにフレキシブルにすることができる。光変調器は必要に応じ両表面に接着することができる。この変調器は一般に、光学的に活性な(即ち切り替え可能な)領域と、制御信号を受信しその制御信号を切り替え可能なゾーンに直接転送する又は例えばマトリクスアドレッシングに適切な行及び列導体信号を設定するゾーンデコーダに転送する相互接続部とを含む。フレキシブル液晶ベースの変調器が好都合である。
【0043】
フレームベースアイウェアは一般的な使用及びアクティビティ固有のトレーニングに好都合であり、アクティビティ固有のアイウェア、サンバイザー、フェースシールド又は保護シールドを同様に構成することができる。例えば、掩蔽ゾーンをフットボール、ホッケー又はラクロスヘルメット又は他のヘッドプロテクタに適合するフェースシールドに設けることができる。ラケットスポーツ、ラクロス又はベースボール用のゴーグル及びフェースマスクも複数の切り替え可能なゾーンが設けられた視覚遮蔽シールド部分を含むように構成することができる。
【0044】
これらの例は視野の一部分を遮る又は部分的に遮る掩蔽パターン又はゾーンを含む。しかしながら、他の種類の掩蔽パターン及び掩蔽ゾーンを使用することができる。例えば、着用者の視野に視覚を掩蔽する増加した光放射領域が提示されるように発光ゾーンを設けることもできる。このような発光ゾーンは時間的に変化する光放射を発するように構成され、スペクトル的に変化する光放射を含む。必要に応じ、このような光放射は空間的に及び/又は時間的に変化する偏光を有するように構成することもできる。ゾーンはレンズのほぼ全域を占めることができ、またレンズの小部分のみを占めるように構成することもできる。例えば、不透明な光放射領域を含むレンズは、レンズが大きく透明になるように構成することができる。従って、光減衰ゾーン及び/又は発光ゾーンを設けることができる。
【0045】
図4は模範的な視覚トレーニング用アイウェアのテンプルピース400を示す。テンプルピース400は電源ボタン402と、アイウェアが提供しうる視覚チャレンジ(即ち難易レベル)を増減するために使用できるレベル調節ボタン404,406を含む。電源ボタン402は視覚トレーニング用アイウェアの動作を開始及び終了させるように構成できる。更に、電源ボタン402は、ボタンを押すごとに右レンズのみのストローブ動作、左レンズのみのストローブ動作又は両レンズのストローブ動作をトグル切り替えすることができるように構成できる。電源ボタン402はゾーンパターン又はシーケンスの所定のメニューに従うように構成することもできるが、これらの又は他のユーザ調整を容易にするために追加のボタンを設けるのが更に好都合である。レベル調整ボタン440は、レベル調整ボタンを押すごとに難度レベルを増大し、利用可能な最高の難度レベルに達すると、その後のボタン押しは無効になる。レベル調整ボタン406の操作も最低の難度レベルにおいて同様にすることができる。
【0046】
追加の模範的な実施形態においては、現在、極度レベル(最高又は最低レベル)に設定されているモードボタンの次の駆動は次の極度レベルに循環する(例えば、難度レベルは1,2,3,4,5,6,7,8,1,2,3,...の順に循環する)。例えば、難度レベルが現在最高れべるに(例えばレベル8)に設定されている場合、モードボタンの次の駆動(例えば押圧、操作及び着用者提供フィードバック)は難度を最低レベル(例えばレベル1)に切り替える。
【0047】
更に、視覚トレーニング用アイウェアはもっと少数又は多数の制御部(例えばボタン)を含むことが想定される。例えば、視覚トレーニング用アイウェアを3Dビューイングにのみ使用することを目的とする場合には、難度選択制御部は使用しなくてもよい。この例では、フリッカレート/ストローブレートは外部コントローラ(例えば表示装置により提供される同期信号)によって制御することができる。同様に、制御部は電源(オン/オフ)制御部及び難度レベル又はモードを(上述したように)循環させるモード制御部に制限することができる。従って、本発明の様々な実施形態においては一つ以上の制御部を実施することが考えられる。
【0048】
図5は、図4と同様のテンプルピースで制御できる左レンズ502及び右レンズ504のゾーンの配列を示す。図5に示されるように、左レンズ502及び右レンズ504はユニタリレンズアセンブリ500として形成されるが、分離構成にすることもできる。ユーザとのアイウェア設定の通知のために表示領域510も設けられる。図5に示されるように、7セグメント表示が好都合である。レンズ502,504はそれぞれ代表的ゾーン506,508を含む。残りのゾーンは符号付けされてない。いくつかの例では、ゾーンは可変の光減衰をもたらす。これらのゾーンはほぼ透明、ほぼ不透明又は光透過率の中間値になるように制御できるが、これらのゾーンは「透明」状態又は「暗」状態に設定可能であるものとして、テンプルピース402及びレンズ502,504を含むアイウェアの動作例を記載する。
【0049】
図5のレンズの動作は図6,7,8及び9に示されている。レンズが電源ボタン402によりパワーオンされるとき、初期又は既定の難度レベルを表示領域510に表示し、レンズは透明状態(又は暗状態)のままにすることができる。既定の難度レベルは最も易しいレベルとし、「1」の指示を割り当て、レンズのパワーオン時に表示することができる。短期間(例えば2−10秒)後に、レンズ502,504のゾーンは初期難度レベルと関連するレートでストローブし始め、表示部510はスイッチオフすることができる。一方又は両方のレンズのストロービングは電源ボタン404で制御可能な初期動作モードとして設定することはできる。本例では、電源ボタンの追加押しは左レンズ、右レンズ及び電源オフを順に選択する。典型的には、アイウェアがスイッチオフされた状態での電源ボタン404の押圧はアイウェアの左レンズと右レンズの両方が透明状態と暗状態を繰り返す動作を開始させる。図6及び図7はそれぞれ透明状態及び暗状態中のアイウェアを示し、この場合にはすべてのゾーンが切り替えられる。或いは又、図8及び9に示すように一つのレンズのみのゾーンを切り替えることもできる。難度レベルはいつでも調整でき、新しい難度レベルは表示部510に表示される。
【0050】
難度レベルは、暗状態である持続時間の変更、透明状態である持続時間の変更又はその両者の組み合わせによって変化させることができる。例えば、難度レベルは0.1秒の固定の透明状態持続時間を有するが、暗状態(掩蔽状態)は難度レベルの増加とともに増大する可変持続時間を有する。例えば、最も難しいレベルは0.9秒間の掩蔽を与え、その間着用者の視覚が妨げられる。これはレンズが特定の状態にあるサイクルの割合を変化させるためにデューティサイクルを変化させる例である。更に、この例では、透明状態は一定に維持されるため、(以下に示すように)各レベルとともに周波数も変化する。しかしながら、周波数を所定のレベルに対して一定に維持し、透明状態の持続時間を暗状態のデューティサイクルの変化とともに変化させることも考えられる。本例では暗状態について検討したが、本例の暗状態を透明状態と置き換えることもできる。
【0051】
下記の表は、分光透過率状態の一つを透明状態/暗状態区間の反復シーケンスに対して一定に維持する場合のデューティサイクル、周波数及びレベルの関係を示す。
【0052】
【表1】

【0053】
図19は、本発明の実施形態による上記の表に対応する透明(例えば低減衰)状態及び暗(高減衰)状態の持続時間を示す。図19により示される8つの難度レベルの代表的な配列は、「最も易しい」レベル1902、「最も難しい」レベル1916及び中間レベル1904,1906,1906,1910及び1912のための透明状態区間及び暗状態区間の持続時間を含む。図19の模範的なレベルでは、透明状態区間1918,1920,1922,1924,1926,1928,1930及び1932は0.1秒の固定の持続時間を有するが、暗状態区間1919,1921,1923,1925,1927,1929.1931及び1933は難度レベルの増加とともに増大する持続時間を有する。例えば、最も難しいレベル1916は0.9秒の掩蔽状態区間を提供し、その間着用者の視覚が妨げられる。図19のすべてのレベルに対して、透明状態/暗状態区間の反復シーケンスが与えられ、代表的な1秒の期間に亘ってそれぞれの透明状態/暗状態区間が示されている。上記表について述べたように、一つの状態に対して一定の持続時間を維持する場合、分光透過率の第2の状態に対する持続時間を変化させると、周波数及びデューティサイクルの両方が変化し得る。
【0054】
前述したように、透明状態を暗状態と置き換えることによって、0.1秒の一定の暗状態区間を有する明状態/暗状態反復サイクルの模範的なシーケンスを示す下記の表が得られる。
【0055】
【表2】

【0056】
図20は、本発明の実施形態による上記の表に対応する透明(例えば低減衰)状態及び暗(高減衰)状態の持続時間を示す。図20により示される8つの難度レベルの代表的な配列は図19につき述べた配列の逆である。図20に示されるレベルは、「最も難しい」レベル2002、「最も易しい」レベル2016及び中間レベル2004,2006,2008,2010,2012及び2014のための透明状態区間及び暗状態区間の持続時間を含む。図20の模範的なレベルでは、暗状態区間2018,2020,2022,2024,2026,2028,2030及び2032は0.1秒の固定の持続時間を有するが、透明状態区間2019,2021,2023,2025,2027,2029.2031及び2033は難度レベルの増加とともに増大する持続時間を有する。例えば、最も易しいレベル2016は0.9秒の低減衰分光透過率区間を提供する。図20のすべてのレベルに対して、透明状態/暗状態区間の反復シーケンスが与えられ、代表的な1秒の期間に亘ってそれぞれの透明状態/暗状態区間が示されている。
【0057】
視覚トレーニング用アイウェアの着用者による知覚難度レベル制御のための追加の配列が考えられる。例えば、暗状態の持続時間及び明状態の持続時間を一緒に又は個別に変化させることができる。例えば、暗状態と明状態との間で1対1の比を維持しながら1対1の比に対して使用される持続時間(例えば75ミリ秒の暗状態及び75ミリ秒の明状態)を変化させることができ、これは(以下で説明されるように)本質的に周波数を変化させる。更に、暗状態は固定の持続時間を維持するが、知覚難度レベルを制御するために(上述したように)明状態の持続時間は変化させることが考えられる。更に、本発明の模範的な実施形態においては、(1)固定持続時間の明状態/可変持続時間の暗状態、(2)固定持続時間の明状態/固定持続時間の暗状態、(3)可変持続時間の明状態/固定持続時間の暗状態の任意の組み合わせを実施することができる。
【0058】
更に、明状態及び暗状態は共通のデューティサイクル(例えば、50%暗−50%明、40%暗−60%明、60%暗−40%明)に維持するが、周波数は調整することが考えられる。例えば、下記の表は模範的な50%デューティサイクルを使用し、1秒の期間中に暗状態及び明状態が繰り返し循環する。従って、難度レベルはその循環が起る周波数を変化させることによって調整される。下記の表は一例であって、他の周波数、デューティサイクル及び持続時間を使用することができる。
【0059】
【表3】

【0060】
図21は、本発明の実施形態による上記の表に対応する、固定のデューティサイクルを有する透明(例えば低減衰)状態及び固定のデューティサイクルを有する暗(高減衰)状態を示す。図21により示される8つの難度レベルの代表的な配列は、第1レベル2102、第8レベル2116及び中間レベル2104,2106,2106,2110及び2112のための透明状態区間及び暗状態区間の持続時間を含む。図21の模範的なレベルでは、透明状態区間2118,2120,2122,2124,2126,2128,2130及び2132は一定のデューティサイクルを有するが、それらの持続時間は周波数の変化とともに変化する。同様に、暗状態区間2119,2121,2123,2125,2127,2129.2131及び2133も、一定のデューティサイクルを維持しながら、周波数の減少とともに増大する持続時間を有する。図21のすべてのレベルに対して、透明状態/暗状態区間の反復シーケンスが与えられ、代表的な1秒の期間に亘ってそれぞれの透明状態/暗状態区間が示されている。
【0061】
更に、分光透過率状態の一つ(即ち、暗状態、明状態又は中間調状態)に対するデューティサイクルを調整しながら、周波数を一定(例えば2Hz,5Hz,8Hz,12Hz,20Hz)に維持することが考えられる。下記の表は、暗状態に対するデューティサイクルを調整しながら周波数は(実際上典型的には)10Hzに維持する模範的な態様を示す。既に示したように、これは調整可能な周波数、デューティサイクル及び/又は持続時間の一つの模範的な配列にすぎない。追加の態様も考えられる。
【0062】
【表4】

【0063】
図22は、本発明の実施形態による上記の表に対応する、透明(例えば低減衰)状態及び暗(高減衰)状態の持続時間を示す。図22により示される8つの難度レベルの代表的な配列は、一定の周波数を維持するが、難度レベルを変化するように調整された透明状態区間及び暗状態区間の持続時間を有する。例えば、図22のレベルは、「最も易しい」レベル2202、「最も難しい」レベル2216及び中間レベル2204,2206,2206,2210及び2212を含む。図22の模範的なレベルには、10Hzの一定周波数(10サイクル/秒)と、暗状態に対して変化するデューティサイクル(及びその結果の透明状態)が示されている。その結果、透明状態区間2228,2220,2222,2224,2226,2228,2230及び2232は暗状態デューティサイクルの増大とともに減少する持続時間を有する。暗状態区間2219,2221,2223,2225,2227,2229.2231及び2233は、暗状態デューティサイクルの増大とともに増大する持続時間を有する。図22のすべてのレベルに対して、透明状態/暗状態区間の反復シーケンスが与えられ、代表的な1秒の期間に亘ってそれぞれの透明状態/暗状態区間が示されている。
【0064】
透明状態/暗状態区間のこれらの配列は例示であって、透明状態及び暗状態区間の両方が変化する又は透明状態/暗状態区間が切り替えられる周波数が変化する他の配列を使用することもできる。約10−20Hzより高い周波数では、交番する明暗レベルは融合して灰色に知覚され得る。この融合は中心視野及び周辺視野において異なる周波数で起こり、周辺視野は伝統的に高周波数のフリッカに敏感である。暗/明区間の持続時間はこのような融合に基づいて選択することができる。視覚的課題はフリッカが観察されるレート、即ち低いレートで目立つものとすることができる。所定の実施形態においては、明暗の融合は、後に詳細に述べるように、例えば3次元画像を表示するビデオディスプレイを見るときに望ましい。
【0065】
難しさのレバルは透明状態又は暗状態にて制御されるゾーンのパターン又はシーケンスと関連させることもできるが、レベル調整は透明状態/暗状態区間の持続時間に限定されない。レベル調整ボタンは視覚チャレンジを選択するために掩蔽パターン、シーケンス及び/又はタイミングを変更するように構成できる。
【0066】
図10に示す別の例では、テンプルピース1000に電源スイッチ1002、行選択スイッチ1004及び列選択スイッチ1006が設けられる。スイッチ1004及び1006の反復駆動はそれぞれゾーンの異なる行及び列の選択を可能にする。ゾーンタイミングは電源スイッチ1002の反復駆動で変えることができる。
【0067】
更に別の例では、ユーザは特定の状態(即ち暗状態、明状態、中間調状態)に対する所望のデューティサイクルを変化させるために1つ以上の入力機器(例えばスイッチ、ボタン、制御部)を駆動することができる。同様に、ユーザは特定の状態に対する所望の周波数を変化させるために1つ以上の入力機器を駆動することができる。更に、ユーザが経験するデューティサイクル及び/又は周波数を変化させるために第3者が入力機器(無線入力装置)を駆動することができる。従って、ここで述べるプロセッサ、メモリ、制御機器及び他のコンポーネントは人により入力された所望の周波数及び/又はデューティサイクルを受信し、処理し、変換するように構成することができる。所望のデューティサイクル及び/又は周波数の入力は、間接的に、特定のデューティサイクル及び/又は周波数を含む選択された「レベル」とすることができ、また直接的に、特定のデューティサイクル及び/又は特定の周波数とすることができる。
【0068】
低屈折力レンズは、所定の基本曲率の同心レンズに対するマイナス屈折力まで任意のマイナス屈折力を有することができる。低屈折力レンズは、例えば−0.005ヂオプターより大きいマイナス屈折力、例えば−0.01又は−0.02ヂオプターより大きい屈折力、特に−0.01〜−0.12ヂオプター、例えば−0.04〜−0.09ヂオプターの範囲の屈折力を有することができる。このような低屈折力レンズは多数の利点をもたらす。低屈折力レンズはより小さいテーパを有し、零屈折力レンズより薄くできる。テーパの減少は、さもなければプラノレンズの過度に非平行の表面により誘起される周縁プリズムの対応する減少を引き起こす。薄いレンズはより良い物理的安定性、光学品質の向上、軽量化及びプラノレンズより均一な光透過率ももたらす。低マイナスレンズの生理学的利点は、高度に視覚的に難しい要求及び/又は緊張を引き起こすアクティビティに専念しているアスリート又は他の人の協調姿勢に良く適合することにある。
【0069】
左眼及び右眼に対するパターン又はシーケンスは異なる周波数、振幅(異なる光透過率)、デューティサイクル(異なる相対オン/オフ持続時間)及び位相で達成することができる。パターンは一定の周波数で切り替える必要はなく、チャープ又は他の可変周波数で切り替えることができ、またランダム周波数で切り替えることができる。いくつかの例ではレンズ透過率を変化させるが、透過光の偏光状態を変化させることもできる。このような偏光変調はネマチック液晶により規定されるゾーンで与えることができる。レンズは光透過率を静的に制御するために着色する又は中性グレーにすることもできる。
【0070】
アイウェア及びアイウェアシステムは所定のパターン及びパターンシーケンスを固定又は可変レートで提供するように構成するのが都合がよい。典型的には、ユーザ又はトレーナは、追加のパターン、パターンシーケンス、掩蔽度、可変又は固定パターンレート、パターンカラー又はカラーシーケンス又は他の視覚掩蔽を選択することができる。これらの追加のトレーニングは、一連のカスタム化オプションをキーボードやマウスなどのポインタ装置を用いるユーザ又はトレーナに基づく選択のために提供するように構成されたパーソナルコンピュータ又は他のコンピュータシステムを用いて選択することができる。これらの追加のトレーニングシーケンスが設計された後、これらのシーケンスはメモリに格納し、アイウェアコントローラ(アイウェアシステムと一体化してもしなくてもよい)で記憶するようにアイウェアシステムに通信することができる。カスタム化及びパターン選択はスポーツ固有機能、特定のトレーニング目標、着用者の生理特徴(眼間隔、眼窩非対称)などに基づくものとすることができる。
【0071】
他の例では、シングルレンズ又はデュアルレンズアイウェア(例えば眼鏡又はゴーグル)、保護マスク(例えばホッケーフェイスマスク)又は固定の装置(例えば静止ビュースクリーン又は保護スクリーン)などの視覚トレーニング装置はモアレパターンに基づく掩蔽を提供するように構成することができる。モアレパターンは、一般に、ロンチ法則によって与えられる交番透明及び不透明状態などの格子パターン又は他の周期又は非周期パターンのような2つ以上の反復パターンの重ね合わせにより形成される干渉パターンとみなせる。1つ以上の電気的に切り替え可能なパターン層は、モアレパターンをユーザの視野内に提示するようにパターン領域を切り替えることができるように構成される。例えば、レンズは第1のパターン層及び第2のパターン層を含むことができ、第1及び第2の層は互いにオフセットされる。一方又は両方のパターン層のパターンはモアレパターンを誘起する掩蔽パターンを生じるように選択することができる。例えば、第1のパターン層及び第2のパターン層は同じパターンに基づくものとし得る。一つのパターン層が掩蔽パターンを発生させるために選択的に切り替えられ、第1のパターン層のパターンセグメントの種々の組み合わせが活性化されるようにすることができる。モアレパターンは、第1のパターン層及び第2のパターン層の両方のパターンセグメントを選択的に切り替えることによって発生させることができる。このように、モアレパターン及び他のパターンの両方を提供することができる。いくつかの例では、両パターン層の一つは、ほぼすべてのパターンセグメントを通常一緒に活性化できるが個別に選択することはできないように構成することができる。
【0072】
パターンは2つの活性パターン層により設定される2つ以上のパターンの干渉に基づいて発生させることができるが、他の例では、一つの活性パターン層(即ちその少なくともいくつかのパターンセグメントが選択的に切り替え可能な透過率又は他の光学特性を有するパターン層)を固定のパターン層と組み合わせることができる。この場合、モアレパターンは活性パターン層のパターンセグメントの選択的活性化と固定のパターン層との組み合わせに基づいて提示される。いくつかのトレーニング状態においては、2つの固定パターンを使用することができ、モアレパターンは固定パターンの相対角度変位又は直線変位に基づいて選択することができる。アイウェアシステムは電気的に切り替え可能なアイウェア及び別個の固定パターンを提供することができ、別個の固定パターンはユーザ選択可能な視線を中心とする角度変位又は視線に垂直方向の直線変位を有することができる。便宜上、このような両変位は以後視線に対する変位という。
【0073】
湾曲アイウェア
図11につき説明すると、この図は本発明の実施形態による模範的な湾曲アイウェア1100を示す。正面からの斜視図で示される湾曲アイウェア1100はフレームの一部分を構成する上枠部材1102及び下枠部材1104を有する。フレームは2つの部分1106及び1108を有するレンズを湾曲した姿勢に保持するのに有効である。
【0074】
ここで述べるように、レンズは基板、1つ以上のコーティング材又は要素を含むことができ、これらのすべてが相まって湾曲眼鏡の着用者により知覚される光の透過を許可もしくは光の透過を掩蔽する。更に、ここで使用されるように、レンズは単眼で知覚される光透過率の制御に有効な単一部分を構成することができる。更に、ここで使用されるように、レンズは2つの部分を有する共通の部材を構成し、共通部材の各部分は着用者の固有の眼で知覚される光透過率の制御に有効であるものとすることができる。
【0075】
図11に戻り説明すると、部分1106は、模範的な実施形態では、部分1108と別個の部材とすることができる。しかし、追加の模範的な実施形態では、部分1106及び部分1108は共通の部材であるが、装着者の可視スペクトルの異なる部分のために働く(例えば2つの異なる眼のために働く共通のレンズ)ものである。
【0076】
模範的な実施形態においては、上枠部材1102は部分1106を強制的に規定の曲面にせしめる。例えば、部分1106は本来平坦基板であって殆ど湾曲していない。しかしながら、上枠部材1102は部分1106を湾曲姿勢へと導き、部分1106を湾曲姿勢に維持する。後に詳細に説明されるように、上枠部材1102は部分1106の上縁を受け入れるように構成された溝(図示せず)を含み得る。溝は部分1106(一般にはレンズ)の所望の湾曲姿勢と同等もしくはほぼ同一の湾曲を有するものとし得る。
【0077】
更に、上枠部材1102内の溝は直径が受け入れレンズの所望の湾曲よりわずかに小さいが、湾曲溝の幅は溝内に保持すべき受け入れレンズの幅より広くすることが考えられる。更に、上枠1102内の溝は受け入れレンズの所望の湾曲より直径がわずかに大きいが、湾曲溝の幅は湾曲の場所に対して変化させることも考えられる。これらの例は両方とも、レンズの能力を妨害することなく全表面にて光透過率を一貫して変化させるように、電気的に可変の分光透過率を有するレンズを湾曲した姿勢に保持することができる受け入れ溝を与えることを意図して考えられている。以下に詳述されるように、溝の湾曲及び溝の幅の調整は、その近くでレンズの電気的に可変の分光透過率を阻害するピンチポイントを防止する。
【0078】
図12は、本発明の実施形態による模範的な湾曲アイウェア1200の後部分解斜視図を示す。湾曲アイウェア1200は、上枠部材1202、下枠部材1204、左レンズ部分1206、右レンズ部分1208、上枠溝1210及び下枠溝1212、電源1214、プログラマブル制御ボード(PCB)1216及び保持部材受入スロット1218からなる。
【0079】
上枠1202は衝撃に耐える耐破砕性ポリマで構成される。例えば、湾曲アイウェア1200が物体(例えばボール)の当たる可能性がある運動競技に使用される場合、着用者の安全性とアイウェア1200の寿命の両方のためにその材料は破壊に耐えるものがよい。従って、右レンズ部分1208及び左レンズ部分1206もポリマなどの耐破砕性材料又は他の同様の特性の材料で構成することができる。
【0080】
模範的な実施形態においては、湾曲レンズはガラスで作られない。周知のように、ガラスは衝撃で破砕しやすく、着用者の視覚を損傷する可能性がある。それゆえ、本発明の模範的な実施形態においては、湾曲レンズはガラスでなく、レンズに適した特性(透明性)を有するプラスチック材料で作られる。更に、模範的な実施形態においては、レンズは周囲温度及び適度の圧力で湾曲させることができる曲げ可能な展性プラスチック材料で構成される。例えば、レンズは、模範的な実施形態では、室温で湾曲レンズに湾曲させることができる平坦プラスチック基板(即ち電気的に可変の分光透過率材料を付着させることができる物理的材料)で構成される。本例では、プラスチック基板は典型的なアイウェアフレームによって与えることができる典型的な力で湾曲した姿勢(位置)に維持される。しかしながら、模範的な実施形態におい、レンズはガラスで構成しても良いことが考えられる。
【0081】
湾曲アイウェア1200は、2つの別個のレンズ部分、即ち右レンズ部分1208及び左レンズ部分1206を有するものとして示されている。しかしながら、前述したように、図15に示されるように、本発明の実施形態においては単一レンズを使用してもよいことが考えられる。レンズ部分は、それが単一レンズであってもペアレンズの一部分であっても関係なく、図5−9に示され先に説明されたように複数のゾーンを有するものとし得る。従って、単一レンズが着用者の両眼に作用する例では、複数のゾーンを含めることができるために、着用者の左右の各眼により知覚され光は互いに同相、位相ずれとすることができ、また別の組み合わせのゾーン構成にすることができる。
【0082】
上枠部材1202は左レンズ部分1206及び右レンズ部分1208を着用者の顔及び眼に対して所定の位置に保持するフレームの一部分である。典型的なアイウェアフレームのように、上枠部材1202は湾曲アイウェア1200を装着者に対して所望の位置に保持するのに有効である。湾曲アイウェア1200は上枠部材1202と下枠部材1204が相まって左レンズ部分1206及び右レンズ部分1208を保持するように両部材を合体する。しかしながら、模範的な実施形態においては、湾曲レンズに対して上枠部材又は下枠部材のみを用いるもの又はどちらも用いないもの(縁なし)として実現することができることが考えられる。
【0083】
上枠部材1202は上部溝1210を含む。上部溝1210は上枠部材1202にレンズの縁部分を受け入れ保持するように構成された陥凹部である。前述したように、上部溝1210の幅はそこに受け入れ保持する縁部の幅に合わせることができる。また、模範的な実施形態においては、溝1210の幅は、少なくとも一つ以上の区分に沿って、そこに保持すべきレンズの縁部の幅より広くする。上部溝1210の深さは、模範的な実施形態では、上部溝1210内に埋め込まれるレンズの量を最少に維持しながらレンズを保持するのに十分な深さにされる。上部溝1210は、模範的な実施形態では、1つ以上の電気リード線を収容する空洞も提供する。電気リード線はレンズの電気的に可変の分光透過状態を制御するために及び/又は電源1214をPCB1216と接続するために使用することができる。
【0084】
上部溝1210と同様に、下部溝1212は下枠部材1204のようなフレーム部材に設けられた1つ以上のレンズを受け入れ保持する陥凹部である。湾曲アイウェア1200は本発明の模範的な実施形態であり、本例では左レンズ部分1206及び右レンズ部分1208が上部溝1210及び下部溝1212の両方で湾曲した姿勢に保持される。しかしながら、一つの溝が1つ以上のレンズを湾曲した姿勢に保持するために有効とすることも考えられる。
【0085】
PCB1216はプロセッサ及びコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含むプログラマブルコンピュティングボードである。模範的な実施形態においては、PCB1216は図2につき前述した模範的な制御システム204である。PCB216はレンズの1つ以上の状態を制御する。レンズの状態の例には透明状態がある。透明状態は、電気的に可変の分光透過率操作による妨害が最低であるレンズの光透過状態である。言い換えると、電力印加時に、電気的に可変の分光透過率レンズは、レンズの分光透過率特性の変化と関連する材料の固有の特性に応じて、「暗」状態又は「明」状態になり得る。暗状態は、分光透過率が低減されてないとき(例えば電力印加時又は非印加時)よりも大きい透過率にレンズの光透過を掩蔽する状態である。同様に、明状態は、分光透過率が低減されているとき(例えば電力印加時又は非印加時)よりもレンズの光透過を追加的に掩蔽しない状態である。従って、ここでは、透明状態は掩蔽状態より大きい分光透過率を生起し得る状態である。同様に、ここでは、掩蔽状態は透明状態より小さい分光透過率を生起し得る状態である。従って、透明状態及び掩蔽状態はここでは相対語である。
【0086】
PCB1216は、模範的な実施形態では、左レンズ部分1206及び右レンズ部分1208に対して透明状態と掩蔽状態の間の位相ずれフリッカ(例えばストローブ効果)を同期させるように構成される。位相ずれフリッカの同期化は表示装置のリフレッシュレートに合わされる。例えば、モニタ、テレビジョン及び/又はプロジェクタ(及び関連する観察表面)などの表示装置は表示画像を単位時間当たり特定の回数だけリフレッシュする。これはヘルツ単位で測定され、1秒あたりのサイクル数である。
【0087】
本発明の模範的な実施形態においては、湾曲アイウェアは表示装置のリフレッシュレートと同期化される。同期化は湾曲レンズの一部分を透明状態にするとともに湾曲レンズの別の部分を掩蔽状態にすることができる。透明状態から掩蔽状態へのサイクルは、着用者の右眼と関連するレンズが透明状態であるとき、右眼により知覚されるべき画像が表示装置に表示されるように表示装置に合わされる。同様に、透明状態から掩蔽状態へのサイクルは、着用者の左眼により知覚されるべき画像が表示装置に表示されるとき、左眼と関連するレンズが透明状態になるように調整される。逆に、特定の時刻に所定の画像を知覚するように予定されてない眼と関連するレンズは掩蔽される。
【0088】
例えば、240Hz(毎秒240画像)のリフレッシュレートを有するテレビジョンは、左レンズが毎秒120回透明にされ、他の毎秒120回掩蔽されるように湾曲アイウェアと同期化される。同様に、左レンズが掩蔽される毎秒120回、右レンズが透明にされ、その逆にされる。よって、テレビジョンは左眼知覚用に毎秒120画像及び右眼知覚用に毎秒120画像を交互に表示する。互いに位相ずれの2つのレンズ部分をテレビジョンのフレッシュレートと同期させるこのプロセスはテレビジョンで表示されるコンテンツの3次元(3D)ビューを体験可能にする。
【0089】
SDビュー時における湾曲レンズを有する湾曲アイウェアの利点は、湾曲アイウェアの着用者が3Dビュー体験において大きな周辺視野範囲が利用可能になることにある。例えば、比較的近い距離から(例えば映画館の前列から)大きな表示装置を見るとき、表示内容の一部分は標準の3D視聴用眼鏡により与えられる着用者の中心視野の外になる。更に、視聴者の周辺視野を活用するIMAX型ビュー環境において、アンラップ(非包み込み型)3D眼鏡は着用者の視覚に所要の拡大を与えることはできない。従って、着用者の視野を包み込む湾曲レンズは拡張された完全な3Dビュー体験を提供する。
【0090】
模範的な実施形態においては、湾曲アイウェアは受信機コンポーネント(図示せず)を含む。受信機コンポーネントは湾曲アイウェアの2つのレンズ部分の位相ずれサイクルを表示装置のリフレッシュレートと同期させるために表示装置から同期信号を受信する。例えば、受信機コンポーネントは表示装置又は関連するコンテンツソースから赤外信号を受信する赤外受信機である。受信機コンポーネントの追加の例は無線周波数(RF)受信機を含む。例えば、BLUETOOTH(登録商標)(IEEE標準802.15)は短距離RF仕様であり、本発明の実施形態に利用することが考えられる。
【0091】
受信モジュールは、湾曲アイウェアと表示装置の同期化に役立つのに加えて(又はそれに代えて)、湾曲アイウェアを制御するために1つ以上のリモート制御信号も受信するように機能することができる。例えば、湾曲アイウェアから直接制御できる機能を遠隔制御することもできる。例えば、湾曲レンズの電気的に調整可能な分光透過率のフリッカレート(例えば周波数、持続時間、強度、オン/オフ)を湾曲アイウェアと受信モジュールを介して通信するリモートコントローラによって調整することができる。
【0092】
例えば、運動競技トレーナは、アスリートが湾曲アイウェアでトレーニングしている間にリモートコントローラを用いて強度レベルを調整する(例えば1つ以上のレンズ部分の掩蔽状態又は透明状態の持続時間を変化させる)ことができる。従って、アスリートが湾曲アイウェアで易しい強度レベルでパス受けコースを走行しているとき、アスリートが最初に到来するボールを識別するとき、トレーナはトレーニング体験を高めるために湾曲アイウェアの強度レベルを増大させることができる。
【0093】
受信モジュールは、模範的な実施形態では、PCB1216に直接的に又は間接的に結合される。その結果として、受信信号の処理は受信モジュール又はPCB1216の一つによって全体的に又は部分的に達成することができる。
【0094】
図12に戻り説明すると、上枠部材1202は2つの保持部材受入れスロット1218を有することができる。保持部材受入れスロット1218はストラップなどの保持部材を受け入れる働きをする。例えば、湾曲アイウェア1200が競技又は運動活動に使用されるとき、ストラップによって湾曲アイウェアを着用者の顔に対して所望の位置に保持することができる。追加の模範的な実施形態においては、保持部材受入れスロット1218に受け入れられる保持部材には図3につき述べたテンプルピース302のようなテンプルが含まれる。
【0095】
図13は本発明の実施形態による湾曲溝1302を有する湾曲アイウェアフレーム1300の一部分を示す。前述したように、湾曲アイウェアに湾曲レンズを受け入れ保持する溝はフレームと同じ湾曲径にしないことができる。例えば、一実施形態においては、中央構造線から離れて着用者の頭の周囲を延在する量である「包み込み」の量を増大するために、フレームはフレームと関連する湾曲レンズより小さい湾曲径にすることができる。本例では、湾曲アイウェアによって与えられる包み込み量を全体として最大に維持しながら、湾曲レンズに与えられるひずみの量を低減するために、湾曲レンズ径は湾曲フレーム径より大きくする。説明のために、このコンセプトはレースドライバがレーストラックのコーナを走るときの進路に類似すると言える。この類似点において、ドライバはコーナにおいてコーナの外側からコーナ頂点近くで内側に切れ込みトラックの外縁に向かってコーナを出ることによって回転量を小さくいている。
【0096】
湾曲溝1302は上記の類似のコンセプトに従い、湾曲溝1302の径はフレーム1300の全体径より大きくする。例えば、フレーム1300の「内」縁と湾曲溝1302との間の距離は第1の距離1304から湾曲の頂点近くのより小さい距離1306に変化する。最後に、フレーム1300の内縁と湾曲溝1302との間の距離は距離1306から湾曲の「出口」で距離1308に増大する。従って、湾曲アイウェアに実際のレンズの湾曲を小さくしながら湾曲アイウェアの着用者に対して所望量の周辺視野が達成される。模範的な実施形態においては、湾曲レンズの径はそれを保持するフレームの径に同等にし得ることが理解されよう。更に、図13は一つの眼にのみ作用するレンズを収容する湾曲溝1302を示すが、湾曲溝は両眼に作用するレンズを同様に収容するようにフレームに沿って延在させることができる。
【0097】
図14は本発明の実施形態による湾曲アイウェア1400の正面斜視図を示す。湾曲アイウェア1400は着用者の視野を包み込む効果を提供するのに適している。その結果、湾曲アイウェア1400は周辺視野で知覚される光に影響を与える電気的に切り替え可能な分光透過率を着用者に与えるように機能することができる。
【0098】
湾曲フレーム内に設置された典型的な平坦レンズと異なり、湾曲アイウェアの着用者のまつげの接触は低減される。例えば、何の利益もないが、湾曲レンズ及びフレームソリューションの外観を与えるために平坦レンズを湾曲フレーム内に角度を付けて設置する場合、着用者はまつげが湾曲しないで角度だけ付いたレンズと接触することになる。電気的に切り替え可能な分光透過率の周辺視野を与えるように非湾曲レンズを湾曲フレーム内に押し込むためには、レンズは、レンズの内側縁が着用者の顔から離れる方向に押し出され、レンズの外側縁ができるだけ後方に延在して周辺視野の一部分をカバーするように角度が付けられる。しかしながら、このレンズの角度付けはレンズを着用者の眼、ひいてはまつげに一層近づける。電気的に切り替え可能な分光透過率を有する湾曲アイウェアを使用するとき、着用者は気を散せる邪魔なレンズとまつげの接触は望まない。それゆえ、湾曲レンズは平坦レンズで実感される厳しいまつげ接触を避けることができる。
【0099】
図14に戻り説明すると、湾曲アイウェアの機能(例えば電気的に可変の分光透過率)を制御する制御ボタン1402は湾曲アイウェア1400の右テンプル上に保持されるものとして示されている。制御ボタン1402は、模範的な実施形態では、図4に付き述べたレベル調整ボタン404及び406に類似する。湾曲アイウェア1400も電源1404を含む。前述したように、電源1404は電池又は他の交換可能なもしくは充電可能な電源を含むことができる。模範的な実施形態では、電源1404は湾曲アイウェア1400と関連するユニバーサルシリアルバス(USB)接続(図示せず)を介して充電される。例えば、湾曲アイウェア1400のPCBに対するコンピュータ読み取り可能な命令の更新に加えて、USB接続は電源1404の充電に使用することもできる。
【0100】
図15は着用者の両眼で知覚された光を操作するのに有効な本発明の実施形態による湾曲レンズ1500を示す。湾曲レンズ1500は単一基板であり、その上に電気的に可変の分光透過材料が結合される。例えば、LCD材料を、ガラスよりも良い耐破砕特性を有するポリマ基板内又は上に組み込むことができ、さもなければ相対的に位置させることができる。湾曲レンズ1500は着用者の左右の両眼で知覚される光を操作するのに有効である。しかしながら、前述したように、知覚された光の局部的な操作を可能にするために湾曲レンズ1500の上に1つ以上の電気的に可変の分光透過率のゾーン(又は部分)を実装さすることが考えられる。
【0101】
図16は本発明の一実施形態による湾曲アイウェア1600の上面図を示す。この湾曲アイウェアは湾曲フレーム1602及び湾曲レンズ1604を含む。
【0102】
平坦レンズにより与えられる視野の模範的な例は模範的な中心視野1606に制限される。しかしながら、着用者を包み込む湾曲レンズ1604によれば、視野は周辺視野1608を含む範囲に増大される。それゆえ、これは運動競技視覚トレーニング及び3Dアプリケーションにとって、視野を中心視野1606に加えて周辺視野1608も含むように増大するために望ましい。
【0103】
図17は本発明の実施形態による模範的な湾曲レンズ1700を示す。曲線1702はレンズ1700の全体曲線に沿って描かれている。曲線1702は直径(φ)1704を有する。曲線1702の直径1704は湾曲レンズ1700の湾曲姿勢を規定し、レンズ1700の湾曲姿勢は1704の直径を有する。しかしながら、位置1706−1712に示されるように、湾曲レンズ1700は曲線1702で規定される完全な円に従わないで、湾曲レンズ1700の湾曲姿勢は全体として曲線1702により規定される。
【0104】
例えば、湾曲レンズ1700は実際には点1706(左テンプル領域)及び点1708(ブリッジ領域)及び点1710(右テンプル領域)において図示の曲線1702と交差する。しかし、湾曲レンズ1700は点1712において曲線1702から発散する。湾曲レンズ1700の発散は、湾曲レンズが特定の直径により一貫して常に規定されないで、全体として規定されるので、ここでは時には近似的曲線という。前述したように、湾曲レンズ1700の曲率は、着用者のまつげから追加の隙間を与えるため及び/又は湾曲レンズ1700への応力を減少させて湾曲レンズ1700の電気的に切り替え可能な特性への悪影響を最低にするために発散させることができる。
【0105】
直径1704は模範的な実施形態では120ミリメートル〜200ミリメートルとする。他の実施形態では、直径1704はこの範囲より大きく又は小さくすることが考えられる。更に他の実施形態では、直径1704は130ミリメートル〜180ミリメートルとする。模範的な実施形態は、11.42ヂオプターとも表すこともできる175ミリメートルの直径を有する曲線で近似的に規定される湾曲姿勢を有する湾曲レンズを含む。更に別の模範的な実施形態においては、以下に詳述するように、湾曲姿勢は130ミリメートル〜140ミリメートルの直径を有する曲線で規定されるものとし得る。例えば、模範的な実施形態では、湾曲レンズは14.81ヂオプターとも表すことができる135ミリメートルの直径を有する近似曲線で規定される湾曲姿勢を有する。
【0106】
図18は本発明の実施形態による模範的な湾曲レンズ1800を示す。湾曲レンズ1800は左部分1802、右部分1804及びブリッジ部分1814を含む。図17につき述べたように、湾曲レンズは部分的に近似曲線で規定することができるが、模範的な実施形態においては、湾曲レンズ1800は特定の部分(例えば左部分1802、右部分1804)の曲線で規定される。その結果として、左部分1802の全体曲線に沿って曲線1806が描かれる。曲線1806は直径(φ)1810を有する。曲線1806の直径1810が、一実施形態では、湾曲レンズ1800の湾曲姿勢を全体として規定し、湾曲レンズ1800の湾曲姿勢の一部分は1810の直径を有する。同様に、右部分1804の全体曲線に沿って曲線1808が描かれる。曲線1808は直径(φ)1812を有する。曲線1808の直径1812も、一実施形態では、湾曲レンズ1800の湾曲姿勢を全体として規定し、湾曲レンズ1800の湾曲姿勢の一部分は1812の直径を有する。
【0107】
ブリッジ部分1814は左部分1802及び右部分1804よりも湾曲姿勢をとらない(湾曲姿勢を規定する曲線より大きい直径を有する)。従って、湾曲レンズ1800の一部分を全体として規定することは湾曲レンズ1800の一部分の直径を用いて行われる。本例では、湾曲レンズ1800はそれぞれ直径φ1810及びφ1812を有する第1の曲線(曲線1806)及び/又は第2の曲線(曲線1808)によって規定される。模範的な実施形態においては、直径φ1810及びφ1812は130〜140ミリメートルである。
【0108】
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、図示された様々なコンポーネント並びに図示されてないコンポーネントの多くの異なる構成配置が考えられる。本発明の様々な実施形態を説明したが、例示のためであって限定の意図はない。本発明の範囲に含まれる様々な代替実施形態が当業者に明らかである。当業者であれば上述した改良を実現する代替手段を本発明の範囲から逸脱することなく開発することができる。
【0109】
記載した技術の原理が多くの可能な実施形態に適用可能である点を考慮すると、図示の実施形態は好適例にすぎず、本発明の技術範囲を限定するものと解釈すべきでない。むしろ、本発明の範囲は添付の請求の範囲によって特定される。従って、出願人は添付の請求の範囲の精神及び技術範囲に入るすべてについて特許請求する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を減衰し得る電気的に可変の分光透過率を有する第1のレンズであって、その電気的に可変の分光透過率はレンズドライバによって制御される第1のレンズ、
光を減衰し得る電気的に可変の分光透過率を有する第2のレンズであって、その電気的に可変の分光透過率は前記レンズドライバによって制御される第2のレンズ、
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズを保持するように構成されたフレーム、及び
前記レンズドライバを備え、
前記レンズドライバは前記第1のレンズの可変分光透過率のデューティサイクル及び周波数を第1の持続時間を有する第1の分光透過率及び第2の持続時間を有する第2の分光透過率から調整するように構成されている。
ことを特徴とする視覚トレーニング用アイウェア。
【請求項2】
前記第1のレンズは液晶材料からなり、前記第2のレンズは液晶材料からなる、請求項1記載のアイウェア。
【請求項3】
前記第1の持続時間及び前記第2の持続時間は等しい持続時間である、請求項1記載のアイウェア。
【請求項4】
前記第1の持続時間は0.025,0.043,0.067,0.10,0.15,0.233,0.4又は0.9秒である、請求項1記載のアイウェア。
【請求項5】
前記第1の分光透過率は実質的に遮光性である、請求項4記載のアイウェア。
【請求項6】
前記レンズドライバは前記第1のレンズの可変分光透過率のデューティサイクル及び周波数の両方を調整する、請求項1記載のアイウェア。
【請求項7】
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズはガラスからなる、請求項1記載のアイウェア。
【請求項8】
前記レンズドライバは前記第1のレンズの可変分光透過率を前記第2のレンズの可変分光透過率と同相で循環させる、請求項1記載のアイウェア。
【請求項9】
前記レンズドライバは前記フレームで保持される、請求項1記載のアイウェア。
【請求項10】
ユニバーサルシリアルバス(USB)接続を更に備える、請求項1記載のアイウェア。
【請求項11】
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズはプラノレンズである、請求項1記載のアイウェア。
【請求項12】
前記アイウェアに入力を受信させるように構成された無線受信コンポーネントを更に備える、請求項1記載のアイウェア。
【請求項13】
アイウェアを備える視覚トレーニングシステムであって、前記アイウェアは、
第1のレンズ及び第2のレンズを備え、前記第1のレンズ及び前記第2のレンズは被訓練者の視野を掩蔽するために電気的に可変の分光透過率を有し、前記第1のレンズ及び前記第2のレンズの電気的に可変の分光透過率の変化は同相で行われ、
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズの電気的に可変の分光透過率のデューティサイクル及び周波数を制御するように構成されたレンズドライバを更に備え、
(1) 前記デューティサイクルは第1の持続時間を有する掩蔽状態のためのサイクルの割合又は第2の持続時間を有する非掩蔽状態のためのサイクルの割合を変化させるために調整可能であり、
(2) 前記周波数は、一定期間内に前記サイクルの数を、前記周波数が15Hz以下に調整できるように変化させるために調整可能である、
ことを特徴とする視覚トレーニングシステム。
【請求項14】
前記第1のレンズは液晶材料からなり、前記第2のレンズは液晶材料からなる、請求項13記載のアイウェア。
【請求項15】
前記レンズドライバはフレームで保持される、請求項13記載のアイウェア。
【請求項16】
前記レンズドライバは前記第1のレンズの可変分光透過率のデューティサイクル及び周波数の両方を同時に調整する、請求項13記載のアイウェア。
【請求項17】
前記第1のレンズは湾曲レンズである、請求項13記載のアイウェア。
【請求項18】
被訓練者の視野の一部分が前記アイウェアによって掩蔽される、請求項13記載のアイウェア。
【請求項19】
無線制御信号を受信する受信コンポーネントを更に備え、前記無線制御信号は前記アイウェアへの入力を与える、請求項13記載のアイウェア。
【請求項20】
第1の持続時間を有する第1の分光透過率状態で光を減衰する電気的に可変の分光透過率を有する第1のレンズ、
前記第1の持続時間を有する前記第1の分光透過率状態で光を減衰する電気的に可変の分光透過率を有する第2のレンズ、
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズを保持するように構成されたフレーム、及び
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズの電気的に可変の分光透過率を制御するレンズドライバを備え、前記レンズドライバは周波数及びデューティサイクルを受信し、前記第1のレンズの第1の持続時間及び前記第2のレンズの第1の持続時間を前記周波数又は前記デューティサイクルの少なくとも一つに基づいて制御するように構成されている、
ことを特徴とする視覚トレーニング用アイウェア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−148080(P2012−148080A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−8421(P2012−8421)
【出願日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)