合成樹脂製の折り畳み箱
【課題】合成樹脂製の折り畳み箱13を折り畳み且つ箱形状に組み立てできる。重複片に対して重複してスライド自在に連結された底片の先端が撓むのを防止し、荷重支持力を高める。
【解決手段】合成樹脂製の折り畳み箱13に側板1、底片4の重なり厚みに対応する重なり代吸収部8を設ける。折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1のうち一方の側板1から連出した底片4の一側部に、組み立てた状態で平面視で上記両側板1の下辺に対してそれぞれ鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出する。重複片11を上記隣接する他方の側板1の下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4に重複状態でスライド自在に結合する。箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4の底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部を隣接する他の底片4に支持させる支持手段7を設ける。
【解決手段】合成樹脂製の折り畳み箱13に側板1、底片4の重なり厚みに対応する重なり代吸収部8を設ける。折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1のうち一方の側板1から連出した底片4の一側部に、組み立てた状態で平面視で上記両側板1の下辺に対してそれぞれ鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出する。重複片11を上記隣接する他方の側板1の下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4に重複状態でスライド自在に結合する。箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4の底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部を隣接する他の底片4に支持させる支持手段7を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール製の折り畳み箱と同様に折り畳んだり箱状に組み立てたりすることができる合成樹脂製の折り畳み箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から段ボール製の折り畳み箱としてボトムロック式の段ボール箱が特許文献1により知られている。このものは、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板の隣接する側端部同士を折り曲げ線を介して折り畳み自在に連結して箱形状に組み立てた状態で平面視長方形となり、且つ、折り畳みに当たって一対の対角部の隅部が鋭角となり且つ他の一対の対角部の隅部が鈍角となるように略平行四辺形状に折り畳むことを経て偏平に折り畳むことができる角筒状側壁構成部と、4枚の側板の各下辺からそれぞれ折り曲げ線を介して各側板の内面に重なるように折り畳み自在に連出した4枚の底片よりなる底板構成部とで構成された段ボール箱であって、上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板のうち一方の側板から連出した底片の一側部に、箱形状に組み立てた状態で平面視で上記両側板の下辺に対して鋭角に傾斜した傾斜折り曲げ線を介して重複片を突出し、該重複片を上記隣接する他方の側板の下辺から底片連結ヒンジ部を介して連出した底片に重複した状態で接着剤や止め具により重複固定してあり、また、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する両底片同士を非連結として相互にフリーな状態としている。上記段ボール箱において折り曲げ線は段ボール箱を構成するための段ボールを山折り又は谷折りしたものである。
【0003】
このボトムロック式の段ボール箱は、折り畳み状態から箱状に組み立てる際、重複片を隣接する底片に重複した状態で接着剤や止め具により重複固定してあるので、折り畳み状態で各側板の内面側に重なるように折り畳まれて収納されていた各底片が次第に各側板の内面に対して底片連結ヒンジ部を中心に倒れるように自動的に回動して4つの側板を平面視で長方形又は正方形となるように組み立てた際に各底片が各側板に対して直角に倒れて箱の底部を自動的に形成するようになっている。また、箱形状に組み立てた状態から4枚の側板よりなる角筒状側壁構成部が略平行四辺形となるように折り畳んでいくと、重複片を隣接する底片に重複した状態で接着剤や止め具により重複固定してあるので、折り畳んでいくにしたがって各底片が各側板の内面側に近づくように底片連結ヒンジ部を中心に起立するように自動的に回動して各底片が各側板の内面に重なるようにして偏平に折り畳まれる。
【0004】
この折り畳み状態で2枚の側板間に2枚の底片が重なった状態となって重なり代が生じる。ここで、2枚の底片を介して重なる2枚の側板の側端同士を連結する折り曲げ線部分で単に折れ曲がるだけでは上記重なり代を吸収できないが、従来例にあっては素材が段ボールであるという特性により上記2枚の側板の側端同士を連結する折り曲げ線部分において段ボールが潰れると共に変形することで上記重なり代を吸収するようにしている。
【0005】
ところが、上記の従来例の段ボール箱は強度が弱くて破れ易く、また、汚れ易く、汚れたら汚れが落ち難く、洗浄もできず、これらの理由により通常の使用形態においては段ボール箱は1回だけの使い捨てという使用形態が取られており、省資源という観点から好ましくない。また、仮に段ボール箱を再使用するとしても、上記のように強度が弱く、汚れ易くて一旦汚れたら汚れが落ちにくく、洗浄もできないため、せいぜい3〜5回しか再使用できない。
【0006】
このため、上記のような構成の段ボール製の折り畳み箱の欠点を解決するためのものとして段ボール製に代えて合成樹脂製とすることが特許文献2により提案されている。
【0007】
ところで、組み立て箱を合成樹脂で形成すると、2枚の側板の側端同士を連結する折り曲げ線部分が段ボール製のもののように潰れ且つ変形することで折り畳み状態における2枚の側板間に2枚の底片が介在して重なった重なり代を吸収するということができない。このため、特許文献2に示された従来例においては、図16に示すように、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板1の隣接する側端部同士をV字状をした薄肉の側板連結ヒンジ部2で折り畳み自在に連結すると共に各側板1の下辺からV字状をした薄肉の底片連結ヒンジ部5を介して底片4を一体に連出し、更に、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1a、1bのうち一方の側板1aの端部に4枚の側板1が略平行四辺形に折り畳まれ且つ各底片4が各側板の内面に重なった折り畳み状態で上記重なり厚みに対応する重なり代吸収部8を設けることで対応するようにしている。
【0008】
そして、上記特許文献2に示された従来例においてはボトムロック式の折り畳み箱とするため図16(a)の展開図において側板1aから底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4aの側端から傾斜ヒンジ部9を介して連出した重複片11と、側板1bから底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4bとを溶着等により完全に固着するようになっている。
【0009】
ところが、上記特許文献2に示された従来例のような、重なり代吸収部8を設けた合成樹脂製の折り畳み箱は、ボトムロック式とするため重複片11と底片4とを完全固着しているので、箱形状に組み立てた状態から一対の対角部の隅部が鋭角、他の一対の対角部の隅部が鈍角となる略平行四辺形になるように折り畳た畳もうとしても、折り畳むことができず、折り畳み箱として機能しないという問題が発生する。
【0010】
以下、重なり代吸収部8を設けた合成樹脂製の折り畳み箱において重複片11と底片4bとを完全固着したものが折り畳むことができない理由につき述べる。
【0011】
すなわち、図16(b)のように側板1a、1b同士が鋭角に折り曲げられる部分に重なり代吸収部8が存在するが、この側板1a、1b同士が鋭角に折り曲げられる部分における各側板1a、1b、各ヒンジ部2、5、9、各底片4a、4b、重なり代吸収部8の関係は図17の模式図に示すようになる。なお、図17においては隣接する底片4a、4bが傾斜ヒンジ部9を介して連結してあって重複片11を省略しているモデルとして説明する。また、図17のモデルでは図17(a)のように箱形状に組み立てた状態(つまり側板1a、1bが直角となっている状態)で、平面視で傾斜ヒンジ部9の延長線が隅部の角D1を通り且つ各側板1a、1bの下辺に対してそれぞれ45°の傾斜角度となっている(つまり、傾斜ヒンジ部9が図17(a)において両側板1a、1bのなす角度の2等分線M1上に位置している)と仮定する。
【0012】
図17(a)において図面上、一方の側板1aの任意の点Aから側板1aの下辺に対して直角な線L1を引いた場合該線L1が傾斜ヒンジ部9と交わる交点をC1、他方の側板1bの任意の点Bから側板1bの下辺に対して直角な線L1’を引いた場合該線L1’が傾斜ヒンジ部9と交わる交点をC2とし、上記点A、Bがそれぞれ図17(a)の隅部の角D1からそれぞれ同じ寸法だけ離れている(図17(a)においてP1=P’1)と仮定すると、上記交点C1、交点C2は傾斜ヒンジ部9のある特定の一点Cにおいて一致している。
【0013】
ここで、両側板1a、1bのなす角度が図17(a)のように90°の状態から次第に小さくなるように変化していくにしたがって(つまり両側板1a、1bが側板連結ヒンジ部2部分で隅部が鋭角となるように折り畳まれるにしたがって)両側板1a、1bに対して底片連結ヒンジ部5を介して折り畳まれる両底片4a、4bが傾斜ヒンジ部9を介して折り畳まれるためには、該傾斜ヒンジ部9が常に両側板1a、1bのなす角度αを2等分した2等分線上に位置する必要がある。
【0014】
そこで、図17(a)の状態から側板1bを重なり代吸収部8の先端の側板連結ヒンジ2を中心に図17(b)のように回動し、両底片4a、4b同士が傾斜ヒンジ部9部分で折り畳まれながら両底片4a、4bがそれぞれ底片連結ヒンジ部5を中心に各側板1a、1bに重なる方向に回動して折り畳むことができると仮定した場合、両側板1a、1bの延長線が点D2で交わり、両側板1a、1bのなす角度αを2等分した2等分線は図17(b)においてM2で示され、傾斜ヒンジ部9はこの2等分線M2上に位置することになるが、この状態で上記図17(b)において紙面上で点A、点Bからそれぞれ各側板1a、1bの下辺に対して直角な線L2、L2’を引いた場合における上記2等分線M2上に位置する傾斜ヒンジ部9と交わる交点C1、C2は図17(b)のようになり、交点C1、C2が傾斜ヒンジ部9上で一致しないことになる。ところが、この交点C1、C2は前述のように本来は傾斜ヒンジ部9上のある特定の一点Cであり、図17(b)のように交点C1、C2が一致しないということは、傾斜ヒンジ部9において折り畳むことができないということを証明している。
【0015】
このように、特許文献2に示された合成樹脂製の重なり代吸収部8を設けた折り畳み箱は、重複片11を隣接する底片4bに溶着して固着してあるので、鋭角に折り畳まれる隅部において、各底片4a、4bがそれぞれ側板1a、1bに同士が重なるように折り畳むことができず、実施は困難である。また、大きな力をかけて無理矢理折り畳もうとすれば、底片4a、4bや重複片11、側板1a、1bが変形したり、破損したりしてしまい到底折り畳み箱としては使用できないという問題がある。
【0016】
そこで、本発明者は本発明に至る過程で、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板1の隣接する側端部同士を側板連結ヒンジ部2で折り畳み自在に連結して箱形状に組み立てた状態で平面視長方形又は正方形状となり、且つ、折り畳みに当たって一対の対角部の隅部が鋭角となり且つ他の一対の対角部の隅部が鈍角となるように略平行四辺形状に折り畳むことを経て偏平に折り畳むことができる角筒状側壁構成部3と、4枚の側板1の各下辺からそれぞれ底片連結ヒンジ部5を介して各側板1の内面に重なるように折り畳み自在に連出した4枚の底片4よりなる底板構成部6とで構成された合成樹脂製の折り畳み箱13において、上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1のうち一方の側板1の端部に4枚の側板1が略平行四辺形に折り畳まれ且つ各底片4が各側板1の内面に重なった折り畳み状態で上記重なり厚みに対応する重なり代吸収部8を設け、上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1のうち一方の側板1から連出した底片4の一側部に、箱形状に組み立てた状態で上記両側板1の下辺に対して鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出し、該重複片11を上記隣接する他方の側板1の下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4に重複状態でスライド自在に結合することを考えた。
【0017】
このものにおいては、4枚の側板1からなる角筒状側壁構成部3を略平行四辺形に折り畳むことを経て偏平となるように折り畳むことで、対向する側板1がほぼ平行で且つ側板1の内面に沿って底片4を重ねた状態で折り畳むことができ、しかも、この場合、折り畳み箱13が合成樹脂製であるにもかかわらず、折り畳んだ状態で対向する側板1と、各側板1の内面に沿って重ねた底片4との重なり代を重なり代吸収部8により吸収して、無理無く折り畳むことができる。
【0018】
しかしながら、重複片11を上記隣接する他方の側板1の下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4に重複状態でスライド自在に結合するものにおいては、箱形状に組み立てた状態で、上記重複片11に重複した底片4は重複片11に対してスライド自在に結合してあるだけであり、該底片4の先端部は何に対しても支持されておらず、上方から荷重が作用した場合、底片4の先端の自由端部分が下方に撓み、荷重を十分に支持できなかったり、重複片11との連結部分に無理な力が作用してこの連結部分が破損したり、あるいは、底片4の先端の下方に撓んだ部分が他の物に引っ掛かったりして取り扱いがし難くなるという問題があることが判明した。
【特許文献1】特開平8−169436号公報
【特許文献2】特開平8−282648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、合成樹脂製であるにもかかわらず、4つの側板よりなる角筒状側壁構成部を平面視長方形又は正方形となるようにするだけで4つの底片を自動的に回動しながら該4つの底片よりなる底板構成部により箱の底を自動的に且つスムーズに形成したり、4つの側板よりなる角筒状側壁構成部を略平行四辺形になるように折り畳むことで、自動的に各底片をそれぞれ各側板の内面に沿うようにスムーズに折り畳むことができ、特に、重複片に重複し且つ重複片に対してスライド自在に連結された底片の先端が下方に撓むのを防止し、重複片とのスライド自在に連結する連結部が破損するのを防止でき、更に上方からの荷重の支持力を高めることができ、また、強度が強く、耐久性に富み、汚れ難く、洗浄ができるので何度でも再利用ができて経済的で且つ省資源化を図ることができ、また、繰り返し折り曲げてもヒンジ部が割れたりすることがなく、更に、滑り止め効果や緩衝効果のある合成樹脂製の折り畳み箱を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するために本発明に係る合成樹脂製の折り畳み箱は、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板1の隣接する側端部同士を側板連結ヒンジ部2で折り畳み自在に連結して箱形状に組み立てた状態で平面視長方形又は正方形状となり、且つ、折り畳みに当たって一対の対角部の隅部が鋭角となり且つ他の一対の対角部の隅部が鈍角となるように略平行四辺形状に折り畳むことを経て偏平に折り畳むことができる角筒状側壁構成部3と、4枚の側板1の各下辺からそれぞれ底片連結ヒンジ部5を介して底片4を折り畳み自在に連出すると共に、折り畳み状態で各底片4が各側板1の内面に重なるように折り畳まれ且つ角筒状側壁構成部3を箱形状に組み立てた状態で底片4同士が重なって箱形状の底を形成するようにした底板構成部6とを備えた合成樹脂製の折り畳み箱13において、上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1のうち一方の側板1の端部に4枚の側板1が偏平に折り畳まれ且つ各底片4が各側板1の内面に重なった折り畳み状態で上記重なり厚みに対応する重なり代吸収部8を設け、上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1のうち一方の側板1から連出した底片4の一側部に、箱形状に組み立てた状態で平面視で上記両側板1の下辺に対してそれぞれ鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出し、該重複片11を上記隣接する他方の側板1の下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4に重複状態でスライド自在に結合し、箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4の底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部を隣接する他の底片4に支持させる支持手段7を設けて成ることを特徴とするものである。
【0021】
このような構成とすることで、4枚の側板1からなる角筒状側壁構成部3を略平行四辺形に折り畳むことを経て偏平となるように折り畳むことで、対向する側板1がほぼ平行で且つ側板1の内面に沿って底片4を重ねた状態で折り畳むことができ、しかも、この場合、折り畳み箱13が合成樹脂製であるにもかかわらず、折り畳んだ状態で対向する側板1と、各側板1の内面に沿って重ねた底片4との重なり代を重なり代吸収部8により吸収して、無理無く折り畳むことができるものであり、また、4枚の側板1からなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形に組み立てたり、あるいは、略平行四辺形に折り畳むことを経て偏平に折り畳んだりする際、上記のように、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1のうち一方の側板1から連出した底片4の一側部に、箱形状に組み立てた状態で上記両側板1に対して鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出し、該重複片11を上記隣接する他方の側板1の下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4に重複状態でスライド自在に結合してあるので、4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるようにするだけで4つの底片4を自動的に回動しながら該4つの底片4よりなる底板構成部6により箱の底を自動的に且つスムーズに形成したり、4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を略平行四辺形になるように折り畳むことで、自動的に各底片4をそれぞれ各側板1の内面に沿うようにスムーズに折り畳むことができ、これによりはじめて角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形としたり、略平行四辺形に折り畳むという操作をするだけで、自動的に箱の底が平面状態で形成されたり、自動的に折り畳まれたりするいわゆるボトムロック式の合成樹脂製の折り畳み箱13を実現できるようになったものである。しかも、箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4の底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部を隣接する他の底片4に支持させる支持手段7を設けてあるので、重複片11に重複し且つ重複片11に対してスライド自在に連結された底片4の先端が下方に撓わもうとするのを他の底片4により支持して撓まないようにすることができ、この結果、底片4による荷重の支持力を高めることができ、重複片11とのスライド自在に連結した部分に無理な力が作用して連結部分が破損するのを防止でき、また、底片4の先端が下方に撓まないので他の物に引っ掛かるおそれがなく、取り扱いが容易となるものである。また、ボトムロック式の合成樹脂製の折り畳み箱13であるので、強度が強く、耐久性に富み、汚れ難く、洗浄ができるので何度でも再利用ができて経済的で且つ省資源化を図ることができることになる。
【0022】
また、箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4の底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部を、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の隣接する他の底片4に支持手段7により支持させることが好ましい。
【0023】
このように、傾斜ヒンジ部9、重複片11、スライド自在な連結部を介して繋がっている鋭角となるように折り畳まれる方の隣接する底片4同士が箱状に組み立てた際に支持手段7で支持されることで、箱形状に組み立てた状態で隣接する底片4同士は傾斜ヒンジ部9、重複片11、スライド自在な連結部を介して相互に正確な位置関係となり、このため支持手段7による支持が正確な位置関係で確実にできることになる。
【0024】
また、箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4の底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部を、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の隣接する他の底片4に支持手段7により支持させることが好ましい。
【0025】
このような構成とすることで、箱形状に組み立てた状態で、重複片11に重複する底板4は傾斜ヒンジ部9、重複片11、スライド自在な連結部を介して繋がると共に、傾斜ヒンジ部9、重複片11、スライド自在な連結部を介して繋がっていない方の底板4に対して支持手段7により支持されることになる。つまり、箱形状に組み立てた状態で重複片11に重複する底板4は両隣りの底板4に支持されることになってより荷重の支持力が増し、また、よりいっそう先端が下方に撓むのを防止できることになる。
【0026】
また、重複片11とスライド自在に連結した底片4の先端部に被支持片7aを設けると共に、隣接する他の底片4に箱形状に組み立てた状態で被支持片7aの下面を支持する支持部7bを設けて、上記被支持片7aと支持部7bとで上記支持手段7を構成することが好ましい。
【0027】
このような構成とすることで、上方からの荷重を被支持片7aの下面から隣接する他の底片4の支持部7bにスムーズに支持させて安定して支持できる。
【0028】
また、スライド自在に連結した重複片11と底片4とを箱形状に組み立てた状態で重複片11が上、底片4が下となるように重複し、該重複片11とスライド自在に連結した底片4の先端部に被支持片7aを突設すると共に箱形状に組み立てた状態で被支持片7aの下面を支持する支持部7bを重複片11と傾斜ヒンジ部9を介して連結した隣接する底片4に設け、上記被支持片7aと支持部7bとで上記支持手段7を構成し、略平行四辺形状に折り畳んだ状態で、上記被支持片7aを折り畳み状態で傾斜ヒンジ部9の折り畳み中心線の延長線を越えて突出させることが好ましい。
【0029】
このような構成とすることで、折り畳み状態から箱形状に組み立てる際に、被支持片7aの下面を支持部7bに確実に支持させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、上記のように、4つの側板よりなる角筒状側壁構成部を平面視長方形又は正方形となるようにするだけで4つの底片を自動的に回動しながら該4つの底片よりなる底板構成部により箱の底を自動的に且つスムーズに形成したり、4つの側板よりなる角筒状側壁構成部を略平行四辺形になるように折り畳むことで、自動的に各底片をそれぞれ各側板の内面に沿うようにスムーズに折り畳むことができ、また、重複片に重複し且つ重複片に対してスライド自在に連結された底片の先端が下方に撓むのを防止し、重複片とのスライド自在に連結する連結部が破損するのを防止でき、更に上方からの荷重の支持力を高めることができ、また、合成樹脂製であるため、強度が強く、耐久性に富み、汚れ難く、洗浄ができるので何度でも再利用ができて経済的で且つ省資源化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0032】
本発明の合成樹脂製の折り畳み箱13は図1に示すように、少なくとも合成樹脂よりなる角筒状側壁構成部3と合成樹脂よりなる底板構成部6とを備えたものである。
【0033】
角筒状側壁構成部3は、図1乃至図5に示すように、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板1の隣接する側端部同士を側板連結ヒンジ部2で折り畳み自在に連結して構成してあり、この角筒状側壁構成部3は、箱状に組み立て状態で平面視長方形又は正方形となり、且つ、折り畳みに当たって図11に示すように、一対の対角部の隅部が鋭角となり且つ他の一対の対角部の隅部が鈍角となるように略平行四辺形状に折り畳むことを経て図10に示すように偏平に折り畳むことができるように構成してある。添付図面に示す実施形態では箱状に組み立てた状態で平面視長方形状となる例を示しているが、箱状に組み立てた状態で平面視正方形状のものであってもよい。
【0034】
また、上記前後左右の4枚の側板1の下辺から図1、図5に示すようにそれぞれ底片連結ヒンジ部5を介して一体に底片4を連出してあり、この4枚の底片4により底板構成部6が構成してある。各底片4は角筒状側壁構成部3を略平行四辺形状に折り畳んで行く際に側板1の内面側に近づくように底片連結ヒンジ部5部分を中心に回動して折り畳みの最終段階で図10に示すように側板1の内面に重なるように折り畳まれるようになっている。
【0035】
角筒状側壁構成部3は上記のように平面視長方形又は正方形に(つまり四角筒状に)組み立てた状態から略平行四辺形状に折り畳むことを経て偏平に折り畳むことができるようになっているが、この場合、図3に示すように上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1(1a、1b)のうち一方の側板1aの端部(上記鋭角となるように折り畳まれる方の隅部側の端部)の内面側に該側板1と一体に重なり代吸収部8となる柱状突出部を該側板1の高さ方向に沿って立設してある。
【0036】
上記重なり代吸収部8は、4枚の側板1が略平行四辺形に折り畳まれ且つ各底片4が各側板1の内面に重なった折り畳み状態で上記重なり厚みに対応する長さに設定してある。
【0037】
上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1a、1bのうち一方の側板1(添付図面においては長辺側の側板1a)から連出した底片4(以下底片4aと称する)の一側部には、箱形状に組み立てた状態で平面視で上記両側板1a、1bの下辺に対してそれぞれ鋭角(実施形態では45°)に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出してある。
【0038】
そして、図13に示すように、上記重複片11を上記隣接する他方の側板1bの下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4(以下底片4bと称する)に重複状態でスライド結合手段17によりスライド自在に結合してある。したがって、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する両底片4a、4bは、折り畳み状態、折り畳み状態から箱形状に組み立てる際、箱形状をしている状態、箱形状から折り畳む際、重複片11と底片4aとの結合部分でスライドしながら連結状態を維持し続ける構成となっている。
【0039】
また、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する両底片4(底片4a、4b)同士は非連結であって、相互にフリーの関係となっている。
【0040】
ここで、箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4bの底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部を隣接する他の底片4に支持させる支持手段7を設けてあり、添付面に示す実施形態では、底片4bの先端部に底片4bと平行な被支持片7aを設け、隣接する他の底片4aに上記被支持片7aの下面を支持するための支持部7bを設け、被支持片7aと支持部7bとで支持手段7を構成している。
【0041】
また、添付図面に示す実施形態では図2、図3に示すように、1乃至複数の側板1の上辺には蓋連結ヒンジ部10を介して蓋片15が折り畳み自在に連出してある。なお、この蓋片15は設けない場合もある。
【0042】
添付図面に示す実施形態においては、上記の構成の合成樹脂製の折り畳み箱13は合成樹脂の一体成形により形成した図14、図15に示すような箱半体12を2つ組み合わせ結合して構成してある。
【0043】
箱半体12は、図14、図15の展開図に示すように、隣接する一対の側板1a、1bの側端部同士を側板連結ヒンジ部2(以下側板連結ヒンジ部2aと称する)で連結し、一方の側板1aの側板連結ヒンジ部2aで連結していない方の側端に内面側に向けて重なり代吸収部8となる柱状突出部を側板1aの側端に沿って突設し、更に、他方の側板1bの側板連結ヒンジ部2aで連結していない方の側端に別の側板連結ヒンジ部2(以下側板連結ヒンジ部2bと称する)を設けてあり、該側板連結ヒンジ部2bの先端部に連結部18を設け、また、隣接する一対の側板1a、1bの各下辺から底片連結ヒンジ部5を介してそれぞれ底片4a、4bを連出し、更に、両隣接する底片4a、4bのうち一方の底片4aの隣接する他方の底片4bと反対側の側端に該底片4aを連出している底片連結ヒンジ部5に対して鋭角(実施形態では45°)に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を連出することで構成してある。
【0044】
底片4bの底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部の一側部に底片4bと平行に被支持片7a(以下被支持部7a1という)を突設すると共に先端部の他側部に底片4bと平行に被支持片7a(以下被支持部7a2という)が突設してある。また、底片4aの一側縁部とこれと対向する重複片11の一側縁部とを傾斜ヒンジ部9で連結してあるのであるが、対向する両側縁部の全長を傾斜ヒンジ部9で連結するのではなく、底片4aの一側縁部の底片連結ヒンジ部5から離れた方の端部付近の一部及びこれと対向する重複片11の一側縁部の端部付近の一部は傾斜ヒンジ部9で連結しない部分となっている。この対向する両側縁部のうち傾斜ヒンジ部9で連結しない部分は傾斜ヒンジ部の折り畳み中心線の延長線上において互いに当接又は小間隙を介して対向している。そして、底片4aの一側縁部の底片連結ヒンジ部5から離れた方の端部の上面側に支持部7b(以下、上面側の支持部7b1という)を設けてある。また、底片4aの他側縁部(傾斜ヒンジ部9で連結しない方の他側縁部)の下面側には支持部7b(以下、下面側の支持部7b2という)が設けてある。
【0045】
添付図面では更に側板1の上辺に蓋連結ヒンジ部10を介して蓋片15が連出してある。
【0046】
上記構成の箱半体12は合成樹脂の2色射出成形により一体に形成されるもので、側板1、底片4、重複片11、蓋片15、被支持片7a、支持部7bが、例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PC(ポリカーボネート)、PVC(塩化ビニル樹脂)、ABS樹脂等の硬質樹脂により成形してあり、また、側板1と側板1、側板1と底片4、底片4と重複片11、側板1と蓋片15とはそれぞれ側板連結ヒンジ部2a、2b、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10により折り畳み自在に一体に連結してあるが、この側板連結ヒンジ部2a、2b、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10の一部または全部が例えば、TPE(エラストマー)、LDPE(低密度ポリエチレン)、EVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)等の軟質樹脂により成形してある。
【0047】
上記のように合成樹脂により一体成形した箱半体12を2個用いて、一方の箱半体12の一方の側板1aの側端に設けた重なり代吸収部8に、他方の箱半体12の他方の側板1bの側端に設けた別の側板連結ヒンジ部2bの先端部に設けた連結部18を重ねて連結手段16により連結し、同様にして他方の箱半体12の重なり代吸収部8に一方の箱半体12の側板連結ヒンジ部2bの先端部に設けた連結部18を重ねて連結する。これにより、2個の側板連結ヒンジ部2aが一対の対角部に位置し且つ他の2個の側板連結ヒンジ部2bが他の一対の対角部に位置し、組み立て状態で平面視長方形又は正方形となり且つ折り畳みに当たって側板連結ヒンジ部2bが鋭角に、側板連結ヒンジ部2aが鈍角となる略平行四辺形となるように折り畳まれる角筒状側壁構成部3が構成される。
【0048】
また、一方の箱半体12の重複片11と他方の箱半体12の重複片11を連出していない方の底片4bとを重複すると共にスライド結合手段17により重複状態でスライド自在に結合し、同様に、他方の箱半体12の重複片11と一方の箱半体12の重複片11を連出していない方の底片4bとを重複すると共にスライド結合手段17により重複状態でスライド自在に結合する。つまり、2つの箱半体12を上記のように結合して折り畳み箱13を構成した場合、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する両底片4a、4b同士が傾斜ヒンジ部9、重複片11を介してスライド可能に連結してある。また、各箱半体12の成形時に一体に成形された底板4同士は非連結とし、相互にフリーの関係とする。つまり、2つの箱半体12を上記のように結合して折り畳み箱13を構成した場合、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する両底片4同士を非連結とするのである。このようにして底片連結ヒンジ部5を介して4枚の底片4が各側板1の内面に重なるように折り畳み自在となった底板構成部6が構成される。
【0049】
このように、2つの箱半体12を組み合わせ結合することで合成樹脂製の折り畳み箱13を形成することができる。なお、本実施形態では組み合わせる2つの箱半体12は同一形状のものを用いてあり、共通の成形金型により成形することが可能となる。
【0050】
重なり代吸収部8と側板連結用ヒンジ部2bの先端部に設けた連結部18とは上記のように連結手段16により連結するのであるが、この場合、硬質合成樹脂よりなる重なり代吸収部8に重複して連結される連結部18としては、軟質合成樹脂の側板連結用ヒンジ部2bと同様に軟質合成樹脂製であってもよいが、軟質合成樹脂の側板連結用ヒンジ部2bの先端部に硬質合成樹脂の連結部18を設けてもよい(添付図面に示す実施形態では硬質合成樹脂の連結部18を設けたもので、軟質合成樹脂の側板連結用ヒンジ部2bの先端の軟質部分内面又は外面に硬質合成樹脂製の連結部18を重複一体化した例が示してある)。
【0051】
連結手段16としては特に限定はないが、例えは、接着、溶着、あるいは係合による連結、固着具による連結等を挙げることができる。係合による連結の場合、例えば図14、図15に示すように重なり代吸収部8に係合部16aを設けると共に側板連結ヒンジ部2b(連結部18)側に被係合部16bを設けて係合部16aを被係合部16bに係合するようにしてもよい。
【0052】
また、重複片11と底片4bとを重複状態でスライド自在に結合するスライド結合手段17は、例えば、図13に示すように、重複片11又は底片4bの一方にスライド突起19を突設し、他方にスライド突起19がスライド自在に差し込まれるスライド突起19よりも大きなスライド孔20を形成し、スライド孔20にスライド突起19がスライド孔20から抜けないようにするための抜け止め部20aを設けて構成してある。
【0053】
上記の構成の合成樹脂製の折り畳み箱13は4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるように(つまり四角筒状に)組み立てた状態で、4つの底片4a、4bは、重複片11と底片4bとがスライド自在に重複連結した状態のまま各側板1に対して直角となって四角筒状の底を形成し、上方が開口した箱が組み立てられる。
【0054】
合成樹脂製の折り畳み箱13を上記のように箱形状に組み立てた状態で、重複片11とスライド自在に連結した底片4bの先端部の一側の被支持片7a1の下面が、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の角部において隣あう底片4aの上面側の支持部7b1の上に重ねられて支持されると共に、底片4bの先端部の他側の被支持片7a2が、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の角部において隣あう底片4aの側方が開口した孔又は側方が開口した袋状の下面側の支持部7b2に差し込まれて被支持片7a2の下面が支持される。
【0055】
このように箱形状に組み立てた状態で合成樹脂製の折り畳み箱13内に種々の収納物を収納し、蓋片15で上の開口を図2のように閉じる。その後、通常のボトムロック式の段ボール箱と同様に、蓋片15が開かないように粘着テープを貼り付け、更に、必要に応じて底片4側も粘着テープを貼り付ける。
【0056】
ここで、上記のように、箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4bの底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部に設けた被支持片7aの下面を隣接する他の底片4aに設けた支持部7bに支持させるように構成してあるので、重複片11に重複し且つ重複片11に対してスライド自在に連結された底片4の先端が下方に撓もうとするのを他の底片4により支持して撓まないようにすることができる。この結果、底片4による荷重の支持力を高めることができ、重複片11とのスライド自在に連結した部分に無理な力が作用して連結部分が破損するのを防止できて折り畳み操作、箱形状への組み立て操作がスムーズにでき、また、底片4の先端が下方に撓まないので他の物に引っ掛かるおそれがなく、取り扱いが容易となる。
【0057】
収納物を取出す場合には、粘着テープを剥離し、蓋片15を回動して開けることで収納物を取出すことができる。
【0058】
収納物を入れない非使用時には、図1、図2、図4、図5のように4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となっている組み立て状態から、図11に示すように4枚の側板1からなる角筒状側壁構成部3が略平行四辺形となるように折り畳むことで、図10に示すように対向する側板1がほぼ平行で且つ側板1の内面に沿って底片4を重ねた状態、つまり偏平状態に折り畳むことができる。この場合、折り畳んだ状態で対向する側板1と、各側板1の内面に沿って重ねた底片4との重なり代を重なり代吸収部8により吸収して、無理無く折り畳むことができる。
【0059】
また、4枚の側板1からなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるように組み立てたり、あるいは、略平行四辺形に折り畳んだりする際、本発明においては、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1a、1bのうち一方の側板1aから連出した底片4aの一側部に、箱形状に組み立てた状態で上記両側板1に対して鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出し、該重複片11を上記隣接する他方の側板1bの下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4bに重複状態でスライド自在に結合してあるので、4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるようにしたり、略平行四辺形状に折り畳んだりする際、重複片11が底片4bに対して重複状態を保ちながらスライドすることで、底片4aが底片連結ヒンジ部5を介して側板1aに対して回動し且つ該側板1aに対して重複片11が傾斜ヒンジ部9を介して回動し、同時に、底片4bが重複片11に対して重複状態でスライドしながら底片連結ヒンジ部5を介して側板1bに対して回動し、これにより4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるようにするだけで4つの底片4を自動的に回動しながら該4つの底片4よりなる底板構成部6により箱の底を自動的に且つスムーズに形成したり、4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を略平行四辺形になるように折り畳むことで、自動的に各底片4をそれぞれ各側板1の内面に沿うようにスムーズに折り畳むことができ、図17に示すように重なり代吸収部8を設けた合成樹脂製の折り畳み箱における折り畳むことができないという問題を解決できる。
【0060】
本発明の合成樹脂製の折り畳み箱13は、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10の一部又は全部を軟質合成樹脂により形成してあることで、箱形状に組み立てた状態で積み重ねたり、略平行四辺形状に折り畳んだ状態で積み重ねたり、コンベアに載せて搬送したり、あるいは箱形状に組み立てた状態で床やコンベアやトラックの荷台やあるいは他の合成樹脂製の折り畳み箱13等の載置部に載置した場合、軟質合成樹脂よりなるヒンジ部が載置部に接触することになってヒンジ部が滑り止め機能を発揮して、折り畳み箱13が滑ったり、ずれたりするのを防止することができるものであり、また、衝撃が加わった際に軟質樹脂よりなるヒンジ部が衝撃の緩衝作用をするものである。この場合、軟質合成樹脂よりなるヒンジ部の外面が側板1や底片4や重複片11、蓋片15の外面より少し外に突出するように構成しておくとよりいっそう滑り止め効果が発揮できる。
【0061】
ところで、添付図面に示す実施形態においては、箱形状に組み立てた状態で、折り畳み箱13の底は図4に示すように、折り畳み箱13の上開口から見て2つの底片4aのみが見えるように構成してある。
【0062】
すなわち、折り畳みに当たって鈍角となるように折り畳まれる隅部の両側の側板1a、1bのうち一方の側板1aの下辺に底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4aは、図14、図15に示すように、底片連結ヒンジ部5に沿って連続する直角台形状をした直角台形片部21と略平行四辺形状をした段落ち重複片部22とで構成してある。
【0063】
直角台形片部21は直角台形状をしており、その下底(つまり直角台形の下底)が底片連結ヒンジ部5に沿っており、また、直角台形片部21はその下底の一端が側板1aの下辺の鈍角となるように折り畳まれる隅部側の端部に位置して上記直角台形片部21の垂直辺が側板1aの下辺の鈍角となるように折り畳まれる隅部側の端部に位置すると共に該垂直辺の長さを上記隅部の両側の側板1a、1bのうち他方の側板1bの下辺の長さに等しくし設定してある。直角台形片部21の下底の他端(つまり直角台形の下底と斜辺とが交わる点)は側板1aの他端(実施形態では重なり代吸収部8側の端部)から側板1aの一端側に所定寸法ずれて位置している。また、直角台形片部21の斜辺は下底に対して45°の傾斜となっている。
【0064】
直角台形片部21の斜辺から段落ち重複片部22が一体に連設してあり、この段落ち重複片部22は略平行四辺形状をしていて略平行四辺形の鈍角を挟んだ一辺が直角台形片部21の斜辺の底片連結ヒンジ部5側の端部から全長さの1/2の部分までの範囲で一体に連出してあり、略平行四辺形状をした段落ち重複片部22も略平行四辺形の鈍角を挟んだ他辺が底片連結ヒンジ部5を介して側板1aに折りたたみ自在に連結してある。段落ち重複片部22の上面は直角台形片部21の上面よりも下方に段落ちしている。
【0065】
段落ち重複片部22の直角台形片部21の斜辺と対向する斜辺から傾斜ヒンジ部9を介して直角二等辺三角形状をした重複片11が連出してある。
【0066】
段落ち重複片部22の一側縁部とこれと対向する重複片11の一側縁部とを傾斜ヒンジ部9で連結してあるが、段落ち重複片部22の一側縁部の一側縁部の底片連結ヒンジ部5から離れた方の端部付近の一部及びこれと対向する重複片11の一側縁部の端部付近の一部は傾斜ヒンジ部9で連結しない部分となっており、この対向する両側縁部のうち傾斜ヒンジ部9で連結しない部分は傾斜ヒンジ部の折り畳み中心線の延長線上において互いに当接又は小間隙を介して対向している。そして、段落ち重複片部22の一側縁部の底片連結ヒンジ部5から離れた方の端部付近の上面側に上面側の支持部7b1を設けてある。
【0067】
直角二等辺三角形状をした重複片11の直角を挟む2辺のうち一辺は図14、図15に示すように展開状態で略平行四辺形状をした段落ち重複片部22の底片連結ヒンジ部5と対向する辺と一直線となるように設定してあり、また、直角二等辺三角形状をした重複片11の直角を挟む2辺のうち他の1辺は展開状態で重なり代吸収部8の内面と平面視で略一直線状となるように設定してある。
【0068】
直角台形片部21の下面側は下面のレベルが異なる3つの部位に区分される。一つは箱形状に組み立てた状態で下面側に露出する部位21aで、段落ち重複片部22に隣接した部位で段落ち重複片部22下面と同じレベルとなっている。他の一つは箱形状に組み立てた状態で下面側に重複片11の上面が重なる部位21bで、この部位21bの下面は上記部位21aの下面よりも上方に位置している。更に他の一つは箱形状に組み立てた状態で底片4bの重複片11と重複していない部位の上面が重なる部位21cで、この部位21c下面は上記部位21aの下面よりも上方に位置し且つ上記部位21bの下面より下方に位置している。下面側において上記のようにレベルの異なる3つの部位を形成するには、例えば図9に示すように直角台形片部21の下面に垂下長の異なる底リブ28a、28bを垂設することで、垂下長の長い底リブ28aを垂設した部位を箱形状に組み立てた状態で最もレベルが低い下面側に露出する部位21aとし、垂下長の短い底リブ28bを垂設した部位を箱形状に組み立てた状態で次にレベルが低い底片4bの重複片11と重複していない部位の上面が重なる部位21cとし、底リブを垂設しない部位又は最も垂下長さの短い底リブを垂設した部位を箱形状に組み立てた状態で最もレベルが高い下面側に重複片11の上面が重なる部位21bとしている。図9には上記直角台形片部21の下面の3段の段差となった3つの部位21a、21b、21cの下端の位置関係の関係を示している。
【0069】
上記部位21aの下端と部位21cの下端とのレベル差は底片4bの厚みと同一又は略等しくなっており、部位21aの下端と部位21bの下端とのレベル差は底片4bの厚みと重複片11の厚みとの合計と同一又は略等しくなっている。また、部位21aの下端と部位21bの下端とのレベル差は段落ち重複片部22の厚みと同一又は略等しくなっている。上記部位21aと部位21bとの境界部分には側方に開口する孔又は側方が開口した袋状の下面側の支持部7b2が形成してある(図8の実施形態では下面側の支持部7b2は側方に開口する袋状となっている)。
【0070】
底片4bの先端の両端部にはそれぞれ被支持片7a、7bが突出してある。被支持片7a、7bはいずれも突出部分が三角形状をしており、被支持片7a、7bの下面は底片4bの下面よりも上にずれている。
【0071】
そして、折り畳み箱13を箱形状に組み立てて上記のように2つの直角台形片部21の斜辺同士を当接又は近接させて2つの直角台形片部21の上面を面一に連続させて箱の上開口から見た場合の底面を形成した状態で、図6に示すように、一方の直角台形片部21の下面の部位21bに、この底片4aと対向する別の底片4aの段落ち重複片部22と傾斜ヒンジ部9と重複片11が嵌り込んでそれぞれ直角台形片部21の下面の部位21bに重複する。ここで、重複片11の下面側には底片4bの片側半分が重複し、該底片4bの下面が底片4aの段落ち重複片部22の下面と面一(つまり同一レベル)となり、また、底片4bの先端部の一側に設けた被支持片7a1が上記重複片部22の上面の支持部7b1に重複し、重複片部22の上面の支持部7b1により被支持片7aの下面が支持される。この場合、略平行四辺形状に折り畳んだ状態で、図12のように、上記被支持片7aを折り畳み状態で傾斜ヒンジ部9の折り畳み中心線の延長線を越えて突出させる構成とすると、折り畳み状態から箱形状に組み立てる際に、被支持片7aの下面が必ず段落ち重複片部22の上面側に対向した状態で箱形状に組み立てられ、箱形状となった状態で被支持片7aの下面が段落ち重複片部22の上面部に設けた支持部7b上に自動的に確実に重ねられて支持されることになる(図6(a)参照)。
【0072】
また、図8に示すように、直角台形片部21の下面の部位21cには底片4bの重複片11と重複していない片側半部の上面が重なり、底片4bの重複片11と重複していない片側半部の下面が底片4aの直角台形片部21の下面の露出する部位21aと面一(つまり同一レベル)となり、また、底片4bの先端部の他側に設けた被支持片7a2が、直角台形片部21の下面の部位21aと部位21cとの境界部分に設けた側方に開口する孔又は側方が開口した袋状の下面側の支持部7b2に差し込まれて被支持片7a2の下面が孔又は袋状の下面側の支持部7b2の下面部分に支持される(図8(a)参照)。
【0073】
このようにして折り畳み箱13を箱形状に組み立てた状態で重複片11の下面側に重複した状態でスライド結合手段17によりスライド自在に結合した底片4bの先端部を被支持片7aと支持部7bとよりなる支持手段7により両側に隣接する各底片4aに支持させるようになっていて、組み立て状態で荷重を受けても底片4bの先端部が下方に撓まないようになっており、スライド結合手段17部分に大きな荷重が作用してこの部分が損傷しないようになっている。
【0074】
また、箱の底の上面及び下面はいずれも段差のない面一状態となり、箱の底の上面は2つの直角台形片部21の斜辺同士を当接又は近接させて2つの直角台形片部21の上面を面一に連続させて形成してあるので、箱の内面を見た場合の底が綺麗で、収納物を入れた場合に引っ掛かったりせず、また、底片4bの先端が下方に撓まないので下面にも他の物が引っ掛かったりせず、取り扱いが容易となる。
【0075】
ここで、図示を省略しているが、箱形状に組み立てた状態で、対向する底片4aの一部と底片4aの一部とが上下に重複する部分、隣接する底片4aの一部と底片4b一部とが上下に重複する部分において、対向する底片4a、4a同士、隣接する底片4a、4b同士が面方向にずれるのを防止する手段を設けてもよい。このものは例えば、上記重複する底片4の一方側に嵌め込み部を、他方側に被嵌め込み部を設け、組み立てて底片4の一部同士を上下に重複する際に、上下方向からの嵌め込み操作により嵌め込み部を被嵌め込み部に嵌め込み、これにより底片4同士が面方向にずれるのを防止する。このように箱形状に組み立てた状態で底片4同士が面方向にずれるのを防止して底板構成部6が平面視で長方形又は正方形に保持されるので、被支持片7aの下面が支持部7bで支持されている状態を維持できることになる。
【0076】
上記実施形態では、底片4bの先端の両側に被支持片7a1、被支持片7a2を設け、また、底片4aに支持部7b1と支持部7b2を設け、箱形状に組み立てた状態で、被支持片7a1、被支持片7a2をそれぞれ支持部7b1と支持部7b2とに支持させた例で説明したが、底片4bの先端に被支持片7a1を設け、また、底片4aに支持部7b1を設け、箱形状に組み立てた状態で、被支持片7a1を支持部7b1に支持させるものであってもよく、この場合は、被支持片7a1を突出した底片4bと、支持部7bを設けた底片4aとが、ヒンジ部9、重複片11、スライド自在な連結部を介して相互に正確な位置関係となり、このため被支持片7a1を支持部7b1に正確な位置関係で確実に支持できることになる。
【0077】
また、底片4bの先端に被支持片7a2を設け、また、底片4aに支持部7b2を設け、箱形状に組み立てた状態で、被支持片7a2を支持部7b2に支持させるものであってもよく、この場合は、被支持片7a2を突出した当該底片4bとは、ヒンジ部9、重複片11、スライド自在な連結部を介して連結してない方の底片4aに支持させることができ、より荷重の支持力が増し、また、よりいっそう先端が下方に撓むのを防止できることになる。
【0078】
なお、添付図面に示す実施形態においては、合成樹脂製の2つのパーツ(すなわち2つの箱半体12)を組み合わせ結合して合成樹脂製の折り畳み箱13を形成した例を示したが、合成樹脂製の3つ以上のパーツを組み合わせ結合して合成樹脂製の折り畳み箱13を形成してもよい。また、折り畳み箱13全体を合成樹脂製の1パーツで形成し、これを組み立ててもよい。
【0079】
ところで、添付図面に示す実施形態では、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10の一部又は全部を軟質合成樹脂により形成した例を示したが、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10を側板1や底片4、重複片11等と同じ硬質合成樹脂製の薄肉ヒンジ部として側板1や底片4等と一体に形成してもよい。
【0080】
また、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10等を側板1、底片4、重複片11、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10等を一体に形成することなく別々に形成し、上記別体の各ヒンジ部を介して連結手段により側板1同士、側板1と底片4、底片4と重複片11をそれぞれ折り畳み自在に連結してもよい。この場合は上記各ヒンジ部が合成樹脂製であっても金属製であってもよい。
【0081】
なお、蓋片15を設けた場合、折り畳み箱13を折りたたんで扁平にした状態で、各蓋片15が各側板1と平行に面一となるようにするが、蓋片15を側板1の内面に沿って重ねるように内側に折り畳んだりするものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の合成樹脂製の折り畳み箱を箱形状に組み立てた状態の下方から見た斜視図である。
【図2】同上の合成樹脂製の折り畳み箱を箱形状に組み立てた状態の上方から見た斜視図である。
【図3】同上の折り畳んだ状態の斜視図である。
【図4】同上の箱形状に組み立てた状態の平断面図である。
【図5】同上の箱形状に組み立てた状態の底面図である。
【図6】同上の図4のX−X線の断面図である。
【図7】(a)は同上の図5のY1−Y1線の断面図であり、(b)は同上のY2−Y2線の断面図である。
【図8】(a)は同上の図5のZ1−Z1線の断面図であり、(b)は同上のZ2−Z2線の断面図である。
【図9】同上の直角台形片部の下面が3段の段差となっていることを示す断面図である。
【図10】(a)は同上の折り畳んだ状態の断面図であり、(b)は(a)の要部拡大断面図である。
【図11】同上の折り畳み途中の状態を示す下方から見た斜視図である。
【図12】同上の折り畳んだ状態において被係止片が傾斜ヒンジ部の折り畳み中心線の延長線を越えて突出している状態を示す斜視図である。
【図13】同上のスライド結合手段で重複片と底片とを連結した部分を示し、(a)は断面図であり、(b)は一部破断した斜視図である。
【図14】同上の箱半体の展開状態を示す上から見た斜視図である。
【図15】同上の箱半体の展開状態を示す下から見た斜視図である。
【図16】従来例を示し、(a)は展開図であり、(b)は折り畳み状態の断面図である。
【図17】(a)、(b)は同上の重なり代吸収部を設けた合成樹脂製の従来の組み立て箱において重複片と底片とを完全固着したものが折り畳むことができない理由を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0083】
1 側板
2 側板連結ヒンジ部
3 角筒状側壁構成部
4 底片
5 底片連結ヒンジ部
6 底板構成部
7 支持手段
7a 被支持片
7b 支持部
8 重なり代吸収部
9 傾斜ヒンジ部
11 重複片
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール製の折り畳み箱と同様に折り畳んだり箱状に組み立てたりすることができる合成樹脂製の折り畳み箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から段ボール製の折り畳み箱としてボトムロック式の段ボール箱が特許文献1により知られている。このものは、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板の隣接する側端部同士を折り曲げ線を介して折り畳み自在に連結して箱形状に組み立てた状態で平面視長方形となり、且つ、折り畳みに当たって一対の対角部の隅部が鋭角となり且つ他の一対の対角部の隅部が鈍角となるように略平行四辺形状に折り畳むことを経て偏平に折り畳むことができる角筒状側壁構成部と、4枚の側板の各下辺からそれぞれ折り曲げ線を介して各側板の内面に重なるように折り畳み自在に連出した4枚の底片よりなる底板構成部とで構成された段ボール箱であって、上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板のうち一方の側板から連出した底片の一側部に、箱形状に組み立てた状態で平面視で上記両側板の下辺に対して鋭角に傾斜した傾斜折り曲げ線を介して重複片を突出し、該重複片を上記隣接する他方の側板の下辺から底片連結ヒンジ部を介して連出した底片に重複した状態で接着剤や止め具により重複固定してあり、また、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する両底片同士を非連結として相互にフリーな状態としている。上記段ボール箱において折り曲げ線は段ボール箱を構成するための段ボールを山折り又は谷折りしたものである。
【0003】
このボトムロック式の段ボール箱は、折り畳み状態から箱状に組み立てる際、重複片を隣接する底片に重複した状態で接着剤や止め具により重複固定してあるので、折り畳み状態で各側板の内面側に重なるように折り畳まれて収納されていた各底片が次第に各側板の内面に対して底片連結ヒンジ部を中心に倒れるように自動的に回動して4つの側板を平面視で長方形又は正方形となるように組み立てた際に各底片が各側板に対して直角に倒れて箱の底部を自動的に形成するようになっている。また、箱形状に組み立てた状態から4枚の側板よりなる角筒状側壁構成部が略平行四辺形となるように折り畳んでいくと、重複片を隣接する底片に重複した状態で接着剤や止め具により重複固定してあるので、折り畳んでいくにしたがって各底片が各側板の内面側に近づくように底片連結ヒンジ部を中心に起立するように自動的に回動して各底片が各側板の内面に重なるようにして偏平に折り畳まれる。
【0004】
この折り畳み状態で2枚の側板間に2枚の底片が重なった状態となって重なり代が生じる。ここで、2枚の底片を介して重なる2枚の側板の側端同士を連結する折り曲げ線部分で単に折れ曲がるだけでは上記重なり代を吸収できないが、従来例にあっては素材が段ボールであるという特性により上記2枚の側板の側端同士を連結する折り曲げ線部分において段ボールが潰れると共に変形することで上記重なり代を吸収するようにしている。
【0005】
ところが、上記の従来例の段ボール箱は強度が弱くて破れ易く、また、汚れ易く、汚れたら汚れが落ち難く、洗浄もできず、これらの理由により通常の使用形態においては段ボール箱は1回だけの使い捨てという使用形態が取られており、省資源という観点から好ましくない。また、仮に段ボール箱を再使用するとしても、上記のように強度が弱く、汚れ易くて一旦汚れたら汚れが落ちにくく、洗浄もできないため、せいぜい3〜5回しか再使用できない。
【0006】
このため、上記のような構成の段ボール製の折り畳み箱の欠点を解決するためのものとして段ボール製に代えて合成樹脂製とすることが特許文献2により提案されている。
【0007】
ところで、組み立て箱を合成樹脂で形成すると、2枚の側板の側端同士を連結する折り曲げ線部分が段ボール製のもののように潰れ且つ変形することで折り畳み状態における2枚の側板間に2枚の底片が介在して重なった重なり代を吸収するということができない。このため、特許文献2に示された従来例においては、図16に示すように、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板1の隣接する側端部同士をV字状をした薄肉の側板連結ヒンジ部2で折り畳み自在に連結すると共に各側板1の下辺からV字状をした薄肉の底片連結ヒンジ部5を介して底片4を一体に連出し、更に、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1a、1bのうち一方の側板1aの端部に4枚の側板1が略平行四辺形に折り畳まれ且つ各底片4が各側板の内面に重なった折り畳み状態で上記重なり厚みに対応する重なり代吸収部8を設けることで対応するようにしている。
【0008】
そして、上記特許文献2に示された従来例においてはボトムロック式の折り畳み箱とするため図16(a)の展開図において側板1aから底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4aの側端から傾斜ヒンジ部9を介して連出した重複片11と、側板1bから底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4bとを溶着等により完全に固着するようになっている。
【0009】
ところが、上記特許文献2に示された従来例のような、重なり代吸収部8を設けた合成樹脂製の折り畳み箱は、ボトムロック式とするため重複片11と底片4とを完全固着しているので、箱形状に組み立てた状態から一対の対角部の隅部が鋭角、他の一対の対角部の隅部が鈍角となる略平行四辺形になるように折り畳た畳もうとしても、折り畳むことができず、折り畳み箱として機能しないという問題が発生する。
【0010】
以下、重なり代吸収部8を設けた合成樹脂製の折り畳み箱において重複片11と底片4bとを完全固着したものが折り畳むことができない理由につき述べる。
【0011】
すなわち、図16(b)のように側板1a、1b同士が鋭角に折り曲げられる部分に重なり代吸収部8が存在するが、この側板1a、1b同士が鋭角に折り曲げられる部分における各側板1a、1b、各ヒンジ部2、5、9、各底片4a、4b、重なり代吸収部8の関係は図17の模式図に示すようになる。なお、図17においては隣接する底片4a、4bが傾斜ヒンジ部9を介して連結してあって重複片11を省略しているモデルとして説明する。また、図17のモデルでは図17(a)のように箱形状に組み立てた状態(つまり側板1a、1bが直角となっている状態)で、平面視で傾斜ヒンジ部9の延長線が隅部の角D1を通り且つ各側板1a、1bの下辺に対してそれぞれ45°の傾斜角度となっている(つまり、傾斜ヒンジ部9が図17(a)において両側板1a、1bのなす角度の2等分線M1上に位置している)と仮定する。
【0012】
図17(a)において図面上、一方の側板1aの任意の点Aから側板1aの下辺に対して直角な線L1を引いた場合該線L1が傾斜ヒンジ部9と交わる交点をC1、他方の側板1bの任意の点Bから側板1bの下辺に対して直角な線L1’を引いた場合該線L1’が傾斜ヒンジ部9と交わる交点をC2とし、上記点A、Bがそれぞれ図17(a)の隅部の角D1からそれぞれ同じ寸法だけ離れている(図17(a)においてP1=P’1)と仮定すると、上記交点C1、交点C2は傾斜ヒンジ部9のある特定の一点Cにおいて一致している。
【0013】
ここで、両側板1a、1bのなす角度が図17(a)のように90°の状態から次第に小さくなるように変化していくにしたがって(つまり両側板1a、1bが側板連結ヒンジ部2部分で隅部が鋭角となるように折り畳まれるにしたがって)両側板1a、1bに対して底片連結ヒンジ部5を介して折り畳まれる両底片4a、4bが傾斜ヒンジ部9を介して折り畳まれるためには、該傾斜ヒンジ部9が常に両側板1a、1bのなす角度αを2等分した2等分線上に位置する必要がある。
【0014】
そこで、図17(a)の状態から側板1bを重なり代吸収部8の先端の側板連結ヒンジ2を中心に図17(b)のように回動し、両底片4a、4b同士が傾斜ヒンジ部9部分で折り畳まれながら両底片4a、4bがそれぞれ底片連結ヒンジ部5を中心に各側板1a、1bに重なる方向に回動して折り畳むことができると仮定した場合、両側板1a、1bの延長線が点D2で交わり、両側板1a、1bのなす角度αを2等分した2等分線は図17(b)においてM2で示され、傾斜ヒンジ部9はこの2等分線M2上に位置することになるが、この状態で上記図17(b)において紙面上で点A、点Bからそれぞれ各側板1a、1bの下辺に対して直角な線L2、L2’を引いた場合における上記2等分線M2上に位置する傾斜ヒンジ部9と交わる交点C1、C2は図17(b)のようになり、交点C1、C2が傾斜ヒンジ部9上で一致しないことになる。ところが、この交点C1、C2は前述のように本来は傾斜ヒンジ部9上のある特定の一点Cであり、図17(b)のように交点C1、C2が一致しないということは、傾斜ヒンジ部9において折り畳むことができないということを証明している。
【0015】
このように、特許文献2に示された合成樹脂製の重なり代吸収部8を設けた折り畳み箱は、重複片11を隣接する底片4bに溶着して固着してあるので、鋭角に折り畳まれる隅部において、各底片4a、4bがそれぞれ側板1a、1bに同士が重なるように折り畳むことができず、実施は困難である。また、大きな力をかけて無理矢理折り畳もうとすれば、底片4a、4bや重複片11、側板1a、1bが変形したり、破損したりしてしまい到底折り畳み箱としては使用できないという問題がある。
【0016】
そこで、本発明者は本発明に至る過程で、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板1の隣接する側端部同士を側板連結ヒンジ部2で折り畳み自在に連結して箱形状に組み立てた状態で平面視長方形又は正方形状となり、且つ、折り畳みに当たって一対の対角部の隅部が鋭角となり且つ他の一対の対角部の隅部が鈍角となるように略平行四辺形状に折り畳むことを経て偏平に折り畳むことができる角筒状側壁構成部3と、4枚の側板1の各下辺からそれぞれ底片連結ヒンジ部5を介して各側板1の内面に重なるように折り畳み自在に連出した4枚の底片4よりなる底板構成部6とで構成された合成樹脂製の折り畳み箱13において、上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1のうち一方の側板1の端部に4枚の側板1が略平行四辺形に折り畳まれ且つ各底片4が各側板1の内面に重なった折り畳み状態で上記重なり厚みに対応する重なり代吸収部8を設け、上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1のうち一方の側板1から連出した底片4の一側部に、箱形状に組み立てた状態で上記両側板1の下辺に対して鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出し、該重複片11を上記隣接する他方の側板1の下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4に重複状態でスライド自在に結合することを考えた。
【0017】
このものにおいては、4枚の側板1からなる角筒状側壁構成部3を略平行四辺形に折り畳むことを経て偏平となるように折り畳むことで、対向する側板1がほぼ平行で且つ側板1の内面に沿って底片4を重ねた状態で折り畳むことができ、しかも、この場合、折り畳み箱13が合成樹脂製であるにもかかわらず、折り畳んだ状態で対向する側板1と、各側板1の内面に沿って重ねた底片4との重なり代を重なり代吸収部8により吸収して、無理無く折り畳むことができる。
【0018】
しかしながら、重複片11を上記隣接する他方の側板1の下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4に重複状態でスライド自在に結合するものにおいては、箱形状に組み立てた状態で、上記重複片11に重複した底片4は重複片11に対してスライド自在に結合してあるだけであり、該底片4の先端部は何に対しても支持されておらず、上方から荷重が作用した場合、底片4の先端の自由端部分が下方に撓み、荷重を十分に支持できなかったり、重複片11との連結部分に無理な力が作用してこの連結部分が破損したり、あるいは、底片4の先端の下方に撓んだ部分が他の物に引っ掛かったりして取り扱いがし難くなるという問題があることが判明した。
【特許文献1】特開平8−169436号公報
【特許文献2】特開平8−282648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、合成樹脂製であるにもかかわらず、4つの側板よりなる角筒状側壁構成部を平面視長方形又は正方形となるようにするだけで4つの底片を自動的に回動しながら該4つの底片よりなる底板構成部により箱の底を自動的に且つスムーズに形成したり、4つの側板よりなる角筒状側壁構成部を略平行四辺形になるように折り畳むことで、自動的に各底片をそれぞれ各側板の内面に沿うようにスムーズに折り畳むことができ、特に、重複片に重複し且つ重複片に対してスライド自在に連結された底片の先端が下方に撓むのを防止し、重複片とのスライド自在に連結する連結部が破損するのを防止でき、更に上方からの荷重の支持力を高めることができ、また、強度が強く、耐久性に富み、汚れ難く、洗浄ができるので何度でも再利用ができて経済的で且つ省資源化を図ることができ、また、繰り返し折り曲げてもヒンジ部が割れたりすることがなく、更に、滑り止め効果や緩衝効果のある合成樹脂製の折り畳み箱を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するために本発明に係る合成樹脂製の折り畳み箱は、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板1の隣接する側端部同士を側板連結ヒンジ部2で折り畳み自在に連結して箱形状に組み立てた状態で平面視長方形又は正方形状となり、且つ、折り畳みに当たって一対の対角部の隅部が鋭角となり且つ他の一対の対角部の隅部が鈍角となるように略平行四辺形状に折り畳むことを経て偏平に折り畳むことができる角筒状側壁構成部3と、4枚の側板1の各下辺からそれぞれ底片連結ヒンジ部5を介して底片4を折り畳み自在に連出すると共に、折り畳み状態で各底片4が各側板1の内面に重なるように折り畳まれ且つ角筒状側壁構成部3を箱形状に組み立てた状態で底片4同士が重なって箱形状の底を形成するようにした底板構成部6とを備えた合成樹脂製の折り畳み箱13において、上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1のうち一方の側板1の端部に4枚の側板1が偏平に折り畳まれ且つ各底片4が各側板1の内面に重なった折り畳み状態で上記重なり厚みに対応する重なり代吸収部8を設け、上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1のうち一方の側板1から連出した底片4の一側部に、箱形状に組み立てた状態で平面視で上記両側板1の下辺に対してそれぞれ鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出し、該重複片11を上記隣接する他方の側板1の下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4に重複状態でスライド自在に結合し、箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4の底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部を隣接する他の底片4に支持させる支持手段7を設けて成ることを特徴とするものである。
【0021】
このような構成とすることで、4枚の側板1からなる角筒状側壁構成部3を略平行四辺形に折り畳むことを経て偏平となるように折り畳むことで、対向する側板1がほぼ平行で且つ側板1の内面に沿って底片4を重ねた状態で折り畳むことができ、しかも、この場合、折り畳み箱13が合成樹脂製であるにもかかわらず、折り畳んだ状態で対向する側板1と、各側板1の内面に沿って重ねた底片4との重なり代を重なり代吸収部8により吸収して、無理無く折り畳むことができるものであり、また、4枚の側板1からなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形に組み立てたり、あるいは、略平行四辺形に折り畳むことを経て偏平に折り畳んだりする際、上記のように、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1のうち一方の側板1から連出した底片4の一側部に、箱形状に組み立てた状態で上記両側板1に対して鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出し、該重複片11を上記隣接する他方の側板1の下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4に重複状態でスライド自在に結合してあるので、4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるようにするだけで4つの底片4を自動的に回動しながら該4つの底片4よりなる底板構成部6により箱の底を自動的に且つスムーズに形成したり、4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を略平行四辺形になるように折り畳むことで、自動的に各底片4をそれぞれ各側板1の内面に沿うようにスムーズに折り畳むことができ、これによりはじめて角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形としたり、略平行四辺形に折り畳むという操作をするだけで、自動的に箱の底が平面状態で形成されたり、自動的に折り畳まれたりするいわゆるボトムロック式の合成樹脂製の折り畳み箱13を実現できるようになったものである。しかも、箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4の底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部を隣接する他の底片4に支持させる支持手段7を設けてあるので、重複片11に重複し且つ重複片11に対してスライド自在に連結された底片4の先端が下方に撓わもうとするのを他の底片4により支持して撓まないようにすることができ、この結果、底片4による荷重の支持力を高めることができ、重複片11とのスライド自在に連結した部分に無理な力が作用して連結部分が破損するのを防止でき、また、底片4の先端が下方に撓まないので他の物に引っ掛かるおそれがなく、取り扱いが容易となるものである。また、ボトムロック式の合成樹脂製の折り畳み箱13であるので、強度が強く、耐久性に富み、汚れ難く、洗浄ができるので何度でも再利用ができて経済的で且つ省資源化を図ることができることになる。
【0022】
また、箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4の底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部を、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の隣接する他の底片4に支持手段7により支持させることが好ましい。
【0023】
このように、傾斜ヒンジ部9、重複片11、スライド自在な連結部を介して繋がっている鋭角となるように折り畳まれる方の隣接する底片4同士が箱状に組み立てた際に支持手段7で支持されることで、箱形状に組み立てた状態で隣接する底片4同士は傾斜ヒンジ部9、重複片11、スライド自在な連結部を介して相互に正確な位置関係となり、このため支持手段7による支持が正確な位置関係で確実にできることになる。
【0024】
また、箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4の底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部を、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の隣接する他の底片4に支持手段7により支持させることが好ましい。
【0025】
このような構成とすることで、箱形状に組み立てた状態で、重複片11に重複する底板4は傾斜ヒンジ部9、重複片11、スライド自在な連結部を介して繋がると共に、傾斜ヒンジ部9、重複片11、スライド自在な連結部を介して繋がっていない方の底板4に対して支持手段7により支持されることになる。つまり、箱形状に組み立てた状態で重複片11に重複する底板4は両隣りの底板4に支持されることになってより荷重の支持力が増し、また、よりいっそう先端が下方に撓むのを防止できることになる。
【0026】
また、重複片11とスライド自在に連結した底片4の先端部に被支持片7aを設けると共に、隣接する他の底片4に箱形状に組み立てた状態で被支持片7aの下面を支持する支持部7bを設けて、上記被支持片7aと支持部7bとで上記支持手段7を構成することが好ましい。
【0027】
このような構成とすることで、上方からの荷重を被支持片7aの下面から隣接する他の底片4の支持部7bにスムーズに支持させて安定して支持できる。
【0028】
また、スライド自在に連結した重複片11と底片4とを箱形状に組み立てた状態で重複片11が上、底片4が下となるように重複し、該重複片11とスライド自在に連結した底片4の先端部に被支持片7aを突設すると共に箱形状に組み立てた状態で被支持片7aの下面を支持する支持部7bを重複片11と傾斜ヒンジ部9を介して連結した隣接する底片4に設け、上記被支持片7aと支持部7bとで上記支持手段7を構成し、略平行四辺形状に折り畳んだ状態で、上記被支持片7aを折り畳み状態で傾斜ヒンジ部9の折り畳み中心線の延長線を越えて突出させることが好ましい。
【0029】
このような構成とすることで、折り畳み状態から箱形状に組み立てる際に、被支持片7aの下面を支持部7bに確実に支持させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、上記のように、4つの側板よりなる角筒状側壁構成部を平面視長方形又は正方形となるようにするだけで4つの底片を自動的に回動しながら該4つの底片よりなる底板構成部により箱の底を自動的に且つスムーズに形成したり、4つの側板よりなる角筒状側壁構成部を略平行四辺形になるように折り畳むことで、自動的に各底片をそれぞれ各側板の内面に沿うようにスムーズに折り畳むことができ、また、重複片に重複し且つ重複片に対してスライド自在に連結された底片の先端が下方に撓むのを防止し、重複片とのスライド自在に連結する連結部が破損するのを防止でき、更に上方からの荷重の支持力を高めることができ、また、合成樹脂製であるため、強度が強く、耐久性に富み、汚れ難く、洗浄ができるので何度でも再利用ができて経済的で且つ省資源化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0032】
本発明の合成樹脂製の折り畳み箱13は図1に示すように、少なくとも合成樹脂よりなる角筒状側壁構成部3と合成樹脂よりなる底板構成部6とを備えたものである。
【0033】
角筒状側壁構成部3は、図1乃至図5に示すように、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板1の隣接する側端部同士を側板連結ヒンジ部2で折り畳み自在に連結して構成してあり、この角筒状側壁構成部3は、箱状に組み立て状態で平面視長方形又は正方形となり、且つ、折り畳みに当たって図11に示すように、一対の対角部の隅部が鋭角となり且つ他の一対の対角部の隅部が鈍角となるように略平行四辺形状に折り畳むことを経て図10に示すように偏平に折り畳むことができるように構成してある。添付図面に示す実施形態では箱状に組み立てた状態で平面視長方形状となる例を示しているが、箱状に組み立てた状態で平面視正方形状のものであってもよい。
【0034】
また、上記前後左右の4枚の側板1の下辺から図1、図5に示すようにそれぞれ底片連結ヒンジ部5を介して一体に底片4を連出してあり、この4枚の底片4により底板構成部6が構成してある。各底片4は角筒状側壁構成部3を略平行四辺形状に折り畳んで行く際に側板1の内面側に近づくように底片連結ヒンジ部5部分を中心に回動して折り畳みの最終段階で図10に示すように側板1の内面に重なるように折り畳まれるようになっている。
【0035】
角筒状側壁構成部3は上記のように平面視長方形又は正方形に(つまり四角筒状に)組み立てた状態から略平行四辺形状に折り畳むことを経て偏平に折り畳むことができるようになっているが、この場合、図3に示すように上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1(1a、1b)のうち一方の側板1aの端部(上記鋭角となるように折り畳まれる方の隅部側の端部)の内面側に該側板1と一体に重なり代吸収部8となる柱状突出部を該側板1の高さ方向に沿って立設してある。
【0036】
上記重なり代吸収部8は、4枚の側板1が略平行四辺形に折り畳まれ且つ各底片4が各側板1の内面に重なった折り畳み状態で上記重なり厚みに対応する長さに設定してある。
【0037】
上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1a、1bのうち一方の側板1(添付図面においては長辺側の側板1a)から連出した底片4(以下底片4aと称する)の一側部には、箱形状に組み立てた状態で平面視で上記両側板1a、1bの下辺に対してそれぞれ鋭角(実施形態では45°)に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出してある。
【0038】
そして、図13に示すように、上記重複片11を上記隣接する他方の側板1bの下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4(以下底片4bと称する)に重複状態でスライド結合手段17によりスライド自在に結合してある。したがって、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する両底片4a、4bは、折り畳み状態、折り畳み状態から箱形状に組み立てる際、箱形状をしている状態、箱形状から折り畳む際、重複片11と底片4aとの結合部分でスライドしながら連結状態を維持し続ける構成となっている。
【0039】
また、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する両底片4(底片4a、4b)同士は非連結であって、相互にフリーの関係となっている。
【0040】
ここで、箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4bの底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部を隣接する他の底片4に支持させる支持手段7を設けてあり、添付面に示す実施形態では、底片4bの先端部に底片4bと平行な被支持片7aを設け、隣接する他の底片4aに上記被支持片7aの下面を支持するための支持部7bを設け、被支持片7aと支持部7bとで支持手段7を構成している。
【0041】
また、添付図面に示す実施形態では図2、図3に示すように、1乃至複数の側板1の上辺には蓋連結ヒンジ部10を介して蓋片15が折り畳み自在に連出してある。なお、この蓋片15は設けない場合もある。
【0042】
添付図面に示す実施形態においては、上記の構成の合成樹脂製の折り畳み箱13は合成樹脂の一体成形により形成した図14、図15に示すような箱半体12を2つ組み合わせ結合して構成してある。
【0043】
箱半体12は、図14、図15の展開図に示すように、隣接する一対の側板1a、1bの側端部同士を側板連結ヒンジ部2(以下側板連結ヒンジ部2aと称する)で連結し、一方の側板1aの側板連結ヒンジ部2aで連結していない方の側端に内面側に向けて重なり代吸収部8となる柱状突出部を側板1aの側端に沿って突設し、更に、他方の側板1bの側板連結ヒンジ部2aで連結していない方の側端に別の側板連結ヒンジ部2(以下側板連結ヒンジ部2bと称する)を設けてあり、該側板連結ヒンジ部2bの先端部に連結部18を設け、また、隣接する一対の側板1a、1bの各下辺から底片連結ヒンジ部5を介してそれぞれ底片4a、4bを連出し、更に、両隣接する底片4a、4bのうち一方の底片4aの隣接する他方の底片4bと反対側の側端に該底片4aを連出している底片連結ヒンジ部5に対して鋭角(実施形態では45°)に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を連出することで構成してある。
【0044】
底片4bの底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部の一側部に底片4bと平行に被支持片7a(以下被支持部7a1という)を突設すると共に先端部の他側部に底片4bと平行に被支持片7a(以下被支持部7a2という)が突設してある。また、底片4aの一側縁部とこれと対向する重複片11の一側縁部とを傾斜ヒンジ部9で連結してあるのであるが、対向する両側縁部の全長を傾斜ヒンジ部9で連結するのではなく、底片4aの一側縁部の底片連結ヒンジ部5から離れた方の端部付近の一部及びこれと対向する重複片11の一側縁部の端部付近の一部は傾斜ヒンジ部9で連結しない部分となっている。この対向する両側縁部のうち傾斜ヒンジ部9で連結しない部分は傾斜ヒンジ部の折り畳み中心線の延長線上において互いに当接又は小間隙を介して対向している。そして、底片4aの一側縁部の底片連結ヒンジ部5から離れた方の端部の上面側に支持部7b(以下、上面側の支持部7b1という)を設けてある。また、底片4aの他側縁部(傾斜ヒンジ部9で連結しない方の他側縁部)の下面側には支持部7b(以下、下面側の支持部7b2という)が設けてある。
【0045】
添付図面では更に側板1の上辺に蓋連結ヒンジ部10を介して蓋片15が連出してある。
【0046】
上記構成の箱半体12は合成樹脂の2色射出成形により一体に形成されるもので、側板1、底片4、重複片11、蓋片15、被支持片7a、支持部7bが、例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PC(ポリカーボネート)、PVC(塩化ビニル樹脂)、ABS樹脂等の硬質樹脂により成形してあり、また、側板1と側板1、側板1と底片4、底片4と重複片11、側板1と蓋片15とはそれぞれ側板連結ヒンジ部2a、2b、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10により折り畳み自在に一体に連結してあるが、この側板連結ヒンジ部2a、2b、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10の一部または全部が例えば、TPE(エラストマー)、LDPE(低密度ポリエチレン)、EVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)等の軟質樹脂により成形してある。
【0047】
上記のように合成樹脂により一体成形した箱半体12を2個用いて、一方の箱半体12の一方の側板1aの側端に設けた重なり代吸収部8に、他方の箱半体12の他方の側板1bの側端に設けた別の側板連結ヒンジ部2bの先端部に設けた連結部18を重ねて連結手段16により連結し、同様にして他方の箱半体12の重なり代吸収部8に一方の箱半体12の側板連結ヒンジ部2bの先端部に設けた連結部18を重ねて連結する。これにより、2個の側板連結ヒンジ部2aが一対の対角部に位置し且つ他の2個の側板連結ヒンジ部2bが他の一対の対角部に位置し、組み立て状態で平面視長方形又は正方形となり且つ折り畳みに当たって側板連結ヒンジ部2bが鋭角に、側板連結ヒンジ部2aが鈍角となる略平行四辺形となるように折り畳まれる角筒状側壁構成部3が構成される。
【0048】
また、一方の箱半体12の重複片11と他方の箱半体12の重複片11を連出していない方の底片4bとを重複すると共にスライド結合手段17により重複状態でスライド自在に結合し、同様に、他方の箱半体12の重複片11と一方の箱半体12の重複片11を連出していない方の底片4bとを重複すると共にスライド結合手段17により重複状態でスライド自在に結合する。つまり、2つの箱半体12を上記のように結合して折り畳み箱13を構成した場合、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する両底片4a、4b同士が傾斜ヒンジ部9、重複片11を介してスライド可能に連結してある。また、各箱半体12の成形時に一体に成形された底板4同士は非連結とし、相互にフリーの関係とする。つまり、2つの箱半体12を上記のように結合して折り畳み箱13を構成した場合、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する両底片4同士を非連結とするのである。このようにして底片連結ヒンジ部5を介して4枚の底片4が各側板1の内面に重なるように折り畳み自在となった底板構成部6が構成される。
【0049】
このように、2つの箱半体12を組み合わせ結合することで合成樹脂製の折り畳み箱13を形成することができる。なお、本実施形態では組み合わせる2つの箱半体12は同一形状のものを用いてあり、共通の成形金型により成形することが可能となる。
【0050】
重なり代吸収部8と側板連結用ヒンジ部2bの先端部に設けた連結部18とは上記のように連結手段16により連結するのであるが、この場合、硬質合成樹脂よりなる重なり代吸収部8に重複して連結される連結部18としては、軟質合成樹脂の側板連結用ヒンジ部2bと同様に軟質合成樹脂製であってもよいが、軟質合成樹脂の側板連結用ヒンジ部2bの先端部に硬質合成樹脂の連結部18を設けてもよい(添付図面に示す実施形態では硬質合成樹脂の連結部18を設けたもので、軟質合成樹脂の側板連結用ヒンジ部2bの先端の軟質部分内面又は外面に硬質合成樹脂製の連結部18を重複一体化した例が示してある)。
【0051】
連結手段16としては特に限定はないが、例えは、接着、溶着、あるいは係合による連結、固着具による連結等を挙げることができる。係合による連結の場合、例えば図14、図15に示すように重なり代吸収部8に係合部16aを設けると共に側板連結ヒンジ部2b(連結部18)側に被係合部16bを設けて係合部16aを被係合部16bに係合するようにしてもよい。
【0052】
また、重複片11と底片4bとを重複状態でスライド自在に結合するスライド結合手段17は、例えば、図13に示すように、重複片11又は底片4bの一方にスライド突起19を突設し、他方にスライド突起19がスライド自在に差し込まれるスライド突起19よりも大きなスライド孔20を形成し、スライド孔20にスライド突起19がスライド孔20から抜けないようにするための抜け止め部20aを設けて構成してある。
【0053】
上記の構成の合成樹脂製の折り畳み箱13は4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるように(つまり四角筒状に)組み立てた状態で、4つの底片4a、4bは、重複片11と底片4bとがスライド自在に重複連結した状態のまま各側板1に対して直角となって四角筒状の底を形成し、上方が開口した箱が組み立てられる。
【0054】
合成樹脂製の折り畳み箱13を上記のように箱形状に組み立てた状態で、重複片11とスライド自在に連結した底片4bの先端部の一側の被支持片7a1の下面が、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の角部において隣あう底片4aの上面側の支持部7b1の上に重ねられて支持されると共に、底片4bの先端部の他側の被支持片7a2が、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の角部において隣あう底片4aの側方が開口した孔又は側方が開口した袋状の下面側の支持部7b2に差し込まれて被支持片7a2の下面が支持される。
【0055】
このように箱形状に組み立てた状態で合成樹脂製の折り畳み箱13内に種々の収納物を収納し、蓋片15で上の開口を図2のように閉じる。その後、通常のボトムロック式の段ボール箱と同様に、蓋片15が開かないように粘着テープを貼り付け、更に、必要に応じて底片4側も粘着テープを貼り付ける。
【0056】
ここで、上記のように、箱形状に組み立てた状態で重複片11にスライド自在に結合した底片4bの底片連結ヒンジ部5から離れた方の先端部に設けた被支持片7aの下面を隣接する他の底片4aに設けた支持部7bに支持させるように構成してあるので、重複片11に重複し且つ重複片11に対してスライド自在に連結された底片4の先端が下方に撓もうとするのを他の底片4により支持して撓まないようにすることができる。この結果、底片4による荷重の支持力を高めることができ、重複片11とのスライド自在に連結した部分に無理な力が作用して連結部分が破損するのを防止できて折り畳み操作、箱形状への組み立て操作がスムーズにでき、また、底片4の先端が下方に撓まないので他の物に引っ掛かるおそれがなく、取り扱いが容易となる。
【0057】
収納物を取出す場合には、粘着テープを剥離し、蓋片15を回動して開けることで収納物を取出すことができる。
【0058】
収納物を入れない非使用時には、図1、図2、図4、図5のように4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となっている組み立て状態から、図11に示すように4枚の側板1からなる角筒状側壁構成部3が略平行四辺形となるように折り畳むことで、図10に示すように対向する側板1がほぼ平行で且つ側板1の内面に沿って底片4を重ねた状態、つまり偏平状態に折り畳むことができる。この場合、折り畳んだ状態で対向する側板1と、各側板1の内面に沿って重ねた底片4との重なり代を重なり代吸収部8により吸収して、無理無く折り畳むことができる。
【0059】
また、4枚の側板1からなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるように組み立てたり、あるいは、略平行四辺形に折り畳んだりする際、本発明においては、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板1a、1bのうち一方の側板1aから連出した底片4aの一側部に、箱形状に組み立てた状態で上記両側板1に対して鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出し、該重複片11を上記隣接する他方の側板1bの下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4bに重複状態でスライド自在に結合してあるので、4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるようにしたり、略平行四辺形状に折り畳んだりする際、重複片11が底片4bに対して重複状態を保ちながらスライドすることで、底片4aが底片連結ヒンジ部5を介して側板1aに対して回動し且つ該側板1aに対して重複片11が傾斜ヒンジ部9を介して回動し、同時に、底片4bが重複片11に対して重複状態でスライドしながら底片連結ヒンジ部5を介して側板1bに対して回動し、これにより4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるようにするだけで4つの底片4を自動的に回動しながら該4つの底片4よりなる底板構成部6により箱の底を自動的に且つスムーズに形成したり、4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を略平行四辺形になるように折り畳むことで、自動的に各底片4をそれぞれ各側板1の内面に沿うようにスムーズに折り畳むことができ、図17に示すように重なり代吸収部8を設けた合成樹脂製の折り畳み箱における折り畳むことができないという問題を解決できる。
【0060】
本発明の合成樹脂製の折り畳み箱13は、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10の一部又は全部を軟質合成樹脂により形成してあることで、箱形状に組み立てた状態で積み重ねたり、略平行四辺形状に折り畳んだ状態で積み重ねたり、コンベアに載せて搬送したり、あるいは箱形状に組み立てた状態で床やコンベアやトラックの荷台やあるいは他の合成樹脂製の折り畳み箱13等の載置部に載置した場合、軟質合成樹脂よりなるヒンジ部が載置部に接触することになってヒンジ部が滑り止め機能を発揮して、折り畳み箱13が滑ったり、ずれたりするのを防止することができるものであり、また、衝撃が加わった際に軟質樹脂よりなるヒンジ部が衝撃の緩衝作用をするものである。この場合、軟質合成樹脂よりなるヒンジ部の外面が側板1や底片4や重複片11、蓋片15の外面より少し外に突出するように構成しておくとよりいっそう滑り止め効果が発揮できる。
【0061】
ところで、添付図面に示す実施形態においては、箱形状に組み立てた状態で、折り畳み箱13の底は図4に示すように、折り畳み箱13の上開口から見て2つの底片4aのみが見えるように構成してある。
【0062】
すなわち、折り畳みに当たって鈍角となるように折り畳まれる隅部の両側の側板1a、1bのうち一方の側板1aの下辺に底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4aは、図14、図15に示すように、底片連結ヒンジ部5に沿って連続する直角台形状をした直角台形片部21と略平行四辺形状をした段落ち重複片部22とで構成してある。
【0063】
直角台形片部21は直角台形状をしており、その下底(つまり直角台形の下底)が底片連結ヒンジ部5に沿っており、また、直角台形片部21はその下底の一端が側板1aの下辺の鈍角となるように折り畳まれる隅部側の端部に位置して上記直角台形片部21の垂直辺が側板1aの下辺の鈍角となるように折り畳まれる隅部側の端部に位置すると共に該垂直辺の長さを上記隅部の両側の側板1a、1bのうち他方の側板1bの下辺の長さに等しくし設定してある。直角台形片部21の下底の他端(つまり直角台形の下底と斜辺とが交わる点)は側板1aの他端(実施形態では重なり代吸収部8側の端部)から側板1aの一端側に所定寸法ずれて位置している。また、直角台形片部21の斜辺は下底に対して45°の傾斜となっている。
【0064】
直角台形片部21の斜辺から段落ち重複片部22が一体に連設してあり、この段落ち重複片部22は略平行四辺形状をしていて略平行四辺形の鈍角を挟んだ一辺が直角台形片部21の斜辺の底片連結ヒンジ部5側の端部から全長さの1/2の部分までの範囲で一体に連出してあり、略平行四辺形状をした段落ち重複片部22も略平行四辺形の鈍角を挟んだ他辺が底片連結ヒンジ部5を介して側板1aに折りたたみ自在に連結してある。段落ち重複片部22の上面は直角台形片部21の上面よりも下方に段落ちしている。
【0065】
段落ち重複片部22の直角台形片部21の斜辺と対向する斜辺から傾斜ヒンジ部9を介して直角二等辺三角形状をした重複片11が連出してある。
【0066】
段落ち重複片部22の一側縁部とこれと対向する重複片11の一側縁部とを傾斜ヒンジ部9で連結してあるが、段落ち重複片部22の一側縁部の一側縁部の底片連結ヒンジ部5から離れた方の端部付近の一部及びこれと対向する重複片11の一側縁部の端部付近の一部は傾斜ヒンジ部9で連結しない部分となっており、この対向する両側縁部のうち傾斜ヒンジ部9で連結しない部分は傾斜ヒンジ部の折り畳み中心線の延長線上において互いに当接又は小間隙を介して対向している。そして、段落ち重複片部22の一側縁部の底片連結ヒンジ部5から離れた方の端部付近の上面側に上面側の支持部7b1を設けてある。
【0067】
直角二等辺三角形状をした重複片11の直角を挟む2辺のうち一辺は図14、図15に示すように展開状態で略平行四辺形状をした段落ち重複片部22の底片連結ヒンジ部5と対向する辺と一直線となるように設定してあり、また、直角二等辺三角形状をした重複片11の直角を挟む2辺のうち他の1辺は展開状態で重なり代吸収部8の内面と平面視で略一直線状となるように設定してある。
【0068】
直角台形片部21の下面側は下面のレベルが異なる3つの部位に区分される。一つは箱形状に組み立てた状態で下面側に露出する部位21aで、段落ち重複片部22に隣接した部位で段落ち重複片部22下面と同じレベルとなっている。他の一つは箱形状に組み立てた状態で下面側に重複片11の上面が重なる部位21bで、この部位21bの下面は上記部位21aの下面よりも上方に位置している。更に他の一つは箱形状に組み立てた状態で底片4bの重複片11と重複していない部位の上面が重なる部位21cで、この部位21c下面は上記部位21aの下面よりも上方に位置し且つ上記部位21bの下面より下方に位置している。下面側において上記のようにレベルの異なる3つの部位を形成するには、例えば図9に示すように直角台形片部21の下面に垂下長の異なる底リブ28a、28bを垂設することで、垂下長の長い底リブ28aを垂設した部位を箱形状に組み立てた状態で最もレベルが低い下面側に露出する部位21aとし、垂下長の短い底リブ28bを垂設した部位を箱形状に組み立てた状態で次にレベルが低い底片4bの重複片11と重複していない部位の上面が重なる部位21cとし、底リブを垂設しない部位又は最も垂下長さの短い底リブを垂設した部位を箱形状に組み立てた状態で最もレベルが高い下面側に重複片11の上面が重なる部位21bとしている。図9には上記直角台形片部21の下面の3段の段差となった3つの部位21a、21b、21cの下端の位置関係の関係を示している。
【0069】
上記部位21aの下端と部位21cの下端とのレベル差は底片4bの厚みと同一又は略等しくなっており、部位21aの下端と部位21bの下端とのレベル差は底片4bの厚みと重複片11の厚みとの合計と同一又は略等しくなっている。また、部位21aの下端と部位21bの下端とのレベル差は段落ち重複片部22の厚みと同一又は略等しくなっている。上記部位21aと部位21bとの境界部分には側方に開口する孔又は側方が開口した袋状の下面側の支持部7b2が形成してある(図8の実施形態では下面側の支持部7b2は側方に開口する袋状となっている)。
【0070】
底片4bの先端の両端部にはそれぞれ被支持片7a、7bが突出してある。被支持片7a、7bはいずれも突出部分が三角形状をしており、被支持片7a、7bの下面は底片4bの下面よりも上にずれている。
【0071】
そして、折り畳み箱13を箱形状に組み立てて上記のように2つの直角台形片部21の斜辺同士を当接又は近接させて2つの直角台形片部21の上面を面一に連続させて箱の上開口から見た場合の底面を形成した状態で、図6に示すように、一方の直角台形片部21の下面の部位21bに、この底片4aと対向する別の底片4aの段落ち重複片部22と傾斜ヒンジ部9と重複片11が嵌り込んでそれぞれ直角台形片部21の下面の部位21bに重複する。ここで、重複片11の下面側には底片4bの片側半分が重複し、該底片4bの下面が底片4aの段落ち重複片部22の下面と面一(つまり同一レベル)となり、また、底片4bの先端部の一側に設けた被支持片7a1が上記重複片部22の上面の支持部7b1に重複し、重複片部22の上面の支持部7b1により被支持片7aの下面が支持される。この場合、略平行四辺形状に折り畳んだ状態で、図12のように、上記被支持片7aを折り畳み状態で傾斜ヒンジ部9の折り畳み中心線の延長線を越えて突出させる構成とすると、折り畳み状態から箱形状に組み立てる際に、被支持片7aの下面が必ず段落ち重複片部22の上面側に対向した状態で箱形状に組み立てられ、箱形状となった状態で被支持片7aの下面が段落ち重複片部22の上面部に設けた支持部7b上に自動的に確実に重ねられて支持されることになる(図6(a)参照)。
【0072】
また、図8に示すように、直角台形片部21の下面の部位21cには底片4bの重複片11と重複していない片側半部の上面が重なり、底片4bの重複片11と重複していない片側半部の下面が底片4aの直角台形片部21の下面の露出する部位21aと面一(つまり同一レベル)となり、また、底片4bの先端部の他側に設けた被支持片7a2が、直角台形片部21の下面の部位21aと部位21cとの境界部分に設けた側方に開口する孔又は側方が開口した袋状の下面側の支持部7b2に差し込まれて被支持片7a2の下面が孔又は袋状の下面側の支持部7b2の下面部分に支持される(図8(a)参照)。
【0073】
このようにして折り畳み箱13を箱形状に組み立てた状態で重複片11の下面側に重複した状態でスライド結合手段17によりスライド自在に結合した底片4bの先端部を被支持片7aと支持部7bとよりなる支持手段7により両側に隣接する各底片4aに支持させるようになっていて、組み立て状態で荷重を受けても底片4bの先端部が下方に撓まないようになっており、スライド結合手段17部分に大きな荷重が作用してこの部分が損傷しないようになっている。
【0074】
また、箱の底の上面及び下面はいずれも段差のない面一状態となり、箱の底の上面は2つの直角台形片部21の斜辺同士を当接又は近接させて2つの直角台形片部21の上面を面一に連続させて形成してあるので、箱の内面を見た場合の底が綺麗で、収納物を入れた場合に引っ掛かったりせず、また、底片4bの先端が下方に撓まないので下面にも他の物が引っ掛かったりせず、取り扱いが容易となる。
【0075】
ここで、図示を省略しているが、箱形状に組み立てた状態で、対向する底片4aの一部と底片4aの一部とが上下に重複する部分、隣接する底片4aの一部と底片4b一部とが上下に重複する部分において、対向する底片4a、4a同士、隣接する底片4a、4b同士が面方向にずれるのを防止する手段を設けてもよい。このものは例えば、上記重複する底片4の一方側に嵌め込み部を、他方側に被嵌め込み部を設け、組み立てて底片4の一部同士を上下に重複する際に、上下方向からの嵌め込み操作により嵌め込み部を被嵌め込み部に嵌め込み、これにより底片4同士が面方向にずれるのを防止する。このように箱形状に組み立てた状態で底片4同士が面方向にずれるのを防止して底板構成部6が平面視で長方形又は正方形に保持されるので、被支持片7aの下面が支持部7bで支持されている状態を維持できることになる。
【0076】
上記実施形態では、底片4bの先端の両側に被支持片7a1、被支持片7a2を設け、また、底片4aに支持部7b1と支持部7b2を設け、箱形状に組み立てた状態で、被支持片7a1、被支持片7a2をそれぞれ支持部7b1と支持部7b2とに支持させた例で説明したが、底片4bの先端に被支持片7a1を設け、また、底片4aに支持部7b1を設け、箱形状に組み立てた状態で、被支持片7a1を支持部7b1に支持させるものであってもよく、この場合は、被支持片7a1を突出した底片4bと、支持部7bを設けた底片4aとが、ヒンジ部9、重複片11、スライド自在な連結部を介して相互に正確な位置関係となり、このため被支持片7a1を支持部7b1に正確な位置関係で確実に支持できることになる。
【0077】
また、底片4bの先端に被支持片7a2を設け、また、底片4aに支持部7b2を設け、箱形状に組み立てた状態で、被支持片7a2を支持部7b2に支持させるものであってもよく、この場合は、被支持片7a2を突出した当該底片4bとは、ヒンジ部9、重複片11、スライド自在な連結部を介して連結してない方の底片4aに支持させることができ、より荷重の支持力が増し、また、よりいっそう先端が下方に撓むのを防止できることになる。
【0078】
なお、添付図面に示す実施形態においては、合成樹脂製の2つのパーツ(すなわち2つの箱半体12)を組み合わせ結合して合成樹脂製の折り畳み箱13を形成した例を示したが、合成樹脂製の3つ以上のパーツを組み合わせ結合して合成樹脂製の折り畳み箱13を形成してもよい。また、折り畳み箱13全体を合成樹脂製の1パーツで形成し、これを組み立ててもよい。
【0079】
ところで、添付図面に示す実施形態では、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10の一部又は全部を軟質合成樹脂により形成した例を示したが、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10を側板1や底片4、重複片11等と同じ硬質合成樹脂製の薄肉ヒンジ部として側板1や底片4等と一体に形成してもよい。
【0080】
また、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10等を側板1、底片4、重複片11、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10等を一体に形成することなく別々に形成し、上記別体の各ヒンジ部を介して連結手段により側板1同士、側板1と底片4、底片4と重複片11をそれぞれ折り畳み自在に連結してもよい。この場合は上記各ヒンジ部が合成樹脂製であっても金属製であってもよい。
【0081】
なお、蓋片15を設けた場合、折り畳み箱13を折りたたんで扁平にした状態で、各蓋片15が各側板1と平行に面一となるようにするが、蓋片15を側板1の内面に沿って重ねるように内側に折り畳んだりするものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の合成樹脂製の折り畳み箱を箱形状に組み立てた状態の下方から見た斜視図である。
【図2】同上の合成樹脂製の折り畳み箱を箱形状に組み立てた状態の上方から見た斜視図である。
【図3】同上の折り畳んだ状態の斜視図である。
【図4】同上の箱形状に組み立てた状態の平断面図である。
【図5】同上の箱形状に組み立てた状態の底面図である。
【図6】同上の図4のX−X線の断面図である。
【図7】(a)は同上の図5のY1−Y1線の断面図であり、(b)は同上のY2−Y2線の断面図である。
【図8】(a)は同上の図5のZ1−Z1線の断面図であり、(b)は同上のZ2−Z2線の断面図である。
【図9】同上の直角台形片部の下面が3段の段差となっていることを示す断面図である。
【図10】(a)は同上の折り畳んだ状態の断面図であり、(b)は(a)の要部拡大断面図である。
【図11】同上の折り畳み途中の状態を示す下方から見た斜視図である。
【図12】同上の折り畳んだ状態において被係止片が傾斜ヒンジ部の折り畳み中心線の延長線を越えて突出している状態を示す斜視図である。
【図13】同上のスライド結合手段で重複片と底片とを連結した部分を示し、(a)は断面図であり、(b)は一部破断した斜視図である。
【図14】同上の箱半体の展開状態を示す上から見た斜視図である。
【図15】同上の箱半体の展開状態を示す下から見た斜視図である。
【図16】従来例を示し、(a)は展開図であり、(b)は折り畳み状態の断面図である。
【図17】(a)、(b)は同上の重なり代吸収部を設けた合成樹脂製の従来の組み立て箱において重複片と底片とを完全固着したものが折り畳むことができない理由を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0083】
1 側板
2 側板連結ヒンジ部
3 角筒状側壁構成部
4 底片
5 底片連結ヒンジ部
6 底板構成部
7 支持手段
7a 被支持片
7b 支持部
8 重なり代吸収部
9 傾斜ヒンジ部
11 重複片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板の隣接する側端部同士を側板連結ヒンジ部で折り畳み自在に連結して箱形状に組み立てた状態で平面視長方形又は正方形状となり、且つ、折り畳みに当たって一対の対角部の隅部が鋭角となり且つ他の一対の対角部の隅部が鈍角となるように略平行四辺形状に折り畳むことを経て偏平に折り畳むことができる角筒状側壁構成部と、4枚の側板の各下辺からそれぞれ底片連結ヒンジ部を介して底片を折り畳み自在に連出すると共に、折り畳み状態で各底片が各側板の内面に重なるように折り畳まれ且つ角筒状側壁構成部を箱形状に組み立てた状態で底片同士が重なって箱形状の底を形成するようにした底板構成部とを備えた合成樹脂製の折り畳み箱において、
上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板のうち一方の側板の端部に4枚の側板が偏平に折り畳まれ且つ各底片が各側板の内面に重なった折り畳み状態で上記重なり厚みに対応する重なり代吸収部を設け、
上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板のうち一方の側板から連出した底片の一側部に、箱形状に組み立てた状態で平面視で上記両側板の下辺に対してそれぞれ鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部を介して重複片を突出し、該重複片を上記隣接する他方の側板の下辺から底片連結ヒンジ部を介して連出した底片に重複状態でスライド自在に結合し、箱形状に組み立てた状態で重複片にスライド自在に結合した底片の底片連結ヒンジ部から離れた方の先端部を隣接する他の底片に支持させる支持手段を設けて成ることを特徴とする合成樹脂製の折り畳み箱。
【請求項2】
箱形状に組み立てた状態で重複片にスライド自在に結合した底片の底片連結ヒンジ部から離れた方の先端部を、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の隣接する他の底片に支持手段により支持させて成ることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製の折り畳み箱。
【請求項3】
箱形状に組み立てた状態で重複片にスライド自在に結合した底片の底片連結ヒンジ部から離れた方の先端部を、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の隣接する他の底片に支持手段により支持させて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の合成樹脂製の折り畳み箱。
【請求項4】
重複片とスライド自在に連結した底片の先端部に被支持片を設けると共に、隣接する他の底片に箱形状に組み立てた状態で被支持片の下面を支持する支持部を設けて、上記被支持片と支持部とで上記支持手段を構成して成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の合成樹脂製の折り畳み箱。
【請求項5】
スライド自在に連結した重複片と底片とを箱形状に組み立てた状態で重複片が上、底片が下となるように重複し、該重複片とスライド自在に連結した底片の先端部に被支持片を突設すると共に箱形状に組み立てた状態で被支持片の下面を支持する支持部を重複片と傾斜ヒンジ部を介して連結した隣接する底片に設け、上記被支持片と支持部とで上記支持手段を構成し、略平行四辺形状に折り畳んだ状態で、上記被支持片を折り畳み状態で傾斜ヒンジ部の折り畳み中心線の延長線を越えて突出させて成ることを特徴とする請求項2記載の合成樹脂製の折り畳み箱。
【請求項1】
前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板の隣接する側端部同士を側板連結ヒンジ部で折り畳み自在に連結して箱形状に組み立てた状態で平面視長方形又は正方形状となり、且つ、折り畳みに当たって一対の対角部の隅部が鋭角となり且つ他の一対の対角部の隅部が鈍角となるように略平行四辺形状に折り畳むことを経て偏平に折り畳むことができる角筒状側壁構成部と、4枚の側板の各下辺からそれぞれ底片連結ヒンジ部を介して底片を折り畳み自在に連出すると共に、折り畳み状態で各底片が各側板の内面に重なるように折り畳まれ且つ角筒状側壁構成部を箱形状に組み立てた状態で底片同士が重なって箱形状の底を形成するようにした底板構成部とを備えた合成樹脂製の折り畳み箱において、
上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板のうち一方の側板の端部に4枚の側板が偏平に折り畳まれ且つ各底片が各側板の内面に重なった折り畳み状態で上記重なり厚みに対応する重なり代吸収部を設け、
上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部において両側に隣接する2側板のうち一方の側板から連出した底片の一側部に、箱形状に組み立てた状態で平面視で上記両側板の下辺に対してそれぞれ鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部を介して重複片を突出し、該重複片を上記隣接する他方の側板の下辺から底片連結ヒンジ部を介して連出した底片に重複状態でスライド自在に結合し、箱形状に組み立てた状態で重複片にスライド自在に結合した底片の底片連結ヒンジ部から離れた方の先端部を隣接する他の底片に支持させる支持手段を設けて成ることを特徴とする合成樹脂製の折り畳み箱。
【請求項2】
箱形状に組み立てた状態で重複片にスライド自在に結合した底片の底片連結ヒンジ部から離れた方の先端部を、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の隣接する他の底片に支持手段により支持させて成ることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製の折り畳み箱。
【請求項3】
箱形状に組み立てた状態で重複片にスライド自在に結合した底片の底片連結ヒンジ部から離れた方の先端部を、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の隣接する他の底片に支持手段により支持させて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の合成樹脂製の折り畳み箱。
【請求項4】
重複片とスライド自在に連結した底片の先端部に被支持片を設けると共に、隣接する他の底片に箱形状に組み立てた状態で被支持片の下面を支持する支持部を設けて、上記被支持片と支持部とで上記支持手段を構成して成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の合成樹脂製の折り畳み箱。
【請求項5】
スライド自在に連結した重複片と底片とを箱形状に組み立てた状態で重複片が上、底片が下となるように重複し、該重複片とスライド自在に連結した底片の先端部に被支持片を突設すると共に箱形状に組み立てた状態で被支持片の下面を支持する支持部を重複片と傾斜ヒンジ部を介して連結した隣接する底片に設け、上記被支持片と支持部とで上記支持手段を構成し、略平行四辺形状に折り畳んだ状態で、上記被支持片を折り畳み状態で傾斜ヒンジ部の折り畳み中心線の延長線を越えて突出させて成ることを特徴とする請求項2記載の合成樹脂製の折り畳み箱。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−246108(P2007−246108A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−69784(P2006−69784)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】
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