説明

吊り下げ装置

【課題】取付レールに対して着脱自在に取り付けられるフック本体の揺動を防止することができ、かつフック本体の脱落も防止することができる吊り下げ装置を提供すること。
【解決手段】取付レール3が壁面に設置され、取付レール3には、その長手方向に延びるスライド溝18の開口幅を規定する内向き支持片19が設けられ、フック本体4のヘッド部8をスライド溝18に挿入して回転させることで、ヘッド部8が内向き支持片19に係止され、フック本体4が取付レール3に取り付けられるようになっており、フック本体4のフック部6に物品5を掛止させて吊り下げるための吊り下げ装置1であって、ヘッド部8とフック部6とを連結するネック部9の近傍には、スライド溝18の開口幅と略同一寸法Sを有して内向き支持片19の端面20に係止される係止部22が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面または天井に設置された取付レールに対して着脱自在に取り付けられるフック本体を用いて、絵画や展示パネル等の物品を壁面または天井に近接させて吊り下げるための吊り下げ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吊り下げ装置では、吊り下げ具を横向きにして吊り下げレール(取付レール)の隙間に、吊り下げ具(フック本体)の係合部を挿入し、その後、吊り下げ具を縦向きに回転させることにより、係合部(ヘッド部)の上下端縁を、吊り下げレールの前縁と後板の間の上下の案内溝に嵌合させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−28532号公報(第3頁、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の吊り下げ装置にあっては、使用者が不用意に吊り下げ具(フック本体)に接触したり、地震等が発生したりした際に吊り下げ具が揺動されることで、この吊り下げられた物品が他の物品や壁面等に衝突される虞があるばかりか、吊り下げ具が横向きになって吊り下げレール(取付レール)から外れてしまう虞もある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、取付レールに対して着脱自在に取り付けられるフック本体の揺動を防止することができ、かつフック本体の脱落も防止することができる吊り下げ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の吊り下げ装置は、
断面視で略C字形状をなす取付レールが壁面または天井に設置され、該取付レールには、その長手方向に延びるスライド溝の開口幅を規定する内向き支持片が設けられ、フック本体のヘッド部は、前記開口幅より短寸の幅寸法と該開口幅よりも長寸の長手寸法とを有し、該ヘッド部を前記スライド溝に挿入して回転させることで、該ヘッド部が前記内向き支持片に係止され、前記フック本体が前記取付レールに取り付けられるようになっており、該フック本体のフック部に物品を掛止させて吊り下げるための吊り下げ装置であって、
前記ヘッド部と前記フック部とを連結するネック部の近傍には、前記スライド溝の開口幅と略同一寸法を有して前記内向き支持片の端面に係止される係止部が設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、係止部が内向き支持片の間に配置されることで、フック本体が回転しようとしても、係止部が内向き支持片の端面に係止されて、フック本体の回転が防止されるようになり、使用者が不用意にフック本体に接触したり、地震等が発生したりした場合であってもフック本体の揺動を防止することができ、かつフック本体の脱落も防止することができる。
【0007】
本発明の吊り下げ装置は、
前記フック本体には、前記ヘッド部と前記ネック部と前記フック部とが一体的に設けられるとともに、前記ヘッド部に近接される方向に可動される可動部材が設けられ、該可動部材に、前記係止部が形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、可動部材をヘッド部から離間させると、ヘッド部をスライド溝内に挿入できるようになり、ヘッド部をスライド溝に挿入して回転させた状態で、可動部材をヘッド部に近接させると、係止部が内向き支持片の端面に係止されるようになり、フック本体を取付レールに着脱し易くしつつ、その揺動を防止することができる。
【0008】
本発明の吊り下げ装置は、
前記フック本体には、前記可動部材を前記ヘッド部に近接される方向に付勢する付勢手段が設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、付勢手段により可動部材が自動的にヘッド部に近接されるようになり、かつ付勢手段により係止部が内向き支持片の端面に係止された状態を維持できる。
【0009】
本発明の吊り下げ装置は、
前記可動部材は、前記内向き支持片の外面に接触される接触面を有することを特徴としている。
この特徴によれば、可動部材の接触面とヘッド部とにより内向き支持片を挟み込むことができ、取付レールからフック本体が脱落してしまうことを防止することができる。
【0010】
本発明の吊り下げ装置は、
前記可動部材は、高摺動性を有する樹脂材で形成され、前記係止部が前記内向き支持片の端面に摺動されることを特徴としている。
この特徴によれば、フック本体を取付レールに取り付けた状態で、フック本体を取付レールの長手方向に沿って自在に摺動させることができる。
【0011】
本発明の吊り下げ装置は、
前記可動部材には、前記ネック部の少なくとも一部が嵌合される嵌合凹部が設けられ、該ネック部の先端部が前記可動部材から露呈されることを特徴としている。
この特徴によれば、ネック部の先端部を押圧することで、ネック部に一体的であるヘッド部を可動部材に対して相対移動させることができ、フック本体を取付レールに取り付ける際に、先ずヘッド部のみをスライド溝に挿入して回転させた後、可動部材をヘッド部に近接させて係止部を内向き支持片の端面に係止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1における吊り下げ装置を示す正面図である。
【図2】ピクチャーフックを示す正面側斜視図である。
【図3】ピクチャーフックを示す背面側斜視図である。
【図4】図1における吊り下げ装置を示すA−A断面図である。
【図5】図1における吊り下げ装置を示すB−B断面図である。
【図6】ヘッド部をスライド溝に挿入する状態を示す斜視図である。
【図7】ピクチャーフックを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図8】可動部材をピクチャーレールから外した状態を示す斜視図である。
【図9】ピクチャーフックを取り外した状態を示す斜視図である。
【図10】実施例2における吊り下げ装置を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る吊り下げ装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
実施例1に係る吊り下げ装置につき、図1から図9を参照して説明する。以下、図4の紙面下側を吊り下げ装置の正面側(前方側)とし、図5の紙面右側を吊り下げ装置の正面側(前方側)として説明する。
【0015】
図1の符号1は、本発明の適用された吊り下げ装置である。この吊り下げ装置1は、壁面2に設置されるピクチャーレール3(取付レール)と、このピクチャーレール3に対して着脱自在に取り付けられるピクチャーフック4(フック本体)と、を有している。
【0016】
この吊り下げ装置1は、絵画や展示パネルの吊り下げ紐等の物品5をピクチャーフック4に掛止させることで、物品5を壁面2に近接させて吊り下げるようになっている。なお、本実施例では、1個のピクチャーフック4を図示しているが、1本のピクチャーレール3に対して複数個のピクチャーフック4を取り付けて使用することもできる。
【0017】
図2に示すように、ピクチャーフック4は、物品5を掛止するフック部6を有している。このフック部6は側面視で略J字状をなしている。フック部6には、フック部6に掛止された物品5の外れ止め用の外止金具7が設けられている。この外止金具7はバネ鋼で形成され、フック部6に物品5を掛止させる際に開閉されるようになっている。
【0018】
図3及び図4に示すように、ピクチャーフック4の背面側には、ヘッド部8が設けられる。そして、このヘッド部8から正面側に延びるネック部9が設けられる。なお、ヘッド部8とネック部9とは、1つの金属材を削り出して一体的に形成されている。フック部6の上部には、雄ネジ部10が形成されており、この雄ネジ部10がネック部9に形成された雌ネジ孔11に螺着されることで、フック部6がネック部9に連結される。このようにヘッド部8とネック部9とフック部6とが互いに固定された一体的な部材となっている。
【0019】
図1に示すように、ネック部9は、正面視で円形をなす略円筒形状に形成されており、このネック部9には、正面視で円形をなす略円筒形状の可動部材12が設けられている。この可動部材12は、ネック部9の先端部13が嵌合される嵌合孔14(嵌合凹部)を有している。この嵌合孔14を介してネック部9の先端部13が正面側に露呈されている。
【0020】
図4に示すように、ネック部9の先端部13には、フランジ部15が形成されている。このネック部9のフランジ部15と、可動部材12の後部に形成されるフランジ部16と、の間にバネ部材17(付勢手段)が設けられている。このバネ部材17によって可動部材12がヘッド部8に近接する方向に付勢される。
【0021】
図5に示すように、ピクチャーレール3は、断面視で略C字形状をなし、ピクチャーレール3は、その長手方向に延びるスライド溝18が形成されている。そして、ピクチャーレール3の正面側には、スライド溝18の開口部の開口幅Kを規定する上下2つの内向き支持片19が形成されており、上下両内向き支持片19の端面20同士は、互いに対向して配置されている。なお、このピクチャーレール3は、スライド溝18の奥面側から貫通されたネジ(図示略)等により壁面2に固定されている。
【0022】
図3に示すように、ピクチャーフック4のヘッド部8は、ピクチャーレール3のスライド溝18の開口幅Kより短寸の幅寸法Tと、この開口幅Kよりも長寸の長手寸法Nと、を有している。そのため、後述するように、ヘッド部8をピクチャーレール3のスライド溝18に挿入して回転させることで、ヘッド部8をピクチャーレール3の内向き支持片19に係止させることができる。なお、ヘッド部8の上下端面は、所定の曲率を持つラウンド面21として形成されており、ヘッド部8がスライド溝18内で回転し易いようになっている。更になお、ヘッド部8のラウンド面21曲率は、可動部材12の外周面の曲率と略同一をなしている。
【0023】
また、可動部材12の後部には、ピクチャーレール3のスライド溝18の開口幅Kと略同一の上下寸法Sを有して上下両内向き支持片19の端面20に係止される係止部22が設けられる。この係止部22はネック部9に接触(近接)された状態で配置されている。なお、可動部材12には、フック部6の雄ネジ部10が嵌合される凹部23が上下2箇所に形成されている。
【0024】
更に、可動部材12は、耐磨耗性及び高摺動性を有する樹脂材で形成されており、係止部22には、内向き支持片19の端面20に摺動される摺動面24を有する。後述するように、ピクチャーレール3に取り付けられた状態のピクチャーフック4が左右方向に摺動される際に、係止部22の摺動面24が内向き支持片19の端面20に摺動されるようになっている。
【0025】
なお、可動部材12を形成する樹脂材としては、ポリブチレンナフタレート(PBN)やポリエチレンナフタレート(PET)やシリコーン・アクリル共重合体樹脂などが使用される。更に、可動部材12の表面、特に係止部22の摺動面24にフッ素樹脂コーティング等の後加工を施して摺動性を向上させるようにしてもよい。
【0026】
図5に示すように、可動部材12の係止部22は、背面側に向かって凸状に突出されている。ピクチャーフック4がピクチャーレール3に取り付けられた状態では、係止部22が内向き支持片19の端面20の前側半分の範囲に接触される。なお、係止部22の上下寸法Sは、ネック部9の上下寸法Eよりも若干大きく形成されている。係止部22の下方側の摺動面24が下方側の内向き支持片19の端面20に接触された状態では、ネック部9が内向き支持片19の端面20に接触されないようになっている。
【0027】
また、可動部材12には、内向き支持片19の外面25に接触される接触面26が形成されている。ピクチャーフック4がピクチャーレール3に取り付けられた状態では、可動部材12の接触面26とヘッド部8とにより内向き支持片19が挟み込まれるようになる。更に、ヘッド部8における内向き支持片19に接触される面は、内向き支持片19から離れる方向に傾斜された傾斜面27となっている。そのため、ヘッド部8と内向き支持片19との接触面積が小さくなり、後述するように、ピクチャーレール3に取り付けられた状態のピクチャーフック4が左右方向に摺動される際に、ヘッド部8と内向き支持片19との摺動抵抗を低減させることができる。
【0028】
次に、ピクチャーフック4のピクチャーレール3に対する着脱工程について、図6から図9を参照して説明する。先ず図6に示すように、ピクチャーフック4を取り付ける際には、ピクチャーフック4を横向きにした状態で、ヘッド部8をピクチャーレール3のスライド溝18の開口部に挿入する。可動部材12の係止部22が内向き支持片19の外面に接触されると、ピクチャーフック4の挿入が一旦停止される。
【0029】
そして、ネック部9の先端部13を使用者が指で押圧することで、内向き支持片19の外面に接触された可動部材12以外の部位が後方側に移動されるようになる。すると、ヘッド部8が内向き支持片19より後方側に移動し、ヘッド部8がスライド溝18内で回転可能となり、ピクチャーフック4を回転させることができるようになる。この状態でピクチャーフック4を90度回転させて縦向きの状態にする。このようにネック部9の先端部13が使用者が操作する操作ボタンを構成する。
【0030】
図7に示すように、ピクチャーフック4が縦向きにされると、ヘッド部8が内向き支持片19に係止された状態であるため、可動部材12がバネ部材17の付勢力によってヘッド部8に近接される方向に移動されるようになっている。可動部材12の係止部22がスライド溝18の開口部、即ち上下両内向き支持片19の端面20同士の間に嵌合されるようになる。ピクチャーフック4がピクチャーレール3に取り付けられた状態では、ピクチャーフック4をスライド溝18に沿って左右方向に自在に摺動させることができる。なお、ピクチャーフック4が左右方向に摺動自在になっていることで、地震等の揺れを吸収できるようになっている。
【0031】
図8に示すように、ピクチャーフック4を取り外す際には、使用者が可動部材12を指で摘んで手前側に引く。するとバネ部材17の付勢力に抗して可動部材12のみが前方側に移動され、可動部材12の係止部22が上下両内向き支持片19の端面20同士の間から外れる。この状態でピクチャーフック4を90度回転させて横向きの状態にする。なお、ピクチャーフック4の回転方向は左右のどちらに回転させてもよい。
【0032】
図9に示すように、ピクチャーフック4が横向きの状態になると、ヘッド部8がピクチャーレール3のスライド溝18の開口部から外れる向きとなり、ピクチャーフック4をピクチャーレール3から取り外すことができる。なお、ピクチャーフック4の取り外し後に、バネ部材17の付勢力によりヘッド部8は、可動部材12に近接する方向に移動されるようになる。
【0033】
以上、本実施例における吊り下げ装置1にあっては、ピクチャーフック4の係止部22が内向き支持片19の間に配置されることで、ピクチャーフック4が回転しようとしても、係止部22が内向き支持片19の端面20に係止されて、ピクチャーフック4の回転が防止されるようになり、使用者が不用意にピクチャーフック4に接触したり、地震等が発生したりした場合であってもピクチャーフック4の揺動を防止することができ、かつフピクチャーフック4の脱落も防止することができる。
【0034】
また、ピクチャーフック4には、ヘッド部8とネック部9とフック部6とが一体的に設けられるとともに、ヘッド部8に近接される方向に可動される可動部材12が設けられ、この可動部材12に、係止部22が形成されることで、可動部材12をヘッド部8から離間させると、ヘッド部8をスライド溝18内に挿入できるようになり、ヘッド部8をスライド溝18に挿入して回転させた状態で、可動部材12をヘッド部8に近接させると、係止部22が内向き支持片19の端面20に係止されるようになり、ピクチャーフック4をピクチャーレール3に着脱し易くしつつ、その揺動を防止することができる。
【0035】
また、ピクチャーフック4には、可動部材12をヘッド部8に近接される方向に付勢するバネ部材17が設けられることで、バネ部材17により可動部材12が自動的にヘッド部8に近接されるようになり、かつバネ部材17により係止部22が内向き支持片19の端面20に係止された状態を維持できる。
【0036】
また、可動部材12は、内向き支持片19の外面25に接触される接触面26を有することで、可動部材12の接触面26とヘッド部8とにより内向き支持片19を挟み込むことができ、ピクチャーレール3からピクチャーフック4が脱落してしまうことを防止することができる。
【0037】
また、可動部材12は、高摺動性を有する樹脂材で形成され、係止部22が内向き支持片19の端面20に摺動されることで、ピクチャーフック4をピクチャーレール3に取り付けた状態で、ピクチャーフック4をピクチャーレール3の長手方向に沿って自在に摺動させることができる。
【0038】
また、可動部材12には、ネック部9の少なくとも一部が嵌合される嵌合孔14が設けられ、このネック部9の先端部13が可動部材12から露呈されることで、ネック部9の先端部13を押圧することで、ネック部9に一体的であるヘッド部8を可動部材12に対して相対移動させることができ、ピクチャーフック4をピクチャーレール3に取り付ける際に、先ずヘッド部8のみをスライド溝18に挿入して回転させた後、可動部材12をヘッド部8に近接させて係止部22を内向き支持片19の端面20に係止させることができる。
【実施例2】
【0039】
次に、実施例2に係る吊り下げ装置1’につき、図10を参照して説明する。なお、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0040】
図10に示すように、実施例2におけるピクチャーレール3(取付レール)は、実施例1のピクチャーレール3と同一構成となっており、このピクチャーレール3が天井28に設置されている。また、実施例2におけるピクチャーフック4’(フック本体)は、ネック部9の側方に設けられ、このフック部6’がさらに下方側に屈曲されて延設されている。このフック部6’以外の構成は、実施例1のピクチャーフック4と同一構成となっている。このように、天井28に設置されたピクチャーレール3に対してピクチャーフック4’を着脱自在に取り付けるために、本発明を適用してもよい。
【0041】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0042】
例えば、前記実施例では、吊り下げ装置1を用いて絵画や展示パネル等を吊り下げるようにしているが、吊り下げ装置1により吊り下げられる物品は、絵画や展示パネル等に限らず、その他の生活用品等であってもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 吊り下げ装置
2 壁面
3 ピクチャーレール(取付レール)
4 ピクチャーフック(フック本体)
5 物品
6 フック部
8 ヘッド部
9 ネック部
12 可動部材
13 先端部
14 嵌合孔(嵌合凹部)
17 バネ部材(付勢手段)
18 スライド溝
19 内向き支持片
20 端面
22 係止部
25 外面
26 接触面
28 天井

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面視で略C字形状をなす取付レールが壁面または天井に設置され、該取付レールには、その長手方向に延びるスライド溝の開口幅を規定する内向き支持片が設けられ、フック本体のヘッド部は、前記開口幅より短寸の幅寸法と該開口幅よりも長寸の長手寸法とを有し、該ヘッド部を前記スライド溝に挿入して回転させることで、該ヘッド部が前記内向き支持片に係止され、前記フック本体が前記取付レールに取り付けられるようになっており、該フック本体のフック部に物品を掛止させて吊り下げるための吊り下げ装置であって、
前記ヘッド部と前記フック部とを連結するネック部の近傍には、前記スライド溝の開口幅と略同一寸法を有して前記内向き支持片の端面に係止される係止部が設けられることを特徴とする吊り下げ装置。
【請求項2】
前記フック本体には、前記ヘッド部と前記ネック部と前記フック部とが一体的に設けられるとともに、前記ヘッド部に近接される方向に可動される可動部材が設けられ、該可動部材に、前記係止部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の吊り下げ装置。
【請求項3】
前記フック本体には、前記可動部材を前記ヘッド部に近接される方向に付勢する付勢手段が設けられることを特徴とする請求項2に記載の吊り下げ装置。
【請求項4】
前記可動部材は、前記内向き支持片の外面に接触される接触面を有することを特徴とする請求項2または3に記載の吊り下げ装置。
【請求項5】
前記可動部材は、高摺動性を有する樹脂材で形成され、前記係止部が前記内向き支持片の端面に摺動されることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の吊り下げ装置。
【請求項6】
前記可動部材には、前記ネック部の少なくとも一部が嵌合される嵌合凹部が設けられ、該ネック部の先端部が前記可動部材から露呈されることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の吊り下げ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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