吊下げ式の商品払出しユニット
【課題】自動販売機に組み込めるように払出し機構をユニット化した、吊下げ式の商品払出しユニットを提供する。
【解決手段】自動販売機内に取付けられるべき略箱体形状からなる筐体2と、先端部3aが筐体内から前方に突出し、基端部3bが回転軸4を支軸として筐体の前後方向に回動可能で、先端部に商品Gを吊下げることができる複数の吊下げフック3と、筐体内で吊下げフックに対してそれぞれ配され、自らが移動することにより吊下げフックの回動を停止及び許容するストッパ6と、筐体内に配され、筐体の上下方向に移動してストッパに対応した位置にてストッパを移動させるための移動体と、筐体内に配され、移動体を移動させるための動力源となるモータ13とを備えた。
【解決手段】自動販売機内に取付けられるべき略箱体形状からなる筐体2と、先端部3aが筐体内から前方に突出し、基端部3bが回転軸4を支軸として筐体の前後方向に回動可能で、先端部に商品Gを吊下げることができる複数の吊下げフック3と、筐体内で吊下げフックに対してそれぞれ配され、自らが移動することにより吊下げフックの回動を停止及び許容するストッパ6と、筐体内に配され、筐体の上下方向に移動してストッパに対応した位置にてストッパを移動させるための移動体と、筐体内に配され、移動体を移動させるための動力源となるモータ13とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊下げ式の商品払出し装置に関し、より詳しくは、自動販売機に収納して用いるための吊下げ式の商品払出し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動販売機に収納して商品を販売することを可能とし、そのために用いるための商品吊下げフックが特許文献1に開示されている。このように、自動販売機内で商品を吊下げて収容するものが従来より開発されている。
【0003】
しかしながら、既存の自動販売機に他の商品を収容する構造(例えば積み上げ式)とともに収容するには、商品の払出し機構を一つのユニットとし、そのユニット内で商品の払出しまで行った方が便利である。また、これらの機構はむき出しではなく、箱体に収まっていた方が取り扱い性がよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−257945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術を考慮したものであって、ユニット化された商品の払出し機構単独で商品の払出しまで行うことができ、この機構を箱体形状に収めて取り扱い性を向上させ、簡単な構造で商品を払い出すことができる吊下げ式の商品払出しユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、自動販売機内に取付けられるべき略箱体形状からなる筐体と、一方の端部である先端部が前記筐体の前方に向けて前記筐体内から突出し、他方の端部である基端部を通る回転軸を支軸として前記筐体の前後方向に回動可能であり、前記先端部に商品を吊下げるために設けられた複数の吊下げフックと、前記筐体内で前記吊下げフックに対してそれぞれ配され、自らが移動することにより前記吊下げフックの回動を停止及び許容するストッパと、前記筐体内に配され、前記筐体の上下方向に移動して前記ストッパに対応した位置にて前記ストッパを移動させるための移動体と、前記筐体内に配され、前記移動体を移動させるための動力源となるモータとを備えたことを特徴とする吊下げ式の商品払出しユニットを提供する。
【0007】
好ましくは、前記ストッパは前記筐体に対して前後方向に移動し、前記ストッパの先端には、左右いずれかの方向に突出する突出部が形成され、前記ストッパが後方に移動したときの停止位置にて、前記突出部は前記吊下げフックの回転軸よりも後側で前記吊下げフックの上面に当接し、前記ストッパが前方に移動したときの許容位置にて、前記突出部は前記吊下げフックの回転軸よりも前側に位置する。
【0008】
好ましくは、前記筐体の後方から負荷がかかっていない状態で前記停止位置にて前記ストッパと前記筐体とを接続している引っ張りばねと、前記移動体に当接することにより、前記移動体の移動に伴って前方に押し出されるとともに前記ストッパを前記引っ張りばねに抗して前記許容位置まで押し出すための押し出し体とをさらに備えた。
【0009】
好ましくは、前記筐体内の上下方向に延びる棒状のレールと、該レールの下端に設けられ、前記モータからの回転出力を受けて前記レールの軸廻りに回転する回転部と、前記レールの長手方向に沿って螺旋状に形成され、前記移動体が移動可能に取付けられたレール溝と、前記移動体の左右両側から突出する突起とをさらに備え、前記押し出し体の後縁は、前記突起の前縁に対して鉛直方向に設けられていて、前記押し出し体は、上端部を支点に前後方向に回転可能であり、前記上端部よりも下側の位置に前記後縁から後方に向けて凸となるように湾曲した湾曲部を有し、前記突起は、前記移動体の移動に伴って前記湾曲部の表面に摺接する。
【0010】
好ましくは、前記筐体内に配され、前記吊下げフックに吊下げられた商品の有無を検知する検知器をさらに備えた。
【0011】
好ましくは、前記筐体内で後方に延びる後端部を有し、該後端部よりも軽量である前端部が前記筐体から前方且つ斜め下方に向けて突出し、前記筐体内で回動支軸により軸支され、該回動支軸廻りに前記筐体に対して前後方向に回動可能なレバーとをさらに備え、前記検知器は、検知器本体と該検知器本体の下側に配設され且つ前記検知器本体と離間する方向に付勢されたスイッチ部とからなり、該スイッチ部が前記検知器本体に接したときに商品が前記吊下げフックに吊下げられている商品有り状態であると認識し、前記スイッチ部が前記検知器本体から離間したときに商品が前記吊下げフックに吊下げられていない商品無し状態であると認識し、前記商品有り状態で、前記先端部は前記商品によって後側に回動され、これに伴い前記後端部が上側に回動して前記スイッチ部は上側に押し上げられて前記検知器本体に当接され、前記商品無し状態で、前記後端部は自重により下側に回動されて前記スイッチ部から離れている。
【0012】
好ましくは、前記筐体には、自動販売機に取付けるための取付け片が取付けられている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、筐体内に配された吊下げフックとストッパと移動体とモータにてユニット化された商品の払出し機構単独で自動販売機内に収容された商品の払出しを行うことができる。この機構は略箱体形状の筐体に収められているので取り扱い性が向上している。また、簡単な構造で商品を払い出すことができる機構を形成することができる。
【0014】
また、ストッパに設けられた突出部という簡単な構造で吊下げフックの回動を停止及び許容することができる。
また、引っ張りばねと押し出し体という簡単な構造でストッパの前後方向の移動を実現することができる。
【0015】
また、移動体に設けた突起を押し出し体に設けた湾曲部の表面に沿って摺接させることにより、移動体の移動に伴って押し出し体を前方に回転させ、ストッパを前方に移動させることができる。
また、吊下げフックに吊下げられた商品の有無を検知する検知器をさらに備えれば、商品の売り切れ状態がわかるため、取り扱い性が向上する。
【0016】
また、レバーにより、商品有り状態と商品無し状態を自動的に検知器に検知させることができる。このため、商品の管理が容易となる。
また、筐体には、自動販売機に取付けるための取付け片が取付けられているため、既存の自動販売機に取付けることができ、利便性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る吊下げ式の商品払出しユニットの概略を示す断面図である。
【図2】ストッパ近傍を一方の側面側から見た概略斜視図である。
【図3】吊下げフックの回転動作を説明するための概略図である。
【図4】図2の反対側の側面側から見た概略斜視図である。
【図5】本発明に係る吊下げ式の商品払出しユニットの概略を示す断面図である。
【図6】移動体が押し出し体を前方に回動させる動作を説明するための概略図である。
【図7】移動体が押し出し体を前方に回動させる動作を説明するための概略図である。
【図8】移動体が押し出し体を前方に回動させる動作を説明するための概略図である。
【図9】筐体とカバーを示す概略図である。
【図10】カバーに筐体を取付けた状態を示す概略図である。
【図11】本発明に係るユニットを既存の自動販売機の扉に取付けたときの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すように、本発明に係る吊下げ式の商品払出しユニット1は、筐体2を有している。なお、図1では分かりやすくするため、後述するレール9や移動体10(図5参照)は省略している。この筐体2は、略箱体形状からなり、自動販売機内に取付けられるべきものである。筐体2の前方に向けて、吊下げフック3の先端部3aが突出している。先端部3aは、商品Gを吊下げるためのものである。先端部3aに対して他方の端部となる基端部3bは、筐体2内に配設されている。この基端部3bには、回転軸4が筐体2の左右方向に挿通されている。したがって、吊下げフック3は、回転軸4を支軸として筐体2の前後方向に回動可能である。この吊下げフック3は、筐体2に複数(図1では2個)設けられている。
【0019】
各フック3に対し、ストッパ6がそれぞれ設けられている。このストッパ6は、筐体2内に配され、自らが移動することにより上述した吊下げフック3の回動動作を制御可能である。具体的には、ストッパ6は筐体2に対して前後方向に移動可能である。そして、図2を参照すれば明らかなように、ストッパ6の先端には、左右いずれかの方向(図2ではストッパ6から前方を向いたときの左側)に突出する突出部6aが形成されている。この突出部6aは、吊下げフック3が有する基端部3bの上面に当接している。図1や図2で示すようなストッパ6が後方に移動しているとき(停止位置)、突出部6aは回転軸4よりも後側で吊下げフック3の上面に当接している。このような停止位置にストッパ6がある場合、突出部6aにて後端部3bが上方に回動することは規制されるので、先端部3aが下方に回動し、商品Gが吊下げフック3から落下することはない。すなわち、停止位置ではストッパ6は吊下げフック3の回動を停止している。
【0020】
しかしながら、図3に示すように、突出部6aが停止位置から前方に移動し(図3の矢印B方向)、回転軸4よりも前側に位置すると(許容位置)、商品Gの重みで先端部3aが下方に回動し、これに伴い後端部3bが上方に回動する(図3の矢印A方向)。したがって、商品Gは吊下げフック3から落下する。すなわち、許容位置ではストッパ6は吊下げフック3の回動を許容する。このように、ストッパ6に設けられた突出部6aという簡単な構造で吊下げフック3の回動を停止及び許容することができる。
【0021】
一方で、図1及び図4を参照すれば明らかなように、ストッパ6には引っ張りばね5が取付けられている。この引っ張りばね5は、負荷がかかっていない状態で、ストッパ6が停止位置にある状態で筐体2の後方からストッパ6と筐体2とを接続している。すなわち、ストッパ6は負荷を与えないと引っ張りばね5の作用により停止位置から許容位置に移動することはないように保持されている。ストッパ6には、左右いずれかの方向(図1ではストッパ6から前方を向いたときの右側)に突出している突出部6bが設けられている。この突出部6bの後方には、押し出し体8が垂下されている。具体的には、押し出し体8の略中央部には筐体2の左右方向に対して回転軸7(図では回転軸を挿通するべき軸孔を記載)が挿通されていて、押し出し体8は、この回転軸7廻りに回動可能である。したがって、押し出し体8が突出部6bを引っ張りばね5に抗して前方に押すことで、ストッパ6を許容位置まで押し出すことができる。このように、引っ張りばね5と押し出し体8という簡単な構造でストッパ6の前後方向の移動を実現することができる。
【0022】
また、図5に示すように、筐体2内には、筐体2の上下方向に延びる棒状のレール9が配設されている。このレール9には、移動体10が取付けられている。移動体10は、レール9に沿って上下移動可能である。具体的には、レール9の下端にはレール9の軸廻りに回転する回転部11が備わっていて、この回転部11は減速機12を介してモータ13のギヤ14と接続されている。したがって、モータ13が駆動すると、その回転出力はギヤ14及び減速機12を介して回転部11に伝わり、回転部11が回転されることによってレール9が回転する。レール9には、その長手方向に沿って螺旋状に形成されたレール溝15が形成されている。このレール溝15に、上述した移動体10が移動可能に取付けられている。そして、移動体10は、左右方向への移動が規制されている。したがって、レール9が回転すると、移動体10はそのままの姿勢でレール9に沿って上昇する。このような構造であるため、上述したモータ13は移動体10を移動させるための動力源であるといえる。
【0023】
この移動体10は、ストッパ6に対応した位置にてストッパ6を移動させるためのものである。具体的には、移動体10の左右両側からは突起16が突出して設けられている。この突起16は、直線状であり、上縁が前側に、下縁が後側に位置している。上述した押し出し体8(図6〜図8参照)は、この突起16の前縁16aに対して鉛直方向、すなわち真上に配設されている。そして、押し出し体8の上側には、突軸8aが突出して設けられている。図6〜図8に示すように、移動体10がレール9に沿って上昇すると(図6の矢印C方向)、突起16の前縁16aは押し出し体8の突軸8aと当接する(図7の状態)。そして、さらに移動体10が上昇すると(図7の矢印D方向)、突軸8aが突起16の側面に沿って摺接し、結果として押し出し体8を前方に押し出す(図8の状態)。すなわち、前縁16aが突軸8aに摺接すると、押し出し体8は回転軸7廻りに回転し(図8の矢印R方向)、突軸8aは後方に移動する。これにより、押し出し体8を介してストッパ6を前方に移動させることができる。すなわち、図4を参照すれば明らかなように、押し出し体8が回転することにより突出部6bが前方に押し出され、結果としてストッパ6が前方に移動する。移動体10がさらに上昇すると、突起16と突軸8aとの係合が解除され、押し出し体8は自重によりもとの位置に戻る。なお、分かりやすくするため、図6〜図8ではレール9は省略している。
【0024】
以上により、本発明によれば、筐体2内に配された吊下げフック3とストッパ6と移動体10とモータ13にてユニット化された商品の払出し機構単独で自動販売機内に収容された商品Gの払出しを行うことができる。この機構は略箱体形状の筐体2に収められているので取り扱い性が向上している。また、簡単な構造で商品Gを払い出すことができる機構を形成することができる。また、ストッパ6は移動体10に対して複数設けられているので、一つの移動体10を上昇させるだけで複数の商品を払い出すことができる。この場合、具体的には一つの移動体10に対して吊下げフック3、引っ張りばね5、ストッパ6、押し出し体8がひとまとまりとなった集合体としてそれぞれ備わっている。この集合体は、レール9の長手方向に沿って左右両側に備わり、図9を参照すれば明らかなように、左右で上下方向に互い違いに設けられている。このように互い違いに設ければ、移動体10の上昇に伴い、一つずつ商品を払い出すことができる。このような構造としたことで、ユニット1ごとにモータ13が一つですむため、スペース的及びコスト的に有利である。
【0025】
また一方で、筐体2内には、検知器17が配されている。この検知器17は、吊下げフック3に吊下げられた商品Gの有無を検知するためのものである。具体的には、検知器17は、検知器本体17aとこの検知器本体17aの下側に配設され且つ検知器本体17aと離間する方向に付勢されたスイッチ部17bとからなる。検知器17は、このスイッチ部17bが検知器本体17aに接したときに商品Gが吊下げフック3に吊下げられている商品有り状態であると認識し、スイッチ部17bが検知器本体17aから離間したときに商品Gが吊下げフック3に吊下げられていない商品無し状態であると認識する。また筐体2内には、さらにレバー18が備わっている。このレバー18は、後端部18aと前端部18bとを有し、後端部18aは筐体2内で後方に延びている。前端部18bは、後端部18aよりも軽量に形成されていて、筐体2から前方且つ斜め下方に向けて突出している。レバー18は、筐体2の左右方向に延びる回動支軸19により軸支され、この回動支軸19廻りに筐体2に対して前後方向に回動可能である。
【0026】
図1を参照すれば明らかなように、商品有り状態では、レバー18の先端部18bは商品Gに当接していて、この商品Gによって後側に回動されている。したがって、これに伴い後端部18aは上側に回動し、スイッチ部17bを上側に押し上げて検知器本体17aに当接させている。そして、商品無し状態では、後端部18aの方が前端部18bよりも重いため、後端部18aは自重により下側に回動されてスイッチ部17bから離れている。これにより、商品有り状態と無し状態で検知器による商品Gの売り切れ状態が自動的にわかるため、取り扱い性が向上し、商品の管理が容易となる。
【0027】
筐体2には、実際にユニット1を自動販売機に取付けるための取付け片20が取付けられる(図9では上下に2つの取付け片20)。この取付け片20は、図9に示すように、筐体2の外側を覆うカバー21と一体となって形成されている。なお、取付け片20の形状、位置、大きさ等は取付けられるべき自動販売機によって変更可能である。また、取付け片20が直接筐体2に形成されていてもよい。図9のようなカバー21を用いる場合は、吊下げフック3を突出可能とするための孔22が吊下げフック3の個数に応じて設けられている。筐体2をカバー21に嵌め込む場合は、筐体2をカバー21内に移動させ(図9の矢印F方向)、筐体2に設けられた爪23をカバー21に設けられた爪孔24に係合させる。これにより、図10に示すような取付け片20が取付けられたユニット1が形成される。
【0028】
このようにして形成されたユニット1は、自動販売機に取り付け可能である。例えば自動販売機の扉25に取付ける場合には、図11に示すように、他の商品の払出しユニットを収容するために区画されたスペース部26のうちの一つに取付ける。このように、本発明に係るユニット1は、既存の自動販売機に取付けることができ、その利便性は高い。このように既存の自動販売機に取付けるため、ユニット1の形状はスペース部26に応じた形状とすることが好ましい。例えば、たばこの自動販売機では、たばこを収容するスペースが縦長に形成されているため、ユニット1も縦長に形成する。さらに、図10のように扉25にも商品を収容するタイプの場合は、その奥行きも適応させる。
【符号の説明】
【0029】
1 商品払出しユニット
2 筐体
3 吊下げフック
3a 吊下げフックの先端部
3b 吊下げフックの基端部
4 回転軸
5 引っ張りばね
6 ストッパ
6a 突出部
6b 突出部
7 回転軸
8 押し出し体
8a 突軸
9 レール
10 移動体
11 回転部
12 減速機
13 モータ
14 ギヤ
15 レール溝
16 突起
17 検知器
17a 検知器本体
17b スイッチ部
18 レバー
19 回動支軸
20 取付け片
21 カバー
22 孔
23 爪
24 爪孔
25 扉
26 スペース部
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊下げ式の商品払出し装置に関し、より詳しくは、自動販売機に収納して用いるための吊下げ式の商品払出し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動販売機に収納して商品を販売することを可能とし、そのために用いるための商品吊下げフックが特許文献1に開示されている。このように、自動販売機内で商品を吊下げて収容するものが従来より開発されている。
【0003】
しかしながら、既存の自動販売機に他の商品を収容する構造(例えば積み上げ式)とともに収容するには、商品の払出し機構を一つのユニットとし、そのユニット内で商品の払出しまで行った方が便利である。また、これらの機構はむき出しではなく、箱体に収まっていた方が取り扱い性がよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−257945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術を考慮したものであって、ユニット化された商品の払出し機構単独で商品の払出しまで行うことができ、この機構を箱体形状に収めて取り扱い性を向上させ、簡単な構造で商品を払い出すことができる吊下げ式の商品払出しユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、自動販売機内に取付けられるべき略箱体形状からなる筐体と、一方の端部である先端部が前記筐体の前方に向けて前記筐体内から突出し、他方の端部である基端部を通る回転軸を支軸として前記筐体の前後方向に回動可能であり、前記先端部に商品を吊下げるために設けられた複数の吊下げフックと、前記筐体内で前記吊下げフックに対してそれぞれ配され、自らが移動することにより前記吊下げフックの回動を停止及び許容するストッパと、前記筐体内に配され、前記筐体の上下方向に移動して前記ストッパに対応した位置にて前記ストッパを移動させるための移動体と、前記筐体内に配され、前記移動体を移動させるための動力源となるモータとを備えたことを特徴とする吊下げ式の商品払出しユニットを提供する。
【0007】
好ましくは、前記ストッパは前記筐体に対して前後方向に移動し、前記ストッパの先端には、左右いずれかの方向に突出する突出部が形成され、前記ストッパが後方に移動したときの停止位置にて、前記突出部は前記吊下げフックの回転軸よりも後側で前記吊下げフックの上面に当接し、前記ストッパが前方に移動したときの許容位置にて、前記突出部は前記吊下げフックの回転軸よりも前側に位置する。
【0008】
好ましくは、前記筐体の後方から負荷がかかっていない状態で前記停止位置にて前記ストッパと前記筐体とを接続している引っ張りばねと、前記移動体に当接することにより、前記移動体の移動に伴って前方に押し出されるとともに前記ストッパを前記引っ張りばねに抗して前記許容位置まで押し出すための押し出し体とをさらに備えた。
【0009】
好ましくは、前記筐体内の上下方向に延びる棒状のレールと、該レールの下端に設けられ、前記モータからの回転出力を受けて前記レールの軸廻りに回転する回転部と、前記レールの長手方向に沿って螺旋状に形成され、前記移動体が移動可能に取付けられたレール溝と、前記移動体の左右両側から突出する突起とをさらに備え、前記押し出し体の後縁は、前記突起の前縁に対して鉛直方向に設けられていて、前記押し出し体は、上端部を支点に前後方向に回転可能であり、前記上端部よりも下側の位置に前記後縁から後方に向けて凸となるように湾曲した湾曲部を有し、前記突起は、前記移動体の移動に伴って前記湾曲部の表面に摺接する。
【0010】
好ましくは、前記筐体内に配され、前記吊下げフックに吊下げられた商品の有無を検知する検知器をさらに備えた。
【0011】
好ましくは、前記筐体内で後方に延びる後端部を有し、該後端部よりも軽量である前端部が前記筐体から前方且つ斜め下方に向けて突出し、前記筐体内で回動支軸により軸支され、該回動支軸廻りに前記筐体に対して前後方向に回動可能なレバーとをさらに備え、前記検知器は、検知器本体と該検知器本体の下側に配設され且つ前記検知器本体と離間する方向に付勢されたスイッチ部とからなり、該スイッチ部が前記検知器本体に接したときに商品が前記吊下げフックに吊下げられている商品有り状態であると認識し、前記スイッチ部が前記検知器本体から離間したときに商品が前記吊下げフックに吊下げられていない商品無し状態であると認識し、前記商品有り状態で、前記先端部は前記商品によって後側に回動され、これに伴い前記後端部が上側に回動して前記スイッチ部は上側に押し上げられて前記検知器本体に当接され、前記商品無し状態で、前記後端部は自重により下側に回動されて前記スイッチ部から離れている。
【0012】
好ましくは、前記筐体には、自動販売機に取付けるための取付け片が取付けられている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、筐体内に配された吊下げフックとストッパと移動体とモータにてユニット化された商品の払出し機構単独で自動販売機内に収容された商品の払出しを行うことができる。この機構は略箱体形状の筐体に収められているので取り扱い性が向上している。また、簡単な構造で商品を払い出すことができる機構を形成することができる。
【0014】
また、ストッパに設けられた突出部という簡単な構造で吊下げフックの回動を停止及び許容することができる。
また、引っ張りばねと押し出し体という簡単な構造でストッパの前後方向の移動を実現することができる。
【0015】
また、移動体に設けた突起を押し出し体に設けた湾曲部の表面に沿って摺接させることにより、移動体の移動に伴って押し出し体を前方に回転させ、ストッパを前方に移動させることができる。
また、吊下げフックに吊下げられた商品の有無を検知する検知器をさらに備えれば、商品の売り切れ状態がわかるため、取り扱い性が向上する。
【0016】
また、レバーにより、商品有り状態と商品無し状態を自動的に検知器に検知させることができる。このため、商品の管理が容易となる。
また、筐体には、自動販売機に取付けるための取付け片が取付けられているため、既存の自動販売機に取付けることができ、利便性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る吊下げ式の商品払出しユニットの概略を示す断面図である。
【図2】ストッパ近傍を一方の側面側から見た概略斜視図である。
【図3】吊下げフックの回転動作を説明するための概略図である。
【図4】図2の反対側の側面側から見た概略斜視図である。
【図5】本発明に係る吊下げ式の商品払出しユニットの概略を示す断面図である。
【図6】移動体が押し出し体を前方に回動させる動作を説明するための概略図である。
【図7】移動体が押し出し体を前方に回動させる動作を説明するための概略図である。
【図8】移動体が押し出し体を前方に回動させる動作を説明するための概略図である。
【図9】筐体とカバーを示す概略図である。
【図10】カバーに筐体を取付けた状態を示す概略図である。
【図11】本発明に係るユニットを既存の自動販売機の扉に取付けたときの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すように、本発明に係る吊下げ式の商品払出しユニット1は、筐体2を有している。なお、図1では分かりやすくするため、後述するレール9や移動体10(図5参照)は省略している。この筐体2は、略箱体形状からなり、自動販売機内に取付けられるべきものである。筐体2の前方に向けて、吊下げフック3の先端部3aが突出している。先端部3aは、商品Gを吊下げるためのものである。先端部3aに対して他方の端部となる基端部3bは、筐体2内に配設されている。この基端部3bには、回転軸4が筐体2の左右方向に挿通されている。したがって、吊下げフック3は、回転軸4を支軸として筐体2の前後方向に回動可能である。この吊下げフック3は、筐体2に複数(図1では2個)設けられている。
【0019】
各フック3に対し、ストッパ6がそれぞれ設けられている。このストッパ6は、筐体2内に配され、自らが移動することにより上述した吊下げフック3の回動動作を制御可能である。具体的には、ストッパ6は筐体2に対して前後方向に移動可能である。そして、図2を参照すれば明らかなように、ストッパ6の先端には、左右いずれかの方向(図2ではストッパ6から前方を向いたときの左側)に突出する突出部6aが形成されている。この突出部6aは、吊下げフック3が有する基端部3bの上面に当接している。図1や図2で示すようなストッパ6が後方に移動しているとき(停止位置)、突出部6aは回転軸4よりも後側で吊下げフック3の上面に当接している。このような停止位置にストッパ6がある場合、突出部6aにて後端部3bが上方に回動することは規制されるので、先端部3aが下方に回動し、商品Gが吊下げフック3から落下することはない。すなわち、停止位置ではストッパ6は吊下げフック3の回動を停止している。
【0020】
しかしながら、図3に示すように、突出部6aが停止位置から前方に移動し(図3の矢印B方向)、回転軸4よりも前側に位置すると(許容位置)、商品Gの重みで先端部3aが下方に回動し、これに伴い後端部3bが上方に回動する(図3の矢印A方向)。したがって、商品Gは吊下げフック3から落下する。すなわち、許容位置ではストッパ6は吊下げフック3の回動を許容する。このように、ストッパ6に設けられた突出部6aという簡単な構造で吊下げフック3の回動を停止及び許容することができる。
【0021】
一方で、図1及び図4を参照すれば明らかなように、ストッパ6には引っ張りばね5が取付けられている。この引っ張りばね5は、負荷がかかっていない状態で、ストッパ6が停止位置にある状態で筐体2の後方からストッパ6と筐体2とを接続している。すなわち、ストッパ6は負荷を与えないと引っ張りばね5の作用により停止位置から許容位置に移動することはないように保持されている。ストッパ6には、左右いずれかの方向(図1ではストッパ6から前方を向いたときの右側)に突出している突出部6bが設けられている。この突出部6bの後方には、押し出し体8が垂下されている。具体的には、押し出し体8の略中央部には筐体2の左右方向に対して回転軸7(図では回転軸を挿通するべき軸孔を記載)が挿通されていて、押し出し体8は、この回転軸7廻りに回動可能である。したがって、押し出し体8が突出部6bを引っ張りばね5に抗して前方に押すことで、ストッパ6を許容位置まで押し出すことができる。このように、引っ張りばね5と押し出し体8という簡単な構造でストッパ6の前後方向の移動を実現することができる。
【0022】
また、図5に示すように、筐体2内には、筐体2の上下方向に延びる棒状のレール9が配設されている。このレール9には、移動体10が取付けられている。移動体10は、レール9に沿って上下移動可能である。具体的には、レール9の下端にはレール9の軸廻りに回転する回転部11が備わっていて、この回転部11は減速機12を介してモータ13のギヤ14と接続されている。したがって、モータ13が駆動すると、その回転出力はギヤ14及び減速機12を介して回転部11に伝わり、回転部11が回転されることによってレール9が回転する。レール9には、その長手方向に沿って螺旋状に形成されたレール溝15が形成されている。このレール溝15に、上述した移動体10が移動可能に取付けられている。そして、移動体10は、左右方向への移動が規制されている。したがって、レール9が回転すると、移動体10はそのままの姿勢でレール9に沿って上昇する。このような構造であるため、上述したモータ13は移動体10を移動させるための動力源であるといえる。
【0023】
この移動体10は、ストッパ6に対応した位置にてストッパ6を移動させるためのものである。具体的には、移動体10の左右両側からは突起16が突出して設けられている。この突起16は、直線状であり、上縁が前側に、下縁が後側に位置している。上述した押し出し体8(図6〜図8参照)は、この突起16の前縁16aに対して鉛直方向、すなわち真上に配設されている。そして、押し出し体8の上側には、突軸8aが突出して設けられている。図6〜図8に示すように、移動体10がレール9に沿って上昇すると(図6の矢印C方向)、突起16の前縁16aは押し出し体8の突軸8aと当接する(図7の状態)。そして、さらに移動体10が上昇すると(図7の矢印D方向)、突軸8aが突起16の側面に沿って摺接し、結果として押し出し体8を前方に押し出す(図8の状態)。すなわち、前縁16aが突軸8aに摺接すると、押し出し体8は回転軸7廻りに回転し(図8の矢印R方向)、突軸8aは後方に移動する。これにより、押し出し体8を介してストッパ6を前方に移動させることができる。すなわち、図4を参照すれば明らかなように、押し出し体8が回転することにより突出部6bが前方に押し出され、結果としてストッパ6が前方に移動する。移動体10がさらに上昇すると、突起16と突軸8aとの係合が解除され、押し出し体8は自重によりもとの位置に戻る。なお、分かりやすくするため、図6〜図8ではレール9は省略している。
【0024】
以上により、本発明によれば、筐体2内に配された吊下げフック3とストッパ6と移動体10とモータ13にてユニット化された商品の払出し機構単独で自動販売機内に収容された商品Gの払出しを行うことができる。この機構は略箱体形状の筐体2に収められているので取り扱い性が向上している。また、簡単な構造で商品Gを払い出すことができる機構を形成することができる。また、ストッパ6は移動体10に対して複数設けられているので、一つの移動体10を上昇させるだけで複数の商品を払い出すことができる。この場合、具体的には一つの移動体10に対して吊下げフック3、引っ張りばね5、ストッパ6、押し出し体8がひとまとまりとなった集合体としてそれぞれ備わっている。この集合体は、レール9の長手方向に沿って左右両側に備わり、図9を参照すれば明らかなように、左右で上下方向に互い違いに設けられている。このように互い違いに設ければ、移動体10の上昇に伴い、一つずつ商品を払い出すことができる。このような構造としたことで、ユニット1ごとにモータ13が一つですむため、スペース的及びコスト的に有利である。
【0025】
また一方で、筐体2内には、検知器17が配されている。この検知器17は、吊下げフック3に吊下げられた商品Gの有無を検知するためのものである。具体的には、検知器17は、検知器本体17aとこの検知器本体17aの下側に配設され且つ検知器本体17aと離間する方向に付勢されたスイッチ部17bとからなる。検知器17は、このスイッチ部17bが検知器本体17aに接したときに商品Gが吊下げフック3に吊下げられている商品有り状態であると認識し、スイッチ部17bが検知器本体17aから離間したときに商品Gが吊下げフック3に吊下げられていない商品無し状態であると認識する。また筐体2内には、さらにレバー18が備わっている。このレバー18は、後端部18aと前端部18bとを有し、後端部18aは筐体2内で後方に延びている。前端部18bは、後端部18aよりも軽量に形成されていて、筐体2から前方且つ斜め下方に向けて突出している。レバー18は、筐体2の左右方向に延びる回動支軸19により軸支され、この回動支軸19廻りに筐体2に対して前後方向に回動可能である。
【0026】
図1を参照すれば明らかなように、商品有り状態では、レバー18の先端部18bは商品Gに当接していて、この商品Gによって後側に回動されている。したがって、これに伴い後端部18aは上側に回動し、スイッチ部17bを上側に押し上げて検知器本体17aに当接させている。そして、商品無し状態では、後端部18aの方が前端部18bよりも重いため、後端部18aは自重により下側に回動されてスイッチ部17bから離れている。これにより、商品有り状態と無し状態で検知器による商品Gの売り切れ状態が自動的にわかるため、取り扱い性が向上し、商品の管理が容易となる。
【0027】
筐体2には、実際にユニット1を自動販売機に取付けるための取付け片20が取付けられる(図9では上下に2つの取付け片20)。この取付け片20は、図9に示すように、筐体2の外側を覆うカバー21と一体となって形成されている。なお、取付け片20の形状、位置、大きさ等は取付けられるべき自動販売機によって変更可能である。また、取付け片20が直接筐体2に形成されていてもよい。図9のようなカバー21を用いる場合は、吊下げフック3を突出可能とするための孔22が吊下げフック3の個数に応じて設けられている。筐体2をカバー21に嵌め込む場合は、筐体2をカバー21内に移動させ(図9の矢印F方向)、筐体2に設けられた爪23をカバー21に設けられた爪孔24に係合させる。これにより、図10に示すような取付け片20が取付けられたユニット1が形成される。
【0028】
このようにして形成されたユニット1は、自動販売機に取り付け可能である。例えば自動販売機の扉25に取付ける場合には、図11に示すように、他の商品の払出しユニットを収容するために区画されたスペース部26のうちの一つに取付ける。このように、本発明に係るユニット1は、既存の自動販売機に取付けることができ、その利便性は高い。このように既存の自動販売機に取付けるため、ユニット1の形状はスペース部26に応じた形状とすることが好ましい。例えば、たばこの自動販売機では、たばこを収容するスペースが縦長に形成されているため、ユニット1も縦長に形成する。さらに、図10のように扉25にも商品を収容するタイプの場合は、その奥行きも適応させる。
【符号の説明】
【0029】
1 商品払出しユニット
2 筐体
3 吊下げフック
3a 吊下げフックの先端部
3b 吊下げフックの基端部
4 回転軸
5 引っ張りばね
6 ストッパ
6a 突出部
6b 突出部
7 回転軸
8 押し出し体
8a 突軸
9 レール
10 移動体
11 回転部
12 減速機
13 モータ
14 ギヤ
15 レール溝
16 突起
17 検知器
17a 検知器本体
17b スイッチ部
18 レバー
19 回動支軸
20 取付け片
21 カバー
22 孔
23 爪
24 爪孔
25 扉
26 スペース部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機内に取付けられるべき略箱体形状からなる筐体と、
一方の端部である先端部が前記筐体の前方に向けて前記筐体内から突出し、他方の端部である基端部を通る回転軸を支軸として前記筐体の前後方向に回動可能であり、前記先端部に商品を吊下げるために設けられた複数の吊下げフックと、
前記筐体内で前記吊下げフックに対してそれぞれ配され、自らが移動することにより前記吊下げフックの回動を停止及び許容するストッパと、
前記筐体内に配され、前記筐体の上下方向に移動して前記ストッパに対応した位置にて前記ストッパを移動させるための移動体と、
前記筐体内に配され、前記移動体を移動させるための動力源となるモータと
を備えたことを特徴とする吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項2】
前記ストッパは前記筐体に対して前後方向に移動し、
前記ストッパの先端には、左右いずれかの方向に突出する突出部が形成され、
前記ストッパが後方に移動したときの停止位置にて、前記突出部は前記吊下げフックの回転軸よりも後側で前記吊下げフックの上面に当接し、
前記ストッパが前方に移動したときの許容位置にて、前記突出部は前記吊下げフックの回転軸よりも前側に位置することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項3】
前記筐体の後方から負荷がかかっていない状態で前記停止位置にて前記ストッパと前記筐体とを接続している引っ張りばねと、
前記移動体に当接することにより、前記移動体の移動に伴って前方に押し出されるとともに前記ストッパを前記引っ張りばねに抗して前記許容位置まで押し出すための押し出し体と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項4】
前記筐体内の上下方向に延びる棒状のレールと、
該レールの下端に設けられ、前記モータからの回転出力を受けて前記レールの軸廻りに回転する回転部と、
前記レールの長手方向に沿って螺旋状に形成され、前記移動体が移動可能に取付けられたレール溝と、
前記移動体の左右両側から突出し、上縁が前側に、下縁が後側に位置している直線状の突起と
をさらに備え、
前記押し出し体は、上端部から突出する突軸を有し、且つ略中央部を支点に前後方向に回転可能であり、
該突軸は、前記突起の前縁に対して鉛直方向に設けられていて、
前記移動体の移動に伴って前記突起の側面に摺接することを特徴とする請求項3に記載の吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項5】
前記筐体内に配され、前記吊下げフックに吊下げられた商品の有無を検知する検知器をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項6】
前記筐体内で後方に延びる後端部を有し、該後端部よりも軽量である前端部が前記筐体から前方且つ斜め下方に向けて突出し、前記筐体内で回動支軸により軸支され、該回動支軸廻りに前記筐体に対して前後方向に回動可能なレバーとをさらに備え、
前記検知器は、検知器本体と該検知器本体の下側に配設され且つ前記検知器本体と離間する方向に付勢されたスイッチ部とからなり、該スイッチ部が前記検知器本体に接したときに商品が前記吊下げフックに吊下げられている商品有り状態であると認識し、前記スイッチ部が前記検知器本体から離間したときに商品が前記吊下げフックに吊下げられていない商品無し状態であると認識し、
前記商品有り状態で、前記先端部は前記商品によって後側に回動され、これに伴い前記後端部が上側に回動して前記スイッチ部は上側に押し上げられて前記検知器本体に当接され、
前記商品無し状態で、前記後端部は自重により下側に回動されて前記スイッチ部から離れていることを特徴とする請求項5に記載の吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項7】
前記筐体には、自動販売機に取付けるための取付け片が取付けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項1】
自動販売機内に取付けられるべき略箱体形状からなる筐体と、
一方の端部である先端部が前記筐体の前方に向けて前記筐体内から突出し、他方の端部である基端部を通る回転軸を支軸として前記筐体の前後方向に回動可能であり、前記先端部に商品を吊下げるために設けられた複数の吊下げフックと、
前記筐体内で前記吊下げフックに対してそれぞれ配され、自らが移動することにより前記吊下げフックの回動を停止及び許容するストッパと、
前記筐体内に配され、前記筐体の上下方向に移動して前記ストッパに対応した位置にて前記ストッパを移動させるための移動体と、
前記筐体内に配され、前記移動体を移動させるための動力源となるモータと
を備えたことを特徴とする吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項2】
前記ストッパは前記筐体に対して前後方向に移動し、
前記ストッパの先端には、左右いずれかの方向に突出する突出部が形成され、
前記ストッパが後方に移動したときの停止位置にて、前記突出部は前記吊下げフックの回転軸よりも後側で前記吊下げフックの上面に当接し、
前記ストッパが前方に移動したときの許容位置にて、前記突出部は前記吊下げフックの回転軸よりも前側に位置することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項3】
前記筐体の後方から負荷がかかっていない状態で前記停止位置にて前記ストッパと前記筐体とを接続している引っ張りばねと、
前記移動体に当接することにより、前記移動体の移動に伴って前方に押し出されるとともに前記ストッパを前記引っ張りばねに抗して前記許容位置まで押し出すための押し出し体と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項4】
前記筐体内の上下方向に延びる棒状のレールと、
該レールの下端に設けられ、前記モータからの回転出力を受けて前記レールの軸廻りに回転する回転部と、
前記レールの長手方向に沿って螺旋状に形成され、前記移動体が移動可能に取付けられたレール溝と、
前記移動体の左右両側から突出し、上縁が前側に、下縁が後側に位置している直線状の突起と
をさらに備え、
前記押し出し体は、上端部から突出する突軸を有し、且つ略中央部を支点に前後方向に回転可能であり、
該突軸は、前記突起の前縁に対して鉛直方向に設けられていて、
前記移動体の移動に伴って前記突起の側面に摺接することを特徴とする請求項3に記載の吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項5】
前記筐体内に配され、前記吊下げフックに吊下げられた商品の有無を検知する検知器をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項6】
前記筐体内で後方に延びる後端部を有し、該後端部よりも軽量である前端部が前記筐体から前方且つ斜め下方に向けて突出し、前記筐体内で回動支軸により軸支され、該回動支軸廻りに前記筐体に対して前後方向に回動可能なレバーとをさらに備え、
前記検知器は、検知器本体と該検知器本体の下側に配設され且つ前記検知器本体と離間する方向に付勢されたスイッチ部とからなり、該スイッチ部が前記検知器本体に接したときに商品が前記吊下げフックに吊下げられている商品有り状態であると認識し、前記スイッチ部が前記検知器本体から離間したときに商品が前記吊下げフックに吊下げられていない商品無し状態であると認識し、
前記商品有り状態で、前記先端部は前記商品によって後側に回動され、これに伴い前記後端部が上側に回動して前記スイッチ部は上側に押し上げられて前記検知器本体に当接され、
前記商品無し状態で、前記後端部は自重により下側に回動されて前記スイッチ部から離れていることを特徴とする請求項5に記載の吊下げ式の商品払出しユニット。
【請求項7】
前記筐体には、自動販売機に取付けるための取付け片が取付けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吊下げ式の商品払出しユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−25532(P2013−25532A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159007(P2011−159007)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【復代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【復代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
【Fターム(参考)】
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