説明

吊掛装置

【課題】物干具等を掛ける作業が容易で、掛けた後は邪魔になりにくくする。
【解決手段】 支持具1は、天井に固定され、下方から吊掛具2の上端の挿入部9を挿入して回動すると、吊掛具2を吊下・支持し、挿入部9を逆に回動すると、吊掛具2を外すことができるようになっている。吊掛具2は、外筒3の内部に上方から内筒4を摺動可能に収容してある。外筒3には、下端部に介在具19を介して取っ手部8を、上部に略円柱状の固定具5をそれぞれ設けてある。固定具5は、中央に外筒3が貫通する孔を設けて、外筒3に対して上下移動可能で、固定ねじ6で任意の位置に固定することができるようになっており、鉤状の引掛具7を取り付けてある。また、内筒4は、間隔をおいて多数の調整孔16・・・16を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井等に固定される支持具に支持させた吊掛具に、物干具や観葉植物や絵画等を吊り下げて使用する吊掛装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、特開平6−121725号発明のように、天井面に支持具を固定し、この支持具に着脱可能に吊掛具を支持させる吊掛装置は提案されており、吊掛具の下端部に設けた引掛具に物干具等を吊り下げて使用することは公知となっている。
【特許文献1】特開平6−121725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来例においては、引掛具に物干具等を吊り下げた後に、持ち上げることができないので、手の届く範囲にしか物干具等を吊り下げることがでぎず、通行等の邪魔になることは避けられないという問題があり、本発明は、この問題を解決することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の課題を解決するために、天井等に固定される支持具に、吊掛具を着脱可能に支持させる吊掛装置であって、吊掛具は、支持具に支持される上方の内筒に対して、下方の外筒を上下に移動させて長さを調整できるように成し、外筒には、下端部近傍に吊掛具の長さの調整操作をする操作具を設けると共に、上下方向に移動して任意位置に固定できる引掛具を設けて成り、外筒の任意位置に固定した引掛具に物干具等を引っ掛けた状態で、操作具を操作して外筒を上下に移動することができるように構成したものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、上記のように構成されており、引掛具に物干具等を吊り下げた後に、持ち上げることができるので、低い位置で引掛具に物干具等を吊り下げてから、その後物干具等を手の届かない高い位置まで持ち上げることができ、容易に物干具等を引掛具に引っ掛けられ、掛けた後は邪魔になりにくくすることができるという効果がある。
【0006】
また、引掛具は、上下方向に移動して外筒の任意位置に固定できるので、使う人の身長に合わせて、使いやすい適当な位置に設定することができるという効果がある。
【実施例】
【0007】
支持具1は、天井に固定され、下方から吊掛具2の上端の挿入部9を挿入して回動すると、吊掛具2を吊下・支持し、挿入部9を逆に回動すると、吊掛具2を外すことができるようになっている。吊掛具2は、外筒3の内部に上方から内筒4を摺動可能に収容してあり、後述するように、段階的に長さが調整できるようになっている。
【0008】
外筒3には、下端部に介在具19を介してリング状の取っ手部8を、上部に略円柱状の固定具5をそれぞれ設けてある。取っ手部8は、吊掛具2を支持具1から着脱する回動操作をするためのものであり、また、ピンチハンガーを掛けたり、物干竿を掛け渡したりすることができるものであるが、本発明では、リング状になっている必要はなく、吊掛具2を回動操作することができるものであればよい。
【0009】
固定具5は、中央に外筒3が貫通する孔を設けて、外筒3に対して上下移動可能で、固定ねじ6で任意の位置に固定することができるようになっており、鉤状の引掛具7を取り付けてある。また、内筒4には、間隔をおいて多数の調整孔16・・・16を設けてある。
【0010】
介在具19には、棒状で外筒3の内部に収容され、外筒3とほぼ同じ長さの固定棒11の下端を固定してある。固定棒11は、図10に示すように、断面形状が、円形状の一面側に円弧状溝の切欠溝20を、他面側に切欠溝20より小さい円弧状溝の回止溝21を切り欠き形成した形状であり、上端部には、ストッパー12が回動可能に取り付けられ、さらにその少し下方に抜止ボール15を一部が外方に突出するように取り付けてある。ストッパー12は、一端に爪部13を設けてあり、この爪部13が内筒4の調整孔16・・・16のいずれかに選択的に係合するようになっている。
【0011】
さらに介在具19には、固定棒11の切欠溝20に包囲されるよう位置する断面円形状の作動棒18を上下摺動可能に取り付けてある。作動棒18は、下端部を操作具10に固定されており、上端部はストッパー12に係合するようになっている。
【0012】
内筒4は、ストッパー12が取り付けられた固定棒11と作動棒18を内部に収容するように、外筒3に摺動可能に取り付けられる。内筒4の下端部には内方に突出する抜止突起17を設けてあり、この抜止突起17は、固定棒11の回止溝21に沿って摺動し、外筒3と内筒4が互いに回転するのを防止すると共に、外筒3が下方に移動した時に固定棒11に取り付けた抜止ボール15に当接して外筒3が内筒4から抜けるのを防止している。
【0013】
操作具10は、介在具19の内部に摺動可能に収容される円柱状の収容部10bと、介在具19の外部に露出し手動操作可能な手動部10aとを一体的に結合させて組み立てたもので、介在具19の内部で収容部10bの下部に位置するばね14で上方に付勢されている。
【0014】
操作具10に固定されている作動棒18も、ばね14で上方に付勢されることになり、その上端部がストッパー12を押して爪部13を外方に、つまり、内筒4の調整孔16に係合する方向に回動するようになっている。従って、爪部13がいずれの調整孔16・・・16にも係合していない状態で、外筒3を上下に移動すると、爪部13がいずれかの調整孔16に位置した時に、ばね14の力でそこに係合することになる。
【0015】
吊掛具2の長さを調整するには、ストッパー12の爪部13が内筒4の調整孔16に係合している状態(図6及び図8参照)から、まず手動部10aを操作して操作具10をばね14に抗して下方に移動させ、操作具10に固定された作動棒18の先端を下げて、外方に押されていたストッパー12の爪部13が内方に回動できる状態にする。この状態から外筒3を上方又は下方に移動すると、ストッパー12も上方又は下方に移動し、爪部13の上部又は下部の斜面が調整孔16の上縁又は下縁に当接してストッパー12が内方に回動し、ストッパー12の爪部13が調整孔16から外れ(図7及び図9参照)、外筒3は内筒4に対して上下に摺動可能な状態となる。
【0016】
そして、外筒3を上下いずれかに摺動させて、吊掛具2を適当な長さに調整してから、操作具10の手動部10aを放す。すると、ばね14の力で操作具10を介して作動棒18が押し上げられ、ストッパー12を押して爪部13を外方に回動して、爪部13が内筒4の調整孔16に係合し、吊掛具2の長さを変更することができる。
【0017】
本発明の吊掛装置を使用するには、使う人の身長に合わせて、引掛具7を取り付けた固定具5を適当な上下位置に固定し、吊掛具2を長く伸ばしたに状態にして天井に固定された支持具1に取り付ける(図4参照)。
【0018】
吊掛具2は長く伸ばした状態なので引掛具7は低い位置にあり、この状態で引掛具7に物干具等を掛け、その後、吊掛具2の下端部近傍に設けた操作具10を操作して、外筒3を押し上げ、吊掛具2の長さを短くして引掛具7を高い位置に持ち上げる(図1参照)。このようにすると、引掛具7は手の届かない高い位置まで持ち上げることができ、物干具等を掛けていても邪魔になりにくくなる。
【0019】
なお、吊掛具2を支持具1に着脱可能に取り付ける方法は、特開平6−121725号公報に記載されている構造等、公知の構造でよいので詳しい説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】吊掛具が最も短く、固定具が最も高い位置にある状態の使用状態を示す全体正面図である。
【図2】中間部省略した全体斜視図である。
【図3】固定具部分の拡大断面図である。
【図4】吊掛具が最も長く、固定具が最も高い位置にある状態の状態の使用状態を示す全体正面図である。
【図5】吊掛具が最も短く、固定具が最も低い位置にある状態の使用状態を示す全体正面図である。
【図6】ストッパーが調整孔に係合している状態の吊掛具の要部の縦断面図である。
【図7】ストッパーが調整孔に係合していない状態の吊掛具の要部の縦断面図である。
【図8】図6の要部拡大図である。
【図9】図7の要部拡大図である。
【図10】図6のA−A線拡大端面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 支持具
2 吊掛具
3 外筒
4 内筒
7 引掛具
10 操作具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井等に固定される支持具に、吊掛具を着脱可能に支持させる吊掛装置であって、吊掛具は、支持具に支持される上方の内筒に対して、下方の外筒を上下に移動させて長さを調整できるように成し、外筒には、下端部近傍に吊掛具の長さの調整操作をする操作具を設けると共に、上下方向に移動して任意位置に固定できる引掛具を設けて成り、外筒の任意位置に固定した引掛具に物干具等を引っ掛けた状態で、操作具を操作して外筒を上下に移動することができるように構成したことを特徴とする吊掛装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−237663(P2008−237663A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84054(P2007−84054)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000148070)株式会社川口技研 (48)
【Fターム(参考)】