説明

吐水装置

【課題】防汚作用をより確実的に発揮することができる吐水装置を提供する。
【解決手段】吐水装置としての水洗金具10は、内部に水路11aを有する吐水管11と、吐水管11に設けられ、水路11a内の水に銀イオンを溶出させるイオン溶出手段12と、吐水管11に設けられ、水路11a内の水に紫外線を照射して紫外線を伝播させるUV−LED13とを備えている。
この水洗金具10では、吐水管11から水を吐水する際、イオン溶出手段12により発生した銀イオンを水路11a中を通る水に溶出させる。それに加えて、この水洗金具10では、吐水管11に設けられたUV−LED13から照射された紫外線が水路11a内の水に伝播する。そして、水洗金具10から吐水された水が鉢面19aを流れる際、吐水中を伝播する紫外線が吐水とともに存在する銀イオンを活性化する。その結果、この水洗金具10は、銀イオンの殺菌作用を促進し、雑菌の繁殖を一層抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の吐水装置が開示されている。この吐水装置は、内部に水路を有する吐水管と、この吐水管に設けられ、水路内の水に銀イオンを溶出させるイオン溶出手段とからなる。イオン溶出手段は、具体的には、表面に銀膜が形成された電極を水路中に配置し、電極に電圧を印加することにより水路内の水に銀イオンを溶出させるものである。
【0003】
このような構成である従来の吐水装置は、吐水管から水を吐水する際、イオン溶出手段により発生した銀イオンを水路中を通る水に溶出させる。このため、この吐水装置は、銀イオンの殺菌作用により、雑菌の繁殖を抑制し、吐出された水が流れる範囲において防汚作用を発揮することが可能となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−56043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の吐水装置は、適用状況によっては防汚作用を十分に発揮できない場合があった。
【0006】
例えば、一般的な小便器の鉢面には、尿石が付着し易い。ここで、尿石とは、尿中に含まれる尿素がバクテリアによって分解され、それによって発生するアンモニアによりアルカリ濃度が高まり、尿中や洗浄水に含まれるカルシウムイオンが結晶化して固まったものをいう。この小便器に上記吐水装置を適用した場合、単に銀イオンを溶出させた水が小便器内に吐水されるだけであるため、尿石の付着を抑制することが不十分となり得る。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、防汚作用をより確実的に発揮することができる吐水装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の吐水装置は、内部に水路を有する吐水管と、該吐水管に設けられ、該水路内の水に抗菌金属のイオンを溶出させるイオン溶出手段と、該吐水管に設けられ、該水路内の水に紫外線を照射して該紫外線を伝播させる紫外線光源とを備えていることを特徴とする。
【0009】
このような構成である本発明の吐水装置では、吐水管から水を吐水する際、イオン溶出手段により発生した抗菌金属のイオンを水路中を通る水に溶出させる。それに加えて、この吐水装置では、吐水管に設けられた紫外線光源から照射された紫外線が水路内の水に伝播する。そして、吐水装置から吐水された水が鉢面等の流水面に流れる際、吐水中を伝播する紫外線が吐水とともに存在する抗菌金属のイオンを活性化する。その結果、この吐水装置は、抗菌金属のイオンの殺菌作用を促進し、雑菌の繁殖を一層抑制することができる。
【0010】
したがって、本発明の吐水装置は、防汚作用をより確実的に発揮することができる。
【0011】
また、この吐水装置は、例えば、鉢面等の流水面に光触媒を含む防汚層が形成されている場合には、流水面で拡散された紫外線が光触媒をも活性化するので、防汚作用をさらに確実的に発揮することができる。
【0012】
さらに、この吐水装置を例えば小便器等に適用すれば、紫外線により活性化された抗菌金属のイオンや光触媒によって、防汚作用が促進され、尿石の付着をより効果的に抑制し得る。
【0013】
溶出させる抗菌金属としては、銀、銅、亜鉛その他の金属を採用することができる。
【0014】
紫外線光源としては、紫外線ランプ、紫外線LEDその他の一般的な紫外線光源を採用することができる。また、紫外線(波長が約300〜400nm)を含む光線を照射する白熱電球、蛍光灯、水銀ランプ等の光源を採用することもできる。紫外線は、流水面に光触媒が設けられている場合、光触媒を効果的に励起可能な380nmの波長のものであることが好ましい。紫外線照射装置の小型化、省電力化、耐久性のためには紫外線LEDを採用することが好ましい。
【0015】
本発明の吐水装置は、前記水路を流れる水によって発電する発電装置を備え、前記イオン溶出手段及び前記紫外線光源の少なくとも一方は該発電装置によって駆動され得る。
【0016】
この場合、水路を流れる水の運動エネルギの一部をイオン溶出手段及び紫外線光源の少なくとも一方の駆動電力に変換できるので、外部からこれらの少なくとも一方に給電する必要がなくなり、省エネルギ化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施例1〜4を図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0018】
図1に示すように、実施例1の吐水装置は、洗面台1に適用されるものである。洗面台1は、鉢面19aをもつ手洗い鉢19と、手洗い鉢19の奥側上部に設置され、鉢面19aに水道管90から供給される水を吐出する吐水装置としての水洗金具10とからなる。鉢面19aの表面には、光触媒を含む図示しない防汚層が形成されている。
【0019】
水洗金具10は、図2に示すように、吐水管11と、イオン溶出手段12と、紫外線光源としてのUV−LED13とを備えている。
【0020】
吐水管11は、手洗い鉢19の奥側上部から手前側に水平方向に延び、その前端が下方の鉢面19aの中央付近に向けて折れ曲がった形状とされている。そして、吐水管11の内部には水路11aが形成され、吐水管11の前端には、下方に向けて、吐水口11bが形成されている。吐水管11は、水道管90から供給される水を水路11aを介して吐水口11bから鉢面19aに向けて吐水可能とされている。
【0021】
イオン溶出手段12は、吐水管11の水路11aの管壁11cに向かい合うように設けられた一対の電極板12a、12bと、電極板12a、12bに接続される電源(図示しない)とからなる。電極板12a、12bは、表面に銀膜が形成された金属薄板からなる。イオン溶出手段12は、電極板12a、12bに電位差を生じさせることにより、水路11a内の水に抗菌金属である銀イオンを溶出させることが可能とされている。
【0022】
UV−LED13は、吐水管11の前端側上壁に形成された透光窓11dの上部に設けられ、下方の吐水口11bに向けて紫外線を照射可能な姿勢で配置されている。UV−LED13は、電源(図示しない)から給電されることにより発光し、水路11a内の水に紫外線を照射して紫外線を伝播させることが可能とされている。
【0023】
このような構成である実施例1の水洗金具10では、吐水管11から水を吐水する際、イオン溶出手段12により発生した銀イオンを水路11a中を通る水に溶出させる。それに加えて、この水洗金具10では、吐水管11に設けられたUV−LED13から照射された紫外線が水路11a内の水に伝播する。そして、水洗金具10から吐水された水が鉢面19aを流れる際、吐水中を伝播する紫外線が吐水とともに存在する銀イオンを活性化する。その結果、この水洗金具10は、銀イオンの殺菌作用を促進し、雑菌の繁殖を一層抑制することができる。
【0024】
したがって、実施例1の水洗金具10は、洗面台1に適用されて、防汚作用をより確実的に発揮することができる。
【0025】
また、この水洗金具10は、鉢面19aに光触媒を含む防汚層が形成されていることから、鉢面19aで拡散された紫外線が光触媒をも活性化するので、防汚作用をさらに確実的に発揮することができる。
【0026】
さらに、この水洗金具10と同様の構成とされた吐水装置を例えば図1に示す小便器2等の吐水装置に適用すれば、紫外線により活性化された銀イオンや光触媒によって、防汚作用が促進され、尿石の付着をより効果的に抑制することができる。
【実施例2】
【0027】
図3に示すように、実施例2の吐水装置としての水洗金具101は、実施例1の水洗金具10におけるイオン溶出手段12及び紫外線光源としてのUV−LED13の代わりに、イオン溶出手段121及び紫外線光源131を採用したものである。その他の構成は実施例1の水洗金具10と同様であるので、説明は省く。
【0028】
イオン溶出手段121は、吐水管11の水路11aの管壁11cに接続された分岐管121cと、分岐管121cの内壁に向かい合うように設けられた一対の電極板121a、121bと、電極板12a1、121bに接続される電源(図示しない)とからなる。電極板121a、121bは、表面に銀膜が形成された金属薄板からなる。イオン溶出手段121は、分岐管121cから吐水管11に水を供給しつつ、電極板121a、121bに電位差を生じさせることにより、水路11a内の水に抗菌金属である銀イオンを溶出させることが可能とされている。
【0029】
紫外線光源131は、吐水管11の外部に設置され、電源(図示しない)から給電されることにより発光するUV−LED131aと、複数の光ファイバ131bとからなる。光ファイバ131bは、UV−LED131aから照射される紫外線を一端側で受光して他端側に導き、水路11a内に配置された他端から水路11a内の水に紫外線を照射して紫外線を伝播させることが可能とされている。
【0030】
このような構成である実施例2の水洗金具101も、実施例1の水洗金具10と同様の作用効果を奏することができる。
【実施例3】
【0031】
図4に示すように、実施例3の吐水装置としての水洗金具20は、実施例1の水洗金具10の水路11a内に水車式発電装置14を備えたものである。その他の構成は実施例1の水洗金具10と同様であるので、説明は省く。
【0032】
水車式発電装置14は、水路11aを流れる水によって発電した電力を制御装置15に供給し、制御装置15に内蔵された充電手段(図示しない)に電力を貯蔵したり、イオン溶出手段12及びUV−LED13を駆動したりすることが可能とされている。また、水車式発電装置14が機能していない時には、制御装置15に内蔵された充電手段から電力を供給して、イオン溶出手段12及びUV−LED13を駆動することが可能とされている。さらに、制御装置15は、人感知センサ16と連携して、イオン溶出手段12及びUV−LED13を制御可能とされている。
【0033】
このような構成である実施例3の水洗金具20も、実施例1、2の水洗金具10、101と同様の作用効果を奏することができる。
【0034】
また、この水洗金具20は、水車式発電装置14を備えていることから、イオン溶出手段12及びUV−LED13を駆動するために外部から給電する必要がなくなっており、省エネルギ化を図ることができる。
【0035】
【実施例4】
【0036】
図5に示すように、実施例4の吐水装置30は、浴槽の蓋39の裏面中央に設置されて、浴槽内を洗浄するものである。浴槽の蓋39の上面には、シャワーヘッド38の先端が装着されるシャワーヘッド装着口39aと、吐水圧によりシャワーヘッド38がシャワーヘッド装着口39aから外れることを防止するためのロック機構39bとが設けられている。
【0037】
吐水装置30は、吐水管31と、イオン溶出手段32と、UV−LED33と、洗剤供給手段34とを備えている。
【0038】
吐水管31は、浴槽の蓋39の裏面から下方に延びる円筒形状とされている。そして、吐水管31の内部には水路31aが形成され、吐水管31の下端には、詳細を後述するスプリンクラ50が設けられている。吐水管31は、シャワーヘッド38から供給される水を水路31aを介してスプリンクラ50から浴槽内に向けて吐水可能とされている。
【0039】
イオン溶出手段32は、吐水管31の水路31aの管壁31cに向かい合うように設けられた一対の電極板32a、32bと、電極板32a、32bに接続される電源(後述する発電装置36及び制御装置35の充電手段)からなる。電極板32a、32bは、表面に銀膜が形成された金属薄板である。イオン溶出手段32は、電極板32a、32bに電位差を生じさせることにより、水路31a内の水に銀イオンを溶出させることが可能とされている。
【0040】
UV−LED33は、水路31aの下流側の管壁31cに設けられ、下方に向けて紫外線を照射可能な姿勢で配置されている。UV−LED33は、電源(後述する発電装置36及び制御装置35の充電手段)から給電されることにより発光し、水路31a内の水に紫外線を照射して紫外線を伝播させることが可能とされている。
【0041】
洗剤供給手段34は、吐水管31の上方に設けられる洗剤容器34a、水路31aの上流側の管壁31cに形成される洗剤供給孔34b及び洗剤容器34aと洗剤供給孔34bとを連通する洗剤供給路34cからなる。また、水路31aは、洗剤供給孔34b付近のみ断面積が小さくされてベンチュリ流路とされている。このため、水路31aを水が流れることより、洗剤供給孔34bから洗剤が吸い出されて、洗剤が水に混入されるようになっている。こうして、洗剤供給手段34は、吐水装置30による浴槽内の洗浄作用を高めている。
【0042】
次に、スプリンクラ50について、より詳しく説明する。スプリンクラ50は、上方のフランジ部51と、中間の円筒部52と、下方の底部53とからなり、内部に水路31aと連通する水路50aを有している。
【0043】
フランジ部51は、吐水管31の下端と、吐水管31の下端にボルト54により締結された円環状のスプリンクラ支持体55とによって、所定のクリアランスを有しつつ上下から挟持されている。フランジ部51には、水路50aからスプリンクラ支持体55との隙間に向けて複数本の流路51aが形成されており、フランジ部51とスプリンクラ支持体55との隙間に水を供給するようになっている。これにより、スプリンクラ50は、垂直軸O1を軸芯として回転可能に支承されている。
【0044】
底部53は、傾斜面53aと、複数の整流ガイド53bと、複数の吐出ノズル53cとを有する。傾斜面53aは、図5に示すように、軸芯O1から外周側にむけて富士山状になだらかにカーブするものである。整流ガイド53bは、図6に示すように、底部53の軸芯O1から外周側に向けてカーブするものである。吐出ノズル53cは、図5に示すように、底部53の外周側にあって水平方向を向き、図6に示すように、軸芯O1の半径方向に対して傾斜するように配置されている。これにより、スプリンクラ50は、吐出ノズル53cから水を水平方向に吐出しつつ、吐出する水の反力により、スプリンクラ50自体を軸芯O1回りに回転させることが可能となっている。
【0045】
このような構成である吐水管31は、シャワーヘッド38から供給される水を水路31a、50aを介して、スプリンクラ50の吐出ノズル53cから浴槽内の広い範囲に向けて撒き散らすように吐水可能とされている。
【0046】
また、スプリンクラ50のフランジ部51には、図5に示すように、マグネット51bが配置され、吐水管31の下端には、コイル31eがマグネット51bと相対する位置に配置されている。これらマグネット51bとコイル31eとによって発電装置36が構成され、スプリンクラ50が回転することにより発電可能となっている。そして、発電装置36は、発電した電力を制御装置35に供給し、制御装置35に内蔵された充電手段(図示しない)に電力を貯蔵したり、イオン溶出手段32及びUV−LED33を駆動したりすることが可能とされている。また、発電装置36が機能していない時には、制御装置35に内蔵された充電手段から電力を供給して、イオン溶出手段32及びUV−LED33を駆動することが可能とされている。
【0047】
このような構成である実施例4の吐水装置30では、吐水管31から水を吐水する際、イオン溶出手段32により発生した銀イオンを水路31a中を通る水に溶出させ、洗剤供給手段14により洗剤を水路31a中を通る水に混入させる。それに加えて、この吐水装置30では、吐水管31に設けられたUV−LED33から照射された紫外線が水路31a、50a内の水に伝播する。そして、吐水装置30のスプリンクラ50から浴槽内の広い範囲に向けて撒き散らすように水が吐出される。この際、吐水中を伝播する紫外線が吐水とともに存在する銀イオンを活性化する。その結果、この吐水装置30は、銀イオンの殺菌作用を促進し、雑菌の繁殖を一層抑制することができる。
【0048】
したがって、実施例4の吐水装置30も、浴槽の洗浄に適用されて、防汚作用をより確実的に発揮することができる。
【0049】
以上において、本発明を実施例1〜4に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜4に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0050】
また、本発明の吐水装置を構成する紫外線光源と発電装置とを利用して、参考例1〜4の吐水装置を構成することも可能である。
【0051】
(参考例1)
図7に示すように、参考例1の吐水装置61は、給湯機71と浴槽75とを接続する吐水管72、UV−LED73及び水車式発電装置74を備える。水車式発電装置74は実施例3の水車式発電装置14と同様の構成のものである。UV−LED73は、水車式発電装置74の発電した電力により駆動されて、浴槽75と壁76との隙間に紫外線を照射可能とされている。浴槽75と壁76との隙間には光触媒を含む防汚層が形成されている。
【0052】
このような構成である参考例1の吐水装置61は、UV−LED73による紫外線照射により浴槽75と壁76との隙間を殺菌したり、光触媒を活性化して防汚作用を発揮させたりすることが可能であるとともに、水車式発電装置74により、省エネルギ化を図ることができている。
【0053】
(参考例2)
図8に示すように、参考例2の吐水装置62は、参考例1の吐水管72を水洗金具付吐水管72aに変更したものである。その他の構成は、参考例1の吐水装置61と同様であるので、説明は省く。このような構成である参考例2の吐水装置62も、参考例1の吐水装置61と同様の作用効果を奏する。
【0054】
(参考例3)
図9に示すように、参考例3の吐水装置63は、浴槽75aの排水口75bから排水する吐水管72a、UV−LED73a及び水車式発電装置74aを備える。水車式発電装置74aも実施例3の水車式発電装置14と同様の構成のものである。UV−LED73aは、水車式発電装置74aの発電した電力により駆動されて、浴槽75aの裏面や浴槽75aと壁76aとの隙間に紫外線を照射可能とされている。浴槽75aの裏面や浴槽75aと壁76aとの隙間には光触媒を含む防汚層が形成されている。
【0055】
このような構成である参考例3の吐水装置63も、参考例1の吐水装置61と同様の作用効果を奏する。
【0056】
(参考例4)
図10に示すように、参考例4の吐水装置64は、循環式浴槽75cの出水口75dとフィルタ77と循環ポンプ78と入水口75eとを接続する吐水管72c、UV−LED73b及びペルチェ素子式発電装置74bを備える。ペルチェ素子式発電装置74bはペルチェ素子の一面が温水が通る吐水管72cに接し、ペルチェ素子の他面が空冷又は液冷(図示しない)されて温度差により発電するものである。UV−LED73bは、ペルチェ素子式発電装置74bの発電した電力により駆動されて、フィルタ77に紫外線を照射可能とされている。フィルタ77には光触媒を含む防汚層が形成されている。
【0057】
このような構成である参考例4の吐水装置64は、UV−LED73bによる紫外線照射によりフィルタ77を殺菌したり、光触媒を活性化して防汚作用を発揮させたりすることが可能であるとともに、ペルチェ素子式発電装置74bにより、省エネルギ化を図ることができている。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は水洗金具その他の吐水装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施例1の水洗金具が適用される洗面台を示す概略図である。
【図2】実施例1の水洗金具の概略断面図である。
【図3】実施例2の水洗金具の概略断面図である。
【図4】実施例3の水洗金具の概略断面図である。
【図5】実施例4の吐水装置の概略断面図である。
【図6】実施例4の吐水装置に係り、図5のA−A断面を示す断面図である。
【図7】参考例1の吐水装置の概略図である。
【図8】参考例2の吐水装置の概略図である。
【図9】参考例3の吐水装置の概略図である。
【図10】参考例4の吐水装置の概略図である。
【符号の説明】
【0060】
10、101、20、30、61、62、63、64…吐水装置(10、101、20…水洗金具)
11、31、72、72a、72b、72c…吐水管
11a、31a、50a…水路
12、121、32…イオン溶出手段
13、131、33、73、73a、73b…紫外線光源(UV−LED)
14、36、74、74a、74b…発電装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に水路を有する吐水管と、該吐水管に設けられ、該水路内の水に抗菌金属のイオンを溶出させるイオン溶出手段と、該吐水管に設けられ、該水路内の水に紫外線を照射して該紫外線を伝播させる紫外線光源とを備えていることを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
前記水路を流れる水によって発電する発電装置を備え、前記イオン溶出手段及び前記紫外線光源の少なくとも一方は該発電装置によって駆動されている請求項1記載の吐水装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−31983(P2007−31983A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−213582(P2005−213582)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】