説明

吸収体物品

本発明の目的は、着用時、特に吸収体が体液を吸収して膨潤した後において、着用者に不快感を与えず、かつ、尿便分離処理が可能な吸収体物品を提供することである。シート部と、前記シート部の上側に左右に離間して設けられた、開口部が対向する二つの袋部とを有する防漏体と、前記二つの袋部のそれぞれに少なくとも1層配置された、高吸水性樹脂を含有し体液を吸収しうる吸収体とを具備する吸収体物品により、上記目的が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、新規吸収体物品に関する。
【背景技術】
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁用品等の吸収体物品は、高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、以下「SAP」ともいう。)を用いた吸収体により、着用者から排出された尿等の体液を吸収する物品である。従来の吸収体物品は、体液を主に股下部(クロッチ)において吸収する構造であった。
しかしながら、股下部が狭窄であるため、従来の吸収体物品は、着用時、着用者に不快感を与えるという問題を有していた。この不快感は、吸収体が体液を吸収して膨潤した後において顕著であった。
また、従来の吸収体物品は、尿道口(外尿道口)および肛門を覆う構造であるため、尿と便(大便)とを分離して処理することが困難である。吸収体物品の使用中に尿と便とが混じり合うと、かぶれ、臭い等が生じるという問題がある。
【発明の開示】
したがって、本発明の目的は、着用時、特に吸収体が体液を吸収して膨潤した後において、着用者に不快感を与えず、かつ、尿便分離処理が可能な吸収体物品を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、新規構造を有する吸収体物品を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(33)を提供する。
(1)シート部と、前記シート部の上側に左右に離間して設けられた、開口部が対向する二つの袋部とを有する防漏体と、
前記二つの袋部のそれぞれに少なくとも1層配置された、高吸水性樹脂を含有し体液を吸収しうる吸収体と
を具備する吸収体物品。
(2)前記二つの袋部が左右対称である、上記(1)に記載の吸収体物品。
(3)前記二つの袋部に配置された前記吸収体を連結する連結吸収体を有する、上記(1)または(2)のいずれかに記載の吸収体物品。
(4)前記吸収体がシート状吸収体である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の吸収体物品。
(5)前記シート状吸収体が、前記高吸水性樹脂を50質量%以上含有する、上記(4)に記載の吸収体物品。
(6)前記シート状吸収体が、前記袋部において複数層配置されている、上記(4)または(5)に記載の吸収体物品。
(7)前記シート状吸収体が、前記袋部において折りたたまれて配置されている、上記(4)〜(6)のいずれかに記載の吸収体物品。
(8)前記防漏体において、前記シート部の前記二つの袋部を設けられていない部分の面積が、前記シート部全体の面積の50%以下である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の吸収体物品。
(9)左右方向の平均長さのWと、前後方向の平均長さLとの比が、0.5以上である、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の吸収体物品。
(10)前後方向の平均長さLが20cm以下であり、かつ、前記防漏体の上側から見た面積が400cm以下である、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の吸収体物品。
(11)更に、前記二つの袋部のそれぞれに配置される前記吸収体の間にわたって配置されるガイドシートを具備する、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の吸収体物品。
(12)前記ガイドシートが、前記二つの袋部のそれぞれに配置される前記吸収体間での体液の移動を可能とする、上記(11)に記載の吸収体物品。
(13)前記ガイドシートが、前記吸収体の下面の一部または全部を被覆するよう延在している、上記(11)または(12)に記載の吸収体物品。
(14)前記ガイドシートが、更に、前記吸収体の側面の一部または全部を被覆するよう延在している、上記(13)に記載の吸収体物品。
(15)前記ガイドシートが、前記流路を形成する開孔を有する凹凸シート部材を有する、上記(11)〜(14)のいずれかに記載の吸収体物品。
(16)前記ガイドシートが、更に、前記凹凸シート部材の下面に積層されまたは複合化された親水性拡散シートを有する、上記(15)に記載の吸収体物品。
(17)前記ガイドシートが、更に、前記親水性拡散シートの下面に積層され、または複合化された体液不透過性シートを有する、上記(16)に記載の吸収体物品。
(18)更に、少なくとも前記防漏体の前記二つの袋部の間に、スキンコンタクトシートを有する、上記(1)〜(17)のいずれかに記載の吸収体物品。
(19)更に、前記防漏体の前記袋部の上側の内面と前記吸収体の上面との間に、スペーサを有する、上記(1)〜(18)のいずれかに記載の吸収体物品。
(20)更に、前記袋部の前記開口部の上面に液漏れ防止用バリヤを有する、上記(1)〜(19)のいずれかに記載の吸収体物品。
(21)更に、前記防漏体の前記二つの袋部の間で、着用者の体表面に密着させる密着部材を具備する、上記(1)〜(20)のいずれかに記載の吸収体物品。
(22)前記密着部材を前記防漏体の前記シート部の上側に具備する、上記(21)に記載の吸収体物品。
(23)前記密着部材を前記防漏体の前記シート部の下側に具備する、上記(21)または(22)に記載の吸収体物品。
(24)前記密着部材の前後の長さが、前記防漏体の前後の長さとほぼ同じである、上記(21)〜(23)のいずれかに記載の吸収体物品。
(25)前記密着部材の前後の長さが、前記防漏体の前後の長さより長い、上記(21)〜(23)のいずれかに記載の吸収体物品。
(26)前記密着部材が、前記防漏体と結合されている、上記(21)〜(25)のいずれかに記載の吸収体物品。
(27)弾力性を有する前記密着部材を具備する、上記(21)〜(26)のいずれかに記載の吸収体物品。
(28)伸縮性を有する前記密着部材を具備する、上記(21)〜(27)のいずれかに記載の吸収体物品。
(29)前記密着部材を複数個具備する、上記(28)に記載の吸収体物品。
(30)前記密着部材が、前側および/または後側で枝分かれしている、上記(28)または(29)に記載の吸収体物品。
(31)更に、便処理部を有する、上記(21)〜(30)のいずれかに記載の吸収体物品。
(32)上記(1)〜(31)のいずれかに記載の吸収体物品と、カバーとを有する吸収体物品セット。
(33)前記カバーが、前記防漏体の前記二つの袋部の間で、着用者の体表面に密着させる密着部材を具備する、上記(32)に記載の吸収体物品セット。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の吸収体物品の例を示す模式図である。
第2図は、本発明の吸収体物品の使用方法を説明する模式図である。
第3図は、複層シートの防漏体の二つの例を示す模式的な横断面図である。
第4図は、袋部にプリーツを有する防漏体の二つの例を示す模式図である。
第5図は、防漏体の袋部の内面と吸収体の上面との間に空間を有する防漏体および吸収体の模式図である。
第6図は、本発明の吸収体物品の他の例を示す模式的な横断面図である。
第7図は、溝状構造を有するシート部材の例を示す模式的な斜視図である。
第8図は、凹凸シート部材の例を示す模式的な斜視図である。
第9図は、凸部の全部に開口を有する凹凸シート部材の例を示す模式的な斜視図である。
第10図は、ガイドシートの種々の配置を説明する模式的な横断面図である。
第11図は、本発明の吸収体物品の種々の体液受容領域の構成の模式的な部分横断面図である。
第12図は、本発明の吸収体物品の他の例を示す模式的な平面図である。
第13図は、本発明の吸収体物品の防漏体の種々の例を示す模式的な平面図である。
第14図は、本発明の吸収体物品の防漏体の種々の例を示す模式的な平面図である。
第15図は、本発明の吸収体物品の種々の例を示す模式的な横断面図である。
第16図は、密着部材に着脱部材を有する本発明の吸収体物品の例を示す模式的な平面図である。
第17図は、本発明の吸収体物品とカバーとの組み合わせからなる本発明の吸収体物品セットの種々の例を示す模式的な部分平面図である。
第18図は、第17図(A)に示される吸収体物品セットの着用時の股下部を通る面における縦断面図である。
第19図は、便処理部を有する本発明の吸収体物品の種々の例の模式的な平面図である。
第20図は、体液吸収性試験に用いた本発明の吸収体物品を示す模式図である。
第21図は、体液吸収性試験に用いた本発明の吸収体物品を示す模式図である。
第22図は、体液吸収性試験に用いた本発明の吸収体物品のスキンコンタクトシート、ガイドシートおよび密着部材を示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の吸収体物品を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本明細書においては、本発明の吸収体物品を実際に着用した場合に、着用者の肌に近い側を「上」といい、遠い側を「下」という。また、本発明の吸収体物品を実際に着用した場合に、着用者の体の前側に対応する側を「前」といい、後側に対応する側を「後」という。また、各図中、理解を容易にするために、実際には接触している部材を離間して示すことがある。
第1図は、本発明の吸収体物品の例を示す模式図である。第1図(A)は平面図であり、第1図(B)は第1図(A)中のIB−IB線に沿った横断面図である。なお、各平面図においては、図の上側に吸収体物品等の前側が位置するように図示してある。また、各平面図において、前後が対象でない場合、前後を入れ替えた形状にすることもできる。
本発明の吸収体物品100は、基本的に、シート部20と、シート部20の上側に左右に離間して設けられた、開口部が対向する二つの袋部30とを有する防漏体10と、二つの袋部30のそれぞれに少なくとも1層配置された、高吸水性樹脂を含有し体液を吸収しうる吸収体40とを具備する。
防漏体10は、上述したように、シート部20と、二つの袋部30とを有する。シート部20および二つの袋部30の材質は、一般に、バックシートとして用いられているものを用いることができる。具体的には、例えば、PE、PP、PET、EVA等の樹脂のフィルム;前記樹脂の発泡シートを用いることができる。また、前記樹脂のフィルムを用いる場合には、感触や外観を向上させるために、フィルムと不織布との複層シートとして用いることもできる。この場合、不織布としては、比較的低目付のSB、SMS、サーマルボンド不織布等が好適に用いられる。
シート部20と二つの袋部30とは、一体的に構成されていてもよく、別々の部材を結合させることにより構成されていてもよい。また、シート部20および二つの袋部30は、いずれも複数の部材から構成されていてもよい。
シート部20の形状は、特に限定されないが、ほぼ長方形であるのが好ましい態様の一つである。
シート部20は、第1図に示されるように、ほぼ平面状であってもよく、後述する第6図(A)および(B)に示されるように、折り曲げられていてもよい。
二つの袋部30は、シート部20の上側に左右に離間して設けられており、開口部が対向した状態で設けられる。二つの袋部30は、左右対称であるのが好ましい。
本発明に用いられる吸収体40は、体液を吸収しうるものであれば特に限定されず、例えば、粉体状吸収体を用いることもできるが、形態安定性、脱落の可能性等を考慮すると、シート状吸収体が好ましい。後述するように、本発明の吸収体物品がガイドシートを有する場合には、形態安定性の重要性が大きくなる。
シート状吸収体の中でも、SAPを50質量%以上、好ましくは60〜95質量%含有する高吸水性シートであるのが好ましい。
高吸水性シートは、SAPを主成分とする極薄のシート状吸収体である。高吸水性シートは、SAPの含有量が極めて高いため、厚さが極めて薄い。高吸水性シートの厚さは、1.5mm以下であるのが好ましく、1mm以下であるのがより好ましい。
高吸水性シートは、SAPを主成分とする極薄のシート状吸収体であれば、構成や製造方法を特に限定されない。
例えば、Air Laid法で得られる高吸水性シートが挙げられる。Air Laid法は、粉砕した木材パルプとSAPとを混合し、結合剤を添加してシート状に成形して高吸水性シートを得る方法である。この方法で得られる高吸水性シートとしては、例えば、米国レオニヤ(Rayonier)社製のNOVATHIN、王子キノクロス社製のB−SAPが知られている。
また、SAPの分散スラリーを不織布等の体液透過性シートの上にコーティングする方法で得られる高吸水性シートも挙げられる。ここで、SAPの分散スラリーは、SAPとミクロフィブリル化セルロース(MFC)とを、水とエタノールとの混合溶媒に分散させたものであるのが好ましい。この方法で得られる高吸水性シートとしては、例えば、(株)日本吸収体技術研究所製のMegaThinが知られている。
そのほかに、例えば、起毛状不織布にSAPを大量に担持させ、ホットメルトバインダー、エマルションバインダー、水性繊維等で固定する方法で得られる高吸水性シート、繊維状SAPをPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維と混合してウェブ状に成形する方法で得られる高吸水性シートが挙げられる。
高吸水性シートは、二つの袋部30のそれぞれに少なくとも1層配置される。即ち、袋部30に配置される高吸水性シートは、1層であってもよく、2層以上であってもよい。
また、高吸水性シートは、折りたたんだ状態で袋部30に配置することもできる。
本発明の吸収体物品100は、第1図に示されるように、更に、二つの袋部30のそれぞれに配置される吸収体40の間にわたって配置されるガイドシート50を具備するのが好ましい。
ガイドシート50は、体液の移動を可能とする流路を有し、着用者Mの尿道口mから防漏体10の二つの袋部30の間(以下「体液受容領域」という。)に排出された尿を、速やかに吸収体40に移動させる。したがって、着用者は股下部において不快感を感じない。
また、ガイドシート50は、二つの袋部30のそれぞれに配置される吸収体40間での体液の移動を可能とするのが好ましい。
吸収体物品を使用する際、着用者の姿勢、着用位置等により、二つの袋部に配置される吸収体に吸収される体液の量が大幅に偏ってしまうことがある。このような場合、本発明の吸収体物品がガイドシートを有すると、体液を多く吸収した及収体から少ない方へと、体液が移動し、その結果、偏りが緩和される。これにより、吸収体物品の実質的な体液吸収量および使用可能時間が長くなる。
ガイドシート50は、体液の移動を可能とする流路を有する構造であれば特に限定されないが、体液吸収性や体液保持性を有しないのが、体液の移動が速やかに行われる点で好ましい。
また、吸収体物品を使用する際には、着用者と下着または服との間に挟まれて、吸収体物品に圧力がかかるため、ガイドシート50は加圧抵抗性を有するのが好ましい。具体的には、10gf/cm(9.81×10Pa)の圧力下で維持される厚さが0.3mm以上であるのが好ましく、0.5mm以上であるのがより好ましく、1.0mm以上であるのが更に好ましい。積層された2層以上からなるガイドシート50を用いることにより、このような加圧抵抗性を満足させることもできる。
好適なガイドシートについては、後述する。
また、本発明の吸収体物品100は、第1図に示されるように、更に、スキンコンタクトシート60を具備するのが好ましい。スキンコンタクトシート60を具備すると、表面感触が優れたものになる。
スキンコンタクトシートとしては、従来公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、PP不織布、PET不織布、PE不織布、ポリオレフィン・ポリエステル不織布等の合成繊維の不織布、これらと綿とを混紡したものを用いることができる。
また、本発明の吸収体物品100は、第1図に示されるように、更に、密着部材70を具備するのが好ましい。
着用者が女性である場合、尿道口の突起が小さいこと、会陰の長さが短いこと等の理由により、尿が体液受容領域以外の部分に漏れやすい。本発明においては、密着部材により吸収体物品の体液受容領域を、尿道口を含む体表面領域に密着させることができるため、尿が速やかに袋部30に移動し、吸収体40に吸収される。密着部材についての詳細は後述する。
つぎに、吸収体物品100の使用方法について説明する。
第2図は、本発明の吸収体物品の使用方法を説明する模式図である。第2図(A)は、吸収体物品の着用状態を示す部分切欠断面斜視図であり、第2図(B)は、吸収体物品の横断面図である。
吸収体物品100は、第2図に示されるように、着用者Mの尿道口mが防漏体10の二つの袋部30の間(体液受容領域)に位置し、かつ、着用者Mの両脚Lの付け根の内側に袋部30が密着するような状態で、着用される。第2図に示されるように吸収体物品100が密着部材70を具備すると、密着部材70により吸収体物品100の体液受容領域が尿道口mを含む体表面領域に密着する。
そして、着用者Mの尿道口mから排出された尿は、第2図(B)中、矢印で示されるように、重力に従って体液受容領域から、スキンコンタクトシート60を通過した後、ガイドシート50に沿って、袋部30へと流れていき、袋部30の中の吸収体40に吸収される。この際、吸収体40の吸収速度を超える速度で尿が供給された場合は、吸収体40に吸収されなかった尿が一旦袋部30の中に貯留され、その後、吸収体40に吸収されることとなる。
本発明の吸収体物品は、上述したように、着用時に主に股下部以外の部分に吸収体が存在するため、特に、吸収体が体液を吸収して膨潤した後において、従来の吸収体物品で顕著であった不快感がない。
また、本発明の吸収体物品は、尿道口の周辺だけを覆う構造であればよいため、尿と便とを分離して処理することができる。
特に、本発明の吸収体物品が密着部材を具備すると、尿が確実に袋部30へと流れ、吸収体40に吸収される。
以下、本発明の好適実施形態の他の例を挙げて、より詳細に説明する。
<防漏体等>
第3図は、複層シートの防漏体の二つの例を示す模式的な横断面図である。第3図(A)は第一の例を示し、第3図(B)は第二の例を示す。
防漏体がフィルムと不織布との複層シートである場合、フィルムと不織布との一部を接触しない状態としたり、不織布に弾性部材を設けたりすることもできる。
第一の例においては、第3図(A)に示されるように、防漏体11の複層シートがフィルム11aと不織布11bとから構成されているが、袋部の開口端部付近で不織布11bがフィルム11aから折り返されて立ち上がっている。このように不織布の立ち上がり部分があると、体液受容領域から袋部の開口端部のフィルム上に体液の漏れが生じても、不織布の立ち上がり部分より外側への体液の漏れが防止される。
また、第二の例においては、第3図(B)に示されるように、防漏体12の複層シートがフィルム12aと不織布12bとから構成されているが、袋部の開口端部付近で不織布12bがフィルム12aから折り返されて立ち上がっており、かつ、伸縮性の弾性部材(例えば、エラスティックフィラメント)12cを包むように巻いて、液漏れ防止用バリヤを構成している。このように、袋部の前記開口部の上面に液漏れ防止用バリヤを有すると、排出された体液が、体液受容領域以外の部分に漏れにくくなる。
第4図は、袋部にプリーツを有する防漏体の二つの例を示す模式図である。第4図(A)は第一の例を示す平面図であり、第4図(B)は第4図(A)中のIVB−IVB線に沿った横断面図である。第4図(C)は第二の例を示す平面図であり、第4図(D)は第4図(C)中のIVD−IVD線に沿った縦断面図である。第4図(E)は着用時(体液吸収前)の第一の例を示す横断面図であり、第4図(F)は体液吸収後の第一の例を示す横断面図である。
第一の例においては、第4図(A)および(B)に示されるように、防漏体13が袋部31の外側の側面にプリーツを有する。また、第二の例においては、第3図(C)および(D)に示されるように、防漏体14が袋部32の後側の側面にプリーツを有する。
上述したように、袋部には吸収体が設けられ、この吸収体が体液を吸収する。よって、吸収体により体液の吸収量は、袋部の容積によっても規定される。したがって、袋部の容積は、吸収体の使用前(乾燥時)と使用後(膨潤時)との嵩を考慮して決定される。そこで、例えば、第4図に示される二つの例のように、袋部にプリーツを設けることにより、使用前に嵩が小さく、使用後に嵩が大きくなるようにすることができる。具体的には、第一の例の着用時(体液吸収前)および体液吸収後の状態が、それぞれ第4図(E)および第4図(F)に示されている。
第5図は、防漏体の袋部の内面と吸収体の上面との間に空間を有する防漏体および吸収体の模式図である。第5図(A)は第一の例を示す部分横断面図であり、第5図(B)は第二の例を示す部分横断面図であり、第5図(C)は第三の例を示す部分横断面図である。
第一の例においては、第5図(A)に示されるように、防漏体の袋部33が吸収体40の向きに一部折り曲げられて、空間を形成している。
第二の例においては、第5図(B)に示されるように、防漏体の袋部34が吸収体40の向きに一部折り曲げられて、空間を形成している。第一の例との相違は、袋部34の折り曲げられた部分の先端が吸収体40に接触している点である。
第三の例においては、第5図(C)に示されるように、防漏体の袋部35と吸収体40との間にスペーサ65が設けられ、空間を形成している。スペーサ65としては、嵩高い点で、発泡体が好適に用いられる。
防漏体の袋部の内面と吸収体の上面との間の距離は、0.5〜10mmであるのが好ましい。
第6図は、本発明の吸収体物品の他の例を示す模式的な横断面図である。なお、第6図においては、防漏体、吸収体および密着部材以外の構成部材は、省略してある。
第6図(A)に示される吸収体物品110は、シート部21と、シート部21の上側に左右に離間して設けられた、開口部が対向する二つの袋部30とを有する防漏体17と、二つの袋部30に3層ずつ配置された、高吸水性樹脂を含有し体液を吸収しうる吸収体40と、密着部材70とを具備する。
吸収体物品110においては、防漏体17のシート部21が折り曲げられている。また、吸収体物品110は、防漏体17の二つの袋部30が独立している。
吸収体物品110においては、吸収体間での体液の移動を可能とするガイドシートを設けるのが好ましい。
第6図(B)に示される吸収体物品120は、第6図(A)に示される吸収体物品110の構成に加え、更に、二つの袋部30に配置された吸収体40を連結する連結吸収体45を、シート部21の上側に具備する。
吸収体物品120においては、連結吸収体45を介して、吸収体40間での体液の移動が可能となっている。連結吸収体45としては、膨潤時の股下部の不快感を抑制するため、1層の高吸水性シートを用いるのが好ましい。また、連結吸収体45には、体液を移動させる機能を有する不織布等を積層して用いるのが好ましい。
第6図(C)に示される吸収体物品130は、第6図(A)に示される吸収体物品110の構成に加え、更に、二つの袋部30に配置された吸収体40を連結する連結吸収体45を、シート部21の下側で二つの袋部30を連結する連結部47の内部に具備する。
吸収体物品130においては、連結吸収体45を介して、吸収体40間での体液の移動が可能となっている。連結吸収体45としては、膨潤時の股下部の不快感を抑制するため、1層の高吸水性シートを用いるのが好ましい。
第6図(D)に示される吸収体物品135は、第6図(C)に示される吸収体物品130の構成において、連結部47の代わりに、密着部材70の下面と連結吸収体45の上面との間を仕切らない連結部48を具備する。
吸収体物品135においては、連結吸収体45を介して、吸収体40間での体液の移動が可能となっている。連結吸収体45としては、膨潤時の股下部の不快感を抑制するため、1層の高吸水性シートを用いるのが好ましい。
<ガイドシート>
好適なガイドシートとしては、例えば、溝状構造を有するシート部材、凹凸シート部材、不織布シート部材が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
第7図は、溝状構造を有するシート部材の例を示す模式的な斜視図である。シート部材80は、溝状構造81を有しており、この溝状構造81が体液の流路として機能する。
溝状構造を有するシート部材は、例えば、熱成形性を有する体液不透過性のフィルムに流路として機能する溝状構造を熱成形で付与する方法により得られる。
第8図は、凹凸シート部材の例を示す模式的な斜視図である。第8図に示される凹凸シート部材82は、凸部を形成する多数の突起83を有している。
凹凸シート部材は、凹部と凸部を有する凹凸面を少なくとも一つの面として有する。凹凸シート部材においては、多数の凹部が連なって体液の流路として機能する。凹凸シート部材は、凸部が使用時に多少つぶれたとしても、体液の流通が阻害されないという利点を有する。
凹凸シート部材の材料としては、例えば、PE、PP、PVA、ウレタン等の樹脂からなる体液不透過性のフィルムが挙げられる。
凹凸シート部材においては、凸部の一部または全部に開口を設けることもできる。
第9図は、凸部の全部に開口を有する凹凸シート部材(以下「開口シート部材」という。)の例を示す模式的な斜視図である。第9図に示される開口シート部材84は、凸部を形成する多数の突起85を有しており、各突起85はその頂点に開口86を有している。第9図に示すような、開口シート部材は、この開口も体液の流路として機能する。第9図に示される開口シート部材は、開口の広い方を着用者側にして用いるのが好ましい。
開口シート部材の具体例としては、本発明者が国際公開第02/065965号パンフレットにおいて提案したものが挙げられる。
ガイドシートとして開口シート部材を用いる場合、開口に体液が残存する、液残りが生じ、いわゆるリウェット値が悪くなることがある。この場合、開口シート部材の下側に、親水性拡散シートを組み合わせて用いるのが好ましい。これにより、開口に存在する体液が、親水性拡散シートに浸透して移動するので、リウェット値が大幅に低くなる。また、開口シート部材が防漏体とずれることが防止され、形状安定性も向上する。
親水性拡散シートとしては、比較的目付の低い親水性不織布状物が好適に用いられる。親水性不織布状物としては、例えば、レーヨン、コットン、木材パルプ等を含有させたティッシュまたは親水性不織布が挙げられる。具体的には、ティッシュペーパー、レーヨンスパンボンド(例えば、TCF、二村化学社製)、コットンスパンレース、レーヨン/PP混合スパンレース、レーヨン/PET混合スパンレースが挙げられる。
また、PP、PEまたはPETのスパンボンド不繊布、PPのサーマルポンド不繊布、PE/PETのスルーエア不織布等の合繊不織布を界面活性剤等で表面処理することにより親水化した不繊布も挙げられる。
開口シート部材と親水性拡散シートとは、単に重ね合わせて積層してもよく、ホットメルト、熱ラミネート等により複合化してもよい。
親水性拡散シートの下側には、体液不透過性シートを組み合わせて用いるのが好ましい。これにより、体液が親水性拡散シートと防漏体のシート部との間に一時的にも貯留されず、速やかに防漏体の袋部へと移動するようになる。体液不透過性シートの材料としては、例えば、PE、PP、PVA、ウレタン等の樹脂からなるフィルムが挙げられる。
親水性拡散シートと体液不透過性シートとは、単に重ね合わせて積層してもよく、ホットメルト、熱ラミネート等により複合化してもよい。
また、親水性拡散シートを用いずに、開口シート部材と体液不透過性シートとを組み合わせて用いてもよい。
開口シート部材と体液不透過性シートとは、単に重ね合わせて積層してもよく、ホットメルト、熱ラミネート等により複合化してもよい。
不織布シート部材においては、その内部空隙が体液の流路として機能する。不織布シート部材は、圧縮抵抗性(いわゆるレジリエンス(resilience))が大きいものが好ましい。例えば、本発明者が特開2003−103704号公報および特開2003−103677号公報において提案した、表面が平滑なペーパー層または不織布層と表面が嵩高で凹凸のある繊度の太い繊維ウェブとを積層して一体化した不織布が好適に用いられる。
ついで、ガイドシートの配置について説明する。
第10図は、ガイドシートの種々の配置を説明する模式的な横断面図である。なお、第10図においては、吸収体およびガイドシート以外の構成部材は、省略してある。
第10図(A)においては、ガイドシート51は、その左右の辺が、3層からなる吸収体40の上から2層目と3層目との間に延在している。
第10図(B)においては、ガイドシート52は、その左右の辺が、3層からなる吸収体40の上から3層目の下面の全部を被覆するように延在している。このように、ガイドシートが吸収体の下面の一部または全部を被覆するよう延在しているのは、好ましい態様の一つである。この態様においては、体液が吸収体の外側の端部でも効率よく吸収される。
第10図(C)においては、ガイドシート53は、その左右の辺が、3層からなる吸収体40の上から3層目の下面および側面の全体を被覆するようにその延在している。このように、ガイドシートが吸収体の下面に加えて、側面の一部または全部を被覆するよう延在しているのも、好ましい態様の一つである。この態様においては、体液が上側の吸収体の外側の端部でも効率よく吸収される。
<体液受容領域の構成>
本発明において、「体液受容領域」とは、防漏体の二つの袋部の間を意味する。
第11図は、本発明の吸収体物品の種々の体液受容領域の構成の模式的な部分横断面図である。
第11図(A)は、体液受容領域に、ガイドシートとして機能する開口を有しない凹凸シート部材82が露出している吸収体物品を示す。
第11図(B)は、第11図(A)の吸収体物品の凹凸シート部材82の上側にスキンコンタクトシート60を有する吸収体製品を示す。
第11図(C)は、体液受容領域に、ガイドシートとして機能する開口シート部材84とその下面の体液不透過性シート88との組み合わせが露出している吸収体物品を示す。
第11図(D)は、第11図(C)の吸収体物品の開口シート部材84の上側にスキンコンタクトシート60を有する吸収体製品を示す。
第11図(E)は、体液受容領域に、ガイドシートとして機能する開口シート部材84とその下面側に積層された親水性拡散シート87とその下面側に積層された体液不透過性シート88との組み合わせが露出している吸収体物品を示す。
第11図(F)は、第11図(E)の吸収体物品の開口シート部材84の上側にスキンコンタクトシート60を有する吸収体製品を示す。
本発明の吸収体物品においては、体液は、着用者の尿道口に密着する体液受容領域に排出され、留まることなく袋部に移動する。
この際、大量の体液をきわめて短時間に処理する機能を有するのが好ましい。健康な子供は、通常、100mLの尿を20秒間程度で排出する。健康な大人はそれ以上の速度で排出する。したがって、例えば、100mLの尿を15秒以下、好ましくは10秒以下で排出されても、体液受容領域に貯留されたり、吸収体物品の外表面や下着に移動したりしないのが好ましい。
このため、体液受容領域には、パルプやSAPを存在させないか、存在させてもその量を少なくするかが好ましい。
また、体液の重力による移動をより円滑に行わせるため、防漏体のシート部材の中央を高い位置にして、そこに体液が排出されるようにするのが好ましい。
更に、体液が吸収体物品の外表面や下着に移動しないようにするために、尿道口と体液受容領域との密着性を高くするのが好ましい。具体的には、体液受容領域に露出する部材が、ある程度の厚さ、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上の厚さを有し、それによりクッション性を発揮するのが好ましい。また、密着部材を用いることによっても、尿道口と体液受容領域との密着性が高くなるので好ましい。更には、これらを組み合わせてもよい。
第12図は、本発明の吸収体物品の他の例を示す模式的な平面図である。なお、第12図においては、防漏体、吸収体およびガイドシート以外の構成部材は、省略してある。
第12図に示される吸収体物品140は、シート部20と二つの袋部30とを有する防漏体10と、二つの袋部30のそれぞれおよび二つの袋部30の間に一体的に配置された吸収体41と、前後に間隔を設けて配置されるガイドシート54とを具備する。
この吸収体物品140においては、体液受容領域にSAPが存在するが、体液はガイドシート54により速やかに袋部30に移動する。
体液受容領域の形状は、特に限定されず、第1図等に示される長方形以外の形状とすることもできる。
第13図は、本発明の吸収体物品の防漏体の種々の例を示す模式的な平面図である。
第13図(A)に示される防漏体15aは、二つの袋部の開口部の後側が接しており、体液受容領域が三角形状を呈している。
第13図(B)に示される防漏体15bは、二つの袋部の開口部の前側および後側が接しており、体液受容領域が菱形状を呈している。
第13図(C)に示される防漏体15cは、二つの袋部の開口部の間隔が、前側で広く後側で狭くなっており、体液受容領域が台形状を呈している。
第13図(D)に示される防漏体15dは、二つの袋部の開口部が、後側で連結されている(部分切欠型)。
第13図(E)に示される防漏体15eは、二つの袋部の開口部の間隔が、中央で広く端で極端に狭くなっている(中央型)。
第13図(F)に示される防漏体15fは、二つの袋部の開口部が、前後で連結されている(窓型)。
体液受容領域の大きさは、特に限定されないが、体液受容領域が長方形である場合、前後の長さは5〜20cmであるのが好ましく、また、左右の長さは2〜10cmであるのが好ましい。
また、体液受容領域の面積は、前記シート部全体の面積の50%以下であるのが好ましい。上記範囲であると、袋部の面積が相対的に大きくなり、体液吸収量が大きくなる。
<吸収体物品の大きさ、形状等>
本発明の吸収体物品は、尿便分離処理を行うため、着用者の着用するおむつまたは下着の前身頃に位置する状態で、用いられる。
したがって、本発明の吸収体物品は、前身頃に収まる程度の大きさであるのが好ましい。具体的には、子供用の場合、表面積が200cm以下であるのが好ましく、また、大人用の場合、表面積が400cm以下であるのが好ましい。また、厚さは、着用感の点で、薄い方が好ましい。
一方、十分な体液吸収量を確保する必要もある。具体的には、子供用の場合、200mL以上、大人用の場合、300mL以上である。
これらを考慮すると、本発明の吸収体物品は、子供用の場合、表面積が50〜150cmであるのが好ましい。大人用の場合、表面積が80〜300cmであるのが好ましい。また、前後方向の平均長さLは、20cm以下であるのが好ましい。更に、厚さは、子供用および大人用のいずれにおいても、1〜5mm程度であるのが好ましい。
従来のおむつの大きさは、200mL以上の体液吸収量の子供用で、表面積200cm以上、厚さ5mm以上であり、300mL以上の体液吸収量の大人用で表面積350cm以上、厚さ5mm以上である。したがって、本発明の吸収体物品が、従来のおむつと比べて、表面積および厚さのいずれも小さいことが分かる。
吸収体物品の形状は、特に限定されない。
第14図は、本発明の吸収体物品の防漏体の外形状の種々の例を示す模式的な平面図である。
第14図(A)に示される防漏体16aは、前後方向の(平均)長さLよりも左右方向の(平均)長さWの方が長い長方形を呈している。
第14図(B)に示される防漏体16bは、前後方向の(平均)長さLよりも左右方向の(平均)長さWの方が短い長方形を呈している。
第14図(C)に示される防漏体16cは、第14図(A)に示される防漏体16aの長方形の四つの頂点の周辺を丸くし、かつ、袋部の開口の間隔を広くした形状を呈している。
第14図(D)に示される防漏体16dは、第14図(A)に示される防漏体16aの長方形の後側の二つの頂点を切り取った台形状を呈している。
第14図(E)に示される防漏体16eは、第14図(B)に示される防漏体16bの長方形の四つの頂点の周辺を丸くし、かつ、袋部の開口の間隔を狭くした形状を呈している。
第14図(F)に示される防漏体16fは、第14図(A)に示される防漏体16aの長方形の前側の二つの頂点の周辺を丸くした形状を呈している。
第14図(G)に示される防漏体16gは、第14図(A)に示される防漏体16aの袋部の側部の後側を広くし、かつ、袋部の開口の間隔を狭くした形状を呈している。
第14図(H)に示される防漏体16hは、第14図(A)に示される防漏体16aの袋部の側部の前側および後側を広くし、かつ、袋部の開口の間隔を狭くした形状を呈している。
本発明の吸収体物品は、左右方向の平均長さと前後方向の平均長さLとの比(W/L)が0.5以上であるのが好ましく、1.0以上であるのがより好ましく、1.2以上であるのが更に好ましい。上記範囲であると、着用感がより優れたものになる。
<密着部材>
密着部材は、吸収体物品の体液受容領域を体表面領域に密着させる機能を奏する。密着部材としては、弾力性(クッション性)または伸縮性を有する部材が好適に用いられる。
弾力性を有する部材としては、例えば、比較的硬度の低い合成ゴムシート、弾性チューブ、発泡体(例えば、PU、PP、PP/EVA製)、嵩高でレジリエンスの高い不織布が挙げられる。弾力性を有する部材は、その反発弾性により、吸収体物品の体液受容領域を体表面領域に密着させる。
伸縮性を有する部材としては、例えば、伸縮性ゴムテープ、ウレタンフィラメント編物、伸縮性ウレタンフォームが挙げられる。伸縮性を有する部材は、吸収体物品の体液受容領域と体表面領域とが接触している部分に上向きの力が働くように、前後方向に伸張させて用いることにより、吸収体物品の体液受容領域を体表面領域に密着させる。
密着部材の配置としては、防漏体のシート部の上側に配置する態様、防漏体のシート部の下側に配置する態様、および、防漏体のシート部の上側および下側の両方に配置する態様の三つの態様を用いることができる。
いずれの態様においても、密着部材は、防漏体および/またはガイドシートと結合されていてもよい。結合させる方法としては、例えば、粘着剤、ホットメルト接着剤、面ファスナーを用いる方法が挙げられる。
第15図は、本発明の吸収体物品の種々の例を示す模式的な横断面図である。
第15図(A)に示される吸収体物品100は、第1図に示される吸収体物品100と同じである。吸収体物品100においては、密着部材70が防漏体10のシート部20の下側に配置されている。
第15図(B)に示される吸収体物品150は、密着部材70の代わりに密着部材71が防漏体10のシート部20の上側に配置され、かつ、ガイドシート50の下側に連結吸収体45を有する以外は、吸収体物品100と同様である。このように、密着部材が防漏体のシート部の上側に配置されている場合は、体液を速やかに袋部に移動させることができる点で、密着部材が体液不透過性であるのが好ましい。
第15図(C)に示される吸収体物品160においては、密着部材70が防漏体10のシート部20の下側に配置されている以外は、吸収体物品150と同様である。
また、本発明においては、防漏体に貫通孔が設けられており、密着部材が防漏体を貫通する態様を採ることもできる。
密着部材の左右方向の幅は、吸収体物品の体液受容領域を尿道口を含む体表面領域に密着させる機能を奏することができれば、特に限定されない。
密着部材の前後の長さは、吸収体物品の体液受容領域を尿道口を含む体表面領域に密着させる機能を奏することができれば、特に限定されないが、防漏体の前後の長さとほぼ同じである態様、および、防漏体の前後の長さより長い態様の二つの態様(使用時に密着部材が伸張して防漏体より長くなる態様も含む。)が好適に挙げられる。
密着部材の前後の長さが防漏体の前後の長さとほぼ同じである態様は、密着部材が弾力性を有する部材である場合に好適に用いられる。
一方、密着部材の前後の長さが防漏体の前後の長さより長い態様は、密着部材の少なくとも一部が伸縮性を有する部材(以下「伸縮性密着部材」という。)である場合に好適に用いられる。
密着部材の前後の長さが防漏体の前後の長さより長い場合、防漏体より前側にはみ出す部分と後側にはみ出す部分の長さおよび割合は、特に限定されず、目的に応じて適宜調整される。
また、密着部材は、2種以上の部材を組み合わせてもよい。
例えば、密着部材の前後の長さが防漏体の前後の長さより長い場合、防漏体からはみ出した部分を伸縮性密着部材とし、防漏体に接触している部分を弾力性を有する部材とし、両者を結合して用いることができる。
また、弾力性を有する部材を防漏体に接触している部分に設け、その下側または上側において、防漏体からはみ出した部分および防漏体に接触している部分の全長に伸縮性密着部材を設け、防漏体に接触している部分を二重にすることもできる。この場合、第15図(C)に示される吸収体物品160のように、防漏体10のシート部20の上側の密着部材71と下側の密着部材70とを設け、密着部材71を弾力性を有する部材で構成し、密着部材70を伸縮性密着部材で構成することもできる。
前後の長さが防漏体の前後の長さより長い密着部材(以下「延長密着部材」という。)を用いる場合、本発明の吸収体製品をカバー(例えば、下着、ショーツ、おむつカバー)に着脱可能に取り付けて使用する態様、および、本発明の吸収体物品にカバー部を設け、そのカバー部に固定的に取り付けて使用する態様(例えば、使い捨ておむつ)が好適に用いられる。いずれの態様においても、密着部材は、吸収体物品が着用者の体の動きによって大きくずれないようにする効果も有する。
第16図は、密着部材に着脱部材を有する本発明の吸収体物品の種々の例を示す模式的な平面図である。
第16図(A)に示される吸収体物品170は、第1図に示される吸収体物品100の密着部材70の両端の下側に着脱部材75を設けたものである。着脱部材75としては、例えば、面ファスナー、粘着剤が挙げられる。このように、着脱部材を設けることにより、本発明の吸収体製品をカバーに着脱可能に取り付けて使用することができる。
第16図(B)に示される吸収体物品171は、第16図(A)に示される吸収体物品170において、密着部材70の代わりに、後側の端部が二つに枝分かれした密着部材76を用いたものである。各端部は着脱部材75を有している。
第16図(C)に示される吸収体物品172は、第16図(A)に示される吸収体物品170において、密着部材70の代わりに、前側および後側のそれぞれの端部が二つに枝分かれした密着部材77を用いたものである。各端部は着脱部材75を有している。
第16図(B)に示される吸収体物品171および第16図(C)に示される吸収体物品172のように、密着部材が枝分かれしており、各端部に着脱部材が設けられていると、着用時の吸収体物品の位置がより安定する。また、後側の端部が枝分かれしていると、密着部材が肛門を覆わないようにすることが容易となり、尿便分離処理がより容易となる。
各端部の枝分かれの本数は特に限定されない。
また、一つの密着部材を枝分かれさせる代わりに、複数個の密着部材を用いることにより、着脱部材の個数を多くしても、枝分かれと同様な効果が得られる。
<吸収体物品セット>
第17図は、本発明の吸収体物品とカバーとの組み合わせからなる本発明の吸収体物品セットの種々の例を示す模式的な部分平面図である。なお、第17図においては、カバーは股下部のみが示されている。
第17図(A)に示される吸収体物品セット400は、本発明の吸収体物品180とカバー300との組み合わせからなる。吸収体物品180は、密着部材70を有しない以外は、吸収体物品100と同じである。カバー300は、カバー本体300aと密着部材72とを有する。密着部材72は、伸縮性密着部材であり、カバー300の股下部の上側のほぼ中央に固定された後端部72aと、固定されていない自由な前端部72bとを有する。前端部72bには、図示しない着脱部材が設けられている。なお、後端部72aは、着脱可能であってもよい。
この吸収体物品セット400の着用時には、カバー300の密着部材72の上側の適当な位置に吸収体物品180を載せて、体表面向きに適切な力が働くように、密着部材72の前端部72bをカバー本体300aの適当な位置に固定して用いられる。この際、吸収体物品180と密着部材72とを面ファスナー等で固定することもできる。
第18図は、第17図(A)に示される吸収体物品セットの着用時の股下部を通る面における縦断面図である。第18図に示されるように、吸収体物品180は、カバー300の密着部材72の作用により、尿道口mを含む体表面領域に密着している。
第17図(B)に示される吸収体物品セット410は、本発明の吸収体物品180とカバー310との組み合わせからなる。カバー310は、カバー本体300aと密着部材73とを有する。密着部材73は、伸縮性密着部材であり、カバー310の股下部の上側のほぼ中央に固定された後端部73aと、カバー310の前身頃の内側に固定された前端部73bとを有する。
この吸収体物品セット410の着用時には、カバー310の密着部材73の上側の適当な位置に吸収体物品180を載せて用いられる。この際、吸収体物品180と密着部材73とを面ファスナー等で固定することもできる。
<便処理部>
本発明の吸収体物品は、更に、便処理部を有するのが好ましい態様の一つである。
第19図は、便処理部を有する本発明の吸収体物品の種々の例の模式的な平面図である。
第19図(A)に示される吸収体物品190は、第1図に示される吸収体物品100に、更に、便処理部90を設けたものである。便処理部90は、従来公知のおむつと同様の構成とすることができる。便処理部90は、密着部材70の後端部に固定されている。吸収体物品190においては、尿は前身頃部分で、便は後身頃部分の便処理部90で、完全に分離して処理する。
第19図(B)に示される吸収体物品200は、第1図に示される吸収体物品100に、便処理部91を設けたものである。便処理部91は、第19図(A)に示される便処理部90の前端部を股下部まで延長し、体液受容領域の後端部を下面から受ける構造を有する。吸収体物品200においては、尿は前身頃部分で、便は後身頃部分の便処理部で処理するが、着用者の体位等により尿が一部前身頃部分から漏れた場合に、便処理部91で処理することができる。
第19図(C)に示される吸収体物品210は、第1図に示される吸収体物品100に、便処理部92を設けたものである。便処理部92は、第19図(A)に示される便処理部90の前端部を前身頃部分まで延長し、防漏体10の全面を下面から受ける構造を有する。吸収体物品210においては、尿は前身頃部分で、便は後身頃部分の便処理部で処理するが、着用者の体位等により尿が一部前身頃部分から漏れた場合に、便処理部92で処理することができる。
<体位との関係>
本発明の吸収体物品は、以下の体液吸収性試験に示されるように、あらゆる体位において、従来の吸収体物品よりも多くの体液を吸収することができる。
第20図および第21図は、体液吸収性試験に用いた本発明の吸収体物品を示す模式図である。第20図(A)は平面図であり、第20図(B)は第20図(A)中のXXB−XXB線に沿った横断面図であり、第21図(A)は第20図(A)中のXXIA−XXIA線に沿った縦断面図であり、第21図(B)は第20図(A)中のXXIB−XXIB線に沿った縦断面図である。
第20図に示される吸収体物品220は、防漏体17と、防漏体17の二つの袋部のそれぞれに2層配置された吸収体42と、スキンコンタクトシート61と、ガイドシート55と、密着部材74と、連結吸収体46とを具備する。吸収体物品220は、第6図(D)に示される吸収体物品135において、その体液受容領域の構成および形状を第11図(F)および第13図(F)としたものである。
ガイドシート55について、更に説明する。
第22図は、体液吸収性試験に用いた本発明の吸収体物品のスキンコンタクトシート、ガイドシートおよび密着部材を示す模式図である。第22図(A)は平面図であり、第22図(B)は第22図(A)中のXXIIB−XXIIB線に沿った横断面図であり、第22図(C)は第22図(A)中のXXIIC−XXIIC線に沿った縦断面図である。
第22図(B)に示されるように、ガイドシート55は、開口シート部材84′とその下面側に積層された親水性拡散シート87′とその下面側に積層された体液不透過性シート88′とからなり、その上側にスキンコンタクトシート61を積層されている。体液不透過性シート88′は、前端部および後端部で折り返され、スキンコンタクトシート61の前端部および後端部を被覆している。密着部材74は、ガイドシート55の下面側の中央に縦に配置されている。各部材の平面形状は第22図(A)に示されるとおりである。スキンコンタクトシート61、親水性拡散シート87′および体液不透過性シート88′は、両側部の後端部において切り欠きを設けられており、T字型を呈している。これにより、尿がガイドシート55に沿って後身頃の方へ移動することを防止している。
防漏体17としては、ポリエチレンフィルムとポリプロピレン製の不織布との複層シートを用いた。
吸収体42および連結吸収体46としては、SAPの分散スラリーをポリエステル不織布の上にコーティングした高吸水性シート(MegaThin、(株)日本吸収体技術研究所製、SAP量180g/m)を用いた。
ガイドシート55としては、上側からポリエチレン製の開口シート部材84′(Tredegar Film Products社製)と、TCF製の親水性拡散シート87′(二村化学工業社製)と、PEフィルム製の体液不透過性シート88′とからなる複層シートを用いた。
スキンコンタクトシート61としては、エアスルー不織布(クラレ社製)を用いた。
密着部材74としては、伸縮性ウレタンフォーム製の延長密着部材(イノアックコーポレーション社製)を用いた。
各部の大きさは、第20図(A)および第22図(A)に示したとおりである。
つぎに、この本発明の吸収体物品を用いて、種々の体位における体液吸収性試験を行った。
体液吸収性試験は、尿道口に相当する位置に孔を有する人体モデル(羽衣マネキン社製)に、上記吸収体物品を装着し、立位、座位、うつぶせ位、横臥位および仰向け位の各体位において、生理食塩水を人体モデルの孔から外側に排出させた。排出は、100mLずつ5分間隔で、吸収体物品が漏れを生じるまで行い、漏れを生じるまでの総吸収量を算出した。
また、従来品の吸収体物品として、市販の失禁パッド(ライフリーあんしん尿とりパッド強力スーパー、ユニ・チャーム社製)を用いて同様の体液吸収性試験を行った。
結果を第1表に示す。第1表には、各吸収体物品の設計吸収量を併せて示した。
なお、設計吸収量としては、自由膨潤吸収量、リテンション量およびAULを示した。
自由膨潤吸収量は、以下のようにして測定した。まず、あらかじめ質量を測定した吸収体物品を0.9質量%塩化ナトリウム水溶液に30分間浸せきさせた。その後、パッドを引き上げ、引き上げた状態で30秒間維持し、水切りを行った。パッドのスキンコンタクトシートが下側になるように、水切り用金網の上に載置し、吸収体の全体に荷重が掛かるように、アクリル板を載せ、更にその上におもり(10kg)を置いて、20分間放置し、水切りを行った。その後、質量を測定し、吸収前からの質量の増加分を自由膨潤吸収量とした(塩化ナトリウム水溶液の比重は1とした。)。測定は、n=2で行った。
リテンション量は、以下のようにして測定した。自由膨潤吸収量の測定で用いたサンプルを、脱水機(150G)の脱水かごの側面にスキンコンタクトシート側が当たるように設置し、90秒間脱水した。その後、質量を測定し、吸収前からの質量の増加分をリテンション量とした(塩化ナトリウム水溶液の比重は1とした。)。測定は、n=2で行った。
AUL(Absorption Under Load)は、以下のようにして測定した。まず、あらかじめ質量を測定したパッドを、20gf/m(1.96×10Pa)の荷重が掛かるようにおもりを載せた状態で、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液に10分間浸せきさせた。その後、おもりをのせたままパッドを引き上げ、引き上げた状態で60秒間維持し、水切りを行った。その後、質量を測定し、吸収前からの質量の増加分をAULとした(塩化ナトリウム水溶液の比重は1とした。)。測定は、n=2で行った。

第1表から、本発明の吸収体物品(本発明品)は、立位および座位において、自由膨潤吸収量に近い量を吸収したことが分かる。また、うつぶせ位および横臥位においては、リテンション量以上の量を吸収したことが分かる。更に、いずれの体位においても、従来品よりもはるかに吸収量が多いことが分かる。したがって、本発明の吸収体物品は、体位によらず、従来の吸収体物品よりも体液吸収性に優れていると言える。
<その他>
本発明の吸収体物品は、上記各部材のほかに、内側ギャザー、外側ギャザー等の従来の吸収体物品に用いられている部材を有していてもよい。
以上、本発明の吸収体物品および吸収体物品セットを図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮しうる任意の構成と置換することができる。
【産業上の利用可能性】
以上に説明したように、本発明の吸収体物品は、着用時、特に吸収体が体液を吸収して膨潤した後において、着用者に不快感を与えず、かつ、尿便分離処理が可能である。したがって、本発明の吸収体物品は、子供用または大人用の尿処理用品または尿便処理可能なおむつ等として好適に用いられる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート部と、前記シート部の上側に左右に離間して設けられた、開口部が対向する二つの袋部とを有する防漏体と、
前記二つの袋部のそれぞれに少なくとも1層配置された、高吸水性樹脂を含有し体液を吸収しうる吸収体と
を具備する吸収体物品。
【請求項2】
前記二つの袋部が左右対称である、請求の範囲第1項に記載の吸収体物品。
【請求項3】
前記二つの袋部に配置された前記吸収体を連結する連結吸収体を有する、請求の範囲第1項または第2項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項4】
前記吸収体がシート状吸収体である、請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項5】
前記シート状吸収体が、前記高吸水性樹脂を50質量%以上含有する、請求の範囲第4項に記載の吸収体物品。
【請求項6】
前記シート状吸収体が、前記袋部において複数層配置されている、請求の範囲第4項または第5項に記載の吸収体物品。
【請求項7】
前記シート状吸収体が、前記袋部において折りたたまれて配置されている、請求の範囲第4項〜第6項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項8】
前記防漏体において、前記シート部の前記二つの袋部を設けられていない部分の面積が、前記シート部全体の面積の50%以下である、請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項9】
左右方向の平均長さのWと、前後方向の平均長さLとの比が、0.5以上である、請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項10】
前後方向の平均長さLが20cm以下であり、かつ、前記防漏体の上側から見た面積が400cm以下である、請求の範囲第1項〜第9項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項11】
更に、前記二つの袋部のそれぞれに配置される前記吸収体の間にわたって配置されるガイドシートを具備する、請求の範囲第1項〜第10項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項12】
前記ガイドシートが、前記二つの袋部のそれぞれに配置される前記吸収体間での体液の移動を可能とする、請求の範囲第11項に記載の吸収体物品。
【請求項13】
前記ガイドシートが、前記吸収体の下面の一部または全部を被覆するよう延在している、請求の範囲第11項または第12項に記載の吸収体物品。
【請求項14】
前記ガイドシートが、更に、前記吸収体の側面の一部または全部を被覆するよう延在している、請求の範囲第13項に記載の吸収体物品。
【請求項15】
前記ガイドシートが、前記流路を形成する開孔を有する凹凸シート部材を有する、請求の範囲第11項〜第14項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項16】
前記ガイドシートが、更に、前記凹凸シート部材の下面に積層されまたは複合化された親水性拡散シートを有する、請求の範囲第15項に記載の吸収体物品。
【請求項17】
前記ガイドシートが、更に、前記親水性拡散シートの下面に積層され、または複合化された体液不透過性シートを有する、請求の範囲第16項に記載の吸収体物品。
【請求項18】
更に、少なくとも前記防漏体の前記二つの袋部の間に、スキンコンタクトシートを有する、請求の範囲第1項〜第17項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項19】
更に、前記防漏体の前記袋部の上側の内面と前記吸収体の上面との間に、スペーサを有する、請求の範囲第1項〜第18項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項20】
更に、前記袋部の前記開口部の上面に液漏れ防止用バリヤを有する、請求の範囲第1項〜第19項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項21】
更に、前記防漏体の前記二つの袋部の間で、着用者の体表面に密着させる密着部材を具備する、請求の範囲第1項〜第20項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項22】
前記密着部材を前記防漏体の前記シート部の上側に具備する、請求の範囲第21項に記載の吸収体物品。
【請求項23】
前記密着部材を前記防漏体の前記シート部の下側に具備する、請求の範囲第21項または第22項に記載の吸収体物品。
【請求項24】
前記密着部材の前後の長さが、前記防漏体の前後の長さとほぼ同じである、請求の範囲第21項〜第23項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項25】
前記密着部材の前後の長さが、前記防漏体の前後の長さより長い、請求の範囲第21項〜第23項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項26】
前記密着部材が、前記防漏体と結合されている、請求の範囲第21項〜第25項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項27】
弾力性を有する前記密着部材を具備する、請求の範囲第21項〜第26項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項28】
伸縮性を有する前記密着部材を具備する、請求の範囲第21項〜第27項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項29】
前記密着部材を複数個具備する、請求の範囲第28項に記載の吸収体物品。
【請求項30】
前記密着部材が、前側および/または後側で枝分かれしている、請求の範囲第28項または第29項に記載の吸収体物品。
【請求項31】
更に、便処理部を有する、請求の範囲第21項〜第30項のいずれかに記載の吸収体物品。
【請求項32】
請求の範囲第1項〜第31項のいずれかに記載の吸収体物品と、カバーとを有する吸収体物品セット。
【請求項33】
前記カバーが、前記防漏体の前記二つの袋部の間で、着用者の体表面に密着させる密着部材を具備する、請求の範囲第32項に記載の吸収体物品セット。

【国際公開番号】WO2005/072672
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【発行日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517369(P2005−517369)
【国際出願番号】PCT/JP2004/000991
【国際出願日】平成16年2月2日(2004.2.2)
【出願人】(592034744)株式会社日本吸収体技術研究所 (28)
【出願人】(000005979)三菱商事株式会社 (56)
【Fターム(参考)】