説明

吸着剤が充填されたカートリッジの収集システム

【課題】
同一種の揮発性有機化合物を吸着しているカートリッジを纏めて収集するにあたり、脱着処理効率を向上させると共に、運搬費用を削減することが出来るカートリッジの収集システムを提供する。
【解決手段】
収集地域内において、交換時期到来若しくは有機化合物の吸着量が最も多いカートリッジ5を優先収集するカートリッジと判定し、該優先カートリッジと同じ溶剤種を吸着しているカートリッジの中から、優先収集カートリッジを含む複数のカートリッジグループを作成し、該作成された各グループについて、各カートリッジが吸着している揮発性有機化合物の合計吸着量を算出して得点化し、各グループについてカートリッジを収集した場合の走行距離を得点化し、さらにグループのカートリッジ数を得点化して、これら合計吸着量得点、走行距離得点、カートリッジ数得点を合計して最も得点が高いグループのカートリッジを収集すると判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性有機化合物を使用する施設等で発生する揮発性有機化合物ガスを吸着した吸着剤から該揮発性有機化合物ガスを脱着するために、吸着剤が充填されたカートリッジを専用の脱着施設に収集する、吸着剤が充填されたカートリッジの収集システムの技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、酢酸エチル等の揮発性の高い有機化合物は、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compound)と称され、大気中に放出されると大気汚染や水域汚染等の諸問題を引き起こし、人体にも悪影響を与えることから大気中への排出を抑制することが今日の重要課題となっている。
【0003】
ところで、このようなVOCは、電子機器製造工場、塗装工場、印刷工場等の各種の工場で行われる洗浄、乾燥、塗装、接着、コーティング等の各工程において溶剤として広く使用されており、これらVOC使用施設に対しては、VOCガスが施設外に排出されることのないよう対策を講じることが強く要請され、多くの場合、VOC除去装置の設置が義務化されている。
【0004】
このようなVOC除去装置としては、例えば特許文献1に示されるように、施設内で発生するVOCガスを活性炭等の吸着剤が充填された吸着剤槽に送り込んで該吸着剤にVOCを吸着させ、吸着剤によるVOCの吸着後は、吸着剤槽を吸着工程から脱着工程へと交互に切換えて前記吸着されたVOCを脱着するようにし、該脱着したVOCは燃焼処理したり、産業廃棄物として処理したりするようにした技術が知られている。
【0005】
しかしながら、このような吸着・脱着処理の交互切替えが可能なVOCガス除去装置は、装置が複雑かつ大型であって広範囲の設置スペースが必要なうえ高価なものであるだけでなく、脱着処理に水蒸気を使用した場合には脱着時に多量の廃水が発生するために廃水処理施設が必要となる等、資金的に乏しい中小企業や零細企業にあっては設置に際しての負担が大きい。
【0006】
そこで特許文献2に示されるように、VOC使用施設に設置される吸着剤槽に吸着剤が充填されたカートリッジを装着し、該装着したカートリッジによってVOCを吸着した後に、該VOC吸着済のカートリッジを専用のVOC脱着施設に収集し、該脱着施設でVOCを脱着して回収すると共に、VOC脱着によって吸着剤が再生されたカートリッジは、再生カートリッジとして再びVOC使用施設に運搬して再利用するように構成したものが知られている。
【0007】
このように構成した場合、VOC使用施設に設置するVOCガス除去装置はVOCの吸着機能のみを備えたもので良いため、VOC使用事業者にとってはVOC除去装置がコンパクト化し、そのため設置面積が少なくて済むだけでなく設置する際の費用負担が軽減される一方、VOC脱着施設にあってはVOCの脱着処理のみを一括して集中管理すればよいため、VOCの吸着剤からの脱着効率が上がって脱着処理のためのコストが削減される結果、VOC吸着装置を設置した事業者の費用削減に貢献するものであった。
【0008】
ところでVOC使用施設で使用されるVOCは一種類ではなく多数種あり、前記特許文献2においては、VOCを吸着したカートリッジを収集するあたって、同一種のVOCが吸着されたものを纏めて収集し、該同一種類のVOCが吸着されたカートリッジを一括して脱着処理することによってVOC脱着施設における稼動効率の向上を図ることが提唱されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−300955号公報
【特許文献2】特許第3773809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、VOC吸着済のカートリッジを収集するにあたって、同一種のVOCを吸着しているカートリッジを纏めて収集するという条件だけでは、例えば、収集しようとするカートリッジに所在地が近くて収集し易いという理由から吸着量が少ないカートリッジであっても収集されることがある一方で、吸着量が比較的多く収集しようとするカートリッジと一緒に脱着回収した方がVOCの脱着効率が向上するカートリッジがあるにも拘らず、該カートリッジの所在地が収集されるカートリッジから離れているために収集されないような場合があり、このようにVOCの脱着効率が向上しない非効率な収集をしてしまう場合があった。そこでこのようなVOC脱着が非効率な収集を排除し、効率よくVOC脱着を行うための脱着剤が充填されたカートリッジの収集システムを提供することに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、揮発性有機化合物ガスを吸着するための吸着剤が充填されるカートリッジのうち、前記有機化合物の使用施設で該有機化合物ガスを吸着剤に吸着させたものを、該吸着した吸着剤から有機化合物を脱着すべく脱着施設に収集するためのカートリッジの収集システムにおいて、該収集システムを、同一種の有機化合物ガス吸着に用いられているカートリッジの複数個を運搬車両で纏めて収集するように構成するにあたり、予め設定される収集地域にある全てのカートリッジの中から交換時期に達しているものを優先収集するものとし、これがないときには最も吸着量が多いカートリッジを優先収集するものと判定する優先カートリッジ判定手段と、該優先カートリッジを含み、前記全てのカートリッジの中から脱着施設にある一つの脱着装置で同時処理可能なカートリッジ数を限度として選択される任意の個数のカートリッジの組合せを一つのグループとし、該グループをカートリッジの同一組合せがないようにして複数作成するグループ作成手段と、前記作成されたグループのそれぞれについて、各カートリッジ内に吸着されている有機化合物ガスの合計吸着量を算出し、該合計吸着量が多いほど高い得点となるよう換算する合計吸着量得点換算手段と、前記作成されたグループのそれぞれについて、グループ全てのカートリッジを収集するにあたり、最も走行距離が短い収集経路を演算し、該走行距離が短いほど高い得点となるよう換算する走行距離得点換算手段と、前記作成されたグループのそれぞれについて、グループのカートリッジ数が多いほど高い得点となるよう換算するカートリッジ数得点換算手段と、前記合計吸着量得点、走行距離得点、カートリッジ数得点を合計し、該合計得点が最も高いグループのカートリッジの収集をするよう判断する収集グループ判断手段とを備えて構成したことを特徴とする吸着剤が充填されたカートリッジの収集システムである。
請求項2の発明は、グループ作成手段は、さらに予め設定される吸着量以下のカートリッジはグループに含まないように設定されていることを特徴とする請求項1記載の吸着剤が充填されたカートリッジの収集システムである。
請求項3の発明は、グループ作成手段は、さらに予め設定される個数以下のカートリッジ数のグループ作成をしないように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の吸着剤が充填されたカートリッジの収集システムである。
請求項4の発明は、収集グループ判断手段は、さらに予め設定される走行距離以上の収集経路のグループは収集しないと判断するように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の吸着剤が充填されたカートリッジの収集システムである。
請求項5の発明は、合計吸着量得点、走行距離得点、カートリッジ数得点の換算は、各得点が同じ比率であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の吸着剤が充填されたカートリッジの収集システムである。
請求項6の発明は、合計吸着量得点、走行距離得点、カートリッジ数得点の換算は、各得点のうちの少なくとも2つが異なる比率であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の吸着剤が充填されたカートリッジの収集システムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明とすることにより、同一種のVOCを吸着しているカートリッジを纏めて収集するにあたり、予め設定される収集地域内にある全てのカートリッジの中から優先収集すると判定されたカートリッジを含んだカートリッジのグループを作成し、該グループの中から、カートリッジのVOCの合計吸着量、カートリッジを収集した場合の走行距離、カートリッジ数を得点換算し、該換算された得点の合計点が最も高いグループのカートリッジを収集すると判断するものであるから、該判断されたグループのカートリッジを収集した場合、VOC脱着施設における脱着効率の向上が図れるのみならず、カートリッジ収集における走行距離を短くすることによって運搬費用を削減することが出来、さらになるべく多数のカートリッジを一度に脱着処理することによってVOC脱着される処理カートリッジ数の増加を図ることが出来る。そして、これらVOC脱着効率の向上、運搬費用の削減、VOC脱着処理カートリッジ数の増加のそれぞれの条件がバランス良く考慮されたカートリッジ収集を実施することが出来る。
請求項2の発明とすることにより、脱着装置の稼動効率向上に寄与しないVOCの吸着量が少ないカートリッジを予めグループ作成から除外することが出来るとともに、グループ作成の効率化を図ることが出来る。
請求項3の発明とすることにより、脱着装置におけるVOC脱着処理カートリッジ数の増加に寄与しない少ないカートリッジ数のグループは作成されないことになって、グループ作成の効率化を図ることが出来る。
請求項4の発明とすることにより、カートリッジを収集するための経路を作成した場合、走行距離が予め設定される走行距離以上に長い場合は収集しないと判断されるため、運搬費用のコスト削減を図ることが出来る。
請求項5の発明とすることにより、各グループのVOC合計吸着量、走行距離、VOC脱着処理カートリッジ数は、それぞれが等しい比率で得点換算されるため、VOC脱着装置における脱着効率、カートリッジ収集における運搬費用、VOC脱着処理されるカートリッジ数の3つの条件が均等に考慮された収集グループ判断手段とすることが出来る。
請求項6の発明とすることにより、各グループのVOC合計吸着量、走行距離、VOC脱着処理カートリッジ数は、少なくとも何れかが他と異なる比率で得点換算されるため、重視すべき条件の比率を高くすることによってより効率的な収集グループ判断手段とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】カートリッジ収集システムの構成を示すブロック図である。
【図2】カートリッジ収集スケジュール作成の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態における各VOC使用施設のVOC吸着量を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態における収集スケジュール作成用得点表を示すグラフ図である。
【図5】(A)、(B)、(C)は、それぞれ本発明の実施の形態における合計吸着量得点換算表、走行距離得点換算表、カートリッジ数得点換算表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<吸着装置>
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において1はVOCを使用するVOC使用施設であって、該VOC使用施設1には、洗浄装置として例示されるVOC発生装置2と、該VOC発生装置2から発生したVOCを吸着するための吸着装置3が設けられ、該吸着装置3には、前記発生したVOCを吸着するための吸着剤(活性炭やゼオライト等)4が充填されたカートリッジ5が着脱自在に装着されている。そして吸着装置3は、従来公知のものを採用しているのでその詳細は省略するが、VOC発生装置2で発生したVOC混合空気が流入管6を介して流入し、吸着剤4によってVOCを吸着し、該VOCが吸着された空気を流出管7を介して外気に排出するようになっている。これら流入管6、流出管7には濃度センサ8、9がそれぞれ設けられており、該濃度センサ8、9は、VOC使用施設1に設けた吸着側端末10に接続されている。そして濃度センサ8、9で測定された濃度データは、吸着側端末10によって演算処理されて、VOC使用施設1内の各カートリッジ5の吸着量データとしてコントロールセンター11に設けたサーバ(ホストコンピュータ)12に送信されるようになっている。
【0015】
<脱着装置>
13はVOCを吸着している吸着剤4からVOCを脱着して回収するための脱着回収装置14が設置されたVOC脱着回収施設である。前記脱着回収装置14には、VOC吸着済のカートリッジ5を複数個同時に装着可能なVOC脱着槽15が設けられ、該VOC脱着槽15に過熱蒸気発生装置16によって発生した過熱蒸気が流入するようになっている。VOC脱着槽15から排出された過熱蒸気が通過する排出管17には脱着監視センサ18が設けられるが、該脱着監視センサ18は、本実施の形態では温度センサを採用し、該温度センサが脱着ガス温度の急上昇を検知したときをVOC脱着槽15による脱着が終了したと判断している。そして前記脱着監視センサ18の温度データは、VOC脱着回収施設13に設けられた脱着側端末19を介して前記コントロールセンター11のサーバ12に送信されるようになっている。
尚、20はVOC脱着槽15から排出された過熱蒸気を予冷するための予冷凝縮器、21は予冷凝縮器20によって液化した有機溶剤含有水を貯蔵するための凝縮液タンク、22は該凝縮液タンク21からの有機溶剤含有水を冷却器23による冷却によって凝縮させて有機溶剤と水とに分離し、それぞれ回収するための低温凝縮器である。本実施の形態ではこれらの装置を用いてVOC吸着済カートリッジからVOC脱着を行い、脱着後のVOC含有ガスを冷却してVOCと分離水とに分離回収するものであるが、斯かる脱着回収装置14は従来公知のものを採用しているので、その詳細は省略する。
【0016】
<個体標識>
カートリッジ5には、カートリッジ5を識別するための例えば識別ラベルやICチップ等の個体標識24がそれぞれ設けられており、これらを読み込むことで吸着装置3に装着されているカートリッジ5の個々の認識ができるようになっている。
【0017】
<吸着側端末>
吸着側端末10では、個体標識24のデータが読込まれると共に、該データ読み込みによって識別されたカートリッジ5における前記濃度センサ8、9からの濃度データを受信し、これらデータを基に予め設定された演算処理を行って吸着量データ、交換時期データとしてサーバ12に送信するネットワーク端末である。具体的には吸着側端末10では以下の処理を行う。
(1) まず、カートリッジ5の個体標識24のデータ読み込みによって該カートリッジ5が吸着装置3内で吸着処理を開始したと判断する。尚、個体標識24の入力が新たになされたとき、前回装着されていたカートリッジ5が今回のカートリッジ5に交換されたと判断し、データ書換えをするようになっている。
(2) 次に、読込まれたカートリッジ5が装着された吸着装置3の濃度センサ8、9から送信される各濃度データを受信し、該濃度データの濃度差に基づいてカートリッジ5のVOC吸着量を演算して、該演算結果をカートリッジの吸着量データとしてサーバ12に送信する。
(3) さらに、前記排出管側の濃度センサ9の排気濃度が、交換時期として予め設定される設定値(破過値よりも低い値)に達したか否かの判断を行い、交換時期に達したと判断した場合、該カートリッジ5の交換時期データをサーバ12に送信する。
【0018】
<集配センター>
集配センター25は、前記VOC脱着回収施設13の敷地内或いはVOC脱着回収施設13に隣接して設置される各種カートリッジの保管施設であって、該集配センター25には、未使用カートリッジ5a、吸着済カートリッジ5b、再生カートリッジ5cが区別して保管される。そして、これらカートリッジ5は、集配センター25への出入庫に際して個体標識24が読込まれ、センター端末26に送信されることでカートリッジ5の集配センター25における出入庫管理がなされるようになっている。そして、センター端末26で受信される出入庫データは常にサーバ12に送信されるようになっている。
【0019】
<運搬車両>
集配センター25には、カートリッジ5を運搬するための運搬車両27が待機しており、該運搬車両27によって、VOC使用施設1、VOC脱着回収施設13、集配センター25の各施設のカートリッジ5が集配されるようになっている。
【0020】
<コントロールセンター>
コントロールセンター11は、内部に設置されるサーバ12によって全てのカートリッジ5の管理を行うとともに、VOC使用施設1、VOC脱着回収施設13、集配センター25の各施設と通信ネットワーク28を通じてカートリッジデータの送受信を行い、該データに基づいてカートリッジ5を集配するためのスケジュールを作成する。
サーバ12には、(1)各カートリッジデータファイル、(2)VOC使用施設データファイル、(3)VOC脱着回収施設データファイル、(4)施設間経路データファイル等の各種のデータファイルが予め登録されるデータベース部12aと、スケジュール作成部12eでVOC吸着済カートリッジの収集スケジュールを作成する際に使用される合計吸着量得点換算表、走行距離得点換算表、カートリッジ数得点換算表が予め登録される得点換算表登録部12bと、吸着側端末10、脱着側端末19、センター端末26とでカートリッジ5の個体識別データ、吸着量データ、交換時期データ等の各種カートリッジデータの送受信を行う送受信部12cと、送受信部12cで送受信されるデータやスケジュール作成部12eで作成されるスケジュールデータに基づいてデータベース部12aのデータを更新処理するデータ更新部12dと、吸着側端末10、脱着側端末19、センター端末16から送信されるカートリッジデータを基にカートリッジの集配スケジュールを作成し、該集配スケジュールに基づいてさらに配送スケジュール、収集スケジュール、回収処理スケジュール、出入庫スケジュール、配車スケジュール等のスケジュールを作成するスケジュール作成部12eとが備えられている。
そして、スケジュール作成部12eによって作成された各スケジュールは、送受信部12cから吸着側端末10、脱着側端末19、センター端末26に送信されることで各VOC使用施設1、VOC脱着回収施設13、集配センター25に周知されるようになっている。
【0021】
前記データベース部12aには、予め以下のデータファイルが登録されている。
(1)カートリッジデータファイル
カートリッジデータファイルには、各カートリッジ5の識別番号、使用開始年月日、各VOC使用施設1におけるVOC吸着に関する履歴データ(例えば、過去に吸着を行ったVOC使用施設名、該VOC使用施設でのVOC吸着期間および吸着量、吸着したVOCの種類等の履歴)やVOC脱着回収施設13におけるVOC脱着に関する履歴データ(例えば、過去の脱着におけるVOC脱着時間および脱着量、脱着したVOCの種類等の履歴等)が記憶される。
(2)VOC使用施設データファイル
VOC使用施設データファイルには、各VOC使用施設1の所在地、VOC使用施設1で使用されているVOCの種類(溶剤種)、吸着装置3に関するデータ(例えば、装着可能なカートリッジ5の個数、実際に吸着処理に装着されたカートリッジ5の数、濃度センサ8、9に関するデータ等)が記憶される。
(3)VOC脱着回収施設データファイル
VOC脱着回収施設データファイルには、各VOC脱着回収施設13の所在地、脱着装置14に関するデータ(例えば、VOC脱着槽15に装着可能なカートリッジ5の個数、脱着処理時に装着されたカートリッジ5の数、過熱蒸気発生装置16から供給される過熱ガスの温度、脱着されたVOC量、VOC脱着に要した時間等の履歴、予冷凝縮器20、凝縮液タンク21、低温凝縮器22、冷却器23の各種装置に関する履歴等)が記憶される。
(4)施設間経路データファイル
施設間の経路データファイルには、各VOC使用施設1とVOC脱着回収施設13とを結ぶ最短経路を含む経路、各VOC使用施設間の最短経路を含む経路、各経路における走行距離等の施設間経路に関するデータが記憶される。
(5)運搬車両データファイル
運搬車両データファイルには、運搬車両27の台数、各運搬車両27の最大積載量、車両搭載用のVOC脱着回収装置搭載の有無等の運搬車両27に関するデータが記憶される。
【0022】
そして、前記スケジュール作成部12eでは、吸着側端末10、脱着側端末19、センター端末26から送信されるカートリッジデータおよびデータベース部12aに登録されている各種データを基に、まずカートリッジの集配スケジュールを作成し、該集配スケジュールに基づいて以下の手順により集配地域における収集スケジュールを作成する。
【0023】
まず、図2に示すステップ1(S1)で、データベース部12aから予め設定される集配地域にあるカートリッジのデータ、VOC使用施設データ、VOC脱着回収施設データ、施設間経路データを読み込み、さらに得点換算表登録部12bに予め登録されている合計吸着量得点換算表、走行距離得点換算表、カートリッジ数得点換算表を読込むと共に、送受信部12bが受信したカートリッジ5の個体識別データ、吸着量データ、交換時期データを読込む。
【0024】
次に、ステップ2(S2)で、集配地域にあるVOC使用施設1の吸着側端末10から送信されるカートリッジ5の交換時期データによって、交換時期が到来していると判定されるカートリッジ5の有無を判断し、該当するカートリッジ5が有れば該該当カートリッジ5を優先収集すると判定し、該当カートリッジ5が無ければ、吸着側端末10から送信されるカートリッジ5の吸着量データから、最も吸着量が多いカートリッジ5を選出し、優先収集すると判定する(優先カートリッジ判定手段)。
【0025】
本実施の形態では、図3に示すように、予め設定される集配地域Dにカートリッジ5がVOCを吸着しているVOC使用施設1が15箇所ある場合を例として説明する。これらVOC使用施設1a〜1pの各吸着側端末10から送信される吸着量データにより、例えば、施設1aではカートリッジ5aが溶剤種Aを30kg、施設1bではカートリッジ5bが溶剤種Bを20kg、施設1cではカートリッジ5cが溶剤種Cを10kg、施設1dではカートリッジ5dが溶剤種Bを18kg、施設1eではカートリッジ5eが溶剤種Aを28kg、施設1fではカートリッジ5fが溶剤種Cを22kg、施設1gではカートリッジ5gが溶剤種Aを5kg、施設1hではカートリッジ5hが溶剤種Aを20kg、施設1iではカートリッジ5iが溶剤種Aを18kg、施設1jではカートリッジ5jが溶剤種Bを15kg、施設1kではカートリッジ5kが溶剤種Aを19kg、施設1lではカートリッジ5lが溶剤種Cを10kg、施設1mではカートリッジ5mが溶剤種Aを8kg、施設1nではカートリッジ5nが溶剤種Aを15kg、施設1pではカートリッジ5pが溶剤種Aを10kg吸着している、とのデータが読込まれる。
【0026】
そして、交換時期はVOC吸着量30kg(キログラム)と設定されており、これによって施設1aのカートリッジ5aは交換時期に達したと判断され、該カートリッジ5aは優先収集すると判定されるが、仮に交換時期に達しているカートリッジ5が無い場合には、集配地域の全カートリッジ5a〜5pの吸着量データから、VOCの吸着量が最も多い施設1aのカートリッジ5aが選出され、これを優先収集すると判定するように設定されている。
【0027】
次に、ステップ3(S3)で、前記ステップ2で優先収集すると判定されたカートリッジ5aを含み、集配地域Dで同じVOCを吸着している全てのカートリッジ5a〜5pの中から、該カートリッジ5a〜5pが運搬される予定のVOC脱着回収施設13にある一つの脱着装置14で同時処理可能なカートリッジ数を限度として選択される任意の個数のカートリッジ5の組み合わせを一つのグループとして、該グループをカートリッジ5の同一組み合わせがないようにして全てのグループを作成する(グループ作成手段)。
【0028】
本実施の形態では、前記ステップ2で優先収集すると判定されたカートリッジ5aと同じ溶剤種を吸着しているカートリッジ5は、施設1e、1g、1h、1i、1k、1m、1n、1pにそれぞれ装着されているカートリッジ5e、5g、5h、5i、5k、5m、5n、5pの8個である。一方で、VOC脱着回収施設13にある一つの脱着装置14の同時処理可能なカートリッジ数は5個である。そこで前記8個のカートリッジの中から必ずカートリッジ5aを含ませたカートリッジ数5個以下のグループを作成すれば良い。
カートリッジ5aは既に組み合わせることが決まっているのであるから、残る4個以下のカートリッジについて組み合わせは以下の通りとなる。
組み合わせを求める公式は、
nCr=n(n−1)(n−2)・・・(n−r+1)/r(r−1)(r−2)・・・2×1・・・n=選出対象物の個数 r=選出個数・・・(式1)
である。
まず、4個のカートリッジの組み合わせとして、上記式1に、n=8、r=4を与えると、
nCr=8×7×6×5/4×3×2×1=70
となり、70通りの組み合わせがある。
次に、3個のカートリッジの組み合わせとして、上記式1に、n=8、r=3を与えると、
nCr=8×7×6/3×2×1=56
となり、56通りの組み合わせがある。
次に、2個のカートリッジの組み合わせとして、上記式1に、n=8、r=2を与えると、
nCr=8×7/2×1=28
となり、28通りの組み合わせがある。
最後に、1個のカートリッジの組み合わせとして、上記式1に、n=8、r=1を与えると、
nCr=8/1=8
となり、8通りの組み合わせがある。
これらのカートリッジの組み合わせを全て合計すると、
70+56+28+8=162
となり、本実施の形態では、溶剤種Aの優先収集カートリッジを含む一つの脱着装置14で同時処理可能なカートリッジ数を限度として選択される任意の個数のカートリッジ5の組み合わせは全部で162通りである。
【0029】
次に、ステップ4(S4)で、前記ステップ3で作成されたグループのそれぞれについて、各カートリッジ内に吸着されているVOCの合計吸着量を算出し、該合計吸着量が多いほど高い得点となるよう得点換算する(合計吸着量得点換算手段)。
【0030】
本実施の形態では、ステップ3で作成された162通りのカートリッジグループの全てについて、各グループのカートリッジの合計吸着量を演算する。すると、図4に示す収集スケジュール作成用得点表のように、最も合計吸着量の多いグループAは合計吸着量が115kg、次に合計吸着量の多いグループBは合計吸着量が112kg、中位の合計吸着量であるグループNの合計吸着量は61kg、最も合計吸着量の少ないグループYは合計吸着量が35kgである。
この合計吸着量を、図5(A)の表に示すように、合計吸着量が100kg以上は得点10、90kg〜99kgは得点9・・・20kg〜29kgは得点2、19kg以下は得点1という得点換算表登録部12bに予め入力された合計吸着量得点換算表を基に得点換算して、該換算得点を各グループの合計吸着量得点とする。本実施の形態の場合、図4に示す収集スケジュール作成用得点表のように、グループAおよびグループBの合計吸着量得点は10、グループNの合計吸着量得点は6、グループYの合計吸着量得点は3となる。
【0031】
次に、ステップ5(S5)で、前記ステップ3で作成されたグループのそれぞれについて、全てのカートリッジ5を収集するにあたり、最も走行距離が短い収集経路を演算し、該走行距離が短いほど高い得点となるよう得点換算する(走行距離得点換算手段)。
【0032】
本実施の形態では、前記ステップ3で作成された162通りのカートリッジグループの全てについて、予めサーバ12に入力されている距離データに基づいて、各グループのカートリッジを収集した場合の最短経路を演算し該最短経路における走行距離を演算すると、グループAの走行距離は50km、グループBの走行距離は35km、グループNの走行距離は10km、グループYの走行距離は22kmである。
この走行距離を、図5(B)の表に示すように、走行距離46km以上は得点1、41km〜45kmは得点2・・・11km〜15kmは得点8、6km〜10kmは得点9、5km以下は得点10という得点換算表登録部12bに予め入力された走行距離得点換算表を基に得点換算して、該換算得点を各グループの走行距離得点とする。本実施の形態の場合、図4に示す収集スケジュール作成用得点表のように、グループAの走行距離得点は1、グループBの走行距離得点は4、グループNの走行距離得点は9、グループYの走行距離得点は6となる。
【0033】
次に、ステップ6(S6)で、前記ステップ3で作成されたグループのそれぞれについて、グループのカートリッジ数が多いほど高い得点となるよう得点換算する(カートリッジ数得点換算手段)。
【0034】
本実施の形態では、前記ステップ3で作成された162通りのカートリッジグループの全てについて、各グループのカートリッジ数を演算する。すると、図4に示す収集スケジュール作成用得点表のように、グループAおよびグループBのカートリッジ数は5、グループNのカートリッジ数は4、グループYのカートリッジ数は2である。
このカートリッジ数を、図5(C)の表に示すように、カートリッジ数が5個は得点10、カートリッジ数が4個は得点8、カートリッジ数が3個は得点6、カートリッジ数が2個は得点4、カートリッジ数が1個は得点2という得点換算表登録部12bに予め入力されたカートリッジ数得点換算表を基に得点換算して、該換算得点を各グループのカートリッジ数得点とする。本実施の形態の場合、図4に示す収集スケジュール作成用得点表のように、グループAおよびグループBのカートリッジ数得点は10、グループNのカートリッジ数得点は8、グループYのカートリッジ数得点は4となる。
【0035】
次に、ステップ7(S7)で、前記ステップ3で作成されたグループのそれぞれについて、合計吸着量得点、走行距離得点、カートリッジ数得点を合計する。
【0036】
本実施の形態では、前記ステップ3で作成された162通りのカートリッジグループの全てについて、合計吸着量得点、走行距離得点、カートリッジ数得点を合計する。前記グループAの場合は合計点は21、グループBの場合は合計点は24、グループNの場合は合計点は23、グループYの場合は合計点は13となり、グループBが最も高い合計点である。
【0037】
最後に、ステップ8(S8)で、ステップ7で合計した合計吸着量得点、走行距離得点、カートリッジ数得点の合計点が最も高いグループのカートリッジを収集すると判断する(収集グループ判断手段)。
本実施の形態では、前記ステップ3で作成された162通りのカートリッジグループの中からグループBのカートリッジ5a、5e、5h、5k、5nを収集すると判断する。
【0038】
尚、本実施の形態では、集配地域Dで優先収集すると判定したカートリッジ5と同じ溶剤種を吸着しているカートリッジの全てを組み合わせの対象としたが、これに限定されるものではなく、吸着量が予め設定される所定量に達していないカートリッジは組み合わせの対象から除外するとしても良く、このようにすることで脱着装置の稼動効率向上に寄与しないVOCの吸着量が少ないカートリッジを予めグループ作成から除外することが出来る。またこれら吸着量のカートリッジを除外することによってグループ作成の効率化を図ることが出来る。
本実施の形態の場合、予め組み合わせの対象としないVOC吸着量を例えば10kg未満とした場合は、カートリッジ5g、5mは予め組み合わせの対象から除外されることになる。
【0039】
また、組み合わせるカートリッジの個数が予め設定された所定数以下のグループは作成しない(除外する)としても良く、このようにすることで脱着装置におけるVOCが脱着処理されるカートリッジ数の増加に寄与しない少ないカートリッジ数のグループは作成されないことになる。またこれらカートリッジ数の少ないグループを作成しないことによってグループ作成の効率化を図ることが出来る。
、 本実施の形態の場合、グループのカートリッジ数を3以上とした場合は、グループYの組み合わせは作成されないことになる。
【0040】
また、走行距離が予め設定される所定走行距離よりも長いグループは収集しない(除外する)と判断するように設定しても良く、このようにすることで運搬費用のコスト削減を図ることが出来る。
本実施の形態の場合、予め除外される走行距離を50km以上とした場合は、グループAは収集しないと判断され、グループAが収集スケジュールとなることはない。
【0041】
尚、このような吸着量が所定量以下のカートリッジの除外、所定数以下のカートリッジのグループの除外、所定走行距離以上のグループの除外といった除外条件は、何れかの除外条件のみを設定しても良いし、何れか2つ、或いは全ての除外条件を設定しても良いことは勿論である。
【0042】
また、本実施の形態においては、換算される吸着量得点、走行距離得点、カートリッジ数得点は、全て同じ比率、つまりそれぞれの取得可能得点(満点)を10としたが、これに限定されるものではなく、異なる比率として実施することも出来る。
例えば、本実施の形態における走行距離を10点満点ではなく5点満点としても良く、このようにした場合、本実施の形態におけるグループAの走行距離得点は0.5、グループBの走行距離得点は2、グループNの走行距離得点は4.5、グループYの走行距離得点は3となり、合計点もそれぞれグループAが20.5点、グループBが22点、グループNが18.5点、グループYが10点となる(図4における括弧内の数字)。
このように換算得点の比率は吸着装置3におけるVOCの合計吸着量の度合いや運搬車両27を走行させる際の走行費用、脱着装置14の脱着処理能力の如何等種々の状況による変更が可能であり、状況に応じて効率的な比率を任意に設定することが出来る。
尚、本実施の形態における合計吸着量、走行距離、カートリッジ数等の数値はあくまで例示されたものであって、これに限定されるものではないことは勿論である。
【0043】
このようにして作成される一回分の収集スケジュールを所定日数分作成したら、該所定日数分の収集スケジュールに基づいて、脱着装置14の回収処理スケジュール、集配センターの出入庫スケジュール、運搬車両の配送スケジュールを作成する。
【0044】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、VOC使用施設1から発生するVOCガスをカートリッジ5に充填した吸着剤4に吸着させ、該吸着したVOCを脱着回収するためにカートリッジ5を収集するカートリッジの収集システムにおいて、該収集は、カートリッジ5の吸着量データおよび交換時期データによって優先収集するカートリッジを判定し、該優先収集カートリッジと同じ収集地域にあるカートリッジであり、かつ、同じVOCを吸着しているカートリッジを対象に、前記交換カートリッジを必ず含み、かつ、VOC脱着装置7の一つの脱着装置で同時処理可能な個数を限度とする任意の個数のカートリッジの組み合わせを一つのグループとして、該グループの組み合わせをカートリッジの同一組み合わせがないようにして全て作成し、該作成されたグループのそれぞれに対して、該グループのカートリッジが吸着しているVOCの合計吸着量を算出し、該合計吸着量が多いほど高い得点となるように換算された得点を与えて合計吸着量得点とし、前記グループのそれぞれに対して、前記運搬車両によってグループ全てのカートリッジを収集するにあたり最も走行距離が短い収集経路を演算し、該演算された収集経路に対して、該走行距離が短いほど高い得点となるように換算された得点を与えて走行距離得点とし、さらに、前記グループのそれぞれに対して、グループを構成するカートリッジの個数が多いほど高い得点となるように換算された得点を与えてカートリッジ数得点とし、これら合計吸着量得点、走行距離得点、カートリッジ数得点を合計した合計点が一番高いグループのカートリッジを最も走行距離が短い収集経路によって収集すると判断するものであるから、該判断されたカートリッジを収集してVOC脱着した場合、VOC脱着施設における脱着効率を向上させることが出来るのみならず、脱着処理されるカートリッジ数を増加させることが出来、カートリッジの収集における運搬費用も削減することが出来て、脱着効率、処理されるカートリッジ数、運搬費用の3つの条件を満たした効率の良いカートリッジ収集をすることが出来る。従って、収集にあたっての費用を極力削減しながら、VOCの脱着効率を高めると共に脱着処理されるカートリッジ数も増加させたVOC吸着済カートリッジの収集システムとすることが出来る。
そして、このようなカートリッジ収集を行うことによってVOC脱着に関わるコストを全体的に削減することが出来て、ひいてはVOC排出施設事業者の費用負担を軽減することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、揮発性有機化合物を使用する施設等で発生する揮発性有機化合物ガスを吸着した吸着剤が充填されるカートリッジから揮発性有機化合物を脱着して回収する揮発性有機化合物の回収システムにおけるカートリッジの収集システムの技術分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 VOC使用施設
4 吸着剤
5 カートリッジ
13 VOC脱着回収施設
27 運搬車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性有機化合物ガスを吸着するための吸着剤が充填されるカートリッジのうち、前記有機化合物の使用施設で該有機化合物ガスを吸着剤に吸着させたものを、該吸着した吸着剤から有機化合物を脱着すべく脱着施設に収集するためのカートリッジの収集システムにおいて、
該収集システムを、同一種の有機化合物ガス吸着に用いられているカートリッジの複数個を運搬車両で纏めて収集するように構成するにあたり、
予め設定される収集地域にある全てのカートリッジの中から交換時期に達しているものを優先収集するものとし、これがないときには最も吸着量が多いカートリッジを優先収集するものと判定する優先カートリッジ判定手段と、
該優先カートリッジを含み、前記全てのカートリッジの中から脱着施設にある一つの脱着装置で同時処理可能なカートリッジ数を限度として選択される任意の個数のカートリッジの組合せを一つのグループとし、該グループをカートリッジの同一組合せがないようにして複数作成するグループ作成手段と、
前記作成されたグループのそれぞれについて、各カートリッジ内に吸着されている有機化合物ガスの合計吸着量を算出し、該合計吸着量が多いほど高い得点となるよう換算する合計吸着量得点換算手段と、
前記作成されたグループのそれぞれについて、グループ全てのカートリッジを収集するにあたり、最も走行距離が短い収集経路を演算し、該走行距離が短いほど高い得点となるよう換算する走行距離得点換算手段と、
前記作成されたグループのそれぞれについて、グループのカートリッジ数が多いほど高い得点となるよう換算するカートリッジ数得点換算手段と、
前記合計吸着量得点、走行距離得点、カートリッジ数得点を合計し、該合計得点が最も高いグループのカートリッジの収集をするよう判断する収集グループ判断手段とを備えて構成したことを特徴とする吸着剤が充填されたカートリッジの収集システム。
【請求項2】
グループ作成手段は、さらに予め設定される吸着量以下のカートリッジはグループに含まないように設定されていることを特徴とする請求項1記載の吸着剤が充填されたカートリッジの収集システム。
【請求項3】
グループ作成手段は、さらに予め設定される個数以下のカートリッジ数のグループ作成をしないように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の吸着剤が充填されたカートリッジの収集システム。
【請求項4】
収集グループ判断手段は、さらに予め設定される走行距離以上の収集経路のグループは収集しないと判断するように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の吸着剤が充填されたカートリッジの収集システム。
【請求項5】
合計吸着量得点、走行距離得点、カートリッジ数得点の換算は、各得点が同じ比率であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の吸着剤が充填されたカートリッジの収集システム。
【請求項6】
合計吸着量得点、走行距離得点、カートリッジ数得点の換算は、各得点のうちの少なくとも2つが異なる比率であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の吸着剤が充填されたカートリッジの収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−91548(P2013−91548A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234815(P2011−234815)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(399031883)株式会社モリカワ (19)
【Fターム(参考)】