吸込口体及びこれを有する電気掃除機
【課題】
傾斜パイル地を吸込口底面に配置した電気掃除機において、絨毯やカーペットなどの起毛した布地に絡まった毛髪、ペットの毛等、繊維形状の塵埃を効果的に、持続的に除塵することと、人手によらないで、パイル地に集塵された塵埃を、電気掃除機の集塵室に送る。
【解決手段】
吸込口体底面において、吸込口22と排出口23の間に傾斜パイル地が貼られた回動する半円筒集塵体26と、それぞれに対向する位置に除塵体27−2、28−2を配置する。
パイル地が摺動している間、前記半円筒集塵体26の少なくとも片側の上縁が通風路24に位置するように、半円筒集塵体26の寸法と配置する位置を調整する。
傾斜パイル地を吸込口底面に配置した電気掃除機において、絨毯やカーペットなどの起毛した布地に絡まった毛髪、ペットの毛等、繊維形状の塵埃を効果的に、持続的に除塵することと、人手によらないで、パイル地に集塵された塵埃を、電気掃除機の集塵室に送る。
【解決手段】
吸込口体底面において、吸込口22と排出口23の間に傾斜パイル地が貼られた回動する半円筒集塵体26と、それぞれに対向する位置に除塵体27−2、28−2を配置する。
パイル地が摺動している間、前記半円筒集塵体26の少なくとも片側の上縁が通風路24に位置するように、半円筒集塵体26の寸法と配置する位置を調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸込口体に設けるブラシ及びこれを有する電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吸込口体を設けた電気掃除機はフローリングのような硬い床面に対しては、高い除塵効果を有しているが、絨毯やカーペットなどの起毛した布地に絡まった毛髪、ペットの毛等、繊維形状の塵埃を除塵する効果は小さかった。
一方このような起毛布地に絡まった繊維形状の塵埃に対しては、傾斜パイル地で起毛布地の表面を擦ることが有効であり、傾斜パイル地を、吸込口の底面に設けることが知られている。(特許文献1、特許文献2)
また、手動の清掃器具においては、回動する半円筒体に傾斜パイル地が取り付けられ、それと摺接する位置に傾斜パイル地が取り付けられ、床からの塵埃の捕塵と、それを清掃器具上部に排出する機構を持つ掃除機が発明され、販売されている。(特許文献3、特許文献4)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−224537
【特許文献2】特開2003−265375
【特許文献3】特開昭56−148328
【特許文献4】特開2009−207646
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、特許文献2のように傾斜パイル地を、真空掃除機の吸込口体の底部に取り付け、絨毯等の上で吸込口体を前後に移動することによって、繊維形状の塵埃が、パイル地に集塵される。この塵埃は、パイル地に絡み取られているため、ノズルに向かう負圧による空気流のみでは、付着した繊維状の塵を完全に取り除くのは困難であり、少しずつ塵埃でパイル地表面が覆われ、清掃効果が低下していく。最終的には、ブラシ等を使用して、パイル地から取り除く必要がある。
それに対し、特許文献3、特許文献4の手動掃除機では、パイル地表面に付着した塵埃が、対向する位置に設けた除塵パイル地との摺接によって、回動するパイル地の上縁に集まり、上蓋側に自動で集塵され埃清掃効果が保たれる。しかしながら、頻繁に上蓋を開け、捕集された塵を排出しなければならず、手も汚れ、また塵埃を吸引してしまう恐れもある。
そこで、本発明で解決する課題は、電気掃除機を用い、絨毯やカーペットなどの起毛した布地に絡まった毛髪、ペットの毛等、繊維形状の塵埃を効果的に、持続的に除塵することと、人手によらないで、パイル地に集塵された塵埃を、電気掃除機の集塵室に送ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するため鋭意検討した結果なされたもので、特許文献3、特許文献4のパイル地上縁に集塵する機構を吸込口体内部に設け、集まった塵埃を、負圧による空気流を利用して、連続的に取り除き、電気掃除機本体の集塵室に送り込むことを特徴としたものである。
【0006】
請求項1に記載の発明にあたっては、電気掃除機の吸込口体において、前方部下面に吸
込口と、後部背面に掃除機本体と連通する排出口を設け、前記吸込口と前記排出口の間の通風路下側に、床に面する開口を設け、前記開口部を塞ぐ位置に、パイル地が貼られた回動する半円筒集塵体を設け、前記開口部を形成する前側と後側の側壁に、前記半円筒集塵体表面のパイル地と対向し摺接するパイル地が貼られた除塵体を設け、前記半円筒集塵体の外周の略中央部又は両末端縁部又は中央部から末端縁部の間に、面長方向に細長状で、半径方向外側に向けて突出した突起体を形成し、前記半円筒集塵体の回転軸が、吸込口体幅方向に平行で、開口の中心に位置しており、半円筒集塵体の寸法は、開口を塞げる面長、半径とし、半円筒集塵体の底部が吸込口体底面から、床方向に露出し床と接触し、吸込口体を前進、後進したときの回動停止位置において、半円筒集塵体の少なくとも上縁部が前記通風路に入るように、前記半円筒集塵体の回転軸高さ、及び半径を設定したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明にあたっては、前記半円筒集塵体に貼られたパイル地において、半径方向に対し右側に傾斜したパイル地が半円筒集塵体表面の吸込口体前方側に設けられ、半径方向に対し左側に傾斜したパイル地が半円筒集塵体表面の吸込口体後方側に設けられ、
前記開口部を形成する前側と後ろ側の壁に設置された除塵体に貼られたパイル地において、摺接する前記半円筒集塵体のパイル地に対し、それぞれ逆方向に傾斜したパイル地が貼られたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明にあたっては、前記半円筒集塵体に貼られたパイル地の表面に、起毛した繊維長よりも長い可撓性の柔軟な針状突起体が複数個設けられたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明にあたっては、前記半円筒集塵体の上面が塞がれていることを特徴とするものである。
【0010】
請求5に記載の発明にあたっては、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5のいずれかの吸込口体を有することを特徴とした電気掃除機である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、吸込口体を、前後に数回往復することによって、絨毯やカーペットなどの起毛した布地に絡まった毛髪、ペットの毛等、繊維形状の塵埃を、効果的に、持続して、手を汚すことなく除塵できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の吸込口体を取り付けた電気掃除機の全体図
【図2】本発明の吸込口体の斜視図
【図3】本発明の吸い込み口体の断面斜視図
【図4】本発明の吸い込み口体に実施の形態1での半円筒集塵体を取り付けた吸込口体の断面斜視図
【図5】本発明の吸込口体を前方に摺動したときの半円筒集塵体近傍の断面図
【図6】本発明の吸込口体を後方に摺動したときの半円筒集塵体近傍の断面図
【図7】本発明の実施の形態1における、半円筒集塵体、除塵体の断面図
【図8】本発明の実施の形態1における、集塵された塵の状態を示す断面斜視図。
【図9】吸込口体での空気流を示した断面斜視図
【図10】本発明の実施の形態2における、半円筒集塵体の断面図
【図11】本発明の実施の形態3における、半円筒集塵体の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明における吸込口体を有する電気掃除機の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、電気掃除機の外観の斜視図である。11は電動送風機、サイクロン集塵室などが内蔵された電気掃除機本体、13は掃除機本体の吸込口部12に一端が接続され他端が手元操作管14に接続されたホース、手元操作管14には、延長管15を介して吸込口体21が接続されている。
吸込口体21においては、図2、図3に示した通り、前方部下面に吸込口22と、後部背面に掃除機本体と連通する排出口23が設けられ、吸込口22から排出口23の間にある通風路24の下側に、床に面する開口部25が設けられる。
【0014】
図4に示したように、吸込口体21において、開口部25を塞ぐ位置に、パイル地が貼られた回動する半円筒集塵体26が設けられている。更に開口部25を形成する前側の壁27−1と後側の側壁28−1に、前記半円筒集塵体表面のパイル地と対向し摺接する位置にパイル地が貼られた前方除塵体27−2、後方除塵体28−2が設けられている。
ここで半円筒集塵体26の寸法は、開口を塞ぐ面長、直径とし、電動掃除機で吸引したときの開口部からの吸引を極力少なくし、また前方除塵体27−2、後方除塵体28−2はバネによって半円筒集塵体26に押され隙間を少なくし、吸込口22での吸引力を下げないようにしている。
半円筒集塵体26の一部は床方向に露出し、床と接触し、吸込口体を前後に移動したときに回転する。図5は前方に吸い込み口体を移動したときの半円筒集塵体26、前方除塵体27−2、後方除塵体28−2の拡大図で、図6は前方に吸い込み口体を移動したときの半円筒集塵体26、前方除塵体27−2、後方除塵体28−2の拡大図である。
【0015】
(実施の形態1)
図7に示したように、半円筒集塵体26の吸込口体前方側にある前方パイル地26−1は、半径方向に対し右側に傾斜した傾斜パイル地であり、吸込口体後方側にある後方パイル地26−2は、半径方向に対し左側に傾斜した傾斜パイル地である。更に開口部を形成する前側の側壁に取り付けられた前方除塵体27−2と後ろ側の側壁に取り付けられた後方除塵体28−2はバネによって半円筒集塵体のパイル地と接触する。前方除塵体27−2には、前方パイル地26−1と逆方向に傾斜したパイル地が貼られ、後方除塵体28−2には、後方パイル地26−2と逆方向に傾斜したパイル地が貼られている。なお図中、パイル地の部分は破線で示してある。
【0016】
また前方パイル地26−1と後方パイル地26−2の間には、面長方向に細長状で、半径方向外側に向けて突出した突起体29が形成されており、吸込口体21が前方に移動したときに、床との摩擦力によって半円筒集塵体26が反時計回りに回転し、突起体29が後方除塵体28−2の下面に当たり回転が停止する。吸込口体21を更に前方に進めることによって、前方パイル地26−1が床面と摺動し、集塵が行われる。
【0017】
次に、吸込口体を後方側に移動すると、半円筒集塵体26が時計回りに回転し、突起体29が前方除塵体27−2の下面に当たり回転が停止する。吸込口体21を更に後方に進めることによって、後方パイル地26−2が床面と摺動し、集塵が行われる。
【0018】
再度、吸込口体を前方側に移動すると、前方パイル地26−1に付着していた塵埃が、前方除塵体27−2に捕塵される。
更に、吸込口体を後方側に移動することによって、前方除塵体27−2に集塵されていた塵埃が、前方パイル地26−1の上縁に移る。この集塵された塵埃Bの状態を図8に示した。また後方パイル地26−2に集塵されていた塵埃が、後方除塵体28−2に捕塵される。
このとき、図9の空気流Aで示したように、半円筒集塵体26の前方側の上縁部が通風路24に入るように、半円筒集塵体の回転軸高さ、及び直径が設定されており、前方パイル地26−1の上縁に集塵された塵埃Bは、空気流によって、電気掃除機本体のサイクロン集塵室に運ばれる。
【0019】
ここから更に、吸込口体を前方側に移動することによって、後方除塵体27−2に集塵されていた塵埃が、後方パイル地26−2の上縁に移る。この塵埃は、前記同様の空気流Aによって、サイクロン集塵室に運ばれる。
このように吸込口体を前後に数回往復することによって、起毛布に絡まった繊維状の塵埃を、手を汚さずに効果的に取り除くことができる。なお塵埃は集塵され大きくなっているので、サイクロン部で更に分離されやすくなっている。
なお、前方パイル地26−1と後方パイル地26−2の周長は、異なっていても構わない。またどちらか一方の位置に傾斜パイル地が貼られ、他方には無くても構わない。
【0020】
(実施の形態2)
図10に示したように、起毛した繊維長よりも長い可撓性の針状突起体29が半径方向外側に複数個設けられている前方パイル地26−3と後方パイル地26−4が貼られた半円筒集塵体26を使用する。
床に敷いた起毛布の内部に、塵埃が潜り込み、パイルが届かない場合がある。その状態でも、細長突起が塵埃をパイル地表面に掻き出し、それをパイル地が捕集する。針状突起体30はゴム状の柔らかな可撓性の材料から成っており床を傷つけることがない。
【0021】
(実施の形態3)
図11に示したように、半円筒集塵体26の上面部が閉じられている。これによって、円筒内側に、塵埃が落ちて溜まることが無くなり、随時電気掃除機本体の集塵室に塵埃が運ばれる。
なお、上面部は平坦である必要は無く、凹形状、凸形状でも構わない。それぞれ26−5、26−6、26−7で示している。
【符号の説明】
【0022】
11は電気掃除機本体
12は電気掃除機本体の吸込口部
13はホース
14は手元操作管
15は延長管
21は吸込口体
22は吸込口
23は排出口
24は通風路
25は開口部
26は半円筒集塵体
26−1は前方パイル地
26−2は後方パイル地
26−3は針状突起体が設けられた前方パイル地
26−4は針状突起体が設けられた後方パイル地
26−5は上面が平坦な板で覆われた半円筒集塵体
26−6は上面が下に凸な板で覆われた半円筒集塵体
26−7は上面が上に凸な板で覆われた半円筒集塵体
27−1は開口部前側の壁
27−2は前方除塵体
28−1は開口部後ろ側の壁
28−2は後方除塵体
29は突起体
30は針状突起体
Aは空気流
Bは集塵された塵
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸込口体に設けるブラシ及びこれを有する電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吸込口体を設けた電気掃除機はフローリングのような硬い床面に対しては、高い除塵効果を有しているが、絨毯やカーペットなどの起毛した布地に絡まった毛髪、ペットの毛等、繊維形状の塵埃を除塵する効果は小さかった。
一方このような起毛布地に絡まった繊維形状の塵埃に対しては、傾斜パイル地で起毛布地の表面を擦ることが有効であり、傾斜パイル地を、吸込口の底面に設けることが知られている。(特許文献1、特許文献2)
また、手動の清掃器具においては、回動する半円筒体に傾斜パイル地が取り付けられ、それと摺接する位置に傾斜パイル地が取り付けられ、床からの塵埃の捕塵と、それを清掃器具上部に排出する機構を持つ掃除機が発明され、販売されている。(特許文献3、特許文献4)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−224537
【特許文献2】特開2003−265375
【特許文献3】特開昭56−148328
【特許文献4】特開2009−207646
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、特許文献2のように傾斜パイル地を、真空掃除機の吸込口体の底部に取り付け、絨毯等の上で吸込口体を前後に移動することによって、繊維形状の塵埃が、パイル地に集塵される。この塵埃は、パイル地に絡み取られているため、ノズルに向かう負圧による空気流のみでは、付着した繊維状の塵を完全に取り除くのは困難であり、少しずつ塵埃でパイル地表面が覆われ、清掃効果が低下していく。最終的には、ブラシ等を使用して、パイル地から取り除く必要がある。
それに対し、特許文献3、特許文献4の手動掃除機では、パイル地表面に付着した塵埃が、対向する位置に設けた除塵パイル地との摺接によって、回動するパイル地の上縁に集まり、上蓋側に自動で集塵され埃清掃効果が保たれる。しかしながら、頻繁に上蓋を開け、捕集された塵を排出しなければならず、手も汚れ、また塵埃を吸引してしまう恐れもある。
そこで、本発明で解決する課題は、電気掃除機を用い、絨毯やカーペットなどの起毛した布地に絡まった毛髪、ペットの毛等、繊維形状の塵埃を効果的に、持続的に除塵することと、人手によらないで、パイル地に集塵された塵埃を、電気掃除機の集塵室に送ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するため鋭意検討した結果なされたもので、特許文献3、特許文献4のパイル地上縁に集塵する機構を吸込口体内部に設け、集まった塵埃を、負圧による空気流を利用して、連続的に取り除き、電気掃除機本体の集塵室に送り込むことを特徴としたものである。
【0006】
請求項1に記載の発明にあたっては、電気掃除機の吸込口体において、前方部下面に吸
込口と、後部背面に掃除機本体と連通する排出口を設け、前記吸込口と前記排出口の間の通風路下側に、床に面する開口を設け、前記開口部を塞ぐ位置に、パイル地が貼られた回動する半円筒集塵体を設け、前記開口部を形成する前側と後側の側壁に、前記半円筒集塵体表面のパイル地と対向し摺接するパイル地が貼られた除塵体を設け、前記半円筒集塵体の外周の略中央部又は両末端縁部又は中央部から末端縁部の間に、面長方向に細長状で、半径方向外側に向けて突出した突起体を形成し、前記半円筒集塵体の回転軸が、吸込口体幅方向に平行で、開口の中心に位置しており、半円筒集塵体の寸法は、開口を塞げる面長、半径とし、半円筒集塵体の底部が吸込口体底面から、床方向に露出し床と接触し、吸込口体を前進、後進したときの回動停止位置において、半円筒集塵体の少なくとも上縁部が前記通風路に入るように、前記半円筒集塵体の回転軸高さ、及び半径を設定したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明にあたっては、前記半円筒集塵体に貼られたパイル地において、半径方向に対し右側に傾斜したパイル地が半円筒集塵体表面の吸込口体前方側に設けられ、半径方向に対し左側に傾斜したパイル地が半円筒集塵体表面の吸込口体後方側に設けられ、
前記開口部を形成する前側と後ろ側の壁に設置された除塵体に貼られたパイル地において、摺接する前記半円筒集塵体のパイル地に対し、それぞれ逆方向に傾斜したパイル地が貼られたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明にあたっては、前記半円筒集塵体に貼られたパイル地の表面に、起毛した繊維長よりも長い可撓性の柔軟な針状突起体が複数個設けられたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明にあたっては、前記半円筒集塵体の上面が塞がれていることを特徴とするものである。
【0010】
請求5に記載の発明にあたっては、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5のいずれかの吸込口体を有することを特徴とした電気掃除機である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、吸込口体を、前後に数回往復することによって、絨毯やカーペットなどの起毛した布地に絡まった毛髪、ペットの毛等、繊維形状の塵埃を、効果的に、持続して、手を汚すことなく除塵できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の吸込口体を取り付けた電気掃除機の全体図
【図2】本発明の吸込口体の斜視図
【図3】本発明の吸い込み口体の断面斜視図
【図4】本発明の吸い込み口体に実施の形態1での半円筒集塵体を取り付けた吸込口体の断面斜視図
【図5】本発明の吸込口体を前方に摺動したときの半円筒集塵体近傍の断面図
【図6】本発明の吸込口体を後方に摺動したときの半円筒集塵体近傍の断面図
【図7】本発明の実施の形態1における、半円筒集塵体、除塵体の断面図
【図8】本発明の実施の形態1における、集塵された塵の状態を示す断面斜視図。
【図9】吸込口体での空気流を示した断面斜視図
【図10】本発明の実施の形態2における、半円筒集塵体の断面図
【図11】本発明の実施の形態3における、半円筒集塵体の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明における吸込口体を有する電気掃除機の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、電気掃除機の外観の斜視図である。11は電動送風機、サイクロン集塵室などが内蔵された電気掃除機本体、13は掃除機本体の吸込口部12に一端が接続され他端が手元操作管14に接続されたホース、手元操作管14には、延長管15を介して吸込口体21が接続されている。
吸込口体21においては、図2、図3に示した通り、前方部下面に吸込口22と、後部背面に掃除機本体と連通する排出口23が設けられ、吸込口22から排出口23の間にある通風路24の下側に、床に面する開口部25が設けられる。
【0014】
図4に示したように、吸込口体21において、開口部25を塞ぐ位置に、パイル地が貼られた回動する半円筒集塵体26が設けられている。更に開口部25を形成する前側の壁27−1と後側の側壁28−1に、前記半円筒集塵体表面のパイル地と対向し摺接する位置にパイル地が貼られた前方除塵体27−2、後方除塵体28−2が設けられている。
ここで半円筒集塵体26の寸法は、開口を塞ぐ面長、直径とし、電動掃除機で吸引したときの開口部からの吸引を極力少なくし、また前方除塵体27−2、後方除塵体28−2はバネによって半円筒集塵体26に押され隙間を少なくし、吸込口22での吸引力を下げないようにしている。
半円筒集塵体26の一部は床方向に露出し、床と接触し、吸込口体を前後に移動したときに回転する。図5は前方に吸い込み口体を移動したときの半円筒集塵体26、前方除塵体27−2、後方除塵体28−2の拡大図で、図6は前方に吸い込み口体を移動したときの半円筒集塵体26、前方除塵体27−2、後方除塵体28−2の拡大図である。
【0015】
(実施の形態1)
図7に示したように、半円筒集塵体26の吸込口体前方側にある前方パイル地26−1は、半径方向に対し右側に傾斜した傾斜パイル地であり、吸込口体後方側にある後方パイル地26−2は、半径方向に対し左側に傾斜した傾斜パイル地である。更に開口部を形成する前側の側壁に取り付けられた前方除塵体27−2と後ろ側の側壁に取り付けられた後方除塵体28−2はバネによって半円筒集塵体のパイル地と接触する。前方除塵体27−2には、前方パイル地26−1と逆方向に傾斜したパイル地が貼られ、後方除塵体28−2には、後方パイル地26−2と逆方向に傾斜したパイル地が貼られている。なお図中、パイル地の部分は破線で示してある。
【0016】
また前方パイル地26−1と後方パイル地26−2の間には、面長方向に細長状で、半径方向外側に向けて突出した突起体29が形成されており、吸込口体21が前方に移動したときに、床との摩擦力によって半円筒集塵体26が反時計回りに回転し、突起体29が後方除塵体28−2の下面に当たり回転が停止する。吸込口体21を更に前方に進めることによって、前方パイル地26−1が床面と摺動し、集塵が行われる。
【0017】
次に、吸込口体を後方側に移動すると、半円筒集塵体26が時計回りに回転し、突起体29が前方除塵体27−2の下面に当たり回転が停止する。吸込口体21を更に後方に進めることによって、後方パイル地26−2が床面と摺動し、集塵が行われる。
【0018】
再度、吸込口体を前方側に移動すると、前方パイル地26−1に付着していた塵埃が、前方除塵体27−2に捕塵される。
更に、吸込口体を後方側に移動することによって、前方除塵体27−2に集塵されていた塵埃が、前方パイル地26−1の上縁に移る。この集塵された塵埃Bの状態を図8に示した。また後方パイル地26−2に集塵されていた塵埃が、後方除塵体28−2に捕塵される。
このとき、図9の空気流Aで示したように、半円筒集塵体26の前方側の上縁部が通風路24に入るように、半円筒集塵体の回転軸高さ、及び直径が設定されており、前方パイル地26−1の上縁に集塵された塵埃Bは、空気流によって、電気掃除機本体のサイクロン集塵室に運ばれる。
【0019】
ここから更に、吸込口体を前方側に移動することによって、後方除塵体27−2に集塵されていた塵埃が、後方パイル地26−2の上縁に移る。この塵埃は、前記同様の空気流Aによって、サイクロン集塵室に運ばれる。
このように吸込口体を前後に数回往復することによって、起毛布に絡まった繊維状の塵埃を、手を汚さずに効果的に取り除くことができる。なお塵埃は集塵され大きくなっているので、サイクロン部で更に分離されやすくなっている。
なお、前方パイル地26−1と後方パイル地26−2の周長は、異なっていても構わない。またどちらか一方の位置に傾斜パイル地が貼られ、他方には無くても構わない。
【0020】
(実施の形態2)
図10に示したように、起毛した繊維長よりも長い可撓性の針状突起体29が半径方向外側に複数個設けられている前方パイル地26−3と後方パイル地26−4が貼られた半円筒集塵体26を使用する。
床に敷いた起毛布の内部に、塵埃が潜り込み、パイルが届かない場合がある。その状態でも、細長突起が塵埃をパイル地表面に掻き出し、それをパイル地が捕集する。針状突起体30はゴム状の柔らかな可撓性の材料から成っており床を傷つけることがない。
【0021】
(実施の形態3)
図11に示したように、半円筒集塵体26の上面部が閉じられている。これによって、円筒内側に、塵埃が落ちて溜まることが無くなり、随時電気掃除機本体の集塵室に塵埃が運ばれる。
なお、上面部は平坦である必要は無く、凹形状、凸形状でも構わない。それぞれ26−5、26−6、26−7で示している。
【符号の説明】
【0022】
11は電気掃除機本体
12は電気掃除機本体の吸込口部
13はホース
14は手元操作管
15は延長管
21は吸込口体
22は吸込口
23は排出口
24は通風路
25は開口部
26は半円筒集塵体
26−1は前方パイル地
26−2は後方パイル地
26−3は針状突起体が設けられた前方パイル地
26−4は針状突起体が設けられた後方パイル地
26−5は上面が平坦な板で覆われた半円筒集塵体
26−6は上面が下に凸な板で覆われた半円筒集塵体
26−7は上面が上に凸な板で覆われた半円筒集塵体
27−1は開口部前側の壁
27−2は前方除塵体
28−1は開口部後ろ側の壁
28−2は後方除塵体
29は突起体
30は針状突起体
Aは空気流
Bは集塵された塵
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機の吸込口体において、前方部下面に吸込口と、後部背面に掃除機本体と連通
する排出口を設け、前記吸込口と前記排出口の間の通風路下側に、床に面する開口を設け、前記開口部を塞ぐ位置に、パイル地が貼られた回動する半円筒集塵体を設け、
前記開口部を形成する前側と後側の側壁に、前記半円筒集塵体表面のパイル地と対向し
摺接するパイル地が貼られた除塵体を設け、
前記半円筒集塵体の外周の略中央部又は両末端縁部又は中央部から末端縁部の間に、面長方向に細長状で、半径方向外側に向けて突出した突起体を形成し、
前記半円筒集塵体の回転軸が、吸込口体幅方向に平行で、開口の中心に位置しており、半円筒集塵体の寸法は、開口を塞げる面長、半径とし、
半円筒集塵体の底部が吸込口体底面から、床方向に露出し床と接触し、
吸込口体を前進、後進したときの回動停止位置において、半円筒集塵体の少なくとも上
縁部が前記通風路に入るように、前記半円筒集塵体の回転軸高さ、及び半径を設定したことを特徴とする吸込口体。
【請求項2】
前記半円筒集塵体に貼られたパイル地において、半径方向に対し右側に傾斜したパイル地が半円筒集塵体表面の吸込口体前方側に設けられ、半径方向に対し左側に傾斜したパイル地が半円筒集塵体表面の吸込口体後方側に設けられ、
前記開口部を形成する前側と後ろ側の壁に設置された除塵体に貼られたパイル地において、摺接する前記半円筒集塵体のパイル地に対し、それぞれ逆方向に傾斜したパイル地が貼られたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項3】
前記半円筒集塵体に貼られたパイル地の表面に、起毛した繊維長よりも長い可撓性の柔軟な針状突起体が複数個設けられたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項4】
前記半円筒集塵体の上面が板で塞がれていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかに記載の吸込口体。
【請求項5】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5のいずれかの吸込口体を有することを特徴とした電気掃除機。
【請求項1】
電気掃除機の吸込口体において、前方部下面に吸込口と、後部背面に掃除機本体と連通
する排出口を設け、前記吸込口と前記排出口の間の通風路下側に、床に面する開口を設け、前記開口部を塞ぐ位置に、パイル地が貼られた回動する半円筒集塵体を設け、
前記開口部を形成する前側と後側の側壁に、前記半円筒集塵体表面のパイル地と対向し
摺接するパイル地が貼られた除塵体を設け、
前記半円筒集塵体の外周の略中央部又は両末端縁部又は中央部から末端縁部の間に、面長方向に細長状で、半径方向外側に向けて突出した突起体を形成し、
前記半円筒集塵体の回転軸が、吸込口体幅方向に平行で、開口の中心に位置しており、半円筒集塵体の寸法は、開口を塞げる面長、半径とし、
半円筒集塵体の底部が吸込口体底面から、床方向に露出し床と接触し、
吸込口体を前進、後進したときの回動停止位置において、半円筒集塵体の少なくとも上
縁部が前記通風路に入るように、前記半円筒集塵体の回転軸高さ、及び半径を設定したことを特徴とする吸込口体。
【請求項2】
前記半円筒集塵体に貼られたパイル地において、半径方向に対し右側に傾斜したパイル地が半円筒集塵体表面の吸込口体前方側に設けられ、半径方向に対し左側に傾斜したパイル地が半円筒集塵体表面の吸込口体後方側に設けられ、
前記開口部を形成する前側と後ろ側の壁に設置された除塵体に貼られたパイル地において、摺接する前記半円筒集塵体のパイル地に対し、それぞれ逆方向に傾斜したパイル地が貼られたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項3】
前記半円筒集塵体に貼られたパイル地の表面に、起毛した繊維長よりも長い可撓性の柔軟な針状突起体が複数個設けられたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項4】
前記半円筒集塵体の上面が板で塞がれていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかに記載の吸込口体。
【請求項5】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5のいずれかの吸込口体を有することを特徴とした電気掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−205799(P2012−205799A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74158(P2011−74158)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(391001457)アイリスオーヤマ株式会社 (146)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(391001457)アイリスオーヤマ株式会社 (146)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]