説明

告知放送システム

【課題】受信機によって録音された告知放送を利用者が聴く場合に、受信機の構成を簡易に維持しつつ、当該告知放送が何時録音されたものであるのかを利用者が容易に把握することができる告知放送システムを提供する。
【解決手段】告知放送信号を送信するセンター装置10と受信する受信機20とを備える告知放送システム1において、センター装置10は、告知放送の放送日時を放送するための情報として日時情報又は日時生成コマンドを送信する日時送信制御部18aを備える。受信機20は、日時情報に基づいて放送日時を放送し、又は、日時生成コマンドに基づいて放送日時を生成して放送する、日時再生制御部30aと、告知放送信号と日時情報又は日時生成コマンドとを記録する音声記録部23とを備える。告知放送の再生が所定方法で指示された場合には、告知放送を行うと共に、日時情報又は日時生成コマンドに基づく放送日時の放送を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、告知放送を行うための告知放送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
センターから複数の住戸に対して各種の告知放送を行うための告知放送システムが普及している。この告知放送システムは、概略的に、センター側に配置したセンター装置と、各住戸内に設置した受信機とを、CATV等の伝送線路を介して相互に接続して構成されている。そして、地域のイベント開催等の一般放送や、火災や地震が発生した時の緊急放送を行う際、センター装置は告知放送信号を伝送線路を介して送信し、この告知放送信号を受信機が受信して、告知放送をスピーカにて音声出力する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この告知放送システムでは、告知放送が行われた時に不在等の理由で利用者が放送を聴くことができない可能性を考慮して、告知放送を所定回数分だけ録音及び再生するための録音再生機能を受信機に設けることが行われている。この場合、告知放送が行われると当該告知放送が自動的に受信機の録音再生機能で録音され、利用者の操作によって再生指示を受けた場合に、録音した告知放送が再生される(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−8753号公報
【特許文献2】特開2006−261956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の告知放送システムにおいては、告知放送が行われた時に利用者がこれを聴くことができた場合には、利用者がカレンダーや時計を見る等してその日時を容易に把握できるが、録音した告知放送を再生して聴いた場合には、当該告知放送が何時録音されたものであるのかを知ることができないため、告知放送の内容がその時点でも有効であるかどうか等を判断することが困難であった。
【0006】
また、このような問題を防止するためには、受信機に時計機能を持たせ、告知放送が行われた際の日時をこの時計機能を用いて特定し、この日時を示す情報を告知放送と共に録音して必要時に再生するようなシステムも考えられる。しかしながら、この場合には受信機の時計機能がある程度正確であることが必要になり、受信機毎に時刻修正機能を持たせる必要が生じる等、受信機の構成が複雑化し、そのコスト上昇を招く等好ましくない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、受信機によって録音された告知放送を利用者が聴く場合に、受信機の構成を簡易に維持しつつ、当該告知放送が何時録音されたものであるのかを利用者が容易に把握することができる告知放送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、告知放送信号を送信する送信手段と、この告知放送信号を受信して放送する受信手段とで構成された告知放送システムにおいて、前記送信手段は、前記受信手段において告知放送の放送日時を放送するための情報として、当該放送日時を音声化して構成された日時情報又は前記受信手段において当該放送日時を生成するための日時生成コマンドを、前記告知放送信号の前又は後に付加し、当該日時情報又は当該日時生成コマンドが付加された告知放送信号を前記受信手段に送信する日時送信手段を備え、前記受信手段は、前記日時送信手段から送信された前記告知放送信号に付加された前記日時情報に基づいて、前記放送日時を当該告知放送信号に基づく告知放送の前又は後に放送し、又は、前記日時送信手段から送信された前記告知放送信号に付加された前記日時生成コマンドに基づいて、前記放送日時を生成し、当該生成した放送日時を当該告知放送信号に基づく告知放送の前又は後に放送する、日時放送手段と、前記送信手段から送信された前記告知放送信号と、当該告知放送信号に付加された前記日時情報又は前記日時生成コマンドとを、記録する音声記録部とを備え、前記日時放送手段は、前記送信手段から前記告知放送信号を受信した直後に当該告知放送信号に基づく告知放送を行う場合には、当該告知放送信号に付加された前記日時情報又は前記日時生成コマンドに基づく前記放送日時の放送を行うことなく、当該告知放送信号に基づく告知放送のみを行い、前記音声記録部にて記録された前記告知放送信号に基づく告知放送の再生が所定方法で指示された場合には、当該音声記録部にて記録された前記告知放送信号に基づく告知放送を行うと共に、当該告知放送信号に付加された前記日時情報又は前記日時生成コマンドに基づく前記放送日時の放送を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記日時送信手段は、前記受信手段において告知放送の放送日時を放送するための情報として、当該放送日時を音声化して構成された日時情報を送信し、前記日時放送手段は、前記日時送信手段から送信された前記日時情報に基づいて、前記放送日時を放送することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記日時送信手段は、前記受信手段において告知放送の放送日時を放送するための情報として、前記受信手段において当該放送日時を生成するための日時生成コマンドを送信し、前記日時放送手段は、前記日時送信手段から送信された前記日時生成コマンドに基づいて、前記放送日時を生成し、当該生成した放送日時を放送することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、告知放送として、一般告知放送と緊急告知放送が設定されている場合において、告知放送の対象が前記一般告知放送であることが所定方法にて特定された場合にのみ、前記日時送信手段は、前記日時情報又は前記日時生成コマンドを、当該一般告知放送に対応する告知放送信号に付加して送信し、あるいは、前記日時放送手段は、前記日時情報又は前記日時生成コマンドに基づく前記放送日時の放送を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の本発明によれば、送信手段から送信された日時情報又は日時生成コマンドに基づいて、受信手段で放送日時が自動的に放送される。従って、告知放送の受信出力時には利用者が不在であり、録音した告知放送を再生して聴いた場合であっても、当該告知放送が何時録音されたものであるのかを容易かつ正確に知ることができるので、告知放送の内容がその時点でも有効であるかどうか等を判断することができ、告知放送の実効性を高めることができる。
また、再生が指示された場合にのみ放送日時を放送するので、受信直後の告知放送時には放送日時を出力せずに、再生時にのみ放送日時を出力することができ、利用者がカレンダーや時計を見ることで放送日時を自ら容易に特定できる場合にまで放送日時が出力されて当該利用者が煩わせることを防止でき、利用者の利便性に配慮して放送日時の出力を行うことが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の本発明によれば、送信手段において日時情報が自動的に挿入され、受信手段においては日時情報に基づいて放送日時が自動的に再生される。従って、請求項1と同様の効果に加えて、受信手段には時計機能を持たせる必要がないので、受信手段の構成を簡易に維持することができ、そのコスト上昇を防止することができる。
【0014】
請求項3に記載の本発明によれば、送信手段において日時生成コマンドが自動的に挿入され、受信手段においてはこの日時生成コマンドに基づいて放送日時が自動的に生成されて自動的に再生される。従って、請求項1と同様の効果に加えて、送信手段から受信手段には音声情報ではなく日時生成コマンドを送信するため、送信データ量を低減できると共に、アナログ音声情報を送信する場合に生じ得る音声ノイズを防止することができる。
【0015】
請求項4に記載の本発明によれば、告知放送の対象が一般告知放送であることが所定方法にて特定された場合にのみ、日時情報又は日時生成コマンドを告知放送信号に付加し、あるいは、放送日時を放送するので、即時性の高い緊急放送に対してまで放送日時が出力されることで緊急情報の伝達を遅延させる事態を防止でき、利用者の利便性に配慮して日時情報の出力を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1に係る告知放送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】受信機の正面図である。
【図3】日時補正処理のフローチャートである。
【図4】センター装置における告知放送処理のフローチャートである。
【図5】受信機における告知放送処理のフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係るセンター装置における告知放送処理のフローチャートである。
【図7】受信機における告知放送処理のフローチャートである。
【図8】実施の形態3に係る告知放送システムの構成を示すブロック図である。
【図9】センター装置における日時補正処理のフローチャートである。
【図10】受信処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態4に係る日時送信処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る告知放送システムの各実施の形態について説明する。ただし、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この形態は、センター装置側から受信機側に日時を音声化して構成された日時放送信号を送信する形態、日時情報を受信直後の告知放送時には出力せずに録音再生時にのみ出力する形態、及び日時情報を緊急放送時には出力せずに一般告知放送時にのみ出力する形態である。
【0019】
(構成)
最初に、実施の形態1に係る告知放送システムの構成を説明する。図1は本実施の形態に係る告知放送システムの構成を示すブロック図である。この図1に示すように、告知放送システム1は、センター側に配置されたセンター装置10、各住戸に配置された受信機20、及びセンター装置10から送信された信号を受信機20に送信する伝送系統40を備えて構成されている。なお、特記する構成を除き、センター装置10、受信機20、及び伝送系統40は、従来の告知放送システムと同様に構成することができる。
【0020】
(構成−センター装置10)
このうち、センター装置10は、告知放送信号を送信するものであり、特許請求の範囲における送信手段に対応する。このセンター装置10は、操作部11、表示部12、マイク13、BGM源14、メモリ15、日時回路16、送信部17、及び、制御部18を備えて構成されている。
【0021】
操作部11は、当該センター装置10に対する各種の操作を行うための操作手段であり、例えば、各種の図示しないスイッチを含んで構成されている。表示部12は、所要の情報を操作者に向けて表示するための表示手段であり、例えば、図示しないモニタや表示灯を含んで構成されている。マイク13は、告知放送用の音声を入力するための音声入力手段である。BGM源14は、告知放送用の背景音楽の音源になる音源手段である。メモリ15は、当該センター装置10の各種制御に必要な情報を記録する記録手段である。日時回路16は、年月日及び時分を含んだ日時情報を出力する日時手段である。送信部17は、告知放送信号をヘッドエンド41へ送信する送信手段である。そして、制御部18は、当該センター装置10の各部を制御する制御手段であり、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)及びこのCPU上で解釈実行されるプログラムを含んで構成されている(制御部30も同じ)。この制御部18は、機能概念的に、日時情報の送信制御を行う日時送信制御部18aを備える。この日時送信制御部18aは、特許請求の範囲における日時送信手段に対応する。
【0022】
(構成−受信機20)
次に、図1の受信機20について説明する。受信機20は、告知放送信号を受信するもので、特許請求の範囲における受信手段に対応する。この受信機20は、復調部21、音声切換え部22、音声記録部23、音量調整部24、アンプ25、スピーカ26、操作部27、表示部28、メモリ29、制御部30、及びアンテナ31を備えて構成されている。
【0023】
復調部21は、センター装置10から送信された告知放送信号及びアンテナ31にて受信されたFM放送波を復調する告知放送復調手段であり、音声情報を音声切換え部22に出力すると共に制御情報を制御部30に出力する。音声切換え部22は、復調部21から出力された音声情報又は復調部から出力された音声信号を音声記録部23に出力し、あるいは、復調部21又は音声記録部23から出力された音声情報を音量調整部24に出力する音声切換え手段である。音量調整部24は、音声切換え部22から出力された音声情報の音量を調整してアンプ25に出力する。この音声情報は、アンプ25にて増幅された後、スピーカ26から出力される。操作部27は、当該受信機20に対する各種の操作を行うための操作手段である。表示部28は、所要の情報をユーザに向けて表示するための表示手段である。メモリ29は、当該受信機20の各種制御に必要な情報を記録する記録手段である。そして、制御部30は、当該受信機20の各部を制御する制御手段である。この制御部30は、機能概念的に、日時再生制御部30aを備える。この日時再生制御部30aは、特許請求の範囲における日時放送手段に対応する。
【0024】
図2は、受信機20の正面図である。受信機20は、方形箱状の筐体の内部に、上述した当該受信機20の各部のうち、操作部27、表示部28、及びアンテナ31を除く各部を収容して構成されている。操作部27としては、具体的には、FM放送を選択するためのFM放送選択スイッチ27a、録音された告知放送の再生を指示するための告知再生スイッチ27b、及び放送音量を調節するためのボリュームスイッチ27cが設けられている。表示部28としては、具体的には、電源ON時に点灯する電源表示灯28a、緊急放送時に点灯又は点滅する緊急放送表示灯28b、及び一般放送時に点灯又は点滅する一般放送表示灯28cを備える。アンテナ31は、筐体の側方に配置されている。
【0025】
(構成−伝送系統40)
図1に戻り、伝送系統40は、ヘッドエンド41、このヘッドエンド41から各住戸の受信機20に至る伝送線路42、さらに、この伝送線路42に配置された、アンプ43、分配増幅器44、分配器46、及び保安器48を備えて構成されている。ヘッドエンド41は、センター装置10の送信部17から送信された信号を受信し、この信号をレベル増幅した上で伝送線路42に送出する増幅送信手段である。伝送線路42は、告知放送信号を送信する送信線路であり、例えば、CATV信号を伝送するCATV伝送線路(同軸ケーブル)42が用いられる。アンプ43は、伝送線路42を流れる信号を増幅する増幅手段である。分配増幅器44は、信号を増幅した上で、各住戸に向けて分配する分配増幅手段である。分配器46は、分配増幅器44にて増幅された信号を各住戸に向けて分配する分配手段である。保安器48は、各住戸に設けられ、伝送線路42に乗って受信機20に至る直流成分を制御する。
【0026】
(処理−日時補正処理)
次に、このように構成された告知放送システム1における処理について説明する。最初に、センター装置10における日時補正処理について説明する。この日時補正処理のフローチャートを図3に示す。センター装置10の日時送信制御部18aは、所定間隔による日時補正タイミングが到来する毎に(ステップSA−1,Yes)、日時回路16の日時補正を行う(ステップSA−2)。例えば、AM又はFMのラジオ放送を図示しない公知のアンテナ及び受信回路で受信し、このラジオ放送から検出した時報を基準として日時回路16の日時補正を補正する。あるいは、公知の電波時計機能により取得した日本標準時を基準に日時回路16の日補正を行ってもよい。これにて日時補正処理が修了する。
【0027】
(処理−センター装置における告知放送処理)
次に、センター装置10における告知放送処理について説明する。この告知放送処理のフローチャートを図4に示す。センター側の操作者は、図1のセンター装置10のマイク13及びBGM源14を用いて、任意の音声情報を入力する。この時、操作者は、操作部11を用いて、告知放送が一般放送であるか緊急放送であるかを指定し、一般放送である場合にはその放送予定日時を入力する。一般放送とは、緊急性を要しない方法であり、例えば地域のイベント情報や定期放送が該当し、緊急放送とは、緊急性を要する放送であり、例えば災害情報が該当する。また、操作者は、操作部11を用いて、受信先となる受信機20を指定する。
【0028】
これら各種の入力を受けたセンター装置10の制御部18は(ステップSB−1,Yes)、告知放送が一般放送であるか緊急放送であるかを操作者による指定内容に基づいて判定し(ステップSB−2)、緊急放送であると判定した場合には(ステップSB−2,Yes)、操作者に指定された受信機20の固有アドレスをメモリから取得し、この固有アドレスと緊急放送であることを特定する情報とを含んだ放送コマンドを生成する(ステップSB−3)。そして、この放送コマンドと操作者に入力された音声情報とを、所定周波数のキャリアに乗せて変調することによって告知放送信号を生成し、この告知放送信号を送信部17を介してヘッドエンド41に送信する(ステップSB−4)。
【0029】
一方、一般放送であると判定した場合(ステップSB−2,No)、制御部18は、操作者に指定された受信機20の固有アドレスをメモリから取得し、この固有アドレスと一般放送であることを特定する情報とを含んだ放送コマンドを生成する(ステップSB−5)。そして、この放送コマンドと操作者に入力された音声情報とを、メモリ15に記録させる(ステップSB−6)。その後、制御部18は、操作者に指定された放送予定日時が到来したか否かを日時回路16からの日時情報に基づいて監視し(ステップSB−7)、放送予定日時が到来した場合には(ステップSB−7,Yes)、メモリ15から放送コマンドと音声情報を取得する。この際、日時送信制御部18aは、日時回路16からその時点の日時情報を取得し、この日時情報を音声情報の前に挿入する(ステップSB−8)。この日時情報は特許請求の範囲における日時関連情報に対応する。そして、制御部18は、これら放送コマンドと、日時情報が挿入された音声情報とを、所定周波数のキャリアに乗せて変調することによって告知放送信号を生成し、この告知放送信号を送信部17を介してヘッドエンド41に送信する(ステップSB−4)。これにてセンター装置10における告知放送処理が終了する。
【0030】
(処理−受信機における告知放送処理)
次に、受信機20における告知放送処理について説明する。この告知放送処理のフローチャートを図5に示す。上述の送信処理によって送信された告知放送信号を受信したヘッドエンド41は、当該告知放送信号を伝送線路42を介して送信する。このように送信された告知放送信号は、アンプ43、分配増幅器44、あるいは、分配器46によって増幅や分配された後、各住戸の保安器48に到達し、この保安器48を通過した告知放送信号が受信機20に入力される。
【0031】
受信機20では、入力された告知放送信号が復調部21にて復調され(ステップSC−1)、放送コマンドが制御部30に入力されると共に、音声情報が音声切換り部22を介して音量調整部24及び音声記録部23に出力される。制御部30は、放送コマンドに含まれるアドレスが、メモリ29に予め記録されている自己のアドレスに合致するか否かを判定し(ステップSC−2)、合致しない場合には(ステップSC−2,No)、告知放送処理を終了し、合致する場合には(ステップSC−2,Yes)、音声情報が出力されるように、音声切換え部22に制御信号を出力する。この制御信号を受信した音声切換え部22は、復調された音声情報を音量調整部24に出力する。この音声情報は、音量調整部24による音量調整とアンプ25による増幅とを経て、スピーカ26から出力される。
【0032】
この時、制御部30は、放送コマンドによって当該告知放送が緊急告知放送である旨が示されているか否かを判定し(ステップSC−3)、緊急告知放送である場合には(ステップSC−3,Yes)、緊急放送表示灯28bを点灯又は点滅させると共に、音量調整部24を制御することで、緊急告知放送用の所定の大音量で音声情報を出力させる(ステップSC−4)。この緊急放送時には、センター装置10において日時情報は挿入されていないので、音声情報のみが直ちに出力され、利用者に緊急放送の内容を迅速に伝達することができる。
【0033】
一方、制御部30は、放送コマンドによって当該告知放送が一般告知放送である旨が示されている場合には(ステップSC−3,No)、一般放送表示灯28cを点灯又は点滅させると共に、音量調整部24を制御することで、ボリュームスイッチにて設定されている音量で音声情報を出力させる(ステップSC−5)。
【0034】
ここで、一般告知放送の音声情報の前には図4のステップSB−8において日時情報が挿入されていることから、この日時情報を音声情報に先立って音声出力してもよい。しかしながら、受信直後の告知放送時に当該告知放送を利用者が聴いていれば、利用者は日時情報に寄らずともカレンダーや時計を見ることで日時を自ら容易に特定できるため、音声情報を出力すると却って煩わしい。そこで、日時再生制御部30aは、ステップSC−5においては、日時情報のスピーカ出力をカットして、音声情報のみを出力する。このように日時情報のスピーカ出力をカットするための方法としては、例えば、受信機20に予め登録しておいた日時情報の長さや位置に基づいて、日時再生制御部30aが、日時情報の出力タイミングを予測し、当該出力タイミングに合致する間は出力音量がゼロになるように音量調整部24を制御する。あるいは、センター装置10で日時情報を挿入する際に、当該日時情報の前後に、当該日時情報を音声情報から識別するための識別情報を付加しておき、日時再生制御部30aが、この識別情報に基づいて日時情報を音声情報から識別し、この日時情報が出力されている間は出力音量がゼロになるように音量調整部24を制御する。
【0035】
このように出力制御が行われた日時情報及び音声情報は、音声記録部23によって記録され(ステップSC−6)、ユーザが告知再生スイッチを介して再生指示を行なった場合(ステップSC−7,Yes)、音声切換え部22を介して音量調整部24に出力されスピーカ26から出力される(ステップSC−8)。この際に利用者は、告知放送が何時録音されたものであるのかを知ることができないため、告知放送の内容がその時点でも有効であるかどうかを判断することが困難である。そこで日時再生制御部30aは、日時情報をカットすることなく、音声情報に先立って出力させる。例えば日時情報は「2008年6月1日午後3時30分」のように出力される。これにて受信機の受信処理が終了する。
【0036】
(実施の形態1の効果)
このように本実施の形態によれば、センター装置10においては日時情報が音声情報に自動的に挿入され、受信機においてはこの日時情報が音声情報に先立って自動的に再生される。従って、告知放送の受信出力時には利用者が不在であり、録音した告知放送を再生して聴いた場合であっても、当該告知放送が何時録音されたものであるのかを容易かつ正確に知ることができるので、告知放送の内容がその時点でも有効であるかどうか等を判断することができ、告知放送の実効性を高めることができる。また、受信機20には時計機能を持たせる必要がないので、受信機20の構成を簡易に維持することができ、そのコスト上昇を防止することができる。
【0037】
また、本実施の形態によれば、受信直後の告知放送時には日時情報を出力せずに、録音再生時にのみ日時情報を出力するので、利用者が日時情報に寄らずともカレンダーや時計を見ることで日時を自ら容易に特定できる場合にまで日時情報が出力されて当該利用者を煩わせることを防止でき、利用者の利便性に配慮して日時情報の出力を行うことが可能となる。
【0038】
また、本実施の形態によれば、日時情報が緊急放送時には挿入されずに一般告知放送時に挿入されるので、即時性の高い緊急放送に対してまで日時情報が出力されることで緊急情報の伝達を遅延させる事態を防止でき、利用者の利便性に配慮して日時情報の出力を行うことが可能となる。
【0039】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、センター装置側から受信機側に放送日時を示す日時生成コマンドを送信し、受信機側で日時生成コマンドに基づいて日時情報を挿入する形態である。ただし、特に説明なき限りにおいて、構成及び処理については実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同じ機能を有する構成要素には実施の形態1と同じ符号又は名称を付してその説明を省略する(実施の形態2以降の実施の形態においても同じ)。
【0040】
(処理−センター装置における告知放送処理)
本実施の形態に係る告知放送システム1における告知放送処理について説明する。最初に、センター装置10における告知放送処理について説明する。この告知放送処理のフローチャートを図6に示す。ただし、図6のステップSD−1〜SD−5は、図4のステップSB−1〜SB−5と同じであるため、それ以外のステップのみについて説明する。
【0041】
ステップSD−2において一般放送であると判定した場合(ステップSD−2,No)、日時送信制御部18aは、日時回路16からその時点の日時情報を取得し、この日時情報を受信機20で生成するための日時生成コマンドを所定方法で生成する(ステップSD−6)。この日時生成コマンドは、特許請求の範囲における日時関連情報に対応するもので、例えば、日時情報が「2008年6月1日午後3時30分」である場合には、これを西暦8桁表示方式及び24時間表示方式で数値化した「200806011530」の如き連続数値データと、当該連続数値データに基づいて日時情報の生成及び録音再生を指示する所定の制御コマンドとを組み合わせて構成される。そして、放送コマンド及び日時生成コマンドと操作者に入力された音声情報とを、メモリ15に記録させる(ステップSD−7)。その後、制御部18は、操作者に指定された放送予定日時が到来したか否かを日時回路16からの日時情報に基づいて監視し(ステップSD−8)、放送予定日時が到来した場合には(ステップSD−8、Yes)、メモリ15から放送コマンド及び日時生成コマンドと音声情報を取得する。そして、制御部18は、放送コマンド及び日時生成コマンドと、音声情報とを、所定周波数のキャリアに乗せて変調することによって告知放送信号を生成し、この告知放送信号を送信部17を介してヘッドエンド41に送信する(ステップSD−4)。これにてセンター装置10における告知放送処理が終了する。
【0042】
(処理−受信機における告知放送処理)
次に、受信機20における告知放送処理について説明する。この告知放送処理のフローチャートを図7に示す。ただし、図7のステップSE−1〜SE−4は、図5のステップSC−1〜SC−4と同じであるため、それ以外のステップのみについて説明する。受信機20の制御部30は、放送コマンドによって当該告知放送が一般告知放送である旨が示されている場合には(ステップSE−3,No)、一般放送表示灯28cを点灯又は点滅させると共に、音量調整部24を制御することで、ボリュームスイッチにて設定されている音量で音声情報を出力させる(ステップSE−5)。この受信直後の放送時点では、日時情報は挿入されていないため、日時再生制御部30aが日時情報をカットするための特段の処理を行わなくても、音声情報のみが出力される。
【0043】
このように出力制御が行われた音声情報は、日時生成コマンドと共に音声記録部23によって記録される(ステップSE−6)。そして、ユーザが告知再生スイッチを介して再生指示を行なった場合に(ステップSE−7,Yes)、音声情報が音声切換え部22を介して音量調整部24に出力され、スピーカ26から出力される(ステップSE−10)。この際、日時再生制御部30aは、日時生成コマンドの有無を判定し(ステップSE−8)、日時生成コマンドが存在する場合には(ステップSE−8,Yes)、この日時生成コマンドに基づいて日時情報を生成して(ステップSE−9)、ステップSE−10においては音声情報に先立って日時情報を出力する。すなわち、「200806011530」の如き連続数値データに基づいて放送日時を特定し、メモリに予め記録されている各単語毎の音声データを当該放送日時に基づいて組み合わせることで、放送日時に対応するアナログ音声データを生成して出力する。このことにより日時情報が「2008年6月1日午後3時30分」のように出力される。これにて受信機20における告知放送処理が終了する。
【0044】
(実施の形態2の効果)
このように本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果に加えて、センター装置10から受信機20には音声情報ではなく日時生成コマンドを送信するため、送信データ量を低減できると共に、アナログ音声情報を送信する場合に生じ得る音声ノイズを防止することができる。
【0045】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、センター装置側から送信した時刻補正コマンドに基づいて受信機側の時計機能を補正し、受信機側で日時情報を挿入する形態である。
【0046】
(構成)
最初に、この実施の形態に係る告知放送システム1の構成を説明する。図8は本実施の形態に係る告知放送システム1の構成を示すブロック図である。この図8に示すように、受信機20は、日時回路32を備える。この日時回路32は、特許請求の範囲における日時手段に対応する。
【0047】
(センター装置における日時補正処理)
次に、このように構成された告知放送システム1における処理について説明する。最初に、センター装置10における日時補正処理について説明する。この日時補正処理のフローチャートを図9に示す。センター装置10の日時送信制御部18aは、所定間隔による補正タイミングが到来したか否かを判定し(ステップSF−1)、補正タイミングが到来した場合には(ステップSF−1,Yes)、日時回路16からその時点の日時情報を取得し(ステップSF−2)、この日時情報を基準として受信機20の日時回路32を補正するための日時補正コマンドを所定方法で生成する(ステップSF−3)。この日時補正コマンドは、特許請求の範囲における日時関連情報に対応するもので、例えば、日時情報が「2008年6月1日午後3時30分」である場合には、これを西暦8桁表示方式及び24時間表示方式で数値化した「200806011530」の如き連続数値データと、当該連続数値データに基づいて日時回路32の補正を指示する所定の制御コマンドとを組み合わせて構成される。そして、制御部18は、日時補正コマンドを、所定周波数のキャリアに乗せて変調することによって日時補正信号を生成し、この日時補正信号を送信部17を介してヘッドエンド41に送信する(ステップSF−4)。これにてセンター装置10における日時補正処理が終了する。
【0048】
(受信機における日時補正処理)
次に、受信機20における日時補正処理について説明する。この受信処理のフローチャートを図10に示す。受信機20では、入力された日時補正信号が復調部21にて復調され(ステップSG−1)、日時補正コマンド及び連続数値データが制御部30に入力される。この制御部30の日時再生制御部30aは、日時補正コマンドに含まれる制御コマンドに基づいて日時回路32の補正を行う(ステップSG−2)。すなわち、連続数値データに基づいて日時情報を取得し、この日時情報にて示される日時になるように日時回路32を補正する。これにて受信機20における日時補正処理が終了する。
【0049】
その後、受信機20の日時再生制御部30aは、センター装置10から送信された一般告知放送を音声記憶部23に録音する毎に、日時回路32から日時情報を取得し、この日時情報を一般告知放送の前に挿入する。従って、一般告知放送の再生時には、当該一般告知放送に先だって、日時情報が「2008年6月1日午後3時30分」のように出力される。
【0050】
(実施の形態3の効果)
このように本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果に加えて、受信機20に日時回路を持たせた場合であっても、その補正をセンター装置10側からの信号に基づいて行うことができるので、個々の受信機20に補正基準用の日時情報を取得するための特別な機能を必要がなくなり、受信機20の構成を簡易化できる。
【0051】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4について説明する。この形態は、センター装置側から日時情報を受信機側に常時送信し、受信機側で日時情報を挿入する形態である。
【0052】
(処理−センター装置における日時送信処理)
本実施の形態に係る告知放送システム1における処理について説明する。最初に、センター装置10の日時送信処理について説明する。この日時送信処理のフローチャートを図11に示す。センター装置10の日時送信制御部18aは、日時回路16から日時情報を常時取得する(ステップSH−1)。この日時情報は、特許請求の範囲における日時関連情報に対応するもので、日時送信制御部18aは、この日時情報を数値化した連続数値データを所定周波数のキャリアに乗せて変調することによって日時信号を生成し(ステップSH−2)、この日時信号を送信部17を介してヘッドエンド41に送信する(ステップSH−3)。この送信時のキャリアとしては、告知放送で使用していないキャリアを用いることが好ましく、例えば、複数の放送用RFキャリアの中で告知放送に使用していないRFキャリアを用いたり、あるいは、日時信号の送信専用のキャリアを設定してもよい。これにてセンター装置10における日時送信処理が終了する。
【0053】
(処理−受信機における告知放送処理)
次に、受信機20の告知放送処理について説明する。受信機20では、入力された日時信号が復調部21にて常時復調され、連続数値データが制御部30に常時入力される。そして、受信機20の日時再生制御部30aは、センター装置10から送信された一般告知放送を音声記憶部23に録音する毎に、その時点においてセンター装置10から入力された連続数値データに基づいて日時情報を取得し、この日時情報を一般告知放送の前に挿入する。従って、一般告知放送の再生時には、当該一般告知放送に先だって、日時情報が「2008年6月1日午後3時30分」のように出力される。
【0054】
(実施の形態4の効果)
このように本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果に加えて、センター装置10から受信機20に日時情報が常時送信されているので、受信機20では、この日時情報を用いて、上述した処理以外の様々な処理を行うことができる。例えば、利用者が操作部を用いて所定操作を行った場合には、日時再生制御部30aが、その時点においてセンター装置10から入力された連続数値データに基づいて日時情報を取得してスピーカから出力することで、日時情報の提供機能を持たせることもできる。
【0055】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0056】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0057】
(日時情報の出力形態について)
日時情報の出力形態は任意に改変可能である。例えば、上記各実施の形態では、一般告知放送の前に日時情報を出力しているが、一般告知放送の後に出力してもよく、あるいは緊急放送に対してもその前又は後に日時情報を出力してもよい。
【0058】
(付記)
付記1に記載の本発明は、告知放送信号を送信する送信手段と、この告知放送信号を受信する受信手段とを、伝送線路を介して接続して構成された告知放送システムにおいて、前記送信手段には、前記受信手段において告知放送の受信タイミングに関する情報を放送するための日時関連情報を、前記伝送線路を介して前記受信手段に送信する日時送信手段を設け、前記受信手段には、前記日時送信手段から送信された前記日時関連情報に基づいて、前記受信タイミングに関する情報を放送する日時放送手段を設けたことを特徴とする。
【0059】
付記2に記載の本発明は、付記1に記載の本発明において、前記日時関連情報は、日時を音声化して構成された日時情報であり、前記日時送信手段は、前記告知放送信号の放送日時に対応する日時放送信号を所定方法で取得し、当該取得した日時放送信号を当該告知放送信号の前又は後に付加し、当該日時放送信号が付加された告知放送信号を前記受信手段に送信し、前記日時放送手段は、前記告知放送信号に基づく告知放送の前又は後に、当該告知放送信号に付加された日時放送信号に基づいて前記放送日時を放送することを特徴とする。
【0060】
付記3に記載の本発明は、付記1に記載の本発明において、前記日時関連情報は、前記受信手段において日時放送信号を生成するための日時生成コマンドであり、前記日時送信手段は、前記告知放送信号の放送日時に対応する日時生成コマンドを所定方法で取得し、当該取得した日時生成コマンドを当該告知放送信号の前又は後に付加し、当該日時生成コマンドが付加された告知放送信号を前記受信手段に送信し、前記日時放送手段は、前記告知放送信号に基づく告知放送の前又は後に、当該告知放送信号に付加された日時生成コマンドに基づいて前記放送日時に対応する日時放送信号を生成すると共に、当該生成した日時放送信号に基づいて前記放送日時を放送することを特徴とする。
【0061】
付記4に記載の本発明は、付記1に記載の本発明において、前記日時関連情報は、前記受信手段において日時補正を行うための日時補正コマンドであり、前記日時送信手段は、現在日時に対応する日時補正コマンドを所定方法で取得し、当該取得した日時補正コマンドを前記受信手段に送信し、前記受信手段は、日時手段を備え、前記日時放送手段は、前記日時補正コマンドに基づいて前記日時手段の日時補正を行い、前記告知放送信号を前記送信手段から受信した場合には、当該告知放送信号に基づく告知放送の前又は後に、前記日時手段から取得した日時に対応する日時放送信号を生成すると共に、当該生成した日時放送信号に基づいて前記放送日時を放送することを特徴とする。
【0062】
付記5に記載の本発明は、付記1に記載の本発明において、前記日時関連情報は、日時を特定するための日時信号であり、前記日時送信手段は、現在日時に対応する日時信号を所定方法で常時取得すると共に、当該取得した日時信号を前記受信手段に常時送信し、前記日時放送手段は、前記告知放送信号に基づく告知放送の前又は後に、前記日時送信手段から送信された日時信号に基づいて前記放送日時を放送することを特徴とする。
【0063】
付記6に記載の本発明は、付記2から5のいずれか一項に記載の本発明において、前記受信手段は、前記送信手段から送信された前記告知放送信号を録音及び再生する録音再生手段を備え、前記送信手段から前記告知放送信号を受信した場合には、当該受信した告知放送信号と、前記送信手段から受信した前記日時関連情報に基づく前記日時放送信号を、前記録音再生手段にて録音し、所定方法で前記録音再生手段の再生が指示された場合には、当該録音再生手段にて録音された前記告知放送信号に基づく告知放送を行うと共に、当該告知放送の前又は後に、当該録音再生手段にて録音された前記日時放送信号に基づいて放送日時を放送することを特徴とする。
【0064】
付記7に記載の本発明は、付記2から6のいずれか一項に記載の本発明において、告知放送として、一般告知放送と緊急告知放送が設定されている場合において、告知放送の対象が前記一般告知放送であることが所定方法にて特定された場合にのみ、前記日時送信手段は前記日時関連情報を当該一般告知放送に対応する告知放送信号に付加し、あるいは、前記日時放送手段は前記放送日時を放送することを特徴とする。
【0065】
付記1に記載の本発明によれば、送信手段から送信された日時関連情報に基づいて、受信手段で受信タイミングに関する情報が自動的に放送される。従って、告知放送の受信出力時には利用者が不在であり、録音した告知放送を再生して聴いた場合であっても、当該告知放送が何時録音されたものであるのかを容易かつ正確に知ることができるので、告知放送の内容がその時点でも有効であるかどうか等を判断することができ、告知放送の実効性を高めることができる。
【0066】
付記2に記載の本発明によれば、送信手段において日時放送信号が自動的に挿入され、受信手段においてはこの日時放送信号に基づいて放送日時が自動的に再生される。従って、付記1と同様の効果に加えて、受信手段には時計機能を持たせる必要がないので、受信手段の構成を簡易に維持することができ、そのコスト上昇を防止することができる。
【0067】
付記3に記載の本発明によれば、送信手段において日時生成コマンドが自動的に挿入され、受信手段においてはこの日時生成コマンドに基づいて日時放送信号が自動的に生成されることで放送日時が自動的に再生される。従って、付記1と同様の効果に加えて、送信手段から受信手段には音声情報ではなく日時生成コマンドを送信するため、送信データ量を低減できると共に、アナログ音声情報を送信する場合に生じ得る音声ノイズを防止することができる。
【0068】
付記4に記載の本発明によれば、送信手段において日時補正コマンドが自動的に送信され、受信手段においてはこの日時補正コマンドに基づいて日時手段が自動的に補正される。従って、付記1と同様の効果に加えて、日時手段の補正を送信手段からの信号に基づいて行うことができるので、個々の受信手段に補正基準用の日時情報を取得するための特別な機能を必要がなくなり、受信手段の構成を簡易化できる。
【0069】
付記5に記載の本発明によれば、日時放送手段は日時補正コマンドに基づいて日時手段の日時補正を行い、告知放送信号を送信手段から受信した場合には、当該告知放送信号に基づく告知放送の前又は後に、日時手段から取得した日時に対応する日時放送信号に基づいて放送日時を放送するので、付記1と同様の効果に加えて、日時情報を用いて様々な処理を行うことができる。例えば、利用者が所定操作を行った場合には、その時点の日時情報をスピーカから出力することで、日時情報の提供機能を持たせることもできる。
【0070】
付記6に記載の本発明によれば、録音再生手段の再生が指示された場合にのみ放送日時を放送するので、受信直後の告知放送時には日時情報を出力せずに、録音再生時にのみ日時情報を出力することができ、利用者が日時情報に寄らずともカレンダーや時計を見ることで日時を自ら容易に特定できる場合にまで日時情報が出力されて当該利用者が煩わせることを防止でき、利用者の利便性に配慮して日時情報の出力を行うことが可能となる。
【0071】
付記7に記載の本発明によれば、告知放送の対象が一般告知放送であることが所定方法にて特定された場合にのみ、日時関連情報を告知放送信号に付加し、あるいは、放送日時を放送するので、即時性の高い緊急放送に対してまで日時情報が出力されることで緊急情報の伝達を遅延させる事態を防止でき、利用者の利便性に配慮して日時情報の出力を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
1 告知放送システム
10 センター装置
11、27 操作部
12、28 表示部
13 マイク
14 BGM源
15、29 メモリ
16、32 日時回路
17 送信部
18、30 制御部
18a 日時送信制御部
20 受信機
21 復調部
22 音声切換え部
23 音声記録部
24 音量調整部
25、43 アンプ
26 スピーカ
27a FM放送選択スイッチ
27b 告知再生スイッチ
27c ボリュームスイッチ
28a 電源表示灯
28b 緊急放送表示灯
28c 一般放送表示灯
30a 日時再生制御部
31 アンテナ
40 伝送系統
41 ヘッドエンド
42 伝送線路
44 分配増幅器
46 分配器
48 保安器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
告知放送信号を送信する送信手段と、この告知放送信号を受信して放送する受信手段とで構成された告知放送システムにおいて、
前記送信手段は、
前記受信手段において告知放送の放送日時を放送するための情報として、当該放送日時を音声化して構成された日時情報又は前記受信手段において当該放送日時を生成するための日時生成コマンドを、前記告知放送信号の前又は後に付加し、当該日時情報又は当該日時生成コマンドが付加された告知放送信号を前記受信手段に送信する日時送信手段を備え、
前記受信手段は、
前記日時送信手段から送信された前記告知放送信号に付加された前記日時情報に基づいて、前記放送日時を当該告知放送信号に基づく告知放送の前又は後に放送し、又は、前記日時送信手段から送信された前記告知放送信号に付加された前記日時生成コマンドに基づいて、前記放送日時を生成し、当該生成した放送日時を当該告知放送信号に基づく告知放送の前又は後に放送する、日時放送手段と、
前記送信手段から送信された前記告知放送信号と、当該告知放送信号に付加された前記日時情報又は前記日時生成コマンドとを、記録する音声記録部とを備え、
前記日時放送手段は、
前記送信手段から前記告知放送信号を受信した直後に当該告知放送信号に基づく告知放送を行う場合には、当該告知放送信号に付加された前記日時情報又は前記日時生成コマンドに基づく前記放送日時の放送を行うことなく、当該告知放送信号に基づく告知放送のみを行い、
前記音声記録部にて記録された前記告知放送信号に基づく告知放送の再生が所定方法で指示された場合には、当該音声記録部にて記録された前記告知放送信号に基づく告知放送を行うと共に、当該告知放送信号に付加された前記日時情報又は前記日時生成コマンドに基づく前記放送日時の放送を行うこと、
を特徴とする告知放送システム。
【請求項2】
前記日時送信手段は、前記受信手段において告知放送の放送日時を放送するための情報として、当該放送日時を音声化して構成された日時情報を送信し、
前記日時放送手段は、前記日時送信手段から送信された前記日時情報に基づいて、前記放送日時を放送すること、
を特徴とする請求項1に記載の告知放送システム。
【請求項3】
前記日時送信手段は、前記受信手段において告知放送の放送日時を放送するための情報として、前記受信手段において当該放送日時を生成するための日時生成コマンドを送信し、
前記日時放送手段は、前記日時送信手段から送信された前記日時生成コマンドに基づいて、前記放送日時を生成し、当該生成した放送日時を放送すること、
を特徴とする請求項1に記載の告知放送システム。
【請求項4】
告知放送として、一般告知放送と緊急告知放送が設定されている場合において、
告知放送の対象が前記一般告知放送であることが所定方法にて特定された場合にのみ、前記日時送信手段は、前記日時情報又は前記日時生成コマンドを、当該一般告知放送に対応する告知放送信号に付加して送信し、あるいは、前記日時放送手段は、前記日時情報又は前記日時生成コマンドに基づく前記放送日時の放送を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の告知放送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−257298(P2012−257298A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172804(P2012−172804)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2008−159731(P2008−159731)の分割
【原出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)