説明

周波数変換装置及び周波数変換方法

【課題】本発明は、簡易な構成で各チャンネルの位相を合わせることのできる周波数変換装置及び周波数変換方法の提供を目的とする。
【解決手段】本願発明の周波数変換装置は、入力されたアナログ信号を分岐する分岐部14と、分岐部14の分岐する一方のアナログ信号を周波数帯域の異なる3つ以上のチャンネルCH1〜CH4のアナログ信号に分波する分波部11と、分波部11からの各アナログ信号を、チャンネルごとに周波数変換する周波数変換部12−1〜12−4と、分岐部14からのアナログ信号を測定チャンネルスイッチ15−1又は測定チャンネルスイッチ15−2に出力する参照チャンネルスイッチ15−3と、周波数変換部12−1,12−4の前段にそれぞれ接続される測定チャンネルスイッチ15−1,15−2と、周波数変換部12−1,12−4に、他のチャンネルに応じたローカル周波数で周波数変換させる周波数変換設定部16と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数変換装置及び周波数変換方法に関し、特にアナログ信号を複数の周波数帯域に分波して周波数変換する際に生じる各チャンネルの周波数特性を補正する周波数変換装置及び周波数変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域のアナログ信号を周波数変換する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の装置は、広帯域のアナログ信号を周波数帯域の異なる複数のチャンネルに分波し、チャンネルごとに周波数変換を行って中間周波数信号に変換し、中間周波数信号をデジタル信号に変換した後に、各チャンネルの周波数特性を補正して、各チャンネルのデジタル信号を合成する。
【0003】
各チャンネルの周波数特性を補正するために、特許文献1の装置では、予め定められた周波数を有する校正用信号を入力し、2つのチャンネルで校正用信号を周波数変換することで、各チャンネルの周波数特性を測定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−246956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の装置では、予め定められた周波数を有する校正用信号を発生させる必要があるため、校正用信号発生用の回路が必要であった。また、特許文献1の装置では、位相のそろったマルチトーン信号を広帯域に出力する必要があるが、位相のそろったマルチトーン信号を広帯域に出力することは困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、簡易な構成で各チャンネルの周波数特性を補正することのできる周波数変換装置及び周波数変換方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明の周波数変換装置及び周波数変換方法は、参照用のチャンネルを設け、3つ以上の測定チャンネルのうちの2つを参照チャンネルに用いることを特徴とする。
【0008】
具体的には、本願発明の周波数変換装置は、入力されたアナログ信号を分岐する分岐部(14)と、前記分岐部の分岐する一方のアナログ信号を周波数帯域の異なる3つ以上のチャンネルの信号に分波する分波部(11)と、前記分波部からの各アナログ信号を、各チャンネルの周波数帯域に応じたローカル周波数でチャンネルごとに周波数変換して中間周波数信号を出力する3つ以上の周波数変換部(12−1〜12−4)と、前記分岐部の分岐するもう一方のアナログ信号が入力され、2つの出力端子のうちのいずれかの出力端子に選択出力する参照チャンネルスイッチ(15−3)と、前記3つ以上の周波数変換部のうちの2つの周波数変換部の前段に接続され、前記参照チャンネルスイッチの出力する前記アナログ信号を前記周波数変換部に入力にする測定チャンネルスイッチ(15−1,15−2)と、前記3つ以上の周波数変換部のうちの前記測定チャンネルスイッチから前記アナログ信号が入力されるチャンネルの周波数変換部に、他のチャンネルの周波数帯域に応じたローカル周波数で周波数変換をさせる周波数変換設定部(16)と、を備える。
【0009】
分波部と、周波数変換部と、を備えるため、アナログ信号を3つ以上のチャンネル信号ごとに周波数変換することができる。分岐部と、参照チャンネルスイッチと、2つの測定チャンネルスイッチと、周波数変換設定部と、を備えるため、チャンネルのいずれかを参照チャンネルに用いて、参照チャンネルを基準としたときの各測定チャンネルの周波数特性を測定することができる。これにより、各チャンネルの周波数特性を補正することができる。ここで、本願発明の周波数変換装置は、測定チャンネルの1つを参照チャンネルに用いている。したがって、参照チャンネルの周波数特性を予め取得しておくことで、本願発明の周波数変換装置は、簡易な構成で各チャンネルの周波数特性を補正することができる。
【0010】
本願発明の周波数変換装置では、前記分岐部の分岐するもう一方のアナログ信号が入力されたチャンネルの周波数変換部の出力する中間周波数信号に対する前記分波部からアナログ信号が入力されたチャンネルの周波数変換部の出力する中間周波数信号の振幅比及び位相比を用いて、前記分波部からアナログ信号が入力された各チャンネルの周波数特性を得る演算処理部(17)と、前記演算処理部の得る前記周波数特性を記憶する記憶部(18)と、を備えていてもよい。
演算処理部及び記憶部を備えるため、測定した各チャンネルの周波数特性を用いて、各チャンネルの周波数特性を補正することができる。
【0011】
本願発明の周波数変換装置では、前記演算処理部は、前記各周波数変換部の出力する中間周波数信号を前記記憶部に記憶されている周波数特性に応じて前記チャンネルごとに補正し、補正した中間周波数信号を、前記チャンネルの周波数帯域に関連付けて合成してもよい。
演算処理部が各チャンネルの周波数特性を補正するため、本願発明の周波数変換装置は、周波数特性を補正された出力信号を得ることができる。
【0012】
本願発明の周波数変換装置では、前記演算処理部は、さらに、前記分波部からアナログ信号が入力された各チャンネルの周波数特性を用いて補正係数を算出し、前記記憶部は、さらに、前記演算処理部の算出する補正係数を記憶してもよい。
演算処理部及び記憶部を備えるため、算出した補正係数を用いて、各チャンネルの周波数特性を補正することができる。
【0013】
本願発明の周波数変換装置では、前記演算処理部は、前記各周波数変換部の出力する中間周波数信号を前記記憶部に記憶されている補正係数に応じて前記チャンネルごとに補正し、補正した中間周波数信号を、前記チャンネルの周波数帯域に関連付けて合成してもよい。
演算処理部が各チャンネルの周波数特性を補正するため、本願発明の周波数変換装置は、周波数特性を補正された出力信号を得ることができる。
【0014】
本願発明の周波数変換装置では、前記分波部からの各アナログ信号のうちの前記測定チャンネルスイッチの接続されているチャンネルのアナログ信号を、前記測定チャンネルスイッチの接続されていないいずれかのチャンネルの周波数変換部に入力する切り替えスイッチ(15−4,15−5)をさらに備えていてもよい。
切り替えスイッチを備えるため、参照チャンネルに用いたチャンネルのアナログ信号を、参照チャンネル以外のチャンネルの周波数変換部を用いて周波数変換することができる。これにより、参照チャンネルに用いたチャンネルの周波数変換部の周波数特性を起因とする誤差を除去することができる。
【0015】
具体的には、本願発明の周波数変換方法は、入力されるアナログ信号を周波数帯域の異なる3つ以上のチャンネルに分波し、前記3つ以上のチャンネルのうちの任意の1つのチャンネルを第1参照チャンネルに設定し、前記3つ以上のチャンネルのうちの前記第1参照チャンネルを除くチャンネルのいずれかを第1測定チャンネルに設定し、前記第1参照チャンネル及び前記第1測定チャンネルを前記第1測定チャンネルのローカル周波数を用いて周波数変換して前記第1測定チャンネルの周波数特性を取得する第1の周波数特性取得手順(S101)と、前記3つ以上のチャンネルのうちの前記第1参照チャンネルとは異なるチャンネルを第2参照チャンネルに設定し、前記3つ以上のチャンネルのうちの前記第2参照チャンネルを除くチャンネルのいずれかを第2測定チャンネルに設定し、前記第2参照チャンネル及び前記第2測定チャンネルを、前記第2測定チャンネルのローカル周波数を用いて周波数変換して前記第2測定チャンネルの周波数特性を取得する第2の周波数特性取得手順(S102)と、を順に有する。
【0016】
第1の周波数特性取得手順及び第2の周波数特性取得手順を実行することで、参照チャンネルを基準としたときの各測定チャンネルの周波数特性を測定することができる。ここで、本願発明の周波数変換方法は、測定チャンネルの1つを参照チャンネルに用いている。参照チャネルの周波数特性を予め取得しておくことで、本願発明の周波数変換方法は、簡易な構成で各チャンネルの周波数特性を補正することができる。
【0017】
本願発明の周波数変換方法では、前記第1の周波数特性取得手順において、前記第1参照チャンネルに対する前記第1測定チャンネルの前記周波数変換後の中間周波数信号の振幅比及び位相比を算出することで前記第1測定チャンネルの周波数特性を取得し、前記第2の周波数特性取得手順において、前記第2参照チャンネルに対する前記第2測定チャンネルの前記周波数変換後の中間周波数信号の振幅比及び位相比を算出することで前記第2測定チャンネルの周波数特性を取得してもよい。
本発明により、第1測定チャンネルの周波数特性及び第2測定チャンネルの周波数特性を測定することができる。
【0018】
本願発明の周波数変換方法では、前記第1参照チャンネル及び前記第2参照チャンネルのいずれかに設定されたチャンネルのアナログ信号を、前記第1参照チャンネル及び前記第2参照チャンネルのいずれにも設定されていないチャンネルのローカル周波数を用いて周波数変換したときの周波数特性を取得する第3の周波数特性取得手順を、前記第2の周波数特性取得手順の後にさらに有していてもよい。
本発明により、参照チャンネルに用いたチャンネルのアナログ信号を、他のチャンネルの周波数変換部を用いて周波数変換することができる。これにより、参照チャンネルに用いたチャンネルの周波数変換部の周波数特性を起因とする誤差を除去することができる。
【0019】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、簡易な構成で各チャンネルの周波数特性を補正することのできる周波数変換装置及び周波数変換方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態1に係る周波数変換装置の一例を示す。
【図2】アナログ信号の一例を示す。
【図3】実施形態1に係る周波数変換方法の一例を示す。
【図4】実施形態2に係る周波数変換装置の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0023】
(実施形態1)
図1に、本実施形態に係る周波数変換装置の一例を示す。本実施形態に係る周波数変換装置は、分岐部14と、分波部11と、周波数変換部12−1〜12−4と、ADC13−1〜13−4と、演算処理部17と、を備え、入力されたアナログ信号Xoを4つのチャンネルCH1〜CH4に分波して周波数変換を行う。また、本実施形態に係る周波数変換装置は、分岐部14と、参照チャンネルスイッチ15−3と、測定チャンネルスイッチ15−1,15−2と、周波数変換設定部16と、を備え、4つのチャンネルCH1〜CH4の周波数特性M〜Mを測定する。また、本実施形態に係る周波数変換装置は、記憶部18と、演算処理部17と、を備え、4つのチャンネルCH1〜CH4の周波数特性を補正する。以下、図2に示すように、アナログ信号Xoの周波数帯域fBWをチャンネルCH1からチャンネルCH4までの4つの異なる周波数帯域に分波して周波数変換する場合について説明する。
【0024】
分岐部14は、入力されたアナログ信号Xoの一部を分岐する。分岐部14の分岐する一方のアナログ信号Xmは分波部11に出力されて測定用に用いられ、分岐部14の分岐するもう一方のアナログ信号Xrは参照用に用いられる。アナログ信号Xrのパワーは、アナログ信号Xmのパワーに対して−3dBであってもよいし、−10dBであってもよいし、−20dBであってもよい。
【0025】
分波部11は、分岐部14の分岐する一方のアナログ信号Xmを周波数帯域の異なる3つ以上のチャンネルCH1〜CH4のアナログ信号に分波する。ここで、分波するチャンネルの数は、3チャンネル以上の任意の数であり、例えば4チャンネルである。この場合、分波部11は、チャンネルCH1の周波数帯域を抽出する周波数フィルタ11−1と、チャンネルCH2の周波数帯域を抽出する周波数フィルタ11−2と、チャンネルCH3の周波数帯域を抽出する周波数フィルタ11−3と、チャンネルCH4の周波数帯域を抽出する周波数フィルタ11−4と、を備える。
【0026】
周波数変換部12−1〜12−4は、分波部11からの各チャンネルCH1〜CH4を、ローカル信号L〜LでチャンネルCH1〜CH4ごとに周波数変換して中間周波数信号IF1〜IF4を出力する。ローカル信号L〜Lは、各チャンネルCH1〜CH4の周波数帯域に応じたローカル周波数fL1〜fL4を有する。ADC13−1〜13−4は、周波数変換部12−1〜12−4からの中間周波数信号IF1〜IF4をデジタル信号D1〜D4に変換する。
【0027】
例えば、周波数変換部12−2は、ローカル周波数fL2を有するローカル信号Lで周波数変換する。ローカル周波数fL2は、例えば、チャンネルCH2の周波数帯域の中心周波数fc2から中間周波数信号fIF2だけ差のある周波数である。これにより、周波数変換部12−2は、チャンネルCH2の周波数をローカル周波数fL2分だけ低くした中間周波数信号IF2を出力する。ADC13−2は、中間周波数信号IF2を周波数ごとにサンプリングしてデジタル信号D2に変換する。これにより、中間周波数信号IF2の周波数帯域に対応したデジタル信号D2がADC13−2から出力される。
【0028】
チャンネルCH1,CH3,CH4についても同様に、中間周波数信号IF1の周波数帯域に対応したデジタル信号D1がADC13−1から出力され、中間周波数信号IF3の周波数帯域に対応したデジタル信号D3がADC13−3から出力され、中間周波数信号IF4の周波数帯域に対応したデジタル信号D4がADC13−4から出力される。
【0029】
本実施形態では、チャンネルCH1及びチャンネルCH4が参照チャンネルとして使用される。この場合、周波数変換部12−1及び周波数変換部12−4は、分波器11の全周波数帯域をカバーするミキサーで構成される。周波数変換設定部16は、全チャンネルのローカル周波数に変更出力可能な発振器を用いる。
【0030】
参照チャンネルスイッチ15−3は、分岐部14の分岐するもう一方のアナログ信号Xrが入力され、入力されたアナログ信号Xrを2つの出力端子のうちのいずれかに選択出力する。2つの出力端子のうち一方は測定チャンネルスイッチ15−1の入力端子に接続され、2つの出力端子のうちもう一方は測定チャンネルスイッチ15−2の入力端子に接続される。測定チャンネルスイッチ15−1は、周波数変換部12−1の前段に設けられ、参照チャンネルスイッチ15−3の出力するアナログ信号を周波数変換部12−1に入力する。測定チャンネルスイッチ15−2は、周波数変換部12−4の前段に設けられ、参照チャンネルスイッチ15−3の出力するアナログ信号を周波数変換部12−4に入力する。
【0031】
参照チャンネルスイッチ15−3の出力端子が測定チャンネルスイッチ15−1側に接続されている場合、チャンネルCH1は参照チャンネルとして機能する。このとき、周波数変換設定部16は、周波数変換部12−1〜12−4のうちの測定チャンネルスイッチ15−1からアナログ信号Xrが入力されるチャンネルCH1の周波数変換部12−1に、他のチャンネルCH2,CH3,CH4の周波数帯域に応じたローカル周波数で周波数変換させる。ADC13−1は、周波数変換部12−1からの中間周波数信号IF1をデジタル信号D1に変換する。これにより、測定チャンネルCH2,CH3,CH4のデジタル信号出力Y,Y,Yと参照チャンネルCH1のデジタル信号出力Y1Rとの比Y/Y1R,Y/Y1R,Y/Y1Rを得る。
【0032】
この場合、演算処理部17は、周波数変換部12−1の中間周波数信号IF1に対する周波数変換部12−2,12−3,12−4の中間周波数信号IF2,IF3,IF4の振幅比及び位相比、例えばデジタル信号出力の比Y/Y1R,Y/Y1R,Y/Y1Rを用いて、各測定チャンネルCH2,CH3,CH4の周波数特性M,M,Mを得る。記憶部18は、演算処理部17の得る周波数特性M,M,Mを記憶する。周波数特性M,M,Mを用いてデジタル信号D2〜D4の振幅及び位相の補正係数を算出することができるため、高精度な周波数変換を簡単簡素に行うことができる。なお、記憶部18は、周波数特性M,M,Mを用いて算出した各デジタル信号D2〜D4の振幅及び位相の補正係数を記憶してもよい。
【0033】
参照チャンネルスイッチ15−3の出力端子が測定チャンネルスイッチ15−2側に接続されている場合、チャンネルCH4は参照チャンネルとして機能する。このとき、周波数変換設定部16は、周波数変換部12−1〜12−4のうちの測定チャンネルスイッチ15−2からアナログ信号Xrが入力されるチャンネルCH4の周波数変換部12−4に、他のチャンネルCH1,CH2,CH3の周波数帯域に応じたローカル周波数で周波数変換させる。これにより、測定チャンネルCH1,CH2,CH3のデジタル信号出力Y,Y,Yと参照チャンネルCH4のデジタル信号出力Y4Rとの比Y/Y4R,Y/Y4R,Y/Y4Rを得る。
【0034】
この場合、演算処理部17は、周波数変換部12−4の中間周波数信号IF4に対する周波数変換部12−1,12−2,12−3の中間周波数信号IF1,IF2,IF3の振幅比及び位相比、例えばデジタル信号出力の比Y/Y4R,Y/Y4R,Y/Y4Rを用いて、各チャンネルCH1,CH2,CH3の周波数特性M,M,Mを得る。記憶部18は、演算処理部17の得る周波数特性M,M,Mを記憶する。周波数特性M,M,Mを用いて各デジタル信号D1〜D3の振幅及び位相の補正係数を算出することができるため、高精度な周波数変換を簡単簡素に行うことができる。なお、記憶部18は、周波数特性M,M,Mを用いて算出した各デジタル信号D1〜D3の振幅及び位相の補正係数を記憶してもよい。
【0035】
本実施形態に係る周波数変換装置が周波数変換を行う際、演算処理部17は、ADC13−1〜13−4からのデジタル信号D1〜D4の振幅及び位相を記憶部18に記憶されている周波数特性M,M,M,Mに応じてチャンネルCH1〜CH4ごとに補正する。そして、振幅及び位相を補正したデジタル信号D1〜D4を、チャンネルCH1〜CH4の周波数帯域に関連付けて合成する。これにより、演算処理部17は、各周波数変換部12−1〜12−4からの中間周波数信号IF1〜IF4を記憶部18に記憶されているチャンネルCH1〜CH4の周波数特性M,M,M,Mに応じてチャンネルCH1〜CH4ごとに補正し、補正した中間周波数信号IF1〜IF4を、チャンネルCH1〜CH4の周波数帯域に関連付けて合成することができる。
【0036】
図3に、本実施形態に係る周波数変換方法の一例を示す。本実施形態に係る周波数変換方法は、第1の周波数特性取得手順S101と、第2の周波数特性取得手順S102と、を順に有する。
【0037】
第1の周波数特性取得手順S101では、チャンネルCH1を参照チャンネルに用いて、チャンネルCH2,CH3,CH4の周波数特性M,M,Mを測定する。このとき、入力されるアナログ信号Xmを周波数帯域の異なる3つ以上のチャンネルCH1〜CH4に分波し、3つ以上のチャンネルCH1〜CH4のうちの任意の1つのチャンネルCH1を第1参照チャンネルに設定する。例えば、参照チャンネルスイッチ15−3の出力端子を測定チャンネルスイッチ15−1側に接続する。測定チャンネルスイッチ15−1は、分岐部14の分岐するアナログ信号Xrを、周波数変換部12−1に出力する。
【0038】
チャンネルCH2を第1測定チャンネルに設定する場合について説明する。この場合、周波数変換設定部16は、周波数変換部12−1のローカル周波数をfL2に設定する。この状態で、アナログ信号Xoを入力し、チャンネルCH1及びチャンネルCH2を第1測定チャンネルのローカル周波数fL2を用いて周波数変換する。これにより、演算処理部17は、デジタル信号D1及びD2を複数サンプル取得する。演算処理部17は、取得サンプルを周波数解析し、デジタル信号出力の比Y/Y1Rを算出する。このとき、デジタル信号出力の比Y/Y1Rとして、振幅比|Y/Y1R|及び位相比tan−1(Y/Y1R)を算出する。これを周波数掃引して繰返し行うことで、演算処理部17は、チャンネルCH1に対するチャンネルCH2の周波数特性の比M/M1Rを取得し、インパルス応答を求める。これにより、周波数特性Mを測定することができる。なお、周波数特性M1Rは1としてもよいし、予め算出されている値を使用してもよい。
【0039】
第1測定チャンネルは、3つ以上のチャンネルCH1〜CH4のうちの第1参照チャンネルであるチャンネルCH1を除くチャンネルCH2,CH3,CH4のいずれかである。第1測定チャンネルをチャンネルCH3にすることでチャンネルCH3の周波数特性Mを取得し、第1測定チャンネルをチャンネルCH4にすることでチャンネルCH4の周波数特性Mを取得することができる。これにより、演算処理部17は、チャンネルCH2,CH3,CH4の周波数特性M,M,Mを測定することができる。
【0040】
第2の周波数特性取得手順S102では、チャンネルCH4を参照チャンネルに用いて、チャンネルCH1,CH2,CH3の周波数特性M,M,Mを測定する。このとき、入力されるアナログ信号Xmを周波数帯域の異なる3つ以上のチャンネルCH1〜CH4に分波して周波数変換を行う任意の1つのチャンネルCH4を第2参照チャンネルに設定する。例えば、参照チャンネルスイッチ15−3の出力端子を測定チャンネルスイッチ15−2側に接続する。測定チャンネルスイッチ15−2は、分岐部14の分岐するアナログ信号Xrを、周波数変換部12−4に出力する。
【0041】
チャンネルCH3を第2測定チャンネルに設定する場合について説明する。この場合、周波数変換設定部16は、周波数変換部12−4のローカル周波数をfL3に設定する。この状態で、アナログ信号Xoを入力し、チャンネルCH4及びチャンネルCH3を第2測定チャンネルのローカル周波数fL3を用いて周波数変換する。これにより、演算処理部17は、デジタル信号D4及びデジタル信号D3を複数サンプル取得する。演算処理部17は、取得サンプルを周波数解析し、デジタル信号出力の比Y/Y4Rを算出する。このとき、デジタル信号出力の比Y/Y4Rとして、振幅比|Y/Y4R|及び位相比tan−1(Y/Y4R)を算出する。これを周波数掃引して繰返し行うことで、演算処理部17は、チャンネルCH4に対するチャンネルCH3の周波数特性の比M/M4Rを取得し、インパルス応答を求める。これにより、周波数特性Mを測定することができる。なお、周波数特性M4Rは1としてもよいし、予め算出されている値を使用してもよい。
【0042】
第2測定チャンネルは、3つ以上のチャンネルCH1〜CH4のうちの第2参照チャンネルであるチャンネルCH4を除くチャンネルCH1,CH2,CH3のいずれかである。第2測定チャンネルをチャンネルCH1にすることでチャンネルCH1の周波数特性Mを取得し、第2測定チャンネルをチャンネルCH2にすることでチャンネルCH2の周波数特性Mを取得することができる。これにより、演算処理部17は、チャンネルCH1,CH2,CH3の周波数特性M,M,Mを測定することができる。
【0043】
分波部11へのアナログ信号入力をXと表す。チャンネルCH1〜CH4の周波数特性をM〜Mと表す。分波部11におけるチャンネルCH1〜CH4の周波数特性をH〜Hと表す。分岐部14の周波数特性をHと表す。周波数変換部12−1及びADC13−1の周波数特性をG1と表し、周波数変換部12−2及びADC13−2の周波数特性をG2と表し、周波数変換部12−3及びADC13−3の周波数特性をG3と表し、周波数変換部12−4及びADC13−4の周波数特性をG4と表す。測定チャンネルスイッチ15−1,15−2の周波数特性をそれぞれS,Sと表す。参照チャンネルスイッチ15−3の周波数特性をSと表す。
【0044】
参照チャンネルがチャンネルCH1の場合、チャンネルCH1のデジタル信号出力Y1R
1R=M1R・X=H・S・S・G・X
で表される。
【0045】
測定チャンネルのデジタル信号出力Y,Y,Y
=M・X=H・G・X
=M・X=H・G・X
=M・X=H・S・G・X
で表される。
【0046】
第1の周波数特性取得手順S101を実行することで、デジタル信号出力の比Y/Y1R、Y/Y1R、Y/Y1Rを求めることができるが、デジタル信号出力の比Y/Y1Rは求めることができない。そこで、第2の周波数特性取得手順S102を実行する。
【0047】
参照チャンネルがチャンネルCH4の場合、チャンネルCH4のデジタル信号出力Y4R
4R=M4R・X=H・S・S・G・X
で表される。
【0048】
測定チャンネルのデジタル信号出力Y,Y,Y
=M・X=H・S・G・X
=M・X=H・G・X
=M・X=H・G・X
で表される。
【0049】
第2の周波数特性取得手順S102を実行することで、デジタル信号出力の比Y/Y4Rを求めることができる。
【0050】
チャンネルCH4を基準としたときの分波部11におけるチャンネルCH1の周波数特性Hを含む系の周波数特性の比は、
/M4R=Y/Y4R
=(H・S・G)/(H・S・S・G
で表される。
【0051】
チャンネルCH1を基準としたときの分波部11におけるチャンネルCH2の周波数特性Hを含む系の周波数特性の比は、
/M1R=Y/Y1R
=(H・G)/(H・S・S・G
で表される。
【0052】
チャンネルCH1を基準としたときの分波部11におけるチャンネルCH3の周波数特性Hを含む系の周波数特性の比は、
/M1R=Y/Y1R
=(H・G)/(H・S・S・G
で表される。
【0053】
チャンネルCH1を基準としたときの分波部11におけるチャンネルCH4の周波数特性Hを含む系の周波数特性の比は、
/M1R=Y/Y1R
=(H・S・G)/(H・S・S・G
で表される。
【0054】
実際にアナログ信号Xを再生する際には、分波部11におけるチャンネルCH1〜CH4を含む系の周波数特性の逆特性を、各チャンネルのデジタル信号出力Y〜Yに乗算する(イコライズ)することで補正する。このため、補正後のアナログ信号XXは、以下で表される。
【0055】
XX=Y・{M/M4R−1
=(H・S・G・X)・(H・S・S・G)/(H・S・G
=H・S・S・G・X
【0056】
XX=Y・{M/M1R−1
=(H・G・X)・(H・S・S・G)/(H・G
=H・S・S・G・X
【0057】
XX=Y・{M/M1R−1
=(H・G・X)・(H・S・S・G)/(H・G
=H・S・S・G・X
【0058】
XX=Y・{M/M1R−1
=(H・S・G・X)・(H・S・S・G)/(H・S・G
=H・S・S・G・X
【0059】
CH4を基準とした場合、補正後のアナログ信号XXは、チャンネルCH1とチャンネルCH2,CH3,CH4とでS/S・G/G分だけゲインが異なる。スイッチの個体差は微小であるためS/Sは微小である。このため、G/Gの寄与が小さい場合、各チャンネルの周波数特性の比を用いて、各チャンネルCH1〜CH4の周波数特性を補正することができる。本実施形態に係る周波数変換装置は、参照チャンネルを構成するための回路を追加する必要がなく、回路構成が簡素である。したがって、本実施形態に係る周波数変換装置は、高精度な周波数変換を簡単簡素に行うことができる。
【0060】
なお、本実施形態では、参照チャンネルをチャンネルCH1及びCH4としたが、これに限定されない。参照チャンネルは、チャンネルCH1〜CH4の任意の2つのチャンネルに設定することができる。また、分波部11の分波するチャンネル数は、3以上の任意の数とすることができ、4に限定されない。
【0061】
(実施形態2)
図4に、本実施形態に係る周波数変換装置の一例を示す。本実施形態に係る周波数変換装置は、図1に示す周波数変換装置に、さらに切り替えスイッチ15−4及び15−5を備える。
【0062】
切り替えスイッチ15−4は、チャンネルCH1のアナログ信号Xmが入力され、測定チャンネルスイッチ15−1又は切り替えスイッチ15−5のいずれかに選択出力する。切り替えスイッチ15−5は、切り替えスイッチ15−4からのチャンネルCH1のアナログ信号Xm及びチャンネルCH2のアナログ信号Xmが入力され、チャンネルCH1のアナログ信号Xm又はチャンネルCH2のアナログ信号Xmのいずれかを選択出力する。
【0063】
本実施形態に係る周波数変換装置は、図3に示す第2の周波数特性取得手順S102の後に、第3の周波数特性取得手順をさらに実行する。第3の周波数特性取得手順では、第1参照チャンネル及び第2参照チャンネルのいずれかに設定されたチャンネルCH1のチャンネル信号を、第1参照チャンネル及び第2参照チャンネルのいずれにも設定されていないチャンネルCH2のローカル周波数fL2を用いて周波数変換してデジタル信号D2を取得する。これにより、チャンネルCH1のアナログ信号XmをチャンネルCH2の周波数変換部12−2で周波数変換した場合のデジタル信号Y21を測定することができる。
【0064】
例えば、切り替えスイッチ15−4の出力端子を切り替えスイッチ15−5側に設定し、切り替えスイッチ15−5の入力端子を切り替えスイッチ15−4側に設定する。この状態で、アナログ信号Xを入力し、チャンネルCH1のアナログ信号Xmを切り替えスイッチ15−5に出力し、切り替えスイッチ15−5がチャンネルCH1のアナログ信号Xmを周波数変換部12−2に選択出力する。これにより、切り替えスイッチ15−4及び切り替えスイッチ15−5は、分波部11からのアナログ信号Xmのうちの測定チャンネルスイッチ15−1の接続されているチャンネルCH1のアナログ信号Xmを、測定チャンネルスイッチ15−1の接続されていないいずれかのチャンネルCH2の周波数変換部12−2に入力する。
【0065】
周波数変換部12−2は、チャンネルCH1のアナログ信号Xmをローカル周波数fL2で周波数変換して中間周波数信号IF2を出力する。ADC13−2は、中間周波数信号IF2をデジタル信号D2に変換して演算処理部17に出力する。これにより、演算処理部17は、デジタル信号D2の出力Y21を測定することができる。
【0066】
分波部11へのアナログ信号入力をXと表す。チャンネルCH1の〜CH4の周波数特性をM〜Mと表す。分波部11におけるチャンネルCH1〜CH4の周波数特性をH〜Hと表す。分岐部14の周波数特性をHと表す。周波数変換部12−1及びADC13−1の周波数特性をG1と表し、周波数変換部12−2及びADC13−2の周波数特性をG2と表し、周波数変換部12−3及びADC13−3の周波数特性をG3と表し、周波数変換部12−4及びADC13−4の周波数特性をG4と表す。測定チャンネルスイッチ15−1,15−2の周波数特性をそれぞれS,Sと表す。参照チャンネルスイッチ15−3の周波数特性をSと表す。切り替えスイッチ15−4,15−5の周波数特性をそれぞれS,Sと表す。
【0067】
第1の周波数特性取得手順S101を実行することで得られる各チャンネルのデジタル信号出力は、
1R=M1R・X=H・S・S・G・X
=M・X=H・G・G・X
=M・X=H・G・X
=M・X=H・S・G・X
で表される。
【0068】
第2の周波数特性取得手順S102を実行することで得られる各チャンネルのデジタル信号出力は、
4R=M4R・X=H・S・S・G・X
=M・X=H・S・S・G・X
=M・X=H・G・G・X
=M・X=H・G・X
で表される。
【0069】
第3の周波数特性取得手順を実行することで、デジタル信号出力Y21を求めることができる。
21=H・S・S・G・X
【0070】
分波部11におけるチャンネルCH1の周波数特性Hを含む系の周波数特性の比は、
/M1R=Y/Y1R
=Y21/Y1R・Y/Y4R・(Y21/Y4R−1
=(H・S・S・G)/(H・S・S・G
で表される。
【0071】
チャンネルCH1を基準としたときの分波部11におけるチャンネルCH2の周波数特性Hを含む系の周波数特性の比は、
/M1R=Y/Y1R
=(H・S・G)/(H・S・S・G
で表される。
【0072】
チャンネルCH1を基準としたときの分波部11におけるチャンネルCH3の周波数特性Hを含む系の周波数特性の比は、
/M1R=Y/Y1R
=(H・G)/(H・S・S・G
で表される。
【0073】
チャンネルCH1を基準としたときの分波部11におけるチャンネルCH4の周波数特性Hを含む系の周波数特性の比は、
/M1R=Y/Y1R
=(H・S・G)/(H・S・S・G
で表される。
【0074】
実際にアナログ信号Xmを再生する際には、分波部11におけるチャンネルCH1〜CH4を含む系の周波数特性の逆特性を、チャンネルCH1〜CH4の各デジタル信号出力Y〜Yに乗算する(イコライズ)することで補正する。このため、補正後のアナログ信号XXは、以下で表される。
【0075】
XX=Y・{M/M1R−1
=(H・S・S・G・X)・(H・S・S・G)/(H・S・S・G
=H・S・S・G・X
【0076】
XX=Y・{M/M1R−1
=(H・S・G・X)・(H・S・S・G)/(H・S・G
=H・S・S・G・X
【0077】
XX=Y・{M/M1R−1
=(H・G・X)・(H・S・S・G)/(H・G
=H・S・S・G・X
【0078】
XX=Y・{M/M1R−1
=(H・S・G・X)・(H・S・S・G)/(H・S・G
=H・S・S・G・X
【0079】
上記のように、補正後のアナログ信号XXはゲインがそろっている。このため、本実施形態に係る周波数変換装置は、補正を行うことによって、各チャンネルCH1〜CH4の周波数特性における差をなくすことができる。本実施形態に係る周波数変換装置は、単純に参照チャンネルを追加する必要がなく、回路構成が簡素になる。また、参照チャンネルを追加した場合と同等の補正係数が得られるため、高精度な周波数変換を簡単簡素に行うことができる。
【0080】
なお、本実施形態では、チャンネルCH1のアナログ信号XmをチャンネルCH2の周波数変換部12−2で周波数変換した場合のデジタル信号Y21を測定したがこれに限定されない。例えば、チャンネルCH1のアナログ信号XmをチャンネルCH3の周波数変換部12−3で周波数変換した場合のデジタル信号Y31を測定してもよい。また、チャンネルCH4のアナログ信号XmをチャンネルCH2の周波数変換部12−2で周波数変換した場合のデジタル信号Y24を測定してもよいし、チャンネルCH4のアナログ信号XmをチャンネルCH3の周波数変換部12−3で周波数変換した場合のデジタル信号Y34を測定してもよい。
【0081】
また、本実施形態では、参照チャンネルをチャンネルCH1及びCH4としたが、これに限定されない。参照チャンネルは、チャンネルCH1〜CH4の任意の2つのチャンネルに設定することができる。また、分波部11の分波するチャンネル数は、3以上の任意の数とすることができ、4に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、広帯域のアナログ信号の周波数変換を行えるため、情報通信産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0083】
11:分波部
11−1〜11−4:周波数フィルタ
12−1〜12−4:周波数変換部
13−1〜13−4:ADC
14:分岐部
15−1、15−2:測定チャンネルスイッチ
15−3:参照チャンネルスイッチ
15−4,15−5:切り替えスイッチ
16:周波数変換設定部
17:演算処理部
18:記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたアナログ信号を分岐する分岐部(14)と、
前記分岐部の分岐する一方のアナログ信号を周波数帯域の異なる3つ以上のチャンネルの信号に分波する分波部(11)と、
前記分波部からの各アナログ信号を、各チャンネルの周波数帯域に応じたローカル周波数でチャンネルごとに周波数変換して中間周波数信号を出力する3つ以上の周波数変換部(12−1〜12−4)と、
前記分岐部の分岐するもう一方のアナログ信号が入力され、2つの出力端子のうちのいずれかの出力端子に選択出力する参照チャンネルスイッチ(15−3)と、
前記3つ以上の周波数変換部のうちの2つの周波数変換部の前段に接続され、前記参照チャンネルスイッチの出力する前記アナログ信号を前記周波数変換部に入力にする測定チャンネルスイッチ(15−1,15−2)と、
前記3つ以上の周波数変換部のうちの前記測定チャンネルスイッチから前記アナログ信号が入力されるチャンネルの周波数変換部に、他のチャンネルの周波数帯域に応じたローカル周波数で周波数変換をさせる周波数変換設定部(16)と、
を備える周波数変換装置。
【請求項2】
前記分岐部の分岐するもう一方のアナログ信号が入力されたチャンネルの周波数変換部の出力する中間周波数信号に対する前記分波部からアナログ信号が入力されたチャンネルの周波数変換部の出力する中間周波数信号の振幅比及び位相比を用いて、前記分波部からアナログ信号が入力された各チャンネルの周波数特性を得る演算処理部(17)と、
前記演算処理部の得る前記周波数特性を記憶する記憶部(18)と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の周波数変換装置。
【請求項3】
前記演算処理部は、
前記各周波数変換部の出力する中間周波数信号を前記記憶部に記憶されている周波数特性に応じて前記チャンネルごとに補正し、補正した中間周波数信号を、前記チャンネルの周波数帯域に関連付けて合成することを特徴とする請求項2に記載の周波数変換装置。
【請求項4】
前記演算処理部は、さらに、前記分波部からアナログ信号が入力された各チャンネルの周波数特性を用いて補正係数を算出し、
前記記憶部は、さらに、前記演算処理部の算出する補正係数を記憶する
ことを特徴とする請求項2に記載の周波数変換装置。
【請求項5】
前記演算処理部は、
前記各周波数変換部の出力する中間周波数信号を前記記憶部に記憶されている補正係数に応じて前記チャンネルごとに補正し、補正した中間周波数信号を、前記チャンネルの周波数帯域に関連付けて合成することを特徴とする請求項4に記載の周波数変換装置。
【請求項6】
前記分波部からの各アナログ信号のうちの前記測定チャンネルスイッチの接続されているチャンネルのアナログ信号を、前記測定チャンネルスイッチの接続されていないいずれかのチャンネルの周波数変換部に入力する切り替えスイッチ(15−4,15−5)をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の周波数変換装置。
【請求項7】
入力されるアナログ信号を周波数帯域の異なる3つ以上のチャンネルに分波し、前記3つ以上のチャンネルのうちの任意の1つのチャンネルを第1参照チャンネルに設定し、前記3つ以上のチャンネルのうちの前記第1参照チャンネルを除くチャンネルのいずれかを第1測定チャンネルに設定し、前記第1参照チャンネル及び前記第1測定チャンネルを前記第1測定チャンネルのローカル周波数を用いて周波数変換して前記第1測定チャンネルの周波数特性を取得する第1の周波数特性取得手順(S101)と、
前記3つ以上のチャンネルのうちの前記第1参照チャンネルとは異なるチャンネルを第2参照チャンネルに設定し、前記3つ以上のチャンネルのうちの前記第2参照チャンネルを除くチャンネルのいずれかを第2測定チャンネルに設定し、前記第2参照チャンネル及び前記第2測定チャンネルを、前記第2測定チャンネルのローカル周波数を用いて周波数変換して前記第2測定チャンネルの周波数特性を取得する第2の周波数特性取得手順(S102)と、
を順に有する周波数変換方法。
【請求項8】
前記第1の周波数特性取得手順において、前記第1参照チャンネルに対する前記第1測定チャンネルの前記周波数変換後の中間周波数信号の振幅比及び位相比を算出することで前記第1測定チャンネルの周波数特性を取得し、
前記第2の周波数特性取得手順において、前記第2参照チャンネルに対する前記第2測定チャンネルの前記周波数変換後の中間周波数信号の振幅比及び位相比を算出することで前記第2測定チャンネルの周波数特性を取得する
ことを特徴とする請求項7に記載の周波数変換方法。
【請求項9】
前記第1参照チャンネル及び前記第2参照チャンネルのいずれかに設定されたチャンネルのアナログ信号を、前記第1参照チャンネル及び前記第2参照チャンネルのいずれにも設定されていないチャンネルのローカル周波数を用いて周波数変換したときの周波数特性を取得する第3の周波数特性取得手順を、
前記第2の周波数特性取得手順の後にさらに有することを特徴とする請求項7又は8に記載の周波数変換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−205594(P2011−205594A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73614(P2010−73614)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、総務省、電波資源拡大のための研究開発委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)