説明

商品を保護する保護されるべき権利に関する参照の表示方法

商品(1)を保護する保護されるべき権利への参照(30)を商品(1)に表示するための方法を開示する。この方法では、RFID部品(10)が商品(1)と関連付けられており、RFID部品(10)がデータを保有し、そのデータにもとづき、少なくとも一つの保護されるべき権利の表示(30)を求めることができる。電気通信網を介して、リモートサーバー(7)から保護されるべき権利の表示(30)をダウンロードすることができる。また、この発明は、当該の商品(1)に対応する保護されるべき権利の表示(30)を保存している少なくとも一つのサーバー(7)を有するシステム、当該の商品(1)に対応する一つ以上の保護されるべき権利の表示(30)を保存しているデータベースシステム、及び一つ以上の保護されるべき権利の表示(30)を当該のコードの中の少なくとも一部と関連付けるデータベースシステムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品を保護する保護されるべき権利への参照を商品に付与することを可能とする方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
大抵の知的所有権に関しては、保護されるべき権利に関する参照を付与することが可能である。商標に関しては、
【0003】
【数1】

【0004】
及びTMの表示が確立されている。特許権に関しては、特許を出願している、或いは許可された国に依って、スイスでは、スイス国の十字記号及び特許番号と共に「特許申請中」、「特許EPXXX’XXX号」などの表示を商品に付けることが可能である。
【0005】
この参照の理由は、特に、商品が一つ以上の保護されるべき権利によって保護されているという事実に第三者の注意を引くことである。更に、そのような参照は、幾つかの国では、保護されるべき権利の所有者が最大限の補償を受けるべきことを主張するための条件となっている。
【0006】
しかし、多くの国では、間違った表示(例えば、特定の国において存在しない、或いはもはや存在しない保護されるべき権利に関する表示)は、許されないか、或いは罰せられる可能性さえ有る。そのため、商品製造業者は、保護されていない国では、保護されるべき権利の表示を持つ商品を販売しないように特に注意を払わなければならない。このことは、特に、複数のチャネルと流通業者を介して流通される商品の場合には、ほぼ解決不可能な物流上の問題を引き起こす。更に、一つの国において保護されるべき権利の表記の状況が変化した場合、直ちに表示を修正しなければならない。或る国で特許が許可された後では、「特許申請中」との表示は、「特許」と置き換えなければならず、特許が切れた後では、その表示は、もはや許されない。
【0007】
これらの問題を解決するために、国毎に関係する保護されるべき権利の表記の包括的なリストを商品に付ける商品製造業者も居る。小さい商品(例えば、電子機器や携帯可能な商品)に関しては、詳細な表示のために十分なスペースが利用可能ではない。更に、保護されるべき権利の内訳が変更される毎に、リストを常に更新しなければならない。
【0008】
RFID部品を備えているが、保護されるべき権利の表示への参照を与えるものではない文献には、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4が有る。
【0009】
特許文献1は、物体上に配備したラベルを読み取ることができるシステムを記載している。第一のモード(オーサリングモード)では、音声データ、テキストメッセージ、グラフィック又はビデオメッセージをそれらのラベルと関連付けることが可能である。第二のモード(プレイバックモード)において、物体と関連付けたメッセージを再生する。このことは、マルチメディア情報の集まりを保存したサーバーを介して実行することが可能である。ラベルと物体間のリンクは、利用者による自由裁量で構成することが可能であり、このシステムでは、信頼性の有る商品表示は不可能である。
【0010】
特許文献2は、ショッピングを容易にするための方法に関する。商品は、RFIDタグを備えており、購入時に読み取られる。それは、ショッピングカードを提供された顧客のニーズに対応したショッピングを可能とするものである。好みの情報を中央ユニットで収集して、広告及び個人用の情報を利用者に時々表示している。
【0011】
特許文献3は、商品にRFIDタグを配備したシステムを開示している。ラベルが、一連の纏まった商品の場所情報(パレット、倉庫)を示している。RFIDによる個々の商品の表示は、この文献からは得られない。
【特許文献1】米国特許公開第2003/0155413号明細書
【特許文献2】米国特許公開第2002/0174025号明細書
【特許文献3】国際特許公開第03/067396号パンフレット
【特許文献4】米国特許公開第2002/0143643号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この発明の課題は、前述した保護されるべき権利の表記に関する表示の問題を解決するための新しい方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、特に、RFID部品が商品と関連付けられており、RFID部品がデータを保有し、そのデータにもとづき少なくとも一つの保護されるべき権利の表示を求めることが可能である、商品を保護する保護されるべき権利への参照を商品に付けるための方法によって達成される。
【0014】
このことは、保護されるべき権利を一つのRFID部品だけでマーキングして、そのRFID部品から詳細な表示を求めることができるという利点を有する。RFID部品は、小さくするとともに、安価に製造することが可能であり、何れにせよその他の目的、例えば、追跡可能性を保証するために、益々多くの数の商品に付けられている。
【0015】
一つの実施形態では、RFID部品は、一つのコードを有し、そのコードにもとづき、離れた所に有る(即ち、構内にはない)電気通信網内のサーバーから保護されるべき権利の表示を求めることができるものである。このことは、表示をRFID部品内ではなく、リモートサーバー内に保存するという利点を有する。サーバーのメモリ空間は、RFID部品よりも著しく安くかつ高速である。更に、RFID部品にアクセスすることなく、何時でも表示を編集、更新することができる。
【0016】
一つの実施形態では、当該のコードは、複数の電子的なコードと複数の電子的なページアドレス間のリンクを登録しているネームサービスサーバーに伝送される。その次に、当該のコードに対応するアドレスに保存されているページから、保護されるべき権利の表示をダウンロードする。このことは、保護されるべき権利の表示が、そのような形で一つのページに保存されているということと、すべてのRFID部品にページアドレスを適用する必要無しに、何時でも変更することができるという利点を有する。
【0017】
また、このことは、商品に添付するRFID部品の価格又はサイズに影響を与えること無く、表示を如何なる長さにもすることができるという利点を有する。
【0018】
ページのアドレスは、RFID部品から読み出したコードに対応する。コードと電子的なページアドレス間の関連付けは、静的ではなく、ネームサービスサーバーに登録されている。このことは、ページアドレスの変更が何時でも可能であり、簡単に追跡することができるという利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下では、図面にもとづき、この発明について詳しく述べる。
【0020】
図1は、利用者又は移動体利用者が、この発明による方法にもとづき、保護された商品1(この場合、時計)に関する保護されるべき権利の表示30を受信するために使用するシステムを図示している。移動体機器3(例えば、移動体無線電話機又はセルラー移動体無線網とのインタフェースを備えたPDA)は、ショートメッセージ(例えば、SMSやUSSD)及びデータ(例えば、IPパケット)を移動体無線網4から受信するとともに、その網に送信することができる。この移動体無線網4は、データも伝送することができる網、例えば、GSM、GPRS、HSCSD、EDGE、UMTS又はCDMA網である。この発明による方法は、移動体無線網4の代わりに、固定網、例えば固定有線電話網、電力線網又はケーブルテレビ網を用いて、同様に実施することも可能である。移動体機器3は、その機器を網4を介して識別するための識別モジュール(例えば、SIMカード30)を有する。移動体機器3及び/又はSIMカード30内のプロセッサによって、一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行することができる。
【0021】
移動体機器3は、更に、RFIDリーダー機器2を有するか、或いは(例えば、USB、ファイヤーワイヤー、PCカード、コンパクトフラッシュ(R)、専用又はその他の接続方式、或いはブルートゥースやWLANの非接触接続方式により)そのようなリーダー機器と接続される。リーダー機器は、マイクロコントローラと、近傍のRFID部品とデータを交換するための少なくとも一つのアンテナ又はコイルを有する。データの伝送は、好ましくは、13.56MHz、900MHz、860〜930MHzの中の一つ以上の周波数帯域で行われる。リーダー部分は、好ましくは、異なる周波数帯域で、かつ異なるRFIDにより動作するように選定することができる。RFIDを読み出せる動作範囲は、リーダー部分と部品の向きに依存して、好ましくは、2〜10メートルである。接続は、好ましくは、ASK後方散乱変調による半二重モードで行われる。
【0022】
商品1は、製造時又は個人向け設定時にコードを保存するための消去不能な固定記憶エリアを備えたRFID部品10を有する。コードは、好ましくは、各特定のRFID部品10を一義的に識別するものであり、各RFID部品10は、好ましくは、別の個別コードを有する。しかし、コードが、商品1の形式だけを示すようにすることも考えられる。好ましくは、コードを偽造することはできない。
【0023】
コードは、好ましくは、64、96又はそれ以上のビットを有し、階層的に構成される。リーダー機器2からの問合せに対するRFID部品10の返答は、好ましくは、ヘッダー、冗長的な検証データ及びコードを有する。その他のデータは、チップ10の記憶エリアに保存して、リーダー部分により読み出すことができる。
【0024】
コードは、好ましくは、共通の認証機関によって、異なる商品製造業者に配布され、コードの一部は、好ましくは、商品1の製造業者の識別子を表す。商品1に保護されるべき権利の表示30を付けたいと思う製造業者は、共通の認証機関から一連のコードを確保して、それらのコードの一部をRFID部品10に保存する。
【0025】
移動体機器3には、リーダー機器2を介して近傍のRFID部品10内のコードを読み取って、そのコードを移動体無線網4により送信するための少なくとも一つのアプリケーションが配備されている。コードの読み取りは、好ましくは、移動体機器3によって始動され、例えば、移動体機器が、連続的又は周期的に近傍のRFID部品10を探索して、見い出したRFID部品10内のコードを読み出すか、処理するか、或いは転送することが可能である。別の低電流の実施形態では、読み取りは、移動体機器3の利用者によって始動され、利用者は、特定の商品1に関する保護されるべき権利の表示30を読み出したい場合に、対応するアプリケーションを立ち上げるか、或いはコマンドを入力する。場合によっては、商品1を使用することを可能とするために、その工程が必要であるようにすることができ、一つの実施形態では、表示10を提示する前には、商品1を使用できないようにしておき、コマンドによりリモートサーバーからコードを読み出した後にのみ使用可能とすることができる。
【0026】
移動体機器3又はその他の機器を用いたRFID部品10の読み取りは、近い範囲内ではインタフェース(例えば、ブルートゥースまたはWLAN)を介して、移動体無線網4を介して、或いはアクセスしているWEB又はWAPページ上のリンクを介して、外部機器(例えば、販売ポイント又は自動販売機)によって始動することもできる。
【0027】
読み取ったコードを処理するために、移動体機器3及び/又はリーダー部分にアプリケーションの一部として、簡単なフィルター及び処理手段を配備することができる。このアプリケーションは、例えば、コードの一定の部分だけを処理して転送することができる。それらしくない、或いはエラーを含むコードを削除するために、冗長性検査を配備することもできる。以前使用されていたコードは、好ましくは、将来における制御、静的な評価及びバックアップのために、移動体機器3のデータベースに保存される。
【0028】
このアプリケーションでは、コードを読み取るか、或いは転送する前に、パスワード又はその他の認証を要求することもできる。パスワードは、例えば、価値保存カードの隠れた部分に印刷することができ、それを剥がすか、或いは別のチャネルを介して、移動体利用者に送ることができる。
【0029】
移動体機器3のアプリケーションは、コードを更に処理して、所望の保護されるべき権利の表示30を再生する前に、利用者の確認を要求することができる。この確認は、例えば、移動体機器のキーボード、PDA、その他の入力手段又は音声コマンドにより入力することができる。
【0030】
パスワードが正しく、確認が受信された場合に、読み出されたコードは、アプケーションによって、メッセージ(例えば、ショートメッセージ、好ましくは、GPRS又はUMTSパケット)に纏められて、移動体無線網4を介して、周知のアドレスのサーバー5、好ましくは、移動体無線網4のインフラストラクチャー内のサーバーに送信される。このメッセージは、任意選択により、移動体機器3又はSIMカードによって、タイムスタンプを押されるか、或いは調整される。
【0031】
サーバー5は、移動体機器3の幾つかの、或いは場合によってはすべてのRFIDリーダー2から受信する、コードの入ったメッセージを管理する。異なるエリアからのコードを異なった形で扱うか、或いは全く扱わないようにするために、その他のより複雑なフィルターをサーバー5に配備することができる。
【0032】
サーバー5は、利用者の識別子を検証することもできる。このことは、サーバー5が、移動体無線網4の運用業者によって管理されている場合、なお一層信頼性を増すことととなる。この場合、移動体利用者の識別子は、確実には、SIMカード内のIMSI(国際移動電話加入者識別番号)にもとづき求めることができる。このようにして、利用者に応じて保護されるべき権利の表示30を、例えば、利用者のプロフィル及び好みに依存しsて表示を再生することができる。
【0033】
サーバー5は、インターネット又はイントラネットを介して各コードに対応した電子的なページの電子的なアドレスを保存しているネームサービスサーバー6と接続される。
【0034】
サーバー5は、受信した、コードの入った問合せ50をネームサービスサーバー6に転送して、ネームサービスサーバーは、対応する電子的なアドレスを回答する(応答60)。電子的なアドレスは、例えば、TCP−IP網に関するURL又はその他のアドレスで構成される。
【0035】
ネームサービスサーバー6は、サーバー5の運用業者及び/又は外部の団体(例えば、コードを異なる会社に配布する機関)によって管理することができる。所望のアドレスが、サーバー6内で見つからなかった場合に別のネームサービスサーバーを検索するために、複数のネームサービスサーバーを相互に接続することができる。このことにより、例えば、移動体無線網の運用業者が、別の機関のコードを処理することも可能となる。
【0036】
従って、移動体機器3の利用者は、すべての商品製造業者のすべてのコードを、同じ目標とするサーバー5に常に直接送信して、そのサーバーが、ネームサービスサーバー6又はネームサービスサーバー6の網から、所望の保護されるべき権利の表示をダウンロードするためのベースとなるページアドレスを求めるようにすることができる。
【0037】
ネームサービスサーバー6内におけるコードとアドレス間の関連付けは、好ましくは、所望のサービスの提供業者によって、(例えば、専用のWEBフォームにより)何時でも修正することができる。このことにより、最終利用者に通知することなく、ページ又はドメインの電子的なアドレスを変更することができる。
【0038】
従って、保護されるべき権利の表示を載せているページのアドレスは、RFID部品10内に保存されている64又は96ビットのコードにもとづき、一つだけ一義的に見い出すことができ、そのため、アクセスするページは、サーバー5のアドレス又は電話番号から完全に独立したものとなる。多くの商品1にマーキングしなければならず、そしてセキュリティの理由から、すべてのコードを使用することができないので、コードには、自由に使える十分なビットを持たせなければならず、そして非常に多くの可能性の有る組み合わせが、既に割り当てられているので、例えば、単純なIP番号では、恐らく不十分である。好ましくは、その他の独立したページアドレス指定方式も使用される。
【0039】
サーバー5は、ネームサービスサーバー6から所望のページアドレスの入った応答60を受信して、サーバー7、或いは複数のローカル又はリモートサーバーを持つ網内の対応するページにアクセスする(問合せ51と応答70)。
【0040】
一つの実施形態では、所望のページのアドレスは、ネームサービスサーバー6によって指定されたアドレスをコードの中の一つ以上のビットと組み合わせることによって得られる。この場合、ネームサービスサーバー6のアドレスは、一つのエリアに対応し、そのエリア内の個々のページは、コードの一定の部分に対応する。このことは、ネームサービスサーバー6をより容易に構成することができるという利点を有する。
【0041】
サーバー5によってアクセスされる、サーバー7内のページは、場合によっては、マークアップ言語のハイパーテキストコンテンツを含む。一つの実施形態では、このページは、XML(拡張マークアップ言語)コンテンツで構成される。別の実施形態では、ページは、PML(物体情報マークアップ言語)コンテンツを含む。所望の保護されるべき権利の表示30を求めることを可能とするページは、サーバー5及び最終的には移動体機器3が、サーバー7のサービス及びオブジェクトにアクセスすることができるためのSOAP(シンプルオブジェクトアクセスプロトコル)、.NETフレームワーク又はその他のWEBサービスをサポートすることもできる。
【0042】
サーバー5は、サーバー7から所望のページ又はページの一部をダウンロードして、それを更に移動体機器3に伝送する。後述する通り、サーバー7上のページは、例えば、保護されるべき権利の表示30を音又は画像でも再生するために、マルチメディアコンテンツを含むこともできる。保護されるべき権利の表示を、リンクで互いに関連付けることができる複数のページに分散させて、利用者が、リンク又はメニューのオプションをクリック又は選択することによって、保護されるべき権利の表示に関するより多くの情報をダウンロードすることができるようにすることも可能である。
【0043】
保護されるべき権利の表示を、移動体機器3の利用者の識別子、その契約タイプ、その位置、時間、アクセスしている網、そのプロフィルなどを含む、移動体無線網4及び/又は移動体機器3内で求めたパラメータに依存させることができる。求めたコンテンツの言語を、移動体利用者の位置及び/又はその事前に保存しておいたプロフィルに依存させることができる。
【0044】
所望の保護されるべき権利の表示は、逆方向のチャネルを介して、例えば、メッセージ(SMS、MMS、USSD又は電子メール)或いはWEB又はWEPページとして、移動体機器3及び/又はSIMカードに伝送することができる。一つの実施形態では、その表示を、音で、例えば、移動体機器3の音声スピーカー又はヘッドフォンによって再生する。この場合、音声ファイルをサーバー7内に保存しておくか、或いは音声シンセサイザーによって生成することができる。
【0045】
利用者の複数の問合せとそれに対応した応答から成る一つのセッションにおいて、参照を利用者と送受信することもできる。一つの実施形態では、保護されるべき権利の表示が既に利用者に送信させているという宣言がサーバー5又は7に保存されており、それを後で検証することも可能である。この宣言は、電子的に署名するとともに、タイムスタンプを付与することができる。
【0046】
以下の保護されるべき権利の表示が、サーバー7内のページに保存されており、移動体機器3に伝送される。
・商品1の技術的特徴に関する一つ以上の特許、特許出願又は実用新案に関する少なくとも一つの参照及び/又は、
・商品1を表す一つ以上の商標に関する少なくとも一つの参照及び/又は、
・商品1の美的特徴と関連した一つ以上の意匠の各装飾的意匠に関する少なくとも一つの参照及び/又は、
・一つ以上の保護された半導体回路配置に関する少なくとも一つの参照及び/又は、
・著作権保護に関する少なくとも一つの参照及び/又は、
・商品製造業者の一般取引条件。
【0047】
図2から分かる通り、保護されるべき権利の表示は、商品1が保護されるべきものであると推定させる、商品1と関連した複数の保護されるべき権利のリスト、例えば、特許番号、商標番号等のリストを含むことができる。保護されるべき権利の表示30のリストから特定の保護されるべき権利を選択することによって、その特定の保護されるべき権利に関するより多くの情報を表示することができる。特許又は意匠に関して、リスト内の特許又は意匠番号を選択することによって、例えば、完全な文書を画像フォーマット、例えばtif又はpdf形式でダウンロードすることができる。視覚的な商標に関しては、例えば、商標の画像を表示することができる。
【0048】
サーバー7内において、参照が保護されるべき権利の要旨、書誌データ又は保護されるべき権利の法的状況を保存しておき、利用者が、その情報を直接又は関連する保護されるべき権利を選択することによって、それらを受信するようにすることも可能である。
【0049】
一つの実施形態では、サーバー7内のページは、保護されるべき権利のデータベース71から動的に生成されるコンテンツを含む。そのような保護されるべき権利のWebデータベースは、既に知られており、様々な会社及び機関によって、特に、www.propis.com、www.espacenet.com又はwww.depatisnet.dpma.deのアドレスで提供されている。この発明では、商品1と関連した保護されるべき権利又は保護されるべき権利のリストを載せたページへの直接的なアクセスが、商品1のRFID部品10内のコードにもとづき保証されており、その結果利用者は、RFID部品10を読み取ることによって、例えば、Espacenet内の相応の特許又は相応の特許のリストを含むページに直接到達するものである。
【0050】
一つの実施形態では、衛星位置測定モジュールにもとづき、或いは電気通信網内において、例えば、移動体無線網4の識別子又は複数の基地局間の三角測量により、移動体機器3の位置を求める。この位置情報は、保護されるべき権利の表示のリストを利用者が居る国にも及ぶように調整するために、移動体機器3又はサーバー5と7の中の一方で利用することができる。従って、利用者の位置に依存して、参照の言語又はその国の法的状況を調整することも可能である。
【0051】
利用者のプロフィルは、サーバー5又は7内に、或いは例えばクッキーとして移動体機器3内に保存しておくことが可能であり、そのプロフィルに保護されるべき権利の表示を適合させるものである。このことにより、例えば、参照の言語を利用者個人毎に適合させることが可能となる。
【0052】
好ましい実施形態では、各RFID部品10は、異なるコードを保有しており、それによって各商品1を個々に指定するものである。従って、同じモデルの複数の同じ商品は、異なるコード(例えば、異なるシリアル番号)を有する。このことにより、例えば、個々の適合を考慮するために、或いは個々の商品に関して取得した、或いは取得予定のライセンスに関連した保護されるべき権利の表示を考慮することによって、保護されるべき権利の表示を各個々の商品に適合させることができる。この場合、利用者に応じた個々の保護されるべき権利の表示を、例えば、「この商品は、あなたが居るXY国内で特許EPXYZ12345により保護されています。利用者XYの個人的な使用に対して、排他的ユーザーライセンスが2004年4月15日に取得されています。」と表示することができる。一つの実施形態では、好ましくは、移動体機器3により直接ライセンス料を支払うこともできる場合、サーバー7上のページは、ライセンスを取得して、その他の使用目的に拡張又は適合させる手段を提供する。好ましくはライセンス条件を利用者、位置及び商品1に依存させることができる。
【0053】
一つの実施形態では、商品1は、保護されたコンテンツを持つデータ担体、例えば、保護されるべき権利(例えば、著作権)によって保護され、ライセンスを取得することができる音楽、文章、画像、フィルム、ゲーム、ソフトウェアアプリケーション及び/又はその他の著作物を保存している磁気及び/又は光学式データ担体で構成される。当該のデータ担体を搭載した機器又はその他の別個の機器によって、保護されるべき権利の表示を求めて、表示することができる。ライセンスの発行は、場合によっては、例えば、利用者がRFID部品10から有効なコードを生成するか、或いは利用者が識別されるという一定の条件を前提とすることができる。
【0054】
一つの実施形態では、関連する保護されるべき権利の表示が移動体機器3に伝送されていない場合及び/又は相応のライセンスが取得されていない場合には、商品1の使用が停止される。サーバー5,7との交信後に、サーバー7内及び/又は商品1の記憶エリア内のデータ(例えば、使用停止フラグ)を修正することによって、商品1の使用停止が解除される。一つの実施形態では、ライセンス状態の変化が起こった後、RFIDリーダー機器2によって、RFID部品10内のデータも書き換えられる。このことにより、サーバー7と接続すること無く、商品1のライセンス状態を確認することが可能となる。
【0055】
図2は、移動体機器3のRFIDリーダー機器2によって、保護されるべき権利の表示を読み出して、リモートサーバーから参照をダウンロードすること無く、その後直ぐに表示する別の実施形態を図示している。この場合、すべての表示は、RFID部品10から直接読み出される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】移動体機器、RFIDリーダー機器、RFID部品、ネームサービスサーバー及びページサーバーを備えたシステムのブロック図
【図2】移動体機器、RFIDリーダー機器及びRFID部品を備えたシステムのブロック図
【符号の説明】
【0057】
1 商品
10 RFID部品
2 RFIDリーダー機器
3 移動体機器
30 保護されるべき権利の表示
4 移動体無線網
5 サーバー
50 問合せ
51 問合せ
6 ネームサービスサーバー
60 応答
7 サーバー
70 応答
71 保護されるべき権利のデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFID部品(10)が商品(1)と関連付けられており、RFID部品(10)がデータを保有し、そのデータにもとづき、利用者の移動体機器(3)と接続されたRFIDリーダー機器(2)を用いて、当該の商品(1)と関連した少なくとも一つの保護されるべき権利の表示(30)を求めることができ、保護されるべき権利の表示(30)の少なくとも一部が当該のRFID部品(10)内に保存されているか、或いは当該のデータがコードを保有しており、そのコードにもとづき、電気通信網内のサーバー(7)から当該の保護されるべき権利の表示(30)を求める工程と、
その次に、移動体機器(3)が、求めた保護されるべき権利の表示(30)を利用者に再生する工程と、
を有する、商品(1)を保護する保護されるべき権利への参照(30)を提示するための方法。
【請求項2】
当該のコードを、複数の電子的なコードと当該の電気通信網内の複数の電子的なページアドレス間のリンクを登録しているネームサービスサーバー(6)に伝送して、
当該のコードに対応するアドレスに保存されているページから、当該の保護されるべき権利の表示(30)をダウンロードする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
RFIDリーダー機器(2)が、移動体機器(3)と接続されているか、或いは移動体機器(3)の一部として構成されており、
当該の移動体機器(3)が、離れた所に有る電気通信網と接続されており、
RFIDリーダー機器(2)を用いて、RFID部品(10)内の当該のデータを読み出して、
当該の保護されるべき権利の表示(30)を、当該の離れた所に有る電気通信網からダウンロードする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
当該の移動体機器(3)によって、当該の保護されるべき権利の表示(30)を視覚的及び/又は音響的に再生する請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
当該の保護されるべき権利の表示(30)をデータメッセージとして移動体機器(3)に伝送して、移動体機器(3)のディスプレイ上に表示する請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
当該の保護されるべき権利の表示(30)をWEB及び/又はWAPページとして伝送して、移動体機器(3)によって、WEB及び/又はWAPブラウザーを用いて相応に再生する請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
当該の保護されるべき権利の表示(30)が、移動体機器(3)で声により再生される請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
当該の保護されるべき権利の表示(30)が、
一つ以上の特許、特許出願又は実用新案への参照、
一つ以上の商標への参照、
一つ以上の意匠の各装飾的意匠への参照、
一つ以上の保護された半導体回路配置への参照、
の中の一つ以上の当該の保護されるべき権利への参照に関する請求項1から7までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
当該の保護されるべき権利の表示(30)が、少なくとも一つの著作権保護への参照を含む請求項1から8までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
当該の保護されるべき権利の表示(30)が、商品(1)の製造業者の一般取引条件を含む請求項1から9までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
当該の保護されるべき権利の表示(30)が、商品(1)に適用される複数の保護されるべき権利への参照のリストを含み、
当該のリストから特定の保護されるべき権利を選択した場合に、その特定の保護されるべき権利に関する更なる情報が表示される請求項1から10までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
当該の保護されるべき権利の表記が画像形式で表示される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
当該の保護されるべき権利の表記の要旨が表示される請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
保護されるべき権利の法的状況が表示される請求項11から13までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
当該のリストから特定の保護されるべき権利が選択された場合に、そのWEBページを、複数の保護されるべき権利を保有するデータベース(71)から動的に生成する請求項11から14までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
保護されるべき権利の表示(30)が位置に依存する請求項1から15までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
所定の利用者のプロフィルに応じて、当該の保護されるべき権利の表示(30)を調整する請求項1から16までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項18】
当該のコードが、個々の商品(1)の各々を個別に指定しており、
各商品(1)に合わせて当該の保護されるべき権利の表示(30)を個別に調整する請求項1から17までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】
当該の保護されるべき権利の表示(30)が、当該の個々の商品(1)に関して取得された、或いは取得予定のライセンスの表示を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
当該の表示が、商品、利用者及び/又は位置に依存する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
利用者が、当該の移動体機器(3)を用いて、当該の保護されるべき権利の中の少なくとも一つに関するライセンスを取得する請求項1から20までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項22】
当該の商品(1)は、使用が停止されており、当該の保護されるべき権利の表示(30)を決定した場合に使用の停止が解除される請求項1から21までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項23】
ライセンス状態に変更が生じた後に、当該のRFID部品(10)のデータを書き換える請求項21に記載の方法。
【請求項24】
ライセンス状態に変更が生じた後に、そのデータを当該の電気通信網(4)内のサーバー(5,7)に伝送する請求項21に記載の方法。
【請求項25】
当該のサーバー(5)は、電気通信網のインフラストラクチャ内に配置されており、
当該のネームサービスサーバー(6)は、電気通信網のインフラストラクチャ外に配置されており、複数の網運用業者からアクセス可能である請求項2から26までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項26】
コードを中に保存しているRFID部品(10)を備えた複数の商品(1)と、
当該のコードから導き出すことができるアドレスに、保護されるべき権利への参照(30)が保存されており、当該の商品(1)に対応する保護されるべき権利の表示(30)を保存している少なくとも一つのサーバー(7)と、
を特徴とするシステム。
【請求項27】
複数の電子的なコードと複数の電子的なページアドレス間のリンクを登録しているネームサービスサーバー(6)を有する請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
それぞれ移動体機器(3)と接続されているか、或いは移動体機器(3)の一部として構成されている複数のRFIDリーダー機器(2)を有する請求項26又は27に記載のシステム。
【請求項29】
RFID部品(10)の位置を求めて、当該の参照を当該の位置に適合させるための位置決定手段を有する請求項26又は28に記載のシステム。
【請求項30】
商品(1)を一義的に指定する複数のコードと、
少なくとも一定の当該のコードと関連付けられた一つ以上の保護されるべき権利の表示(30)と、
電気通信網からの問合せ(51)を受信して、それらの問合せ(51)に対して、対応する保護されるべき権利の表示(30)で応答するためのインタフェースと、
を特徴とするデータベースシステム(71)。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−535051(P2007−535051A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510025(P2007−510025)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051789
【国際公開番号】WO2005/103969
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(301067357)スイスコム・モバイル・アクチエンゲゼルシヤフト (11)
【Fターム(参考)】