説明

商品陳列棚

【課題】商品陳列棚の横幅を変更する操作の操作性を良好にする。
【解決手段】商品陳列棚100は、互いに対向して配置された第1及び第2側板3、4と、第1側板3から第2側板4に向けて延出する複数段の第1延出部10と、第2側板4から第1側板3に向けて延出する複数段の第2延出部20を有する。商品陳列棚100は、更に、同一の段の第1及び第2延出部10、20を相互固定することにより、第1及び第2側板3、4の対向距離を複数の距離のなかから選択された距離で位置決めする固定部材(固定ロッド30)を有する。固定部材は、第1及び第2延出部10、20に挿通されることにより第1及び第2延出部10、20を相互固定する棒状部31を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横幅を変更可能な商品陳列棚に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアなどの店舗では、様々な商品がいわゆる什器(商品陳列棚)に陳列されている。
【0003】
多様な商品のうち、例えばたばこ商品などの特定の商品を陳列するための什器は、電子キャッシュレジスタなどの販売処理装置が載置されたレジカウンタ上又はその周辺に配置されることが一般的である。
【0004】
なお、ここで云うたばこ商品とは、実際に喫煙される紙巻たばこではなく、複数の紙巻たばこを収容している直方体状のパッケージを意味している。
【0005】
ところで、コンビニエンスストアなどの店舗のレジカウンタ上又はその周辺において商品を陳列可能なスペースは、店舗毎に異なり、また季節毎の商品サイクルに応じても変動する。このため、商品陳列棚には、商品の陳列スペースの大きさを必要に応じて容易に変更できることが望まれる。
【0006】
特許文献1には、側板と分割底板とをそれぞれ有する左トレイ半体と右トレイ半体とを備え、これらトレイ半体の分割底板どうしを左右の側板の間隔を変化させる方向にスライド可能に結合した構成の商品陳列棚(タバコ陳列システムケース)が記載されている。この商品陳列棚には、左右の側板の間隔が特定の間隔のときに働くクリックストップ機構が設けられている。このクリックストップ機構は、一方の分割底板に一体に形成された弾性片と、この弾性片に設けられた突起と、他方の分割底板に形成されこの突起が嵌合離脱しうるクリック穴と、からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】登録実用新案3163708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の技術では、商品陳列棚の横幅の変更操作は、商品陳列棚の各段のクリックストップ機構の突起とクリック穴とを離脱させてから行う必要がある。このため、商品陳列棚の横幅を変更する操作の操作性が悪い。
【0009】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、商品陳列棚の横幅を変更する操作の操作性が良い商品陳列棚を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、互いに対向して配置された第1及び第2側板と、
前記第1側板から前記第2側板に向けて延出する複数段の第1延出部と、
前記第2側板から前記第1側板に向けて延出する複数段の第2延出部と、
同一の段の前記第1及び第2延出部を相互固定することにより、前記第1及び第2側板の対向距離を複数の距離のなかから選択された距離で位置決めする固定部材と、
を有し、
前記固定部材は、前記第1及び第2延出部に挿通されることにより前記第1及び第2延出部を相互固定する棒状部を有することを特徴とする商品陳列棚を提供する。
【0011】
この商品陳列棚によれば、固定部材によって同一の段の第1及び第2延出部を相互固定することにより、第1及び第2側板の対向距離を複数の距離のなかから選択された距離で位置決めできるので、商品陳列棚の横幅(第1及び第2側板の対向距離)を容易に変更することができる。
また、棒状部を第1及び第2延出部に挿通することにより、容易に、第1及び第2延出部を相互固定することができる。
更に、棒状部を第1及び第2延出部から抜き取ることにより、容易に、第1及び第2延出部の相互固定状態を解除し、商品陳列棚の横幅の変更を行うことができる。つまり、商品陳列棚の横幅を変更する操作の操作性が良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品陳列棚の横幅を変更する操作の操作性を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係る商品陳列棚を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る商品陳列棚の正面図である。
【図3】実施形態に係る商品陳列棚の側面図である。
【図4】実施形態に係る商品陳列棚の平面図である。
【図5】商品陳列棚の一対の構造体を示す平面図である。
【図6】商品陳列棚の固定ロッドを示す平面図である。
【図7】延出部の孔部を示す平面図である。
【図8】実施形態に係る商品陳列棚の平面図である。
【図9】実施形態に係る商品陳列棚の平面図である。
【図10】実施形態に係る商品陳列棚の平面図である。
【図11】図10の状態と対応する商品陳列棚の斜視図である。
【図12】商品陳列棚の前面化粧パネルを示す図である。
【図13】変形例に係る商品陳列棚の孔部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0015】
〔第1の実施形態〕
図1は実施形態に係る商品陳列棚100の斜視図、図2は商品陳列棚100の正面図、図3は商品陳列棚100の側面図である。図4は商品陳列棚100の平面図であり、このうち図4(a)はマガジン40を搭載していない状態を示し、図4(b)はマガジン40を搭載した状態を示す。図1乃至図4の各図は、商品陳列棚100の横幅を最大(例えば、マガジン40六つ分)に設定した状態を示す。図5は商品陳列棚100の一対の構造体1、2を左右に分離させた状態を示す平面図である。図6は商品陳列棚100の固定ロッド(固定部材)30を示す平面図である。図7は延出部の孔部(例えば、延出部10の孔部15、16、17)を示す平面図である。図8乃至図10は商品陳列棚100の平面図であり、それぞれ異なる横幅に設定した状態を示す。すなわち、図8は横幅をマガジン40五つ分に設定した状態を、図9は横幅をマガジン40四つ分に設定した状態を、図10は横幅をマガジン40三つ分に設定した状態を、それぞれ示す。また、図8乃至図10の各図において、(a)はマガジン40を搭載していない状態を示し、(b)はマガジン40を搭載した状態を示す。図11は図10の状態と対応する商品陳列棚100の斜視図である。
【0016】
本実施形態に係る商品陳列棚100は、互いに対向して配置された第1及び第2側板3、4と、第1側板3から第2側板4に向けて延出する複数段の第1延出部10と、第2側板4から第1側板3に向けて延出する複数段の第2延出部20と、同一の段の第1及び第2延出部10、20を相互固定することにより、第1及び第2側板3、4の対向距離を複数の距離のなかから選択された距離で位置決めする固定部材(固定ロッド30)と、を有し、固定部材は、第1及び第2延出部10、20に挿通されることにより第1及び第2延出部10、20を相互固定する棒状部31を有する。以下、詳細に説明する。
【0017】
図1及び図2に示すように、商品陳列棚100は、左右一対の構造体1、2を有している。
第1構造体1は、例えば、平板状の第1側板3を有し、第2構造体2も、例えば、平板状の第2側板4を有している。これら第1及び第2側板3、4は、それぞれ水平面に対して直交するように立設され、且つ、互いに対向して配置される。
第1構造体1は、第1側板3において第2側板4と対向する板面より、第2側板4側に向けて水平に延出する複数段の第1延出部10を有している。
同様に、第2構造体2は、第2側板4において第1側板3と対向する板面より、第1側板3側に向けて水平に延出する複数段の第2延出部20を有している。
第1及び第2延出部10、20は、例えば、それぞれ板状に形成されている。
第1及び第2延出部10、20の段数は任意であるが、本実施形態では、第1及び第2延出部10、20の段数がそれぞれ7段である例を示す。なお、第1延出部10の段数と第2延出部20の段数は互いに等しい。
そして、第1延出部10の各段と、第2延出部20の各段とは、同一の高さに位置している。
例えば、第1延出部10の隣り合う段の上下間隔、並びに、第2延出部20の隣り合う段の上下間隔は、一定間隔となっている。
【0018】
固定ロッド30によって、同一の段の第1延出部10と第2延出部20とが相互固定されることにより、これら第1延出部10と第2延出部20とにより1段の棚板が構成され、この棚板上にマガジン40を好適に保持できる状態となる。
商品陳列棚100においては、第1及び第2側板3、4の対向距離を必要に応じて調節することにより、1つの段の棚板上に横並びに搭載可能なマガジン40の数を変更することができるようになっている。
【0019】
ここで、マガジン40は、上方に向けて開口する半筐体状に形成され、その内部に商品としてのたばこ商品60を縦置きで前後に列をなすように複数個搭載可能となっている。マガジン40は、図示しない押し板を備えている。この押し板は、最後列のたばこ商品60の背面を手前側に付勢しており、最前列のたばこ商品60がマガジン40から取り出されると、残りのたばこ商品60が押し板によって手前側に移動(前送り)されるようになっている。
【0020】
図4(a)及び図5に示すように、第1延出部10は、櫛歯状に形成されている。すなわち、第1延出部10は、例えば、複数の櫛歯部11と、これら櫛歯部11の基端部を相互に連結する連結部12と、を有している。櫛歯部11及び連結部12は、板状に形成され、互いに同一平面上に位置している。例えば、櫛歯部11の平面形状は、矩形状であり、その長手方向は横方向である。各櫛歯部11は、互いに平行に配置されている。例えば、各櫛歯部11は、前後方向において、等間隔に配置されている。例えば、各櫛歯部11の長手寸法(横方向寸法)は、互いに等しい。例えば、各櫛歯部11の幅(前後方向における寸法)は、互いに等しい。例えば、連結部12は、平面形状が矩形状であり、前後に長尺に形成され、各櫛歯部11を片持ち式に保持している。
【0021】
同様に、第2延出部20は、櫛歯状に形成されている。すなわち、第2延出部20は、例えば、複数の櫛歯部21と、これら櫛歯部21の基端部を相互に連結する連結部22と、を有している。櫛歯部21及び連結部22は、板状に形成され、互いに同一平面上に位置している。例えば、櫛歯部21の平面形状は、矩形状であり、その長手方向は横方向である。各櫛歯部21は、互いに平行に配置されている。例えば、各櫛歯部21は、前後方向において、等間隔に配置されている。例えば、各櫛歯部21の長手寸法(横方向寸法)は、互いに等しい。例えば、各櫛歯部21の幅(前後方向における寸法)は、互いに等しい。例えば、連結部22は、平面形状が矩形状であり、前後に長尺に形成され、各櫛歯部21を片持ち式に保持している。
【0022】
例えば、櫛歯部11の長手寸法と、櫛歯部21の長手寸法とは互いに等しい。そして、商品陳列棚100の横幅を最小にしたときに、各櫛歯部11の先端部11aは連結部22の側面22aに当接し、各櫛歯部21の先端部21aは連結部12の側面12aに当接する。
例えば、櫛歯部11の数と櫛歯部21の数とは互いに等しい。本実施形態では、例えば、櫛歯部11及び櫛歯部21が4本ずつである例を示しているが、櫛歯部11、21の数はその他の数であっても良い。
【0023】
商品陳列棚100の各段において、第1延出部10の個々の櫛歯部11と第2延出部20の個々の櫛歯部21とは前後方向において交互に位置している。
すなわち、前後方向に隣り合う櫛歯部11どうしの間隔に、1つずつの櫛歯部21が位置し、同様に、前後方向に隣り合う櫛歯部21どうしの間隔に、1つずつの櫛歯部11が位置するようになっている。
前後方向に隣り合う櫛歯部11どうしの間隔は、櫛歯部21の幅(前後方向における寸法)と等しく、前後方向に隣り合う櫛歯部21どうしの間隔は、櫛歯部11の幅(前後方向における寸法)と等しい。
このため、第1及び第2構造体1、2を相互に横方向に移動させて第1及び第2側板3、4の対向距離を変化させる際に、隣り合う櫛歯部11と櫛歯部21とが互いに摺動するようになっている。
【0024】
図6に示すように、固定ロッド30は、例えば、第1延出部10の櫛歯部11と第2延出部20の櫛歯部21とに挿通される棒状部31と、棒状部31の基端部に固定され、固定ロッド30の抜き差しの際にオペレータにより保持されるハンドル部32と、棒状部31の周囲に設けられた圧入固定部33と、を有している。
棒状部31は直線状に延在する棒状のものである。棒状部31は、例えば、断面円形であるが、その他の断面形状であっても良い。この棒状部31は、同一の段の第1及び第2延出部10、20に対して、例えば前後方向に挿通され、それらを横方向において相互に位置決めする。
ハンドル部32は、棒状部31よりも大径に形成され、オペレータが手で保持しやすく、且つ、固定ロッド30の差し込み操作及び抜き取り操作を行いやすくなっている。
圧入固定部33は、例えば、ゴムなどの弾性体により構成されている。
本実施形態の場合、商品陳列棚100は、例えば、各段の第1及び第2延出部10、20毎に、複数本(例えば2本)の固定ロッド30を有している。そして、横方向に離間した複数の位置で、それぞれ棒状部31を第1及び第2延出部10、20に挿通可能となっている。具体的には、本実施形態の場合、第1及び第2延出部10、20が例えば6段ずつであるため、商品陳列棚100は、6×2=12本の固定ロッド30を有している。
なお、棒状部31の先端部は、テーパー状に先細りする形状に形成され、棒状部31を第1延出部10又は第2延出部20に挿入しやすくなっている。
【0025】
図4(a)及び図5に示すように、第1延出部10及び第2延出部20の各々には、複数の孔部が形成されている。
例えば、第1延出部10の各櫛歯部11には、それぞれ先端側から順に、孔部15、16、17、18、19の合計5つの孔部が形成されている。
同様に、例えば、第2延出部20の各櫛歯部21には、それぞれ先端側から順に、孔部25、26、27、28、29の合計5つの孔部が形成されている。
例えば、孔部15〜19は、各櫛歯部11を前後方向に貫通し、孔部25〜29は各櫛歯部21を前後方向に貫通している。
例えば、孔部16〜19は、横方向に一定間隔で配置され、同様に、孔部26〜29は、横方向に一定間隔で配置されている。隣り合う孔部16〜19どうしの間隔と、隣り合う孔部26〜29どうしの間隔は、互いに等しく設定されている。
また、横方向における孔部15と孔部16との間隔と、横方向における孔部25と孔部26との間隔とは、互いに等しく設定されている。
【0026】
各櫛歯部11の孔部15は、前後方向において同軸上に位置している。同様に、各櫛歯部11の孔部16は前後方向において同軸上に位置し、各櫛歯部11の孔部17は前後方向において同軸上に位置し、各櫛歯部11の孔部18は前後方向において同軸上に位置し、各櫛歯部11の孔部19は前後方向において同軸上に位置している。
同様に、各櫛歯部21の孔部25は、前後方向において同軸上に位置し、各櫛歯部21の孔部26は前後方向において同軸上に位置し、各櫛歯部21の孔部27は前後方向において同軸上に位置し、各櫛歯部21の孔部28は前後方向において同軸上に位置し、各櫛歯部21の孔部29は前後方向において同軸上に位置している。
なお、櫛歯部11、21に形成される孔部の数は、調整可能な横幅の選択肢の数に応じて適宜変更される。
孔部15〜19、25〜29は、例えば、断面円形であるが、その他の断面形状であっても良い。孔部15〜19、25〜29の内径は互いに等しい。
【0027】
図7に示すように、孔部15〜19、25〜29の後端部71は、その後端から前端に向けて縮径するテーパー状に形成され、固定ロッド30の棒状部31を孔部15〜19、25〜29内に導入しやすくなっている。孔部15〜19、25〜29の後端部71以外の部分を構成する孔本体72は、(例えば前後方向に)直線状に延在している。孔本体72の内径は、棒状部31を内部に挿通可能な寸法に設定されている。また、固定ロッド30の圧入固定部33の外径は、孔本体72の内径よりも大きく設定され、圧入固定部33を孔本体72の基端部に圧入固定することにより、固定ロッド30を孔本体72から脱落しにくくすることができる。ただし、圧入固定部33を孔本体72に圧入固定した状態でも、固定ロッド30の抜き取り方向に適切な力を加えることにより、孔本体72から固定ロッド30を抜き取ることが可能である。
【0028】
商品陳列棚100においては、第1及び第2側板3、4の対向距離が予め定められた複数の距離のそれぞれの距離となった状態で、第1延出部10の何れかの孔部と第2延出部20の何れかの孔部とが同軸上に位置し、これら孔部に棒状部31を挿通可能となる。
【0029】
具体的には、例えば、図4(b)に示すように、第1及び第2側板3、4との間に6つのマガジン40を横並びで配置できるように第1及び第2側板3、4の対向距離を調整した状態では、図4(a)に示すように、同一の段の各孔部15が各孔部26と同軸上に位置するとともに、同一の段の各孔部16が各孔部25と同軸上に位置する。ここで、各孔部15及び各孔部26により前後方向に形成される列と、各孔部16及び各孔部25により前後方向に形成される列とは、横方向に離間している。そして、孔部15、26に1つの固定ロッド30の棒状部31を挿通し、孔部16、25に他の1つの固定ロッド30の棒状部31を挿通することができる。このように例えば2本の固定ロッド30を用いて一対の第1延出部10と第2延出部20とを相互固定し、一対の第1及び第2延出部10、20により1段の棚板を構成することができる。同様のオペレーションを各段毎に行うことにより、本実施形態の場合、7段の棚板を構成することができる。この場合、各段毎に、6つまでのマガジン40を横並びに搭載することができる。なお、例えば、図1及び図2に示すように最上段の第1及び第2延出部20よりも上方の側方には第1及び第2側板3、4が存在しないため、最上段の第1及び第2延出部20は、棚板として用いないようにしても良い。
【0030】
商品陳列棚100の横幅を変更する場合は、各段の固定ロッド30を抜き取った後で、第1及び第2側板3、4の対向距離を所望の対向間隔に調整し、再度、各段毎に、例えば2本ずつの固定ロッド30を用いて第1及び第2延出部10、20を相互固定する。
【0031】
例えば、図8(b)に示すように、第1及び第2側板3、4との間に5つのマガジン40を横並びで配置できるように第1及び第2側板3、4の対向距離を調整した状態では、図8(a)に示すように、同一の段の各孔部15が各孔部27と同軸上に位置するとともに、同一の段の各孔部17が各孔部25と同軸上に位置する。ここで、各孔部15及び各孔部27により前後方向に形成される列と、各孔部17及び各孔部25により前後方向に形成される列とは、横方向に離間している。そして、孔部15、27に1つの固定ロッド30の棒状部31を挿通し、孔部17、25に他の1つの固定ロッド30の棒状部31を挿通することができる。このように例えば2本の固定ロッド30を用いて一対の第1延出部10と第2延出部20とを相互固定し、一対の第1及び第2延出部10、20により1段の棚板を構成することができ、同様のオペレーションを各段毎に行うことにより、各段毎に棚板を構成することができる。この場合、各段毎に、5つまでのマガジン40を横並びに搭載することができる。
【0032】
また、例えば、図9(b)に示すように、第1及び第2側板3、4との間に4つのマガジン40を横並びで配置できるように第1及び第2側板3、4の対向距離を調整した状態では、図9(a)に示すように、同一の段の各孔部15が各孔部28と同軸上に位置するとともに、同一の段の各孔部18が各孔部25と同軸上に位置する。ここで、各孔部15及び各孔部28により前後方向に形成される列と、各孔部18及び各孔部25により前後方向に形成される列とは、横方向に離間している。そして、孔部15、28に1つの固定ロッド30の棒状部31を挿通し、孔部18、25に他の1つの固定ロッド30の棒状部31を挿通することができる。このように例えば2本の固定ロッド30を用いて一対の第1延出部10と第2延出部20とを相互固定し、一対の第1及び第2延出部10、20により1段の棚板を構成することができ、同様のオペレーションを各段毎に行うことにより、各段毎に棚板を構成することができる。この場合、各段毎に、4つまでのマガジン40を横並びに搭載することができる。
【0033】
また、例えば、図10(b)及び図11に示すように、第1及び第2側板3、4との間に3つのマガジン40を横並びで配置できるように第1及び第2側板3、4の対向距離を調整した状態では、図10(a)に示すように、同一の段の各孔部15が各孔部29と同軸上に位置するとともに、同一の段の各孔部19が各孔部25と同軸上に位置する。ここで、各孔部15及び各孔部29により前後方向に形成される列と、各孔部19及び各孔部25により前後方向に形成される列とは、横方向に離間している。そして、孔部15、29に1つの固定ロッド30の棒状部31を挿通し、孔部19、25に他の1つの固定ロッド30の棒状部31を挿通することができる。このように例えば2本の固定ロッド30を用いて一対の第1延出部10と第2延出部20とを相互固定し、一対の第1及び第2延出部10、20により1段の棚板を構成することができ、同様のオペレーションを各段毎に行うことにより、各段毎に棚板を構成することができる。この場合、各段毎に、3つまでのマガジン40を横並びに搭載することができる。
【0034】
固定ロッド30は、第1及び第2延出部10、20に対して後方から挿通されることが好ましく、これにより、固定ロッド30のハンドル部32が正面から見えないようにすることができ、商品陳列棚100の前面の見栄えを良くすることができる。
【0035】
なお、商品陳列棚100の1段の高さ(上下に隣り合う棚板の上下間隔)は、マガジン40にたばこ商品60を搭載したときのマガジン40の底面からたばこ商品60の上面までの高さよりも十分に大きく設定されている。これにより、たばこ商品60を搭載したマガジン40を商品陳列棚100から容易に引き出すことができる。
【0036】
第1側板3及び第2側板4の外側の面には、例えば、商品のブランドイメージなどを表す装飾表示(例えば、図3に示すような「XYZタバコ」といった表示など)が印字された装飾表示部6が形成されていても良い。
【0037】
図1乃至図3に示すように、商品陳列棚100は、例えば、第1及び第2構造体1、2の前面に設けられる前面化粧パネル50を更に備えている。この前面化粧パネル50は、第1及び第2構造体1、2に対して着脱自在となっている。商品陳列棚100の横幅の変更に合わせて、前面化粧パネル50の横幅も変更できるようになっている。
【0038】
具体的には、前面化粧パネル50は、例えば、第1部分51と、複数(例えば3つ)の第2部分52と、により構成されている。第1部分51の横幅は、商品陳列棚100の最大横幅の半分の幅に設定されている。また、第2部分52の横幅は、第1部分51の横幅の1/3に設定されている。
そして、商品陳列棚100の横幅を最大(マガジン40六つ分)にしたときには、例えば、図2に示すように、第1部分51と3つの第2部分52とを横一列に並べて、商品陳列棚100の前面に取り付ける。
商品陳列棚100の横幅をマガジン40五つ分にしたときには、例えば、第1部分51と2つの第2部分52とを横一列に並べて、商品陳列棚100の前面に取り付ける。
商品陳列棚100の横幅をマガジン40五つ分にしたときには、例えば、第1部分51と2つの第2部分52とを横一列に並べて、商品陳列棚100の前面に取り付ける。
商品陳列棚100の横幅をマガジン40四つ分にしたときには、例えば、第1部分51と1つの第2部分52とを横一列に並べて、商品陳列棚100の前面に取り付ける。
商品陳列棚100の横幅を最小(マガジン40三つ分)にしたときには、例えば、第1部分51を商品陳列棚100の前面に取り付ける。
【0039】
図12は商品陳列棚100の前面化粧パネル50を構成する第1及び第2部分51、52の構造の例を示す図であり、このうち図12(a)は第1及び第2部分51、52の側面図、図12(b)は第1部分51の裏面図、図12(c)は第2部分52の裏面図である。
【0040】
図12に示すように、第1部分51は、平板状の本体部53と、この本体部53を第1及び第2構造体1、2に取り付けるための取付部54と、を有している。本実施形態では、クリップ構造の取付部54を用いて本体部53を取り付ける例を説明する。
【0041】
例えば、取付部54は、本体部53の上端部より後方に延出する後方延出部55と、本体部53の裏面に回動可能に軸支された回動部56と、この回動部56を所定の回動方向に付勢する付勢部57と、を有している。
後方延出部55は、平板状に形成され、水平に配置されている。
回動部56は、例えば、後方延出部55との協働によって第1及び第2構造体1、2の少なくとも何れか一方の前端部を挟持する挟持部56bと、この挟持部56bと一体的に設けられ、付勢部57からの付勢力を受ける受部56aと、を有している。挟持部56bと受部56aとは、それぞれ平板状に形成され、挟持部56bの板面と受部56aの板面とが所定の角度(例えば、45度程度)をなすように、各々の一端部が相互に固定されている。この一端部は、本体部53の裏面に設けられた左右一対の支持ブラケット59間に架設され、左右方向に延在する回動軸59aにより、当該回動軸59aを中心として回動可能に軸支されている。なお、図12(a)では一方の支持ブラケット59のみが視認でき、この一方の支持ブラケット59の奥に、他方の支持ブラケット59は隠れている。
付勢部57は、本体部53の裏面と受部56aとの間に介装された弾性体であり、受部56aを本体部53から遠ざかる方向に付勢している。具体的には、付勢部57は、ねじりバネであり、弾性体からなる線状材を巻回することにより構成されている。このねじりバネは、線状材を巻回してなる巻回部57aと、この巻回部57aより延出した一対の延出部57b、57cと、を有している。延出部57bは、巻回部57aと一連の線状材の一端部であり、延出部57cは、この線状材の他端部である。
ここで、付勢部57は、その巻回部57aが図示しない軸支部によって軸支されることで、本体部53と受部56aとの間に介装されていても良いし、或いは、延出部57bが本体部53に、延出部57cが受部56aに、それぞれ固定されることによって、本体部53と受部56aとの間に介装されていても良い。
付勢部57は、図示しない保持部によって、本体部53と受部56aとの間に保持され、この状態で、延出部57bは本体部53の裏面に接し、延出部57cは受部56aに接して該受部56aを本体部53から遠ざかる方向に付勢している。
なお、後方延出部55の下面、並びに、挟持部56bにおいて後方延出部55との協働で第1及び第2構造体1、2を挟持する面には、それぞれゴムなどの弾性体からなるシート状部材58が設けられていることが好ましい。
第1部分51の上端部の左右両端部には、このような構造の取付部54がそれぞれ設けられ、同様に、第2部分52の上端部の左右両端部にも取付部54がそれぞれ設けられている。
【0042】
例えば、オペレータが左右の取付部54の受部56aと本体部53とを左右それぞれの手の人差し指と親指とで摘み、付勢部57による付勢に抗して受部56aと本体部53とを近づけることにより、挟持部56bと後方延出部55との間隔を広げることができ、それらの間に第1構造体1、第2構造体2の前端部を入り込ませることができる。そして、その摘む力を弱めることにより、挟持部56bと後方延出部55との間隔を狭めて、これら挟持部56b及び後方延出部55により第1構造体1、第2構造体2の前端部を挟持させ、第1部分51、第2部分52を第1構造体1、第2構造体2に取り付けることができる。
具体的には、例えば、第1部分51については、一方の取付部54により第1延出部10の連結部12の前端部を挟持させ、他方の取付部54により第2延出部20の最前に位置する櫛歯部21を挟持させることにより、第1及び第2構造体1、2に取り付けることができる。また、第2部分52については、左右双方の取付部54により第2延出部20の最前に位置する櫛歯部21を挟持させることにより、第2構造体2に取り付けることができる。
【0043】
図1及び図2に示すように、前面化粧パネル50の前面には、例えば、商品のブランドイメージなどを表す装飾表示(例えば、図1及び図2に示すような「XYZタバコ」といった表示など)が印字された装飾表示部5が形成されている。
なお、例えば、図1に示されるように、前面化粧パネル50が取り付けられる段には、マガジン40を搭載しないことが挙げられる。
【0044】
以上のような実施形態によれば、固定ロッド30によって同一の段の第1及び第2延出部10、20を相互固定することにより、第1及び第2側板3、4の対向距離を複数の距離のなかから選択された距離で位置決めできるので、商品陳列棚100の横幅(第1及び第2側板3、4の対向距離)を容易に変更することができる。
また、棒状部31を第1及び第2延出部10、20に挿通することにより、容易に、第1及び第2延出部10、20を相互固定することができる。
更に、棒状部31を第1及び第2延出部10、20から抜き取ることにより、容易に、第1及び第2延出部10、20の相互固定状態を解除し、商品陳列棚100の横幅の変更を行うことができる。つまり、商品陳列棚100の横幅を変更する操作の操作性が良い。
【0045】
図13は変形例に係る商品陳列棚100の孔部15〜19、25〜29を示す平面図である。
図13に示すように、この変形では、最前に位置する櫛歯部11の孔部15〜19は、櫛歯部11を前後に貫通していない。すなわち、孔部15〜19は、櫛歯部11の後方には開放しているが、前方には開放していない。また、最前に位置する櫛歯部21には、孔部25〜29が形成されていない。このため、商品陳列棚100の正面から孔部15〜19、25〜29を視認しにくくすることができ、上記の実施形態と比べて商品陳列棚100の見栄えを向上させることができる。
【0046】
なお、上記においては、棒状部31が第1及び第2延出部10、20に対して前後方向に(具体的には後方から)挿通される例を説明したが、棒状部31が水平面に含まれる方向であって前後方向と交差する方向に延在するようにして、第1及び第2延出部10、20に対して挿通されるようにしても良い。
或いは、棒状部31が第1及び第2延出部10、20の板面方向と直交する方向に挿通されるようにしても良い。この場合、棒状部31は、例えば、同一段の第1及び第2延出部10、20のみならず、複数の段の第1及び第2延出部10、20にも挿通されることが挙げられる。
【符号の説明】
【0047】
1 第1構造体
2 第2構造体
3 第1側板
4 第2側板
5 装飾表示部
6 装飾表示部
10 第1延出部
11 櫛歯部
11a 先端部
12 連結部
12a 側面
15 孔部
16 孔部
17 孔部
18 孔部
19 孔部
20 第2延出部
21 櫛歯部
21a 先端部
22 連結部
22a 側面
25 孔部
26 孔部
27 孔部
28 孔部
29 孔部
30 固定ロッド
31 棒状部
32 ハンドル部
33 圧入固定部
40 マガジン
50 前面化粧パネル
51 第1部分
52 第2部分
53 本体部
54 取付部
55 後方延出部
56 回動部
56a 受部
56b 挟持部
57 付勢部
57a 巻回部
57b 延出部
57c 延出部
58 シート部材
59 支持ブラケット
59a 回動軸
60 たばこ商品
71 後端部
72 孔本体
100 商品陳列棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して配置された第1及び第2側板と、
前記第1側板から前記第2側板に向けて延出する複数段の第1延出部と、
前記第2側板から前記第1側板に向けて延出する複数段の第2延出部と、
同一の段の前記第1及び第2延出部を相互固定することにより、前記第1及び第2側板の対向距離を複数の距離のなかから選択された距離で位置決めする固定部材と、
を有し、
前記固定部材は、前記第1及び第2延出部に挿通されることにより前記第1及び第2延出部を相互固定する棒状部を有することを特徴とする商品陳列棚。
【請求項2】
前記第1及び第2延出部の各々には、複数の孔部が形成され、
前記第1及び第2側板の対向距離が前記複数の距離の各々となった状態で、前記第1延出部の何れかの前記孔部と前記第2延出部の何れかの前記孔部とが同軸上に位置し、これら孔部に前記棒状部を挿通可能となることを特徴とする請求項1に記載の商品陳列棚。
【請求項3】
前記第1延出部の各段と、前記第2延出部の各段とは、同一の高さに位置し、
前記第1及び第2延出部は、それぞれ櫛歯状に形成され、
前記第1延出部の個々の櫛歯部と前記第2延出部の個々の櫛歯部とが前後方向において交互に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品陳列棚。
【請求項4】
前記第1及び第2側板の対向距離を変化させる際に、前記第1及び前記第2延出部の隣り合う前記櫛歯部どうしが摺動することを特徴とする請求項3に記載の商品陳列棚。
【請求項5】
前記棒状部は、前記第1及び第2延出部に対して前後方向に挿通されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の商品陳列棚。
【請求項6】
前記第1及び第2延出部がそれぞれ板状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の商品陳列棚。
【請求項7】
各段の前記第1及び第2延出部毎に、複数本の前記棒状部を有し、
横方向に離間した複数の位置で、それぞれ前記棒状部を前記第1及び第2延出部に挿通可能であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の商品陳列棚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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