説明

商品陳列棚

【課題】横幅が可変であるとともに、強度に優れた構造の商品陳列棚を提供する。
【解決手段】商品陳列棚100は、互いに対向する一対の側板(側板11と12、並びに、側板21と22)と、両端が一対の側板に固定されることで一対の側板間に架設され、一対の側板間の対向間隔を一定に維持させる複数段の棚部(棚板14、24)と、をそれぞれ有する第1及び第2の箱体10、20を有する。更に、商品陳列棚100は、第1及び第2の箱体10、20を、第1及び第2の箱体10、20が商品陳列棚100の横方向に並ぶ第1状態(例えば、図1の状態)と、第1及び第2の箱体10、20が商品陳列棚100の奥行き方向に並ぶ第2状態(例えば、図2の状態)と、に変換可能に連結している連結部(例えば、ヒンジ30)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マガジンを搭載可能な商品陳列棚に関し、特に、横幅を変更可能な商品陳列棚に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアなどの店舗では、様々な商品がいわゆる什器(商品陳列棚)に陳列されている。
【0003】
多様な商品のうち、例えばたばこ商品などの特定の商品を陳列するための什器は、電子キャッシュレジスタなどの販売処理装置が載置されたレジカウンタ上又はその周辺に配置されることが一般的である。
【0004】
なお、ここで云うたばこ商品とは、実際に喫煙される紙巻たばこではなく、複数の紙巻たばこを収容している直方体状のパッケージ、および複数のパッケージを収容しているカートンを意味している。
【0005】
ところで、コンビニエンスストアなどの店舗のレジカウンタ上又はその周辺において商品を陳列可能なスペースは、店舗毎に異なり、また季節毎の商品サイクルに応じても変動する。このため、商品陳列棚には、商品の陳列スペースの大きさ、特に横幅を必要に応じて容易に変更できることが望まれる。
【0006】
特許文献1には、側板と分割底板とをそれぞれ有する左トレイ半体と右トレイ半体とを備え、これらトレイ半体の分割底板どうしを左右の側板の間隔を変化させる方向にスライド可能に結合した構成の商品陳列棚(タバコ陳列システムケース)が記載されている。
【0007】
特許文献2には、互いに対向する一対の側壁部材と、これら側壁部材を連結する連結部材と、を有する商品陳列棚(商品陳列用什器)が記載されている。この商品陳列棚においては、連結部材は棒形状を有し、軸方向に任意数を接続できるようになっている。そして、連結部材の接続数を選択することによって、一対の側壁部材の間の距離を調整し、商品陳列棚の横幅を変更することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】登録実用新案第3163708号公報
【特許文献2】登録実用新案第3138292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の技術では、それぞれ側板を有する左トレイ半体と右トレイ半体とが、スライド機構を介して連結された構造であるため、商品陳列棚の強度不足の懸念がある。
【0010】
また、特許文献2の技術では、棒状の連結部材を複数接続することにより、一対の側板部材を連結する構造であるため、強度不足が懸念される接続部の数が多い。このため、やはり、商品陳列棚の強度不足の懸念がある。
【0011】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、横幅が可変であるとともに、強度に優れた構造の商品陳列棚を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、マガジンを搭載可能な商品陳列棚であって、
互いに対向する一対の側板と、両端がそれぞれ前記一対の側板に固定されることで前記一対の側板間に架設されて、前記一対の側板間の対向間隔を一定に維持させ、且つ、前記マガジンを支持可能な複数段の棚部と、をそれぞれ有する第1及び第2の箱体と、
前記第1及び第2の箱体を、前記第1及び第2の箱体が当該商品陳列棚の横方向に並ぶ第1状態と、前記第1及び第2の箱体が当該商品陳列棚の奥行き方向に並ぶ第2状態と、に変換可能に連結している連結部と、
を有することを特徴とする商品陳列棚を提供する。
【0013】
この商品陳列棚によれば、第1及び第2の箱体が横方向に並ぶ第1状態にすることにより、商品陳列棚の横幅を広げることができる。また、第1及び第2の箱体が奥行き方向に並ぶ第2状態にすることにより、商品陳列棚の横幅を狭くすることができる。よって、必要に応じて、商品陳列棚の横幅を変更することができる。
また、第1及び第2の箱体の各々は、互いに対向する一対の側板と、両端がそれぞれ一対の側板に固定されることで一対の側板間に架設されて、一対の側板間の対向間隔を一定に維持させる棚部と、を有する。このため、各箱体の十分な強度が得られる。よって、商品陳列棚も強度に優れたものとなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、横幅が可変であるとともに、強度に優れた構造の商品陳列棚を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態に係る商品陳列棚が第1状態となっているときの平面図である。
【図2】第1の実施形態に係る商品陳列棚が第2状態となっているときの平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る商品陳列棚が第1状態となっているときの正面図である。
【図4】第1の実施形態に係る商品陳列棚が第1状態となっているときの側面図である。
【図5】第1の実施形態に係る商品陳列棚が第2状態となっているときの正面図である。
【図6】第1の実施形態に係る商品陳列棚が第2状態となっているときの側面図である。
【図7】連結部を構成するヒンジ及びその周辺を示す拡大平面図である。
【図8】商品陳列棚の前面化粧パネルを示す図である。
【図9】マガジンを示す側面図である。
【図10】マガジンと棚部(棚板)との係合構造を説明するための模式的な側面図である。
【図11】第2の実施形態に係る商品陳列棚の模式的な平面図である。
【図12】第2の実施形態に係る商品陳列棚の連結構造を示す正面断面図である。
【図13】第3の実施形態に係る商品陳列棚の模式的な平面図である。
【図14】第3の実施形態に係る商品陳列棚の連結構造を示す正面断面図である。
【図15】第4の実施形態に係る商品陳列棚の模式的な底面図である。
【図16】第5の実施形態に係る商品陳列棚の模式的な平面図である。
【図17】第5の実施形態の変形例に係る商品陳列棚の模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0017】
〔第1の実施形態〕
図1は商品陳列棚100が第1状態となっているときの平面図であり、図2は商品陳列棚100が第2状態となっているときの平面図である。図3は商品陳列棚100が第1状態となっているときの正面図、図4は商品陳列棚100が第1状態となっているときの側面図である。図5は商品陳列棚100が第2状態となっているときの正面図、図6は商品陳列棚100が第2状態となっているときの側面図である。図7は連結部を構成するヒンジ30及びその周辺を示す拡大平面図である。
【0018】
本実施形態に係る商品陳列棚100は、マガジン40を搭載可能な商品陳列棚100であって、互いに対向する一対の側板(側板11と側板12、並びに、側板21と側板22)と、両端がそれぞれ一対の側板に固定されることで一対の側板間に架設されて、一対の側板間の対向間隔を一定に維持させ、且つ、マガジン40を支持可能な複数段の棚部(例えば、棚板14、24)と、をそれぞれ有する第1及び第2の箱体10、20と、第1及び第2の箱体10、20を、第1及び第2の箱体10、20が商品陳列棚100の横方向に並ぶ第1状態(例えば、図1の状態)と、第1及び第2の箱体10、20が商品陳列棚100の奥行き方向に並ぶ第2状態(例えば、図2の状態)と、に変換可能に連結している連結部(例えば、ヒンジ30)と、を有する。以下、詳細に説明する。
【0019】
先ず、商品陳列棚100の構造を説明する。ここでは、説明を簡単にするため、図1、図3及び図4に示される第1状態での位置関係で商品陳列棚100の構造を説明する。
【0020】
図1、図3及び図4に示すように、商品陳列棚100は、第1の箱体10と、第2の箱体20と、連結部としてのヒンジ(蝶番)30と、を有している。商品陳列棚100は、その第1及び第2の箱体10、20を水平な載置面5上に載置して用いられる。
【0021】
図3に示すように、第1の箱体10は、左右一対の側板11、12と、天板13と、複数段の棚板14と、を有している。なお、最下段の棚板14は、底板を兼ねる。
【0022】
側板11及び側板12は、平板状に形成されている。例えば、図4に示すように、側板11及び側板12は、矩形状の側面形状を有している。
側板11及び側板12は、それぞれ板面が水平面に対して垂直に起立し、且つ、互いに平行に対向している。
【0023】
例えば、図1に示すように、天板13は平面視矩形状に形成されている。また、各棚板14も、天板13と同様の平面形状に形成されている。また、天板13及び各棚板14の平面寸法は、互いに等しい。天板13及び各棚板14は、それぞれ水平に配置されている。
【0024】
図3に示すように、天板13は、第1の箱体10の上端部に位置し、その左端部は、側板11の上端部に固定され、右端部は、側板12の上端部に固定されている。これにより、天板13は、左右の側板11、12間に架設されている(架け渡して設けられている)。
【0025】
各段の棚板14は、上下方向に所定間隔に配置されている。具体的には、例えば、各段の棚板14は、上下方向に等間隔に配置されている。
例えば、最上段の棚板14と天板13との上下間隔は、隣り合う段の棚板14どうしの上下間隔と等しい。
各段の棚板14の左端部は側板11に固定され、右端部は側板12に固定されている。これにより、各棚板14は、左右の側板11、12間に架設されている(架け渡して設けられている)。
【0026】
そして、各棚板14及び天板13により、左右の側板11、12の対向間隔が一定に維持されている。なお、仮に第1の箱体10が天板13を有していなくても、各棚板14により、左右の側板11、12の対向間隔が一定に維持される。
【0027】
以上により、第1の箱体10は、例えば、平面形状、正面形状、背面形状、左右の両側面形状の何れもが、矩形状となっている。
【0028】
また、第2の箱体20は、例えば、第1の箱体10と同一の形状及び寸法に形成されている。
【0029】
すなわち、第2の箱体20は、例えば、左右一対の側板21、22と、天板23と、複数段の棚板24と、を有し、最下段の棚板24は、底板を兼ねる。
側板21、22の形状及び寸法は、側板11、12のそれと同様である。天板23の形状及び寸法は、天板13のそれと同様である。棚板24の形状及び寸法は、棚板14のそれと同様である。
【0030】
ヒンジ30は、第1及び第2の箱体10、20を水平面に対して直交する回動軸(つまり鉛直軸)周りに相互に回動可能に連結している。
【0031】
図7に示すように、ヒンジ30は、例えば、それぞれ平板状に形成された第1平板部(第1固定部)31及び第2平板部(第2固定部)32と、これら第1及び第2平板部31、32を相互に回動可能に連結した軸支部33と、を有している。
第1平板部31は、その一方の面が、第1の箱体10の側板12の外面に固定されている。例えば、第1平板部31は、側板12の外面の後端部に固定されている。
同様に、第2平板部32は、その一方の面が、第2の箱体20の側板21の外面に固定されている。例えば、第2平板部32は、側板21の外面の後端部に固定されている。
これにより、第1及び第2の箱体10、20は、ヒンジ30を介して連結されている。
なお、第1平板部31が側板12の外面の前端部に固定され、第2平板部32が側板21の外面の前端部に固定されていても良い。
【0032】
第1平板部31と第2平板部32との回動角度範囲は、180度以上となっており、第1平板部31と第2平板部32とを軸支部33の軸周りに相互に回転させることにより、第1平板部31の他方の面と第2平板部32の他方の面とが平行に対向する状態(図7(a))と、第1平板部31と第2平板部32とが互いに平行となる(例えば同一平面上に位置する)状態(図7(b))と、の何れの状態にも移行させることができるようになっている。
【0033】
図7(a)の状態は、図1、図3及び図4に示される第1状態、すなわち第1及び第2の箱体10、20が商品陳列棚100の横方向に並ぶ状態に対応する。
また、図7(b)の状態は、図2、図5及び図6に示される第2状態、すなわち第1及び第2の箱体10、20が商品陳列棚100の奥行き方向に並ぶ状態に対応する。
【0034】
本実施形態の場合、例えば、第2の箱体20の向きを一定に維持したままで、第1状態から第2状態に変換した場合(図1の状態から図2の状態に移行させた場合)、第1状態と第2状態とで第1の箱体10の向きが前後方向において反転するように、ヒンジ30により第1及び第2の箱体10、20が連結されている。
【0035】
ヒンジ30は、例えば、商品陳列棚100の上下方向における複数箇所に設けられている。例えば、ヒンジ30は、商品陳列棚100の後端部において、上端部、下端部及びそれらの中央部にそれぞれ設けられている。
【0036】
図1及び図2に示すように、商品陳列棚100は、更に、第1の箱体10と第2の箱体20との接触を緩衝する緩衝材70を有している。この緩衝材70は、第1の箱体10と第2の箱体20との少なくとも何れか一方に設けられている。この緩衝材70は、例えば、側板12と側板21との接触を緩衝するものであり、側板12の外面に固定されている。
緩衝材70は、例えば、商品陳列棚100の上下方向における複数箇所に設けられている。例えば、緩衝材70は、商品陳列棚100の前端部において、上端部及び下端部にそれぞれ設けられている。
緩衝材70は、例えば、ゴム或いはその他の樹脂などにより構成されている。
【0037】
図3乃至図6に示すように、商品陳列棚100は、例えば、第1及び第2の箱体10、20の前面に設けられる前面化粧パネル50を更に備えている。この前面化粧パネル50は、第1及び第2の箱体10、20に対して着脱自在となっている。商品陳列棚100の横幅の変更に合わせて、前面化粧パネル50の横幅も変更できるようになっている。
具体的には、例えば、第1状態(図3)のときには、2つの前面化粧パネル50を横並びにして第1及び第2の箱体10、20にそれぞれ取り付ける一方で、第2状態(図5)のときには、1つの前面化粧パネル50を第2の箱体20に取り付けることが挙げられる。
【0038】
次に、図9を参照して、商品陳列棚100に搭載されるマガジン40について説明する。マガジン40は、上方に向けて開口する半筐体状に形成され、複数のたばこ商品60を縦置きで前後方向に一列で収容可能となっている。マガジン40は、前後方向に長尺に形成されている。
【0039】
マガジン40は、最後列(図9で最も右側)のたばこ商品60の背面を前方(図9の左方)に付勢する図示しない押板を有している。そして、最前列のたばこ商品60がマガジン40から取り出されると、その押板が、マガジン40内の残りのたばこ商品60を1個のたばこ商品60の前後幅だけ前送りするようになっている。
【0040】
各段の棚板14と、その1つ上の段の棚板14或いは天板13との上下間隔、及び、各段の棚板14の左右幅(側板11、12の対向幅)は、たばこ商品60を収容した状態のマガジン40を各段の棚板14上に容易に搭載でき、且つ、各段の棚板14上から当該マガジン40を容易に取り出すことができる寸法に設定されている。
すなわち、各段の棚板14と、その1つ上の段の棚板14或いは天板13との上下間隔は、たばこ商品60を収容した状態のマガジン40を棚板14上に載置したときに、たばこ商品60の上端と、1つ上の段の棚板14或いは天板13と、の間にクリアランスが生じる寸法に設定されている。
【0041】
また、棚板14の左右幅は、少なくとも1つのマガジン40をその長手方向が前後方向となるように棚板14上に搭載したときに、マガジン40の左右両側部と左右の側板11、12との間にクリアランスが生じる寸法に設定されている。
なお、例えば、棚板14上に複数のマガジン40を横並びに配置できることも好ましい。本実施形態では、例えば、棚板14上に3つのマガジン40を横並びに配置できる例を示している。
【0042】
なお、第1の箱体10の前面側及び背面側は、何れも開放している。すなわち、各段の棚板14の上面と、その1つ上の段の棚板14或いは天板13との間の空間は、前方及び後方に向けて開放している。このため、マガジン40は、第1の箱体10の前方及び後方の何れからでも、棚板14上に出し入れできるようになっている。
【0043】
図10に示すように、例えば、棚板14、24には、棚板14、24上にマガジン40を安定的に保持できるように、マガジン40の底部と係合する係合溝(被係合部)15、16が、棚板14、24の左右方向に延在するように形成されている。係合溝15と係合溝16とは、前後方向に所定間隔を空けて、互いに平行に延在している。
一方、図9及び図10に示すように、例えば、マガジン40の底面には、係合溝15、16と係合する係合突起(係合部)41、42が、マガジン40の横方向に延在する突条部として形成されている。係合突起(第1係合部)41と係合突起(第2係合部)42とは、前後方向に所定間隔を空けて、互いに平行に延在している。係合突起41と係合突起42との前後間隔は、係合溝(第1被係合部)15と係合溝(第2被係合部)16との前後間隔と等しい。
図10(a)に示すように、例えば、第1状態のときには、後側の係合突起42が棚板14又は棚板24の前側の係合溝15と係合する状態で、棚板14、24によりそれぞれマガジン40を支持できるようになっている。
また、図10(b)に示すように、例えば、第2状態のときには、前側の係合突起41が棚板24の前側の係合溝15と係合し、且つ、後側の係合突起42が棚板24の後側の係合溝16と係合する状態で、棚板24と棚板14とによりマガジン40を支持できるようになっている。
このように、マガジン40と棚板14、24とが係合した状態で、マガジン40が棚板14、24により支持されるため、棚板14、24上に、より安定的にマガジン40を支持することができる。また、第1状態と第2状態とで、一部の係合部及び被係合部を兼用することができる。具体的には、例えば、第1状態と第2状態とで係合突起42と係合溝15とを兼用できる。
なお、係合溝15、16と係合突起41、42とは、ほぼ同一の断面形状をなし、係合突起41、42が係合溝15、16に対して嵌合することが好ましい一例である。
【0044】
図8は前面化粧パネル50の構造の例を示す図であり、このうち図8(a)は前面化粧パネル50の側面図、図8(b)は前面化粧パネル50の裏面図である。
【0045】
図8に示すように、前面化粧パネル50は、平板状の本体部53と、この本体部53を第1の箱体10又は第2の箱体20に取り付けるための取付部54と、を有している。本実施形態では、クリップ構造の取付部54を用いて本体部53を取り付ける例を説明する。
【0046】
例えば、取付部54は、本体部53の上端部より後方に延出する後方延出部55と、本体部53の裏面に回動可能に軸支された回動部56と、この回動部56を所定の回動方向に付勢する付勢部57と、を有している。
後方延出部55は、幅狭の平板状に形成され、水平に配置されている。
回動部56は、例えば、後方延出部55との協働によって第1の箱体10の棚板14の前端部又は第2の箱体20の棚板24の前端部を挟持する挟持部56bと、この挟持部56bと一体的に設けられ、付勢部57からの付勢力を受ける受部56aと、を有している。
挟持部56bと受部56aとは、それぞれ幅狭の平板状に形成され、挟持部56bの板面と受部56aの板面とが所定の角度(例えば、45度程度)をなすように、各々の一端部が相互に固定されている。この一端部は、本体部53の裏面に設けられた左右一対の支持ブラケット59間に架設され、左右方向に延在する回動軸59aにより、当該回動軸59aを中心として回動可能に軸支されている。なお、図8(a)では一方の支持ブラケット59のみが視認でき、この一方の支持ブラケット59の奥に、他方の支持ブラケット59は隠れている。
付勢部57は、本体部53の裏面と受部56aとの間に介装された弾性体であり、受部56aを本体部53から遠ざかる方向に付勢している。具体的には、付勢部57は、ねじりバネであり、弾性体からなる線状材を巻回することにより構成されている。このねじりバネは、線状材を巻回してなる巻回部57aと、この巻回部57aより延出した一対の延出部57b、57cと、を有している。延出部57bは、巻回部57aと一連の線状材の一端部であり、延出部57cは、この線状材の他端部である。
ここで、付勢部57は、その巻回部57aが図示しない軸支部によって軸支されることで、本体部53と受部56aとの間に介装されていても良いし、或いは、延出部57bが本体部53に、延出部57cが受部56aに、それぞれ固定されることによって、本体部53と受部56aとの間に介装されていても良い。
延出部57bは本体部53の裏面に接し、延出部57cは受部56aに接して該受部56aを本体部53から遠ざかる方向に付勢している。
なお、後方延出部55の下面、並びに、挟持部56bにおいて後方延出部55との協働で棚板14又は24を挟持する面には、それぞれゴムなどの弾性体からなるシート状部材58が設けられていることが好ましい。
本体部53の上端部の左右両端部には、このような構造の取付部54がそれぞれ設けられている。
【0047】
例えば、オペレータが左右の取付部54の受部56aと本体部53とを左右それぞれの手の人差し指と親指とで摘み、付勢部57による付勢に抗して受部56aと本体部53とを近づけることにより、挟持部56bと後方延出部55との間隔を広げることができ、それらの間に第1の箱体10の棚板14の前端部又は第2の箱体20の棚板24の前端部を入り込ませることができる。そして、その摘む力を弱めることにより、挟持部56bと後方延出部55との間隔を狭めて、これら挟持部56b及び後方延出部55により第1の箱体10の棚板14の前端部又は第2の箱体20の棚板24の前端部を挟持させ、前面化粧パネル50を第1の箱体10又は第2の箱体20に取り付けることができる。
なお、例えば、図3乃至図6に示すように、取付部54の後方延出部55がマガジン40と側板11、12、21、22との間に入り込むことができるように、棚板14、24の横幅は十分な寸法に設定されている。
【0048】
図3及び図5に示すように、前面化粧パネル50の前面には、例えば、商品のブランドイメージなどを表す装飾表示(例えば、「XYZタバコ」といった表示など)が印字された装飾表示部3が形成されている。
なお、例えば、前面化粧パネル50が取り付けられる段の棚板14、24には、マガジン40を搭載しないことが挙げられる。
【0049】
次に、動作を説明する。
商品陳列棚100が第1状態のときには、商品陳列棚100の横幅は、例えば、図1に示すように、6つのマガジン40を横並びに配置できる寸法となる。一方、商品陳列棚100が第2状態のときには、商品陳列棚100の横幅は、例えば、図2に示すように、3つのマガジン40を横並びに配置できる寸法となる。
【0050】
ここで、第1状態のときと、第2状態のときとで、第1及び第2の箱体10、20の形状は、それぞれ不変であり、それぞれ一体のボックス形状に維持される。このため、第1及び第2の箱体10、20は、商品陳列棚100の横幅にかかわらず、強度に優れたものである。よって、商品陳列棚100も強度に優れたものとなる。
【0051】
また、第1及び第2の箱体10、20は、ヒンジ30を介して相互に回動可能に連結されており、ヒンジ30の回動軸を中心として第1及び第2の箱体10、20を相対的に180度回動させることにより、第1状態から第2状態へ、並びに、第2状態から第1状態へ、それぞれ容易に変換することができる。よって、商品陳列棚100の横幅を変更する操作が容易であり、その操作性を良好なものとすることができる。
【0052】
なお、第2の箱体20に対するマガジン40の差し込み方向は、第1状態と第2状態とで不変であり、何れも、前後方向である。
また、第1の箱体10の向きは、第1状態と第2状態とで前後が反転するが、第1の箱体10に対するマガジン40の差し込み方向は、第1状態と第2状態の何れにおいても前後方向であり、やはり、不変である。
つまり、第1及び第2の箱体10、20に対するマガジン40の差し込み方向は、第1及び第2状態で一致する。
【0053】
また、上述のように、第1の箱体10と第2の箱体20とは互いに同一の形状に形成されている。このため、第1の箱体10の各段の棚板14の高さと、第2の箱体20の各段の棚板24の高さとは、互いに等しい。よって、第2状態においては、第1の箱体10の棚板14と第2の箱体20の棚板24とが同じ高さで前後に並び、一連の棚板を構成する。このため、棚板14と棚板24とで同一のマガジン40を水平支持することができる(図2、図5及び図6参照)。
【0054】
以上のような第1の実施形態によれば、第1及び第2の箱体10、20が横方向に並ぶ第1状態にすることにより、商品陳列棚100の横幅を広げることができる。また、第1及び第2の箱体10、20が奥行き方向に並ぶ第2状態にすることにより、商品陳列棚100の横幅を狭くすることができる。よって、必要に応じて、商品陳列棚100の横幅を変更することができる。
また、第1の箱体10は、互いに対向する一対の側板11、12と、両端がそれぞれ一対の側板11、12に固定されることで一対の側板11、12間に架設されて、一対の側板11、12間の対向間隔を一定に維持させる棚板14と、を有する。同様に、第2の箱体20は、互いに対向する一対の側板21、22と、両端がそれぞれ一対の側板21、22に固定されることで一対の側板21、22間に架設されて、一対の側板21、22間の対向間隔を一定に維持させる棚板24と、を有する。このため、第1及び第2の箱体10、20の十分な強度が容易に得られる。よって、商品陳列棚100も強度に優れたものとなる。
【0055】
〔第2の実施形態〕
図11は第2の実施形態に係る商品陳列棚200の模式的な平面図である。このうち図11(a)は第1状態を示し、図11(b)は第1状態と第2状態との中間の状態を示し、図11(c)は第3状態を示す。図12は商品陳列棚200の連結構造を示す要部の正面断面図(図11(a)の状態での断面図)である。
第2の実施形態に係る商品陳列棚200は、以下に説明する点でのみ、第1の実施形態に係る商品陳列棚100と相違し、その他の点では商品陳列棚100と同様に構成されている。
【0056】
上記の第1の実施形態では、第1及び第2の箱体10、20をヒンジ30を介して連結した構造を説明した。
これに対し、第2の実施形態に係る商品陳列棚200は、ヒンジ30を有していない代わりに、第1及び第2の箱体10、20の少なくとも一方の箱体に形成されたガイドレールと、当該ガイドレールと、他方の箱体と、を連結している連結部材と、を含む連結部を有している。より具体的には、商品陳列棚200は、第1の箱体10に形成された第1ガイドレール210と、第2の箱体20に形成された第2ガイドレール220と、第1ガイドレール210と第2ガイドレール220とを連結する連結部材230と、を有している。
【0057】
第1ガイドレール210は、例えば、第1の箱体10において第1状態にて第2の箱体20側となる側面に沿って前後方向に延在するように形成されている。
第1ガイドレール210は、例えば、図12に示すように、天板13に形成された第1ガイド孔211と、側板12に形成された第2ガイド孔212と、からなる。
第1ガイド孔211は、例えば、天板13において第1状態にて第2の箱体20側に位置する端部に形成され、前後方向に延在する長孔であり、天板13を表裏に貫通している。
第2ガイド孔212は、例えば、側板12の上端部(ただし、天板13よりも下に位置する部分)に形成され、前後方向に延在する長孔であり、側板12を横方向に貫通している。
なお、第1及び第2ガイド孔211、212は、それぞれ直線状に延在している。
【0058】
第2ガイドレール220は、例えば、第2の箱体20の背面に沿って横方向に延在するように形成されている。
第2ガイドレール220は、例えば、図12に示すように、天板23に形成されたガイド孔221と、側板21に形成された切欠形状部222と、からなる。
ガイド孔221は、例えば、天板23の後端部に形成され、横方向に延在する長孔であり、天板23を表裏に貫通している。
なお、ガイド孔221は、直線状に延在している。
切欠形状部222は、側板21の上端部(ただし、天板23よりも下に位置する部分)の後端部に、後方に向けて開放する形状(例えばコ字形状)に形成されている。
【0059】
連結部材230は、例えば、環状の部材であり、第1ガイド孔211、第2ガイド孔212及びガイド孔221に通されることにより、第1ガイドレール210と第2ガイドレール220とを連結し、ひいては、第1の箱体10と第2の箱体20とを連結している。
【0060】
本実施形態の場合、例えば、以下に説明するようなオペレーションにより、商品陳列棚200を第1状態と第2状態とに変換させることができる。
【0061】
先ず、図11(a)に示すような第1状態では、第1の箱体10と第2の箱体20とが横方向に並んでいる。このとき、連結部材230は、例えば、第1ガイドレール210の後端部と第2ガイドレール220の左端部とを連結している。また、このとき、連結部材230の一部分が切欠形状部222内に入り込んでおり、連結部材230と側板21とが干渉しないようになっている。
【0062】
この状態から第2状態に変換するには、先ず、例えば、図11(b)に示すように、第1の箱体10を後方に移動させる。
ここで、連結部材230における第2ガイドレール220側の部位は後方移動が規制される。このため、第1の箱体10の後方移動に伴い、連結部材230は、第1ガイドレール210の第1及び第2ガイド孔211、212内において、該第1ガイドレール210の前部へと相対的に移動する。
【0063】
次に、例えば、図11(c)に示すように、第1の箱体10が第2の箱体20の後方に隣接する位置するまで、第1の箱体10を横方向(図11(c)の右方向)に移動させる。
ここで、連結部材230における第1ガイドレール210側の部位は第1ガイドレール210に対する相対的な横方向移動が規制される。このため、第1の箱体10の横方向に伴い、連結部材230は、第2ガイドレール220のガイド孔221内において、該第2ガイドレール220の右端部へと移動する。
こうして、商品陳列棚200を第2状態にすることができる。
なお、図11(b)から図11(c)の状態に移行する際に、連結部材230の一部分は切欠形状部222の外に出る。
【0064】
また、上記と逆のオペレーションを行うことによって、商品陳列棚200の状態を第2状態から第1状態に変換させることができる。
【0065】
なお、本実施形態の場合、例えば、側板12と側板21との接触を緩衝する緩衝材70が例えば側板12に設けられている他に、天板13の前面と天板23の背面との接触を緩衝する緩衝材70が例えば天板23の背面に設けられている。
【0066】
以上のような第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0067】
〔第3の実施形態〕
図13は第3の実施形態に係る商品陳列棚300の模式的な平面図である。このうち図13(a)は第1状態を示し、図13(b)は第1状態と第2状態との中間の状態を示し、図13(c)は第3状態を示す。図14(a)は商品陳列棚300の連結構造の一例を示す要部の正面断面図、図14(b)は商品陳列棚300の連結構造の他の一例を示す要部の正面断面図である。
第3の実施形態に係る商品陳列棚300は、以下に説明する点でのみ、第2の実施形態に係る商品陳列棚200と相違し、その他の点では商品陳列棚200と同様に構成されている。
【0068】
上記の第2の実施形態では、ガイドレールが第1及び第2の箱体10、20の各々に形成されている例を説明したが、第3の実施形態では、ガイドレール320が第2の箱体20にのみ形成されている例を説明する。
【0069】
本実施形態の場合、ガイドレール320は、第2の箱体20の天板23を表裏に貫通するガイド孔321により構成されている。このガイド孔321は、第2の箱体20において第1状態にて第1の箱体10側となる側面に沿って前後方向に延在する第1部分321aと、第1部分321aと連続的に形成され、第2の箱体20の背面に沿って横方向に延在する第2部分321bと、を含む。
なお、第1部分321a及び第2部分321bは、それぞれ直線状に延在している。このため、ガイドレール320は、平面視においてL字状となっている。
【0070】
一方、第1の箱体10の天板13には、該天板23を表裏に貫通する連結孔311が形成されている。
【0071】
本実施形態の場合、例えば、図14(a)に示すように、連結部材330の下部には、開口部330aが形成されている。連結部材330において開口部330aを境とする一方の部分は、第1の箱体10に係合する第1係合部331を構成し、他方の部分は、第2の箱体20に係合する第2係合部332を構成している。
そして、第1係合部331は、連結孔311と、天板13における連結孔311の縁部(連結孔311と側板12との間の部分)と、に係合した状態に維持されるようになっている。また、第2係合部332は、ガイド孔321と、天板23におけるガイド孔321の縁部と、に係合した状態に維持されるようになっている。
【0072】
本実施形態の場合、例えば、以下に説明するようなオペレーションにより、商品陳列棚300を第1状態と第2状態とに変換させることができる。
【0073】
先ず、図13(a)に示すような第1状態では、第1の箱体10と第2の箱体20とが横方向に並んでいる。このとき、連結部材330は、例えば、ガイドレール320の第1部分321aの前部と連結孔311とを連結している。
なお、このとき、開口部330a内に側板12及び側板21が位置している(図14(a))。
【0074】
この状態から第2状態に変換するには、先ず、例えば、図13(b)に示すように、第1の箱体10を後方に移動させる。
ここで、連結部材330の第1係合部331(図14(a))は第1の箱体10の移動に伴って後方に移動する。このため、第1の箱体10の後方移動に伴い、連結部材330の第2係合部332(図14(a))は、ガイドレール320の第1部分321aに係合したままで、該第1部分321aの後部(第1部分321aと第2部分321b(図14(a))との境界部)へ移動する。
【0075】
次に、例えば、図13(c)に示すように、第1の箱体10が第2の箱体20の後方に隣接する位置するまで、第1の箱体10を横方向(図13(c)の右方向)に移動させる。
ここで、連結部材330の第1係合部331は第1の箱体10の移動に伴って横方向(右方向)に移動する。このため、第1の箱体10の横方向移動に伴い、連結部材330の第2係合部332は、ガイドレール320の第2部分321bに係合したままで、該第2部分321bの右半部へ移動する。
こうして、商品陳列棚300を第2状態にすることができる。
なお、第2状態では、開口部330a内は空間となる。
【0076】
また、上記と逆のオペレーションを行うことによって、商品陳列棚300の状態を第2状態から第1状態に変換させることができる。
【0077】
次に、図14(b)を参照して、商品陳列棚300の連結構造の他の一例を説明する。
【0078】
図14(a)の例では、連結部材330に開口部330aが形成されていたのに対し、図14(b)の例では、連結部材330は、開口部330aを有さず、第2の実施形態における連結部材230と同様の形状となっている。
図14(b)の例では、ガイドレール320は、ガイド孔321の他に、側板21に形成されたガイド用切欠形状部322を有している。このガイド用切欠形状部322は、側板21の上端部(ただし、天板23よりも下に位置する部分)に、前後方向に延在するように形成されている。ガイド用切欠形状部322は、側板21を横方向に貫通し、且つ、後端部が後方に向けて開放している。このガイド用切欠形状部322が形成されていることにより、連結部材330と側板21とが干渉しないようになっている。
図14(b)の例では、側板12には、該側板12を横方向に貫通する切欠形状部312が形成されている。この切欠形状部312は、側板12の前部の上端部(ただし、天板13よりも下に位置する部分)に形成され、側板12の前方に向けて開放している。この切欠形状部312が形成されていることにより、連結部材330と側板12とが干渉しないようになっている。
図14(b)に示す例でも、図14(a)に示す例と同様のオペレーションにより、商品陳列棚300を第1状態と第2状態とに変換することができる。
【0079】
以上のような第3の実施形態によっても、第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0080】
〔第4の実施形態〕
図15は第4の実施形態に係る商品陳列棚400の模式的な底面図であり、このうち図15(a)は第1の例を、図15(b)は第2の例を示す。
第4の実施形態に係る商品陳列棚400は、以下に説明する点でのみ、上記の各実施形態1乃至3に商品陳列棚100、200、300と相違し、その他の点では商品陳列棚100、200、300と同様に構成されている。
【0081】
本実施形態の場合、第1の箱体10の底面と、第2の箱体20の底面と、の少なくとも何れか一方に、滑り材80が設けられている。
滑り材80の表面(下面)の摩擦係数は、第1及び第2の箱体10、20の底面の摩擦係数よりも小さい。
滑り材80は、例えば、合成樹脂などにより構成された、平板な板状のものであり、最下段の棚板14、24の底面に貼り付けられている。
【0082】
図15(a)の例では、第1の箱体10の底面と、第2の箱体20の底面とに、それぞれ滑り材80を設けた例を示している。滑り材80は、例えば、第1の箱体10の底面の複数箇所(例えば4隅)と、第2の箱体20の底面の複数箇所(例えば4隅)にそれぞれ設けられている。
この場合、第1及び第2の箱体10、20をそれぞれ載置面5に対して容易に摺動させて、載置面5上で移動させることができるので、第1状態と第2状態との変換操作を軽い力で容易に行うことができる。
【0083】
一方、図15(b)の例では、第1の箱体10の底面には滑り材80を設け、第2の箱体20の底面には滑り止め材90を設けている。滑り止め材90は、ゴムなどの摩擦係数が高い材質により構成された、平板な板状のものであり、最下段の棚板24の底面に貼り付けられている。滑り止め材90の表面(下面)の摩擦係数は、第2の箱体20の底面の摩擦係数よりも大きい。
この場合、第1の箱体10を載置面5に対して容易に摺動させて、載置面5上で移動させることができるので、第1状態と第2状態との変換操作を軽い力で容易に行うことができる。
また、第2の箱体20の底面には滑り止め材90が設けられているので、第2の箱体20を載置面5に対して滑動しにくくすることができる。よって、第1の箱体10を移動させる際に、第2の箱体20の位置を一定に維持しやすくなる。
【0084】
〔第5の実施形態〕
図16は第5の実施形態の第1の例に係る商品陳列棚500の模式的な平面図、図17は第5の実施形態の第2の例に係る商品陳列棚550の模式的な平面図である。
第5の実施形態に係る商品陳列棚500、550は、以下に説明する点でのみ、上記の各実施形態1乃至4に商品陳列棚100、200、300、400と相違し、その他の点では商品陳列棚100、200、300、400と同様に構成されている。
【0085】
上記の各実施形態では、商品陳列棚を構成する箱体が2つの例を説明したが、本実施形態では、商品陳列棚を構成する箱体が3つ以上である例を説明する。
【0086】
例えば、図16の例では、第1の箱体10、第2の箱体20及び第3の箱体530の3つの箱体を、ヒンジ30を介して順次連結することにより、商品陳列棚500が構成されている。すなわち、第3の箱体530は、ヒンジ30を介して第2の箱体20と連結されている。なお、第3の箱体530は、第1及び第2の箱体10、20と同様に構成されている。
【0087】
図16に示す商品陳列棚500は、例えば、以下に列挙する何れの状態にも変換可能であり、上記の各実施形態よりも広いレンジで商品陳列棚500の横幅を変更することができる。
(1)第1乃至第3の箱体10、20、530を横並びに一列に配置した状態(図16(a))。
(2)第2及び第3の箱体20、530を横並びに配置し、且つ、第1及び第2の箱体10、20を奥行き方向に並べて配置した状態(図16(b))
(3)第1乃至第3の箱体10、20、530を奥行き方向に一列に並べて配置した状態(図16(c))。
(4)第1及び第2の箱体10、20を横並びに配置し、且つ、第2及び第3の箱体20、530を奥行き方向に並べて配置した状態(図示略)。
【0088】
また、図17の例では、第1の箱体10、第2の箱体20、第3の箱体530及び第4の箱体540の4つの箱体を、ヒンジ30を介して順次連結することにより、商品陳列棚550が構成されている。すなわち、第4の箱体540は、ヒンジ30を介して第3の箱体530と連結されている。なお、第4の箱体530も、第1及び第2の箱体10、20と同様に構成されている。
【0089】
図17に示す商品陳列棚550は、例えば、以下に列挙する何れの状態にも変換可能であり、図16の例よりも更に広いレンジで商品陳列棚550の横幅を変更することができる。
(1)第1乃至第4の箱体10、20、530、540を横並びに一列に配置した状態(図17(a))。
(2)第2乃至第4の箱体20、530、540を横並びに配置し、且つ、第1及び第2の箱体10、20を奥行き方向に並べて配置した状態(図17(b))。
(3)第1乃至第3の箱体10、20、530を奥行き方向に一列に配置し、且つ、第3及び第4の箱体530、540を横並びに配置した状態(図17(c))。
(4)第1乃至第4の箱体10、20、530、540を奥行き方向に一列に並べて配置した状態(図17(d))。
【0090】
このように、本実施形態に係る商品陳列棚500、550は、それぞれマガジン40を支持可能な複数段の棚部を有する第3乃至第n(nは3以上の整数)の箱体と、第(n−1)の箱体と第nの箱体とを、第(n−1)及び第nの箱体が当該商品陳列棚500、550の横方向に並ぶ状態と、第(n−1)及び第nの箱体が当該商品陳列棚500、550の奥行き方向に並ぶ状態と、に変換可能に連結している第2乃至第(n−1)の連結部と、を有する。
換言すれば、本実施形態に係る商品陳列棚500、550は、マガジン40を搭載可能な商品陳列棚500、550であって、それぞれマガジン40を支持可能な複数段の棚部を有する複数の箱体と、複数の箱体を順次に連結している、箱体よりも数が1つ少ない連結部と、を有し、連結部は、隣り合う箱体を、これら隣り合う箱体が当該商品陳列棚500、550の横方向に並ぶ第1状態と、これら隣り合う箱体が当該商品陳列棚500、550の奥行き方向に並ぶ第2状態と、に変換可能に連結している。
【0091】
なお、図16及び図17では、箱体どうしを連結する連結部がヒンジ30である例を示しているが、第2及び第3の実施形態と同様に、連結部はガイドレール及び連結部材により構成されていても良い。
【0092】
このような第5の実施形態によれば、上記の各実施形態と同様の効果が得られる他、商品陳列棚500、550の幅調整の自由度を上記の各実施形態よりも高めることができる。
【0093】
なお、上記においては、各棚部が一枚ずつの棚板14、24により構成されている例を説明したが、各棚部は、一枚板でなく、複数の板を水平に並べて構成しても良い。或いは、各棚部は、複数の棒状部を水平に且つ互いに平行に並べて構成しても良い。或いは、各棚部は、網棚として構成しても良い。
【0094】
上記の第2の実施形態では、第2ガイドレール220が第2の箱体20の背面に沿って形成されている例を説明したが、第2のガイドレール220は第2の箱体20の前面に沿って横方向に延在するように形成されていても良い。
【0095】
上記の第3の実施形態では、ガイドレール320の第2部分321bが第2の箱体20の背面に沿って形成されている例を説明したが、第2部分321bは第2の箱体20の前面に沿って横方向に延在するように形成されていても良い。
【0096】
なお、上記においては、商品陳列棚が、たばこ商品60を収容したマガジン40を支持する例を説明したが、複数のたばこ商品60を収容したカートンを商品陳列棚によって支持することも可能である。
【符号の説明】
【0097】
3 装飾表示部
5 載置面
10 第1の箱体
11 側板
12 側板
13 天板
14 棚板
15 係合溝(第1被係合部)
16 係合溝(第2被係合部)
20 第2の箱体
21 側板
22 側板
23 天板
24 棚板
30 ヒンジ
31 第1平板部
32 第2平板部
33 軸支部
40 マガジン
41 係合突起(第1係合部)
42 係合突起(第2係合部)
50 前面化粧パネル
53 本体部
54 取付部
55 後方延出部
56 回動部
56a 受部
56b 挟持部
57 付勢部
57a 巻回部
57b 延出部
57c 延出部
58 シート状部材
59 支持ブラケット
59a 回動軸
60 たばこ商品
70 緩衝材
80 滑り材
90 滑り止め材
100 商品陳列棚
200 商品陳列棚
210 第1ガイドレール
211 第1ガイド孔
212 第2ガイド孔
220 第2ガイドレール
221 ガイド孔
222 切欠形状部
230 連結部材
300 商品陳列棚
311 連結孔
312 切欠形状部
320 ガイドレール
321 ガイド孔
321a 第1部分
321b 第2部分
322 ガイド用切欠形状部
330 連結部材
330a 開口部
331 第1係合部
332 第2係合部
400 商品陳列棚
500 商品陳列棚
530 第3の箱体
540 第4の箱体
550 商品陳列棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マガジンを搭載可能な商品陳列棚であって、
互いに対向する一対の側板と、両端がそれぞれ前記一対の側板に固定されることで前記一対の側板間に架設されて、前記一対の側板間の対向間隔を一定に維持させ、且つ、前記マガジンを支持可能な複数段の棚部と、をそれぞれ有する第1及び第2の箱体と、
前記第1及び第2の箱体を、前記第1及び第2の箱体が当該商品陳列棚の横方向に並ぶ第1状態と、前記第1及び第2の箱体が当該商品陳列棚の奥行き方向に並ぶ第2状態と、に変換可能に連結している連結部と、
を有することを特徴とする商品陳列棚。
【請求項2】
前記連結部は、前記第1及び第2の箱体を水平面に対して直交する回動軸周りに相互に回動可能に連結しているヒンジであることを特徴とする請求項1に記載の商品陳列棚。
【請求項3】
前記第1の箱体の各段の前記棚部と、前記第2の箱体の各段の前記棚部と、の高さが互いに等しく、
前記第1状態と前記第2状態との少なくとも何れか一方の状態において、前記第1の箱体の前記棚部と、前記第2の箱体の前記棚部と、により同一の前記マガジンを水平支持可能となることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品陳列棚。
【請求項4】
前記マガジンの底面には、第1係合部と、前記第1係合部の後方に位置する第2係合部と、が形成され、
前記棚部の上面には、前記第1及び第2係合部の前後間隔と等しい前後間隔で配置された第1及び第2被係合部が形成され、
前記第1状態では、前記第2係合部と、前記第1及び第2被係合部のうち前側に位置する被係合部と、が係合する状態で、前記棚部により前記マガジンを支持可能であり、
前記第2状態では、前記第1及び第2の箱体のうち前側に位置する箱体の前記棚部の前記第1及び第2被係合部のうち、前側に位置する被係合部と前記第1係合部とが係合し、且つ、後側に位置する被係合部と前記第2係合部とが係合する状態で、前記棚部により前記マガジンを支持可能であることを特徴とする請求項3に記載の商品陳列棚。
【請求項5】
前記第1の箱体と前記第2の箱体との接触を緩衝する緩衝材が、前記第1の箱体と前記第2の箱体との少なくとも何れか一方に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の商品陳列棚。
【請求項6】
前記第1の箱体の底面と、前記第2の箱体の底面と、の少なくとも何れか一方に、滑り材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の商品陳列棚。
【請求項7】
前記第1の箱体の底面と、前記第2の箱体の底面と、の何れか一方に前記滑り材が設けられ、何れか他方に滑り止め材が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の商品陳列棚。
【請求項8】
前記連結部は、
前記第1及び第2の箱体の少なくとも一方の箱体に形成されたガイドレールと、
当該ガイドレールと、他方の箱体と、を連結している連結部材と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の商品陳列棚。
【請求項9】
前記第1及び第2の箱体の各々は、平面視矩形状であり、
前記ガイドレールは、
前記第1の箱体において前記第1状態にて前記第2の箱体側となる側面に沿って前後方向に延在するように、前記第1の箱体に形成された第1ガイドレールと、
前記第2の箱体の前面又は背面に沿って横方向に延在するように、前記第2の箱体に形成された第2ガイドレールと、
を含み、
前記連結部材は、前記第1ガイドレールと前記第2ガイドレールとを連結していることを特徴とする請求項8に記載の商品陳列棚。
【請求項10】
前記第1及び第2の箱体の各々は、平面視矩形状であり、
前記ガイドレールは、
前記第2の箱体において前記第1状態にて前記第1の箱体側となる側面に沿って前後方向に延在するように、前記第2の箱体に形成された第1部分と、
前記第1部分と連続的に前記第2の箱体に形成され、前記第2の箱体の前面又は背面に沿って横方向に延在する第2部分と、
を含み、
前記連結部材は、前記ガイドレールと前記第1の箱体とを連結していることを特徴とする請求項8に記載の商品陳列棚。
【請求項11】
それぞれ前記マガジンを支持可能な複数段の棚部を有する第3乃至第n(nは3以上の整数)の箱体と、
第(n−1)の箱体と第nの箱体とを、前記第(n−1)及び第nの箱体が当該商品陳列棚の横方向に並ぶ状態と、前記第(n−1)及び第nの箱体が当該商品陳列棚の奥行き方向に並ぶ状態と、に変換可能に連結している第2乃至第(n−1)の連結部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の商品陳列棚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−9848(P2013−9848A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144634(P2011−144634)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)