説明

商品陳列装置及びそれを設置した冷凍ショーケース

【課題】特に冷凍飲料等の効果的な陳列と、ストック商品の凍結収納等を効率的に実現することができる商品陳列装置及びそれを設置した冷凍ショーケースを提供する。
【解決手段】本発明の商品陳列装置20は、上部に構成され、商品Pを横に寝かせた状態で陳列するための商品陳列棚21と、この商品陳列棚21の下側において、商品Pを起立した状態で収納可能な収納空間29を内部に構成する支持枠25とから成り、商品陳列棚21は、支持枠25の上面開口26Aを開閉自在に閉塞する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所謂平型のショーケースにおいて陳列に供される商品と、ストック商品とを陳列・収納可能とする商品陳列装置及びそれを設置した冷凍ショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりペットボトル入りの飲料は、庫内を冷蔵温度に冷却したショーケースにて陳列販売されている。ペットボトル入りの飲料は、一般に側面にラベルが設けられていることから、前面に開口した所謂縦型のショーケースにおいて複数段架設される商品陳列棚に並置される。
【0003】
昨今では、冷蔵温度よりも低い冷凍温度領域にてペットボトル入りの飲料を冷却し、冷凍飲料としての販売が行われている。この場合、飲料を凍結させるまでには長時間を要することから、飲料の凍結は、バックヤードなどに設置される冷却貯蔵庫において行い、販売に供される状態となった飲料を商品として陳列用のショーケースに陳列していた。
【0004】
一方、従来より冷凍食品等の陳列・冷却収納には、上面に開口を有する平型の冷凍ショーケース(貯蔵庫)が用いられている。この場合、商品の納出作業性を考慮し、貯蔵室内に通風性を有するバスケットを複数収納し、当該バスケットに商品を収納陳列する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
そして、このバスケットは、貯蔵室内に例えば上下に2段に配設可能とし、下側のバスケットには、ストック商品を収納し、上側のバスケットには、販売に供される商品を収納陳列していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−243755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した如きバスケットを備えた冷凍ショーケースを冷凍したペットボトル入りの飲料の陳列に使用した場合、バスケット内にペットボトル入りの飲料を横に寝かせて冷凍すると、容器内の飲料が開封口に接触した状態で凍結することとなり、開封し難くなるなど不都合が生じる。他方、ペットボトル入りの飲料は、冷凍食品などと異なり、側面にラベル等が設けられていることから、起立した状態でバスケット内に収納すると、ラベル等を上方から視認することができず、陳列効果が著しく低減されるという問題がある。
【0008】
また、ペットボトル入りの飲料は、当該冷凍ショーケースにおいて凍結するまでに長時間を要することからストック商品として、下側のバスケット内に収納し、凍結された状態の商品を上側のバスケット内に陳列することが考えられるが、上側のバスケット内の商品が取り出され、商品補充を行う際には、少量の商品補充であっても、上側のバスケットを全て撤去し、下側のバスケットを露出させた状態で商品補充を行うこととなる。
【0009】
この場合、バスケットには、商品が平積みされていくことから、先に収納した商品を後に収納した商品よりも先に販売に供されるように陳列するためには、バスケット内に収納された商品を全て出さなければならず、商品補充作業が著しく煩雑となる問題がある。そのため、効率的な凍結収納・陳列販売を実現することが困難となる問題があった。
【0010】
本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、特に冷凍飲料等の効果的な陳列と、ストック商品の凍結収納等を効率的に実現することができる商品陳列装置及びそれを設置した冷凍ショーケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の商品陳列装置は、上部に構成され、商品を横に寝かせた状態で陳列するための商品陳列棚と、この商品陳列棚の下側において、商品を起立した状態で収納可能な収納空間を内部に構成する支持枠とから成り、商品陳列棚は、支持枠の上面開口を開閉自在に閉塞することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、上記において、商品陳列棚には、商品が起立した状態で通過可能な商品取出部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、上記各発明において、商品陳列棚は、並設された第1及び第2の陳列棚部と、各陳列棚部を回動自在に連結する回動軸とを備え、陳列棚部の非連結側を持ち上げて回動させることで、当該陳列棚部は、支持枠の上面開口を開放することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、上記発明において、各陳列棚部には、商品を所定角度で傾斜した状態に保持するための商品保持部がそれぞれ立設されており、各商品保持部は、回動軸を挟んで相互にずれた位置に設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、上記請求項3又は請求項4の発明において、各陳列棚部には、商品を所定角度で傾斜した状態に保持するための商品保持部がそれぞれ立設されており、各商品保持部は、回動軸側が低く形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明の商品陳列装置は、上部に構成され、商品を横に寝かせた状態で陳列するための商品陳列棚と、この商品陳列棚の下側において、商品を起立した状態で収納可能な収納空間を内部に構成する支持枠とから成り、商品陳列棚には、商品が起立した状態で通過可能な商品取出部が形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、上記請求項1、請求項2又は請求項6の発明において、商品陳列棚には、商品を所定角度で傾斜した状態に保持するための商品保持部が立設されていることを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明は、上記請求項4、請求項5又は請求項7の発明において、商品保持部の上縁には、湾曲した凹陥部が形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項9の発明は、上記各発明において、商品陳列棚は、支持枠に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項10の発明は、上記各発明において、支持枠内に構成される収納空間の高さは、208mm以上230mm以下の寸法とされていることを特徴とする。
【0021】
請求項11の発明の冷凍ショーケースは、少なくとも上面に商品取出用の開口を有する貯蔵室を備え、上記各発明の商品陳列装置を貯蔵室内に設置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の商品陳列装置は、上部に構成され、商品を横に寝かせた状態で陳列するための商品陳列棚と、この商品陳列棚の下側において、商品を起立した状態で収納可能な収納空間を内部に構成する支持枠とから成り、商品陳列棚は、支持枠の上面開口を開閉自在に閉塞するので、商品陳列棚により支持枠の上面開口を開放して、当該上面開口を介してこの商品陳列棚の下側に形成される収納空間に、商品を起立した状態で収納することができる。そして、商品陳列棚によって支持枠の上面開口を閉塞して、当該商品陳列棚上に商品を陳列することができる。
【0023】
これにより、ストック商品等は、収納空間に収納して、直ぐに販売等に供される商品を商品陳列棚上に陳列することができる。特に、商品陳列棚上には、商品を横に寝かせた状態で陳列するため、上方からの商品、例えば、側面等にラベル等が貼付されている商品の視認性を向上させることができる。これにより、陳列効果の向上を図ることができる。
【0024】
そして、商品陳列棚上に陳列された商品が取り出された後は、商品陳列棚を開放して、支持枠の上面開口を開放することにより、収納空間に収納された商品を取り出して、商品陳列棚上に陳列することが可能となる。
【0025】
特に、請求項11の如く当該商品陳列装置が冷凍ショーケースの貯蔵室内に設けられた場合、直ぐに販売に供せる温度にまで冷却されていない商品を商品陳列装置の収納空間に収納し、直ぐに販売に供せる状態にまで冷却された商品を陳列棚上に陳列することができる。
【0026】
これにより、適切な販売状態とされている商品を貯蔵室内の取りやすい位置に陳列しておくことによって、同一のショーケースにおいてストック商品を冷却しつつ、好適な販売形態を実現することが可能となる。
【0027】
また、例えば飲料等の商品を冷却する場合、凍結前のストック商品は、商品陳列装置の収納空間に起立した状態で収納することにより、開封口部分を上部として凍結させることが可能となるため、開封部分が飲料により凍結し、開けにくくなる不都合等を回避することが可能となる。
【0028】
請求項2の発明によれば、上記に加えて、商品陳列棚には、商品が起立した状態で通過可能な商品取出部が形成されているので、商品陳列棚を開放させることなくこの商品陳列棚の下側の収納空間に収納される商品を商品取出部を介して取り出すことが可能となる。
【0029】
これにより、容易に収納空間から商品を取り出して、商品陳列棚への商品の補充作業を行うことが可能となる。
【0030】
請求項3の発明によれば、上記各発明において、商品陳列棚は、並設された第1及び第2の陳列棚部と、各陳列棚部を回動自在に連結する回動軸とを備え、陳列棚部の非連結側を持ち上げて回動させることで、当該陳列棚部は、支持枠の上面開口を開放する際、各陳列棚部を当該商品陳列装置の寸法範囲内で開閉することが可能となる。
【0031】
これにより、貯蔵室内の内壁面が当該商品陳列装置に近接している場合であっても、当該内壁面に干渉されることなく、各陳列棚部を開放することが可能となる。
【0032】
また、請求項4の発明によれば、上記発明において、各陳列棚部には、商品を所定角度で傾斜した状態に保持するための商品保持部がそれぞれ立設されているので、各陳列棚部に横に寝せた状態で陳列される商品を各商品保持部によって適度な傾斜角度にて保持することができ、商品の視認性の向上を図ることができる。また、各商品が傾斜状態で保持されることから各陳列棚部上に陳列可能となる商品数を増大させることができ、より陳列効果の向上を図ることができる。
【0033】
また、上記において、各商品保持部は、回動軸を挟んで相互にずれた位置に設けられているので、一方の陳列棚部を開放した際に、当該陳列棚部に立設される商品保持部が、他方の陳列棚部に設けられる商品保持部と干渉してしまう不都合を解消することができる。これにより、支障なく各陳列棚部の開放状態を維持することが可能となる。
【0034】
請求項5の発明によれば、上記請求項3又は請求項4の発明において、各陳列棚部には、商品を所定角度で傾斜した状態に保持するための商品保持部がそれぞれ立設されており、各商品保持部は、回動軸側が低く形成されているので、少なくとも一方の陳列棚部の回動軸側に商品を陳列した状態で、他方の陳列棚部を開放した際に、一方の陳列棚部に陳列された商品や商品保持部と、他方の陳列棚部の商品保持部とが干渉してしまう不都合を解消することができる。これにより、一方の陳列棚部上に商品が陳列されている場合であったも、当該商品を退かすことなく支障なく他方の陳列棚部の開放状態を維持することが可能となる。
【0035】
請求項6の発明の商品陳列装置によれば、上部に構成され、商品を横に寝かせた状態で陳列するための商品陳列棚と、この商品陳列棚の下側において、商品を起立した状態で収納可能な収納空間を内部に構成する支持枠とから成り、商品陳列棚には、商品が起立した状態で通過可能な商品取出部が形成されているので、ストック商品等は、収納空間に収納して、直ぐに販売等に供される商品を商品陳列棚上に陳列することができる。特に、商品陳列棚上には、商品を横に寝かせた状態で陳列するため、斜め上方から商品、例えば、側面等にラベル等が貼付されている商品の視認性を向上させることができる。これにより、陳列効果の向上を図ることができる。
【0036】
そして、商品陳列棚上に陳列された商品が取り出された後は、商品陳列棚に形成される商品取出部を介して、この商品陳列棚の下側の収納空間に収納される商品を取り出すことが可能となる。これにより、容易に収納空間から商品を取り出して、商品陳列棚への商品の補充作業を行うことが可能となる。
【0037】
特に、請求項11の如く当該商品陳列装置が冷凍ショーケースの貯蔵室内に設けられた場合、直ぐに販売に供せる温度にまで冷却されていない商品を商品陳列装置の収納空間に収納し、直ぐに販売に供せる状態にまで冷却された商品を陳列棚上に陳列することができる。
【0038】
これにより、適切な販売状態とされている商品を貯蔵室内の取りやすい位置に陳列しておくことによって、同一のショーケースにおいてストック商品を冷却しつつ、好適な販売形態を実現することが可能となる。
【0039】
また、例えば飲料等の商品を冷却する場合、凍結前のストック商品は、商品陳列装置の収納空間に起立した状態で収納することにより、開封口部分を上部として凍結させることが可能となるため、開封部分が飲料により凍結し、開けにくくなる不都合等を回避することが可能となる。
【0040】
請求項7の発明によれば、上記請求項1、請求項2又は請求項6の発明において、商品陳列棚には、商品を所定角度で傾斜した状態に保持するための商品保持部が立設されているので、商品陳列棚に横に寝せた状態で陳列される商品を各商品保持部によって適度な傾斜角度にて保持することができ、商品の視認性の向上を図ることができる。また、各商品が傾斜状態で保持されることから商品陳列棚上に陳列可能となる商品数を増大させることができ、より陳列効果の向上を図ることができる。
【0041】
請求項8の発明によれば、上記請求項4、請求項5又は請求項7の発明において、商品保持部の上縁には、湾曲した凹陥部が形成されているので、例えば商品が側面が円筒形状であったとしても、当該凹陥部において当該商品側面を安定して保持することが可能となるため、安定した商品陳列を実現することができる。
【0042】
請求項9の発明によれば、上記各発明において、商品陳列棚は、支持枠に着脱自在に取り付けられているので、例えば、商品陳列棚の下側に構成される収納空間内に多くの商品を収納する際、商品陳列棚を全て撤去して収納作業を行うことができる。これにより、商品の納出作業性の向上を図ることができる。
【0043】
請求項10の発明によれば、上記各発明において、支持枠内に構成される収納空間の高さは、208mm以上230mm以下の寸法とされているので、一般的な500ml入りや350ml入りのペットボトルの飲料の高さ寸法(約208mm)を考慮して、収納空間に係るペットボトル入りの飲料を起立した状態で収納することが可能となる。
【0044】
また、当該収納空間の高さ寸法を230mm以下に制限することによって、商品陳列棚上に商品を所定角度にて傾斜して陳列した際に、当該商品が貯蔵室内に設けられるロードラインの下側に位置するように構成することが可能となる。これにより、商品陳列棚受けの商品を適切に冷却陳列することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の商品陳列装置を設置した冷凍ショーケースの内部透視正面図である。
【図2】図1の冷凍ショーケースの内部透視側面図である。
【図3】商品陳列装置の斜視図である。(実施例1)
【図4】商品陳列装置の分解斜視図である。(実施例1)
【図5】商品陳列装置の正面図である。(実施例1)
【図6】第1の陳列棚部を回動させた状態の商品陳列装置の正面図である。(実施例1)
【図7】使用状態を示す商品陳列装置の正面図である。(実施例1)
【図8】図7の商品陳列装置の側面図である。(実施例1)
【図9】使用状態を示す商品陳列装置の平面図である。(実施例1)
【図10】第1の陳列棚部を回動させた状態の商品陳列装置の正面図(使用状態)である。(実施例1)
【図11】商品陳列装置の正面図である。(実施例2)
【図12】第1の陳列棚部を回動させた状態の商品陳列装置の正面図である。(実施例2)
【図13】使用状態を示す商品陳列装置の正面図である。(実施例2)
【図14】第1の陳列棚部を回動させた状態の商品陳列装置の正面図(使用状態)である。(実施例2)
【図15】商品陳列装置の正面図である。(実施例3)
【図16】第1の陳列棚部を回動させた状態の商品陳列装置の正面図である。(実施例3)
【図17】第1の陳列棚部を回動させた状態の商品陳列装置の正面図(使用状態)である。(実施例3)
【図18】使用状態を示す商品陳列装置の正面図である。(実施例4)
【図19】図18の商品陳列装置の側面図である。(実施例4)
【図20】図18の商品陳列装置の平面図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の商品陳列装置2を設置した冷凍ショーケース1の内部透視正面図、図2は図1の冷凍ショーケース1の内部透視側面図をそれぞれ示している。
【0047】
本実施例において採用される冷凍ショーケース1は、例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗内に据え付けられ、冷凍食品やアイスなどの冷菓や飲料などを収納する所謂平型の冷凍ショーケースである。本実施例では、凍結したペットボトル入りの飲料を当該冷凍ショーケース1に陳列収納される商品(被冷却物品)Pとする場合を例に挙げて説明する。
【0048】
冷凍ショーケース1は、上面に開口を有する断熱箱体2により本体が構成されている。この断熱箱体2は、何れも上面に開放した鋼板製の外箱3及び内箱4と、これら両箱3、4にて囲繞された空間内に現場発泡方式にて充填されたポリウレタン断熱材7とから構成されている。本実施例における断熱箱体2は、後壁2Aの上端から前方に延びた上壁2Bが設けられており、上壁2Bの前端から前壁2Cの上端に渡って商品取出用の上面開口(開口部)5が形成されている。そして、この断熱箱体2内には、上面開口5にて上方に開放する貯蔵室8が構成されている。
【0049】
貯蔵室8の上面開口(開口部)5の両側部に位置して図示しない案内レールが形成されており、この案内レールには、透明ガラス或いは樹脂板などから構成された扉6が例えば前後に摺動自在に載置され、当該扉6にて貯蔵室8の上面開口5が開閉自在に閉塞される。扉6は上述したように、透明ガラス或いは樹脂板などによって構成されているため、貯蔵室8内部を上方から当該扉6を介して視認可能とされる。また、本実施例では、当該扉6は、後方に摺動させることで、上面開口5を開放し、当該扉6は、断熱箱体2の上壁2Bとトップテーブル10との間に構成された収納部9に格納される。
【0050】
そして、内箱4の断熱材7側の周面には周知の冷媒回路を構成する冷却器(冷却配管)12(図1のみ図示する)が交熱的に取り付けられると共に、外箱3の断熱壁7側の面には同じく冷媒回路を構成する凝縮器(凝縮配管)13(図1のみ図示する)が交熱的に取り付けられている。
【0051】
また、断熱箱体2の下部には機械室16が構成されており、この機械室16内には上記冷却器12、凝縮器13と共に冷却装置の冷媒回路を構成する圧縮機17(及び補助的な凝縮器)や、この圧縮機17を空冷するための送風機18などが設置されている。そして、これら圧縮機17、凝縮器13、図示しないドライヤー、減圧装置及び冷却器12は順次環状に配管接続され、冷却装置の冷媒回路を構成している。
【0052】
一方、貯蔵室8内には、本発明の商品陳列装置が設置されている。以下に本発明の商品陳列装置の実施例について実施例1乃至実施例4を挙げて詳述する。
【実施例1】
【0053】
先ず、実施例1としての商品陳列装置20について、図3乃至図10を参照して説明する。図3は商品陳列装置20の斜視図、図4は商品陳列装置20の分解斜視図、図5は商品陳列装置20の正面図、図6は第1の陳列棚部を回動させた状態の商品陳列装置20の正面図、図7は使用状態を示す商品陳列装置20の正面図、図8は図7の商品陳列装置20の側面図、図9は使用状態を示す商品陳列装置20の平面図、図10は第1の陳列棚部を回動させた状態の商品陳列装置20の正面図(使用状態)をそれぞれ示している。尚、図1及び図2では、貯蔵室8内に、当該商品陳列装置20を左右に2台並設している例について図示している。
【0054】
商品陳列装置20は、金属製及び/又は硬質合成樹脂から成る線材にて構成された商品陳列棚21と、当該商品陳列棚21を支持する支持枠25とから構成されている。本実施例では、商品陳列棚21及び支持枠25のいずれも金属製のワイヤーをスポット溶接して形成した後に例えばポリエチレンにて被覆して構成されている。
【0055】
支持枠25は、図4に示すように、矩形状に形成された上部支持枠26と、当該上部支持枠26の両側部から下方に延在して設けられる側部支持枠27、27と、各側部支持枠27、27を前後において、それぞれ連結する補助支持枠28、28により構成されている。本実施例において側部支持枠27は、略コ字状に折曲形成されており、下端は、前後方向に延在する設置される貯蔵室8底面への載置部とされる。
【0056】
上部支持枠26は、支持枠25の上面開口26Aを形成し、当該上部支持枠26上には、当該上面開口26Aを開閉自在に閉塞する前記商品陳列棚21が設けられる。これにより、商品陳列棚21の下側に位置する支持枠25の内部には、商品Pを収納可能とする収納空間29が構成される。
【0057】
本実施例において、当該商品陳列装置20に収納陳列される商品Pは、500ml若しくは350ml入りのペットボトルの飲料を採用している。そのため、少なくとも、収納空間29は、当該ペットボトル入りの飲料(商品P)が起立した状態で収納可能な寸法に構成されている(図7及び図8参照)。具体的には、500ml若しくは350ml入りのペットボトルの飲料は、通常高さが208mm程度に構成されている。従って、当該収納空間29の高さ寸法、具体的には、側部支持枠27の下端から上面開口26Aを形成する上部支持枠26の上端縁までの寸法が少なくとも208mm以上となるように構成されているものとする。
【0058】
そして、上部支持枠26の対向する前枠部26Bと後枠部26Cの略中央には、それぞれ軸受け30、30が対向する位置に設けられている。この軸受け30は、上方に開口した略U字状に構成されており、軸受け30の上端は、少なくとも上部支持枠26の上端よりも後述する回動軸24の径寸法よりも上方に位置するように設けられている(図5)。
【0059】
一方、本実施例において商品陳列装置20の上部に構成される商品陳列棚21は、図4に示すように支持枠25の上面開口26A上に並設される第1の陳列棚部22と、第2の陳列棚部23により構成される。各陳列棚部22、23は、枠材22A、23Aと、当該枠材22A、23Aの前後方向に渡って延在して構成される複数の線条22B、23Bにより構成される。
【0060】
そして、各陳列棚部22、23を構成する枠材22A、23Aの前後に位置する隣接側の端部それぞれには、各陳列棚部22、23を回動自在に連結する回動軸24を挿入可能とする連結孔22C、23Cがそれぞれ形成されている。
【0061】
本実施例において、第1の陳列棚部22の枠材22Aの第2の陳列棚部23側端部は、前端部及び後端部のいずれもが、第2の陳列棚部23の枠材23Aよりも外側となるように構成されているものとする。そのため、第1の陳列棚部22に形成される連結孔22C、22Cは、それぞれ第2の陳列棚部23に形成される連結孔23C、23Cの外側に位置して重合された状態で、同一の回動軸24に挿通される。
【0062】
また、商品陳列棚21の前後に延在して、各陳列棚部22、23を回動自在に連結する回動軸24は、その長さ寸法が、少なくとも支持枠25の上面開口26Aの前後寸法よりも長く、本実施例では、貯蔵室8の前後寸法に対し、略きっちりとなる寸法に構成されているものとする。
【0063】
これにより、第1の陳列棚部22及び第2の陳列棚部23が回動軸24を挟んで同一の回動軸24に挿通された状態で、商品陳列棚21が構成され、係る回動軸24を前記支持枠25の上面開口26Aを構成する上部支持枠26に設けられた対向する軸受け30、30に上方から挿入係合させることにより着脱自在に取り付けられる。
【0064】
これによって、回動軸24が支持枠25の各軸受け30、30によって支持され、当該回動軸24に回動自在に設けられる各陳列棚部22、23は、非連結側を持ち上げて回動させることで、それぞれの陳列棚部22、23が独立して支持枠25の上面開口26Aを開放させることができる。これにより、当該支持枠25の上面開口26Aは、それぞれの陳列棚部22、23によって、開閉自在に閉塞される(例えば図6参照)。
【0065】
また、各陳列棚部22の上面には商品Pを所定角度を付けて横に寝かせた状態に陳列するための商品保持部32が所定間隔を存して複数、本実施例では前後方向に所定間隔を存して3つ、立設されている。陳列棚部23の上面にも同様に商品保持部33が所定間隔を存して複数立設されている。
【0066】
ここで、第1の陳列棚部22に設けられる各商品保持部32は、回動軸24を挟んで第2の陳列棚部23に設けられる各商品保持部33と相互にずれた位置に設けられている(図8及び図9参照)。そして、それぞれの商品保持部32、33には、それぞれ前方に対応する位置に、当該商品保持部32、33に傾斜した状態で保持される商品Pの下部を支持する下部支持桟(下部支持部)34、35がそれぞれ設けられている。
【0067】
尚、本実施例では、当該商品保持部32、33及び下部支持桟34、35は、商品Pを横に寝かせた状態で、陳列棚部22、23の上面に対して約30°の角度を成す傾斜状態に保持可能とするように設定されている。これにより、貯蔵室8内の商品陳列装置20の各陳列棚部22、23上に各商品保持部32、33に支持されて陳列される商品P側面のラベルを、前記扉6越しに上方から容易に視認可能とされる。尚、当該陳列された状態の商品Pの傾斜角度はこれに限定されるものではなく、貯蔵室8の上方から商品陳列棚21上に陳列される商品Pの全体(特に側面ラベル)を効果的に視認可能とすべく陳列できる角度であれば、いずれの傾斜角度であっても良い。
【0068】
また、本実施例において、採用される冷凍ショーケース1は、貯蔵室8の底面からロードライン(冷却保証ライン)Lまでの高さ寸法は、約380mm程度に設定されている。ここで、商品陳列棚21(各陳列棚部22、23)上に、陳列される商品Pは、高さ寸法が約208mm程度の500ml若しくは350ml入りのペットボトル飲料とする。そのため、当該陳列棚部22、23上に約30°の角度を成すように商品Pが陳列されると、傾斜して陳列される商品Pの高さ寸法は、350ml入りのペットボトル(底面が53mm×53mm)の場合、約140mm程度、500ml入りのペットボトル(底面直径68mm程度)の場合、約155mm程度となる。
【0069】
上述したように、貯蔵室8の底面から支持枠25の上端までの高さ寸法を208mm程度とすることにより、商品陳列棚21自体の寸法を考慮し、商品陳列棚21上に陳列される商品は、貯蔵室8の底面から358mm(350ml入りのペットボトルの場合)乃至373mm(500ml入りのペットボトルの場合)となり、いずれの場合も上記ロードラインL以下に商品Pを陳列することが可能となる。
【0070】
従って、貯蔵室8のロードラインLまでの高さ寸法が、貯蔵室8の底面から380mm程度であれば、図2に示すように、冷凍向けの飲料として販売される350ml入りのペットボトル飲料を商品Pとして当該商品陳列装置20に収納陳列する場合、支持枠25内に構成される収納空間29の高さ寸法は、208mm以上230mm以下の寸法とすることで、商品陳列棚21上に陳列される商品Pの冷却に支障を来すことなく、収納空間29に係るペットボトル入りの飲料を起立した状態で収納することが可能となる。
【0071】
以上の構成により、本実施例の商品陳列装置20の使用形態について説明する。本実施例では、凍結された状態のペットボトル入りの飲料を陳列販売することを目的とする。そのため、凍結状態にまで冷却されていない商品Pやストック商品Pは、商品陳列装置20の収納空間29内に起立した状態で収納される(図7乃至図10)。
【0072】
この際、商品陳列棚21を構成する各陳列棚部22、23は、図6や図10に示すようにそれぞれ回動軸24を中心として非枢支側(非連結側)を持ち上げて、支持枠25の上面開口26Aの一部(この場合半分)を開放させて、当該陳列棚部22、23の下方に構成される収納空間29内に商品Pを収納する。
【0073】
この場合、図10に示すように、開放される側の陳列棚部とは反対側の陳列棚部上の回動軸24側の商品Pを撤去した状態で、開放動作を行う。これにより、例えば陳列棚部22に設けられる商品保持部32は、他方の陳列棚部23に設けられる商品保持部33とは、ずれた位置に設けられているため、陳列棚部22を他方の陳列棚部23側に回動させると、陳列棚部23の商品保持部33を避けた状態で、当該陳列棚部23側に傾倒される。そのため、それぞれに陳列棚部22、23に立設される商品保持部32、33同士が開放時に干渉してしまう不都合を解消することができる。これにより、一方の陳列棚部22の当該商品保持部32が他方の陳列棚部23上に当接することによって、支障なく開放状態が維持することが可能となる。
【0074】
尚、本実施例では、図9に示すように各陳列棚部22、23の下方にそれぞれ2列ずつ、回動軸24下方に一列収納する。
【0075】
また、一度に多くの商品Pを収納空間29内に収納する場合には、商品陳列棚21全体を支持枠25から取り外し、即ち、回動軸24を軸受け30、30から取り外し、各陳列棚部22、23ごと撤去することにより、支持枠25の上面開口26A全体を開放させ、商品Pの納出作業を行っても良い。これにより、商品Pの納出作業性の向上を図ることができる。
【0076】
そして、商品陳列棚21により支持枠25の上面開口26Aを閉塞した状態、即ち、各陳列棚部22、23を閉じた状態で、各陳列棚部22、23上に凍結した状態の商品Pを横に寝かせた状態、本実施例では、商品Pの下部を下部支持桟34、35に係止させた状態で、その商品Pを対応する商品保持部32、33上に保持させて陳列する。本実施例では、図7に示すように、各商品保持部32、33のそれぞれには2本ずつの商品Pを傾斜した状態で保持することができる。
【0077】
係る構成により、ストック商品等は、収納空間29に収納して、直ぐに販売等に供される商品Pを商品陳列棚21上に陳列することができる。商品陳列棚21上には、商品Pを横に寝かせた状態で陳列するため、上方からの商品P、例えば、側面等にラベル等が貼付されている商品の視認性を向上させることができる。これにより、陳列効果の向上を図ることができる。
【0078】
特に、本実施例では、商品陳列棚21を構成する各陳列棚部22、23には、商品Pを所定角度で傾斜した状態に保持するための商品保持部32、33がそれぞれ立設されており、これにより、各陳列棚部22、23に横に寝せた状態で陳列される商品Pを適度な傾斜角度にて保持することができる。
【0079】
これにより、より一層、貯蔵室8上方からの商品Pの視認性の向上を図ることができる。また、各商品Pが傾斜状態で保持されることから各陳列棚部22、23上に陳列可能となる商品数を増大させることができ、より陳列効果の向上を図ることができる。
【0080】
そして、直ぐに販売に供せる程度にまで冷却されていない商品P(凍結されていない商品P)は、顧客からは商品Pが取り出し難い商品陳列棚21の下側に構成される収納空間29内に収納されているため、誤って顧客が凍結前の商品Pを取り出してしまい販売に供するには不適切な状態の商品Pが販売されてしまう不都合を回避することができる。また、当該収納空間29は、当然に貯蔵室8内に構成されていることから、適切な温度にまで冷却することができ、凍結後は、ストック商品として収納しておくことが可能となる。
【0081】
そのため、適切な販売状態とされている商品Pを貯蔵室8内の取りやすい位置に陳列しておくことによって、同一のショーケース1においてストック商品を冷却しつつ、好適な販売形態を実現することが可能となる。
【0082】
特に、本実施例のように商品Pが上部に開封口を設けた飲料である場合、凍結前の商品Pは、商品陳列装置20の収納空間29に起立した状態で収納するため、開封口部分を上部として凍結させることが可能となり、係る開封部分が飲料により凍結し、開けにくくなる不都合等を回避することが可能となる。
【0083】
そして、商品陳列棚21上に陳列された商品Pが取り出された後は、商品陳列棚21を構成する第1の陳列棚部22や第2の陳列棚部23を回動させることにより支持枠25の上面開口26Aを開放して、収納空間29に収納された商品Pを取り出す。再び、各陳列棚部22、23を回動させ上面開口26Aを閉塞することにより、当該陳列棚部22、23上にストックしていた商品Pを陳列することが可能となる。
【0084】
これにより、別置きの冷凍設備からストック商品を搬送してくることなく、同一の貯蔵室8内の収納空間29にて適切な販売状態にまで冷却・収納されているストック商品Pを直ぐに販売に供せる状態にまで冷却された商品Pとして商品陳列棚21上に陳列することができる。
【0085】
特に、本実施例では、商品陳列棚21は、並設された第1及び第2の陳列棚部22、23が、回動軸24によりそれぞれ独立して回動自在に連結することにより構成されているため、それぞれの陳列棚部22、23の非連結側を持ち上げて回動させることで、支持枠25の上面開口26Aを開放する際、各陳列棚部22、23を当該商品陳列装置の寸法範囲内で開閉することが可能となる。
【0086】
そのため、貯蔵室8内の内壁面が当該商品陳列装置20に近接している場合であっても、当該内壁面に干渉されることなく、それぞれの陳列棚部22、23を開放することが可能となる。従って、貯蔵室8内の空間を有効に利用することが可能となる。
【0087】
尚、本実施例では、各陳列棚部22は、支持枠25の上面開口26Aの略中央部に前後方向に延在して設けられる回動軸24により、回動自在に取り付けられることで、片方ずつ上面開口26Aを開放可能とされているが、これに限定されるものではなく、それぞれの陳列棚部22を支持枠25の上面開口26Aの側縁に沿って回動軸を設け、これにより、上面開口26Aを開放可能としても良い。これにより、他方の陳列棚部22の開閉状況に影響されることなく、同時に開放させて、上面開口26A全体を開放させることが可能となり、一度に多くの商品Pを納出する作業性を向上させることができる。
【0088】
いずれの場合であっても、回動軸24は、その長さ寸法が、上述したように貯蔵室8の前後寸法に対し、略きっちりとなる寸法に構成されていることにより、各陳列棚部22、23の回動操作によって軸受け30、30から脱落しがたい構成とすることができる。
【0089】
また、本実施例では、商品陳列棚21は、回動軸24により連結される2枚の陳列棚部22、23により構成されているが、これに限定されるものではなく、回動軸により連結される3枚以上の陳列棚部により構成しても良く、また、一枚の陳列棚を回動軸によって支持枠25に開閉自在に設けても良い。
【実施例2】
【0090】
次に、実施例2としての商品陳列装置40について、図11乃至図14を参照して説明する。図11は商品陳列装置40の正面図、図12は第1の陳列棚部22を回動させた状態の商品陳列装置40の正面図、図13は使用状態を示す商品陳列装置40の正面図、図14は第1の陳列棚部22を回動させた状態の商品陳列装置40の正面図(使用状態)をそれぞれ示している。尚、各図において、上記図3乃至図10と同一の符号が付されているものは同様の効果を奏するものであり、説明を省略する。
【0091】
実施例2における商品陳列装置40は、上記実施例1における商品陳列装置20とほぼ同一の構成とされている。即ち、当該実施例2における商品陳列装置40は、実施例1における商品陳列装置20の商品陳列棚21を構成する各陳列棚部22、23に設けられる商品保持部32、33の構成のみが異なり他の構成は同一である。
【0092】
即ち、実施例2における商品陳列装置40の商品陳列棚21を構成する第1の陳列棚部22及び第2の陳列棚部23に設けられる商品保持部41、42は、上縁が下方に向けて湾曲した凹陥部41A及び42Aが形成されている。本実施例では、上記実施例1において詳述したように、各商品保持部41又は42には、商品Pとして、それぞれ2本ずつのペットボトル入りの飲料が傾斜保持される。そのため、商品保持部41には、所定間隔を存して2つの凹陥部41A、41Aが形成されていると共に、商品保持部42にも所定間隔を存して2つの凹陥部42A、42Aが形成されている。
【0093】
これにより、商品陳列棚21により支持枠25の上面開口26Aを閉塞した状態、即ち、各陳列棚部22、23を閉じた状態で、各陳列棚部22、23上に凍結した状態の商品Pを横に寝かせた状態、実施例2では、商品Pの下部を下部支持桟34、35に係止させた状態で、その商品Pを対応する商品保持部41、42の上端に形成された凹陥部41A、42A上に保持させて陳列する。実施例2では、図13に示すように、各商品保持部41、42のそれぞれには2本ずつの商品Pを傾斜した状態で保持することができる。
【0094】
従って、当該商品陳列装置40に陳列される商品Pの側面が図13等に示すように円筒形状であったとしても、当該凹陥部41A又は42Aにおいて係る商品Pの側面を安定して保持することが可能となる。従って、安定した商品陳列を実現することが可能となる。
【実施例3】
【0095】
実施例3としての商品陳列装置50について、図15乃至図17を参照して説明する。図15は商品陳列装置50の正面図、図16は第1の陳列棚部22を回動させた状態の商品陳列装置50の正面図、図17は第1の陳列棚部22を回動させた状態の商品陳列装置50の正面図(使用状態)をそれぞれ示している。尚、各図において、上記図3乃至図10と同一の符号が付されているものは同様の効果を奏するものであり、説明を省略する。
【0096】
実施例3における商品陳列装置50は、上記実施例1における商品陳列装置20とほぼ同一の構成とされている。即ち、当該実施例3における商品陳列装置50は、実施例1における商品陳列装置20の商品陳列棚21を構成する各陳列棚部22、23に設けられる商品保持部32、33の構成のみが異なり他の構成は同一である。
【0097】
即ち、実施例3における商品陳列装置50は、商品陳列棚21を構成する回動軸24を挟んでそれぞれ連結される第1の陳列棚部22及び第2の陳列棚部23に商品保持部51、52が設けられる。係る商品保持部51、52は、それぞれ上端が非回動軸側が高く、回動軸24側が低くなるように傾斜した傾斜辺51A、52Aにより形成されている。
【0098】
本実施例では、上記実施例1において詳述したように、各商品保持部51又は52には、商品Pとして、それぞれ2本ずつのペットボトル入りの飲料が傾斜保持される。そのため、例えば、図17に示すように、回動軸24側に陳列される商品P1は、下部を下部支持桟35に係止させた状態で、その上部側面は、対応する商品保持部52の傾斜辺52Aに沿って、回動軸24側が低く非回動軸24側が高くなるように陳列棚部23に対して傾斜して保持される。この際、商品P1は、下部よりも上部が高くなるように傾斜して保持されることから、商品P1の側面が上側を向くように所定角度で傾斜して保持される。
【0099】
また、この回動軸24側に陳列される商品P1の非回動軸24側に陳列される商品P2は、下部を下部支持桟35に係止させた状態で、その上部側面は、対応する商品保持部52の傾斜辺52Aに沿って、回動軸24側が低く非回動軸24側が高くなるように陳列棚部23に対して傾斜して保持される。この際、当該商品P2の回動軸24側は、回動軸24側に陳列される商品P1よりも高い位置にて上部が保持される。係る商品P2も、同様に下部よりも上部が高くなるように傾斜して保持されることから、商品P2の側面が上側を向くように所定角度で傾斜して保持される。
【0100】
これにより、回動軸24を挟んで並設され、同一の回動軸24によりそれぞれ独立して回動自在に連結される各陳列棚部22、23の各商品保持部51、52は、いずれも回動軸24側が低く形成されているので、一方の陳列棚部(図17では陳列棚部22)を開放させても、当該陳列棚部の商品保持部(ここでは、商品保持部51)が、他方の陳列棚部(ここでは、陳列棚部23)の商品保持部(ここでは、商品保持部52)の回動軸24側に載置されている商品Pと干渉してしまう不都合を解消することができる。
【0101】
そのため、一方の陳列棚部上に商品Pが陳列されている場合であったも、当該商品Pを退かすことなく支障なく他方の陳列棚部の開放し、また、その状態を維持することが可能となる。これにより、より一層、利便性の向上を実現することができる。
【0102】
尚、当該実施例3においても、上記実施例2と同様に陳列棚部22、23に設けられる各商品保持部51、52の上縁(傾斜辺51A、52A)に下方に向けて湾曲した凹陥部をそれぞれ形成しても良い。これにより、商品保持部51、52に商品Pの側面を保持する凹陥部を形成することによって、転動し易い傾斜した商品保持部51、52の上端により安定的に保持させることが可能となる。
【実施例4】
【0103】
実施例4としての商品陳列装置60について、図18乃至図20を参照して説明する。図18は使用状態を示す商品陳列装置60の正面図、図19は図18の商品陳列装置60の側面図、図20は図18の商品陳列装置60の平面図をそれぞれ示している。尚、各図において、上記図3乃至図10と同一の符号が付されているものは同様の効果を奏するものであり、説明を省略する。
【0104】
実施例4における商品陳列装置60は、上記実施例1における商品陳列装置60とほぼ同一の構成とされている。即ち、当該実施例4における商品陳列装置60は、実施例1における商品陳列装置20の商品陳列棚21の構成のみが異なり他の構成は同一である。
【0105】
即ち、実施例4における商品陳列装置60は、商品Pを横に寝かせた状態で陳列するための商品陳列棚69と、この商品陳列棚69の下側において商品Pを起立した状態で収納可能とする収納空間29を内部に構成する支持枠25とから構成されている。そして、この商品陳列棚69により支持枠25の上面開口26Aは、開閉自在に閉塞されている。
【0106】
そして、この商品陳列棚69は、第1の陳列棚部62及び第2の陳列棚部63とこれらを回動自在に連結すると共に支持枠25に取り付ける回動軸24とから構成される。各陳列棚部62、63は、図20に示すようにそれぞれ枠材62A、63Aと、補助枠62B、63Bと、下部支持部64、65と、上記実施例1と同様に構成される商品保持部32、33とから構成される。
【0107】
第1の陳列棚部62と第2の陳列棚部63は略同一の構成であるため、第1の陳列棚部62を例に挙げて説明する。陳列棚部62は、略コ字状に折曲形成された枠材62Aの両側部に位置して前後方向に渡って補助枠62B、62Bが延在して設けられる。枠材62Aのコ字状の開放側に位置する前後端部は、それぞれ上記実施例1と同様に回動軸24を挿入可能とする図示しない連結孔が形成されている。
【0108】
そして、回動軸24側の補助枠62Bと、対向する枠材62A側辺に渡って、各陳列棚部62の上面にて商品Pを所定角度を付けて横に寝かせた状態に陳列するための商品保持部32が所定間隔を存して複数、ここでは前後方向に所定間隔を存して3つ、立設されている。
【0109】
それぞれの商品保持部32の前方に対応する位置には、商品保持部32に傾斜した状態で保持される商品Pの下部を支持する下部支持部64が陳列棚部22の両側部に位置する補助枠62B、62B間に渡って設けられている。本実施例において当該下部支持部64は、2条(複数条)の下部支持桟64A、64Aが所定の隙間を存して設けられることにより、傾斜して載置される商品Pの下隅部を安定して保持可能とされている。
【0110】
係る構成により、各商品Pの下部は、2条の下部支持桟62C、62Cにて保持されると共に、その商品P上部側面は、対応する商品保持部32上に保持される。これにより、商品Pは、商品側面が上方に向いた状態となるように、所定の傾斜角度にて横に寝かせた状態で陳列される。そのため、斜め上方から商品P、例えば、側面等にラベル等が貼付されている商品Pの視認性を向上させることができる。これにより、陳列効果の向上を図ることができる。
【0111】
また、当該実施例における陳列棚部62では、補助枠62B、62Bが枠材62Aの両側部に位置して設けられるため、係る補助枠62B、62B間は、少なくとも商品Pが起立した状態の幅寸法よりも大なる所定の間隔を存する。また、各商品保持部32と各下部支持部64間は、同様に少なくとも商品Pが起立した状態の幅寸法よりも大なる所定の間隔を存する。そのため、枠材62A内には、当該補助枠62B、62Bと商品保持部32、下部支持部64にて囲繞される複数の広口の商品取出部(商品取出口)66が形成される。各商品取出部66は、当該陳列棚部62の下側に形成される収納空間29内に起立した状態で収納される商品Pを通過可能に形成される。
【0112】
尚、他方の陳列棚部63も当該陳列棚部62と略同一に構成されており、枠材63Aの両側部に位置する補助枠63B、63B間と、各商品保持部33と各下部支持部65(当該陳列棚部63では2条(複数条)の下部支持桟65A、65Aにより構成される)とにより囲繞される複数の広口の商品取出部67が形成される。各商品取出部67は、当該陳列棚部63の下側に形成される収納空間29内に起立した状態で収納される商品Pを通過可能に形成される。
【0113】
当該実施例4における各陳列棚部62、63は、上記実施例1と同様に各商品保持部32、33は、相互にずれた位置に設けられているものとする。
【0114】
係る構成により、商品陳列棚69を構成する各陳列棚部62、63には、商品Pが起立した状態で通過可能な商品取出部66、67が形成されているので、商品陳列棚69の各陳列棚部62、63を回動させて支持枠25の上面開口26Aを開放させることなくこの商品陳列棚69の下側の収納空間29に収納される商品Pを商品取出部66、67を介して取り出すことが可能となる。
【0115】
これにより、容易に収納空間29から商品Pを取り出して、商品陳列棚69への商品Pの補充作業を行うことが可能となる。同様に、収納空間29内に商品Pを補充する際にも、商品陳列棚69を構成する各陳列棚部62、63によって上面開口26Aを開放させることなく、複数構成される商品取出部66、67を介して収納空間29の任意の箇所に商品Pを補充することが可能となる。従って、商品納出作業の利便性をより一層向上させることが可能となる。
【0116】
尚、実施例4では、商品陳列棚69を2つの陳列棚部62、63により構成しているが、これ以上であってもよく、また、単一の商品陳列棚により構成しても良い。上記いずれの実施例においても、商品陳列棚やこれを構成する陳列棚部は、支持枠25の上面開口26Aを開閉自在に閉塞すると共に、当該支持枠25に対して着脱自在に構成されているが、当該実施例4の如く商品陳列棚に商品取出部を設けた商品陳列装置では、支持枠25の上面に、当該商品陳列棚を固定しても良い。
【符号の説明】
【0117】
P、P1、P2 商品(被冷却物品)
1 冷凍ショーケース
2 断熱箱体
5 上面開口(開口部)
6 扉
8 貯蔵室
12 冷却器
16 機械室
20、40、50、60 商品陳列装置
21、69 商品陳列棚
22、23、62、63 陳列棚部
22A、23A、62A、63A 枠材
22B、23B 線条
22C、23C 連結孔
24 回動軸
25 支持枠
26 上部支持枠
26A 上面開口
27 側部支持枠
28 補助支持枠
29 収納空間
30 軸受け
32、33、41、42、51、52 商品保持部
34、35 下部支持桟(下部支持部)
41A、42A 凹陥部
51A、52A 傾斜辺
62B、63B 補助枠
64、65 下部支持部
64A、65B 下部支持桟
66 67 商品取出部(商品取出口)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に構成され、商品を横に寝かせた状態で陳列するための商品陳列棚と、
該商品陳列棚の下側において、前記商品を起立した状態で収納可能な収納空間を内部に構成する支持枠とから成り、
前記商品陳列棚は、前記支持枠の上面開口を開閉自在に閉塞することを特徴とする商品陳列装置。
【請求項2】
前記商品陳列棚には、前記商品が起立した状態で通過可能な商品取出部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の商品陳列装置。
【請求項3】
前記商品陳列棚は、並設された第1及び第2の陳列棚部と、各陳列棚部を回動自在に連結する回動軸とを備え、前記陳列棚部の非連結側を持ち上げて回動させることで、当該陳列棚部は、前記支持枠の上面開口を開放することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の商品陳列装置。
【請求項4】
前記各陳列棚部には、前記商品を所定角度で傾斜した状態に保持するための商品保持部がそれぞれ立設されており、各商品保持部は、前記回動軸を挟んで相互にずれた位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の商品陳列装置。
【請求項5】
前記各陳列棚部には、前記商品を所定角度で傾斜した状態に保持するための商品保持部がそれぞれ立設されており、各商品保持部は、前記回動軸側が低く形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の商品陳列装置。
【請求項6】
上部に構成され、商品を横に寝かせた状態で陳列するための商品陳列棚と、
該商品陳列棚の下側において、前記商品を起立した状態で収納可能な収納空間を内部に構成する支持枠とから成り、
前記商品陳列棚には、前記商品が起立した状態で通過可能な商品取出部が形成されていることを特徴とする商品陳列装置。
【請求項7】
前記商品陳列棚には、前記商品を所定角度で傾斜した状態に保持するための商品保持部が立設されていることを特徴とする請求項1、請求項2、又は、請求項6の何れかに記載の商品陳列装置。
【請求項8】
前記商品保持部の上縁には、湾曲した凹陥部が形成されていることを特徴とする請求項4、請求項5、又は、請求項7の何れかに記載の商品陳列装置。
【請求項9】
前記商品陳列棚は、前記支持枠に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の商品陳列装置。
【請求項10】
前記支持枠内に構成される前記収納空間の高さは、208mm以上230mm以下の寸法とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の商品陳列装置。
【請求項11】
少なくとも上面に商品取出用の開口を有する貯蔵室を備え、請求項1乃至請求項10の何れかに記載の商品陳列装置を前記貯蔵室内に設置したことを特徴とする冷凍ショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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