説明

回転式タオルハンガー

【課題】部品数を極力減らすと共に、エンドレステープ状のタオルを何回か折りたたむことにより、比較的に長いタオルを使用可能とした回転式タオルハンガーを提供する。
【解決手段】前方に延びる前垂れ部分2と縦方向に延びる後背部分3を有するフック状の回転式タオルハンガー1、及び、エンドレステープ状のタオル6からなる。タオル6は、後背部分3の最下端部の外側を通り、前垂れ部分2の上側を通り、前方使用者側に垂れ下がったあと、上方に引き上げられて、取付対象棒と回転式タオルハンガー1の間を通り、再び後背部分3の最下端部の外側に向かう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、回転式タオルハンガーに関する。特に、エンドレステープ状のタオルをハンガー上で回転可能に取付け、濡れていない面を引き出して使用するタイプのタオルハンガーとタオルの組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
上記タイプのタオルハンガーは、たとえば、実開昭58−123793などにより公知である。この考案は、ハンガーにエンドレステープ状のタオルをかけて使用し、タオルを交換するときにはハンガー棒が留め具から取り外せるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記考案では、エンドレステープ状のタオルは、ハンガー棒に1個所で吊されているだけであるから、床までの距離の制約を受け、あまり長いものは使用できない。そのため、タオルがすぐに全面的に濡れてしまい、濡れていない面を使用することができなくなってしまう欠点がある。また、ハンガー棒と止め具を着脱自在にするためいくつかの部品が必要となる。
【0004】
本発明は、部品数を極力減らすと共に、エンドレステープ状のタオルを何回か折りたたむことにより、比較的に長いタオルを使用可能とした回転式タオルハンガーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明請求項1は、前方に延びる前垂れ部分2と縦方向に延びる後背部分3を有するフック状の回転式タオルハンガー1、及び、エンドレステープ状のタオル6からなり、前記タオル6が前記後背部分3の最下端部37の外側を通り、前記前垂れ部分2の上側を通り、前方使用者側に垂れ下がったあと、上方に引き上げられて、取付対象棒71と前記回転式タオルハンガー1の間を通り、再び前記後背部分3の最下端部37の外側に向かうことを特徴とする、回転式タオルハンガーとタオルの組み合わせである。
請求項2は、前記後背部分3の最下端部37に回転棒4が取り付けられている請求項1記載の回転式タオルハンガーとタオルの組み合わせである。
請求項3は、前記前垂れ部分2及び/又は前記後背部分3に切り欠きが設けられている請求項1又は2記載の回転式タオルハンガーとタオルの組み合わせである。
請求項4は、前記後背部分3と前記回転棒4の間に消音部材5が取り付けられている請求項1〜3のいずれかに記載の回転式タオルハンガーとタオルの組み合わせである。
【発明の効果】
【0006】
本発明請求項1の発明によれば、タオルは複数枚に折りたたまれるので、比較的に長いタオルが使用可能となる。また、タオルを交換可能とするのに、特別な部品は必要ない。
【0007】
請求項2の発明によれば、タオルの負荷がかかる部分に回転棒を使用することにより、タオルの引き出しがスムーズなものとなる。
【0008】
請求項3の発明によれば、この切り欠きを設けることにより、通気性がよくなり、タオルの乾燥が早くなるとともに、重量の軽減や原材料の節約にも貢献する。
【0009】
請求項4の発明によれば、タオルの引き出し時や使用時に後背部分が壁に当たってカツカツという音が出るのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】壁に取り付けた物掛け用ハンガーに、本発明実施例の回転式タオルハンガーを取り付けている状態の斜視図である。
【図2】図1において、タオルを透視した状態の斜視図である。
【図3】図1の回転式タオルハンガーの分解斜視図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】図1のVI−VI断面図である。
【図7】本発明実施例の回転式タオルハンガーの(a)平面図、(b)正面図、(c)底面図、(d)背面図、(e)側面図である。
【実施例1】
【0011】
図1、図2に示すように、本実施例の回転式タオルハンガー1は、壁(図示せず)に取り付けられた取付対象棒71(物掛け用ハンガー7のハンガー棒71や鉄棒)に対して、たんに引っかけることにより着脱自在に取り付けられる。
【0012】
図2、図3に示すように、この回転式タオルハンガー1は、側面から見ると、高さ約25cmで、ひらがなの「し」の字を上下逆転させたようなフックである。取付対象への引っかけは、フックののど部を取付対象棒71に乗せることにより行われる。側面の中央部を走るように浅い溝11が設けられているが、これは模様となると共に、プラスチック成型時の変形防止の役割を果たしている。
【0013】
正面から見ると、この回転式タオルハンガー1は、横幅約17cmで、前方に延びる前垂れ部分2と縦方向に延びる後背部分3からなる。前垂れ部分2には大きな長方形の切り欠き21が設けられ、後背部分3にも大きな長方形の切り欠き31,32が2個所設けられている。2つの切り欠きの間に位置する横棒33が補強部材となっている。これらの切り欠き21,31,32は、通気性をよくすることにより、タオル6の乾燥を促進するとともに、重量の軽減や原材料の節約にも貢献している。前垂れ部分2及び後背部分3とも、左右両端22,34は隆起しており、タオル6が横滑りして脱落しないように側壁の役割を果たしている。前垂れ部分2と後背部分3は、プラスチックにより一体成形されている。
【0014】
後背部分3の最下部37には、回転棒4が取り付けられている。回転棒4は、中空筒状であり、図5に示すように、後背部分3の底部に形成された一対の円柱突起35に差し込むことにより、回転自在に取り付けられる。タオル6が空転しないように表面には浅い筋状の隆起41が形成されている。
【0015】
タオル6の引き出し時や使用時に後背部分3が壁に当たってカツカツという音が出ることがある。このような音は特にトイレの中では非常に嫌われるので、それを避けるために、図3、図5に示すように、消音部材5を後背部分3の底部と回転棒4の間にはめることが好ましい。消音部材5は、軟質プラスチック又はゴムで形成された扇状部材であり、扇部分51が(タオル6を介して)壁に当たる可能性がある。消音部材5を後背部分3の底部に固定するには、後背部分側の板状突起36と消音部材側の四角孔52を嵌め合わせればよい。
【0016】
この回転式タオルハンガー1に掛けるタオル6は、エンドレステープ状のもので、幅約15cm、長さは切り離せば120cmのパイル布地である。このエンドレスタオル6を図6に示すように回転式タオルハンガー1に取り付ける。すなわち、後背部分3の回転棒4の外側を通り、前垂れ部分2の上側を通り、前方使用者側に垂れ下がったあと、上方に引き上げられて、物掛け用ハンガー棒71とフックののど部の間を通り、再び回転棒4の外側に向かう。回転式タオルハンガー1は、物掛け用ハンガー7から容易に取り外せるので、タオル6は、回転式タオルハンガー1の側方から簡単に交換ができる。
【0017】
使用時には、使用者は前房に垂れ下がったタオルで手や顔を拭き、濡れた部分を下に押し下げる。すると、タオルの未使用部分が前垂れ部分の上側から供給される。
【0018】
前垂れ部分2は前方へ張り出しているので、使用者の面前のタオル部分は残りのタオル部分から離れ、あたかも1枚の状態のタオルのような感覚で使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】実開昭58−123793
【符号の説明】
【0020】
1 回転式タオルハンガー
2 前垂れ部分
21 切り欠き
3 後背部分
31,32 切り欠き
33 横棒
35 円柱突起
36 板状突起
4 回転棒
5 消音部材
51 扇部分
52 四角孔
6 エンドレスタオル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に延びる前垂れ部分(2)と縦方向に延びる後背部分(3)を有するフック状の回転式タオルハンガー(1)、及び、エンドレステープ状のタオル(6)からなり、
前記タオル(6)が前記後背部分(3)の最下端部(37)の外側を通り、前記前垂れ部分(2)の上側を通り、前方使用者側に垂れ下がったあと、上方に引き上げられて、取付対象棒(71)と前記回転式タオルハンガー(1)の間を通り、再び前記後背部分(3)の最下端部(37)の外側に向かうことを特徴とする、
回転式タオルハンガーとタオルの組み合わせ。
【請求項2】
前記後背部分(3)の最下端部(37)に回転棒(4)が取り付けられている請求項1記載の回転式タオルハンガーとタオルの組み合わせ。
【請求項3】
前記前垂れ部分(2)及び/又は前記後背部分(3)に切り欠き(21,31,32)が設けられている請求項1又は2記載の回転式タオルハンガーとタオルの組み合わせ。
【請求項4】
前記後背部分(3)と前記回転棒(4)の間に消音部材(5)が取り付けられている請求項1〜3のいずれかに記載の回転式タオルハンガーとタオルの組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−217855(P2011−217855A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88278(P2010−88278)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(591205684)オカ株式会社 (14)