説明

固体酸化物型燃料電池セル

【課題】支持基板と発電部との界面付近におけるクラックの発生を抑制可能な固体電解質型燃料電池セルを提供する。
【解決手段】固体酸化物型燃料電池セルは、燃料ガス流路を内部に有し、少なくともMgOとY23とを含む主組成物を含有する支持基板と、支持基板上に形成され、燃料極と空気極と燃料極と空気極との間に配置される固体電解質層とを有する発電部と、を備える。主組成物は、84.5モル%以上95.5モル%以下のMgOと、4.5モル%以上9.5モル%以下のY23と、0モル%以上11.0モル%以下のNiOと、によって構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持基板を備える固体酸化物型燃料電池セルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題及びエネルギー資源の有効利用の観点から、燃料電池に注目が集まっており、燃料電池の材料及び構造について種々の提案がなされている。
【0003】
特許文献1では、NiO、Y23及びMgOを含む支持基板と、支持基板上に形成される発電部と、を備える固体酸化物型燃料電池セルが開示されている。発電部は、支持基板上に順次積層された燃料極と固体電解質層と空気極とを有しており、燃料極と固体電解質層の一部とが支持基板に接触している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−095566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の固体酸化物型燃料電池セルを用いて高温発電動作を繰り返すと、支持基板と発電部との界面付近にクラックが発生する場合がある。本発明者らは、この現象が、燃料ガスの供給により作られる還元雰囲気下でNiOがNiに還元されることによって、支持基板の体積が膨張するためであることを新たに見出した。
【0006】
具体的には、MgOに固溶しているNiOが徐々に還元されることによって、MgOの表面だけでなくMgOの結晶粒界にも微細な粒子としてNiが析出する。これに応じて支持基板の体積が膨張することで、支持基板と発電部との界面に応力が生じるため、支持基板と発電部との界面付近にクラックが発生する。なお、MgOに固溶しているNiOの還元によるNiの析出については、「Journal of the Ceramic Society of Japan_117_(2)_2009_p166-170」に記載されているとおりである。
【0007】
本発明は、このような新たな知見に基づいてなされたものであり、支持基板と発電部との界面付近におけるクラックの発生を抑制可能な固体電解質型燃料電池セルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに開示される固体酸化物型燃料電池セルは、燃料ガス流路を内部に有し、少なくともMgOとY23とを含む主組成物を含有する支持基板と、支持基板上に形成され、燃料極と空気極と燃料極と空気極との間に配置される固体電解質層とを有する発電部と、を備える。主組成物は、84.5モル%以上95.5モル%以下のMgOと、4.5モル%以上9.5モル%以下のY23と、0モル%以上11.0モル%以下のNiOと、によって構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、支持基板と発電部との界面付近におけるクラックの発生を抑制可能な固体電解質型燃料電池セルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】横縞型燃料電池セルの構成を示す斜視図
【図2】横縞型燃料電池セルの構成を示す断面図
【図3】支持基板に含まれる主組成物のMgO-Y23-NiOの3成分系組成図である。
【図4】実施例に係る支持基板のMgO-Y23-NiOの3成分系組成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
固体酸化物型燃料電池セル(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)の一例として、横縞型燃料電池セル100について説明する。
【0012】
1.横縞型燃料電池セル100の構成
図1は、横縞型燃料電池セル(以下、単に「セル」と略称する)100の概要を示す斜視図である。図2は、図1のI−I断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、セル100は、支持基板10と、複数の発電部20と、複数のインターコネクタ30と、集電部40と、を備える。なお、図1では、説明の便宜上、集電部40が省略されている。
【0014】
1−1.支持基板10
支持基板10は、扁平かつ一方向(以下、「長手方向」という)に延びる板状部材である。支持基板10は、絶縁性を有する多孔質体によって構成されている。支持基板10の内部には、支持基板10の長手方向に沿って延びる流路10aが形成されている。発電時には、この流路10aに水素などを含む燃料ガスを流すことによって、支持基板10を介して複数の発電部20に燃料ガスが供給される。この際、支持基板10自体は、還元雰囲気に曝される。
【0015】
支持基板10は、少なくともMgOとY23とを含む主組成物を含有する。また、支持基板10は、Fe23、SiO2、B23、Al23のうち少なくとも一つを副組成物として含有していてもよい。
【0016】
支持基板10が含有する主組成物は、84.5モル%以上95.5モル%以下のMgOと、4.5モル%以上9.5モル%以下のY23と、0.0モル%以上11.0モル%以下のNiOと、によって構成される。支持基板材料がNiOを含有する場合、NiOはMgOに固溶しており、還元雰囲気下においてNiとして析出しうる。NiOはMgOに全固溶していてもよい。また、Y23は、Niの析出を抑制するために、NiOの固溶量を低減させた代わりとして添加されている。ただし、Y23の熱膨張係数はNiOの熱膨張係数よりも低いので、Y23の添加量が多すぎる、もしくは少なすぎれば、支持基板10の熱膨張係数と発電部20の熱膨張係数との差が大きくなりすぎてしまう。そこで、支持基板材料におけるY23の添加量は、4.5モル%以上9.5モル%以下の適正な範囲に規定されている。
【0017】
ここで、図3は、主組成物のMgO-Y23-NiOの3成分系組成図である。図3に示すように、本実施形態にかかる主組成物は、MgOがxモル%、Y23がyモル%、NiOがzモル%である点を(x、y、z)とするときに、(90.5、9.5、0.0)、(84.5、9.5、6.0)、(84.5、4.5、11.0)及び(95.5、4.5、0.0)を頂点とする四角形で囲まれた領域X内の組成を有している。領域Xは、4.5モル%のY23を示す第1ラインL1と、9.5モル%のY23を示す第2ラインL2と、84.5モル%のMgOを示す第3ラインL3と、MgOの軸と、によって囲まれた領域である。
【0018】
なお、第3ラインL3は、MgOがxモル%、Y23がyモル%、NiOがzモル%である点を(x、y、z)とするときに、(84.5、0.0、15.5)と(84.5、15.5、0.0)とを結ぶ線分である。第3ラインL3の左側に形成される三角領域は、NiOが15.5mol%以下に規定されることによってNiの還元析出量が十分に抑制される領域である。すなわち、第3ラインL3は、Niの還元析出量を抑制可能な領域に対応して設定されている。
【0019】
1−2.発電部20
発電部20は、図2に示すように、支持基板10上に形成されている。発電部20は、燃料極21と、固体電解質層22と、反応防止層23と、空気極24と、を有する。
【0020】
燃料極21は、支持基板10上に形成され、アノードとして機能する。燃料極21の材料としては、公知の燃料電池セルの燃料極を形成するための材料を用いることができ、例えば、NiO‐YSZ(酸化ニッケル‐イットリア安定化ジルコニア)及び/又はNiO‐Y23(酸化ニッケル‐イットリア)が挙げられる。燃料極21は、これらの材料のほか、Fe23やSiO2を含有していてもよい。燃料極21の厚みは、50μm〜500μmであればよい。
【0021】
また、燃料極21は、微粒のNiOとYSZからなる緻密な燃料極活性層と、ガス透過性に優れる多孔の燃料極集電層の2層に分かれていても良い。燃料極活性層は、固体電解質層22と燃料極集電層の間に設けられる。燃料極活性層は、燃料極21側での電極反応を促進させ、電極反応抵抗を低く抑える機能を有する。燃料極活性層の厚みは、5μm〜30μmが好ましい。
【0022】
固体電解質層22は、燃料極21と空気極24との間に配置されており、その一部は、2つの発電部20の燃料極21間において支持基板10上に形成されている。固体電解質層22はジルコニア(ZrO2)を主成分として含むことができる。固体電解質層22は、ジルコニアの他に、Y23及び/又はSc23等の添加剤を含むことができる。これらの添加剤は、安定剤として機能する。固体電解質層22における添加剤の添加量は、3〜20mol%程度である。すなわち、固体電解質層22の材料としては、3YSZ、8YSZ及び10YSZ等のイットリア安定化ジルコニア;並びにScSZ(スカンジア安定化ジルコニア);等のジルコニア系材料が挙げられる。固体電解質層22の厚みは、3μm以上、50μm以下が好適である。
【0023】
反応防止層23は、固体電解質層22上に形成される。反応防止層23は、セリア(酸化セリウム)を主成分として含んでもよい。具体的に、反応防止層23の材料としては、セリア及びセリアに固溶した希土類金属酸化物を含むセリア系材料が挙げられる。セリア系材料としては、GDC((Ce,Gd)O2:ガドリニウムドープセリア)、SDC((Ce, Sm)O2:サマリウムドープセリア)等が挙げられる。反応防止層23の厚みは、3μm以上、50μm以下が好適である。
【0024】
空気極24は、反応防止層23上において反応防止層23の外縁を越えないように配置される。空気極24は、カソードとして機能する。空気極24は、例えば、ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物によって構成されていてもよい。ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物としては、LSCF(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)、ランタンマンガナイト、ランタンコバルタイト、ランタンフェライトなどが挙げられる。また、ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物には、ストロンチウム、カルシウム、クロム、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム等がドープされていてもよい。空気極24の厚みは、10μm以上、100μm以下が好適である。
【0025】
1−3.インターコネクタ30
インターコネクタ30は、燃料極21上に形成される。インターコネクタ30は、一つ目の発電部20から延長している集電部40と、2つ目の発電部20の燃料極21に接続されており、これによって2つの発電部20が電気的に直列接続されている。インターコネクタ30は、ペロブスカイト型複合酸化物を主成分として含有する。特に、インターコネクタ30に用いられるペロブスカイト型複合酸化物としては、ランタンクロマイト(LaCrO3)などのクロマイト系材料、SrTiO3などのチタネート系材料が挙げられる。インターコネクタ30の厚みは、10μm以上、100μm以下が好適である。
【0026】
また、インターコネクタ30と集電層40の間に両材料間の接続を確実なものにするための層を設けても良い。同じく、インターコネクタ30と燃料極21の間に両材料間の接続を確実なものにするための層を設けても良い。
【0027】
1−4.集電部40
集電部40は、空気極24から、その空気極24を備える発電部20に隣接する発電部20上のインターコネクタ30までを覆うように形成され、インターコネクタ30と発電部20とを電気的に直列接続している。集電部40は、導電性を有すればよく、例えばインターコネクタ30や空気極24と同様の材料で構成することができる。集電部40の厚みは、50μm以上、500μm以下が好適である。
【0028】
2.セル100の製造方法
2−1.支持基板10の形成
支持基板10は、圧粉成形によって形成可能である。すなわち、支持基板10は、支持基板10の材料が混合された粉末を型に入れ、圧縮することで圧粉体を成形する工程を含む。
【0029】
支持基板10の材料としては、上述のとおり、84.5モル%以上95.5モル%以下のMgOと、4.5モル%以上9.5モル%以下のY23と、0モル%以上11.0モル%以下のNiOとを主成分として含有する材料を用いることができる。このような材料には、Fe23、SiO2、B23、Al23などが副成分として含まれていてもよい。圧粉成形時に粉末にかけられる圧力は、支持基板10が充分な剛性を有するように設定されればよい。
【0030】
また、ガス流路10aは、焼成によって消失するセルロースシートなどを粉体の内部に埋設した状態で圧粉成形を行い、その後に焼成を行うことによって形成される。
【0031】
2−2.燃料極21の形成
燃料極21は、圧粉成形によって形成可能である。すなわち、燃料極21は、燃料極21の材料が混合された粉末を型に入れ、圧縮して、圧粉体を成形することを含んでもよい。また、燃料極21は印刷法により形成可能である。すなわち、燃料極21の材料を含むペーストを用い、支持基板10の上へスクリーン印刷法で燃料極21を形成しても良い。燃料極21の材料としては、上述のとおり、例えば、酸化ニッケル、ジルコニア、及び必要に応じて造孔材が用いられる。造孔材とは、燃料極中に空孔を設けるための添加剤である。造孔材としては、後の工程で消失する材料が用いられる。このような材料として、例えばセルロース粉末が挙げられる。
【0032】
2−3.固体電解質層22の形成
固体電解質層22は、例えば、CIP(cold isostatic pressing)、熱圧着、又はスラリーディップ法によって形成可能である。固体電解質層22の材料は、上述のとおり、3YSZ、8YSZ及び10YSZ等のイットリア安定化ジルコニア;並びにScSZ(スカンジア安定化ジルコニア);等のジルコニア系材料が挙げられる。なお、CIP法におけるシートの圧着時の圧力は、好ましくは50〜300MPaである。
【0033】
2−4.反応防止層23の形成
反応防止層23は、スラリーディップ法などによって形成可能である。反応防止層23の材料としては、GDC((Ce,Gd)O2:ガドリニウムドープセリア)、SDC((Ce, Sm)O2:サマリウムドープセリア)等が挙げられる。
【0034】
2−5.焼成
圧粉成形された支持基板10、燃料極21、固体電解質層22及び反応防止層23の共焼成(共焼結)を含む。焼成の温度及び時間は、セルの材料等に応じて設定される。
【0035】
2−6.空気極24の形成
空気極24は、例えば、燃料極21、電解質層22、及び反応防止層23の積層体(焼成体)上に、印刷法等によって空気極24の材料の層を形成した後、焼成することで形成される。
【0036】
2−7.集電部40の形成
集電部40は、例えば、燃料極21、電解質層22、及び反応防止層23の積層体(焼成体)上に、印刷法、スラリーディップ法によって集電部40の材料の層を形成した後、焼成することで形成される。なお、空気極24と集電層40とは、個別に焼成することによって形成しても良いが、順次積層して一括で焼成することによって形成しても良い。
【0037】
3.作用及び効果
本発明者らは、従来のセルを用いて高温発電動作を繰り返した場合に支持基板と発電部との界面付近に発生するクラックが、支持基板中のNiOがNiに還元されることに応じて支持基板の体積が膨張するためであることを新たに見出した。
【0038】
そこで、本実施形態に係るセル100において、支持基板10が含有する主組成物は、84.5モル%以上95.5モル%以下のMgOと、4.5モル%以上9.5モル%以下のY23と、0モル%以上11.0モル%以下のNiOと、によって構成されることとされている。
【0039】
このように、MgOへのNiOの固溶量が制限されているので、MgOの結晶粒界に微細な粒子としてNiが析出する量を抑制できる。そのため、支持基板10と発電部20との界面付近にクラックが発生することを抑制することができる。
【0040】
また、NiOの固溶量を低減させる代わりに添加されるY23の添加量は、4.5モル%以上9.5モル%以下の適正な範囲に規定されている。
【0041】
従って、支持基板10の熱膨張係数と発電部20の熱膨張係数との差が大きくなりすぎることを抑制できる。
【実施例】
【0042】
1.実験例No.1〜No.10の作製
以下のようにして、支持基板を備える実験例No.1〜No.10に係る共焼成体を作製した。本実施例では、支持基板と発電部との界面におけるクラックの発生状況を確認できればよいため、支持基板と電解質層との共焼成体を作製した。
【0043】
まず、下表1に記載の割合で実験例No.1〜No.10ごとに材料を秤量し、ポットミルで5時間混合した。その後、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA)を添加してさらに1時間混合することによってスラリーを作製した。なお、図4は、実験例No.1〜No.10のMgO-Y23-NiOの3成分系組成図である。
【0044】
次に、スラリーを乾燥機で乾燥させた後、目開き150μmの篩を通して造粒した。
【0045】
次に、造粒された粉末を一軸プレス(成形圧:0.4tf/cm2)によって圧縮することによって、縦横20mm×20mm・厚さ3mmの板状圧粉体(支持基板)を成形した。
【0046】
次に、TZ-8Y(東ソー製)の粉末にバインダーとしてのポリビニルブチラール(PVB)と溶剤としてのテルピネオールとを添加してペーストを作製した。
【0047】
次に、スクリーン印刷法を用いて支持基板上にペーストを塗布することによって、縦横15mm×15mm・厚さ20μmの電解質層を形成した。これによって、支持基板と電解質層との積層体が形成された。
【0048】
次に、積層体を800℃で5hr脱脂した後、1500℃で2hrの本焼工程を経て支持基板と電解質層との共焼成体を得た。
【0049】
2.還元処理の実施
実験例No.1〜No.10に係る共焼成体を炉に入れて、30℃の加湿H2を供給しながら800℃で2000時間の還元処理を行った。
【0050】
2000時間の還元処理後、実験例No.1〜No.10の電解質表面におけるクラックの発生状況を確認した。確認結果を下表1に示す。
【0051】
3.熱サイクル試験の実施
続いて、還元処理後の共焼成体を用いて、30℃で4%に加湿したH2を供給しながら熱サイクル試験を行った。熱サイクル試験は、室温〜800℃を300℃/hrで往復させることを1サイクルとして20サイクル実施した。
【0052】
2000時間の還元処理及び熱サイクル試験の後、実験例No.1〜No.10の電解質表面におけるクラックの発生状況を確認した。確認結果を下表1に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
4.結果
上表1に示すように、2000時間の還元処理および熱サイクル試験の後、実験例No.8〜No.10において支持基板と電解質との界面にクラックが確認された。
【0055】
従って、図4に示すように、支持基板の材料の組成が、MgO-Y23-NiOの3成分系組成図上において、MgOがxモル%、Y23がyモル%、NiOがzモル%である点を(x、y、z)とするときに、(90.5、9.5、0.0)、(84.5、9.5、6.0)、(84.5、4.5、11.0)及び(95.5、4.5、0.0)を頂点とする四角形によって囲まれた領域内に入っていればよいことが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0056】
ここに開示される固体酸化物型燃料電池セルによれば、支持基板と発電部との界面付近におけるクラックの発生を抑制できるので、燃料電池分野において有用である。
【符号の説明】
【0057】
100 横縞型燃料電池セル
10 支持基板
20 発電部
21 燃料極
22 固体電解質層
23 反応防止層
24 空気極
30 インターコネクタ
40 集電部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガス流路を内部に有し、少なくともMgOとY23とを含む主組成物を含有する支持基板と、
前記支持基板上に形成され、燃料極と空気極と前記燃料極と前記空気極との間に配置される固体電解質層とを有する発電部と、
を備え、
前記主組成物は、
84.5モル%以上95.5モル%以下のMgOと、
4.5モル%以上9.5モル%以下のY23と、
0モル%以上11.0モル%以下のNiOと、
によって構成される、
固体酸化物型燃料電池セル。
【請求項2】
前記支持基板材料がNiOを含有する場合、NiOはMgOに固溶している、
請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池セル。
【請求項3】
前記支持基板材料は、Fe23、SiO2、B23、Al23のうち少なくとも一つを副組成物として含有する、
請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池セル。
【請求項4】
燃料ガス流路を内部に有し、少なくともMgOとY23とを含む主組成物を含有する支持基板と、
前記支持基板上に形成され、燃料極と空気極と前記燃料極と前記空気極との間に配置される固体電解質層とを有する発電部と、
を備え、
前記主組成物は、MgO-Y23-NiOの3成分系組成図上において、MgOがxモル%、Y23がyモル%、NiOがzモル%である点を(x、y、z)とするときに、(90.5、9.5、0.0)、(84.5、9.5、6.0)、(84.5、4.5、11.0)及び(95.5、4.5、0.0)を頂点とする四角形によって囲まれた領域内の組成を有する、
固体酸化物型燃料電池セル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−48072(P2013−48072A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186561(P2011−186561)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【特許番号】特許第4864171号(P4864171)
【特許公報発行日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】