説明

地域電力供給システム

【課題】太陽光発電などの出力変動による電力供給の不安定化を抑制できる電力供給システムを提供する。
【解決手段】電力供給用の電力系統と、補完発電装置及び蓄電装置を備える地域電力供給システムにおいて、補完発電装置は、自然エネルギー利用発電装置Aと、廃棄物焼却発電装置Bと、汚泥消化ガス発電装置Cを有し、制御装置10は、自然エネルギーによる発電の発電量予測部11と、廃棄物焼却発電制御部14と、汚泥消化ガス発電制御部20と、蓄電装置制御部21を有し、廃棄物焼却発電制御部14は、発電量予測部11から長周期変動を伴う発電量予測情報のもとに廃棄物焼却発電装置Bを制御し、汚泥消化ガス発電制御部20は、中周期変動を補完すべく汚泥消化ガス発電装置Cを制御し、蓄電装置制御部21は、短周期変動を補完すべく蓄電装置Dを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地域電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
低炭素社会を実現する社会システムとしてのスマートコミュニティや、電気事業者が提供する電力系統と分散型電源、需要家とを組み合わせ、コミュニティ(地域)内で電気や熱の相互融通を行い省エネ、省COを実現するスマートエネルギーネットワークが注目されている。スマートコミュニティを支えるCEMS(Community Energy Management System、地域エネルギーマネジメントシステム)基盤の全体像が非特許文献1に例示されている。
【0003】
一方、地球環境を考慮した低炭素社会の実現に向けて、太陽光発電、風力発電等の自然エネルギー利用発電を用いた再生可能エネルギーを電気事業者が提供する従来の電力系統へ導入することが検討されている。これにより電力系統から供給すべき電力量が低減され電力系統での発電の際に生じるCO排出量を低減し環境負荷を低く抑えることが可能となる。
【0004】
スマートエネルギーネットワークにおいて、再生可能エネルギーの大量利用を行うことが重要な点であり、非特許文献1では太陽光発電などの再生可能エネルギーを分散電源として活用することが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】日立評論、Vol.92,no.08,592-595,2010, <http://www.hitachihyoron.com/2010/08/pdf/08a05.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
再生可能エネルギーは、天候等の自然条件に応じてその出力(発電量)が時々刻々と変動するため、再生可能エネルギーが大量に導入され多く利用されるほど、電力系統の主となる発電装置(火力発電所や原子力発電所等)からの供給電力とのバランスに不均衡が生じ、該電力系統における電圧変動や周波数変動を引き起こし、電力の供給が不安定になる可能性が高くなる。そのため、再生可能エネルギーが大量に導入され、電力系統の潮流状況や周波数状況に応じ適正な発電量の制御が行えない場合は、電圧変動を伴って、電力系統における電力品質が低下してしまう。
【0007】
このため、電力の需要と供給のバランスを安定させるために、変電所などに大規模な蓄電装置を導入し(蓄電池ステーション)、再生可能エネルギーからの電力供給の変動を吸収することが考えられる。しかし、大規模な蓄電池ステーションはコストの高い設備投資が必要となるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、太陽光発電など再生可能なエネルギーの出力変動による電力供給の不安定化を抑制でき、大規模な設備投資が不要な、地域内の安定した電力供給を可能とし、地域全体で省エネ、省COを実現することができる電力供給システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、地域電力供給システムに関しており、上記課題は、次の第一ないし第四発明により解決される。
【0010】
<第一発明>
電力供給事業者が需要家に電力を供給する電力系統と、地域内において該電力系統に供給電力を補完するように接続されていると共に地域電力管理用の制御装置により制御される補完発電装置及び蓄電装置とを備える地域電力供給システムにおいて、
補完発電装置は、自然エネルギー利用発電装置と、廃棄物焼却発電装置と、汚泥消化ガス発電装置とを有し、
制御装置は、総発電量設定部と、自然エネルギー利用発電量予測部と、廃棄物焼却発電制御部と、総発電量算出部と、電力需要・供給比較部と、汚泥消化ガス発電制御部と、蓄電装置制御部とを有し、
総発電量設定部は、需要家における過去分の需要電力情報にもとづき補完発電装置による設定総発電量を設定し、
自然エネルギー利用発電量予測部は、環境条件から自然エネルギー利用発電装置での発電量を予測し、
廃棄物焼却発電制御部は、総発電量設定部から設定総発電量情報を、自然エネルギー利用発電量予測部から長周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量予測情報を受けてその低発電量時に供給電力を補完するように廃棄物焼却発電装置を制御し、
総発電量算出部は、廃棄物焼却発電装置から廃棄物焼却発電量情報を、汚泥消化ガス発電装置から汚泥消化ガス発電量情報を、自然エネルギー利用発電装置から中周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受けて、これらの発電量の合計から総発電量実績量を算出し、
電力需要・供給比較部は、総発電量算出部からの総発電量実績量情報と、総発電量設定部からの設定発電量情報とを比較し、過不足発電量情報を汚泥消化ガス発電制御部へ送り、
汚泥消化ガス発電制御部は、過不足発電量を補完するように汚泥消化ガス発電装置を制御し、
蓄電装置制御部は、自然エネルギー利用発電装置から短周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受け、短周期変動を補完するように蓄電装置を制御する、
ことを特徴とする地域電力供給システム。
【0011】
<第二発明>
電力供給事業者が需要家に電力を供給する電力系統と、該電力系統に供給電力を補完するように接続されていると共に地域電力管理用の制御装置により制御される補完発電装置及び蓄電装置とを備える地域電力供給システムにおいて、
補完発電装置は、自然エネルギー利用発電装置と、廃棄物焼却発電装置と、汚泥消化ガス発電装置とを有し、
制御装置は、電力需要予測部と、総発電量設定部と、自然エネルギー利用発電量予測部と、廃棄物焼却発電制御部と、総発電量算出部と、電力需要・供給比較部と、汚泥消化ガス発電制御部と、蓄電装置制御部とを有し、
電力需要予測部は、需要家情報にもとづき電力需要を予測し、
総発電量設定部は、電力需要予測部による予測需要電力情報にもとづき補完発電装置による設定総発電量を設定し、
自然エネルギー利用発電量予測部は、環境条件から自然エネルギー利用発電装置での発電量を予測し、
廃棄物焼却発電制御部は、総発電量設定部から設定総発電量情報を、自然エネルギー利用発電量予測部から長周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量予測情報を受けてその低発電量時に供給電力を補完するように廃棄物焼却発電装置を制御し、
総発電量算出部は、廃棄物焼却発電装置から廃棄物焼却発電量情報を、汚泥消化ガス発電装置から汚泥消化ガス発電量情報を、自然エネルギー利用発電装置から中周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受けて、これらの発電量の合計から総発電量実績量を算出し、
電力需要・供給比較部は、総発電量算出部からの総発電量実績量情報と、総発電量設定部からの設定発電量情報とを比較し、過不足発電量情報を汚泥消化ガス発電制御部へ送り、
汚泥消化ガス発電制御部は、過不足発電量を補完するように汚泥消化ガス発電装置を制御し、
蓄電装置制御部は、自然エネルギー利用発電装置から短周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受け、短周期変動を補完するように蓄電装置を制御する、
ことを特徴とする地域電力供給システム。
【0012】
上述の第一及び第二発明のそれぞれにおいて、システムを構成する各装置は、次のごとくである。
・電力系統は、電力会社が火力発電所等で発電し需要家に電力供給する発電、送電、変電、配電を統合した系統である。
・補完発電装置は、自然エネルギー利用発電装置、廃棄物焼却発電装置そして汚泥消化ガス発電装置を有している。
・自然エネルギー利用発電装置は、太陽光発電装置、太陽熱発電装置、風力発電装置等の自然エネルギーを利用した発電装置である。自然エネルギー利用発電装置には、その発電出力変動周期別に、長周期(時間〜週間単位)、中周期(分〜時間単位)及び短周期(秒〜分単位)の発電出力の変動がある。
・廃棄物焼却発電装置は、廃棄物を焼却炉で燃焼し燃焼熱エネルギーを回収し蒸気を生成し蒸気タービンにより発電する発電装置であり、廃棄物焼却量を調整し発生蒸気量を調整して発電量を調整可能であり、長周期(時間単位)の発電量の調整制御が可能である。この発電装置は、廃棄物ガス化溶融炉発電装置、木屑等バイオマスを燃焼するバイオマス燃焼炉発電装置に代えてもよい。
・汚泥消化ガス発電装置は、下水処理により発生した汚泥を嫌気性に消化し発生した汚泥消化ガスを燃料としガスエンジン等で燃焼し発電する発電装置であり、ガスエンジンの燃焼を制御して発電量を制御することができるため、中周期(分単位)の発電量の調整制御も可能である。この発電装置は、他の燃料ガスを用いるガスエンジン発電装置に代えてもよい。
・上記自然エネルギー利用発電装置、廃棄物焼却発電装置そして汚泥消化ガス発電装置の三種の補完発電装置は、いずれも、電力会社からの電力系統による電力供給とは独立して需要家に電力を供給可能であるとともに、発電電力を電力系統に補完供給することもできる。
・蓄電装置は、電力系統に接続され電力系統を流れる電力及び/または上記三種の補完発電装置による余剰電力を蓄電し、蓄電された電力を電力系統に放電する。
【0013】
かくして、本発明によれば、自然エネルギー利用発電の出力電力が経時的に変動することに対応して、自然エネルギー利用発電の長周期変動における低発電量時に対して廃棄物焼却発電で電力を補完して変動量を小さくし、さらに、中周期変動における低発電量時に汚泥消化ガス発電で電力を補完してさらに変動量を小さくし、しかる後に短周期変動における電力供給不足量を蓄電装置からの電力で補完することで、電力変動量をきわめて小さくして平準化することができる。さらに、蓄電装置からの供給電力補完を自然エネルギー利用発電の短周期変動に対応させる分だけにできるため、高コストな蓄電設備を最小化することができる。
【0014】
このように、本発明では、太陽光発電等の自然エネルギー利用発電の出力変動を、地域内の廃棄物焼却発電と汚泥消化ガス発電との組み合わせで平準化し、さらに、蓄電装置により平準化し、電力系統を不安定にせずに電力供給する。その際、廃棄物焼却発電、汚泥消化ガス発電そして蓄電装置の発電又は電力供給特性を活かして、自然エネルギー利用発電の出力変動周期別に最適な平準化制御を行うことができる。すなわち、長周期(1時間単位)、中周期(分〜時間単位)及び短周期(秒〜分単位)ごとに最適な平準化制御により,高コストな蓄電設備を最小化することができる。
【0015】
次に、第一発明と第二発明での汚泥消化ガス発電装置を補完発電装置として用いずに、中周期変動を廃棄物焼却発電装置で補完することとした次の第三発明そして第四発明によっても、発明の課題は解決される。
【0016】
<第三発明>
電力供給事業者が需要家に電力を供給する電力系統と、地域内において該電力系統に供給電力を補完するように接続されていると共に地域電力管理用の制御装置により制御される補完発電装置及び蓄電装置とを備える地域電力供給システムにおいて、
補完発電装置は、自然エネルギー利用発電装置と、廃棄物焼却発電装置とを有し、
制御装置は、総発電量設定部と、自然エネルギー利用発電量予測部と、廃棄物焼却発電制御部と、総発電量算出部と、電力需要・供給比較部と、蓄電装置制御部とを有し、
総発電量設定部は、需要家における過去分の需要電力情報にもとづき補完発電装置による設定総発電量を設定し、
自然エネルギー利用発電量予測部は、環境条件から自然エネルギー利用発電装置での発電量を予測し、
廃棄物焼却発電制御部は、総発電量設定部から設定総発電量情報を、自然エネルギー利用発電量予測部から長周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量予測情報を受けてその低発電量時に供給電力を補完するように廃棄物焼却発電装置を制御し、
総発電量算出部は、廃棄物焼却発電装置から廃棄物焼却発電量情報を、自然エネルギー利用発電装置から中周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受けて、これらの発電量の合計から総発電量実績量を算出し、
電力需要・供給比較部は、総発電量算出部からの総発電量実績量情報と、総発電量設定部からの設定発電量情報とを比較し、過不足発電量情報を廃棄物焼却発電制御部へ送り、
廃棄物焼却発電制御部は、過不足発電量を補完するように廃棄物焼却発電装置を制御し、
蓄電装置制御部は、自然エネルギー利用発電装置から短周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受け、短周期変動を補完するように蓄電装置を制御する、
ことを特徴とする地域電力供給システム。
【0017】
<第四発明>
電力供給事業者が需要家に電力を供給する電力系統と、該電力系統に供給電力を補完するように接続されていると共に地域電力管理用の制御装置により制御される補完発電装置及び蓄電装置とを備える地域電力供給システムにおいて、
補完発電装置は、自然エネルギー利用発電装置と、廃棄物焼却発電装置とを有し、
制御装置は、電力需要予測部と、総発電量設定部と、自然エネルギー利用発電量予測部と、廃棄物焼却発電制御部と、総発電量算出部と、電力需要・供給比較部と、蓄電装置制御部とを有し、
電力需要予測部は、需要家情報にもとづき電力需要を予測し、
総発電量設定部は、電力需要予測部による予測需要電力情報にもとづき補完発電装置による設定総発電量を設定し、
自然エネルギー利用発電量予測部は、環境条件から自然エネルギー利用発電装置での発電量を予測し、
廃棄物焼却発電制御部は、総発電量設定部から設定総発電量情報を、自然エネルギー利用発電量予測部から長周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量予測情報を受けてその低発電量時に供給電力を補完するように廃棄物焼却発電装置を制御し、
総発電量算出部は、廃棄物焼却発電装置から廃棄物焼却発電量情報を、自然エネルギー利用発電装置から中周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受けて、これらの発電量の合計から総発電量実績量を算出し、
電力需要・供給比較部は、総発電量算出部からの総発電量実績量情報と、総発電量設定部からの設定発電量情報とを比較し、過不足発電量情報を廃棄物焼却発電制御部へ送り、
廃棄物焼却発電制御部は、過不足発電量を補完するように廃棄物焼却発電装置を制御し、
蓄電装置制御部は、自然エネルギー利用発電装置から短周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受け、短周期変動を補完するように蓄電装置を制御する、
ことを特徴とする地域電力供給システム。
【0018】
上述の第三発明は既述の第一発明から、そして第四発明は第二発明から、それぞれ、補完発電装置として汚泥消化ガス発電装置を用いずに、第一発明と第二発明で汚泥消化ガス発電装置が行っていた中周期変動を廃棄物焼却発電装置で行うこととしている点で、第三発明そして第四発明は第一発明そして第二発明とそれぞれ相違している。
【発明の効果】
【0019】
以上のような構成の本発明によると、太陽光発電など再生可能なエネルギーの出力変動による電力供給の不安定化を抑制でき、大規模な蓄電ステーションなどの設備投資が不要な、地域内の安定した電力供給を可能とする電力供給システムを提供することができる。そのため、再生可能なエネルギーを大量導入することができ、これにより電力系統から供給すべき電力量が低減され電力系統での発電の際に生じるCO排出量を低減し環境負荷を低く抑えることが可能となり、地域全体で省エネ、省COを実現することができる。その結果、再生可能エネルギーの大量利用を行うことができるスマートエネルギーネットワークを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第一実施形態の構成図である。
【図2】図1における制御装置の構成図である。
【図3】図2の制御装置で制御される各発電装置の発電量とその補完状況を示す説明図である。
【図4】第二実施形態における制御装置の構成図である。
【図5】第三実施形態の構成図である。
【図6】第四実施形態の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施形態について説明する。
【0022】
<第一実施形態>
図1に示される本実施形態の地域電力供給システムでは、電力供給事業者により発電所から送電される電力は電力系統Pを経て、各需要家に供給されるようになっており、該電力系統Pには、補完発電装置を構成する、地域における自然エネルギー利用発電装置としての太陽光発電装置A、廃棄物焼却発電装置Bそして汚泥消化ガス発電装置Cと、蓄電装置Dが接続されていて該電力系統Pへ電力を補完供給するようになっている。これらの発電装置A〜Cと蓄電装置Dは、地域電力管理用の制御装置10で制御されるようになっている。図1では、発電装置A〜Cと蓄電装置Dから制御装置10へ送られる情報の流れを実線又は一点鎖線の矢印で示し、制御装置10から発電装置A〜Cと蓄電装置Dへ送られる制御出力の流れを実線又は二点鎖線の矢印で示している。
【0023】
制御装置10は、図2に見られるように、太陽光発電量予測部11と総発電量設定部12とを有している。太陽光発電量予測部11は、気象情報取得部、日射量予測部そして太陽光発電装置のデータベースを有していて、外部から与えられる気象情報、土地地形情報、太陽位置情報により、時間ないし週間単位の太陽光発電装置Aでの発電量を予測するようになっており、太陽光発電装置Aでの発電量の時間単位から週間単位の長周期変動を伴う太陽光発電量を予測し、長周期変動を伴う太陽光発電量予測情報を作成するようになっている。一方、総発電量設定部12は、過去分、例えば過去数日における地域内での需要家の総需要電力についての需要電力情報にもとづき、地域内での補完発電装置による必要総発電量の推移、すなわち必要発電量の時間的変化を設定し、設定総発電量情報を作成するようになっている。
【0024】
太陽光発電量予測部11そして総発電量設定部12は、それぞれの情報を廃棄物焼却発電計画部13に与えるように接続されている。該廃棄物焼却発電計画部13では、総発電量設定部12から設定総発電量情報を受け、上記太陽光発電量予測部11から長周期変動を伴う太陽光発電量予測情報を受け、太陽光発電量の長周期変動分についてその低発電量時に、廃棄物焼却発電により供給電力を補完して変動を小さくするような補完すべき電力量を算出し、廃棄物焼却発電装置の発電計画を作成する。
【0025】
上記廃棄物焼却発電計画部13には、廃棄物焼却発電制御部14が接続されている。該廃棄物焼却発電制御部14は廃棄物焼却発電装置Bに接続されていて、上記廃棄物焼却発電計画部13から得た、廃棄物焼却発電装置の発電計画にもとづき、廃棄物焼却発電装置Bを制御する。この制御によって、廃棄物焼却発電装置Bの発電計画にもとづき廃棄物焼却発電により電力を供給して、太陽光発電量の長周期変動を補完し平準化がなされる。
【0026】
廃棄物焼却発電量情報取得部15は、廃棄物焼却発電装置Bでの実際の発電量情報を得るか、あるいは、廃棄物焼却発電装置Bでの蒸気発生量等の計測値にもとづき上記廃棄物焼却発電装置Bでの発電量を算出して、廃棄物焼却発電量情報を得るようになっている。
【0027】
上記廃棄物焼却発電量情報取得部15には、総発電量算出部16が接続されていて、該総発電量算出部16は、上記廃棄物焼却発電量情報取得部15から、廃棄物焼却発電装置Bでの実際の発電量である廃棄物焼却発電量情報を得ると共に、制御装置10に設けられた太陽光発電量情報取得部17そして汚泥消化ガス発電量情報取得部18が接続されていて、太陽光発電量情報取得部17からリアルタイムで計測された実際の太陽光発電量情報を、そして汚泥消化ガス発電量情報取得部18から汚泥消化ガス発電量情報を、それぞれ得る。この太陽光発電量情報は、分から時間単位の中周期変動を伴っている。また、この汚泥消化ガス発電量情報は、この汚泥消化ガス発電装置Cから得られる実際の発電量あるいは算出された発電量としての情報である。かかる総発電量算出部16では、太陽光発電量と廃棄物焼却発電量そして汚泥消化ガス発電量の総発電量実績量を算出する。
【0028】
上記総発電量算出部16には、電力需要・供給比較部19が接続されていて、上記総発電量算出部16から総発電量実績量の情報を得ると共に、上記電力需要・供給比較部19は総発電量設定部12にも接続されていて、ここから設定総発電量の情報をも得るようになっている。この電力需要・供給比較部19では、上記総発電量実績量と設定総発電量と比較し、総発電量実績量の設定総発電量に対する過不足発電量情報を得て、該電力需要・供給比較部19に接続されている汚泥消化ガス発電制御部20へこの過不足発電量情報を送る。この過不足発電量情報は、太陽光発電量の分から時間単位の中周期変動に関与している。この汚泥消化ガス発電制御部20は、太陽光発電量の中周期変動量を伴う過不足発電量情報に基づき、この過不足発電量を補完すべく、汚泥消化ガス発電量を制御する指令信号を汚泥消化ガス発電装置Cへ送る。すなわち、汚泥消化ガス発電装置Cでの汚泥消化ガス発電量を増減して過不足発電量を補完する。汚泥消化ガス発電装置Cでは、汚泥消化ガスの燃焼を制御することなどにより、汚泥消化ガス発電量を調整して、中周期変動を補完し総発電量を平準化する。
【0029】
蓄電装置制御部21は、太陽光発電量情報取得部17に接続されていてここから秒〜分単位の短周期変動を伴うリアルタイムの太陽光発電量情報を得て、上記短周期変動を補完して平準化すべく蓄電装置Dでの電力の授受を制御する指令信号を該蓄電装置Dに発する。
【0030】
このような本実施形態装置のもとでは、地域における電力供給平準化制御は、リアルタイムで次のように行われる。図3は、制御装置10で制御される各発電装置の発電量とその補完状況を示し、横軸は時間を縦軸は発電量を示す。
【0031】
1.先ず、総発電量設定部12で、過去分、例えば過去数日における地域内での需要家の総需要電力についての需要電力情報にもとづき、地域内での補完発電装置による必要総発電量の推移、すなわち必要発電量の時間的変化を設定し、設定総発電量情報を作成する。これと共に、太陽光発電量予測部11にて、外部から与えられる気象情報、土地地形情報、太陽位置情報により、日射量を予測し、太陽光発電装置のデータベースに基づき、太陽光発電装置Aでの発電量を予測して、太陽光発電装置Aでの発電量の時間単位から週間単位の長周期変動を伴う太陽光発電量を予測し、長周期変動を伴う太陽光発電量予測情報を作成する(図3A参照)。
【0032】
2.次に、廃棄物焼却発電計画部13で、上記太陽光発電量予測部11からの長周期変動を伴う太陽光発電量予測情報と上記総発電量設定部12からの設定総発電量情報にもとづき、太陽光発電量の長周期変動分についてその低発電量時に、廃棄物焼却発電により供給電力を補完して変動を小さくするような補完すべき電力量を算出し、廃棄物焼却発電装置の発電計画(時間〜週間計画)を作成する。その発電計画を廃棄物焼却発電制御部14へ送り、ここからの指令により廃棄物焼却発電装置Bでの発電量を制御する(図3B参照)。廃棄物焼却発電量情報取得部15は、制御された廃棄物発電装置Bから計測された実際の発電量情報を受け、もしくは、廃棄物焼却発電装置Bでの蒸気発生量等の計測値にもとづき上記廃棄物焼却発電装置Bでの発電量を算出して、廃棄物焼却発電量情報を得て、その廃棄物焼却発電量情報を総発電量算出部16へ送る。
【0033】
3.総発電量算出部16は、上記廃棄物焼却発電量情報取得部15から廃棄物焼却発電量情報を受けると共に、太陽光発電量情報取得部17からリアルタイムで計測された中周期変動(分〜時間単位)を伴う太陽光発電量情報そして汚泥消化ガス発電量情報取得部18から汚泥消化ガス発電量情報をも受けて、それらの合計から総発電量実績量を算出する。この総発電量実績量情報は、電力需要・供給比較部19へ送られる。
【0034】
4.電力需要・供給比較部19は総発電量算出部16からの総発電量実績量情報と、総発電量設定部12からの設定総発電量情報とを比較し、総発電量実績量の設定総発電量に対する過不足発電量情報を得て、汚泥消化ガス発電制御部20へこの過不足発電量情報を送る。この過不足発電量情報は、太陽光発電量の分から時間単位の中周期変動に関与している。汚泥消化ガス発電制御部20は、太陽光発電量の中周期変動量を伴う過不足発電量情報に基づき、この過不足発電量を補完すべく、汚泥消化ガス発電量を制御する指令信号を汚泥消化ガス発電装置Cへ送る。すなわち、汚泥消化ガス発電装置Cでの汚泥消化ガス発電量を増減して過不足発電量を補完する。汚泥消化ガス発電装置Cでは、汚泥消化ガスの燃焼を制御することなどにより、汚泥消化ガス発電量を調整して、中周期変動を補完し総発電量を平準化する(図3C、D参照)。
【0035】
5.蓄電装置制御部21では、太陽光発電量情報取得部17から秒〜分単位の短周期変動を伴うリアルタイムの太陽光発電量情報を得て、短周期変動を補完して平準化すべく蓄電装置Dでの電力の授受を制御する指令信号を該蓄電装置Dに発する。蓄電装置Dから充電状況、蓄電状況や放電状況の情報を蓄電装置制御部21に送るようにしてもよい(図1参照)。
【0036】
かくして、本実施形態によれば、太陽光発電電力が経時的に変動することに対応して、太陽光発電の長周期変動における低発電量時に対して廃棄物焼却発電で電力を補完して変動量を小さくし、さらに、太陽光発電の中周期変動における低発電量時に汚泥消化ガス発電で電力を補完してさらに変動量を小さくし、しかる後に太陽光発電の短周期変動における電力供給不足量を蓄電装置からの電力で補完することで、電力変動量がきわめて小さくなる。かくして、平準化されかつ設定された設定総発電量にほぼ等しい発電量の電力が電力系統Pへ供給される。
【0037】
このように、本実施形態では、太陽光発電の出力変動を、地域内の廃棄物焼却発電と汚泥消化ガス発電との組み合わせで平準化し、さらに、蓄電装置により平準化し、電力系統を不安定にせずに電力供給する。その際、廃棄物焼却発電、汚泥消化ガス発電そして蓄電装置の発電又は供給特性を活かして、太陽光発電の出力変動周期別に最適な平準化制御を行うことができる。すなわち、長周期(1時間単位)、中周期(分〜時間単位)、短周期(秒〜分単位)ごとに最適な平準化制御により,高コストな蓄電設備を最小化することができる。
【0038】
また、外部から与えられる気象情報などにもとづき、太陽光発電装置Aにおいて最適な発電が行われるように制御装置10から太陽光発電装置Aに制御出力を送るようにしてもよい(図1参照)。
【0039】
<第二実施形態>
第一実施形態では、制御装置10は、図2に示されたように、設定する設定総発電量を過去分の需要電力情報にもとづいて総発電量設定部12で算出していたが、本実施形態では、過去分の需要電力情報のみならず、これに将来の電力需要予測をも加味して設定総発電量を設定することに特徴があり、そのために、図4に見られるように図1の装置に付加して電力需要予測部22をも有している。図4に示された第二実施形態では、制御装置10Aは、上記電力需要予測部22を有している点以外では、図2と同じ構成で各部を有しており、この図2と同じ各部については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
図4において、制御装置10Aは、電力需要予測部22を有しており、この電力需要予測部22は、電力需要データベースと需要家情報取得部とを有している。電力需要データベースは、過去一定期間についての需要電力実績が収められており、これが過去分の需要電力情報として用いられる。需要家情報取得部は、需要家から将来予測される需要電力情報を将来分として受けるようになっている。
【0041】
かくして、電力需要予測部22では、電力需要データベースからの過去分と需要家情報取得部からの将来分を加味して予測電力需要量を算出し予測電力需要情報を作成する。
【0042】
本実施形態では、上記電力需要予測部22が、図2に見られるように、総発電量設定部12に接続されている。総発電量設定部12は、電力需要予測部22から得る予測電力需要情報にもとづき、地域内での補完発電装置による必要総発電量の推移、すなわち必要発電量の時間的変化を設定し、設定総発電量情報を作成するようになっている。上記総発電量設定部12以降の情報の流れそして処理は、図2の場合と同じである。
【0043】
かくして、本実施形態では、過去分のみならず将来分を含めて予測される予測電力需要量に対応した設定総発電量とほぼ等しい電力が平準化された状態で電力系統Pへ供給される。
【0044】
<第三実施形態>及び<第四実施形態>
図5そして図6にそれぞれ示される第三実施形態そして第四実施形態は、それぞれ第一実施形態そして第二実施形態に対応しているが、補完発電装置として汚泥消化ガス発電装置を用いない点で第一実施形態そして第二実施形態とは相違している。したがって、図5そして図6では、第一実施形態を示す図2そして第二実施形態を示す図4から汚泥消化ガス発電装置をそれぞれ省略して用いない構成となっている。それ故に、第一実施形態そして第二実施形態では、中周期変動の補完を汚泥消化ガス発電装置で行っていたが、第三実施形態そして第四実施形態では、電力需要・供給比較部19からの過不足発電量情報が廃棄物焼却制御部14に送られ、ここから廃棄物焼却発電制御出力が廃棄物焼却発電装置Bへ発せられて中周期変動の補完がなされる。
【符号の説明】
【0045】
10,10A 制御装置
11 自然エネルギーによる発電の発電量予測部(太陽光発電量予測部)
14 廃棄物焼却発電制御部
20 汚泥消化ガス発電制御部
21 蓄電装置制御部
22 電力需要予測部
A〜C 補完発電装置
A 自然エネルギー利用(太陽光)発電装置
B 廃棄物焼却発電装置
C 汚泥消化ガス発電装置
D 蓄電装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給事業者が需要家に電力を供給する電力系統と、地域内において該電力系統に供給電力を補完するように接続されていると共に地域電力管理用の制御装置により制御される補完発電装置及び蓄電装置とを備える地域電力供給システムにおいて、
補完発電装置は、自然エネルギー利用発電装置と、廃棄物焼却発電装置と、汚泥消化ガス発電装置とを有し、
制御装置は、総発電量設定部と、自然エネルギー利用発電量予測部と、廃棄物焼却発電制御部と、総発電量算出部と、電力需要・供給比較部と、汚泥消化ガス発電制御部と、蓄電装置制御部とを有し、
総発電量設定部は、需要家における過去分の需要電力情報にもとづき補完発電装置による設定総発電量を設定し、
自然エネルギー利用発電量予測部は、環境条件から自然エネルギー利用発電装置での発電量を予測し、
廃棄物焼却発電制御部は、総発電量設定部から設定総発電量情報を、自然エネルギー利用発電量予測部から長周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量予測情報を受けてその低発電量時に供給電力を補完するように廃棄物焼却発電装置を制御し、
総発電量算出部は、廃棄物焼却発電装置から廃棄物焼却発電量情報を、汚泥消化ガス発電装置から汚泥消化ガス発電量情報を、自然エネルギー利用発電装置から中周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受けて、これらの発電量の合計から総発電量実績量を算出し、
電力需要・供給比較部は、総発電量算出部からの総発電量実績量情報と、総発電量設定部からの設定発電量情報とを比較し、過不足発電量情報を汚泥消化ガス発電制御部へ送り、
汚泥消化ガス発電制御部は、過不足発電量を補完するように汚泥消化ガス発電装置を制御し、
蓄電装置制御部は、自然エネルギー利用発電装置から短周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受け、短周期変動を補完するように蓄電装置を制御する、
ことを特徴とする地域電力供給システム。
【請求項2】
電力供給事業者が需要家に電力を供給する電力系統と、該電力系統に供給電力を補完するように接続されていると共に地域電力管理用の制御装置により制御される補完発電装置及び蓄電装置とを備える地域電力供給システムにおいて、
補完発電装置は、自然エネルギー利用発電装置と、廃棄物焼却発電装置と、汚泥消化ガス発電装置とを有し、
制御装置は、電力需要予測部と、総発電量設定部と、自然エネルギー利用発電量予測部と、廃棄物焼却発電制御部と、総発電量算出部と、電力需要・供給比較部と、汚泥消化ガス発電制御部と、蓄電装置制御部とを有し、
電力需要予測部は、需要家情報にもとづき電力需要を予測し、
総発電量設定部は、電力需要予測部による予測需要電力情報にもとづき補完発電装置による設定総発電量を設定し、
自然エネルギー利用発電量予測部は、環境条件から自然エネルギー利用発電装置での発電量を予測し、
廃棄物焼却発電制御部は、総発電量設定部から設定総発電量情報を、自然エネルギー利用発電量予測部から長周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量予測情報を受けてその低発電量時に供給電力を補完するように廃棄物焼却発電装置を制御し、
総発電量算出部は、廃棄物焼却発電装置から廃棄物焼却発電量情報を、汚泥消化ガス発電装置から汚泥消化ガス発電量情報を、自然エネルギー利用発電装置から中周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受けて、これらの発電量の合計から総発電量実績量を算出し、
電力需要・供給比較部は、総発電量算出部からの総発電量実績量情報と、総発電量設定部からの設定発電量情報とを比較し、過不足発電量情報を汚泥消化ガス発電制御部へ送り、
汚泥消化ガス発電制御部は、過不足発電量を補完するように汚泥消化ガス発電装置を制御し、
蓄電装置制御部は、自然エネルギー利用発電装置から短周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受け、短周期変動を補完するように蓄電装置を制御する、
ことを特徴とする地域電力供給システム。
【請求項3】
電力供給事業者が需要家に電力を供給する電力系統と、地域内において該電力系統に供給電力を補完するように接続されていると共に地域電力管理用の制御装置により制御される補完発電装置及び蓄電装置とを備える地域電力供給システムにおいて、
補完発電装置は、自然エネルギー利用発電装置と、廃棄物焼却発電装置とを有し、
制御装置は、総発電量設定部と、自然エネルギー利用発電量予測部と、廃棄物焼却発電制御部と、総発電量算出部と、電力需要・供給比較部と、蓄電装置制御部とを有し、
総発電量設定部は、需要家における過去分の需要電力情報にもとづき補完発電装置による設定総発電量を設定し、
自然エネルギー利用発電量予測部は、環境条件から自然エネルギー利用発電装置での発電量を予測し、
廃棄物焼却発電制御部は、総発電量設定部から設定総発電量情報を、自然エネルギー利用発電量予測部から長周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量予測情報を受けてその低発電量時に供給電力を補完するように廃棄物焼却発電装置を制御し、
総発電量算出部は、廃棄物焼却発電装置から廃棄物焼却発電量情報を、自然エネルギー利用発電装置から中周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受けて、これらの発電量の合計から総発電量実績量を算出し、
電力需要・供給比較部は、総発電量算出部からの総発電量実績量情報と、総発電量設定部からの設定発電量情報とを比較し、過不足発電量情報を廃棄物焼却発電制御部へ送り、
廃棄物焼却発電制御部は、過不足発電量を補完するように廃棄物焼却発電装置を制御し、
蓄電装置制御部は、自然エネルギー利用発電装置から短周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受け、短周期変動を補完するように蓄電装置を制御する、
ことを特徴とする地域電力供給システム。
【請求項4】
電力供給事業者が需要家に電力を供給する電力系統と、該電力系統に供給電力を補完するように接続されていると共に地域電力管理用の制御装置により制御される補完発電装置及び蓄電装置とを備える地域電力供給システムにおいて、
補完発電装置は、自然エネルギー利用発電装置と、廃棄物焼却発電装置とを有し、
制御装置は、電力需要予測部と、総発電量設定部と、自然エネルギー利用発電量予測部と、廃棄物焼却発電制御部と、総発電量算出部と、電力需要・供給比較部と、蓄電装置制御部とを有し、
電力需要予測部は、需要家情報にもとづき電力需要を予測し、
総発電量設定部は、電力需要予測部による予測需要電力情報にもとづき補完発電装置による設定総発電量を設定し、
自然エネルギー利用発電量予測部は、環境条件から自然エネルギー利用発電装置での発電量を予測し、
廃棄物焼却発電制御部は、総発電量設定部から設定総発電量情報を、自然エネルギー利用発電量予測部から長周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量予測情報を受けてその低発電量時に供給電力を補完するように廃棄物焼却発電装置を制御し、
総発電量算出部は、廃棄物焼却発電装置から廃棄物焼却発電量情報を、自然エネルギー利用発電装置から中周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受けて、これらの発電量の合計から総発電量実績量を算出し、
電力需要・供給比較部は、総発電量算出部からの総発電量実績量情報と、総発電量設定部からの設定発電量情報とを比較し、過不足発電量情報を廃棄物焼却発電制御部へ送り、
廃棄物焼却発電制御部は、過不足発電量を補完するように廃棄物焼却発電装置を制御し、
蓄電装置制御部は、自然エネルギー利用発電装置から短周期変動を伴う自然エネルギー利用発電量情報を受け、短周期変動を補完するように蓄電装置を制御する、
ことを特徴とする地域電力供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−228090(P2012−228090A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94314(P2011−94314)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】