説明

地震報知時計及びその地震報知方法

【課題】地震等による揺れが発生したときの消費電流を低減する
【解決手段】CPU36は、地震等による揺れが発生したと判定して、揺れ処理スイッチがオンしていると、揺れセンサ31から供給された揺れ検知信号の信号レベルに基づいて、震度を推定する。CPU36は、光センサ32から供給された光検知信号に基づいて明るいと判定した場合、発光器25を消灯する。暗いと判定した場合、CPU36は、推定した推定震度に基づいて、明るさを設定して発光器25を点灯する。CPU36は、揺れている時間を計時し、揺れ検知信号の信号レベルが揺れ判定値未満になった場合、揺れに関するデータとして、発震時刻、揺れの継続時間、推定震度を不揮発性メモリ33に記憶する。表示スイッチがオンすると、CPU36は、これらのデータを不揮発性メモリ33から読み出して表示部26に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震報知時計及びその地震報知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地震の揺れを検知してEL(Electro-Luminescence)素子を発光させる地震報知時計がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この地震報知時計は、地震による振動を検知して、EL素子を点灯する。これにより、地震報知時計は、周囲が暗い場合に、手元を明るくする照明として機能する。
【特許文献1】特開平10−197666号公報(第2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の地震報知時計では、周囲環境が明るい場合でもEL素子が発光してしまい、照明として機能してしまう。このため、消費電流が大きくなり電池寿命を短くしてしまう。
【0005】
また、地震が発生しても、EL素子を点灯させるだけでは、例えば、発震時刻、震度といった揺れに関する情報を取得することができない。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、消費電流を低減することが可能な地震報知時計及びその地震報知方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、揺れに関する情報を取得することが可能な地震報知時計及びその地震報知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る地震報知時計は、
揺れを検知して、揺れの大きさに対応する信号レベルの揺れ検知信号を出力する揺れ検知部と、
周囲の光を検知して、検知した光の強度に対応する信号レベルの光検知信号を出力する光検知部と、
光を発する発光部と、
前記揺れ検知部が出力した揺れ検知信号の信号レベルと予め設定された揺れ判定値とを比較し、前記揺れ検知信号の信号レベルが前記揺れ判定値以上となった場合に、前記光検知部の光検知信号の信号レベルと予め設定された明るさ判定値とを比較し、比較結果に基づいて周囲が明るいか暗いかを判定する明るさ判定部と、
周囲が暗いと前記明るさ判定部が判定した場合には、前記発光部を点灯するように制御し、周囲が明るいと前記明るさ判定部が判定した場合には、前記発光部を消灯するように制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
揺れに関するデータを記憶する記憶部を備えてもよい。
【0009】
データを表示する表示部を備え、
前記制御部は、前記記憶部から、記憶されたデータを読み出して、読み出したデータを前記表示部に表示させるようにしてもよい。
【0010】
前記制御部は、前記揺れ検知部が出力した揺れ検知信号の信号レベルに基づいて、判別した揺れの大きさを前記記憶部に記憶するようにしてもよい。
【0011】
時刻を計時する時計部を備え、
前記制御部は、前記時計部から時刻を取得し、揺れが発生した時刻を前記記憶部に記憶するようにしてもよい。
【0012】
前記制御部は、前記時計部から時刻を取得し、前記揺れ検知信号の信号レベルが前記揺れ判定値以上となっている時間を計時し、前記揺れ検知信号の信号レベルが前記揺れ判定値未満となったときに、計時した時間を揺れの継続時間として前記記憶部に記憶するようにしてもよい。
【0013】
前記制御部は、前記揺れ検知部が出力した揺れ検知信号の信号レベルに基づいて、揺れの大きさを判別し、判別した揺れの大きさに基づいて、前記発光部が発光する光の明るさを設定するようにしてもよい。
【0014】
前記制御部は、前記揺れ検知部が出力した揺れ検知信号の信号レベルに基づいて、揺れの大きさを判別し、判別した揺れの大きさに基づいて、前記発光部が光を発する発光時間を設定するようにしてもよい。
【0015】
本発明の第2の観点に係る地震報知時計の地震報知方法は、
揺れを検知して、揺れの大きさに対応する信号レベルの揺れ検知信号を出力するステップと、
光を検知して、検知した光強度に対応する信号レベルの光検知信号を出力するステップと、
前記揺れ検知信号の信号レベルと予め設定された揺れ判定値とを比較し、前記揺れ検知信号の信号レベルが前記揺れ判定値以上のときは、揺れが発生したと判定するステップと、
揺れが発生したと判定した場合に、前記光検知信号の信号レベルと予め設定された明るさ判定値とを比較して、前記光検知信号の信号レベルが前記明るさ判定値を越えた場合には、周囲が明るいと判定し、前記光検知信号の信号レベルが前記明るさ判定値以下の場合には、周囲が暗いと判定するステップと、
周囲が暗いと判定した場合には、光を発し、周囲が明るいと判定した場合には、消灯させるように制御するステップと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、消費電流を低減することができる。また、揺れに関する情報を取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る装置を図面を参照して説明する。
本実施形態に係る地震報知時計1の構成を図1に示す。また、地震報知時計1の前面、背面を、それぞれ、図2(a)、(b)に示す。
【0018】
本実施形態に係る地震報知時計1は、時間を報知するととともに、地震等の揺れを検知して、その揺れを報知する時計であり、電源部11と、時計部12と、揺れ処理部13と、からなる。
【0019】
電源部11は、時計部12と揺れ処理部13とに電流を供給するためのものである。電源部11は、乾電池からなるものであってもよいし、商用電源の交流電力を直流電力に変換する電源であってもよい。
【0020】
時計部12は、時刻を計時する通常の時計であり、時計機構部21と、アラーム音出力部22と、操作部23と、時計回路24と、発光器25と、表示部26と、からなる。
【0021】
時計機構部21は、図2(a)に示す地震報知時計1の文字盤14上の短針21a、長針21b、秒針21c、及びこれらの針を連動させる歯車等(図示せず)によって構成されたものである。
【0022】
アラーム音出力部22は、アラーム音を出力するためのものであり、図2(b)に示すように、地震報知時計1の背面に配置される。
【0023】
操作部23は、地震報知時計1を操作するためのものであり、時刻合わせダイアル23aと、アラームスイッチ23bと、アラーム時刻セットスイッチ23cと、押しボタンスイッチ23dと、揺れ処理スイッチ23eと、点灯スイッチ23fと、表示スイッチ23gと、からなる。
【0024】
時計合わせダイアル23aは、図2(a)に示す文字盤14上の短針21a、長針21b、秒針21cを、設定時間にセットするためのものである。アラームスイッチ23bは、アラームをセットするためのスイッチである。アラーム時刻セットスイッチ23cは、アラーム時刻をセットするためのスイッチである。
【0025】
押しボタンスイッチ23dは、出力されたアラーム音を停止させるためのスイッチである。揺れ処理スイッチ23eは、揺れ処理を行うためのスイッチであり、このスイッチのオンは、揺れ処理の実行を許可する旨を示す。
【0026】
点灯スイッチ23fは、発光器25の点灯、消灯を行うためのスイッチであり、このスイッチのオンは、発光器25を点灯させることを示し、このスイッチのオフは、消灯させることを示す。表示スイッチ23gは、揺れに関するデータ表示を行うためのスイッチであり、このスイッチがオンされると、揺れに関するデータ表示を行うことを示す。
【0027】
図2(b)に示すように、時刻合わせダイアル23aと、アラームスイッチ23bと、アラーム時刻セットスイッチ23cと、揺れ処理スイッチ23eと、点灯スイッチ23fと、表示スイッチ23gとは、地震報知時計1の背面に配置され、押しボタンスイッチ23dは、図2(a)、(b)に示すように、地震報知時計1の上部に配置される。
【0028】
時計回路24は、発振器等(図示せず)を備え、発振器が出力する周波数信号に基づいて時計機構部21を駆動するものである。
【0029】
発光器25は、光を発するものであり、EL素子、LED等によって構成される。図2(a)に示す文字盤14は、例えば、半透明の材料で形成され、発光器25は、この文字盤14の背面に配置される。
【0030】
表示部26は、地震等による揺れに関するデータを表示するためのものである。図2(a)に示すように、地震報知時計1の前面には、ディスプレイ26aが配置され、表示部26は、このディスプレイ26aとその駆動部(図示せず)とによって構成される。
【0031】
揺れ処理部13は、揺れを検知して、検知した揺れに対する処理を行うものであり、揺れセンサ31と、光センサ32と、不揮発性メモリ33と、ROM(Read Only Memory)34と、RAM(Random Access Memory)35と、CPU(Central Processing Unit)36と、を備える。
【0032】
揺れセンサ31は、地震等の揺れを検知するセンサである。地震波の周波数は、0.1 Hzから1kHz程度であり、揺れセンサ31には、例えば、このような周波数で揺れを検知できるようなセンサが用いられる。
【0033】
このようなセンサとして、揺れセンサ31には、例えば、圧電素子を利用した圧電フィルムが用いられる。圧電フィルムは、圧電素子としてピエゾフィルムの両面に導電材を塗布した構造を有するものである。
【0034】
揺れセンサ31は、このような構造を有するものであり、揺れを検知すると、揺れの大きさに対応する信号レベルの揺れ検知信号をCPU36に供給する。
【0035】
光センサ32は、光を検知するセンサである。光センサ32には、CdSセル、LED等が用いられる。光センサ32は、図2(a)に示すように、例えば、地震報知時計1の前面に配置され、光強度に対応する信号レベルの光検知信号をCPU36に供給する。
【0036】
不揮発性メモリ33は、地震等による揺れに関するデータを記憶するためのものである。ROM34は、CPU36が実行するプログラムを記憶するためのメモリである。RAM35は、CPU36がプログラムを実行するために必要な作業データを記憶するためのメモリである。
【0037】
CPU36は、地震報知時計1の動作を制御するものである。
具体的には、まず、CPU36は、揺れセンサ31から供給された揺れ検知信号の信号レベルと予め設定された揺れ判定値とを比較して、地震等による揺れが発生したか否かを判定する。この揺れ判定値は、例えば、震度1に設定され、不揮発性メモリ33は、この揺れ判定値を記憶する。
【0038】
CPU36は、揺れ検知信号の信号レベルが揺れ判定値以上の場合に、地震等による揺れが発生したと判定する。
【0039】
また、CPU36は、操作部23の揺れ処理スイッチ23eのオン、オフを監視する。CPU36は、揺れ処理スイッチ23eがオンしている場合に、地震等による揺れが発生したと判定すると、揺れ検知処理を実行する。
【0040】
CPU36は、揺れ検知処理において、時計回路24から発震時刻を取得し、揺れセンサ31から供給された揺れ検知信号の信号レベルに基づいて揺れの大きさを推定する。CPU36は、この揺れの大きさに、例えば、0〜4、5弱、5強、6弱、6強、7の10階級に区分された震度を用いる。
【0041】
CPU36は、周囲が暗い場合にのみ、発光器25を点灯させる。このため、CPU36は、光センサ32から供給された光検知信号の信号レベルと予め設定された明るさ判定値とを比較して、周囲が明るいか否かを判定する。不揮発性メモリ33は、この明るさ判定値を予め記憶する。
【0042】
CPU36は、光検知信号の信号レベルが予め設定された明るさ判定値を越えている場合には、明るいと判定し、信号レベルが明るさ判定値以下の場合には、暗いと判定する。
【0043】
CPU36は、明るいと判定した場合には、消費電流の低減のため、発光器25を消灯し、暗いと判定した場合に、発光器25を点灯させる。尚、CPU36は、発光器25を点灯させる場合、揺れの大きさとして推定した推定震度に基づいて、発光器25が光を発する明るさと発光時間とを設定する。
【0044】
また、CPU36は、時計回路24から取得した時刻に基づいて、発光器25が点灯している時間を計時する。
【0045】
CPU36は、揺れ検知信号の信号レベルが揺れ判定値未満になった場合、計時した時間を揺れの継続時間として取得する。
【0046】
そして、CPU36は、この発震時刻、揺れの継続時間、揺れの大きさとして推定される推定震度等のデータを不揮発性メモリ33に記憶する。
【0047】
そして、CPU36は、操作部23の表示スイッチ23gがオンすると、不揮発性メモリ33から、これらのデータを読み出して、表示部26のディスプレイ26aに表示させる。
【0048】
次に本実施形態に係る地震報知時計1の動作を説明する。
揺れセンサ31は、揺れを検知すると、CPU36に揺れ検知信号を供給する。CPU36は、揺れ検知信号の信号レベルが揺れ判定値以上となった場合、CPU36は、地震による揺れが発生したと判定する。
【0049】
このように判定すると、CPU36は、操作部23の揺れ処理スイッチ23eのオン、オフを判別し、揺れ処理スイッチ23eがオンしている場合、ROM34からプログラムを読み出し、図3に示すフローチャートに従って、揺れ検知処理を実行する。
【0050】
CPU36は、時計回路24から発震時刻を取得する(ステップS11)。
CPU36は、揺れセンサ31から供給された揺れ検知信号の信号レベルに基づいて揺れの大きさを示す震度を推定する(ステップS12)。
【0051】
CPU36は、光センサ32から供給された光検知信号の信号レベルと明るさ判定値とを比較し、比較結果に基づいて、周囲が明るいか否かを判定する(ステップS13)。
【0052】
周囲が明るいと判定した場合(ステップS13においてYes)、CPU36は、ステップS17に進む。
【0053】
一方、周囲が暗いと判定した場合(ステップS13においてNo)、CPU36は、推定した震度を推定震度として、この推定震度に基づいて発光器25の明るさを設定する(ステップS14)。
【0054】
CPU36は、推定震度に基づいて発光器25が光を発する発光時間を設定する(ステップS15)。
【0055】
CPU36は、発光器25を、この設定した明るさで、設定した発光時間だけ点灯する(ステップS16)。
【0056】
CPU36は、時計回路24から時刻を取得した時刻データに基づいて、揺れ検知信号の信号レベルが揺れ判定値以上となっている時間を揺れの継続時間として計時する(ステップS17)。
【0057】
CPU36は、揺れセンサ31から供給された揺れ検知信号の信号レベルが揺れ判定値未満になったか否かを判定する(ステップS18)。
【0058】
揺れ検知信号の信号レベルが揺れ判定値以上と判定した場合(ステップS18においてNo)、CPU36は、ステップS11〜S17の処理を、再度、実行する。
【0059】
揺れ検知信号の信号レベルが揺れ判定値未満と判定した場合(ステップS18においてYes)、CPU36は、発光器25を消灯し(ステップS19)、揺れに関するデータとして、発震時刻、揺れの継続時間、推定振動の各データを不揮発性メモリ33に記憶する(ステップS20)。そして、CPU36は、この揺れ検知処理を終了させる。
【0060】
次に、CPU36は、表示スイッチ23gが押下されると、操作部23からこの操作情報が供給されて、図4に示すフローチャートに従って、表示処理を実行する。
【0061】
CPU36は、不揮発性メモリ33から、発震時刻、揺れの継続時間、推定震度等のデータを読み出す(ステップS21)。
【0062】
CPU36は、これらのデータをディスプレイ26aに表示させて(ステップS22)、この表示処理を終了させる。
【0063】
次に、地震報知時計1の動作を具体的に説明する。
例えば、西暦X年Y月Z日に震度3の地震が発生して、V分間継続したものとする。CPU36は、地震による揺れが発生したと判定した場合、時計回路から発震時刻を取得して、震度を推定する(ステップS11、S12の処理)。
【0064】
周囲が明るい場合、発光器25は消灯したままとなる(ステップS13においてYes)。
【0065】
周囲が暗い場合、発光器25は、推定震度に基づいて設定された明るさで、設定された発光時間だけ点灯する(ステップS14〜S16の処理)。
【0066】
CPU36は、揺れている時間を計時し(ステップS17の処理)、揺れ検知信号の信号レベルが揺れ判定値未満となった場合(ステップS18においてYes)、発光器25は消灯する(ステップS19の処理)。
【0067】
そして、CPU36は、発震時刻、揺れの継続時間、推定震度として、それぞれ、西暦X年Y月Z日、V分、震度3のデータを不揮発性メモリ33に記憶する(ステップS20の処理)。
【0068】
この揺れに関するデータを参照する場合、表示スイッチ23gをオンする。表示スイッチ23gがオンすると、CPU36は、応答して、不揮発性メモリ33からデータを読み出す(図4のステップS21の処理)。
【0069】
表示部26は、図5に示すように、CPU36が読み出した発震時刻;西暦X年Y月Z日、揺れの継続時間;V分、推定震度;震度3を表示する(ステップS22の処理)。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、地震報知時計1は、光センサ32を備え、光センサ32の光検知信号に基づいて、地震が発生したときの周囲の明るさを判定し、暗いと判定した場合には、発光器25を発光させ、明るいと判定した場合には、発光器25を消灯させるようにした。
【0071】
従って、地震報知時計1は、周囲が暗い場合に、手元を明るくする照明として機能し、明るい場合には、消灯するので、消費電流が小さくなり、電池の寿命を伸ばすことができる。
【0072】
また、発光器25が点灯した場合、CPU36が推定震度に基づいて発光器25が光を発したときの明るさ、発光時間を設定するようにしたので、発光器25の明るさ、発光時間に基づいて震度を判別することができる。また、地震が起きた際、地震報知時計1が発光して周囲を明るく照らすことにより、部屋の照明を点灯させる前に部屋の中の状況を確認することができる。
【0073】
また、通常使用時は、運針のみもしくは文字盤14が文字を読み取ることができる程度に面発光させ、強い光は発しないので、このような機能を追加したとしても、通常時の消費電流にはほとんど影響を与えず、電池寿命に影響を与えるようなことはない。
【0074】
また、地震報知時計1は、不揮発性メモリ33を備え、地震による揺れが発生したときに、発震時刻、揺れの継続時間、推定震度等の揺れデータを不揮発性メモリ33に記憶し、表示スイッチ23gが押下されたときにこれらのデータを表示するようにした。
従って、発生した地震等による揺れに関する情報を、地震後に取得することができる。
【0075】
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施の形態に限られるものではない。
例えば、揺れセンサ31は、圧電型加速度センサに限られるものではなく、例えば、導電型、圧電型、帰還型(サーボ型)、歪み計型、容量型の加速度センサであってもよい。さらに、揺れセンサ31は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)デバイスであってもよい。さらに、揺れセンサ31は、地震報知時計1の傾きを検知するセンサであってもよい。
【0076】
上記実施形態では、CPU36が推定震度に基づいて発光器25が光を発したときの明るさ、発光時間を設定するようにした。しかし、これに限られるものではなく、例えば、CPU36が推定震度に基づいて発光器25が発する光の色を設定することもできる。また、CPU36が発光器25を点滅させ、推定震度に基づいて、この発光器25の点滅間隔を設定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施形態に係る地震報知時計の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す地震報知時計の外観を示す図であり、(a)は、地震報知時計の前面を示し、(b)は、地震報知時計の背面を示す。
【図3】図1に示すCPUが実行する揺れ検知処理を示すフローチャートである。
【図4】図1に示すCPUが実行する表示処理を示すフローチャートである。図である。
【図5】図1に示すCPUが表示処理を実行したときに表示部のディスプレイに表示されるデータを示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 地震報知時計
11 電源部
12 時計部
13 揺れ処理部
25 発光器
26 表示部
31 揺れセンサ
32 光センサ
33 不揮発性メモリ
36 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺れを検知して、揺れの大きさに対応する信号レベルの揺れ検知信号を出力する揺れ検知部と、
周囲の光を検知して、検知した光の強度に対応する信号レベルの光検知信号を出力する光検知部と、
光を発する発光部と、
前記揺れ検知部が出力した揺れ検知信号の信号レベルと予め設定された揺れ判定値とを比較し、前記揺れ検知信号の信号レベルが前記揺れ判定値以上となった場合に、前記光検知部の光検知信号の信号レベルと予め設定された明るさ判定値とを比較し、比較結果に基づいて周囲が明るいか暗いかを判定する明るさ判定部と、
周囲が暗いと前記明るさ判定部が判定した場合には、前記発光部を点灯するように制御し、周囲が明るいと前記明るさ判定部が判定した場合には、前記発光部を消灯するように制御する制御部と、を備えた、
ことを特徴とする地震報知時計。
【請求項2】
揺れに関するデータを記憶する記憶部を備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載の地震報知時計。
【請求項3】
データを表示する表示部を備え、
前記制御部は、前記記憶部から、記憶されたデータを読み出して、読み出したデータを前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の地震報知時計。
【請求項4】
前記制御部は、前記揺れ検知部が出力した揺れ検知信号の信号レベルに基づいて、判別した揺れの大きさを前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の地震報知時計。
【請求項5】
時刻を計時する時計部を備え、
前記制御部は、前記時計部から時刻を取得し、揺れが発生した時刻を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の地震報知時計。
【請求項6】
前記制御部は、前記時計部から時刻を取得し、前記揺れ検知信号の信号レベルが前記揺れ判定値以上となっている時間を計時し、前記揺れ検知信号の信号レベルが前記揺れ判定値未満となったときに、計時した時間を揺れの継続時間として前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項5に記載の地震報知時計。
【請求項7】
前記制御部は、前記揺れ検知部が出力した揺れ検知信号の信号レベルに基づいて、揺れの大きさを判別し、判別した揺れの大きさに基づいて、前記発光部が発光する光の明るさを設定する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の地震報知時計。
【請求項8】
前記制御部は、前記揺れ検知部が出力した揺れ検知信号の信号レベルに基づいて、揺れの大きさを判別し、判別した揺れの大きさに基づいて、前記発光部が光を発する発光時間を設定する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の地震報知時計。
【請求項9】
揺れを検知して、揺れの大きさに対応する信号レベルの揺れ検知信号を出力するステップと、
光を検知して、検知した光強度に対応する信号レベルの光検知信号を出力するステップと、
前記揺れ検知信号の信号レベルと予め設定された揺れ判定値とを比較し、前記揺れ検知信号の信号レベルが前記揺れ判定値以上のときは、揺れが発生したと判定するステップと、
揺れが発生したと判定した場合に、前記光検知信号の信号レベルと予め設定された明るさ判定値とを比較して、前記光検知信号の信号レベルが前記明るさ判定値を越えた場合には、周囲が明るいと判定し、前記光検知信号の信号レベルが前記明るさ判定値以下の場合には、周囲が暗いと判定するステップと、
周囲が暗いと判定した場合には、光を発し、周囲が明るいと判定した場合には、消灯させるように制御するステップと、を備えた、
ことを特徴とする地震報知時計の地震報知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−248130(P2007−248130A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−69311(P2006−69311)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(396004970)セイコークロック株式会社 (44)
【Fターム(参考)】