説明

垂直に実装される棚組立品及びその付属品

細長い支持レールと、支持レールに摺動自在に(slidaby)連結される少なくとも1つの付属品と、棚組立品を壁に固定するために支持レールと壁との間に配置される少なくとも1つの延伸剥離接着剤ストリップとを備える、壁に実装可能な棚組立品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に保管物品、より具体的には、風呂又はシャワーで用いる種々の物品を保持するために、例えば風呂又はシャワーの囲いの内面に接着実装することができる保管棚組立品に関する。
【背景技術】
【0002】
シャワー又は風呂用の小物入れを指すことが多い、シャワー及び風呂用保管装置は、一般的に、シャワー及び浴室内に石鹸、シャンプー及び他の風呂用物品を保持及び/又は保管するために用いられる。保管される物品の重量のために、また釘及びネジのような機械的締結具を用いてシャワー又は浴室内にかかる物品を実装することは一般に実施されないために、かかる装置は典型的にはシャワーノズル固定具から吊るされている。かかる装置は、先行技術において既知である。例えば、米国特許第4,969,580号(ミハイル・イサト(Mikhail Essatt))、同第4,108,314号(ラッカ(Racca))、同第5,255,401号(サムブルックス(Sambrookes)ら)及び同第6,520,351号(ザドロ(Zadro))は、かかる装置を開示する。例えば米国特許第5,289,927号(エメリー(Emery))に開示されているように吸着カップを用いてかかる装置を実装することも既知である。
【0003】
しかしながら、かかる装置は、ある欠点及び欠陥に悩まされている。シャワーノズル固定具から吊るされる装置は、例えば、大きく邪魔になりがちで、かかる装置は、ユーザが小物入れ内の物品に手を伸ばすことができるように、シャワーヘッドの下にシャワーノズル固定具から吊るさなければならないため、それらは不安定で、横に揺れる又はシャワーノズル固定具から滑り落ちる傾向がある。更に、実装位置は、それらが動かないようにシャワーノズル固定具の位置により制限され、それらはシャワーヘッドの直下に実装しなければならないため、シャワーの使用を邪魔する傾向がある。他方、吸着カップで実装される装置は、保持能力が制限され、時間とともにその保持能力が失われる傾向がある。結果として、吸着カップで実装される装置は、頻繁に機能しなくなり、それにより装置とその内容物が壁から落ちる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,969,580号
【特許文献2】米国特許第4,108,314号
【特許文献3】米国特許第5,255,401号
【特許文献4】米国特許第6,520,351号
【特許文献5】米国特許第5,289,927号
【特許文献6】米国特許第4,024,312号
【特許文献7】米国特許第5,516,581号
【特許文献8】米国特許第6,231,962号
【特許文献9】米国特許第6,569,521号
【特許文献10】米国特許第7,078,093号
【特許文献11】独国特許第33 31 016号
【特許文献12】米国特許第6,972,141号
【特許文献13】米国特許第6,641,910号
【特許文献14】米国特許第6,541,089号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故、安価で、設置が容易であり、調節可能であり、一般的にかかる装置に保管される物品を支持するのに十分な強度で保持する、シャワー又は浴室の壁表面に接着実装することができる保管装置に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、安価で、設置が容易であり、一般的にかかる装置に保管される物品を支持するのに十分な強度で保持する、例えばシャワー又は浴室の壁表面に接着実装することができる棚システムを提供することにより、この分野における上記で確認した制限を克服する。
【0007】
一実施形態では、本発明は、壁表面に垂直に実装される細長い支持レールと、支持レールに可動連結する少なくとも1つの付属品と、壁に棚組立品を固定するために支持レールと壁との間に配置される少なくとも1つの延伸剥離接着剤ストリップとを備える、壁に実装可能な棚組立品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、添付図面を参照して更に説明される。
【図1】本発明による壁に実装可能な棚組立品の斜視図。
【図2】付属品の移動範囲を示す、支持レールに実装されたある付属品の詳細図。
【図3】一対の延伸剥離接着剤ストリップの非接着プルタブを露出させるために、カバープレートを取り外した部分分解詳細図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで図面を参照して(幾つかの図面、つまり図1〜3を通じて類似の参照番号が類似の又は対応する部品を指す)、例えばシャワー又は浴室内で、石鹸、シャンプー等のような物品を保持するための壁に実装可能な棚組立品2を示す。棚組立品2は、細長い支持レール4と、支持レール4に可動連結した複数の付属品6、8、10、12、14と、支持レール4の裏面に貼着され、壁表面18に支持レール4を接着結合させる一対の延伸剥離接着剤ストリップ16とを備える。
【0010】
最上付属品6は、シャンプーのボトルのような1つの容器20を保持するように形状が定められた、一体型(即ち一体成形)棚構造である。図2に示すように、棚構造6は、底壁部6a、背壁部6b及び脚部6cを備える。この「オープン」な三部構造は、ユーザが容器20に容易にかつ素早く手を伸ばすことを可能にしながら、容器に対して適切な支持を提供する。つまり、棚構造6は、ユーザが容器20に手を伸ばすのを妨害する可能性のある上壁又は前壁を含まない。突出キャップ22を有する容器20を棚構造6上に逆さにした状態で保管するために、棚構造6の脚部6cは、それを通して容器のキャップ22が延在可能な任意の開口部24を含む。
【0011】
図2に表現するように、付属品6の位置は、矢印Aで示すように支持レール4の長さに沿って並進的に調節すること、又は、矢印Bで示すように支持レールの長さに沿って任意の1箇所で回転するように調節することができる。つまり、付属品6は、支持レール4の長さに沿って摺動自在であり、選択された位置で支持レール4に固定することができ、付属品6の角度を支持レール4に対して調節できるように回転(即ち横方向に旋回)することもできる。図示した実施形態では、棚構造6は、支持レール4と棚構造6との間で測定したとき、一般に約90°以下である角度xで配置される。この方式で配置されると、容器20は棚構造6内にしっかりと静止し、棚構造6から転倒又は滑り落ちる傾向はない。
【0012】
棚構造6の位置を並進的に及び回転的に調節可能にするために選択される具体的な連結機構は、棚構造6の位置を記載した方式で調節可能にする機能を提供する限り、本発明ではそれ程重要ではない。例えば、付属品6を支持レール4の長さに沿って移動させ、所望の位置で固定することを可能にするために、支持レール4は複数の突出部26を備えてよく、付属品6は、突出部26と結合し、所定の位置に付属品6を固定する1つ以上のスロット(図示せず)を備えてよい。また、付属品6を回転可能にするために、付属品6は、壁表面18の方向に付属品6を押す又は引くことにより解放可能であり、押す力又は引く力から解放されたとき所定の位置に固定されるバネ仕掛け機構を備えてよい。かかる機構は、一般に知られており、更に詳細には記載しない。従って、支持レールは、一般的表現が、代替として用いることができる所望の機能を有する多くの調節可能な締め付け及び固定機構の説明に役立つことを意図する、突出部26で表現されることが理解されよう。更に、調節可能な連結は、支持レール4及び付属品6に関してのみ記載しているが、残りの付属品8、10、12、14もまた、付属品6に関して記載したような回転的に及び/又は並進的に調節可能な連結を備えることができることが理解されよう。
【0013】
図示した実施形態では、付属品10は、複数の容器20を保持するように形状が定められた、水平に配置された一体型バスケット又は小物入れである。小物入れ10は、底壁部10a、前壁部10b、裏壁部10c及び一対の対向する側壁部10dを備え、これらは一緒に閉鎖された保管領域を確定する。付属品12は、固形石鹸28を保持するように形状が定められた一体型トレイである。そして、付属品14は、横に置かれた状態で図示された液体ボトル20及び1つ以上の従来のかみそり30を保持するように形状が定められた一体型トレイである。トレイ14がかみそり30を保持することを可能にするために、トレイ14の前壁は、かかるかみそりを保持するように形状が定められた凹部領域32を備える。
【0014】
図3に示すように、延伸剥離接着剤ストリップ16は、支持レール4と壁表面18との間に配置されて、棚組立品2を壁表面18に接着結合する。好適な延伸剥離接着剤は、3M社(ミネソタ州セントポール(St. Paul))から、商品名コマンド(COMMAND)として入手可能である両面延伸剥離接着剤ストリップである。市販のコマンド接着ストリップは、現在、ストリップの一端に除去の際ストリップの延伸を促進する非接着プルタブを備える、別個のストリップとして製造されている。
【0015】
延伸剥離接着剤は、強い保持力ときれいに取り外せて表面に損傷を与えないことを兼ね備える高性能感圧性接着剤である。両面接着剤ストリップ16は、弾力性裏材を有する延伸剥離接着剤テープ、高延伸性かつ実質的に非弾力性である裏材を有する延伸剥離接着剤テープ、又は固体弾力性感圧性接着剤を含む延伸剥離接着剤テープが挙げられる、任意の従来既知である延伸剥離接着剤テープであってよいが、耐水性(即ち、水の存在下及び/又は高湿度環境下でも保持力が維持される)延伸剥離接着剤ストリップが好ましい。
【0016】
本発明の様々な実施形態に使用するのに好適な特定のテープとしては、米国特許第4,024,312号(コープマン(Korpman))に記載の弾力性裏材を有する感圧性接着テープ、米国特許第5,516,581号(クレッケル(Kreckel)ら)及び同第6,231,962号(ブリース(Bries)ら)、同第6,569,521号(シェリダン(Sheridan)ら)、同第7,078,093号(シェリダン(Sheridan)ら)に記載の高延伸性かつ実質的に非弾力性である裏材を有する感圧性接着テープ、及び独国特許第33 31 016号に記載の固体弾性の感圧性接着剤が挙げられる。他の好適な延伸剥離接着剤構造としては、米国特許第6,972,141号(ブリース(Bries)ら)に記載されている分離性締結具を備える延伸剥離接着剤テープ積層体、並びに、米国特許第6,641,910号(ブリースら)及び同第6,541,089号(ハマースキー(Hamerski)ら)に記載されている伸長延伸剥離テープ構造が挙げられる。
【0017】
延伸剥離接着剤ストリップ16は、図中で支持レール4に隠れている接着剤部分、及び、図3に示すように支持レール4の最上部を超えて外向きに延在する非接着プルタブ部16aを備える。図示した実施形態では、棚組立品2は、支持レール4の上端部に連結される任意のカバープレート34を備える。カバープレート34が支持レール4に連結しているとき、それは延伸剥離接着剤ストリップ16の非接着プルタブ部16aを隠すよう機能するが、支持レール4から取り外すと、非接着プルタブ部16aがあらわれ、壁表面18から接着剤ストリップ16を延伸剥離しようとするユーザが容易に手を伸ばすことができる。
【0018】
延伸剥離接着剤ストリップ16及びカバープレート34は、棚組立品2の最上部に設けられると記載されているが、棚組立品2はまた、支持レール4の底部を壁表面18に接着結合するよう配置された延伸剥離接着剤ストリップを備え、別のカバープレートが支持レール4の底部に配置され、支持レール4の底部を超えて延在する延伸剥離接着剤ストリップの非接着プルタブ部を選択的に隠すことができる。
【0019】
更に、接着剤ストリップ16が米国特許第6,972,141号(ブリース(Bries)ら)に記載されているような分離性締結具を備える場合、接着剤ストリップの接着部16aと非接着プルタブ部16bが両方とも支持レールに隠されるように、接着剤ストリップ16を配置することができる。まず分離性締結具を介して各接着剤ストリップを分離し、次いでその対応する表面から各接着剤ストリップの各残り半分を延伸剥離することにより、接着剤ストリップを取り除くことができるため、これが可能である。この場合カバープレート34を省略することもできる。
【0020】
支持レール4及び付属品6、8、10、12、14を備える棚組立品2は、金属及び合成プラスチック材料を含む任意の好適な材料で形成することができる。一実施形態では、支持レール4及び付属品6、8、10、12、14は、射出成形された合成プラスチック材料で形成される。支持レール4はまた、押出成形された金属又は合成プラスチック材料であってもよい。
【0021】
発明の概念から逸脱することなく上述される発明に様々な変更及び修正を行うことができることは、当業者には理解されよう。例えば、棚組立品2は2つの接着剤ストリップにより実装されるように図示されているが、1つ以上のかかるストリップを使用することができることが理解されよう。更に、鏡のような異なる付属品を備えてもよい。このように、本発明の範囲は本出願に記載の構造に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の文言によって記載の構造及びそれらの構造と同等のものによってのみ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)細長い支持レールと、
(b)該支持レールに可動連結された少なくとも1つの付属品と、
(c)棚組立品を壁に固定するために、該支持レールと壁との間に配置された少なくとも1つの延伸剥離接着剤ストリップと、を含む、垂直に実装される棚組立品。
【請求項2】
前記付属品が前記支持レールに回転可能に連結される、請求項1に記載の棚組立品。
【請求項3】
前記付属品が、1つの液体容器を保持するように形状が定められた一体型棚構造であり、該棚構造が底壁部、背壁部及び脚部を含む、請求項1に記載の棚組立品。
【請求項4】
前記棚構造の前記脚部が、底部にボトルのキャップを受容する大きさの開口部を備える、請求項3に記載の棚組立品。
【請求項5】
前記棚構造が、前記支持レールに対して約90°以下の角度で配置される、請求項1に記載の棚組立品。
【請求項6】
前記付属品が、複数の容器を保持するように形状が定められた小物入れであり、前記小物入れが底壁部、前壁部、後壁部及び一対の対向する側壁部を含む、請求項1に記載の棚組立品。
【請求項7】
前記付属品が、棒状石鹸を保持するように形状が定められているトレイである、請求項1に記載の棚組立品。
【請求項8】
前記付属品が、1つの液体ボトルを保持するように形状が定められたトレイであり、該トレイが、従来のかみそりを保持するように形状が定められた凹部領域を含む前壁を有する、請求項1に記載の棚組立品。
【請求項9】
前記延伸剥離接着剤ストリップが、一端に非接着プルタブを含む両面接着剤ストリップであって、前記支持レールが壁表面に垂直に実装されるとき、該非接着プルタブが該支持レールの最上部を超えて外向きに延在する、請求項1に記載の棚組立品。
【請求項10】
前記支持レールの最上部に取外し可能に連結されたカバープレートを更に備え、それにより該カバープレートが該支持レールに連結されるとき、該カバープレートが延伸剥離接着剤ストリップの非接着プルタブ部を隠す、請求項9に記載の棚組立品。
【請求項11】
前記支持レールの底部と壁表面との間に配置された延伸剥離接着剤ストリップを更に備え、前記非接着プルタブ部が該支持レールの底部を超えて外向きに延在する、請求項10に記載の棚組立品。
【請求項12】
前記支持レールの底部に取外し可能に連結されたカバープレートを更に備え、それにより該カバープレートが該支持レールに連結されるとき、該カバープレートが延伸剥離接着剤ストリップの非接着プルタブ部を隠す、請求項11に記載の棚組立品。
【請求項13】
前記支持レール及び付属品が、射出成形された合成プラスチック材料で形成される、請求項1に記載の棚組立品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−502387(P2010−502387A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527524(P2009−527524)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/077571
【国際公開番号】WO2008/030829
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】