説明

基板および基板の製造方法

【課題】 大電流にも使用可能なモータ制御用等の基板であって、一体で構成され、フェライトコアの固定等も不要な基板および基板の製造方法等を提供する。
【解決手段】 基板1は、チョークコイル部であるコイル5を有する例えばモータ制御用の基板である。基板1には、電子部品搭載部9が形成され、内部の回路導体が外部に露出する。電子部品搭載部9などの外部接続部以外の部位は基板形成樹脂によって被覆されて射出成型基板3が形成される、基板1(射出成型基板3)に設けられるコイル5は、外部より入力された電流を平滑化するためのものである。コイル5には、コア部7が形成される。コア部7はコア形成樹脂により形成される。コア部7は、少なくともコイル5の芯部6を覆うように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車等に用いられ、コイル部を有するモータの制御用等の基板および基板の製造方法等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車等に搭載される冷却水循環用ポンプは、エンジンの回転数に左右されないように電動式が主流である。このようなウォーターポンプ等に用いられるモータの制御のためには、モータ制御用の回路が組み込まれたドライバ回路が用いられる。
【0003】
図8は、このようなドライバ回路100の一例を示す図である。モータ103は、例えば三相式のブラシレスモータである。電源から供給される直流電流は、チョークコイル109等が設けられる電源平滑部105により平滑化される。エンジンコンピュータからの制御信号に基づいて、モータ駆動制御回路101は演算を行い、これに基づいてトランジスタ等のスイッチング素子が設けられたスイッチング素子部107を制御することでモータ103が制御される。なお、チョークコイルとしてはコモンモードチョークコイルとしても良い。
【0004】
このようなモータを制御するための装置は各種開発されており、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−98890号公報
【特許文献2】特開2001−186789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、ドライバ回路100は、例えば、制御用回路と駆動用回路を別々に構成してケーブル等で接続されて使用される。一般のプリント基板では大電流に耐えることができないためである。このため、例えば電源平滑部105において使用されるチョークコイル109は、プリント基板に対して別体で構成される場合がある。また、チョークコイル109には、フェライトコア(コア部)が形成される。したがって、チョークコイル109には、フェライトコアをチョークコイルに取り付ける必要がある。
【0007】
しかし、このような構成は、装置の大型化を招き、各部品の接続や固定等の作業が必要となるため、作業性が悪い。また、このような大電流用の基板として、プレス加工により導体部を形成し、射出成型によって絶縁部を形成する射出成型基板があるが、フェライトコアの固定作業を省略することはできない。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、大電流にも使用可能なモータ制御用等の基板であって、一体で構成され、フェライトコアの固定等も不要な基板および基板の製造方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達するために第1の発明は、回路導体の表面に対して基板形成樹脂が射出成型され、前記回路導体により形成されるコイル部を有する射出成型基板に対し、前記コイル部の少なくとも芯部には、磁性フィラーを有するコア形成樹脂が射出されてコア部が形成されることを特徴とする基板である。
【0010】
前記基板形成樹脂の溶融温度は、前記コア形成樹脂の溶融温度よりも高いことが望ましい。
【0011】
前記磁性フィラーは絶縁性であることが望ましい。前記射出成型基板の前記コイル部には、前記コイル部の芯部を囲むように基板形成樹脂によってケース部が設けられ、前記コア部形成樹脂が前記ケース部内に設けられてコア部が形成されてもよい。
【0012】
前記基板の一部には、外部と電気的に接続可能な接続端子が突出してもよい。前記基板には、スイッチング素子が設けられ、前記回路導体によって、モータ制御用の回路が形成されてもよい。
【0013】
第1の発明によれば、コイル部が回路導体により形成され、射出成形によって基板が形成されるため、大電流にも耐えうる基板がコイルと一体で形成可能である。また、コイル部のコア部には、磁性フィラーを有するコア形成樹脂が射出されるため、コア部も射出によって一体で形成することができる。このため、コア部を別途固定する必要がない。
【0014】
また、コア形成樹脂の溶融温度が基板形成樹脂の溶融温度よりも低いため、コア形成樹脂の射出時に、基板形成樹脂が溶融することがない。
【0015】
また、磁性フィラーが絶縁性を有すれば、コイル部以外の電子部品等のノイズ対策として、電子部品の表面に対し磁性フィラーを含むコア形成樹脂で被覆等することもできる。また、コイル部に対して、基板形成樹脂で被覆せずに直接コア形成樹脂で被覆することもできる。
【0016】
また、基板の一部に外部との接続用端子を突出させることで、当該基板をモータ等の外部部品と直接溶接、半田付け等で接続することができ、コネクタやケーブル等を設ける必要がない。
【0017】
第2の発明は、導体である回路素材を接合して、コイル部を有する回路導体を形成し、前記回路導体の表面に対して基板形成樹脂を射出成型して、射出成型基板を成型し、前記コイル部の少なくとも芯部に、磁性フィラーを有し、前記基板形成樹脂の溶融温度よりも溶融温度が低いコア形成樹脂を射出成型してコアを形成することを特徴とする基板の製造方法である。
【0018】
前記射出成型基板の前記コイル部には、前記コイル部を四方からから囲むようにケース部を設け、前記コア形成樹脂を、前記ケース部内部に射出成型してコアを形成してもよい。
【0019】
前記ケース部を、前記基板形成樹脂によって前記射出成型基板と一体で射出成型してもよい。
【0020】
第2の発明によれば、製造が容易であり、大電流にも耐えることができ、また、コイルのコア部の固定等が不要である基板の製造方法を得ることができる。
【0021】
特に、コア部形成樹脂を射出する部位にケース部を形成することで、コア部が基板に対して回転することがなく、また、ケース部を射出成形基板と一体で構成することで、製造性に優れる基板の製造方法を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、大電流にも使用可能なモータ制御用等の基板であって、一体で構成され、フェライトコアの固定等も不要な基板および基板の製造方法等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】基板1を示す斜視図であり、(a)は分解斜視図、(b)は組立斜視図。
【図2】基板1を示す平面図。
【図3】図2のA−A線断面図であり、基板1の断面図。
【図4】回路素材の分解概念図。
【図5】(a)は回路導体15を示す概念図であり射出成形基板の透視図、(b)は、コア部を射出した状態を示す図。
【図6】基板20を示す斜視図であり、(a)はコア部射出前の状態を示す図、(b)はコア部を射出した状態を示す図。
【図7】図6のB−B線断面図。
【図8】従来のモータ駆動用のドライバ回路100を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1、図2は、基板1を示す図であり、図1(a)は分解斜視図、図1(b)は組立斜視図、図2は平面図である。基板1は、チョークコイル部であるコイル5を有する例えばモータ制御用の基板である。基板1には、電子部品搭載部9が形成され、内部の回路導体が外部に露出する。電子部品搭載部9などの外部接続部以外の部位は基板形成樹脂によって被覆されて射出成型基板3が形成される。射出成型基板3には電子部品13等が搭載される。
【0025】
基板1(射出成型基板3)に設けられるコイル5は、外部より入力された電流を平滑化するためのものである。また、電子部品搭載部9は、電子部品13等を搭載する部位であり、電子部品13は、基板1(射出成型基板3)と電気的に接続される。
【0026】
なお、本発明の基板としては、図示したような基板に限られず、コイル部を有し、大電流が流れる基板に対しては、当然に適用可能である。すなわち、図に示すような配置および形状に限られることはなく、その他の部品等を適宜搭載することや、配置および形状を適宜変更することが可能なことは言うまでもない。
【0027】
コイル5には、コア部7が形成される。コア部7はコア形成樹脂により形成される。コア部7は、少なくともコイル5の芯部6を覆うように(充填されるように)形成される。なお、コア部7は、コイル5の芯部6に形成されれば、図示したようにコイル5の全体を覆ってもよい。この場合、コア部7の幅がコイル5(基板形成樹脂で被覆された状態のコイル部)の幅よりも大きく、コア部7の側面は、コア部7の上下面に渡って連続して形成される。
【0028】
基板1の側面には、接続端子11が突出する。接続端子11は、外部の部品等と電気的に接続される部位である。すなわち、内部に回路と電気的に接続される。接続端子としては、例えば、三相モータのそれぞれの端子と接続されるように、3か所に形成されてもよい。
【0029】
接続端子11は、例えば図示したようなL字型であり、射出成型基板内部の回路導体と一体または溶接等により接合されて、樹脂被覆部の外部に露出される。接続端子11は、接続対象の他の部品と、直接溶接や半田によって接続することができる。したがって、コネクタおよびケーブルが不要となり、部品点数を削減することができる。なお、接続端子11の形状は、図示した例に限られず、基板1の樹脂から導体部が露出していればよい。
【0030】
射出成形基板3およびコア部7はいずれも射出成形によって形成される。射出成形基板3を形成する基板形成樹脂としては、絶縁性があり、射出成型が可能であればよく、例えば、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフタルアミド等が使用できる。また、熱硬化タイプの樹脂としてエポキシ系樹脂を用いることもできる。
【0031】
コア部7は、磁性フィラーを含むコア形成樹脂により形成される。コア形成樹脂の母材としては基板形成樹脂と同様の樹脂を用いることができるが、基板形成樹脂に対して溶融温度が低いものを選択することが望ましい。コア形成樹脂は、基板形成樹脂の射出成形後に射出成形基板に対して射出成形されるため、コア形成樹脂の射出時に、基板形成樹脂が溶融することを防止するためである。基板形成樹脂としては例えばポリフェニレンスルファイドが使用でき、コア形成樹脂としてはポリブチレンテレフタレートとすればよい。
【0032】
磁性フィラーとしては、ソフトフェライト、ハードフェライト、FeおよびFe系合金、Co系アモルファス等を用いることができる。なお、磁性フィラーとしては絶縁性を有することが望ましく、この場合、例えば株式会社神戸製鋼所のマグメルGC(登録商標)(鉄粉表面に高耐熱性および高絶縁性を有する無機系絶縁皮膜を形成した絶縁処理鉄粉)が使用できる。
【0033】
電子部品13としては、たとえばトランジスタ等のスイッチング素子が適用できるが、コンデンサやダイオードであってもよい。さらには、電子部品13として、CPUやセラミックコンデンサなどの電子部品があらかじめ搭載されたプリント基板などであっても適用可能である。
【0034】
図3は、図2のA−A線断面図であり、基板1の内部の回路導体15を示す概念図である。回路導体15は、複数の導体が接合されて形成される回路である。なお、以下の図において、回路導体は概念図を示すもので、簡単のため、ほぼ全ての構成を平板状に示すが、回路を構成するために、必要に応じたより細かな形状や構造を具備することは言うまでもない。回路導体15については詳細を後述する。
【0035】
基板1は、複数の回路素材(回路導体15を構成する導体)が層状に形成されており、それぞれが溶接や絶縁材等を介して接合される。基板1は、コイル5を有する射出成型基板3にコア部7が形成されて構成される。射出成型基板3は、前述の通り、回路導体15が所定の部位で導体部が露出し、他の部位が基板形成樹脂で被覆されて形成される。
【0036】
コイル5は、導体が円状に構成され、中心の孔(芯部6)を貫通するようにコア形成樹脂が射出されてコア部7が形成される。なお、コア形成樹脂に含まれる磁性フィラーが絶縁材であれば、コア部7は、基板形成樹脂で被覆されたコイル5の上層に形成されるのではなく、回路導体であるコイル5に直接射出されて被覆されてもよい。すなわち、この場合、射出成型基板3においては、コイル5は基板形成樹脂によって被覆されず、コア形成樹脂によってコイル5全体が被覆される。
【0037】
次に、基板1の製造方法について説明する。まず、図4に示すように、銅板等の導体である回路素材をプレスにより打ち抜き、必要な曲げ加工を施して所望の形状に形成する。回路素材17a〜17fは、回路導体15を構成するための素材である。なお、前述の通り、図示した回路素材の形状は概念図であり、例えば回路素材17cは板状ではなく、回路を構成する形状にプレス加工(または複数部材)で形成される。銅板等には、必要に応じてSnメッキ等を施してもよい。次いで、複数の回路素材17a〜17f同士を溶接、または絶縁部材等を介して接合して回路導体を形成する。回路導体は、平面のみではなく、複数層に層状に形成されてもよい。
【0038】
なお、回路素材17a〜17fとしては、例えば400μm以上の厚さの銅板等が用いられる。400μm未満では、大電流に耐えることができず、また、射出成型時の樹脂圧によって変形等の恐れがあるためである。また、導体回路素材の厚さとしてさらに望ましくは、400μm〜1000μmである。厚すぎると、コスト及び重量等が増加し、コンパクトな基板を形成することができなくなるためである。
【0039】
図5(a)は、回路素材17a〜17fを接合して基板形成樹脂を射出した状態を示す図である。回路素材17a〜17fを接合して得られた回路導体15を、所定位置にピン等で射出成型金型に固定し、基板形成樹脂を射出して射出成型を行う。この際、必要な導体露出部以外の部位が基板形成樹脂により被覆され、また、回路素材同士の層間等にも樹脂が射出される。このようにして射出成型基板3が形成される。
【0040】
次に、射出成型基板をコア形成用の射出成型金型にセットして、図5(b)に示すように、コイル5の芯部6を覆うようにコア部7を射出成型により形成する。
【0041】
次に、電子部品搭載部9に電子部品13等を搭載して電気的に接続する。電子部品等の接続は、例えば半田、ワイヤーボンディング等が用いればよい。以上により基板1が形成される。なお、射出成型基板3を形成後、コア部7を形成する前に電子部品13等を搭載し、最後にコア部7を射出成型してもよい。コア形成樹脂に含まれる磁性フィラーが絶縁材であれば、コア部7を構成するコア形成樹脂を、電子部品等を被覆するように射出することができる。この場合には、ノイズを発生する電子部品や回路部を被覆するように磁性フィラーを含むコア形成樹脂が設けられるため、ノイズ等の発生を抑制することができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の基板1によれば、回路素材をプレスで形成するため、厚銅基板を形成することができ、射出成型により絶縁部(樹脂部)を形成するため、製造性に優れ、大電流にも耐えうる基板1を得ることができる。
【0043】
また、コイル5には、磁性フィラーを含むコア形成樹脂によりコア部7が射出成型基板3に一体で形成されるため、コイルのコア部を別途固定部材等で固定する必要がない。
【0044】
また、磁性フィラーが絶縁体であれば、コア部をコイル5に直接形成することもでき、また、電子部品や回路などのノイズ発生部位を被覆することもできる。
【0045】
また、基板形成樹脂の溶融温度がコア形成樹脂の溶融温度よりも高いため、コア部7の射出時に、射出成型基板の樹脂部が溶融等することがない。
【0046】
次に、第2の実施の形態について説明する。図6は、第2の実施の形態にかかる基板20を示す図で、図6(a)はコア部形成前の状態を示す表側斜視図、図6(b)はコア部形成後の状態を示す表側斜視図である。なお、以下の説明において、基板1と同様の機能を奏する構成については、図1等と同様の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0047】
基板20は、基板1と略同様の構成であるが、射出成型基板3aのコイル5近傍の態様が異なる。基板20には、コイル5の芯部6(コイル5全体)を周囲から囲むようにケース部21が形成される。ケース部21は、射出成型基板3aの表裏の両方向に突出し、コイル5(芯部6)の四方を囲むように形成される壁部である。なお、ケース部21の幅はコイル5(基板形成樹脂で被覆された状態のコイル部)の幅よりも大きく、ケース部21の側面は、コイル5の上下面に渡って連続して形成される。
【0048】
図6(a)に示すように、ケース部21は、射出成型基板3aの射出成型時に、基板部と一体で射出成形される。この状態で、ケース部21内部にコア形成樹脂を射出して、コア部7を形成する。なお、図6(a)において、電子部品13が搭載されているが、電子部品13の搭載は、コア部7の形成後であってもよい。
【0049】
図7は図6(b)のB−B線断面図である。図7に示すように、ケース部21は、コイル5近傍において、射出成型基板3aの表裏両方向に対して、コイル5を囲むように形成され、コア部7はケース部21内部に形成される。
【0050】
なお、ケース部21は、射出成型基板3aと一体で形成する例を説明したが、ケース部のみを別体で形成し、射出成型基板に別途固定してもよい。この場合、ケース部が樹脂製であれば、ケース部21を構成する樹脂の溶融温度がコア部7を構成するコア形成樹脂の溶融温度よりも高いことが望ましい。
【0051】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、コア部7がケース部21内部に形成されるため、コア部7が射出成型基板3aに対して回転することがない。すなわち、例えば図5(b)において、コア部7がコイルの円周方向に回転させる力が加わった際には、コア部7が射出成型基板(コイル)に対して回転する可能性があるが、ケース部21を形成することで、コア部7の回転の恐れがない。また、コア部7が、射出成型基板3a表面にはみ出すこともない。
【0052】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0053】
たとえば、コア部7の回転防止のためには、射出成型基板3のコイル部近傍表面に凹凸を設けてもよい。また、コア部7が射出成型基板から突出しないように、芯部6の内部のみに射出してもよい。さらに、コア部形成部の射出成型基板の厚さを薄くしておき、コア部形成後に、基板表面がフラットになるようにしてもよい。
【0054】
また、ケース部21は矩形のみならず、多角形や楕円その他種々の形状であってもよく、また、芯部6が完全に囲まれていなくても、コア部形成用の金型によってコア部形成範囲が規制されれば良い。
【符号の説明】
【0055】
1、20………基板
3、3a………射出成形基板
5………コイル
6………芯部
7………コア部
9………電子部品搭載部
11………接続端子
13………電子部品
15………回路導体
17a、17b、17c、17d、17e、17f………回路素材
21………ケース部
100………ドライバ回路
101………モータ制御回路
103………モータ
105………電源平滑部
107………スイッチング素子部
109………チョークコイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路導体の表面に対して基板形成樹脂が射出成型され、前記回路導体により形成されるコイル部を有する射出成型基板に対し、
前記コイル部の少なくとも芯部には、磁性フィラーを有するコア形成樹脂が射出されてコア部が形成されることを特徴とする基板。
【請求項2】
前記基板形成樹脂の溶融温度は、前記コア形成樹脂の溶融温度よりも高いことを特徴とする請求項1記載の基板。
【請求項3】
前記磁性フィラーは絶縁性であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板。
【請求項4】
前記射出成型基板の前記コイル部には、前記コイル部の芯部を囲むように基板形成樹脂によってケース部が設けられ、前記コア部形成樹脂が前記ケース部内に射出されてコア部が形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板。
【請求項5】
前記基板の一部には、外部と電気的に接続可能な接続端子が突出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板。
【請求項6】
前記基板には、スイッチング素子が設けられ、前記回路導体によって、モータ制御用の回路が形成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の基板。
【請求項7】
導体である回路素材を接合して、コイル部を有する回路導体を形成し、
前記回路導体の表面に対して基板形成樹脂を射出成型して、射出成型基板を成型し、
前記コイル部の少なくとも芯部に、磁性フィラーを有し、前記基板形成樹脂の溶融温度よりも溶融温度が低いコア形成樹脂を射出成型してコア部を形成することを特徴とする基板の製造方法。
【請求項8】
前記射出成型基板の前記コイル部には、前記コイル部を囲むようにケース部を設け、
前記コア形成樹脂を、前記ケース部内部に射出成型してコアを形成することを特徴とする請求項7記載の基板の製造方法。
【請求項9】
前記ケース部を、前記基板形成樹脂によって前記射出成型基板と一体で射出成型することを特徴とする請求項8記載の基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−228464(P2011−228464A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96610(P2010−96610)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】