壁面登攀装置
【課題】橋脚や建物等の垂直な壁面の近接点検を行う高所点検装置に用いられる壁面登攀装置を提供する。
【解決手段】壁面31に対し静電引力による吸着機能を発揮するメイン吸着覆帯2と、このメイン吸着覆帯2の走行方向の前後にそれぞれ連結棒3a,3bを介して連結される前側ガイド吸着覆帯2aと後側ガイド吸着覆帯2bとからなる。メイン吸着覆帯2には先端を斜め上に向けた前側片持梁棒7aと後側片持梁棒7bを設ける。また、この前側片持梁棒7aには前記メイン吸着覆帯2と前側ガイド吸着覆帯2aを壁面側に向けて付勢する弾発材8、8を装着し、また後側片持梁棒7bには前記メイン吸着覆帯2と後側ガイド吸着覆帯2bを壁面側に向けて付勢する弾発材8、8を装着する。
【解決手段】壁面31に対し静電引力による吸着機能を発揮するメイン吸着覆帯2と、このメイン吸着覆帯2の走行方向の前後にそれぞれ連結棒3a,3bを介して連結される前側ガイド吸着覆帯2aと後側ガイド吸着覆帯2bとからなる。メイン吸着覆帯2には先端を斜め上に向けた前側片持梁棒7aと後側片持梁棒7bを設ける。また、この前側片持梁棒7aには前記メイン吸着覆帯2と前側ガイド吸着覆帯2aを壁面側に向けて付勢する弾発材8、8を装着し、また後側片持梁棒7bには前記メイン吸着覆帯2と後側ガイド吸着覆帯2bを壁面側に向けて付勢する弾発材8、8を装着する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋脚や建物の垂直な壁面の近接点検を行う高所点検装置等に用いられる壁面登攀装置に関するものであり、更に言えば、壁面上に突起物があってもそれを乗り越えて移動することができる壁面登攀装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、道路や鉄道等の橋梁を支承する橋脚は、車両等の通過により加わる荷重や雨水や塩分による内部の鉄筋腐食、経時変化によるコンクリートの劣化あるいは施工不良等により損傷が発生し進展するため、定期的に点検・保守を行う必要がある。また、建物の壁面でも風雨や紫外線等による劣化や、施工不良に起因する損傷を把握するため、同様に点検・保守を行う必要がある。
従来から、この点検作業は原則として、検査員が梯子をかけたり、高所作業車を使って昇ってゆき直接、検査対象箇所に接近し目視検査や打音空洞検査等を行っているが、梯子をかけたり、高所作業車を据えたりできない橋脚があり検査ができないという問題があった。また、高所での点検作業は危険であるという問題もあった。
【0003】
そこで、特許文献1や特許文献2に示されるように、伸縮自在な棒状アーム材を利用して、その先端にカメラ等の点検装置を取り付け、地上からの遠隔操作によりカメラを移動させるとともに、得られた映像データを地上のモニターに送信するようにした点検装置が提案されている。また、特許文献3に示されるように、橋梁の下部にレールを設け、このレール上に沿いカメラを配した台車を地上からの無線により移動させるとともに、得られた映像を地上のモニターに送信するようにした点検装置も提案されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の従来技術においては、安定性や重量等の関係からアーム材の長さに制限があり高い場所の点検ができないという問題や、アーム材の支持台を設置するのに平地面が必要となり場所的な制限を受けやすいという問題があった。また、特許文献3に記載の従来技術においては、レールを設置した橋梁の下部の点検ができるのみで、橋脚の壁面は点検することができないという問題や、設備費が高くなるという問題があった。
【0005】
そこで、壁面登攀装置として、真空吸引式のものや磁石吸着式のものが提案されているが、真空吸引式の場合は滑らかで気密質な壁面にしか適用することができず、また磁石吸着式の場合は強磁性の壁面にしか適用することができないため、いずれもコンクリート製の橋脚等には適用できないものであった。
従って、コンクリート、木材、鋼、ガラス等のあらゆる材質の壁面にも適用することができ、また壁面上に突起物があってもそれを乗り越えて移動することができる壁面登攀装置の開発が待たれているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−77653号公報
【特許文献2】特開2002−131234号公報
【特許文献3】特開平8−128015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような問題点を解決して、コンクリート、木材、鋼、ガラス等のあらゆる材質の壁面も登攀することができ、また壁面上に突起物があってもそれを乗り越えて移動することができ、更には簡単な構造で製作コストも安価なものとできる壁面登攀装置を提供することを目的として完成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明の壁面登攀装置は、壁面に対し静電引力による吸着機能を発揮するメイン吸着覆帯と、このメイン吸着覆帯の走行方向の前後にそれぞれ連結棒を介して連結される前側ガイド吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯とからなり、メイン吸着覆帯には先端を斜め上に向けた前側片持梁棒と後側片持梁棒を設けるとともに、この前側片持梁棒には前記メイン吸着覆帯と前側ガイド吸着覆帯を壁面側に向けて付勢する弾発材を装着し、また後側片持梁棒には前記メイン吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯を壁面側に向けて付勢する弾発材を装着したことを特徴とするものである。
【0009】
メイン吸着覆帯に駆動輪が取り付けられ、前側ガイド吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯には転輪のみが取り付けられているものが好ましく、これを請求項2に係る発明とする。
【0010】
また、メイン吸着覆帯には、壁面の近接点検用の検査機器が搭載されているものが好ましく、これを請求項3に係る発明とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、壁面に対し静電引力による吸着機能を発揮するメイン吸着覆帯と前側ガイド吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯の3つの吸着覆帯からなり、メイン吸着覆帯には先端を斜め上に向けた前側片持梁棒と後側片持梁棒を設けるとともに、この前側片持梁棒には前記メイン吸着覆帯と前側ガイド吸着覆帯を壁面側に向けて付勢する弾発材を装着し、また後側片持梁棒には前記メイン吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯を壁面側に向けて付勢する弾発材を装着したので、前記3つの吸着覆帯は常時、壁面側に向けて付勢された状態となる。従って、突起物により壁面と離反して吸着力を失った吸着覆帯が落下するのを防止することができ、更には、突起物通過後は再び壁面に接触させて即座に吸着力を回復させることができる。
【0012】
請求項2に係る発明では、メイン吸着覆帯のみに駆動輪を取り付け、前側ガイド吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯には転輪のみを取り付けたので装置を簡単な構造とすることができ、また安価に製作できることとなる。
【0013】
請求項3に係る発明では、壁面の近接点検用の検査機器が搭載されているので、橋脚等の点検ロボットとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態を示す正面図である。
【図2】本発明の使用状態を示す概略の説明図である。
【図3】静電引力による吸着原理を示す説明図である。
【図4(a)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(b)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(c)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(d)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(e)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(f)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(g)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(h)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(i)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(j)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(k)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
本発明の壁面登攀装置は、例えば道路や鉄道等の橋梁を支承する橋脚等の点検を行う高所点検装置の点検ロボットに用いられるものであり、図2は、その使用状態の一例を示す概略の説明図である。図2において、1は橋脚等の壁面31を自在に登攀・下降する壁面登攀装置、1aはこの壁面登攀装置1を無線により遠隔操作する操作機器、1bはこの壁面登攀装置1から送信されたデータのデータ処理機器である。
なお、壁面登攀装置1が登攀・下降する壁面は水平地表面に対して90度の垂直面を対象としているが、45度以上の傾斜面であれば同様に登攀・下降の対象である。
【0016】
図1に示すように、本発明の壁面登攀装置1は、壁面31に対し静電引力による吸着機能を発揮するメイン吸着覆帯2と、このメイン吸着覆帯2の走行方向の前後にそれぞれ連結棒3a、3bを介して連結される前側ガイド吸着覆帯2aと後側ガイド吸着覆帯2bの3つの吸着覆帯から構成されている。
なお、図面では壁面31が水平に書かれているが、実際には90度の垂直面であり、左側が上部、右側が下部で重力は左から右に向けて作用している(以下、図4でも同じ)。
【0017】
また、図中において、32は高解像度カメラ、33は打音型内部空洞検査機や、電力供給装置(バッテリー)や、検査機器7で得られたデータを記録するメモリー、及びこのデータを送信する発信機や、地上からの操作信号を受信する受信機、またこれらの制御機器等も収納する収納ボックスである。
【0018】
前記メイン吸着覆帯2は、メイン枠体4に枢着した前後一対の車輪により支持されており、前側が駆動輪5、後側が転輪6で構成されている。また、前側ガイド吸着覆帯2aと後側ガイド吸着覆帯2bも、それぞれ前側ガイド枠体4a、後側ガイド枠体4bに枢着した前後一対の車輪により支持されており、前後ともに転輪6で構成されている。
なお、このメイン枠体4と前側ガイド枠体4aが連結棒3aを介して連結され、また、メイン枠体4と後側ガイド枠体4bが連結棒3bを介して連結されることにより3つの吸着覆帯が一列に連なった構造となっている。
【0019】
また、メイン吸着覆帯2には、基部がメイン枠体4に固定されており、先端を斜め上に向けた前側片持梁棒7aと後側片持梁棒7bを設けられている。この前側片持梁棒7aの中間部と先端部には、前記メイン吸着覆帯2の前方部と前側ガイド吸着覆帯2aの中央部を壁面側に向けて付勢する弾発材8、8が装着されている。また同様に、後側片持梁棒7bの中間部と先端部にも、前記メイン吸着覆帯2の後方部と後側ガイド吸着覆帯2bの中央部を壁面側に向けて付勢する弾発材8、8が装着されている。
これにより、後述するように、3つの吸着覆帯が常時、壁面側に向けて付勢された状態となり、移動中に吸着覆帯が突起物によって壁面との接触を失ったとしても、弾発力で吸着覆帯を再び壁面に接触させ吸着力を回復させることができる。
前記弾発材8として、図示のものではコイルバネを用いているが、その他、トーッションバネや弾力を有する樹脂部材等でもよい。
【0020】
本発明でいう静電引力とは、従来の真空吸引や磁石吸着とは全く異なり、吸着覆帯と壁面との間に作り出した静電気の引力をいい、本発明ではこの静電引力を利用して両者を吸着させるという新しい発想を用いた吸着技術である。
【0021】
前記吸着覆帯は、弾性絶縁材に炭素を混入した柔らかな表面を壁面との当接面としており、この吸着覆帯に電圧を印加してこの表面と壁面の表面との間に静電引力を作り出すよう構成したものとすることができる。
弾性絶縁材を使うのは、種々の粗さの壁面に対して良好な粘着力を発現させるために優れた形状追随性を得るためである。弾性絶縁材として例えばシリコンゴムのようなゴム材やエラストマーを用いることができる。
【0022】
図3に、この吸着機構の静電引力による吸着原理の概略を示す。
図において、30は壁面31に接する吸着覆帯であり、弾性絶縁材であるリコンゴムからなる。端部にはアースが取り付けられており、また背面側には保持用の背面板30aが装着されている。
この吸着覆帯30に高電圧を付加すると、内部の物質が励起されて電荷を帯びた状態となる。なお、高電圧(1〜15KV)を付加するといっても、必要とする電流は10〜20ナノアンペア(横力1ニュートン当り)と微小であるため、電力供給装置としては1.5ボルトの電池で十分である。一方、これに伴って壁材内部表面も誘電されて電荷を帯びた状態となり、吸着界面を挟んで吸着覆帯30の内部物質の+−電荷と壁材31の内部表面の+−電荷とが互いに引き合って強力な吸着力を発揮することとなる。
なお、吸着覆帯30として弾性絶縁材を使うので、壁面31の外形状に沿って密着した状態となり、表面全体にわたり電極(+−電位)を近接させた状態に維持することができ、強力な吸着力を発揮する。また、吸着作用を電気的に制御するため、吸着と非吸着の交代を10〜50ミリ秒の短時間の反応で行うことができる。
【0023】
前記メイン吸着覆帯2は、駆動輪5により回動され垂直な壁面31に密着した状態で壁面上を上方向あるいは下方向に自在に移動する。これに追従して、前側ガイド吸着覆帯2aと後側ガイド吸着覆帯2bも一体となって移動する。そして、駆動輪5を回動させつつ吸着覆帯の吸着と非吸着とを短時間で切り替えることにより、落下させずに自由に移動することができる。
なお、移動方式としては無限軌道方式の吸着覆帯の他、タイヤによる移動方式や疑似生物方式の移動方式も適用可能である。
【0024】
次に、壁面上に突起物がある場合、本発明の壁面登攀装置が落下せずにその突起物を乗り越えて移動する手順につき説明する。
図4(a)において、壁面登攀装置は垂直な壁面31を登攀中である。この時、メイン吸着覆帯2、前側ガイド吸着覆帯2a、後側ガイド吸着覆帯2bの3つの吸着覆帯は壁面31に密着状態にあって大きな吸着力を発揮している。Tは進行方向の前方に突起物である。
【0025】
図4(b)〜(c)は、前側ガイド吸着覆帯2aが突起物Tを乗り越えて進行する状態を示している。この時、前側ガイド吸着覆帯2aは突起物Tに乗り上げられて壁面31と離反し大きく吸着力を喪失するが、メイン吸着覆帯2および後側ガイド吸着覆帯2bがしっかりと壁面31に吸着しているので、壁面登攀装置全体としては吸着状態を維持している。
なお、吸着力を喪失した前側ガイド吸着覆帯2aは壁面31から離れて落下する方向に動こうとするが、前側片持梁棒7aの先端部の弾発材8により壁面側に向けて付勢されているので、落下することはない。
【0026】
図4(d)は、前側ガイド吸着覆帯2aが突起物Tを完全に乗り越えた状態を示している。この時、前側ガイド吸着覆帯2aは前側片持梁棒7aの先端部の弾発材8により付勢されて壁面31に再び密着し、大きな吸着力を発揮することとなる。
【0027】
図4(e)〜(g)は、メイン吸着覆帯2が突起物Tを乗り越えて進行する状態を示している。この時、メイン吸着覆帯2は突起物Tに乗り上げられて壁面31と離反し大きく吸着力を喪失するが、前側ガイド吸着覆帯2aおよび後側ガイド吸着覆帯2bがしっかりと壁面31に吸着しているので、壁面登攀装置全体としては吸着状態を維持している。
なお、吸着力を喪失したメイン吸着覆帯2は壁面31から離れて落下する方向に動こうとするが、前側片持梁棒7aの中間部、及び後側片持梁棒7bの中間部の弾発材8、8により壁面側に向けて付勢されているので、落下することはない。
【0028】
図4(h)は、メイン吸着覆帯2が突起物Tを完全に乗り越えた状態を示しているが、メイン吸着覆帯2は前側片持梁棒7a、後側片持梁棒7bの中間部の弾発材8、8により付勢されて壁面31に再び密着し、大きな吸着力を発揮する。
【0029】
図4(i)〜(j)は、後側ガイド吸着覆帯2bが突起物Tを乗り越えて進行する状態を示している。この時、後側ガイド吸着覆帯2bは突起物Tに乗り上げられて壁面31と離反し大きく吸着力を喪失するが、前側ガイド吸着覆帯2aおよびメイン吸着覆帯2がしっかりと壁面31に吸着しているので、壁面登攀装置全体としては吸着状態を維持している。
なお、吸着力を喪失した後側ガイド吸着覆帯2bは壁面31から離れて落下する方向に動こうとするが、前側片持梁棒7bの先端部の弾発材8により壁面側に向けて付勢されているので、落下することはない。
【0030】
図4(k)は、後側ガイド吸着覆帯2bが突起物Tを完全に乗り越えた状態を示しているが、後側ガイド吸着覆帯2bは前側片持梁棒7bの先端部の弾発材8により付勢されて壁面31に再び密着し、大きな吸着力を発揮する。
以下、登攀、下降のいずれであっても進路内に突起物があった場合、前述した移動手順と同様の動作を繰り返すことで、確実に乗り越えることができる。
【0031】
以上のように、本発明の壁面登攀装置では、静電引力による新たな方式のメイン吸着覆帯2と、その走行方向の前後に連結される前側ガイド吸着覆帯2aと後側ガイド吸着覆帯2bの3つの吸着覆帯からなるものとし、更に、それぞれの吸着覆帯に壁面側に向けて付勢する弾発材8を設けた構造としたので、コンクリート、木材、鋼、ガラス等のあらゆる材質であっても確実に吸着することができることとなる。また、壁面上に突起物があってもそれを乗り越えて移動することができ、更には簡単な構造で製作コストも安価なものとできるという利点もある。
【符号の説明】
【0032】
1 壁面登攀装置
1a 操作機器
1b データ処理機器
2 メイン吸着覆帯
2a 前側ガイド吸着覆帯
2b 後側ガイド吸着覆帯
3a 連結棒
3b 連結棒
4 メイン枠体
4a 前側ガイド枠体
4b 後側ガイド枠体
5 駆動輪
6 転輪
7a 前側片持梁棒
7b 後側片持梁棒
8 弾発材
30 吸着覆帯
30a 背面板
31 壁面
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋脚や建物の垂直な壁面の近接点検を行う高所点検装置等に用いられる壁面登攀装置に関するものであり、更に言えば、壁面上に突起物があってもそれを乗り越えて移動することができる壁面登攀装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、道路や鉄道等の橋梁を支承する橋脚は、車両等の通過により加わる荷重や雨水や塩分による内部の鉄筋腐食、経時変化によるコンクリートの劣化あるいは施工不良等により損傷が発生し進展するため、定期的に点検・保守を行う必要がある。また、建物の壁面でも風雨や紫外線等による劣化や、施工不良に起因する損傷を把握するため、同様に点検・保守を行う必要がある。
従来から、この点検作業は原則として、検査員が梯子をかけたり、高所作業車を使って昇ってゆき直接、検査対象箇所に接近し目視検査や打音空洞検査等を行っているが、梯子をかけたり、高所作業車を据えたりできない橋脚があり検査ができないという問題があった。また、高所での点検作業は危険であるという問題もあった。
【0003】
そこで、特許文献1や特許文献2に示されるように、伸縮自在な棒状アーム材を利用して、その先端にカメラ等の点検装置を取り付け、地上からの遠隔操作によりカメラを移動させるとともに、得られた映像データを地上のモニターに送信するようにした点検装置が提案されている。また、特許文献3に示されるように、橋梁の下部にレールを設け、このレール上に沿いカメラを配した台車を地上からの無線により移動させるとともに、得られた映像を地上のモニターに送信するようにした点検装置も提案されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の従来技術においては、安定性や重量等の関係からアーム材の長さに制限があり高い場所の点検ができないという問題や、アーム材の支持台を設置するのに平地面が必要となり場所的な制限を受けやすいという問題があった。また、特許文献3に記載の従来技術においては、レールを設置した橋梁の下部の点検ができるのみで、橋脚の壁面は点検することができないという問題や、設備費が高くなるという問題があった。
【0005】
そこで、壁面登攀装置として、真空吸引式のものや磁石吸着式のものが提案されているが、真空吸引式の場合は滑らかで気密質な壁面にしか適用することができず、また磁石吸着式の場合は強磁性の壁面にしか適用することができないため、いずれもコンクリート製の橋脚等には適用できないものであった。
従って、コンクリート、木材、鋼、ガラス等のあらゆる材質の壁面にも適用することができ、また壁面上に突起物があってもそれを乗り越えて移動することができる壁面登攀装置の開発が待たれているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−77653号公報
【特許文献2】特開2002−131234号公報
【特許文献3】特開平8−128015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような問題点を解決して、コンクリート、木材、鋼、ガラス等のあらゆる材質の壁面も登攀することができ、また壁面上に突起物があってもそれを乗り越えて移動することができ、更には簡単な構造で製作コストも安価なものとできる壁面登攀装置を提供することを目的として完成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明の壁面登攀装置は、壁面に対し静電引力による吸着機能を発揮するメイン吸着覆帯と、このメイン吸着覆帯の走行方向の前後にそれぞれ連結棒を介して連結される前側ガイド吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯とからなり、メイン吸着覆帯には先端を斜め上に向けた前側片持梁棒と後側片持梁棒を設けるとともに、この前側片持梁棒には前記メイン吸着覆帯と前側ガイド吸着覆帯を壁面側に向けて付勢する弾発材を装着し、また後側片持梁棒には前記メイン吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯を壁面側に向けて付勢する弾発材を装着したことを特徴とするものである。
【0009】
メイン吸着覆帯に駆動輪が取り付けられ、前側ガイド吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯には転輪のみが取り付けられているものが好ましく、これを請求項2に係る発明とする。
【0010】
また、メイン吸着覆帯には、壁面の近接点検用の検査機器が搭載されているものが好ましく、これを請求項3に係る発明とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、壁面に対し静電引力による吸着機能を発揮するメイン吸着覆帯と前側ガイド吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯の3つの吸着覆帯からなり、メイン吸着覆帯には先端を斜め上に向けた前側片持梁棒と後側片持梁棒を設けるとともに、この前側片持梁棒には前記メイン吸着覆帯と前側ガイド吸着覆帯を壁面側に向けて付勢する弾発材を装着し、また後側片持梁棒には前記メイン吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯を壁面側に向けて付勢する弾発材を装着したので、前記3つの吸着覆帯は常時、壁面側に向けて付勢された状態となる。従って、突起物により壁面と離反して吸着力を失った吸着覆帯が落下するのを防止することができ、更には、突起物通過後は再び壁面に接触させて即座に吸着力を回復させることができる。
【0012】
請求項2に係る発明では、メイン吸着覆帯のみに駆動輪を取り付け、前側ガイド吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯には転輪のみを取り付けたので装置を簡単な構造とすることができ、また安価に製作できることとなる。
【0013】
請求項3に係る発明では、壁面の近接点検用の検査機器が搭載されているので、橋脚等の点検ロボットとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態を示す正面図である。
【図2】本発明の使用状態を示す概略の説明図である。
【図3】静電引力による吸着原理を示す説明図である。
【図4(a)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(b)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(c)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(d)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(e)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(f)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(g)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(h)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(i)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(j)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【図4(k)】本発明の移動状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
本発明の壁面登攀装置は、例えば道路や鉄道等の橋梁を支承する橋脚等の点検を行う高所点検装置の点検ロボットに用いられるものであり、図2は、その使用状態の一例を示す概略の説明図である。図2において、1は橋脚等の壁面31を自在に登攀・下降する壁面登攀装置、1aはこの壁面登攀装置1を無線により遠隔操作する操作機器、1bはこの壁面登攀装置1から送信されたデータのデータ処理機器である。
なお、壁面登攀装置1が登攀・下降する壁面は水平地表面に対して90度の垂直面を対象としているが、45度以上の傾斜面であれば同様に登攀・下降の対象である。
【0016】
図1に示すように、本発明の壁面登攀装置1は、壁面31に対し静電引力による吸着機能を発揮するメイン吸着覆帯2と、このメイン吸着覆帯2の走行方向の前後にそれぞれ連結棒3a、3bを介して連結される前側ガイド吸着覆帯2aと後側ガイド吸着覆帯2bの3つの吸着覆帯から構成されている。
なお、図面では壁面31が水平に書かれているが、実際には90度の垂直面であり、左側が上部、右側が下部で重力は左から右に向けて作用している(以下、図4でも同じ)。
【0017】
また、図中において、32は高解像度カメラ、33は打音型内部空洞検査機や、電力供給装置(バッテリー)や、検査機器7で得られたデータを記録するメモリー、及びこのデータを送信する発信機や、地上からの操作信号を受信する受信機、またこれらの制御機器等も収納する収納ボックスである。
【0018】
前記メイン吸着覆帯2は、メイン枠体4に枢着した前後一対の車輪により支持されており、前側が駆動輪5、後側が転輪6で構成されている。また、前側ガイド吸着覆帯2aと後側ガイド吸着覆帯2bも、それぞれ前側ガイド枠体4a、後側ガイド枠体4bに枢着した前後一対の車輪により支持されており、前後ともに転輪6で構成されている。
なお、このメイン枠体4と前側ガイド枠体4aが連結棒3aを介して連結され、また、メイン枠体4と後側ガイド枠体4bが連結棒3bを介して連結されることにより3つの吸着覆帯が一列に連なった構造となっている。
【0019】
また、メイン吸着覆帯2には、基部がメイン枠体4に固定されており、先端を斜め上に向けた前側片持梁棒7aと後側片持梁棒7bを設けられている。この前側片持梁棒7aの中間部と先端部には、前記メイン吸着覆帯2の前方部と前側ガイド吸着覆帯2aの中央部を壁面側に向けて付勢する弾発材8、8が装着されている。また同様に、後側片持梁棒7bの中間部と先端部にも、前記メイン吸着覆帯2の後方部と後側ガイド吸着覆帯2bの中央部を壁面側に向けて付勢する弾発材8、8が装着されている。
これにより、後述するように、3つの吸着覆帯が常時、壁面側に向けて付勢された状態となり、移動中に吸着覆帯が突起物によって壁面との接触を失ったとしても、弾発力で吸着覆帯を再び壁面に接触させ吸着力を回復させることができる。
前記弾発材8として、図示のものではコイルバネを用いているが、その他、トーッションバネや弾力を有する樹脂部材等でもよい。
【0020】
本発明でいう静電引力とは、従来の真空吸引や磁石吸着とは全く異なり、吸着覆帯と壁面との間に作り出した静電気の引力をいい、本発明ではこの静電引力を利用して両者を吸着させるという新しい発想を用いた吸着技術である。
【0021】
前記吸着覆帯は、弾性絶縁材に炭素を混入した柔らかな表面を壁面との当接面としており、この吸着覆帯に電圧を印加してこの表面と壁面の表面との間に静電引力を作り出すよう構成したものとすることができる。
弾性絶縁材を使うのは、種々の粗さの壁面に対して良好な粘着力を発現させるために優れた形状追随性を得るためである。弾性絶縁材として例えばシリコンゴムのようなゴム材やエラストマーを用いることができる。
【0022】
図3に、この吸着機構の静電引力による吸着原理の概略を示す。
図において、30は壁面31に接する吸着覆帯であり、弾性絶縁材であるリコンゴムからなる。端部にはアースが取り付けられており、また背面側には保持用の背面板30aが装着されている。
この吸着覆帯30に高電圧を付加すると、内部の物質が励起されて電荷を帯びた状態となる。なお、高電圧(1〜15KV)を付加するといっても、必要とする電流は10〜20ナノアンペア(横力1ニュートン当り)と微小であるため、電力供給装置としては1.5ボルトの電池で十分である。一方、これに伴って壁材内部表面も誘電されて電荷を帯びた状態となり、吸着界面を挟んで吸着覆帯30の内部物質の+−電荷と壁材31の内部表面の+−電荷とが互いに引き合って強力な吸着力を発揮することとなる。
なお、吸着覆帯30として弾性絶縁材を使うので、壁面31の外形状に沿って密着した状態となり、表面全体にわたり電極(+−電位)を近接させた状態に維持することができ、強力な吸着力を発揮する。また、吸着作用を電気的に制御するため、吸着と非吸着の交代を10〜50ミリ秒の短時間の反応で行うことができる。
【0023】
前記メイン吸着覆帯2は、駆動輪5により回動され垂直な壁面31に密着した状態で壁面上を上方向あるいは下方向に自在に移動する。これに追従して、前側ガイド吸着覆帯2aと後側ガイド吸着覆帯2bも一体となって移動する。そして、駆動輪5を回動させつつ吸着覆帯の吸着と非吸着とを短時間で切り替えることにより、落下させずに自由に移動することができる。
なお、移動方式としては無限軌道方式の吸着覆帯の他、タイヤによる移動方式や疑似生物方式の移動方式も適用可能である。
【0024】
次に、壁面上に突起物がある場合、本発明の壁面登攀装置が落下せずにその突起物を乗り越えて移動する手順につき説明する。
図4(a)において、壁面登攀装置は垂直な壁面31を登攀中である。この時、メイン吸着覆帯2、前側ガイド吸着覆帯2a、後側ガイド吸着覆帯2bの3つの吸着覆帯は壁面31に密着状態にあって大きな吸着力を発揮している。Tは進行方向の前方に突起物である。
【0025】
図4(b)〜(c)は、前側ガイド吸着覆帯2aが突起物Tを乗り越えて進行する状態を示している。この時、前側ガイド吸着覆帯2aは突起物Tに乗り上げられて壁面31と離反し大きく吸着力を喪失するが、メイン吸着覆帯2および後側ガイド吸着覆帯2bがしっかりと壁面31に吸着しているので、壁面登攀装置全体としては吸着状態を維持している。
なお、吸着力を喪失した前側ガイド吸着覆帯2aは壁面31から離れて落下する方向に動こうとするが、前側片持梁棒7aの先端部の弾発材8により壁面側に向けて付勢されているので、落下することはない。
【0026】
図4(d)は、前側ガイド吸着覆帯2aが突起物Tを完全に乗り越えた状態を示している。この時、前側ガイド吸着覆帯2aは前側片持梁棒7aの先端部の弾発材8により付勢されて壁面31に再び密着し、大きな吸着力を発揮することとなる。
【0027】
図4(e)〜(g)は、メイン吸着覆帯2が突起物Tを乗り越えて進行する状態を示している。この時、メイン吸着覆帯2は突起物Tに乗り上げられて壁面31と離反し大きく吸着力を喪失するが、前側ガイド吸着覆帯2aおよび後側ガイド吸着覆帯2bがしっかりと壁面31に吸着しているので、壁面登攀装置全体としては吸着状態を維持している。
なお、吸着力を喪失したメイン吸着覆帯2は壁面31から離れて落下する方向に動こうとするが、前側片持梁棒7aの中間部、及び後側片持梁棒7bの中間部の弾発材8、8により壁面側に向けて付勢されているので、落下することはない。
【0028】
図4(h)は、メイン吸着覆帯2が突起物Tを完全に乗り越えた状態を示しているが、メイン吸着覆帯2は前側片持梁棒7a、後側片持梁棒7bの中間部の弾発材8、8により付勢されて壁面31に再び密着し、大きな吸着力を発揮する。
【0029】
図4(i)〜(j)は、後側ガイド吸着覆帯2bが突起物Tを乗り越えて進行する状態を示している。この時、後側ガイド吸着覆帯2bは突起物Tに乗り上げられて壁面31と離反し大きく吸着力を喪失するが、前側ガイド吸着覆帯2aおよびメイン吸着覆帯2がしっかりと壁面31に吸着しているので、壁面登攀装置全体としては吸着状態を維持している。
なお、吸着力を喪失した後側ガイド吸着覆帯2bは壁面31から離れて落下する方向に動こうとするが、前側片持梁棒7bの先端部の弾発材8により壁面側に向けて付勢されているので、落下することはない。
【0030】
図4(k)は、後側ガイド吸着覆帯2bが突起物Tを完全に乗り越えた状態を示しているが、後側ガイド吸着覆帯2bは前側片持梁棒7bの先端部の弾発材8により付勢されて壁面31に再び密着し、大きな吸着力を発揮する。
以下、登攀、下降のいずれであっても進路内に突起物があった場合、前述した移動手順と同様の動作を繰り返すことで、確実に乗り越えることができる。
【0031】
以上のように、本発明の壁面登攀装置では、静電引力による新たな方式のメイン吸着覆帯2と、その走行方向の前後に連結される前側ガイド吸着覆帯2aと後側ガイド吸着覆帯2bの3つの吸着覆帯からなるものとし、更に、それぞれの吸着覆帯に壁面側に向けて付勢する弾発材8を設けた構造としたので、コンクリート、木材、鋼、ガラス等のあらゆる材質であっても確実に吸着することができることとなる。また、壁面上に突起物があってもそれを乗り越えて移動することができ、更には簡単な構造で製作コストも安価なものとできるという利点もある。
【符号の説明】
【0032】
1 壁面登攀装置
1a 操作機器
1b データ処理機器
2 メイン吸着覆帯
2a 前側ガイド吸着覆帯
2b 後側ガイド吸着覆帯
3a 連結棒
3b 連結棒
4 メイン枠体
4a 前側ガイド枠体
4b 後側ガイド枠体
5 駆動輪
6 転輪
7a 前側片持梁棒
7b 後側片持梁棒
8 弾発材
30 吸着覆帯
30a 背面板
31 壁面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に対し静電引力による吸着機能を発揮するメイン吸着覆帯と、このメイン吸着覆帯の走行方向の前後にそれぞれ連結棒を介して連結される前側ガイド吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯とからなり、メイン吸着覆帯には先端を斜め上に向けた前側片持梁棒と後側片持梁棒を設けるとともに、この前側片持梁棒には前記メイン吸着覆帯と前側ガイド吸着覆帯を壁面側に向けて付勢する弾発材を装着し、また後側片持梁棒には前記メイン吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯を壁面側に向けて付勢する弾発材を装着したことを特徴とする壁面登攀装置。
【請求項2】
メイン吸着覆帯に駆動輪が取り付けられ、前側ガイド吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯には転輪のみが取り付けられている請求項1に記載の壁面登攀装置。
【請求項3】
メイン吸着覆帯には、壁面の近接点検用の検査機器が搭載されている請求項1または2に記載の壁面登攀装置。
【請求項1】
壁面に対し静電引力による吸着機能を発揮するメイン吸着覆帯と、このメイン吸着覆帯の走行方向の前後にそれぞれ連結棒を介して連結される前側ガイド吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯とからなり、メイン吸着覆帯には先端を斜め上に向けた前側片持梁棒と後側片持梁棒を設けるとともに、この前側片持梁棒には前記メイン吸着覆帯と前側ガイド吸着覆帯を壁面側に向けて付勢する弾発材を装着し、また後側片持梁棒には前記メイン吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯を壁面側に向けて付勢する弾発材を装着したことを特徴とする壁面登攀装置。
【請求項2】
メイン吸着覆帯に駆動輪が取り付けられ、前側ガイド吸着覆帯と後側ガイド吸着覆帯には転輪のみが取り付けられている請求項1に記載の壁面登攀装置。
【請求項3】
メイン吸着覆帯には、壁面の近接点検用の検査機器が搭載されている請求項1または2に記載の壁面登攀装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図4(d)】
【図4(e)】
【図4(f)】
【図4(g)】
【図4(h)】
【図4(i)】
【図4(j)】
【図4(k)】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図4(d)】
【図4(e)】
【図4(f)】
【図4(g)】
【図4(h)】
【図4(i)】
【図4(j)】
【図4(k)】
【公開番号】特開2012−82629(P2012−82629A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230264(P2010−230264)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(391007460)中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社 (47)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(391007460)中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社 (47)
【Fターム(参考)】
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