説明

外因性ビタミンK2を含む炎症調節用栄養組成物

栄養組成物並びに該栄養組成物を調製及び使用する方法が提供される。一般的な実施形態において、本開示は、外因性ビタミンK2を含む栄養組成物を提供する。該栄養組成物は、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される追加成分をさらに含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[0001]本出願は、2009年9月14日出願の米国特許仮出願第61/242087号(代理人整理番号10358−US−P1)、2009年10月12日出願の米国特許仮出願第61/250847号(代理人整理番号10358−US−P2)、2010年5月25日出願の米国特許仮出願第61/347945号(代理人整理番号10358−US−P3)及び2010年8月9日出願の米国特許仮出願第61/371846号(代理人整理番号10358−US−P4)の優先権を主張するものであり、本出願と共に出願された「外因性ビタミンK2を含む栄養組成物」というタイトルの出願の同時係属出願である。
【背景】
【0002】
[0002]本開示は、概して健康及び栄養に関する。より詳細には、本開示は、外因性ビタミンKを含む栄養組成物並びに該栄養組成物を調製及び使用する方法に関する。
【0003】
[0003]現在、多くの種類の栄養組成物が市場に出回っている。栄養組成物は、栄養組成物の特定の成分に基づいて、ある種の消費者の種類、例えば若者、高齢者、運動競技者などを対象とすることができる。栄養組成物は、栄養組成物が治療又は改善することを意図するある種の生理的状態に基づいて配合することもできる。
【0004】
[0004]栄養補給の1つの目標は、骨の密度及び強度を増大させ、かつ骨折の危険率を低減することによって、骨の健康を改善することである。正常な成長及び発達の間に子供の骨密度が急速に変化するため、又は基礎疾患のため、子供は、骨の健康指標を改善し、骨成長及び骨質を改善する栄養組成物を必要とすることがある。
【概要】
【0005】
[0005]外因性ビタミンK2を有する栄養組成物並びに該栄養組成物を調製及び使用する方法が提供される。一般的な実施形態において、本開示は、外因性K2を含む栄養組成物を提供する。該栄養組成物は、完全栄養でも、経口栄養補助剤として(不完全栄養)でもよい。該栄養組成物は、人間又は動物などの任意の哺乳動物用に設計された配合物中にあってもよい。該栄養組成物中の活性成分を、モジュール製品として提供することもできる。モジュール製品は、少なくとも1種の特定の栄養素を補助剤として送達する方法として定義することができ、唯一の栄養摂取源のために使用されることは意図されていない。
【0006】
[0006]一実施形態において、該栄養組成物は、少なくとも1種のプレバイオティクス(prebiotic)をさらに含む。プレバイオティクスは、フラクトオリゴ糖、イヌリン、ラクツロース、ガラクトオリゴ糖、アラビアゴム、大豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、乳果オリゴ糖、グルコオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖、グアーガム、部分加水分解グアーガム、糖アルコール、αグルカン、βグルカン、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0007】
[0007]一実施形態において、該栄養組成物は、少なくとも1種のプロバイオティクス(probiotic)をさらに含む。プロバイオティクスは、サッカロミセス属(Saccharomyces)、デバロマイセス属(Debaromyces)、カンジダ属(Candida)、ピキア属(Pichia)、トルロプシス属(Torulopsis)、アスペルギルス属(Aspergillus)、クモノスカビ属(Rhizopus)、ケカビ属(Mucor)、アオカビ属(Penicillium)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、バクテロイデス属(Bacteroides)、クロストリジウム属(Clostridium)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、メリソコッカス属(Melissococcus)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ペプトストレポコッカス属(Peptostrepococcus)、バチルス属(Bacillus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ミクロコッカス属(Micrococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ワイセラ属(Weissella)、アエロコッカス属(Aerococcus)、オエノコッカス属(Oenococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0008】
[0008]別の実施形態において、該栄養組成物は、少なくとも1種のアミノ酸をさらに含む。アミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シトルリン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシセリン、ヒドロキシチロシン、ヒドロキシリシン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、HICA(α−ヒドロキシイソカプロン酸)、HIVA(α−ヒドロキシイソ吉草酸)、HIMVA(α−ヒドロキシメチル吉草酸)、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0009】
[0009]一実施形態において、該栄養組成物は、少なくとも1種のタンパク質をさらに含む。
【0010】
[0010]一実施形態において、該栄養組成物は、少なくとも1種のヌクレオチドをさらに含む。
【0011】
[0011]一実施形態において、該栄養組成物は、少なくとも1種の、シンバイオティクス(synbiotics)、魚油、非海産性ω3脂肪酸を含有する食物脂肪源、植物栄養素、及び/又は抗酸化剤をさらに含む。該抗酸化剤は、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、カロテノイド、セレン、フラボノイド、ラクトウルフベリー(Lactowolfberry)、ゴジ(枸杞)、ポリフェノール、リコペン、ルテイン、リグナン、補酵素Q10(「CoQ10」)、ヘスペリジン及びグルタチオンであってもよい。
【0012】
[0012]一実施形態において、該栄養組成物は、医薬製剤、栄養製剤、経管栄養製剤、栄養補助食品、機能性食品、飲料製品、又はこれらの組み合わせなどの投与可能な形態である。
【0013】
[0013]別の実施形態では、本開示は、栄養組成物を調製する方法を提供する。該方法は、外因性ビタミンKと、リン、マグネシウム、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分とを、栄養組成物に添加するステップを含む。
【0014】
[0014]別の実施形態において、本開示は、栄養組成物を調製する方法を提供する。該方法は、外因性ビタミンKと、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分とを、栄養組成物に添加するステップを含む。
【0015】
[0015]さらに別の実施形態において、本開示は、小児患者において骨の健康(すなわち、成長、石灰化(mineralization)、微細構造、骨有機基質成分、密度、弾力性及び強度)を改善する方法を提供する。該方法は、それを必要とする子供に、有効量の外因性ビタミンKを含む栄養組成物を投与するステップを含む。該栄養組成物は、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分をさらに含むことができる。
【0016】
[0016]さらに別の実施形態において、本開示は、基礎疾患を有する小児患者において骨成長及び骨質を改善する方法を提供する。該方法は、基礎疾患を有する小児患者に、有効量の外因性ビタミンKを含む栄養組成物を投与するステップを含む。
【0017】
[0017]別の実施形態において、本開示は、小児患者において骨折の危険性を低減する方法を提供する。該方法は、骨折の危険性がある小児患者に、有効量の外因性ビタミンKを含む栄養組成物を投与するステップを含む。
【0018】
[0018]別の実施形態において、本開示は、骨格筋の健康(すなわち、代謝機能、除脂肪体重及び運動性)を改善するための方法を提供する。該方法は、骨格筋の健康の改善によって利益を得ることができる患者に、有効量の外因性ビタミンKを含む栄養組成物を投与するステップを含む。
【0019】
[0019]本開示の利点は、外因性ビタミンKを有する改善された栄養組成物を提供することである。
【0020】
[0020]本開示の別の利点は、改善された栄養組成物を調製する方法を提供することである。
【0021】
[0021]本開示のまた別の利点は、骨の健康を改善する栄養組成物を提供することである。
【0022】
[0022]本開示の別の利点は、基礎疾患を有する患者において骨成長及び骨質を改善する栄養組成物を提供することである。
【0023】
[0023]本開示のさらに別の利点は、骨折の危険性を最小限にする栄養組成物を提供することである。
【0024】
[0024]さらなる特徴及び利点は本明細書に記載されており、以下の詳細な説明から明らかになろう。
【詳細な説明】
【0025】
[0025]骨の健康の維持は運動性に必須であり、骨基質は必要不可欠な無機物の重要な貯蔵所である。平均すると、女性では18才、男性では20才までに、最大骨量の90パーセントが得られる。そのため、こうした年齢以前の子供の正常な成長及び発達の期間中に、適正な骨の健康、骨成長及び骨質を改善することが重要である。骨量増加速度が青年期に速まることを考えると、必須栄養素を与えることで骨形成プロセスが最適に機能することが確実となる。さらに、この極めて重要な期間に骨塩密度を改善することができないと、骨強度及び骨組織微細構造の減少を招き、それにより当該小児集団の脆弱性骨折の発症を誘発するおそれがある。
【0026】
[0026]小児期には、骨の内側で吸収(骨を破壊するプロセス)が起こる一方で骨の外側(骨膜)表面で新生骨の形成が起こるので、骨が成長する。思春期には、外側及び内側(骨内膜)表面の両方で形成が起こり得るので、骨が太くなる。このリモデリングプロセスは一生を通して起こり、骨がその最大量に達する頃(典型的には20代前半まで)には主要なプロセスとなる。リモデリングでは、骨梁の表面上の又は皮質の内側にある少量の骨が除去され、次いで同じ部位で入れ替わる。リモデリングプロセスは骨の形状を変化させないが、それでも骨の健康に不可欠である。モデリング及びリモデリングは一生を通して続くので、成人の骨格の大部分は約10年毎に入れ替わる。リモデリングが成人早期までに優勢となるが、モデリングは、特に骨の弱化に応じて引き続き起こり得る。
【0027】
[0027]カルシウム及びビタミンDが骨の無機基質の発達のための重要な栄養素である一方で、骨の有機基質の正常な発達のためには幾つかの栄養素が必要である。詳細には、適切なビタミンKと、亜鉛、銅、鉄などの微量無機物の栄養状態が、オステオカルシン、オステオポンチンなどの非コラーゲン性タンパク質の正常な代謝に必要とされる。こうした栄養素を、急速に成長する間に与えると、人生の後年での骨軟化症及び骨粗鬆症を防ぐことができる。これにより、生活の質が向上し、また股関節骨折に関係する医療費の節約にもなろう。
【0028】
[0028]ビタミンKは、共通の化学的な環構造(ナプトキノン(napthoquinone))を有する、脂溶性で疎水性の一群の必須ビタミンを意味する。ビタミンKの最も重要な2種の型は、ビタミンK、すなわちフィロキノン又はフィトメナジオンとして知られる単一の化合物、及びビタミンK、すなわちメナキノン又はメナテトレノンとして知られる一連のビタマーである。合成型のビタミンKも幾つかあり、例えばビタミンK、K、Kが挙げられる。
【0029】
[0029]ビタミンKは、通常の食事におけるビタミンKの主要な型であり、例えばある種の植物油を含むアブラナ及びダイズなどの植物により合成され、また、ホウレンソウ、フダンソウ、ブロッコリ、キャベツ、カリフラワー、ケール、芽キャベツなどの緑色葉野菜に存在する。
【0030】
[0030]ビタミンKは、メナキノン(「MK」)と呼ばれ、様々な数の不飽和イソプレノイド残基からなる側鎖を有し、一般にMK−n(nはイソプレノイドの数を明記する)として表される、一群の化合物である。最も一般的なMKは、MK−4及びMK−7である。MK−4は典型的には動物の臓器及び筋肉により合成され、一方MK−7は典型的には細菌により発酵中に合成される。したがって、MK−7は、チーズ、凝乳チーズ及び納豆(発酵大豆)を含めた、発酵製品に特に豊富であり、ビタミンKと比べると特に長い半減期を有する。
【0031】
[0031]米国における1〜18才の子供のビタミンK推定平均必要量は、成人のビタミンK摂取量の中央値に基づいている。こうしたレベルは、オステオカルシンなどの他のビタミンK依存性タンパク質ではなく、正常な血液凝固に必要とされるビタミンKレベルに適合するように設計されている。低カルボキシル化(すなわち不活性)対カルボキシル化オステオカルシンの比率は、ビタミンK状態の代替マーカーとなり得る。最近の証拠が示唆するところでは、6〜18才の子供は、成人に対して低カルボキシル化オステオカルシンのレベルが高い。ビタミンK摂取量の増加により摂取レベルを上げようとするのではなく、ビタミンKにより、高効力型のビタミンKを、抗凝固パラメータに悪影響を与えることなく投与することができる。
【0032】
[0032]ビタミンKと比べると、ビタミンKの方が、吸収が良く、半減期の長期化を通してより安定した血清レベルが得られる。また、肝外組織に対するビタミンKの生体利用能が改善されていることにより、正常な成長及び発達中の骨の健康(すなわち、石灰化、微細構造及び強度)に、より大きな影響を与える可能性がある。よって、ビタミンKにより、その生体利用能の増強が正常な成長及び発達中の骨の健康に影響を与えることができる、高効力型のビタミンが得られる。
【0033】
[0033]加えて、小児患者において骨成長及び骨質を低下させ得る、幾つかの病状が存在する。そうした状態には、例えば、発育遅延、成長障害、神経筋機能障害、重度の食物アレルギー及び炎症性腸疾患(例えば、クローン病又は潰瘍性大腸炎)などを含むことができる。例えば、炎症性腸疾患(「IBD」)を有する子供における低骨量の発生率は、約30〜50%にわたる。この集団における栄養不足にビタミンKが挙げられており、ビタミンKの生体利用能が限られると、オステオカルシンのカルボキシル化が減少するだけではなく、骨強度、骨石灰化及び骨微細構造が減少するおそれがある。したがって、上述の病状のいずれかを患う子供は、より有効な用量のビタミンKにより利益を得ることができる。
【0034】
[0034]ビタミンK1摂取量の増加により摂取レベルを上げようとするのではなく、ビタミンK2により、抗凝固パラメータに悪影響を及ぼすことなく、高効力型のビタミンKが可能となる。詳細には、フィロキノン(ビタミンK1)と比べると、ビタミンK2の方が、吸収が良く、半減期の長期化を通してより安定した血清レベルが得られる。肝外組織に対するビタミンK2の生体利用能が改善されていることにより、炎症性腸疾患(IBD)(クローン病及び大腸炎)を有する患者、特に小児患者における筋骨格の健康の改善に、より大きな影響を与える可能性がある。IBDを有する子供における低骨量の発生率は30〜50%の範囲にわたる。この集団における栄養不足にビタミンKが挙げられており、ビタミンKの利用能が限られると、オステオカルシンのカルボキシル化が減少するだけではなく、骨強度、骨石灰化及び骨微細構造が減少するおそれがある。加えて、低ビタミンK状態は、クローン病に関連する骨減少症の原因因子になる可能性がある。一部のクローン病患者に認められる骨減少症及び骨吸収率の上昇は多因子プロセスであり、ビタミンK欠乏は確かにこのプロセスの1つの因子に過ぎない。低ビタミンKレベルは、骨形成率を補償的に増加させることなく、骨吸収率を増加させる可能性がある。クローン病患者において、骨代謝率の増加は骨量減少の危険性の増加と関連している。
【0035】
[0035]さらに、ビタミンKは、例えば副腎皮質ステロイド、ビスホスホネート、又は抗凝固薬(anti−coagulative drug)を含めた、併用薬治療を受ける小児患者における骨の健康にも有効であり得る。同様に、例えば短腸症候群、潰瘍性大腸炎、小児脂肪便症、嚢胞性線維症、腎機能障害及びアンドロゲン欠乏症、グルテン不耐症、クローン病又は重度のアレルギーを含めた、生物学的療法を受ける又は消化管(「GI」)障害の状態を有する小児患者も、外因性ビタミンKを有する栄養組成物の投与から利益を得ることができる。
【0036】
[0036]出願人は、驚くべきことに、外因性ビタミンKを栄養製剤の一部として投与すると、子供において正常な成長及び発達中にオステオカルシンのカルボキシル化が向上し、かつ骨の健康指標が向上することになることを見出した。加えて、ビタミンKを補給すると、骨成長及び骨質を低下させ得る基礎疾患を有する小児患者において、骨成長及び骨質を改善することもできる。結果として、出願人は、外因性ビタミンKを投与すると、小児患者の骨密度が増加し、かつ骨組織微細構造が向上し、それにより骨折危険率が低下することを見出した。末梢骨用定量的コンピュータ断層法(「pQCT」)又は二重エネルギーX線吸収法(「DEXA」)で測定すると、微細構造形態、石灰化、密度、弾力性及び機械的剛性に関与する、骨の有機基質中タンパク質の形成を調節するようなビタミンKの効果を、骨質に関して直接認めることができる。ビタミンKは、併用薬治療を受ける患者における骨の健康にも有効である可能性がある。
【0037】
[0037]一般的には、骨密度は、骨量(骨を通過する光子の減衰度、又は骨塩量(BMC)として表される)とフィルム上の骨の画像(すなわち面積)の関係として表される(BMC/cmとして表される)。加えて、pQCTは、末梢骨を3次元(体積)で評価する手法であり、前腕又は脛骨に一般的に適用される。放射線源(典型的にはX線)及び感知器が検査中に骨の周囲を回転し、次に(them)骨がコンピュータ画面上に3次元(3−D)画像として再構築される。pQCTは、評価する部位によって感度が変動するものの、骨形状を評価するための最適な技法である。他の大多数の技法とは異なり、pQCTは、検査する骨の投影面積ではなく体積に由来する骨塩量を正規化するので、pQCTは真の骨密度(体積骨塩密度(volumetric mineral bone density))を測定する。pQCTは、捻れに対する骨の抵抗指標である、SSIを算出するのにも使用することができる。該指標は、骨形状及び骨塩特性を考慮に入れる。Geometry and bone density、Radetti,G.ら、Panminerva Med 2006;48:181〜6を参照されたい。
【0038】
[0038]DEXAはX線分光法に基づいており、DEXAの基本原理は、2つの異なるエネルギー源から放射されるX線の減衰度に基づく。DEXAは通常、腰椎又は近位大腿骨の石灰化を評価するために使用される。DEXAの精度は4〜10%であり、変動係数は1〜1.5%である。同上の文献を参照されたい。
【0039】
[0039]したがって、本開示は、外因性Kを含む栄養組成物並びに該栄養組成物を調製及び使用する方法に関する。本開示はまた、骨密度及び骨組織微細構造を測定するためのpQCT及びDEXAの使用に関する。本開示の栄養組成物の実施形態によって、血液凝固及び骨折の危険性に対する潜在的に負の影響を最小限に抑えながら、骨密度、石灰化、及び機械的剛性の増加だけでなく、骨組織微細構造の向上も促進することができる。よって、外因性ビタミンKを使用すると、小児患者において骨の健康の増加及びそれに伴う利益をもたらすことができる。pQCT及びDEXAを上述の通りに使用すると、骨密度及び骨微細構造を正確に測定することにより、本件で請求する栄養組成物の効果を実証することができる。
【0040】
[0040]一般的な実施形態において、本開示は、外因性ビタミンKを含む栄養組成物を提供する。該栄養組成物は、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分をさらに含むことができる。
【0041】
[0041]本明細書において、用語「栄養組成物」には、それだけには限らないが、完全栄養組成物、部分的又は不完全栄養組成物、及び疾患又は状態特異的な栄養組成物が含まれる。完全栄養組成物(すなわち、必須な主要及び微量栄養素を全て含有するもの)は、患者のための唯一の栄養摂取源として使用することができる。患者は、かかる完全栄養組成物から自分の栄養要求量を100%取ることができる。部分的又は不完全栄養組成物は必須な主要及び微量栄養素の全てを含有しておらず、患者のための唯一の栄養摂取源として使用することができない。部分的又は不完全栄養組成物は、栄養補助剤として使用することができる。疾患又は状態特異的な栄養組成物は、栄養素又は医薬品を送達する組成物であり、完全又は部分的栄養組成物であってもよい。
【0042】
[0042]外因性ビタミンKは、骨成長及び骨質を改善するために、他の成分と組み合わせることができる。例えば、外因性ビタミンKは、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分と組み合わせて使用すると、小児患者において骨の健康を支持するのにより有効に機能することができると思われる。外因性ビタミンKは、アミノ酸(例えばロイシン)、含硫アミノ酸含有量が低いタンパク質、脂質(n3:n6)、生理活性ペプチド、プロテアーゼ阻害剤、クレアチンなどと組み合わせて使用しても、骨の健康を支持するのにより有効に機能することができる。
【0043】
[0043]一実施形態において、該栄養組成物は、少なくとも1種のプレバイオティクスをさらに含む。本明細書において、プレバイオティクスは、組成物及び/又は消化管ミクロフローラの活性の両方を特異的に変化させ、宿主の幸福及び健康に利益をもたらす、選択的に発酵する成分である。プレバイオティクスの非限定的例には、フラクトオリゴ糖、イヌリン、ラクツロース、ガラクトオリゴ糖、アラビアゴム、大豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、乳果オリゴ糖、グルコオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖、グアーガム、部分加水分解グアーガム、糖アルコール、αグルカン、βグルカン、又はこれらの組み合わせが含まれる。
【0044】
[0044]一実施形態において、該栄養組成物は、少なくとも1種のプロバイオティクスをさらに含む。本明細書において、プロバイオティック微生物(以下「プロバイオティクス」)は、適量を投与したときに宿主に健康上の利益をもたらすことができるような、より詳細には、宿主の腸内の微生物のバランスを改善することによって宿主に対し有益な影響を与え、宿主の健康又は幸福に効果をもたらす、微生物(半生存可能(semi−viable)若しくは弱体化、及び/又は非複製的を含む生菌)、代謝物、微生物細胞調製物又は微生物細胞の構成成分であることが好ましい。一般に、こうした微生物は、腸管内の病原菌の増殖及び/又は代謝を阻害する又はそれに影響を与えると考えられている。プロバイオティクスは、宿主の免疫機能を活性化することもできる。こうした理由から、プロバイオティクスを食物製品に含めるための様々な手法が多く存在している。プロバイオティクスの非限定的例には、サッカロミセス属、デバロマイセス属、カンジダ属、ピキア属、トルロプシス属、アスペルギルス属、クモノスカビ属、ケカビ属、アオカビ属、ビフィドバクテリウム属、バクテロイデス属、クロストリジウム属、フソバクテリウム属、メリソコッカス属、プロピオニバクテリウム属、ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属、ラクトコッカス属、スタフィロコッカス属、ペプトストレポコッカス属、バチルス属、ペディオコッカス属、ミクロコッカス属、ロイコノストック属、ワイセラ属、アエロコッカス属、オエノコッカス属、ラクトバチルス属、又はこれらの組み合わせが含まれる。
【0045】
[0045]別の実施形態において、該栄養組成物は、少なくとも1種のアミノ酸をさらに含む。アミノ酸の非限定的例には、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シトルリン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシセリン、ヒドロキシチロシン、ヒドロキシリシン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、HICA(α−ヒドロキシイソカプロン酸)、HIVA(α−ヒドロキシイソ吉草酸)、HIMVA(α−ヒドロキシメチル吉草酸)、又はこれらの組み合わせが含まれる。好ましい一実施形態において、アミノ酸の非限定的例には、プロリン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシチロシン、ヒドロキシリシン、ヒドロキシセリン及びこれらの組み合わせが含まれる。
【0046】
[0046]一実施形態において、該栄養組成物は、少なくとも1種のタンパク質をさらに含む。
【0047】
[0047]一実施形態において、該栄養組成物は、少なくとも1種のヌクレオチドをさらに含む。
【0048】
[0048]一実施形態において、該栄養組成物は、少なくとも1種の、シンバイオティクス、魚油、非海産性ω3脂肪酸を含有する食物脂肪源、ボーマンバーク阻害剤、植物栄養素、及び/又は抗酸化剤をさらに含む。本明細書において、シンバイオティクスは、腸のミクロフローラを改善するために共に機能するプレバイオティクス及びプロバイオティクスをいずれも含有する補助剤である。魚油の非限定的例には、ドコサヘキサエン酸(「DHA」)及びエイコサペンタエン酸(「EPA」)が含まれる。植物栄養素の非限定的例には、ケルセチン、クルクミン及びリモニンが含まれる。抗酸化剤は、他の分子の酸化を遅延させる又は防止する能力がある分子である。抗酸化剤の非限定的例には、ビタミンA、カロテノイド、ビタミンC、ビタミンE、セレン、フラボノイド、ラクトウルフベリー、ゴジ(枸杞)、ポリフェノール、リコペン、ルテイン、リグナン、補酵素Q10(「CoQ10」)、ヘスペリジン及びグルタチオンが含まれる。
【0049】
[0049]別の実施形態において、本開示は栄養組成物を調製する方法を提供する。該方法は、例えば、小児患者の骨の健康を改善するために、有効量の外因性ビタミンKと、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分とを、栄養組成物に添加するステップを含む。該栄養組成物は、医薬製剤、栄養製剤、経管栄養製剤、栄養補助食品、機能性食品、飲料製品、又はこれらの組み合わせなどの投与可能な形態であってもよい。
【0050】
[0050]別の実施形態において、本開示は、ビタミンK2が骨の健康に影響を与える可能性を決定するときに判断するパラメータとしての遺伝的素因に基づいて、治療又は投与量を患者に合わせる方法を提供する。独特な遺伝子型を持つ個体においては、ビタミンK2の補給がより有効である可能性がある。
【0051】
[0051]本明細書において、「経管栄養」製剤は、経口投与を介してではなく、それだけには限らないが、経鼻胃管、経口胃管、胃管、空腸瘻管(Jチューブ)、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)、ポート(胃、空腸にアクセスできるようにする胸壁ポート、及び他の適切なアクセスポートなど)を介して、動物の消化管系に投与される、完全又は不完全栄養製品であることが好ましい。
【0052】
[0052]本明細書において、「有効量」は、個体において、欠乏を予防し、疾患若しくは病状を治療する量、或いはより一般的には、症状を軽減し、疾患の進行を管理し、又は個体に栄養的な、生理的な、若しくは医学的な利益をもたらす量であることが好ましい。治療は、患者又は医者に関係がある可能性がある。加えて、用語「個体」及び「患者」は、本明細書ではヒトを指すために使用されることが多いが、本発明はそのように限定されない。したがって、用語「個体」及び「患者」は、治療から利益を得ることができる病状を有する又はその危険性がある、任意の動物、哺乳動物又はヒトを指す。
【0053】
[0053]本明細書において、動物には、それだけには限らないが、哺乳動物が含まれ、哺乳動物には、それだけには限らないが、齧歯類、水生哺乳動物、飼育動物(イヌ、ネコ等)、農場飼育動物(ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ等)、ヒトが含まれる。動物若しくは哺乳動物又はその複数形なる用語が使用される場合、該用語は、一節の文脈が示す又は示すことを意図する効果を有することができる任意の動物にも適用されることが企図される。
【0054】
[0054]本明細書において、「完全栄養」は、投与されている動物にとって唯一の栄養摂取源であるのに足りる、十分な種類及びレベルの主要栄養素(タンパク質、脂肪及び炭水化物)及び微量栄養素を含有する栄養製品であることが好ましい。
【0055】
[0055]本明細書において、「不完全栄養」は、投与されている動物にとって唯一の栄養摂取源であるのに足りる、十分なレベルの主要栄養素(タンパク質、脂肪及び炭水化物)又は微量栄養素を含有しない栄養製品であることが好ましい。
【0056】
[0056]本明細書において、「長期投与」は、6週間を超える継続的な投与であることが好ましい。
【0057】
[0057]本明細書において、哺乳動物には、それだけには限らないが、齧歯類、水生哺乳動物、飼育動物(イヌ、ネコ等)、農場飼育動物(ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ等)、ヒトが含まれることが好ましい。哺乳動物なる用語が使用される場合、該用語は、哺乳動物が示す又は示すことを意図する効果を有することができる他の動物にも適用されることが企図される。
【0058】
[0058]用語「微生物」は、細菌、酵母菌及び/若しくは真菌、微生物を有する細胞増殖培地、又は微生物が培養された細胞増殖培地が含まれることを意味する。
【0059】
[0059]本明細書において、「プレバイオティクス」は、腸内で選択的に有益な細菌の増殖を促進する又は病原菌の増殖を阻害する食物物質であることが好ましい。プレバイオティクスは、これを摂取した人の胃及び/又は腸上部で不活性化されることも消化管に吸収されることもないが、消化管のミクロフローラ及び/又はプロバイオティクスによって発酵する。プレバイオティクスは、例えば、Glenn R.Gibson及びMarcel B.Roberfroid、Dietary Modulation of the Human Colonic Microbiota:Introducing the Concept of Prebiotics、J.Nutr.1995 125:1401〜1412によって定義される。
【0060】
[0060]本明細書において、「短期投与」は、6週間未満の継続的な投与であることが好ましい。
【0061】
[0061]本明細書において、用語「治療」、「治療する」及び「緩和する」は、好ましくは、(標的とする病態又は障害の発症を予防する及び/又は遅延させる)予防的又は防止的治療と治癒的、治療的又は疾患修飾的治療との両方を指す。診断された病態又は障害の症状を治す、遅くする、軽減する、及び/又は診断された病態又は障害の進行を停止させる治療的手段が包含されるし、また、病気の患者又は疾患に罹っていると診断された患者の治療だけでなく、疾患に罹る危険性がある患者又は疾患に罹っている疑いがある患者の治療も包含される。用語「治療」及び「治療する」は、疾患を患っていないが、窒素平衡失調(nitorogen imbalance)、筋喪失等の不健康な状態を発症しやすい個体における健康の維持及び/又は増進も指す。用語「治療」、「治療する」及び「緩和する」は、少なくとも1種の主要な予防的又は治療的手段の強化又は増強を包含する。
【0062】
[0062]本明細書において、シンバイオティクスは、腸のミクロフローラを改善するために共に機能するプレバイオティクス及びプロバイオティクスをいずれも含有する補助剤である。
【0063】
[0063]本明細書において、「正常な骨成長」には、好ましくは以下が含まれる:小児期及び青年期に骨はモデリングにより造形され、モデリングにより、新生骨をある部位で形成し、古い骨を別の部位から除去することができる。
【0064】
[0064]本明細書において、「ヌクレオチド」は、デオキシリボ核酸(「DNA」)又はリボ核酸(「RNA」)のサブユニットであると理解されたい。ヌクレオチドは、窒素塩基、リン酸分子、及び糖分子(DNAではデオキシリボース、RNAではリボース)から構成される有機化合物である。個々のヌクレオチドのモノマー(単一ユニット)は、互いに結合してポリマー、すなわち長鎖を形成する。外因性ヌクレオチドは、詳細には食事補給により得られる。外因性ヌクレオチドは、例えば、5’アデノシン一リン酸(「5’−AMP」)、5’−グアノシン一リン酸(「5’−GMP」)、5’−シトシン一リン酸(「5’−CMP」)、5’−ウラシル一リン酸(「5’−UMP」)、5’−イノシン一リン酸(「5’−IMP」)、5’−チミン一リン酸(「5’−TMP」)、又はこれらの組み合わせなどの、モノマー型であってもよい。外因性ヌクレオチドはまた、例えば無傷なRNAなどの、ポリマー型であってもよい。ポリマー型には複数の供給源、例えば酵母RNAなどがあり得る。
【0065】
[0065]栄養製品は、例えば、少なくとも1種の、ビタミン、無機物、糖、医薬として許容される担体、賦形剤、香味剤、又は着色料を含めた、任意の数の付加成分をさらに含むと理解されたい。
【0066】
[0066]用語「タンパク質」、「ペプチド」、「オリゴペプチド」、又は「ポリペプチド」は、本明細書においてに、単一のアミノ酸(モノマー)、ペプチド結合で互いに結合した2つ以上のアミノ酸(ジペプチド、トリペプチド、又はポリペプチド)、コラーゲン、前駆体、相同体、類似体、模倣体、塩、プロドラッグ、代謝物、若しくはこれらの断片、又は組み合わせを含む任意の組成物を指すと理解されたい。理解を容易にするために、上記の用語のいずれかは、別段の指定がない限り互換的に使用できる。ポリペプチド(又はペプチド又はタンパク質又はオリゴペプチド)は、一般に20種の天然アミノ酸と呼ばれる、20種のアミノ酸以外のアミノ酸を含有することが多く、末端アミノ酸を含めた多くのアミノ酸は、グリコシル化及び他の翻訳後修飾などの天然のプロセスによって、又は当分野で周知である化学修飾技法によって、所与のポリペプチド中で修飾されていてもよいことが認識されよう。本発明のポリペプチド中に存在することができる公知の修飾の中には、それだけには限らないが、アセチル化、アシル化、ADPリボシル化、アミド化、フラバノイド又はヘム部分の共有結合、ポリヌクレオチド又はポリヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質又は脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリケーション、グリコシル化、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)膜アンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解性プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化などのポリペプチドへの転移RNA媒介によるアミノ酸付加、及びユビキチン化が含まれる。用語「タンパク質」には、ペプチドの交互の繰り返しからなる直鎖状又は非直鎖状ポリペプチドを指す「人工タンパク質」も含まれる。
【0067】
[0067]本明細書において、「植物性化学物質」又は「植物栄養素」は多くの食物に見出される非栄養化合物である。植物性化学物質は、基本的な栄養補給を超えた健康上の利益を有する機能性食品であり、植物源に由来する健康増進化合物である。本明細書において、「植物性化学物質」及び「植物栄養素」は、使用者に1つ又は複数の健康上の利益を与える、植物から産生された任意の化学物質を指す。植物性化学物質は、局所的、経腸的、及び/又は非経口的を含めた、任意の手段によって投与することができる。本明細書において、植物性化学物質及び植物栄養素としては以下のものが挙げられる(これらに限定されない)。
1.フェノール化合物(例えば以下のもの):
モノフェノール(アピオール、カルノソール、カルバクロール、ジラピオール、ローズマリノール(Rosemarinol)等);フラボノイド(ポリフェノール)[例えば、フラボノール(ケルセチン、ギンゲロール、ケンペロール、ミリセチン、ルチン、イソラムネチン等)、フラバノン(ヘスペリジン、ナリンゲニン、シリビン、エリオジクチオール等)、フラボン(アピゲニン、タンゲリチン、ルテオリン等)、フラバン−3−オール(カテキン、(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガラート(EGCG)、(−)−エピカテキン3−ガラート、テアフラビン、テアフラビン−3−ガラート、テアフラビン−3’−ガラート、テアフラビン−3,3’−ジガラート、テアルビジン等)、アントシアニン(フラボナール(flavonal))、アントシアニジン(ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペツニジン等)、イソフラボン(植物エストロゲン)(ダイゼイン(ホルモノネチン)、ゲニステイン(ビオカニンA)、グリシテイン等)、ジヒドロフラボノール、カルコン、クメスタン(植物エストロゲン)、クメストロール];フェノール酸(エラグ酸、没食子酸、タンニン酸、バニリン、クルクミン等);ヒドロキシ桂皮酸(コーヒー酸、クロロゲン酸、桂皮酸、フェルラ酸、クマリン等);リグナン(植物エストロゲン)(シリマリン、セコイソラリシレシノール、ピノレジノール、ラリシレシノール等);チロソールエステル(チロソール、ヒドロキシチロソール、オレオカンタール、オレウロペイン等);スチルベノイド(レスベラトール、プテロスチルベン、ピセタノール等);プニカラギン
2.テルペン(イソプレノイド)(例えば以下のもの):
カロテノイド(テトラテルペノイド)[例えば、カロテン(αカロテン、βカロテン、γカロテン、δカロテン、リコペン、ノイロスポレン、フィトフルエン、フィトエン等)、キサントフィル(カンタキサンチン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、ルテイン、ルビキサンチン等)];モノテルペン(リモネン、ペリリルアルコール等);サポニン;脂質[例えば、植物ステロール(カンプエステロール、βシトステロール、γシトステロール、スチグマステロール等)、トコフェロール(ビタミンE)、及びω−3、6及び9脂肪酸(γリノレン酸等)];トリテルペノイド(オレアノール酸、ウルソル酸、ベツリン酸、モロン酸等)
3.ベタレイン(例えば以下のもの):
ベタシアニン(ベタニン、イソベタニン、プロベタニン(probetanin)、ネオベタニン等);ベタキサンチン(非グリコシド型)(インジカキサンチン、ブルガキサンチン等)
4.有機スルフィド(例えば以下のもの):
ジチオールチオン(イソチオシアネート)(スルフォラファン等);チオスルホナート(アリウム属化合物)(アリルメチルトリスルフィド及びジアリルスルフィド等);インドールグルコシノレート(インドール−3−カルビノール等);スルフォラファン;3,3’−ジインドリルメタン;シニグリン;アリシン;アリイン;アリルイソチオシアネート;ピペリン;syn−プロパンチアール−S−オキシド
5.タンパク質阻害剤(例えばプロテアーゼ阻害剤)
6.他の有機酸(例えば、シュウ酸、フィチン酸(イノシトール6リン酸)、酒石酸、アナカルジン酸)
7.これらの組み合わせ
【0068】
[0068]本明細書において、用語「抗酸化剤」には、酸化或いは活性酸素種(ROS)及び他のラジカル・非ラジカル種により促進される反応を阻害する様々な物質(例えば、βカロテン(ビタミンA前駆体)、ビタミンC、ビタミンE、セレン)のうちの任意の少なくとも1種が含まれると理解されたい。
【0069】
[0069]本明細書において、用語「ビタミン」には、正常な体の成長及び活動に微量が必須である、植物性及び動物性食品から自然に得られる又は合成により得られる様々な脂溶性又は水溶性の有機物質(非限定的例には、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEが含まれる)のうちのいずれかが含まれ、かつこれらのプロビタミン、誘導体及び類似体が含まれると理解されたい。
【0070】
[0070]本明細書及び添付の特許請求の範囲において、文脈から明らかにそうでないことが示されていない限り、単数形「a」、「an」及び「the」には複数の指示物が含まれる。よって、例えば「ポリペプチド(a polypeptide)」には、2つ以上のポリペプチド(polypeptides)の混合物が含まれる、などである。
【0071】
[0071]本明細書において、「約」は、数値範囲内の数値を指すと理解されたい。さらに、本明細書における全ての数値範囲には、該範囲内の全ての整数、自然数又は分数が含まれると理解されるべきである。
【0072】
[0072]別の実施形態において、本開示は、栄養組成物を調製する方法を提供する。該方法は、外因性ビタミンKと、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、ビタミン類似体、オステオポンチン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分とを、栄養組成物に添加するステップを含む。さらに別の実施形態において、本開示は、小児患者において骨の健康(すなわち、成長、石灰化、微細構造、骨有機基質成分、密度、弾力性及び強度)を改善する方法を提供する。該方法は、それを必要とする子供に、有効量の外因性ビタミンKを含む栄養組成物を投与するステップを含む。該栄養組成物は、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分をさらに含むことができる。さらに別の実施形態において、本開示は、基礎疾患を有する小児患者において骨成長及び骨質を改善する方法を提供する。該方法は、基礎疾患を有する小児患者に、有効量の外因性ビタミンKを含む栄養組成物を投与するステップを含む。別の実施形態において、本開示は、小児患者において骨折の危険性を低減する方法を提供する。該方法は、骨折の危険性がある小児患者に、有効量の外因性ビタミンKを含む栄養組成物を投与するステップを含む。
【0073】
[0073]該栄養組成物は、外因性ビタミンKを約1μg/日〜約100μg/日の範囲の投与すべき量で含むことができる。該外因性ビタミンKは、約10μg/日〜約95μg/日、又は約20μg/日〜約90μg/日、又は約30μg/日〜約85μg/日、又は約50μg/日〜約80μg/日、又は1μg/日、5μg/日、又は10μg/日、又は15μg/日、又は20μg/日、又は25μg/日、又は30μg/日、又は35μg/日、又は40μg/日、又は45μg/日、又は50μg/日、又は55μg/日、又は60μg/日、又は65μg/日、又は70μg/日、又は75μg/日、又は80μg/日、又は85μg/日、又は90μg/日、95μg/日、又は100μg/日の範囲の量で投与することもできる。
【0074】
[0074]本開示の実施形態における栄養組成物を使用することによって、子供における正常な成長及び発達の間に、オステオカルシンのカルボキシル化が向上し、かつ骨の健康指標が向上すると、骨折の危険性を低減するのに役立つこととなろう。同様に、本栄養組成物を投与すると、ビタミンKの生体利用能も増加し、それにより、オステオカルシンのカルボキシル化、骨強度、骨石灰化及び骨微細構造を増大させることができる。
【0075】
[0075]別の実施形態において、本発明は、骨格筋の健康(すなわち、代謝機能、除脂肪体重及び運動性)を改善するための方法を提供する。クレアチンキナーゼの骨格筋のアイソザイムは、ビタミンK欠乏に感受性がある。クレアチンキナーゼは、無酸素性エネルギー産生に不可欠な反応である。ビタミンK状態が向上すると、筋肉疲労を最小限に減らし、エネルギー産生を最適化して、筋肉量増加のためのタンパク質合成などの同化プロセスを支持することができる。除脂肪体重を保持すると、機能的運動性を維持しやすくすることができる。該方法は、骨格筋の健康の改善から利益を得ることができる患者に、有効量の外因性ビタミンKを含む栄養組成物を投与するステップを含む。
【0076】
[0076]別の実施形態において、本発明は、ビタミンK2を投与することによって炎症を軽減するための方法を提供する。
【0077】
K2及び炎症:
[0077]タンパク質合成の全体的な速度の急性制御は、様々な真核生物翻訳開始因子(eIF)の調節を用いて、主に翻訳開始レベルで行われる。成長因子及びアミノ酸から翻訳開始のmRNA結合段階へのシグナル伝達の収束点としての役割を果たす、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)と呼ばれるタンパク質キナーゼは、真核生物翻訳開始因子4Eへの結合タンパク質、すなわち4E−BP1のリン酸化の調節に関与する。mTORは、70−kDaリボソームタンパク質S6キナーゼ(S6K1)のリン酸化状態を制御するためにも作用する。こうした翻訳開始事象を調節することで、タンパク質合成をより速やかに制御することができ、かつ急性の代謝的又は栄養的な変動に関連する変化に対する反応性が得られる。
【0078】
[0078]正規のNF−κB経路は、p65−p50ヘテロ二量体の核内輸送を含む。NF−κBの活性化は、IκBがIκBキナーゼ複合体によってリン酸化されると起こり、それにより、IκBのユビキチン化及び分解が生じ、NF−κB二量体が核内移行する。TNF−αなどのサイトカインは、正規のNF−κBヘテロ二量体の強力な活性化因子であり、この活性化は筋タンパク質の喪失に関連する。
【0079】
方法:
[0079]雄のSprague−Dawleyラット(175g)を、餌(Harlan−Teklad Rodent Chow、Madison、WI)及び水を自由に与えて、12時間の明暗周期で維持する。動物に、一日量のビタミンK2(MK−7)又は生理食塩水(対照)を、経口胃管を通して7日間にわたり投与する。緩衝液A(0.15M NaCl、0.05M Tris−HCl、pH7.5)中に3.5g/LのHCO−60及び1g/LのM&−7を含有する、ビタミンK2の原液を調製する。K2を、振幅6pmで5回5パルスのソニケーションによって溶解させる。このようにして得られた溶液は、透明、均質、かつ安定である。ビタミンKを投与する直前に、原液を緩衝液Aで5回希釈し、0.7g/Lの最終HCO−60濃度とする。(必要に応じて)さらなる希釈を、緩衝液A中の0.7g/L HCO−60を用いて行う。各希釈段階の次に上述の通りのソニケーションを行う。全ての場合において、ビタミンK2は、25又は50マイクログラムの経口投与量を有する、0.5mLの試料でラットに投与する。
【0080】
[0080]最終日(7日目)に、齧歯動物にビタミンK2を投与し、2時間後にIP用量のLPS(大腸菌血清型O111:B4、L2630、Sigma)を腹腔内に与えた(0.5mg/kg体重)。4時間後に動物を屠殺する。
【0081】
[0081]タンパク質合成の測定−分別合成速度(fractional rate of synthesis)(Ks)を、前駆体プールを表すものとしての血清中の放射性フェニルアラニンの比放射能を使用した、前記フェニルアラニンの全混合筋タンパク質への取り込み率から推定する。放射性標識フェニルアラニンのタンパク質への取り込みにかかる実時間を、注入から液体窒素中で筋肉凍結するまでに経過した時間として見なす。
【0082】
[0082]eIFへのmTORシグナル伝達の分析−腓腹筋を秤量し、20mM HEPES(pH7.4)、100mM 塩化カリウム、0.2mM EDTA、2mM EGTA、50mM フッ化ナトリウム、50mM グリセロリン酸、0.1mM フッ化フェニルメチルスルホニル、1mM ベンズアミジン、1mM ジチオスレイトール(DTT)、及び0.5mM バナジン酸ナトリウムを含有する、7容量の緩衝液中で均質化する。残ったホモジネートを、10,000×gで10分間、4℃で遠心分離する。得られた上清を等容量のSDS試料緩衝液と混合し、次にタンパク質免疫ブロット分析にかける。試料を、4E−BP1(Thr37)及びリボソームタンパク質S6(Ser 235/236)のリン酸化状態について分析する。抗リン酸化特異的抗体は、Cell Signaling Technology、Beverly、MAから入手した。加えて、試料を、リン酸化されたIKKα/β(Ser176/180;Cell Signaling Technology)、及びリン酸化されたp65(Ser536;Cell Signaling Technology)について分析する。
【0083】
結果:
[0083]齧歯動物をK2で処理すると、LPS処理動物と比べて、血漿TNF−αの上昇が有意に減少する。加えて、ビタミンK2は、LPS処理と比べて、リン酸化によるIKKα/β及びNFκB p65の誘導が低下することを有意に緩和する。結局、LPS処理と比べるとK2の方が、炎症性敗血症条件下で、4E−BP1(Thr−37)及びリボソームタンパク質S6のリン酸化の低下を抑制すると共に、混合筋タンパク質の分別合成速度をより高く保持する。
【0084】
[0084]別の実施形態において、本発明は、炎症を軽減するための方法であって、それを必要とする患者に、外因性ビタミンK2を含む栄養組成物を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本栄養組成物は、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の抗酸化剤をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の植物栄養素をさらに含む。別の実施形態において、該患者は子供である。
【0085】
[0085]別の実施形態において、本発明は、炎症の影響を軽減するための方法であって、それを必要とする患者に、外因性ビタミンK2を含む栄養組成物を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本栄養組成物は、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の抗酸化剤をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の植物栄養素をさらに含む。別の実施形態において、該患者は子供である。
【0086】
[0086]別の実施形態において、本発明は、炎症の影響を予防するための方法であって、それを必要とする患者に、外因性ビタミンK2を含む栄養組成物を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本栄養組成物は、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の抗酸化剤をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の植物栄養素をさらに含む。別の実施形態において、該患者は子供である。
【0087】
[0087]別の実施形態において、本発明は、炎症条件下で血漿TNF−αの上昇を抑制するための方法であって、それを必要とする患者に、外因性ビタミンK2を含む栄養組成物を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本栄養組成物は、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の抗酸化剤をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の植物栄養素をさらに含む。別の実施形態において、該患者は子供である。
【0088】
[0088]別の実施形態において、本発明は、炎症条件下でリン酸化によるIKKα/β及びNFκB p65の誘導が低下することを緩和するための方法であって、それを必要とする患者に、外因性ビタミンK2を含む栄養組成物を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本栄養組成物は、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の抗酸化剤をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の植物栄養素をさらに含む。別の実施形態において、該患者は子供である。
【0089】
[0089]別の実施形態において、本発明は、炎症条件下で4E−BP1(Thr−37)及びリボソームタンパク質S6のリン酸化の低下を抑制するための方法であって、それを必要とする患者に、外因性ビタミンK2を含む栄養組成物を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本栄養組成物は、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の抗酸化剤をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の植物栄養素をさらに含む。別の実施形態において、該患者は子供である。
【0090】
[0090]別の実施形態において、本発明は、炎症条件下で混合筋タンパク質の分別合成速度を保持するための方法であって、それを必要とする患者に、外因性ビタミンK2を含む栄養組成物を投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本栄養組成物は、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の抗酸化剤をさらに含む。別の実施形態において、本栄養組成物は、少なくとも1種の植物栄養素をさらに含む。別の実施形態において、該患者は子供である。
【0091】
[0091]本明細書に記述する現時点での好ましい実施形態への様々な変更及び修正が当業者には明らかであろうことが理解されるべきである。かかる変更及び修正は、本主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつ本主題の意図する利点を減ずることなく行うことができる。したがって、かかる変更及び修正は添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症の影響を調節する方法であって、
それを必要とする患者に、有効量の外因性ビタミンK2を含む栄養組成物を投与するステップを含む方法。
【請求項2】
前記外因性ビタミンK2は、MK−4、MK−7及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記外因性ビタミンK2はMK−7である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
外因性ビタミンK2の前記有効量は約1μg〜約100μgである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
外因性ビタミンK2の前記有効量は約20μg〜約90μgである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
外因性ビタミンK2の前記有効量は約50μg〜約80μgである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記栄養組成物は、医薬製剤、栄養製剤、経管栄養製剤、栄養補助食品、機能性食品及び飲料製品からなる群から選択される投与可能な形態である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記栄養組成物は、プレバイオティクス、プロバイオティクス、シンバイオティクス、アミノ酸、タンパク質、ヌクレオチド、魚油、非海産性ω3脂肪酸を含有する食物脂肪源、植物栄養素、抗酸化剤、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アミノ酸は、プロリン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシチロシン、ヒドロキシリシン、ヒドロキシセリン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載の栄養組成物。
【請求項10】
炎症の影響の前記調節は炎症の影響の軽減である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
炎症の影響の前記調節は炎症の影響の予防である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
炎症の影響の前記調節は、炎症条件下で血漿TNF−αの上昇を抑制することである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
炎症の影響の前記調節は、炎症条件下でリン酸化によるIKKα/β及びNFκB p65の誘導が低下することを緩和することである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
炎症の影響の前記調節は、炎症条件下で4E−BP1(Thr−37)及びリボソームタンパク質S6のリン酸化の低下を抑制することである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
炎症の影響の前記調節は、炎症条件下で混合筋タンパク質の分別合成速度を保持することである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
a)患者の遺伝的素因を決定して、外因性ビタミンK2による治療の推定効力を決定するステップと、
b)有効と決定した場合、それを必要とする子供に、有効量の外因性ビタミンK2と、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、カルシウム、ビタミンD、オステオポンチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分と、を含む栄養組成物を投与するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記遺伝的素因は遺伝子型の決定である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記遺伝的素因は、前記外因性ビタミンK2の投与量を決定するために使用される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記患者は子供である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記患者は、発育遅延、成長障害、炎症性腸疾患、クローン病、クローン病に関連する骨減少症、大腸炎、潰瘍性大腸炎、小児脂肪便症、グルテン不耐症、神経筋機能障害、嚢胞性線維症、腎機能障害、アンドロゲン欠乏症、重度の食物アレルギー、短腸症候群、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを有する、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2013−504572(P2013−504572A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528831(P2012−528831)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/047468
【国際公開番号】WO2011/031602
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】