説明

外断熱パネルおよび外断熱構造

【課題】現場での施工の手間を軽減できる外断熱パネルおよび外断熱構造を提供する。
【解決手段】外断熱パネル15は、枠体16とこの枠体16内に設けられた断熱材17とを備えており、枠体16は、左右に離間しかつ互いに平行に設けられた複数の縦桟材16aと、これら縦桟材16aを連結するように設けられた複数の横桟材16bとを有し、横桟材16bが縦桟材16aの前面に固定されているので、外壁構造体8の外側に、枠体16を、横桟材16bが外側を向くようにして取り付けることによって、横桟材16bを胴縁として機能させ、この横桟材16bに外装材24を取り付けることができる。したがって、現場での胴縁取付け作業を省略することができるので、その分、外断熱構造の施工の手間を軽減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外断熱パネルおよび外断熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅などの建物において、外壁からの熱の拡散を防止する目的で設けられる外断熱構造の一例として特許文献1に記載のものが知られている。
この外断熱構造に使用される外断熱材は、外壁と、この外壁に胴縁を介して取り付けられる外装材との間に複数設けられるものであり、軟質断熱材と、この軟質断熱材に設けられ、他の軟質断熱材が圧縮されてなる圧縮部材とを備え、前記軟質断熱材に、前記圧縮部材が固定されることにより、前記軟質断熱材と前記圧縮部材とが一体化されてなるものである。
そして、このような外断熱材を使用した外断熱構造では、外断熱材の圧縮部材に、胴縁が圧縮部材に対して略平行となるように取り付けられ、この胴縁に外装材が取り付けられている。
【特許文献1】特開2005−200924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のような従来の外断熱構造では、壁パネル等で構成された外壁構造体の外側に、外断熱材を取り付けたうえで、この外断熱材の圧縮部材に胴縁を取り付けるので、現場で外断熱材の取付け作業と、胴縁の取付け作業との双方を行う必要があり、施工に手間がかかっていた。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、現場での施工の手間を軽減できる外断熱パネルおよび外断熱構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、外壁構造体8の外側に取り付けられる外断熱パネル15であって、
枠体16と、この枠体16内に設けられた断熱材17とを備え、
前記枠体16は、左右に離間しかつ互いに平行に設けられた複数の縦桟材16aと、これら縦桟材16aを連結するように設けられた複数の横桟材16bとを有し、
前記横桟材16bは前記縦桟材16aの前面に固定されていることを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、枠体16が、左右に離間しかつ互いに平行に設けられた複数の縦桟材16aと、これら縦桟材16aを連結するように設けられた複数の横桟材16bとを有し、横桟材16bが縦桟材16aの前面に固定されているので、外壁構造体8の外側に、内部に断熱材17が設けられた枠体16を、横桟材16bが外側を向くようにして取り付けることによって、横桟材16bを胴縁として機能させ、この横桟材16bに外装材24を取り付けることができる。
したがって、現場での胴縁取付け作業を省略することができるので、その分、外断熱構造の施工の手間を軽減できる。
また、現場作業時間を短縮することができるので、雨濡れ等による外断熱パネル15や外壁構造体8の品質低下を回避することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の外断熱パネルにおいて、
前記横桟材16bは、上下に離間して複数平行に設けられるとともに、前記縦桟材16aにこれと交差した部分において固定されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、上下に離間して複数平行に設けられた横桟材16bが縦桟材16aにこれと交差した部分において固定されているので、これら横桟材16bを強固に固定できる。したがって、これら横桟材16bによって外装材24を強固に支持できる。また、横桟材16bによって枠体16が補強される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の外断熱パネルにおいて、
前記枠体16は、前記複数の縦桟材16aの上下端部をそれぞれ連結する上框材16cと下框材16dとを有していることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、枠体16が、複数の縦桟材16aの上下端部をそれぞれ連結する上框材16cと下框材16dとを有しているので、枠体16内に設けられた断熱材17が枠体16の上下端部から抜け出ることがない。
また、複数の外断熱パネル15を上下に隣接配置する際に、下方の外断熱パネル15の上框材16cに、上方の外断熱パネル15の下框材16dを設置することによって、上下の外断熱パネル15,15を安定的に配置できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の外断熱パネルを備えた外断熱構造であって、
外壁構造体8の外側に、前記外断熱パネル15が横桟材16bを外側に向けて取り付けられており、
前記外断熱パネル15の前記横桟材16bに、外装材24が取り付けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、外壁構造体8の外側に、内部に断熱材17が設けられた外断熱パネル15が、横桟材16bを外側に向けて取り付けられており、この横桟材16bに外装材24が取り付けられているので、横桟材16bを胴縁として機能させることができる。
したがって、現場での胴縁取付け作業を省略することができるので、その分、外断熱構造の施工の手間を軽減できる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、例えば図2〜図4に示すように、請求項4に記載の外断熱構造において、
前記外断熱パネル15に取付金物20が固定されており、
この取付金物20を、前記外壁構造体8に固定された受金物21に係合することによって、外壁構造体8に、前記外断熱パネル15が取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、外断熱パネル15に固定された取付金物20を、外壁構造体8に固定された受金物21に係合することによって、外壁構造体8に外断熱パネル15が取り付けられているので、外壁構造体8に外断熱パネル15を容易かつ確実に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、外断熱パネルが、枠体と、この枠体内に設けられた断熱材とを備え、この枠体が、左右に離間しかつ互いに平行に設けられた複数の縦桟材と、これら縦桟材を連結するように設けられた複数の横桟材とを有し、横桟材が縦桟材の前面に固定されているので、外壁構造体の外側に、内部に断熱材が設けられた枠体を、横桟材が外側を向くようにして取り付けることによって、横桟材を胴縁として機能させ、この横桟材に外装材を取り付けることができる。
したがって、現場での胴縁取付け作業を省略することができるので、その分、外断熱構造の施工の手間を軽減できる。
また、現場作業時間を短縮することができるので、雨濡れ等による外断熱パネルや外壁構造体の品質低下を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図3は第1実施の形態を示すもので、図1は本発明に係る外断熱構造の一例を示す縦断面図、図2は同平断面図、図3は本発明に係る外断熱パネルを示す斜視図である。
【0017】
図1において、符号1は基礎を示す。基礎1は布基礎であり、その内側には防湿土間コンクリート2が打設されている。また、基礎1の上面の内側半分には、床パネル3の端部が台輪4を介して設置されており、基礎1の上面の外側半分には、半土台5が台輪4を介して設置されている。床パネル3は、建物の躯体を構成するものであり、矩形枠状の枠体内に補強桟材が縦横に取り付けられるとともに、上面に合板からなる面材3aが取り付けられてなるものである。
そして、床パネル3の端部上面と半土台5の上面に、壁パネル6が設置されている。壁パネル6は、建物の躯体を構成するものであり、矩形枠状の枠体内に補強桟材が縦横に取り付けられるとともに、左右両面に合板からなる面材6a,6aが取り付けられてなるものであり、内部にはグラスウール等からなる断熱材7が充填されている。
壁パネル6は複数枚を表面が面一になるようにして接合するとともに、出隅部や入隅部では互いに直角に接合することによって、外壁構造体8を構成するものである。
【0018】
なお、基礎1には、図示しないアンカーボルトがその上端部を基礎1の上面から突出するようにして埋設されており、このアンカーボルトの上端部は、前記床パネル3と半土台5との接合部を貫通して、壁パネル6の枠体6bに連結されている。
また、基礎1の外面には発泡断熱材9が設けられ、この発泡断熱材9の表面に下地ボード10が取り付けられ、この下地ボード10の表面に、仕上材としての塩ビシート11が貼り付けられている。これによって、基礎1の外側が外断熱構造となっている。
【0019】
壁パネル6で構成された外壁構造体8の外側には、本発明に係る外断熱パネル15が取り付けられている。
外断熱パネル15は、図1〜図3に示すように、枠体16と、この枠体16内に設けられたグラスウール等からなる断熱材17とを備えている。なお、図3では、断熱材17は省略してある。
枠体16は、左右に離間しかつ互いに平行に設けられた複数(図3では4本)の縦桟材16a・・・と、これら縦桟材16a・・・を連結するように設けられた複数(図3では2本)の横桟材16b,16bと、複数の縦桟材16a・・・の上下端部をそれぞれ連結する上框材16c、下框材16dとを備えて構成されている。
【0020】
前記横桟材16b,16bは、枠体16の横幅と等しい長さを有しており、縦桟材16a・・・の前面に固定されている。したがって、横桟材16b,16bは、左右両側の縦桟材16a,16aと上下の框材16c,16dとで構成された矩形枠より横桟材16bの厚さ分だけ矩形枠から突出している。
また、前記横桟材16b,16bは、上下に離間して平行に設けられており、縦桟材16a・・・にこれと交差した部分において、釘や接着剤等によって固定されている。
【0021】
このような構成の外断熱パネル15は、以下のようにして、壁パネル6で構成された外壁構造体8に取り付けられている。
すなわちまず、図2および図3に示すように、外断熱パネル15は横桟材16bを外側に向けて取付金物20によって外壁構造体8の表面に取り付けられている。つまり、枠体16の裏面側を外壁構造体8の表面に当接させて取付金物20によって取り付けられている。
【0022】
取付金物20は、図4に示すように、矩形板状の鉄板を折り曲げて形成されたものであり、固定板20aと、係合板20bと、これらを連結する連結板20cとによって構成さされている。
固定板20aは、外断熱パネル15の左右の縦桟材16a,16aの内側の側面に、釘やビス等の止着材によって固定されるものであり、この固定板20aには止着材を挿通するための孔が形成されている。
【0023】
係合板20bは、後述する受金物に係合するものであり、連結板20cの縁部から固定板20aと反対側に延在し、かつ、固定板20aと平行に設けられている。また、係合板20bには、係合溝20dが係合されており、この係合溝20dの下端部には、傾斜部20eが形成されている。この傾斜部20eは、下方に向かうにしたがって漸次係合溝20dの開口が大きくなるように傾斜している。
なお、このような取付金物20は、外断熱パネル15の左右両側の縦桟材16a,16aのうち、一方の縦桟材16aの内側の側面に固定するものと、他方の縦桟材16aの内側の側面に固定するものとの2種類があり、これら2種類の取付金物20は、固定板20aまたは係合板20bと平行な面に対して、対称的に形成されている。
そして、取付金物20は、外断熱パネル15の4つの角部の内側にそれぞれ固定されている、つまり、左右両側の縦桟材16a,16aの上下端部の内側の側面にそれぞれ固定板20aを止着材によって固定することによって、固定されている。
また、取付金物20を縦桟材16aに固定した状態において、係合板20bの先端は枠体16の裏面より内側に位置している。つまり、係合板20bの先端は外断熱パネル15の裏面から突出していない。また、係合板20bの係合溝20dは下方に向けられている。
【0024】
一方、外壁構造体8の表面、すなわち壁パネル6の表面には、受金物21が固定されている。
この受金物21は、矩形板状の鉄板をL型に折り曲げて形成されたものであり、固定板21aと、この固定板21aに直角に形成された係合板20bとによって構成されている。
固定板21aは、外壁構造体8の表面に釘やビス等の止着材によって固定されるものであり、この固定板21aには止着材を挿通するための孔が形成されている。
係合板21bは、前記取付金物20の係合板20bに係合するものであり、この係合板20bに形成された係合溝20dに係合する係合ピン21dが係合板21bに直角に形成されている。
【0025】
前記受金物21は、外壁構造体8の表面に、係合板21bを外壁構造体8の表面から突出させるとともに固定板21aを釘やビス等の止着材によって固定することによって、固定されている。
また、受金物21は外壁構造体8の表面に、外断熱パネル15に固定された取付金物20に対応する位置に固定されている。つまり、受金物21は、外壁構造体8の表面に取り付けられるべき外断熱パネル15に固定された取付金物20に位置に対応して、固定されている。
【0026】
そして、外断熱パネル15は、その取付金物20を外壁構造体8の表面に固定された受金物21に係合することによって、外壁構造体8の表面に取り付けられている。
取付金物20を受金物21に係合する場合、取付金物20の係合板20bを、受金物21の係合板21bに上方から摺動するようにして当接するとともに、係合溝20dを係合ピン21dに上方から係合させることによって行う。この場合、係合溝20dには傾斜部20eが形成されているので、この傾斜部20eに沿って係合ピン21dが相対的に移動し、これによって、取付金物20が外壁構造体8の表面側に引き込まれて、外断熱パネル15が外壁構造体8の表面に当接した状態で取り付けられる。
【0027】
上記のようにして外壁構造体8の表面に取り付けられた外断熱パネル15の表面には、図1および図2に示すように、防水透湿シート23が横桟材16bの上から貼り付けられている。
また、外断熱パネル15の表面側には外装材24が配設されており、この外装材24は外断熱パネル15の横桟材16b・・・に釘等の止着材によって取り付けられている。
また、図1に示すように、建物の1階を構成する外壁構造体8に取り付けられた外断熱パネル15は、その下端部が外壁構造体8を構成する壁パネル6の下端部より下方に突出しており、該外断熱パネル15の下端部は、前記半土台5に当接されて固定されている。
また、外断熱パネル15の下框材16dと、前記発泡断熱材9との間には、EPDMで形成されたパッキン材25が設けられている。さらに、前記下框材16dには、水切り26が取り付けられており、この水切り26の下端は基礎1の上端より下方に位置している。
【0028】
図5は外壁構造体8の出隅部に、外断熱パネル15,15を直角に取り付けた状態を示す平断面図である。
図5に示すように、外壁構造体8の出隅部は、2枚の壁パネル6A(6),6B(6)を直角に接合することによって構成されている。すなわち、一方の壁パネル6Aの端面には、矩形断面の調整材30が固定されており、この調整材30の側面と一方の壁パネル6Aの端部の外表面に、他方の壁パネル6Bの端面が当接されている。
【0029】
そして、このようにして構成された外壁構造体8の出隅部に、2枚の外断熱パネル15a(15),15b(15)が直角に接合されて取り付けられている。
すなわち、一方の外断熱パネル15aは、一方の壁パネル6Aに取り付けられており、その端面は他方の壁パネル6Bの外表面および調整材30の先端面と面一となっている。つまり、一方の外断熱パネル15は、外壁構造体8の出隅部を構成する一方の外表面8aに取り付けられており、その端面は前記出隅部を構成する他方の外表面8bと面一になっている。
また、他方の外断熱パネル15bは、他方の壁パネル6Bに取り付けられており、その端部の内表面に前記一方の外断熱パネル15aの端面が当接されている。つまり、他方の外断熱パネル15bは前記出隅部を構成する他方の外表面8bに取り付けられており、その端部の内表面に前記一方の外断熱パネル15aの端面が当接されている。また、他方の外断熱パネル15bの端面は、一方の外断熱パネル15aの外表面と面一になっている。
【0030】
このように、外壁構造体8の出隅部を構成する一方の外表面8aに、一方の外断熱パネル15をその端面が前記出隅部を構成する他方の外表面8bと面一になるように取り付け、前記他方の外表面8bに、他方の外断熱パネル15bを、その端部の内表面に前記一方の外断熱パネル15aの端面を当接させるとともに、他方の外断熱パネル15bの端面と一方の外断熱パネル15aの外表面とが面一になるようにして、取り付けることによって、外壁構造体8の出隅部に外断熱パネル15a,15bを容易かつ正確に取り付けることができる。
【0031】
図6は外壁構造体8の入隅部に、外断熱パネル15,15を直角に取り付けた状態を示す平断面図である。
図6に示すように、外壁構造体8の入隅部は、2枚の壁パネル6A(6),6B(6)を直角に接合することによって構成されている。すなわち、一方の壁パネル6Aの端面には、矩形断面の調整材31が固定されており、この調整材31の側面と一方の壁パネル6Aの端部の外表面に、他方の壁パネル6Bの端面が当接されている。
【0032】
そして、このようにして構成された外壁構造体8の入隅部に、2枚の外断熱パネル15a(15),15b(15)が直角に接合されて取り付けられている。
すなわち、一方の外断熱パネル15aは、他方の壁パネル6Bに取り付けられており、その端面は一方の壁パネル6Aの外表面に当接されている。つまり、一方の外断熱パネル15aは、外壁構造体8の入隅部を構成する他方の外表面8bに取り付けられており、その端面は前記入隅部を構成する一方の外表面8aに当接されている。
また、他方の外断熱パネル15bは、一方の壁パネル6Aに取り付けられており、その端面は一方の外断熱パネル15aの端部の外表面に当接されている。つまり、他方の外断熱パネル15bは、前記入隅部を構成する一方の外表面8aに取り付けられており、その端面は一方の外断熱パネル15aの端部の外表面に当接されている。
【0033】
このように、外壁構造体8の入隅部を構成する他方の外表面8bに、一方の外断熱パネル15aを、その端面が前記出隅部を構成する一方の外表面8aに当接するようにして取り付け、前記一方の外表面8aに、他方の外断熱パネル15bを、その端面が一方の外断熱パネル15aの端部の外表面に当接するようにして取り付けることによって、外壁構造体8の入隅部に外断熱パネル15a,15bを容易かつ正確に取り付けることができる。
【0034】
本実施の形態によれば、外断熱パネル15が枠体16とこの枠体16内に設けられた断熱材17とを備えており、枠体16が、左右に離間しかつ互いに平行に設けられた複数の縦桟材16aと、これら縦桟材16aを連結するように設けられた複数の横桟材16bとを有し、横桟材16bが縦桟材16aの前面に固定されているので、外壁構造体8の外側に、枠体16を、横桟材16bが外側を向くようにして取り付けることによって、横桟材16bを胴縁として機能させ、この横桟材16bに外装材24を取り付けることができる。
したがって、現場での胴縁取付け作業を省略することができるので、その分、外断熱構造の施工の手間を軽減できる。
【0035】
また、横桟材16bは、上下に離間して複数平行に設けられるとともに、縦桟材16aにこれと交差した部分において固定されているので、これら横桟材16bを強固に固定できる。したがって、これら横桟材16bによって外装材24を強固に支持できる。また、横桟材16bによって枠体16が補強される。
さらに、枠体16が、複数の縦桟材16aの上下端部をそれぞれ連結する上框材16cと下框材16dとを有しているので、枠体16内に設けられた断熱材17が枠体16の上下端部から抜け出ることがない。
また、複数の外断熱パネル15を上下に隣接配置する際に、下方の外断熱パネル15の上框材16cに、上方の外断熱パネル15の下框材16dを設置することによって、上下の外断熱パネル15,15を安定的に配置できる
加えて、外断熱パネル15に取付金物20が固定されており、この取付金物20を、外壁構造体8に固定された受金物21に係合することによって、外壁構造体8に、外断熱パネル15が取り付けられているので、外壁構造体8に外断熱パネル15を容易かつ確実に取り付けることができる。
【0036】
なお、本実施の形態では、外断熱パネル15を取付金物20によって外壁構造体8に取り付けたが、外断熱パネル15は、釘やビス等の止着材や接着剤等によって外壁構造体8に取り付けてもよい。
また、本実施の形態では、壁パネル6によって構成された外壁構造体8を例にとって説明したが、外壁構造体8としては、壁パネル6に限るものではなく、例えば、在来の軸組み工法によって構築された建物の、柱、梁、筋違等によって構成された壁体、ツーバイフォー工法等によって構築された建物の壁体等であってもよい。
【0037】
(第2の実施の形態)
図7〜図9は、本発明に係る外断熱パネルを、建物の外壁に設けたフラワーボックス内の外壁に設けた例を示すものである。
本例の外断熱パネル35は、枠体36と、この枠体36内に設けられた断熱材37とを備えている。
枠体36は、左右に離間しかつ互いに平行に設けられた2本の縦桟材36a,36aと、これら縦桟材36a,36aを連結するようにして設けられた3本の横桟材36b・・・を有している。
【0038】
前記横桟材36b・・・は、枠体36の横幅と等しい長さを有しており、縦桟材36a,36aの前面に固定されている。したがって、横桟材36b・・・は、縦桟材36a,36aより横桟材36bの厚さ分だけ突出している。
また、前記横桟材36b・・・は、上下に離間して平行に設けられており、その両端部が縦桟材16a,16aに釘や接着剤等によって固定されている。
【0039】
一方、フラワーボックス40は、建物の外壁から水平に延出している床部41と、この床部41の左右側部に立設された側壁部42,42と、床部41の前端部に立設された前壁部43とから構成されている。なお、床部41は床パネルによって構成されており、側壁部42および前壁部43はそれぞれ壁パネルによって構成されている。
そして、このフラワーボックス40内の、建物の外壁(外壁構造体)44に前記外断熱パネル35がその横桟材36bを外側に向けて取り付けられ、該横桟材36bに外装材45が取り付けられている。なお、外断熱パネル35の表面には、防水透湿シート(図示略)が貼り付けられており、この防水透湿シート上から外装材45が横桟材36bに釘等の止着材によって取り付けられている。
【0040】
外断熱パネル35を外壁44に取り付ける場合、床部41を除くフラワーボックス40を構成する側壁部42,42と前壁部43、および前記外断熱パネル35を予め一体化してユニット化しておき、このユニット化されたユニット46を床部41と外壁44に取り付ける。
外断熱パネル35は、側壁部42,42の基端部間に配置されたうえで、この側壁部42,42に釘等の止着材47によって固定されている。止着材47は、外断熱パネル35の縦桟材36aから側壁部42を構成する壁パネルに打ち込まれている。そして、この止着材47の打ち込み後に、断熱材37が枠体36内に充填されている。
このようにしてユニット化されたユニット46は、その前壁部43を床部41に固定するとともに、側壁部42を外壁44に固定することによって、建物に固定されている。これによって、外断熱パネル35は、外壁(外壁構造体)44に横桟材36bを外側に向けて取り付けられている。なお、外断熱パネル35の上端開口は、閉塞板48によって閉塞されている。
【0041】
本実施の形態によれば、外断熱パネル35が枠体36とこの枠体36内に設けられた断熱材37とを備えており、枠体36が、左右に離間しかつ互いに平行に設けられた縦桟材36a,36aと、これら縦桟材36a,36aを連結するように設けられた3本の横桟材36b・・・とを有し、横桟材36bが縦桟材36aの前面に固定されているので、外壁44の外側に、枠体36を、横桟材36bが外側を向くようにして取り付けることによって、横桟材36bを胴縁として機能させ、この横桟材36bに外装材45を取り付けることができる。
したがって、現場での胴縁取付け作業を省略することができるので、その分、外断熱構造の施工の手間を軽減できる。
【0042】
また、フラワーボックス40を取り付ける部分の外壁44に、ユニットされたユニット46を固定することによって、フラワーボックス40の取付け作業と、外断熱パネル35の取付け作業を同時に行うことができ、施工性に優れたものとなる。
【0043】
なお、本例では、外断熱パネル35を、フラワーボックス40の一部がユニット化されたユニット46とともに外壁44に取り付ける場合について説明したが、例えば、外断熱パネル35を、バルコニーの一部がユニット化されたユニットとともに外壁44に取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施の形態を示すもので、外断熱構造の縦断面図である。
【図2】同、外断熱構造の平断面図である。
【図3】同、外断熱パネルを示す斜視図である。
【図4】同、取付金物を示す斜視図である。
【図5】同、外壁構造体の出隅部に、外断熱パネルを取り付けた状態を示す平断面図である。
【図6】同、外壁構造体の入隅部に、外断熱パネルを取り付けた状態を示す平断面図である。
【図7】本発明の第2実施の形態を示すもので、フラワーボックスの内側の外壁に外断熱パネルを取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図8】同、フラワーボックスを外断熱パネルとともに示す平断面である。
【図9】同、外断熱パネルの斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
6 壁パネル
8 外壁構造体
15,35 外断熱パネル
16,36 枠体
16a,36a 縦桟材
16b,36b 横桟材
16c 上框材
16d 下框材
17,37 断熱材
24,45 外装材
44 外壁(外壁構造体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁構造体の外側に取り付けられる外断熱パネルであって、
枠体と、この枠体内に設けられた断熱材とを備え、
前記枠体は、左右に離間しかつ互いに平行に設けられた複数の縦桟材と、これら縦桟材を連結するように設けられた複数の横桟材とを有し、
前記横桟材は前記縦桟材の前面に固定されていることを特徴とする外断熱パネル。
【請求項2】
請求項1に記載の外断熱パネルにおいて、
前記横桟材は、上下に離間して複数平行に設けられるとともに、前記縦桟材にこれと交差した部分において固定されていることを特徴とする外断熱パネル。
【請求項3】
請求項1または2に記載の外断熱パネルにおいて、
前記枠体は、前記複数の縦桟材の上下端部をそれぞれ連結する上框材と下框材とを有していることを特徴とする外断熱パネル。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の外断熱パネルを備えた外断熱構造であって、
外壁構造体の外側に、前記外断熱パネルが横桟材を外側に向けて取り付けられており、
前記外断熱パネルの前記横桟材に、外装材が取り付けられていることを特徴とする外断熱構造。
【請求項5】
請求項4に記載の外断熱構造において、
前記外断熱パネルに取付金物が固定されており、
この取付金物を、前記外壁構造体に固定された受金物に係合することによって、外壁構造体に、前記外断熱パネルが取り付けられていることを特徴とする外断熱構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−95956(P2010−95956A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269481(P2008−269481)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】