説明

外装材の剥離状態を判定する剥離測定システム及び剥離測定方法

【課題】測定者の熟練度に影響されずに外装材の初期段階の剥離状態を測定することができるとともに、広範囲に亘る調査であっても剥離の程度及びその分布を短時間で容易に把握できる。
【解決手段】 温度変化に応じて構造物に施された外装材の下地の拘束力が変化して外装材が伸縮する際の歪み量の変化によって外装材の剥離状態を判定する剥離測定システム1は、温度計付歪みセンサ4を有する測定部2と、この温度計付歪みセンサ4にて測定された歪み量及び温度に時刻を付加してそれぞれを時系列データとし、剥離の程度を判定する機能を有するPC等からなる判定部7と、温度計付歪みセンサ4にて測定された結果をPC等に転送する通信線8とを備える。測定部2は、外装材3の表面に脱着可能に貼り付けられる。外装材3は、例えば、タイルを用いるが、その他の一般的な外装材を使用してもよい。温度計付歪みセンサ4を備えるタイル3は、コンクリート躯体5の上面部に下地モルタル6を介して貼り付けられ、温度にて変化する下地モルタル6の拘束力に応じてタイル3が伸縮する際の歪み量を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物に施される、例えば、タイルやモルタル等の外装材の剥離状態を判定する剥離測定システム及び剥離測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物の外壁面に施されたタイル、モルタル等の外装材が、いわゆる浮き・膨れ等の剥離を起こしたか否かを検査する方法としては、従来より打診法がある。この打診法は、測定者がテストハンマー、パルハンマー等によって構造物の外装材を打撃し、その打撃音の差異、すなわち清音であるか濁音であるかを耳で聴き分けることにより健全部であるか剥離部であるかの判断を行うものである。
【0003】
打診法による検査は、所定期間をおいて定期的に、或いは構造物が老朽化するなどして外装材の剥離が予想されるとき、若しくはひび割れなど剥離による弊害が顕在化したときに行うのが一般的である。
【0004】
また、打診法による検査の種類としては、剥離の危険性が大きい箇所を重点的に検査する部分打診法と外壁の全面に亘って検査する全面打診法とがあり、後者の全面打診法を行う場合には測定者が壁面の全域を移動できるようにゴンドラや足場を設置する。
【0005】
そして、赤外線カメラを用いて外壁面全体の温度を測定して作成される温度コンター図から判定する方法もある。この温度コンター図による判定方法は、剥離部分は外壁面と構造物との間に空気層が介在するために健全部よりも熱伝達抵抗が高く、そのため周囲の健全部と温度が異なることを利用したものであり、外壁面に対して日照量が最大となる時間帯に赤外線カメラによって外壁面を赤外線カメラにて撮影し、温度のコンター図を表示させ、温度の異なる部分を剥離部と判断する。非接触であるため高速な計測が可能である。
【0006】
そして、超音波を用い超高周波の音響を外壁面内部に発射し、反射波を解析する超音波探査方法もある。この超音波探査方法はパルス性の超高周波音響信号を発射し、外壁面内部の浮き・膨れ等の剥離部から反射される音響信号の伝搬時間から剥離部の位置を検出しようとするものである。周波数が高いため音響信号の指向性が高く分解能高い計測が可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来提案されてきた打診法による外装材の剥離検査は、測定者が打撃音を耳で聴き分けるという人間の感知力に頼るものであるため、測定者の熟練度が検査結果に影響を与えるという問題があった。
【0008】
また、この打診法による検査は、検査後に初めて剥離の存在を検知することができる種類のものであるため、剥離の発生を即時に把握することができず、上述したとおり、検査を定期的に行うか又は構造物が老朽化したとき若しくはひび割れ等が顕在化したとき等に行うような場合には、検査を行う時点では既に剥離が発生後、ある程度時間が経過しており、この間にひび割れ等の剥離による弊害が進行していることが多く、剥離に対する処置が遅れる傾向があるという問題があった。
【0009】
さらに、特に全面に亘って検査を行う場合には、上述したとおり、ゴンドラや足場などの設備が必要となり、そのためのコストがかかるという問題があった。
【0010】
そして、赤外線カメラを用いて作成される温度コンター図から判定する方法では、実際の外壁面の温度は、剥離が原因で現れる温度差のほかに、建物内部の暖房による室間の温度差、外壁とスラブの接合箇所や間仕切り壁などの建物構造による温度差等が発生し、剥離部と誤認する要因が多く、これらを経験的に区別して判断しており、このため熟練を要し、しかも個人的な判断基準が異なり、信頼性が低いという問題があった。
【0011】
また、密着部と剥離部との温度差が明瞭となるように日照時間が長く、かつ、外壁面に対して日照量が最大となる時間帯の熱画像を利用している。このため日照時間が極端に短い部分や、太陽光が当たらない北面部分については判断できない場合があるという問題があった。
【0012】
そして、超音波を用いる方法では、高周波を使用しているために外壁面を構成するコンクリートの骨材の影響を受け、深部へ信号が到達しないという問題があった。また、高周波の音響信号を効率良く注入し、接触面の凹凸影響を避けるため、外壁面の研削、グリース塗布等前処理が不可欠であり、計測のための準備に多大の時間と手間を要するという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、以上の課題を鑑みてなされたものであり、測定者の熟練度に影響されずに外装材の初期段階の剥離状態を測定することができるとともに、広範囲に亘る調査であっても剥離の程度及びその分布を短時間で容易に把握できる外装材の剥離測定システム及び剥離測定方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、本発明の外装材の剥離測定システムは、構造物に施された外装材の温度に対する歪み量の経時変化を測定する測定部と、該測定部にて測定された測定結果を処理し、前記外装材の剥離状態を判定する判定部とを備え、温度変化に応じて前記外装材が伸縮する際の歪み量の経時変化によって前記外装材の剥離状態を判定することを特徴とする(第1の発明)。
【0015】
第2の発明は、第1の発明において、前記測定部は、前記測定結果を前記判定部に転送する通信機能を有することを特徴とする。
【0016】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記判定部は、構造物に施された前記外装材の健全状態での温度に対する歪み量の経時変化の結果から歪み量の大きさ及び歪みの発生パターンを解析し、該解析結果に基づいて剥離状態の測定時における測定結果と比較し、前記解析結果と前記測定結果との歪み量の大きさ及び歪みの発生パターンの差分の程度をそれぞれ検出して剥離状態を判定することを特徴とする。
【0017】
第4の発明は、外装材が施された構造物であって、第1〜3のいずれかの発明において、前記外装材の剥離状態を測定する外装材の剥離測定システムを備えることを特徴とする。
【0018】
第5の発明は、外装材の剥離状態を判定する剥離測定方法であって、第1〜4のいずれかの発明において、温度に対する歪み量の経時変化によって構造物に施された外装材の剥離状態を判定することを特徴とする。
【0019】
第6の発明は、第5の発明において、構造物に施された外装材の剥離状態を判定する方法において、構造物に施された前記外装材の健全状態での温度に対する歪み量の経時変化を測定して歪み量の大きさ及び歪みの発生パターンを解析し、該解析結果に基づいて剥離状態の測定時における測定結果と比較し、前記解析結果と前記測定結果との歪み量の大きさ及び歪みの発生パターンの差分の程度をそれぞれ検出して剥離状態を判定することを特徴とする。
【0020】
第7の発明は、第5又は第6の発明において、前記外装材に人工的に温度変化を与えて温度に対する歪み量の経時変化を測定することにより前記外装材の剥離状態を判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の剥離測定システム及び剥離測定方法によれば、測定者の熟練度に影響されず早期の外装材の剥離を検知することができるとともに、広範囲に亘る調査であっても剥離の程度及びその分布を短時間で容易に把握できる。その結果、剥離に対する処置を早期に行うことが可能になり、よって外装材のひび割れや剥落等の事故を未然に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、温度変化に応じて構造物に施された外装材の下地の拘束力が変化して外装材が伸縮する際の歪み量の変化によって外装材の剥離状態を判定する剥離測定システムである。以下に本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の第一実施例における外装材に歪みセンサを配設した状態を示す図である。図1に示すとおり、測定部2は、外装材3の表面に脱着可能に貼り付けられて外装材3の歪み量を測定する温度計付歪みセンサ4を備える。本実施例において外装材3は、例えば、タイルを用いるが、その他の一般的な外装材を使用してもよい。
【0024】
図2は本発明の第一実施例における剥離測定システムをコンクリート躯体に設置した状態を示す図である。
【0025】
図2に示すとおり、温度計付歪みセンサ4を備えるタイル3は、コンクリート躯体5の上面部に下地モルタル6を介して貼り付けられ、温度にて変化する下地モルタル6の拘束力に応じてタイル3が伸縮する際の歪み量を測定する。
【0026】
剥離測定システム1は、温度計付歪みセンサ4を有する測定部2と、この温度計付歪みセンサ4にて測定された歪み量及び温度に時刻を付加してそれぞれを時系列データとし、剥離の程度を判定する機能を有するPC等からなる判定部7と、温度計付歪みセンサ4にて測定された結果をPC等に転送する通信線8とを備える。
【0027】
本実施例においては、判定部7にて歪み量及び温度に時刻を付加してそれぞれを時系列データとしたが、時刻も測定可能な温度計付歪みセンサを利用してもよい。
【0028】
また、複数のタイル3の歪み量及び温度を測定する場合においては、複数の温度計付歪みセンサ4をそれぞれに接続されている通信線8を介して1台のPC等の判定部7に接続して判定することが可能である。
【0029】
さらに、PC等のモニタ画面に外装面全体の歪み量を示すコンター図等を表示させて剥離程度を可視化することにより剥離の程度を容易に把握することが可能である。
【0030】
まず、基本データとする健全状態での温度変化に応じたタイル3の歪み量の変化及び歪み発生パターンを把握するためにタイル3の熱冷繰り返し抵抗性試験を行う。この試験結果から歪み量の大きさ及び歪みの発生パターンを解析し、この解析結果に基づいて剥離状態の測定時における測定結果と比較し、解析結果と測定結果との歪み量の大きさ及び歪みの発生パターンの差分の程度をそれぞれ検出してタイル3の剥離状態の程度を判定する。
【0031】
この抵抗性試験方法は、例えば、日本建築仕上学会規格(M−101 セメントモルタル塗り用吸水調整材の品質基準)に準じる。具体的には、タイル3の表面温度が外気温度から上昇して約70度になるように105分間赤外線ランプを連続照射し、その後、15分間タイル3に散水して冷却することを1サイクルとして300サイクル実施して、経時的な歪み量の変化を測定する。その際、タイル3の表面温度とコンクリート躯体5内部の温度とを比較するためにコンクリート躯体5内部に熱電対9を設置する。
なお、熱冷サイクル時に、適宜、打診検査によるタイル3の剥離状態の確認を行う。
【0032】
図3(a)は本発明の第一実施例における熱冷繰り返し抵抗性試験中のタイルの表面温度の経時変化を示す図である。図3(a)に示すとおり、タイル3の表面温度TTは、加熱によって70度程度まで上昇し、冷却によって20度程度に低下している。また、コンクリート躯体5内部の温度CTは加熱によって32度程度まで上昇し、冷却によって30度程度に低下している。熱冷繰り返しによるタイル3の表面温度の温度変化幅は50度程度であるが、コンクリート躯体5内部の熱冷繰り返しによる温度変化幅は2度程度であり、コンクリート躯体5内部の温度変化幅がタイル3表面の温度変化幅より小さい。
【0033】
図3(b)は本発明の第一実施例における熱冷繰り返し抵抗性試験中の健全状態での温度変化に対するタイルの歪み量の経時変化を示す図である。加熱時のタイル3は加熱による温度上昇に伴い大幅に膨張しようとするが、コンクリート躯体5内部の温度は加熱前とほぼ同じ温度であり、あまり膨張しない。したがって、タイル3の表面温度がコンクリート躯体5内部の温度よりも大幅に高くなり、図3(b)に示すとおり、両者の熱膨張率の違いによってタイル3には圧縮歪みが発生し、圧縮歪みは最大300×10−6程度発生する。
【0034】
また、冷却時のタイル3は冷却による温度低下に伴い大幅に収縮しようとするが、コンクリート躯体5内部の温度は加熱時とほぼ同じ温度であり、あまり収縮しない。したがって、コンクリート躯体5内部の温度がタイル3の表面温度よりも高くなり、図3(b)に示すとおり、両者の熱収縮率の違いによってタイル3には引張歪みが発生し、引張歪みは最大200×10−6程度発生する。
【0035】
図4は本発明の第一実施例における熱冷繰り返し抵抗性試験中のタイルの剥離状態を示す図である。図4に示すとおり、コンクリート躯体5の上面の端部近傍に施されているタイル3aは、タイル敷設時と同様にモルタルを介してコンクリート躯体5に完全に密着しており健全な状態である。しかし、コンクリート躯体5の端部と中央部との中間付近のタイル3bは剥離が始まっており、コンクリート躯体5の端部から中央部に向かうに伴いタイルはモルタル層と一体となってコンクリート躯体5から徐々に剥離して、コンクリート躯体5の中央部に施されているタイル3cは完全に剥離している。
【0036】
図5は本発明の第一実施例における熱冷繰り返し抵抗性試験中の健全状態及び剥離状体での温度変化に対する歪み量の経時変化を示す図である。図5に示すとおり、健全状態のタイル3aの歪み量S3aは、図3(b)とほぼ同様の歪みの大きさ及び歪み発生パターンを示している。しかし、完全に剥離しているタイル3cの歪み量S3cは、下地コンクリート6の付着拘束の影響が無くなり、歪みはほとんど発生していない。また、剥離程度の小さいタイル3bの歪み量S3bは健全状態の歪み量S3aの約1/3程度である。
【0037】
したがって、タイル3を構造物に施して健全状態での温度変化によるタイル3の歪み量の大きさ及び歪みの発生パターンを解析し、この解析結果に基づいて剥離状態の測定時における測定結果と比較し、解析結果と測定結果との歪み量の大きさ及び歪みの発生パターンの差分の程度をそれぞれ検出して剥離状態の程度を判定することが可能である。
【0038】
そこで、構造物に施されたタイル3の剥離状況を点検する際は、タイル3に人工的に温度変化を与えて歪みを発生させ、その歪みの大きさ及び歪みの発生パターンを解析することにより、構造物に施されたタイル3の剥離箇所の検知及び剥離程度の判定が可能である。
【0039】
図6は本発明の第二実施例における剥離測定システムの概念図である。以下、第一実施例と同じ部材を使用する場合においては同符号を付け、説明は省略する。
【0040】
図6に示すとおり、剥離測定システム20は、歪み量を測定し、この測定結果を無線通信にて転送する多機能式測定部21と、この多機能式測定部21より転送される測定結果を処理し、剥離程度を判定する機能を有するPC等からなる判定部7とを備える。
【0041】
多機能式測定部21は、温度計付歪みセンサ4と、この温度計付歪みセンサ4にて測定された測定結果を無線通信にて転送する通信装置22と、温度計付歪みセンサ4及び通信装置22を作動させる電源を供給する太陽電池又は充電池等の電源供給装置23とを備える。これらの温度計付歪みセンサ4、通信装置22、電源供給装置23はすべて1枚のチップ等の基盤24に一体化するように配設されており、タイル3の表面に脱着可能に貼り付けられる。
【0042】
また、多機能式測定部21と判定部7とは無線にて接続されることから、構造物から離れた遠隔地にて剥離程度を確認することが可能である。
【0043】
なお、複数のタイル3の歪み量及び温度を測定する場合においては、複数の多機能式測定部21から転送される測定結果を1台のPC等の判定部7で受信して判定することも可能である。
【0044】
図7は本発明の第三実施例における剥離測定システムの概念図である。以下、第一又は二実施例と同じ部材を使用する場合においては同符号を付け、説明は省略する。
【0045】
図7に示すとおり、剥離測定システム30は、温度計付歪みセンサ4を有する測定部31と、この温度計付歪みセンサ4にて測定された測定結果を処理し、剥離の程度を判定する機能を有する演算処理チップ等からなる小型判定部32と、温度計付歪みセンサ4及び演算処理チップ等の小型判定部32を作動させる電源を供給する太陽電池又は充電池等の電源供給装置23と、測定部の歪みセンサにて測定された結果を判定部に転送する通信線8とを備える。これらの測定部31、小型判定部32、電源供給装置23、通信線8はすべて1枚のチップ等の基盤24に一体化するように配設されており、タイル3の表面に脱着可能に貼り付けられる。
【0046】
小型判定部32は、小型判定部32が貼り付けられているタイル3のみの剥離状態を判定するために、例えば、小型判定部32に発光体又は画面等の可視化装置を設け(図示しない)、剥離程度を色又は数値等で可視化することによりタイル3の剥離の程度を視覚的に確認することが可能である。
【0047】
図8は本発明の第四実施例における剥離測定システムの概念図である。以下、第一〜三実施例と同じ部材を使用する場合においては同符号を付け、説明は省略する。
【0048】
図8に示すとおり、剥離測定システム40は、歪み量を測定し、この測定結果を無線通信にて転送する多機能式測定部41と、この多機能式測定部41より転送される測定結果を処理し、剥離程度を判定する機能を有する演算処理チップ等からなる小型判定部42とを備える。
【0049】
多機能式測定部41は、温度計付歪みセンサ4と、この温度計付歪みセンサ4にて測定された測定結果を無線通信にて転送する通信装置22と、温度計付歪みセンサ4及び通信装置22を作動させる電源を供給する太陽電池又は充電池等の給電装置23とを備える。また、小型判定部42も演算処理機能を作動させる電源を供給する太陽電池又は充電池等の電源供給装置23を備える。
【0050】
また、多機能式測定部41及び小型判定部42は1枚の基盤に配設され一体化しており、タイル3の表面に脱着可能に貼り付けられる。
【0051】
なお、上述した第一〜第四実施例においては、測定部若しくは多機能式測定部及び小型判定部をタイル3の表面に貼り付けたが、例えば、常時剥離状態を監視する必要がある構造物等の場合においては、美観及び機器類の保護の観点からタイル3の内部に測定部若しくは多機能式測定部及び小型判定部を埋め込んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第一実施例における外装材に歪みセンサを配設した状態を示す図である。
【図2】本発明の第一実施例における剥離測定システムをコンクリート躯体に設置した状態を示す図である。
【図3(a)】本発明の第一実施例における熱冷繰り返し抵抗性試験中のタイルの表面温度の経時変化を示す図である。
【図3(b)】本発明の第一実施例における熱冷繰り返し抵抗性試験中の健全状態での温度変化に対するタイルの歪み量の経時変化を示す図である。
【図4】本発明の第一実施例における熱冷繰り返し抵抗性試験中のタイルの剥離状態を示す図である。
【図5】本発明の第一実施例における熱冷繰り返し抵抗性試験中の健全状態及び剥離状体での温度変化に対する歪み量の経時変化を示す図である。
【図6】本発明の第二実施例における剥離測定システムの概念図である。
【図7】本発明の第三実施例における剥離測定システムの概念図である。
【図8】本発明の第四実施例における剥離測定システムの概念図である。
【符号の説明】
【0053】
1 剥離測定システム
2 測定部
3 タイル(=外装材)
3a、3b、3c コンクリート躯体に施されたタイル
4 温度計付歪みセンサ
5 コンクリート躯体
6 下地モルタル
7 判定部
8 通信線
9 熱電対
20 剥離測定システム
21 多機能式測定部
22 通信装置
23 電源供給装置
24 基盤
30 剥離測定システム
31 測定部
32 小型判定部
40 剥離測定システム
41 多機能式測定部
42 小型判定部
TT タイルの表面温度
CT コンクリート躯体内部の温度
S3a、S3b、S3c タイルの歪み量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物に施された外装材の温度に対する歪み量の経時変化を測定する測定部と、
該測定部にて測定された測定結果を処理し、前記外装材の剥離状態を判定する判定部とを備え、
温度変化に応じて前記外装材が伸縮する際の歪み量の経時変化によって前記外装材の剥離状態を判定することを特徴とする外装材の剥離測定システム。
【請求項2】
前記測定部は、前記測定結果を前記判定部に転送する通信機能を有することを特徴とする請求項1に記載の外装材の剥離測定システム。
【請求項3】
前記判定部は、構造物に施された前記外装材の健全状態での温度に対する歪み量の経時変化の結果から歪み量の大きさ及び歪みの発生パターンを解析し、該解析結果に基づいて剥離状態の測定時における測定結果と比較し、前記解析結果と前記測定結果との歪み量の大きさ及び歪みの発生パターンの差分の程度をそれぞれ検出して剥離状態を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の外装材の剥離測定システム。
【請求項4】
外装材が施された構造物であって、前記外装材の剥離状態を測定する外装材の剥離測定システムを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の構造物。
【請求項5】
温度に対する歪み量の経時変化によって構造物に施された外装材の剥離状態を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の外装材の剥離状態を判定する剥離測定方法。
【請求項6】
構造物に施された外装材の剥離状態を判定する方法において、
構造物に施された前記外装材の健全状態での温度に対する歪み量の経時変化を測定して歪み量の大きさ及び歪みの発生パターンを解析し、該解析結果に基づいて剥離状態の測定時における測定結果と比較し、前記解析結果と前記測定結果との歪み量の大きさ及び歪みの発生パターンの差分の程度をそれぞれ検出して剥離状態を判定することを特徴とする請求項5に記載の外装材の剥離状態を判定する剥離測定方法。
【請求項7】
前記外装材に人工的に温度変化を与えて温度に対する歪み量の経時変化を測定することにより前記外装材の剥離状態を判定することを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載の外装材の剥離状態を判定する剥離測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−84439(P2006−84439A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−272195(P2004−272195)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】