説明

多層の建造物の建築方法

【目的】小型クレーンを軽いユニット壁等の部材の吊り揚げに使用して、施工性を高めることができる多層の建造物の建築方法を提供すること。
【構成】鉄骨柱、鉄骨梁等の重い部材を大型タワークレーンTC1、TC2にて吊り揚げて建て込んで躯体01を建築しながら、躯体01上の第1の位置MP01に小型クレーン10を据付け、この小型クレーンで軽いユニット壁5等の部材を吊り揚げて躯体に取付け、次いで小型クレーンを、タワークレーンTC1で吊り揚げて第2の位置MP02に据付け、この位置MP02の小型クレーンで軽い部材を吊り揚げて躯体に取付け、同様のやり方で小型クレーンを第3以降の位置MP03〜MP12に据付け、第3以降の位置の小型クレーンで軽い部材を吊り揚げて順次躯体に取付ける。
【効果】盛替えが容易で、工期の短縮が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多層の建造物の建築方法、例えば、軽い外装用ガラス付きのユニット腰壁を吊り揚げて、建物躯体の鉄骨梁等に取付ける多層の建造物の建築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建物躯体の周囲の鉄骨梁等の複数の箇所にファスナを先付けしておき、ユニット化したユニット壁等を、クレーンで吊り揚げて、前記ファスナに固着する建物の建築方法がある。上記ユニット壁等の吊り揚げには、例えば、(i)大型タワークレーンにて吊り揚げる方法、及び(ii)小型ジブクレーンにて吊り揚げる方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記(i)の方法は、大型タワークレーンに監視、通信設備等が設けられているため、ユニット壁等の取付作業の安全性が確保でき、また、大型タワークレーンに早巻き、遅巻き等の遅速チェンジ機能があるため、ユニット壁等の取付作業の作業能率も向上する。しかし、大型タワークレーンは使用料が高く、これをユニット壁等の取付作業に多くの時間にわたって使うと、建物躯体の建築作業に使う時間が少なくなり、工期の短縮の妨げになる欠点がある。上記(ii)の方法は、それに使う小型クレーンが小揚程で、早巻き、遅巻き等の遅速チェンジ機能を備えてないため、クレーンの起動時等のショックが大きく、高層の建物では揚程が不足してしまう欠点がある。また、小型クレーンには、監視、通信設備等がないため、オペレータと合図者との連携等が難しく、ユニット壁等の取付作業の安全性が確保しにくい欠点もある。この発明の解決しようとする課題は、上述のような従来技術の欠点を有しない多層の建造物の建築方法を提供すること、換言すると、大型タワークレーンと小型クレーンとを使い、小型クレーンを軽いユニット壁等の部材の吊り揚げに専ら使用して、施工性よく建築できる多層の建造物の建築方法及びこの方法に専ら使用する小型ジブクレーンを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を解決するために、次の構成を採用するものである。この発明の構成は、鉄骨柱、鉄骨梁等を揚重して建て込んで建物躯体を建築しながら、ユニット壁等を揚重して建物躯体に取付ける多層の建造物の建築方法において、建築中の建物躯体内又はその近傍に大型タワークレーンを設置し、重い鉄骨柱、鉄骨梁等の部材を大型タワークレーンにて吊り揚げて所定位置に建て込んで下層から順次上層へ建物躯体を建築しながら、建築中の建物躯体上の第1の据付位置に小型クレーンを取外可能に据付け、この小型クレーンにて軽いユニット壁等の部材を吊り揚げて建築中の建物躯体に取付け、次いで第1の据付位置にある小型クレーンを、大型タワークレーンで吊り揚げて建築中の同層又は上層の建物躯体の第2の据付位置に盛替えて据付け、第2の据付位置にある小型クレーンにて軽いユニット壁等の部材を吊り揚げて建築中の建物躯体に取付け、第2の据付位置にある小型ジブクレーンを上記と同様のやり方で第3以降の据付位置に盛替えて取外可能に据付け、第3以降の据付位置に据付けた小型クレーンにて軽いユニット壁等の部材を吊り揚げて順次建築中の建物躯体の部分に取付けることを特徴とする多層の建造物の建築方法にある。この発明においては、建造物の形状によって、建築中の建物躯体の同層(同階)の2以上の据付位置に盛替える場合もある。
【0005】この発明の好ましい実施形態においては、建築中の建物躯体内に少なくとも1台の大型タワークレーンの設置し、重い鉄骨柱、鉄骨梁等の部材を大型タワークレーンにて吊り揚げて所定位置に建て込んで第1の高さの建物躯体を建築し、建築された第1の高さの建物躯体上の第1の据付位置に小型クレーンを取外可能に据付け、第1の据付位置にある小型クレーンにて軽いユニット壁を吊り揚げて第1の高さの建物躯体の部分に取付け、第1の据付位置にある小型クレーンを、大型タワークレーンで吊り揚げて第1の高さの建物躯体上の第2の据付位置に盛替えて取外可能に据付け、第2の据付位置にある小型クレーンにて軽いユニット壁を吊り揚げて第1の高さの建物躯体の他の部分に取付け、小型クレーンの第2の据付位置への盛替え後に、重い鉄骨柱、鉄骨梁等の部材を大型タワークレーンにて吊り揚げて第1の高さの建物躯体上に建て込んで第2の高さの建物躯体を建築し、第2の据付位置にある小型クレーンを、そこから外して大型タワークレーンにて吊り揚げて第2の高さの建物躯体上の第3の据付位置に盛替えて取外可能に据付け、第3の据付位置にある小型クレーンにて軽いユニット壁を吊り揚げて第2の高さの建物躯体の部分に取付け、第3の据付位置にある小型クレーンを、そこから外して大型タワークレーンにて吊り揚げて第2の高さの建物躯体上の第4の据付位置に盛替えて取外可能に据付け、第4の据付位置にある小型クレーンにて軽いユニット壁を吊り揚げて第2の高さの建物躯体の他の部分に取付け、第3以降の高さの建物躯体を上記と同様のやり方で建築しながら、第4の据付位置にある小型クレーンを上記と同様のやり方で第5以降の据付位置に盛替えて据付け、第5以降の据付位置に据付けた小型クレーンにて軽いユニット壁を吊り揚げて順次建物躯体の部分に取付けるようにする。小型クレーンの盛替作業、及び軽いユニット壁等(例えば、カーテンウオール)の部材の建築中の建物躯体への取付作業は、通常、建築中の建物躯体の鉄骨梁上に鋼製の型枠板(例えば、デッキプレート)を取付けてから行う。
【0006】この発明の好適な実施形態においては次ぎのようにする。小型クレーンの据付位置に対応する対の鉄骨梁に予め対の束材を先付けしておき、これらの束材上に支持枠を取外可能に取付け、この支持枠に小型クレーンの基台を取外可能に取付けるようにする。小型クレーンとして、そのフレームの少なくとも3以上の箇所に吊りロープの取付部(例えば、吊輪)を設けたものを使い、また、揚程が大きく、早巻き、遅巻き等の遅速チェンジ機能、乱巻き防止機能及び無線制御機能のある巻上及び巻下装置、通信装置等を備えたものを使う。小型クレーンの巻上及び巻下装置として、巻き胴の表面にロープ径と略等しい間隔をおいて螺旋状の溝孔を設けて、ロープを同じピッチで巻き胴に巻き付け得るようにし、かつ巻き胴に巻き付けられるロープを押えローラにて巻き胴に押し付け、ロープを巻き胴に規則正しく巻き付け得るようにした乱巻き防止装置を備えたものを使う。そして、この発明の構成は、旋回フレームの少なくとも3以上の箇所に吊りロープの取付部が設けられ、巻上及び巻下装置の巻き胴の表面にロープ径と略等しい間隔をおいて螺旋状の溝孔が設けられ、押えローラが巻き胴に巻き付けられるロープを巻き胴に押し付け得るように設けられ、巻上及び巻下装置、旋回装置及び起伏装置がそれらの電動機をインバータ制御にて制御して、無断階的に変速できるように構成されていることを特徴とする小型ジブクレーンにもある。
【0007】
【実施例】実施例は、図1〜図23に示され、円鋼管の鉄骨柱1、角鋼管の鉄骨柱2、H形鋼の鉄骨梁3等を使って多層(例えば、地上23階)の鉄骨造の建物躯体01を建築しながら、その建造中の建物躯体01にプレキャストコンクリート造(以下PCaという)のユニット腰壁4と外装ガラス付きのユニット腰壁5とを取付けて多層の建造物を建築する場合に、本発明を適用した例である。PCaユニット腰壁4は、図21に示すように、表面にタイル4aが付けられ、裏面に長い取付部4b及び版反り防止用突出部4cが形成され、窓用のガラス板を受ける溝孔のある横部材4d、4eがその上側及び下側に取付けられ、その両端に少なくともオープン型のレインバリヤが取付けられている。外装ガラス付きのユニット腰壁5(外装カーテンウオールユニット)は、図22R>2及び図23に示すように、左右の縦部材5A1の間に上、中、下の横部材5A2、5A3、5A4を配し、各横部材の両端部を左右の縦部材5A1に接合してアルミニューム製のサッシュ枠5Aを形成し、左右の縦材5B1間に上、中、下の横材5B2、5B3、5B4を配し、各横材の両端を左右の縦材5B1に溶接等にて接合して鋼製の支持枠5Bを製作し、サッシュ枠5Aの裏側に支持枠5Bを取付け、サッシュ枠5Aの上、中、下の横部材5A2、5A3、5A4間に外装用ガラス板5Cを取付け、左右の縦部材5A1に少なくともオープン型のレインバリヤを取付けて製作されている。なお、上横部材5A2の上側及び下横部材5A5の下側には窓用のガラス板を受ける溝孔が設けられている。
【0008】この実施例においては、大型タワークレーンとして、2台のクライミング式のタワークレーンTC1、TC2を使い、小型クレーンとして、1台の小型ジブクレーン10を使う。この実施例では、小型ジブクレーン10を、図1の平面視の建物躯体の長手方向の中心の両端よりの位置P1、P2に対応する9階、12階、15階、18階、21階及び屋上の床を支持する鉄骨梁3の各据付位置MP01〜MP12に、順次盛替えて取外可能に据付ける。図12〜図16に示すように、図1の位置P1、P2に平行に配された2本の鉄骨梁3上に、上端に4角形の鋼板6aを溶接等にて接合した短いH形鋼からなる束材6の下端を間隔をおいて一対ずつ溶接等にて先付けしておく。図11〜図14に示すように、平行に配した2本のH形鋼の縦材7a上に、4本の溝形鋼の横材7bを間隔をおいて配し、横材7bの両端部を縦材7aに溶接等にて固着して、支持枠7を形成する。そして、支持枠7の縦材7aの下側のフランジ7a1の下面を束材6の鋼板6aの上にのせ、フランジ7a1及び鋼板6aのボルト孔にボルトbを通して、ボルトナットb,nで取外可能に固着し得るようにする。
【0009】小型ジブクレーン10(例えば、定格荷重1トンで作業半径20m、定格荷重2トンで作業半径12m、揚程80m)は、図4〜図9に示すように、基台11、旋回フレーム12、旋回装置13、トラス14、ジブ15、起伏装置16、巻上及び巻下装置17等で構成されている。基台11は、例えば、2本の鋼製の縦材11a、2本の鋼製の横材11b等を接合して構成され、基台11の縦材11aを、支持枠7の縦材7a上にのせ、縦材11aの上側及び縦材7aの下側に、図10に示す挾み材8を当て、各挾み材8の両端よりのボルト孔にボルトbを通し、各ボルトbにナットnをねじ込んで、基台11を支持枠7に取外可能に取付け得るようになっている。図8に示すように、その前部及び後部にブラケット12b、12cを設けた2本の鋼製の縦材12a、鋼製の横材等を結合して、旋回フレーム12が形成され、この旋回フレーム12が、基台11に常法により回動可能に取付けられている。 そして、旋回装置13は、その旋回電動機M1の作動により、常法にて旋回フレーム12を所望時に所望角度だけ旋回させ得るようになっている。旋回フレーム12の後部の各ブラケット12cにその下端を連結して2本の柱体14aを建て、これらの柱体14aを少なくても1本の横部材14bを介して連結し、各柱体14aの上部と旋回フレーム12の前部の各ブラケット12bとを斜材14cで連結して、フレーム12上にトラス14が形成されている。
【0010】ジブ15は、その基部15aが旋回フレーム12の後部の対のブラケット12cに起伏可能に取付けられている。起伏装置16は、旋回フレーム12上の略中央に起伏電動機M2により駆動される巻き胴16aを有する装置を設け、一端が巻き胴16aに取付けられかつ巻き胴16aに巻き付けられているロープR1を解舒して、トラス14の上部に取付けた滑車P1にかけて案内し、このロープR1の端を一端がジブ15の上端部15bに固着されているロープR2の他端に常法により連結して構成され、所望時に、起伏電動機M2を回動させて、ジブ15を所望角度だけ起伏させ得るようになっている。巻上及び巻下装置17は、図4、図5及び図7に示すように、旋回フレーム12上の後方に巻上電動機M3により駆動される巻き胴17aを有する装置を設け、一端が巻き胴17aに取付けられかつ巻き胴17aに巻き付けられているロープR3を解除して、このロープR3をトラス14の上部に取付けた滑車P2にかけて案内し、ジブ15の上端部15bに取付けた滑車P3に掛けて垂下させ、その下端に吊りフック17gを設けたロープR4に常法により連結して構成され、所望時に、巻上電動機M3を回動させて、吊りフック17gを吊りロープR3、R4を介してを所望高さだけ吊り揚げ又は吊り下げ得るようになっている。
【0011】巻上及び巻下装置17は乱巻き防止手段を備えている。図17〜図20に示すように、巻き胴17aの表面には、ロープR3径に等しい間隔をおいて螺旋状の浅い溝孔17a1が設けられ、ロープR3の一端R3aが巻き胴17aに固定され、ロープR3を同じピッチで巻き付け得るようになつており、かつ巻き胴17aに巻き付けられるロープR3を押えローラ17bで巻き胴17aに押し付け、巻き胴17aに巻き付けられたロープR3とロープR3の間の溝に新たに巻かれるロープR3を押し込み、ロープR3を巻き胴17aに規則正しく巻き付け得るようになっている。押えローラ17bは、図2020に示すように、巻上装置17の支持部17cに軸支されたレバー17dの一方の端に回動自在に取付け、押えローラ17bの軸心を巻き胴17aの軸心と平行になるようにし、レバー17dの他方の端を案内棒17fに嵌めたスプリング17eを介して支持部17cに連結し、このスプリング17eの反発力にて、押えローラ17bを巻き胴17aに押し付け得るようになっている。なお、押えローラ17bの形状は、その中央部17b1が円筒形になっていて、その両側の部分17b2が端部に行くに従って径の小さくなる小さき頂角の円錘面になっている。図7に示すように、運転室18Aを旋回フレーム12の前部の一方の側に設け、配電盤収容室18Bを旋回フレーム12の中央の他方の側に設け、運転室18Aと配電盤収容室18Bとが釣合いを考慮した位置に配設してある。図5〜図7に示すように、基台11の前部の両側に略対応する旋回フレーム12の前部にそれぞれ吊りロープLw1の取付部となる吊輪19が固着され、かつ基台11の後部の両側に対応する旋回フレーム12の略中央の部分にそれぞれ吊りロープLw1の取付部となる吊輪19が固着されている。
【0012】小型ジブクレーン10の巻上及び巻下装置17、旋回装置13及び起伏装置16は、それらの電動機M3〜M1がインバータ制御により制御され、無断階的に変速できるように構成されている。例えば、巻上及び巻下装置17は、次のように操作できるものを使用する。
(1)制御盤に電力が供給されているかを確認してから、ブレーカーを投入し、クレーンに異常のないことを確認して、非常停止押釦を引いて、キースイッチをオンにする。
(2)巻上及び巻下装置17の操作レバーが停止の位置にあり、この停止の位置では電動機M3が電磁ブレーキで不動に保持されている。巻上又は巻下の選択をし、操作レバーを1ノッチに進めると、電動機M3がインバータ制御によりスムーズに起動し、操作レバーを2ノッチに進めると、インバータ制御の周波数が徐々に上昇し、操作レバーを3ノッチに進めると、インバータ制御の周波数が上昇して加速し、操作レバーを4ノッチに進めると、インバータ制御の周波数が最大になり全速になり、操作レバーを0ノッチに戻すと、インバータ制御により周波数が徐々に減少してスムーズに停止し、電磁ブレーキが作動して巻上又は巻下の位置を保持するようになっている。小型ジブクレーン10の起伏装置16及び旋回装置13も、上記の巻上及び巻下装置17と同様に操作できるようになっている。また、この小型ジブクレーン10は、無線操縦(制御)できるように構成され、通信装置を備えている。
【0013】建造物躯体01を、図2及び図3に示されているように、円鋼管の鉄骨柱1と角鋼管の鉄骨柱2とを使い、H形断面の鉄骨梁3を使い、例えば、地下2階で、地上23階に構築する。小型ジブクレーン10を設置する位置A1、A2に対応する鉄骨梁3には予め束材4を先付けし、建造物躯体01の外周部のユニツト壁の取付部に対応する鉄骨梁3にも予め腰壁用ファスナー9を先付けしておく。鉄骨柱11、12の地下2階から地上1階に亘って延びる第1節を建て込み、それらに鉄骨梁3を取付けて地上1階までの建物躯体を構築してから、地上1階の床を支持する梁3上の図1及び図2に示す位置に、クライミング式のタワークレーンTC1を設置する。また、鉄骨柱11、12の地上1階から地上3階に亘って延びる第2節を建て込み、それらに鉄骨梁3等を取付けて地上3階の建物躯体を構築してから、3階の床を支持する梁3上の図1及び図2に示す位置に、クライミング式のタワークレーンTC2を配置する。なお、タワークレーンTC1は、図1に示すように、小型ジブクレーン10を位置A1から位置A2に吊り上げて移動でき、かつ建物躯体の少なくとも右半分の何の位置にも鉄骨柱11、12、鉄骨梁3、PCaユニット腰壁4等の重い部材を吊り上げて移動できる位置に設置する。また、タワークレーンTC2は、建物躯体の少なくとも左半分の何の位置にも前記重い部材を吊り上げて移動できる位置に設置する。タワークレーンTC1、TC2を使って、鉄骨柱11、12の地上3階から地上6階に亘って延びる第3節及び地上6階から地上9階に亘って延びる第4節を吊り揚げて建て込み、鉄骨梁3等をタワークレーンTC1、TC2にて吊り揚げて、建て込んだ第3節及び第4節の柱体11、12に取付ける。なお、建て込まれた鉄骨柱11、12の高さの増大に応じて、タワークレーンTC1、TC2を順次クランミングさせる。
【0014】この実施例では、建物躯体01の鉄骨梁に次ぎのやり方でデッキプレートを取付ける。建物躯体01の各階の4隅の雁行部以外の各鋼管柱1、2に鉄骨造の大梁3を取付け、組立ヤードにおいて鉄骨造の小梁の上側にデッキプレートを取付け、デッキプレートの下側に配管、ダクト等の床下設備を取付けて梁床ブロックを組み立て、この梁床ブロックをタワークレーンTC1、TC2で吊り揚げて対応する大梁3に取付ける。また、組立ヤードにおいて、鉄骨造の大梁及び小梁を所定位置に配し、小梁を大梁に接合し、小梁と小梁を接合し、大梁及び小梁の上側にデッキプレートを取付け、このデッキプレートの下側に配管、ダクト等の床下設備を取付けて、隅梁床ブロックを組み立て、この隅梁床ブロックを、タワークレーンTC1、TC2で吊り揚げて各階の4隅の雁行部まで移動させ、大梁、鉄骨柱等に取付ける。なお、梁床ブロック及び隅梁床ブロックの建物躯体への取付は、柱体11、12の各節の建て込み後に順次行う。
【0015】第4節の柱体11、12を建て込んで、鉄骨梁3及びその上にデッキプレートを取付けた状態にし、9階の図3の右側の位置A1の鉄骨梁3の束材6上に支持枠7を取付けてから、地上で全部(又は一部)を組み立てた小型ジブクレーン10を、タワークレーンTC1又はTC2を使って吊り揚げて、この第1の据付位置MP01の鉄骨梁3の束材6に取付けた支持枠7の縦材7a上にのせ、基台11の縦材11aを、挾み材8とボルトナットb,nを使って、小型ジブクレーン10の基台11を支持枠7に取外可能に据付ける。外装ガラス付きの軽いユニット腰壁5を、小型ジブクレーン10を使って吊り揚げ、建物躯体の周囲の図3の左側の2点鎖線で囲んだ部分の例えば3階〜5階の鉄骨梁3に先付けした腰壁用ファスナー9に取付ける。ユニット腰壁5の前記取付作業の前又は後に、或いは前記取付作業と並行して、重いPCaユニット腰壁4を、タワークレーンTC1、TC2にて吊り揚げて、前記2点鎖線で囲んだ部分以外の建物躯体の周囲の例えば3階〜5階の腰壁用ファスナーに取付ける。9階の図1の右側の位置A2の鉄骨梁3の束材6上に支持枠7を取付けておいてから、第1の据付位置MP01にある小型ジブクレーン10を、タワークレーンTC1を使って吊り揚げて、第2の据付位置MP02の支持枠7の縦材7a上にのせ、基台11の縦材11aを、挾み材8とボルトナットb,nを使って、小型ジブクレーン10の基台11を支持枠7に取外可能に据付ける。すなわち、盛替える。
【0016】次に、小型ジブクレーン10の盛替えの仕方を説明する。
(1)ジブ15を起し、ロープM4を吊りフック17fが過巻きリミットになる直前まで巻き上げる。
(2)旋回フレーム12の4つの吊り環19にそれぞれ吊りワイヤーLw1の下端を取付け、これらの前側及び後側の対のワイヤーLw1の上端にそれぞれ吊り上げビームSbを連結し、2対の全体吊りワイヤーLw2の下端をそれぞれ吊り上げビームSbに連結し、2対の全体吊りワイヤーLw2の上端をタワークレーンTC1のフックTC1aに掛ける。なお、対の全体吊りワイヤーLw2の1本には、チェーンブロックを取付けておく。
(3)前記チェーンブロックを使って2本の全体吊りワイヤーLw2の長さを調節し、吊り揚げる小型ジブクレーン10の前後左右のバランスをとる。
(4)安全の確保のため、トラス14の上部とフックTC1aの間及び旋回フレーム12とジブ15の下方の部分との間に転倒防止ワイヤーFw1、Fw2を取付ける。
(5)旋回フレーム12、ジブ15等と基台11との間の回転を止めるため、旋回フレーム12の前後、ジブ15等から基台11に回転止めロープを掛ける。
(6)ボルトナットb,nによる締付けを解除して挾み材8を外し、小型ジブクレーン10の基台11を支持枠7から外し、小型ジブクレーン10全体を少しずつ吊り揚げて、前後のバランスはジブ15の起伏操作で取り、その前後左右のバランスを確認する。確認後に小型ジブクレーン10の電源を遮断する。
(7)小型ジブクレーン全体10を吊り揚げ、回転しないように注意しながら所定位置へ移動させる。
(8)所定位置(第2の据付位置MP02)の鉄骨梁3の束材6上の支持枠7の縦材5a上にのせ、小型ジブクレーン10の基台11の縦材11aを、挾み材6及びボルトナットb,nを使って、支持枠5に取外可能に取付ける。
(9)転倒防止ワイヤーFw1、Fw2を外し、旋回フレーム12、ジブ15、基台11等に掛けた回転止めロープを外す。
【0017】第2の据付位置MP02にある小型ジブクレーン10を使って、軽量のユニット腰壁5を、建物躯体の周囲の図3の右側の2点鎖線で囲んだ部分の例えば3階〜5階の鉄骨梁3に先付けした腰壁用ファスナー9に取付ける。上記作業と並行して、タワークレーンTC1、TC2を使って、図3の左側の位置A1等の鉄骨柱11、12の第4節の上に第5節を建て込み、第5節の鉄骨柱11、12に鉄骨梁3等を取付け、12階の左側の位置A1の梁鉄骨3の束材6上に支持枠7を取付け、第3の据付位置MP03とする。第2の据付位置MP02における小型ジブクレーン10による軽いユニット腰壁5の揚重作業が終了したら、この小型ジブクレーン10を上記と同じやり方で第3の据付位置MP03に盛替える。
【0018】建て込まれた鉄骨柱11、12の高さの増大に応じて、タワークレーンTC1、TC2を順次クランミングさせ、かつ、それに応じて、小型ジブクレーン10を上記と同じやり方で第4〜第12の据付位置MP04〜MP12に盛替え、各据付位置MP03〜MP12に据付けた小型ジブクレーン10を使って、外装ガラス付きのユニット腰壁5を、建物躯体の周囲の図3の2点鎖線で囲んだ部分の6階〜23階の鉄骨梁3に先付けした腰壁用ファスナー9に取付ける。外装ガラス付きの軽いユニット腰壁5の取付作業の前又は後に、或いはその取付作業と並行して、重いPCaユニット腰壁4を、タワークレーンTC1、2にて吊り揚げて、前記2点鎖線で囲んだ部分以外の建物躯体の周囲の6階〜23階の腰壁用ファスナーに取付ける。実施例においては、建築中の建物躯体01の同じ階の2箇所の据付位置に小型ジブクレーン10を盛替える例を説明したが、建物躯体の形状等によっては、同じ階の3箇所の据付位置に小型ジブクレーン10を盛替えてもよいし、建物躯体の平面視の2以上の据付位置の異なる階の位置に小型ジブクレーン10を順次盛替えるようにしてもよい。
【0019】
【発明の作用効果】この発明は、特許請求の範囲の欄に記載した構成を備えることにより、次の(イ)ないし(ト)の作用効果を奏する。
(イ)請求項1記載の多層の建造物の建築方法は、建築中の建物躯体内又はその近傍に大型タワークレーンを設置し、重い鉄骨柱、鉄骨梁等の部材を大型タワークレーンにて吊り揚げて所定位置に建て込んで下層から順次上層へ建物躯体を建築しながら、建築中の建物躯体上の第1の据付位置に小型クレーンを取外可能に据付け、この小型クレーンにて軽いユニット壁等の部材を吊り揚げて建築中の建物躯体に取付け、次いで第1の据付位置にある小型クレーンを、大型タワークレーンで吊り揚げて建築中の同層又は上層の建物躯体の第2の据付位置に盛替えて据付け、第2の据付位置にある小型クレーンにて軽いユニット壁等の部材を吊り揚げて建築中の建物躯体に取付け、第2の据付位置にある小型ジブクレーンを上記と同様のやり方で第3以降の据付位置に盛替えて取外可能に据付け、第3以降の据付位置に据付けた小型クレーンにて軽いユニット壁等の部材を吊り揚げて順次建築中の建物躯体の部分に取付けるから、重い鉄骨柱、鉄骨梁等の部材を大型タワークレーンにて吊り揚げて所定位置に建て込んで下層から順次上層へ建物躯体を建築しながら、小型クレーンにて軽いユニット壁等の部材を吊り揚げて建築中の建物躯体に取付けることができ、工期の短縮が可能になる。また、据付位置にある小型クレーンを、大型タワークレーンで吊り揚げて建築中の同層又は上層の建物躯体の次ぎの据付位置に盛替えて据付けるから、盛替作業を容易に行うことができる。
(ロ)請求項2に記載されているようにすると、小型クレーンを大型タワークレーンで吊り揚げてその多数の据付位置に順次盛替えて使うことができるから、平面視の面積の大きい建物躯体への軽いユニット壁等の取付作業を最小限の1台の小型クレーンを使って行うことができる。
【0020】(ハ)請求項3に記載されているように、小型クレーンの据付位置に対応する対の鉄骨梁に予め対の束材を先付けし、これらの束材上に支持枠を取外可能に取付け、この支持枠に小型クレーンの基台を取外可能に取付けると、小型クレーンの建築中の建物躯体への据付作業が容易になる。
(ニ)請求項4に記載されているように、小型クレーンとして、そのフレームの少なくとも3以上の箇所に吊りロープの取付部が設けられているものを使うと、大型タワークレーンを使って小型クレーンを吊り揚げるときのロープ掛け作業が容易になり、吊り揚げ作業の安全性を高めることができる。
(ホ)請求項5に記載されているように、小型クレーンとして、揚程が大きく、早巻き、遅巻き等の遅速チェンジ機能及び乱巻き防止機能のある巻上及び巻下装置を備えたものを使うと、軽いユニット壁等の部材を、それに衝撃を与えることなく安全に吊り揚げて、建築中の建物躯体の所定のフアスナに容易に取付けることができ、作業の施工性と安全性を高めることができる。
【0021】(ヘ)請求項6に記載されているように、小型クレーンの巻上及び巻下装置として、巻き胴の表面にロープ径と略等しい間隔をおいて螺旋状の溝孔が設けられ、ロープが同じピッチで巻き胴に巻き付け得るようになっており、かつ巻き胴に巻き付けられるロープが押えローラにて巻き胴に押し付けられ、ロープが巻き胴に規則正しく巻き付けられるようになっている乱巻き防止装置を備えたものを使うと、巻き胴にロープが一度に多量に巻き付いたり、巻き胴からロープが一度に多量に解舒されたりすることがなく、軽いユニット壁等をそれに衝撃を与えないで、安全に吊り揚げ又は吊り下げることができる。
(ト)請求項7記載の小型ジブクレーンは、旋回フレームの少なくとも3以上の箇所に吊りロープの取付部が設けられ、巻上及び巻下装置の巻き胴の表面にロープ径と略等しい間隔をおいて螺旋状の溝孔が設けられ、押えローラが巻き胴に巻き付けられるロープを巻き胴に押し付け得るように設けられ、巻上及び巻下装置、旋回装置及び起伏装置がそれらの電動機をインバータ制御にて制御して、無断階的に変速できるように構成されているため、大型タワークレーンにて小型クレーンを吊り揚げるときのロープ掛け作業が容易になり、また、巻き胴にロープが一度に多量に巻き付けられたり、巻き胴からロープが一度に多量に解舒されたりすることがなく、軽いユニット壁等に衝撃を与えないで、安全に吊り揚げ又は吊り下げることができ、さらに、巻上及び巻下装置、旋回装置及び起伏装置を、インバータ制御によって、無断階的に変速できるため、軽いユニット壁等に衝撃を与えないで、安全に吊り揚げ又は吊り下げて、所定の取付位置に移動させることができる。従って、この小型ジブクレーンをその複数の据付位置に順次盛替えることにより、軽いユニット壁等を揚重するための小型クレーンを最小の1台にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の建物躯体へのタワークレーン及び小型ジブクレーンの配置の仕方を示す概略的な平面図
【図2】実施例の建物躯体へのタワークレーン及び小型ジブクレーンの配置の仕方を示す概略的な正面図
【図3】図2の建物躯体をそのA−A線で横断した概略的な平面図
【図4】実施例の小型ジブクレーンの正面図
【図5】実施例の吊り上げ直前の小型ジブクレーンの状態を示す正面図
【図6】図5の状態の小型ジブクレーンの要部を概略的に示す側面図
【図7】図6にトラス、ジブ等を除いた小型ジブクレーンの概略的な平面図
【図8】実施例の小型ジブクレーンの旋回フレーム、基台と支持枠との関係を示す概略的な平面図
【図9】実施例の小型ジブクレーンの基台と支持枠との関係を示す概略的な平面図
【図10】実施例の挾み材を示し、(a)はその平面図、(b)はその側面図、(c)はその正面図
【図11】実施例の支持枠の平面図
【図12】実施例の支持枠と鉄骨梁の束材等との関係を示す正面図
【図13】図12に示すものの側面図
【図14】図13に示すものの要部の拡大図
【図15】実施例の鉄骨梁に取付ける束材の平面図
【図16】実施例の束材に取付けた支持枠に小型ジブクレーンの基台を取付けた状態の要部の側面図
【図17】実施例の巻上及び巻下装置の主要部の平面図
【図18】実施例の巻上及び巻下装置の主要部の正面図
【図19】実施例の巻上及び巻下装置の主要部の側面図
【図20】実施例の巻上及び巻下装置の巻き胴と押えローラ等との関係を示す側面図
【図21】実施例のPCaユニット腰壁の側面図
【図22】実施例の外装ガラス付きユニット腰壁の正面図
【図23】実施例の外装ガラス付きユニット腰壁の側面図
【符号の説明】
01 建物躯体
1、2 鉄骨柱
3 鉄骨梁
4 PCaユニット腰壁
5 外装ガラス付きユニット腰壁
6 束材
6a 鋼板
7 支持枠
7a 縦材
7b 横材
8 挾み材
9 外装ガラス付きユニット腰壁用フアスナ
10 小型ジブクレーン10
11 基台
12 旋回フレーム
13 旋回装置
14 トラス
15 ジブ
16 起伏装置
17 巻上及び巻下装置
17a 巻き胴
17b 押えローラ
17d レバー
17e スプリング
18A 運転室
18B 配電盤収容室
19a、19b 吊輪
Fw1、Fw2 転倒防止ワイヤー
Lw1 吊りワイヤー
Lw2 全体吊りワイヤー
1 旋回電動機
2 起伏電動機
3 巻上電動機
MP01〜MP12 据付位置
1〜P3 滑車
1〜R4 ロープ
Sb 吊り上げビーム
TC1、TC2 タワークレーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】鉄骨柱、鉄骨梁等を揚重して建て込んで建物躯体を建築しながら、ユニット壁等を揚重して建物躯体に取付ける多層の建造物の建築方法において、建築中の建物躯体内又はその近傍に大型タワークレーンを設置し、重い鉄骨柱、鉄骨梁等の部材を大型タワークレーンにて吊り揚げて所定位置に建て込んで下層から順次上層へ建物躯体を建築しながら、建築中の建物躯体上の第1の据付位置に小型クレーンを取外可能に据付け、この小型クレーンにて軽いユニット壁等の部材を吊り揚げて建築中の建物躯体に取付け、次いで第1の据付位置にある小型クレーンを、大型タワークレーンで吊り揚げて建築中の同層又は上層の建物躯体の第2の据付位置に盛替えて据付け、第2の据付位置にある小型クレーンにて軽いユニット壁等の部材を吊り揚げて建築中の建物躯体に取付け、第2の据付位置にある小型ジブクレーンを上記と同様のやり方で第3以降の据付位置に盛替えて取外可能に据付け、第3以降の据付位置に据付けた小型クレーンにて軽いユニット壁等の部材を吊り揚げて順次建築中の建物躯体の部分に取付けることを特徴とする多層の建造物の建築方法。
【請求項2】鉄骨柱、鉄骨梁等を揚重して建て込んで建物躯体を建築しながら、ユニット壁等を揚重して建物躯体に取付ける多層の建造物の建築方法において、建築中の建物躯体内に少なくとも1台の大型タワークレーンの設置し、重い鉄骨柱、鉄骨梁等の部材を大型タワークレーンにて吊り揚げて所定位置に建て込んで第1の高さの建物躯体を建築し、建築された第1の高さの建物躯体上の第1の据付位置に小型クレーンを取外可能に据付け、第1の据付位置にある小型クレーンにて軽いユニット壁を吊り揚げて第1の高さの建物躯体の部分に取付け、第1の据付位置にある小型クレーンを、大型タワークレーンで吊り揚げて第1の高さの建物躯体上の第2の据付位置に盛替えて取外可能に据付け、第2の据付位置にある小型クレーンにて軽いユニット壁を吊り揚げて第1の高さの建物躯体の他の部分に取付け、小型クレーンの第2の据付位置への盛替え後に、重い鉄骨柱、鉄骨梁等の部材を大型タワークレーンにて吊り揚げて第1の高さの建物躯体上に建て込んで第2の高さの建物躯体を建築し、第2の据付位置にある小型クレーンを、そこから外して大型タワークレーンにて吊り揚げて第2の高さの建物躯体上の第3の据付位置に盛替えて取外可能に据付け、第3の据付位置にある小型クレーンにて軽いユニット壁を吊り揚げて第2の高さの建物躯体の部分に取付け、第3の据付位置にある小型クレーンを、そこから外して大型タワークレーンにて吊り揚げて第2の高さの建物躯体上の第4の据付位置に盛替えて取外可能に据付け、第4の据付位置にある小型クレーンにて軽いユニット壁を吊り揚げて第2の高さの建物躯体の他の部分に取付け、第3以降の高さの建物躯体を上記と同様のやり方で建築しながら、第4の据付位置にある小型クレーンを上記と同様のやり方で第5以降の据付位置に盛替えて据付け、第5以降の据付位置に据付けた小型クレーンにて軽いユニット壁を吊り揚げて順次建物躯体の部分に取付けることを特徴とする多層の建造物の建築方法。
【請求項3】小型クレーンの据付位置に対応する対の鉄骨梁に予め対の束材を先付けし、これらの束材上に支持枠を取外可能に取付け、この支持枠に小型クレーンの基台を取外可能に取付けることを特徴とする請求項1又は2記載の多層の建造物の建築方法。
【請求項4】小型クレーンとして、そのフレームの少なくとも3以上の箇所に吊りロープの取付部が設けられいるものを使うことを特徴とする請求項1、2又は3記載の多層の建造物の建築方法。
【請求項5】小型クレーンとして、揚程が大きく、早巻き、遅巻き等の遅速チェンジ機能及び乱巻き防止機能のある巻上及び巻下装置を備えたものを使うことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の多層の建造物の建築方法。
【請求項6】小型クレーンの巻上及び巻下装置として、巻き胴の表面にロープ径と略等しい間隔をおいて螺旋状の溝孔が設けられ、ロープが同じピッチで巻き胴に巻き付け得るようになっており、かつ巻き胴に巻き付けられるロープが押えローラにて巻き胴に押し付けられ、ロープが巻き胴に規則正しく巻き付けられるようになっている乱巻き防止装置を備えたものを使うことを特徴とする請求項5記載の多層の建造物の建築方法。
【請求項7】旋回フレームの少なくとも3以上の箇所に吊りロープの取付部が設けられ、巻上及び巻下装置の巻き胴の表面にロープ径と略等しい間隔をおいて螺旋状の溝孔が設けられ、押えローラが巻き胴に巻き付けられるロープを巻き胴に押し付け得るように設けられ、巻上及び巻下装置、旋回装置及び起伏装置がそれらの電動機をインバータ制御にて制御して、無断階的に変速できるように構成されていることを特徴とする小型ジブクレーン。

【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図9】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図3】
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【図4】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図21】
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【図5】
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【図7】
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【図18】
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【図20】
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【図8】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開平8−189191
【公開日】平成8年(1996)7月23日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−339843
【出願日】平成6年(1994)12月29日
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)