説明

多層回路基板

【課題】 多層回路基板を製造する過程で、チップ抵抗器の抵抗値の低下を防ぐことができる多層回路基板を提供する。
【解決手段】 表面にチップ抵抗器11が配置された回路基板3の上に、プリプレグ7,9を介して重ね合わされた別の回路基板5を含む基板積層体を加熱加圧して多層回路基板を作る。チップ抵抗器11として、絶縁性基板18の表面にAuを含むガラスペーストを用いて形成された一対の表面電極部27,27間に抵抗体ペーストが印刷形成された抵抗体23を有するものを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ抵抗器を内装する多層回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2004−119500号公報等には、表面にチップ抵抗器が配置された回路基板の上に、電気絶縁性を有するシート材料に熱硬化性樹脂を含浸してなるプリプレグを介して積層された別の回路基板を含む基板積層体を用いて構成された多層回路基板が示されている。この種の多層回路基板は、内部にチップ抵抗器を配置した状態で、回路基板の上にプリプレグを介して重ね合わされた別の回路基板を含む基板積層体を真空雰囲気中において加熱加圧して製造する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−119500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のこの種の多層回路基板では、多層回路基板を製造した後に、内装したチップ抵抗器の設計通りの抵抗値が正確に得られないことが問題となっていた。そして最近まで、この問題の発生原因がどこにあるのか分からなかった。
【0005】
本発明の目的は、設計通りの抵抗値を得ることができる多層回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が改良の対象とする多層回路基板は、表面にチップ抵抗器が配置された回路基板の上に、電気絶縁性を有するシート材料に熱硬化性樹脂を含浸してなるプリプレグを介して重ね合わされた別の回路基板を含む基板積層体が、加熱加圧されて構成されている。発明者は、設計通りの抵抗値が得られない原因を種々検討していていく中で、多層回路基板の内部に実装されたチップ抵抗器の抵抗値が、実装前より変化していることを発見した。チップ抵抗器の表面電極中のAgが抵抗体内に拡散すると、Agによって抵抗体の導電率が高くなり、チップ抵抗器の抵抗値が低下する。そこで実際に実装したチップ抵抗器を分析したところ、チップ抵抗器の電極中の導電性成分であるAgが、抵抗体中に拡散していることを発見した。このようなAgの拡散は、普通に使用されるチップ抵抗器では見られない。推測ではあるが、この拡散は、多層回路基板の製造過程でチップ抵抗器が加圧された状態に置かれることが原因で発生するものと考えられる。そこで発明者は、チップ抵抗器の電極材料について検討し、実験を重ねた結果、Auを導電性成分として含む電極を用いる導電性成分が抵抗体中に拡散することがないことを見いだした。本発明は、発明者のこのような研究の結果に基づくものである。
【0007】
そこで本発明では、チップ抵抗器として、絶縁性基板の表面にAuを導電性成分として含む一対の表面電極部間に抵抗体ペーストが印刷形成された抵抗体を有するものを用いる。Auは、基板積層体を加熱加圧しても、抵抗体内に拡散することがないことが確認されている。そのため、多層回路基板を製造する過程で、加圧された状態でチップ抵抗器が置かれた場合でも、チップ抵抗器の抵抗値の低下を防ぐことができる。
【0008】
チップ抵抗器は種々のタイプの電極部を有するものを採用することができる。例えば、一対の表面電極部は、Auを導電性成分として含むガラスペーストを用いて形成することができる。このようなガラスペーストを用いて一対の表面電極部を形成すると、印刷により表面電極部を形成できるので、チップ抵抗器の単価が安くなり、結果として多層回路基板の価格を下げることができる。またチップ抵抗器は、一対の表面電極部だけを電極部として有するものでもよいが、一対の表面電極部に加えて、絶縁性基板の裏面に一対の表面電極部と対向する位置に形成された一対の裏面電極部と、一対の表面電極部と一対の裏面電極部とに跨るように絶縁性基板の両側面に沿って形成された一対の側面電極部とを備えていてもよい。このようなチップ抵抗器は、電極部の面積を大きくすることができ、チップ抵抗器の電極部を回路基板上の電極にしっかりと接続できる。
【0009】
抵抗体の表面は、絶縁材料からなるオーバーコート層によって覆うのが好ましい。このようにすれば、オーバーコート層によって、抵抗体が損傷したり、外部の影響で抵抗値が変化するのを防ぐことができる。
【0010】
チップ抵抗器は、一対の表面電極部が回路基板の電極に対向して接続されるように配置するのが好ましい。このようにすれば、チップ抵抗器の絶縁性基板に多層回路基板の積層方向にクラックが生じるのを防ぐことができる。これは、一対の表面電極部に接続される回路基板の2つの電極の間の空隙部にオーバーコート層の一部が入り込み、チップ抵抗器の多層回路基板の積層方向に加わる力が抑制されるためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態の多層回路基板を組み立てる前の断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態の多層回路基板を組み立た後の断面図である。
【図3】図1に示す多層回路基板内に配置されたチップ抵抗器11の一部破断した状態の斜視図である。
【図4】(A)は、多層回路基板製造後の比較例1の1kΩのチップ抵抗器の抵抗体と表面電極との接合部分のSEM写真であり、(B)は、多層回路基板製造後の比較例1の100kΩのチップ抵抗器の抵抗体と表面電極との接合部分のSEM写真であり、(C)及び(D)は、図4(A)及び(B)のそれぞれの部分拡大図であり、(E)は、図4(A)及び(C)の抵抗体の成分を示すスペクトルであり、(F)は、図4(B)及び(D)の抵抗体の成分を示すスペクトルである。
【図5】(A)は、多層回路基板製造後の比較例1の1kΩのチップ抵抗器の抵抗体SEM写真であり、図5(B)〜(F)は、図5(A)中に含まれるAl,Si,Pb,Ru,Agの分布(マッピング)を示す図である。
【図6】(A)は、多層回路基板製造後の実施例1の1kΩのチップ抵抗器の抵抗体SEM写真であり、図5(B)〜(F)は、図5(A)中に含まれるAl,Si,Pb,Ru,Agの分布(マッピング)を示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の多層回路基板の断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態の多層回路基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の多層回路基板の一実施の形態の詳細に説明する。図1は本実施の形態の多層回路基板を組み立てる前の断面図であり、図2は、組み立てた後の断面図である。図2に示すように、多層回路基板1は、2つの回路基板3,5と、2つのプリプレグ7,9と、少なくとも一つのチップ抵抗器11とを有している。なおチップ抵抗器11は、その構成部材の一部を省略して描いている。また、図1には、多層回路基板中に実装される他の電子部品は示していない。
【0013】
回路基板3,5は、プリプレグ7,9を介して積層されている。図1の下方に位置する回路基板3は、絶縁基板13の両面に回路パターン15が形成されて構成されている。図1の上方に位置する回路基板5も回路基板3と同様に、絶縁基板17の両面に回路パターン19が形成されて構成されている。絶縁基板13,17は、どのようなものでもよいが、例えばガラス繊維を主成分とする電気絶縁性を有する織布及び/または不織布のシート材料に、エポキシ、ポリイミド、テフロン(登録商標)、及び種々の複合樹脂等の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させこれを硬化させたものを用いることができる。回路パターン15,19は、いずれも銅箔により形成されている。図1の下方に位置する回路基板3の回路パターン15は、一対の電極15a,15bを含んでいる。そして回路基板3上には、一対の電極15a,15bに跨ってチップ抵抗器11が実装されている。
【0014】
プリプレグ7,9は、2つの回路基板3,5を接合する目的で、両回路基板3,5の間に配置されて、回路基板3,5とともに積層されている。プリプレグ7,9としては、いずれもガラス繊維を主成分とする電気絶縁性を有する織布及び/または不織布のシート材料に、エポキシ、ポリイミド、テフロン(登録商標)、及び種々の複合樹脂等の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させて構成されたものを用いている。図1の下方に位置するプリプレグ7には、チップ抵抗器11を収容する孔部7aが形成されている。
【0015】
チップ抵抗器11は、図3に示すように、絶縁性基板18と一対の電極19,19と一対のメッキ層21,21と、抵抗体23と、オーバーコート層25とを有している。なお、図3では、図1と上下を逆にした状態でチップ抵抗器11を描いている。絶縁性基板18は、セラミックからなり、直方体形状を有している。一対の電極19,19は、一対の表面電極部27,27と一対の裏面電極部29,29と一対の側面電極部31,31とをそれぞれ有している。一対の表面電極部27,27は、絶縁性基板18の表面の長手方向の両端部に形成されており、Auを導電性成分として含むガラスペーストを用いてパターンを印刷形成したのち、印刷したガラスペーストを焼成することにより形成されている。一対の裏面電極部29,29は、絶縁性基板18の裏面の長手方向の両端部に形成されており、Ag,Cu等の導電性成分として含むガラスペーストを用いて印刷と焼成により形成されている。一対の側面電極部31,31は、一対の表面電極部27,27と一対の裏面電極部29,29とに跨るように絶縁性基板18の両側面に沿って形成されており、Ag,Ni,Cu等を含む熱硬化性樹脂ペーストまたはガラスペーストが塗布され、これが焼成されて形成されている。また、一対の裏面電極部29,29は、薄膜形成技術を用いて薄膜により形成することもできる。本例では、絶縁性基板18は、多数個取り用の大型基板を分割することにより形成される。一対の表面電極部27,27及び一対の裏面電極部29,29は、多数個取り用の基板に多数個分の電極をまとめて印刷して形成される。
【0016】
抵抗体23は、一対の表面電極部間にRuOを含む抵抗体ペーストが印刷し、これを焼成して形成されている。抵抗体23を印刷した後、ガラス材料からなる内側オーバーコート層37により抵抗体23を全体的に覆う。そしてレーザトリミングにより抵抗値調整を行った後に、内側オーバーコート層37を外側オーバーコート層39により覆う。外側オーバーコート層39は、ガラス材料または樹脂材料を用いて形成されている。トリミング後の抵抗値の変化を抑制するためには、焼成温度の低い樹脂材料により外側オーバーコート層39を形成するのが好ましい。本実施の形態では、オーバーコート層25が内側オーバーコート層37と外側オーバーコート層39とにより構成されている。
【0017】
オーバーコート層25を形成した後に、一対の表面電極部、一対の裏面電極部及び一対の側面電極の外表面を覆う一対のメッキ層21,21を形成する。メッキ層を形成する際に、オーバーコート層25は、メッキ液から抵抗体23を保護する機能を果たす。一対のメッキ層21,21は、一対の内側メッキ層33,33と一対の外側メッキ層35,35とをそれぞれ有している。一対の内側メッキ層33,33は、一対の表面電極部27,27の一部と一対の裏面電極部29,29と一対の側面電極部31,31とを覆っており、Niメッキにより形成されている。一対の外側メッキ層35,35は、一対の内側メッキ層33,33を覆っており、Snメッキにより形成されている。本例では、一対の表面電極部27,27が回路基板3の電極15a,15b上に位置する(一対の表面電極部27,27と回路基板3の電極15a,15bとが対向する)ように配置された状態で、一対の外側メッキ層35,35が回路基板3の電極15a,15bに半田付け接続されている。
【0018】
図1に示す実施の形態の多層回路基板は、以下のようにして製造した。まず一対の表面電極部27,27が回路基板3の電極15a,15b上に位置するように1以上のチップ抵抗器11を回路基板3上に配置し、その他の電子部品も回路基板3上に配置した。そしてリフローを用いて、電子部品の半田付け作業を行った。半田付け作業では、チップ抵抗器11の一対の外側メッキ層35,35を回路基板3の電極15a,15bに直接半田付け接続した。
【0019】
次に、プリプレグ7の孔部7a内にチップ抵抗器11が配置されるように、プリプレグ7,9を回路基板3の上に重ね合わせた。更に、プリプレグ7,9を介して回路基板5を回路基板3の上に重ね合わせて基板積層体を形成した。
【0020】
次に、基板積層体を4.0kPa以下の真空雰囲気中において185℃で40分間加熱し、且つ基板積層体の積層方向(図1の矢印A)に2.5MPaで加圧成形して多層回路基板を完成した。
【0021】
本例の多層回路基板1によれば、多層回路基板1の内部に配置されたチップ抵抗器11の一対の表面電極部27,27をAuを導電性成分として含むガラスペーストを用いて形成したため、基板積層体を真空雰囲気中において加熱加圧しても、一対の表面電極部27,27内の導電性成分(Au)が抵抗体23内に拡散しない。そのため、多層回路基板1を製造する過程で、チップ抵抗器11の抵抗値が低下することを防ぐことができる。また、本例の多層回路基板では、チップ抵抗器11の絶縁性基板18に多層回路基板の積層方向にクラックが生じるのを防ぐことができる。
【0022】
次に試験を行うため、下記の表1に示す表面電極ペースト及び抵抗体ペーストを用いて、表面電極部及び抵抗体の成分が異なる実施例1,2及び比較例1,2のチップ抵抗器を作った。なお、表1中の抵抗体ペーストにおける汎用ペーストは、RuOを主成分として含む抵抗体ペーストであり、耐高電力ペーストは、RuOを主成分とし、汎用ペーストに比べて高電力に対する耐性が高いペーストである。
【表1】

【0023】
そして、各チップ抵抗器について、1kΩ、10kΩ、100kΩの抵抗値のものをそれぞれ作って、図3に示す形態の多層回路基板を作り、多層回路基板の製造前と製造後の抵抗値の変化率を測定した。なお、多層回路基板は、基板積層体を4.0kPa以下の真空雰囲気中において185℃で40分間加熱し、且つ基板積層体の積層方向に2.5MPaで1時間加圧成形して作った。表2はその測定結果を示している。
【表2】

【0024】
表2より、実施例1及び2は、比較例1及び2に比べてマイナス変化率が小さいのが分かる。特に、比較例1の10kΩの多層回路基板では、マイナス変化率が−7.9%であり、比較例2の100kΩの多層回路基板では、マイナス変化率が−12.3%であり、マイナス変化率が著しく大きくなっているのが分かる。
【0025】
図4(A)は、多層回路基板製造後の比較例1の1kΩのチップ抵抗器の抵抗体と表面電極との接合部分のSEM写真であり、図4(B)は、多層回路基板製造後の比較例1の100kΩのチップ抵抗器の抵抗体と表面電極との接合部分のSEM写真であり、図4(C)及び(D)は、図4(A)及び(B)のそれぞれの部分拡大図である。各図においてA1は樹脂材料からなる外側オーバーコート層であり、A2はガラス材料からなる内側オーバーコート層であり、A3は抵抗体であり、A4はAgを導電性成分として含む表面電極部であり、A5はセラミックからなる絶縁性基板である。図4(A)〜(D)より、抵抗体A3内に表面電極部A4のAg(A6)が拡散しているのが分かる。特に100kΩのチップ抵抗器では、拡散が著しいのが分かる。また、図4(E)は、図4(A)及び(C)の抵抗体の成分を示すスペクトルであり、図4(F)は、図4(B)及び(D)の抵抗体の成分を示すスペクトルである。図4(E)及び(F)より、抵抗体中にAgが拡散しているのが分かる。なお、図4(E)及び(F)中のPb及びRuは、抵抗体に当初から含まれる成分であり、Si及びAlは、絶縁性基板に含まれていた成分であり、Auは、SEM写真を撮影する際に用いられる金スパッタの成分である。
【0026】
図5(A)は、多層回路基板製造後の比較例1の1kΩのチップ抵抗器の抵抗体のSEM写真であり、図5(B)〜(F)は、図5(A)中に含まれるAl,Si,Pb,Ru,Agの分布(マッピング)を示す図である。図5(A)〜(F)からも抵抗体中にAgが拡散しているのが分かる。
【0027】
図6(A)は、多層回路基板製造後の実施例1の1kΩのチップ抵抗器の抵抗体のSEM写真であり、図6(B)〜(F)は、図6(A)中に含まれるAl,Si,Pb,Ru,Auの分布(マッピング)を示す図である。図6(A)及び図6(F)において、A12はガラス材料からなる内側オーバーコート層であり、A13は抵抗体であり、A14はAuを導電性成分として含む表面電極部である。図6(F)において抵抗体A13内にAuが拡散した場合、抵抗体A13内には、Auが白く映し出される。しかしながら、図6(F)では抵抗体A13全体が黒く映し出されている。このため、図6(F)から抵抗体A13内にAuが拡散していないのが分かる。
【0028】
なお、チップ抵抗器11は、図7に示すように、図1に示す実施の形態に対して上下を逆にして回路基板3に接続しても構わない。この場合、抵抗体23が回路基板5と対向するように、チップ抵抗器11が回路基板3上に配置された状態で、一対の外側メッキ層35,35が回路基板3の電極15a,15bに半田部20により半田付け接続されることになる。
【0029】
図8は、本発明のさらに他の実施の形態の多層回路基板の断面図である。本例で用いるチップ抵抗器111は、絶縁性基板118と一対の表面電極部127,127と抵抗体123とを有しており、一対の裏面電極部及び一対の側面電極部を有していない。本例の多層回路基板101は、チップ抵抗器111以外の部材は、図1に示す実施の形態の多層基板1と同じ構造を有しているので、図1に示す部材と共通する部材には、図1の符号に100を加えた符号を付して説明を省略する。本例では、オーバーコート層125によって覆われた抵抗体123が回路基板103と対向するように(図7において抵抗体123が下方に位置するように)チップ抵抗器101を回路基板103上に配置し、一対の表面電極部127,127を回路基板103の電極115a,115bに半田部120により半田付け接続して、チップ抵抗器111を回路基板103上に接続している。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本例の多層回路基板によれば、多層回路基板の内部に配置されたチップ抵抗器の一対の表面電極部をAuを導電性成分として含むものから形成したため、基板積層体を加熱加圧しても、一対の表面電極部内の導電正成分(Au)が抵抗体内に拡散しない。そのため、多層回路基板を製造する過程で、チップ抵抗器の抵抗値が低下するのを防ぐことができ、多層回路基板から設計通りの抵抗値を得ることが可能になる。
【符号の説明】
【0031】
1 多層回路基板
3,5 回路基板
7,9 プリプレグ
11 チップ抵抗器
18 絶縁性基板
23 抵抗体
25 オーバーコート層
27 表面電極部
29 裏面電極部
31 側面電極部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にチップ抵抗器が配置された回路基板の上に、電気絶縁性を有するシート材料に熱硬化性樹脂を含浸してなるプリプレグを介して重ね合わされた別の回路基板を含む基板積層体が、加熱加圧されて構成された多層回路基板であって、
前記チップ抵抗器として、絶縁性基板の表面にAuを導電性成分として含む一対の表面電極部間に抵抗体ペーストが印刷形成された抵抗体を有するものを用いたことを特徴とする多層回路基板。
【請求項2】
前記一対の表面電極は、Auを導電性成分として含むガラスペーストを用いて形成されており、
前記チップ抵抗器は、前記絶縁性基板の裏面に前記一対の表面電極部と対向する位置に形成された一対の裏面電極部と、前記一対の表面電極部と前記一対の裏面電極部とに跨るように前記絶縁性基板の両側面に沿って形成された一対の側面電極部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板。
【請求項3】
前記抵抗体の表面が絶縁材料からなるオーバーコート層によって覆われている請求項1または2に記載の多層回路基板。
【請求項4】
前記チップ抵抗器は、一対の表面電極部が前記回路基板の電極に対向して接続されるように配置されている請求項3に記載の多層回路基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−182891(P2010−182891A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−25404(P2009−25404)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000242633)北陸電気工業株式会社 (49)
【出願人】(000228833)日本シイエムケイ株式会社 (169)
【Fターム(参考)】