説明

大気圧プラズマによる微生物の殺滅装置及び方法

【課題】殺滅速度が速くてコストの低い微生物の殺滅装置及び方法を提供する。
【解決手段】容器内にプラズマを導入する大気圧プラズマ生成手段を備えた微生物殺滅装置であって、前記大気圧プラズマ生成手段が、COの含有率が5%以上のガスをプロセスガスとしてプラズマを生成するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大気圧プラズマによる殺滅装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医療の安全性確保や食品の腐敗防止から、薬品、医療器具及び食品製造工程に、包装材や成形品表面などに存在する微生物(菌、真菌、ウイルスなど)を殺菌又は滅菌する処理が行われている。
【0003】
微生物を殺菌又は滅菌する公知の技術としては、高圧蒸気滅菌法(オートクレーブ)、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌法、電子線滅菌法及びガンマ線滅菌法などが知られている。
【0004】
しかし、高圧蒸気滅菌法は、121℃以上の高温処理を要するので熱に弱いプラスチック製品の処理は困難である。また、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌法は、人体への有毒性、発癌性が指摘されており、使用者の安全性への問題に課題がある。そして、電子線滅菌法及びガンマ線滅菌法は、使用する装置が非常に大型で高コストという課題を抱えている。
【0005】
近年、このような課題を解決する手段として、低圧力放電などのプラズマによる滅菌法(非特許文献1)が提案されている。プラズマによる滅菌法は、有害な物質を用いずに低温下において滅菌処理が可能であるため、新しい滅菌法として注目されている。
【0006】
なお、「殺菌」という用語は、ある特定の微生物の初発菌数を減少させる行為そのものを、「滅菌」という用語は、無菌性を達成する、すなわちすべての微生物を除去する行為を意味するが、本明細書においては、菌数を減少させる行為そのものを「殺滅」と記載する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】永津雅章:「3.プラズマ滅菌」、J.Plasma Fusion Res.Vol.83、No.7、pp.601−606(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来のプラズマを利用した微生物殺滅法は、プラズマ中の活性酸素種の密度が低いため微生物の殺滅速度が遅いという欠点がある。また、低気圧放電プラズマを用いた微生物殺滅法では、減圧処理をするために真空容器及び減圧排気ポンプ類などの設備を必要とし、装置コストが増加するという欠点もある。よって、殺滅速度が速くてコストの低い微生物の殺滅装置及び方法が求められている。
【0009】
そこで、本発明では、減圧処理をするための設備を必要としない大気圧プラズマを用いた微生物の殺滅方法及び装置において、プラズマ生成手段に供給されるプロセスガスとして炭酸(CO)ガスを用いることで、殺滅速度が速くてコストの低い微生物の殺滅装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面は、容器内にプラズマを導入する大気圧プラズマ生成手段を備えた微生物殺滅装置であって、前記大気圧プラズマ生成手段が、COの含有率が5%以上のガスをプロセスガスとしてプラズマを生成するように構成された微生物殺滅装置である。
【0011】
本発明の第2の側面は、第1の側面において、前記容器内の雰囲気を、COを含むプロセスガスで置換するガス置換手段を備えるよう構成した。
【0012】
本発明の第3の側面は、容器内にプラズマを導入する大気圧プラズマ生成手段による微生物殺滅方法であって、前記大気圧プラズマ生成手段が、COの含有率が5%以上のガスをプロセスガスとしてプラズマを生成するステップを備える微生物殺滅方法である。
【0013】
本発明の第4の側面は、第3の側面において、前記容器内の雰囲気を、COを含むプロセスガスで置換するステップをさらに備えるよう構成した。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1のプラズマ照射処理の概略図である。
【図2】実施例3のプラズマ照射処理の概略図である。
【図3】実施例1の殺菌特性の結果を示す図である。
【図4】実施例2の殺菌特性の結果を示す図である。
【図5】比較例1の殺菌特性の結果を示す図である。
【図6】実施例3の殺菌特性の結果を示す図である。
【図7】比較例2の殺菌特性の結果を示す図である。
【図8】実施例4の殺菌特性の結果を示す図である。
【図9】実施例5の濃度測定の結果を示す図である。
【図10】実施例6の殺菌特性の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明では、大気圧プラズマ生成手段としてノズルタイプのプラズマ生成装置を用いてプラズマジェットを生成した。この生成装置は、円筒状の金属管の封じ端面に直径1mm程度の噴出孔を有しており、金属管の内部にプロセスガスを供給して、内部電極間に給電ラインから所定の電圧、電力を給電することでプラズマ生成し、噴出孔からプラズマジェットを噴出させるものである。なお、本発明では公知の株式会社プラズマコンセプト東京製ダメージフリーマルチガスプラズマジェット(登録商標)を用いてプラズマジェットを生成した。
【0016】
プロセスガスとしては炭酸(CO)ガスを含有率100%で供給しても良いし、アルゴン(Ar)や窒素(N)などのキャリアガスに添加する方式でも良く、目的とする殺滅処理の効果を見ながら、プロセスガス中に含まれる炭酸(CO)ガス含有率を選択することができる。炭酸(CO)ガスとして、工業用グレード(純度99.9%)のボンベガスを用いることもできる。
【0017】
上記のような条件で生成したプラズマには、COから解離した原子状酸素(O・)や反応生成物である励起一重項酸素分子()、オゾン(O)などの活性酸素や一酸化炭素(CO)などの反応性の高いガスを多量に含んでいる。ここで、活性酸素とは文字通り活性化された酸素種の総称で非常に高い酸化力を有しており、既知の文献等に記載の気相中の原子・分子ならびに電子衝突の反応素過程を考慮すると、大気圧プラズマジェット中には、これらに加えて、大気中の水分(HO)から生成するヒドロキシラジカル(OH・)、スーパーオキシドアニオンラジカル(O・)などが含まれ、被処理対象に作用していると考えられる。
【0018】
本発明のプラズマジェットで処理した微生物の電子顕微鏡写真から、活性酸素種が微生物表面を化学的に酸化、エッチングすることで、殺滅(不活化)が行われるものと推察される。特に、微生物が存在する容器内のプラズマ中の活性酸素種は非常に高い密度で生成されていることが予想され、発光分光分析法による実測から、これら活性種の存在を示唆するデータが得られており、支配的な殺滅因子となっていることが考えられる。
【0019】
また、本発明では、事前に処理空間の雰囲気を大気(空気)からプロセスガス雰囲気に置換しておくことで、さらに殺滅の効果を高めることができる。
例えばインラインの殺滅工程において、プラスチックボトルの内壁表面を処理する場合、予めボトル内部にプロセスガス充填を行うステップを設けておき、その後、大気圧プラズマジェットで処理を行うことで、効果的なボトル内部の微生物殺滅処理を実現することができる。この際、ボトル内部には直接プラズマジェットが接触しなくても良い。例えば、5mm程度距離をおいた場所でプラズマジェットを生成させておいても、殺滅処理は可能である。
【0020】
処理空間の雰囲気を炭酸(CO)ガスを用いたプロセスガスで置換すると処理効率が向上する理由としては、通常の大気中での処理の場合、空気中に含まれる酸素(O)や水分(HO)とプラズマジェットから放出される活性酸素種、特に原子状酸素(O・)とが気相中で反応する。一方で、プラズマ中で生成した原子状酸素(O・)はプロセスガスのCOと反応しても4原子分子(CO)は形成しにくいため、他のプロセスガスを使用した場合と比較して、原子状酸素(O・)の気相中での寿命が長くなり、被処理物へ到達しやすくなっているものと推察される。
【0021】
本発明における微生物が表面に存在する被処理体としては、例えば、ガラス、セラミックスなどの無機材料、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアセタールなどのプラスチックスの成形品が挙げられるが、これら材質の固体表面に限定されるものではなく、例えば、液体又は液体表面に存在する微生物の殺滅処理にも応用が可能である。
液体表面に存在する微生物を殺滅処理する場合、液体表面に予めプロセスガスを吹きつけておくことで、ガス成分が液体中に浸潤し、殺滅の効果をより高めることができる。さらに液体を対流する機構を設けておくことで、底部に存在する微生物を表面近傍に送って処理を行うことができる。
【0022】
以下、本発明の実施例及び比較例を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施例及び比較例は本発明の最も好適な例であり、本発明の趣旨の範囲内で種々に改変することが可能である。
【0023】
実施例1.
実施例1では、大気圧プラズマ生成手段として、図1に示すようなノズルタイプのプラズマ生成装置1を用いた。なお、株式会社プラズマコンセプト東京製ダメージフリーマルチガスプラズマジェット(登録商標)を用いてプラズマジェットを生成した。大気圧プラズマを生成するために、プラズマ生成装置1の円筒状金属管の内部の電極間に、プロセスガスとして炭酸(CO)ガスを流量5リットル/分(以下、LMと表記)で供給した。また、大気圧プラズマが生成される周囲には、プロセスガス置換用のカバー4を設けてプラズマ生成装置の噴出孔からプロセスガスを流通した状態を30秒間保持し、処理雰囲気をプロセスガス(CO)で置換した。
【0024】
図1に示すように、プラズマの噴出孔2から10mm下部の位置に、枯草菌(Bacillus subtilis)芽胞を10個程度、直径5mm程度のエリアにスポットしたメンブレンフィルタ3を噴出孔2の中心軸上に配置し、所定時間プラズマジェットを照射した。
【0025】
プラズマジェットの照射処理後、菌スポットされたメンブレンフィルタ3を滅菌水中に投入、十分に菌を溶出させた後に滅菌水で段階希釈し、寒天培地に塗沫後、36℃、24時間インキュベータ内で培養し、寒天培地上に形成されたコロニー数を計数、殺菌特性を評価した。
【0026】
実施例2.
実施例2では、プラズマ生成装置1の円筒状金属管の内部の電極間に、プロセスガスとしてアルゴン(Ar)ガスと炭酸(CO)ガスを総流量5LM、流量比9:1で混合させて供給すること以外は、実施例1と同様な構成及び条件で処理をして殺菌特性を評価した。
【0027】
比較例1.
比較例1では、プラズマ生成装置1の円筒状金属管の内部の電極間に、プロセスガスとして空気(AIR)ガスを流量5LMで供給する以外は、実施例1と同様な構成及び条件で処理をして殺菌特性を評価した。
【0028】
実施例3.
実施例3では、実施例1と同様のプラズマ生成装置11を用い、大気圧プラズマが生成される周囲には、プロセスガス置換用のカバー14を設けてガス流通した状態を30秒間保持し、予め処理雰囲気をプロセスガスで置換した。
図2に示すように、芽胞形成菌(Geobacillus stearothermophilius)芽胞及び枯草菌(Bacillus subtilis)芽胞をそれぞれ事前に寒天培地13上に所定濃度で塗沫した試験サンプルを用意し、大気圧プラズマを生成するために、プラズマ生成装置11の円筒状金属管の内部に、プロセスガスとしてアルゴン(Ar)ガスと炭酸(CO)ガスを総流量5LM、流量比9:1で混合させて供給して、所定時間プラズマジェットを照射した。
【0029】
プラズマジェットの照射処理後の寒天培地をそのまま所定温度のインキュベータで培養、培地上に発生したコロニーを目視で観察、写真撮影し、殺菌特性を評価した。
【0030】
比較例2.
比較例2では、プラズマ生成装置11の円筒状金属管の内部に、プロセスガスとしてアルゴン(Ar)ガスと酸素(O)ガスを総流量5LM、流量比9:1で混合させて供給すること以外は、実施例3と同様な構成及び条件で処理をして殺菌特性を評価した。
【0031】
実施例4.
実施例4では、実施例3と同様な構成及び条件でプラズマジェットの照射処理をした。プラズマジェットの照射時間は5分間として、プラズマジェットの照射処理前後の枯草菌(B.subtilis)芽胞及び芽胞形成菌(G.stearo.)芽胞をそれぞれ走査型電子顕微鏡(JSM−6510、日本電子)で観察した。
【0032】
実施例5.
実施例5では、大気圧プラズマが生成される周囲をプロセスガス置換用のカバーで囲み、事前に処理空間の雰囲気を大気(空気)からプロセスガス雰囲気に置換する場合と、カバーで囲まずにプロセスガス雰囲気に置換しない場合とで、プラズマジェットの照射処理の空間中のオゾン(O)及び一酸化炭素(CO)の生成濃度を北川式ガス検知管で測定した。
【0033】
実施例6.
実施例6では、プロセスガスをアルゴン(Ar)ガスと炭酸(CO)ガス、総流量5LMで、アルゴン(Ar)ガスに対する炭酸(CO)ガスの添加流量比を0−50%に変化させ、照射時間3分間一定とした以外は実施例2と同様な処理、評価を行った。
【0034】
実施例1における、大気圧プラズマ(COガス)による枯草菌(B.subtilis)芽胞の処理結果を図3に示す。図3の縦軸及び横軸は、枯草菌(B.subtilis)芽胞が残存する割合及びプラズマジェットの照射時間をそれぞれ表す。
【0035】
実施例2における、大気圧プラズマ(Ar+COガス)による枯草菌(B.subtilis)芽胞の処理結果を図4に示す。図4の縦軸及び横軸は、枯草菌(B.subtilis)芽胞が残存する割合及びプラズマジェットの照射時間をそれぞれ表す。
【0036】
比較例1における、大気圧プラズマ(AIRガス)による枯草菌(B.subtilis)芽胞の処理結果を図5に示す。図5の縦軸及び横軸は、枯草菌(B.subtilis)芽胞が残存する割合及びプラズマジェットの照射時間をそれぞれ表す。
【0037】
図3から図5に示される結果から、炭酸(CO)ガスを添加した大気圧プラズマによる処理ではリニアに菌桁数が減少し、菌の殺滅効果が認められた。一方、空気(AIR)ガスでは、菌桁数にほとんど減少がなく、殺滅効果は認められなかった。
【0038】
実施例3における、大気圧プラズマ(Ar+COガス)の照射処理後の寒天培地写真を図6に示す。また、比較例2における、大気圧プラズマ(Ar+Oガス)の照射処理後の寒天培地写真を図7に示す。図6及び図7において、左からプラズマジェットの照射時間が10秒間、1分間、5分間をそれぞれ表す。
【0039】
図6に示される結果から、何れの指標菌においても、COガスを添加した大気圧プラズマでは寒天培地中心から放射状にコロニー形成の抑制が認められた。一方、図7に示される結果から、Oを添加した大気圧プラズマでは、プラズマジェットの照射処理後の顕著な変化は認められなかった。
【0040】
実施例4の電子顕微鏡観察像を図8に示す。図8に示される結果から、何れの指標菌でも、プラズマジェットの照射後、芽胞体(spore)が収縮又は互いに癒着したような物理形態の変化が認められた。
【0041】
実施例5における、プラズマジェットの照射処理の空間中のオゾン(O)及び一酸化炭素(CO)の生成濃度の測定結果を図9に示す。大気圧プラズマが生成される周囲をプロセスガス置換用のカバーで囲み、事前に処理空間の雰囲気を大気(空気)からプロセスガス雰囲気に置換する場合、オゾン(O)35ppm、一酸化炭素(CO)50ppm超であった。一方、大気圧プラズマが生成される周囲をプロセスガス置換用のカバーで囲まずに、事前に処理空間の雰囲気を大気(空気)からプロセスガス雰囲気に置換しない場合、オゾン(O)生成濃度は2.5ppm、一酸化炭素(CO)生成濃度は3ppmであった。
【0042】
実施例6における、処理の結果を図10に示す。炭酸(CO)ガス含有率が5%以上であればプラズマジェットを生成でき、殺滅効果は十分発揮できていることを確認した。
なお、ここでは炭酸(CO)ガス含有率が50%までの実施例を例示したが、50−100%の範囲でも同様な殺滅効果が得られており、本発明の有効範囲として作用することを確認している。
【0043】
ここでは実施例を示していないが、大気圧プラズマが生成される周囲をプロセスガス置換用のカバーで囲み、事前に処理空間の雰囲気を大気(空気)からプロセスガス雰囲気に置換する場合に、顕著に殺滅効果の増加が認められた。大気圧プラズマが生成される周囲をプロセスガス置換用のカバーで囲まずに、事前に処理空間の雰囲気を大気(空気)からプロセスガス雰囲気に置換しない場合、周囲の大気に含まれる酸素(O)や水分(HO)によって原子状酸素(O・)がクエンチング(減衰)されていることが考えられる。
【0044】
図3から図10に示される結果から、プラズマ中の電界で加速された電子がCOガスに衝突してガス分子を解離し、多量の原子状酸素(O・)などの活性酸素種がクエンチング(減衰)されることなく生成され、これらがプラズマ源外部へ放出、支配的因子となって微生物表面の細胞壁をエッチングすることによって、微生物が殺滅(不活化)に至っていると考えられる。
【0045】
これらの検証結果から、本発明の大気圧プラズマによる微生物の殺滅装置及び方法によって、微生物が効果的に殺滅できることが明らかとなった。なお、本発明では、プラズマジェット径が数mm程度と直接的な処理の面積が狭いプラズマ生成源による処理の実施例を示したが、プラズマ噴出孔の径を拡大、ガス流量及び投入電力などの増加により、この処理面積を容易に拡大することができる。また、処理時間の短縮を図ることも可能である。
【0046】
また、本発明の実施例には、プラズマを生成せずに、まずプラズマノズルから吹き出すプロセスガスを使って、処理雰囲気を置換してからその後プラズマを生成し、処理を行う方法を例示したが、この限りではなく、例えばガス置換手段(ガス供給手段)は、ガス置換用のカバー部などに設けておき、ガス置換後に殺滅処理を実施してもよい。このような構成とすることで、例えばインラインで搬送されてくるプラスチックなどの容器内面に付着した微生物の殺滅を確実に実施することができる。
なお、本発明のプラズマ殺滅装置は、容器内にプラズマを導入する大気圧プラズマ生成手段を備えていれば、第1実施形態〜第6実施形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であり、例えば、プラズマ源は炭酸ガスの含有率が5%以上のガスでプラズマ化できるものであれば何れの構成でもよい。
【符号の説明】
【0047】
1、11.プラズマ生成装置
2、12.噴出孔
3.メンブレンフィルタ
13.寒天培地
4、14.カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内にプラズマを導入する大気圧プラズマ生成手段を備えた微生物殺滅装置であって、
前記大気圧プラズマ生成手段が、COの含有率が5%以上のガスをプロセスガスとしてプラズマを生成するように構成された微生物殺滅装置。
【請求項2】
請求項1に記載の微生物殺滅装置であって、さらに、前記容器内の雰囲気を、COを含むプロセスガスで置換するガス置換手段を備えた微生物殺滅装置。
【請求項3】
容器内にプラズマを導入する大気圧プラズマ生成手段による微生物殺滅方法であって、
前記大気圧プラズマ生成手段が、COの含有率が5%以上のガスをプロセスガスとしてプラズマを生成するステップを備える微生物殺滅方法。
【請求項4】
請求項3に記載の微生物殺滅方法であって、前記容器内の雰囲気を、COを含むプロセスガスで置換するステップをさらに備える微生物殺滅方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図9】
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【図10】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−94468(P2013−94468A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240781(P2011−240781)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】