天井消火システム
【課題】地震等による消火機器の位置ずれを防止した天井消火システムを提供する。
【解決手段】消火機器54は、野縁部材4,5に横杆固定金具57を介して架設された横杆56に固定されるとともに、第3の野縁取付部59、垂直面部60及び水平面部61によって囲まれた領域62に横杆56を挿通した状態で、横杆56を貫通せずに水平面部61と野縁取付部59を連結する締付手段63を備えたことにより、消火機器54を備えた横杆56が地震等の揺れによって、その横桟56及び消火機器54の設置位置にずれが生じることを防ぐことができるとともに、横杆56及び消火機器54の設置位置にずれが生じた場合にも、横杆56を軸方向に移動させることで、横杆56及び消火機器54の設置位置のずれを容易に修正することができる。
【解決手段】消火機器54は、野縁部材4,5に横杆固定金具57を介して架設された横杆56に固定されるとともに、第3の野縁取付部59、垂直面部60及び水平面部61によって囲まれた領域62に横杆56を挿通した状態で、横杆56を貫通せずに水平面部61と野縁取付部59を連結する締付手段63を備えたことにより、消火機器54を備えた横杆56が地震等の揺れによって、その横桟56及び消火機器54の設置位置にずれが生じることを防ぐことができるとともに、横杆56及び消火機器54の設置位置にずれが生じた場合にも、横杆56を軸方向に移動させることで、横杆56及び消火機器54の設置位置のずれを容易に修正することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に設置される消火機器の設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の天井等に設置され、火災を感知して天井等から自動的に消火する消火機器が知られている。
【0003】
ここで、従来の消火機器の設置構造について説明すると、天井から吊下げ保持された野縁受部材と、野縁受部材の下部に野縁固定金具を介して固定された野縁部材と、野縁部材の下部に設置された天井パネルと、天井パネルに消火部が設置された消火機器とを備えている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−14822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載の消火装置の設置構造において、地震等の衝撃や振動等に対して、上下方向に重ねて配設された野縁部材と野縁受部材では、前者が後者に比べ揺れが大きく、消火機器が野縁受部材に固定されていると、野縁部材に設置された天井パネルに対して、消火機器の消火部の設置位置にずれが生じてしまうという問題があった。
【0006】
また、野縁部材の揺れを抑制するために、野縁部材と野縁受部材の固定を補強すると、天井と野縁受部材を接続している接続箇所に力が集中してしまい、この接続箇所が破損して野縁受部材とともに野縁部材と天井パネルも落下してしまうという問題点があった。
【0007】
さらに、地震等の衝撃や振動等によって、野縁受部材から野縁部材が離脱して、天井パネルが落下すると、野縁受部材側に留まった消火機器と、天井パネルとの距離が開いてしまい、天井パネルに迫った炎の熱を消火装置が正常に感知されないという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を解消するものであり、地震等による消火機器の位置ずれを防止した天井消火システムを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、天井パネルの落下を防止した天井消火システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明の天井消火システムは、天井から吊下げ保持された野縁受部材と、当該野縁受部材の下部に野縁固定金具を介して固定された野縁部材と、当該野縁部材の下部に設置された天井パネルと、前記天井パネルに消火部が設置された消火機器とを備えた天井消火システムであって、前記消火機器は、前記野縁部材に横杆固定金具を介して架設された横杆部材に固定されるとともに、前記横杆固定金具は、前記野縁部材の長手方向に沿って形成された溝部に取付可能な野縁取付部と、前記横杆部材側面に当接可能な垂直面部と、当該垂直面部に設けられた前記横杆部材上面に当接可能な水平面部とを備え、前記野縁取付部、前記垂直面部及び前記水平面部によって囲まれた領域に前記横杆部材を挿通した状態で、前記横杆部材を貫通せずに前記水平面部と前記野縁取付部を連結する締付手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明の天井消火システムは、前記野縁受部材は、前記天井から垂設された吊下げボルトに装着された吊下げ部材を介して前記天井から吊下げ保持されたものとし、前記野縁部材に設けた野縁側連結受部と、前記吊下げボルトに設けたボルト側連結受部とを備え、前記野縁側連結受部と前記ボルト側連結受部とを連結手段で連結したことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明の天井消火システムは、前記ボルト側連結受部は、前記吊下げボルトに揺動自在に備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明の天井消火システムは、前記野縁部材に設けた野縁側連結受部と前記野縁受部材を連結手段で連結したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、消火機器を備えた横杆が地震等の揺れによって、その横桟及び消火機器の設置位置にずれが生じることを防ぐことができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、地震等の揺れによって、天井パネルが天井から離脱しても、天井パネルの落下を防ぐことができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、天井パネルの落下により連結手段かかる衝撃を緩和することができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、地震等の揺れによって、天井パネルが天井から離脱しても、天井パネルの落下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施例における野縁保持具の斜視図である。
【図2】同上、野縁保持具に第1の野縁部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図3】同上、野縁保持具に第2の野縁部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】同上、野縁保持具に第1の野縁部材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図5】同上、野縁保持具に第2の野縁部材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図6】同上、野縁側連結体の斜視図である。
【図7】同上、野縁保持具の使用状態を示す斜視図である。
【図8】同上、野縁側連結部付近の斜視図である。
【図9】同上、横杆固定金具の断面図である。
【図10】同上、吊下げボルト付近を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2実施例における横杆固定金具の斜視図である。
【図12】同上、横杆固定金具の断面図である。
【図13】本発明の第3実施例における天井消火システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明における実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0020】
図1〜図10は本発明の実施例1を示すものであり、本実施例の野縁保持具1は、それぞれ長手方向に沿って溝部として野縁側溝部2,3が形成された断面略C形状の形鋼からなる複数の野縁部材4,5と、天井Rより垂設されて吊下げられた吊下げ部材としての吊下げボルトBに略S型形状の形鋼からなるハンガー8を介して接続された断面略C形状の形鋼からなる野縁受部材9とを、互いに直交させて一体化して、野縁部材4,5の下面に石膏ボード、コンパネ等の板材からなる天井パネルPが取付可能な格子体10を構成するものである。
【0021】
本実施例では、長手方向(図中、X方向)と水平方向に直交する方向である短手方向(図中、Y方向)の幅H1,H2の異なる2種類の野縁部材として、幅を大きく設定された幅広な第1の野縁部材5と、幅を小さく設定された幅狭な第2の野縁部材6を用いる。ここで、第1の野縁部材5の幅H1は、第2の野縁部材6の幅H2の約2倍の大きさに設定されている。
【0022】
野縁保持具1は、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる保持具本体11の下部には、第1の野縁部材5の第1の野縁側溝部2の断面略J型に形成された第1の野縁側両側縁部12と係合可能な第1の野縁取付部13と、第2の野縁部材6の第2の野縁側溝部3の断面略J型に形成された第2の野縁側両側縁部14と係合可能な第2の野縁取付部15が設けられている。
【0023】
また、保持具本体11の上部には、野縁受部材9を挟持して野縁受部材9の固定を行う受部材取付部16を備えている。
【0024】
第1の野縁取付部13は、保持具本体11の対向する一対の両端部17,17より略平行に立ち上げられ、第1の野縁部材5の第1の野縁側溝部2に挿入可能な一対の第1の立ち上げ部18と、各第1の立ち上げ部18の先端を互いの距離が離れるよう外側に折り曲げて断面略J型に形成し、第1の野縁側両側縁部12の内面に長手方向(図中、X方向)に沿って係合可能に設けられ、第1の野縁部材5を第1の野縁側溝部2に沿ってスライド自在に保持する第1の係止部19が設けられている。
【0025】
受部材取付部16は、一対の両端部と水平方向に直交する保持具本体の他方の端部より第1の立ち上げ部18とは反対方向へ略平行となるように垂直上向きに立ち上げられた受部材側立ち上げ部20と、この受部材側立ち上げ部20の上端を略水平方向に延設して、保持具本体と平行に形成され、保持具本体上面と対向する挟持部21と、挟持部21の先端を野縁受部材の側面形状に合わせて折り曲げて形成された受部材側係止部22とを有している。
【0026】
また、受部材取付部16は、受部材側立ち上げ部20と野縁受部材9とを締結する締結手段23として、受部材側立ち上げ部20に形成された取付側貫通部20Aと野縁受部材9に形成された受部材側貫通部9Aに挿通可能な第1の雄螺子部としての第1のボルト24と、受部材側立ち上げ部20外面から取付側貫通部20Aと受部材側貫通部9Aに挿通された第1のボルト24に野縁受部材9の内側より螺着可能な第1の雌螺子部としての第1のナット25を備えている。ここで第1のナット25は受部材側立ち上げ部20に固定されているものでも、受部材側立ち上げ部20と別体としても構わないものとする。また、第1の雌螺子部25としては、取付側貫通部20A及び受部材側貫通部9Aのいずれか一方又はその両方に第1のボルト24が螺合可能な螺子溝を螺刻したものとしても構わないものとする。さらに、第1のボルト24・第1のナット25はそれぞれ、取付側貫通部20A又は受部材側貫通部9Aに対して軟質ゴム製の座金部材24A,25Aを介して取り付けられることが好ましい。
【0027】
さらに、受部材取付部16には、挟持部21下面と保持具本体11上面によって野縁受部材9の挟持を可能とする締付機構26として、挟持部21の略中央部分に形成された挟持部側貫通部27と保持具本体11の略中央部分に形成された本体側貫通部28に挿通可能な第2の雄螺子部としての第2のボルト29と、挟持部21上方から挟持部側貫通部27と本体側貫通部28に挿通された第2のボルト29に保持具本体11下方より螺着可能な第2の雌螺子部としての第2のナット30を備えている。ここで第2のナット30は保持具本体11に固定されているものでも、保持具本体11と別体としても構わないものとする。また、第2の雌螺子部30としては、挟持部側貫通部27と本体側貫通部28のいずれか一方又はその両方に第2のボルト29が螺合可能な螺子溝を螺刻したものとしても構わないものとする。さらに、第2のボルト29・第2のナット30はそれぞれ、挟持部側貫通部27又は本体側貫通部28に対して軟質ゴム製の座金部材29A,30Aを介して取り付けられることが好ましい。
【0028】
また、締付機構26において、第2のボルト29の頭部に設けられた第1の環状部31と、一方が第1の環状部31に接続されて、他方が天井Rに接続されることにより、天井Rと第1の環状部31とを連結する揺れ止め手段たる第1のワイヤ32を備えている。
【0029】
さらに、前述の受部材側係止部22は、挟持部21の先端部分から中間部分にかけて、平行に形成された2条のスリット33,33によって区画された挟持部21の先端部分の両端を、下方に折り曲げて形成されたものである。
【0030】
第2の野縁取付部15には、保持具本体11の第1の立ち上げ部18,18間に第1の立ち上げ部18と略平行に立ち上げられ、且つ第1の立ち上げ部18,18間の間隔M1より幅狭な間隔M2に形成され、第2の野縁側溝部3に挿入可能な一対の第2の立ち上げ部34,34と、各第2の立ち上げ部34,34の先端を互いの距離が離れるよう外側に折り曲げて、第2の野縁両側縁部14の内面に長手方向(図中、X方向)に沿って係合可能に設けられ、第2の野縁部材6を第2の野縁側溝部3に沿ってスライド自在に保持する第2の係止部35が設けられている。
【0031】
ここで、各第1の立ち上げ部18,18は、保持具本体11側の基端から第1の係止部19側の先端にかけて、互い距離が近付くように傾斜して形成されており、第3の立ち上げ部40,40及び第2の立ち上げ部34,34についても同様に保持具本体11側の基端から第3の係止部41,41及び第2の係止部35,35側の先端にかけて、互いの距離が近付くように傾斜して形成されている。
【0032】
また、本実施例では、野縁側連結部36として、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる連結体本体37の下部に野縁保持具1と同様の第1の野縁取付部13及び第2の野縁取付部15を備えて、連結体本体37中央部分に形成された貫通部37Aに挿通可能な第3の雄螺子部としての第3のボルト43と、第3のボルト43を連結体本体37下面から螺着可能な第3の雌螺子部としての第3のナット44とを有し、第3のボルト43の頭部には、一端に環状部45を備えたワイヤー部材46が装着されている。ここで第3のナット44は連結体本体37に固定されているものでも、連結体本体37と別体としても構わないものとする。また、第3の雌螺子部44としては、貫通部42C及び貫通部37Aのいずれか一方又はその両方に第3のボルト43が螺合可能な螺子溝を螺刻したものとしても構わないものとする。さらに、第3のボルト43・第3のナット44はそれぞれ、貫通部42C及び貫通部37Aに対して軟質ゴム製の座金部材43A,44Aを介して取り付けられることが好ましい。
【0033】
ここで本実施例の特徴として、スプリンクラーヘッド54Aを先端に備え、蛇腹管(フレキシブル管)54Bに接続されたスプリンクラー等の消火機器54を取付金具55を介して固定する断面矩形状の横杆56を野縁部材に固定する横杆固定金具57を備えている。
ここで、横杆固定金具57としては、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる金具本体58の下部に第1の野縁取付部13と同様の構成を有する第3の野縁取付部59を備えるとともに、第3の野縁取付部59と直交する金具本体58の一辺を垂直上向きに立ち上げた垂直面部60と、この垂直面部60の上端を略水平方向に延設して、金具本体58と平行に形成され、金具本体58上面と対向する水平面部61とを有している。第3の野縁取付部59、垂直面部60及び水平面部61によって囲まれた領域62は、横杆56の断面形状より大きく形成され、この領域62に横杆56を挿通可能に構成している。
【0034】
横杆固定金具57には、領域62に横杆56を挿通した状態で水平面部61下面と金具本体58上面によって横杆56の挟持を可能とする締付手段63として、水平面部61の略中央部分に形成された水平面部側貫通部64と金具本体58の略中央部分に形成された取付部側貫通部65に挿通可能な第4の雄螺子部としての第4のボルト66と、水平面部61上方から水平面部側貫通部64と取付部側貫通部65に挿通された第4のボルト66に金具本体58下方より螺着可能な第4の雌螺子部としての第4のナット67を備えている。
【0035】
ここで、水平面部側貫通部64と取付部側貫通部65はともに、領域62に挿通された横杆56に第4のボルトが貫通しないように、横杆56との接触部分を除く垂直面部60と反対の領域62の開放62A側に設けられたものとする。また、第4のナット67は金具本体58に固定されているものでも、金具本体58と別体としても構わないものとする。また、第4の雌螺子部としては、水平面部側貫通部64と取付部側貫通部65のいずれか一方又はその両方に第4のボルト66が螺合可能な螺子溝を螺刻したものとしても構わないものとする。さらに、第4のボルト66・第4のナット67はそれぞれ、水平面部側貫通部64又は取付部側貫通部65に対して軟質ゴム製の座金部材を介して取り付けられることが好ましい。
【0036】
また、吊下げボルトBのハンガーHの上部には、ボルト側連結部68が装着されており、このボルト側連結部68は、ワイヤー部材46を介して野縁側連結部36に連結されている。
【0037】
ボルト側連結部68は、金属製の薄板を折り曲げて短片部69と長片部70を有する略J型に形成された連結部本体71と、連結部本体71の略半円弧状の折返し部分の両縁を内側に延設して吊下げボルトBのネジ山の凹凸に係止可能に形成されたとフランジ部72と、短片部69の中央部分を内側へ凹設した絞り部73と、短片部69の絞り部73より先端側に設けた短片側貫通部74と、長片部70の略中央部分に設けた長片側貫通部75と、長片部70の長片側貫通部75より先端側に長片部70の長手方向と平行な長孔76とを備えており、短片側貫通部74と長片側貫通部75に挿通可能な第5の雄螺子部としての蝶螺子77と、この蝶螺子77に螺着可能な第5の雌螺子部としての第5のナット78を備えている。
【0038】
さらに連結部本体71の長孔76には、第6の雄螺子部である第5のボルト79と第6の雌螺子部である第6のナット80を介して揺動自在に装着される接続体81を備えている。
【0039】
接続体81は、断面六角形状を有する金属製の中空な柱体としており、接続体81の一方には第5のボルト79が挿通可能な貫通部82を備えるとともに、接続体81の他方には接続体81の直径方向に連通して形成された一対の貫通部83を備えており、一対の貫通部83にワイヤー部材46に挿通して野縁側連結部36とボルト側連結部68を連結している。
【0040】
次に、上記構成についてその作用を説明する。最初に、第1の野縁部材5及び野縁受部材9を一体化させて格子体10を組み立てる方法について説明する。野縁保持具1の第1の立ち上げ部18を第1の野縁部材5の第1の野縁側溝部2に挿入して、第1の係止部19を第1の野縁側両側縁部12の内面に第1の野縁部材5の長手方向(図中、X方向)に沿って係合させて、第1の野縁部材5を第1の野縁側溝部2に沿ってスライド自在に保持する。
【0041】
また、野縁受部材9を、受部材側立ち上げ部20、挟持部21、そして保持具本体9によってコ字型に区画された空間内に挿通して、野縁受部材9の上面部及び下面部をそれぞれ、受部材取付部16の挟持部21下面及び保持具本体11上面に対向させた後、締結手段23である第1のボルト24・第1のナット25の締め付けにより野縁受部材9の一方の側面部と受部材側立ち上げ部20とを固定するとともに、締付機構26である第2のボルト29・第2のナット30の締め付けにより野縁受部材9の上面部と下面部をそれぞれ、挟持部21下面と保持具本体11上面により挟持して、さらに、挟持部21の先端を折り曲げて受部材側係止部22を形成して、この受部材側係止部22を野縁受部材9の側面部に係止させ、受部材取付部16に野縁受部材9を固定する。
【0042】
このように、第1の野縁部材5及び野縁受部材9を、野縁保持具1を介して互いに直交させて、一体化された格子体10を組み立てられ、第1の野縁部材5の下面部には天井パネルPが取り付けられる。
【0043】
ここで、第2の野縁部材6と野縁受部材9を一体化させて格子体10を組み立てる場合には、野縁保持具1の第2の立ち上げ部25を第2の野縁部材6の第2の野縁側溝部3に挿入して、第2の係止部35と第2の野縁両側縁部14を係合させて、第2の野縁部材6を第2の野縁側溝部3に沿ってスライド自在に保持して、第2の野縁部材6及び野縁受部材9を、互いに直交させて、一体化された格子体10を組み立てられ、第2の野縁部材6の下面部には天井パネルPが取り付けられる。格子体10を組み立てる際に、第1の野縁部材5及び第2の野縁部材6のどちらを用いるかは、格子体10の下面部に取り付けられる天井パネルの重量に応じて適宜変更可能とする。
【0044】
締付手段63によって横杆56を水平面部61と第3の野縁取付部59との間で挟持固定することにより、消火機器54を備えた横杆56が地震等の揺れによって、その横桟56及び消火機器54の設置位置にずれが生じることを防ぐことができる。
【0045】
また締付手段63では、第4のボルト66を領域62に挿通された横杆56に貫通しない状態で備え、水平面部61と第3の野縁取付部59との間で横杆56を軸方向に移動可能に挟持固定したことにより、地震等により揺れが発生した場合に、横杆56が横杆固定金具57を介して軸方向に移動し、さらに野縁部材4,5が第3の野縁保持部59に沿ってスライド自在に保持され、野縁部材4,5と横杆57が相互にスライドすることによって、地震時の揺れによって野縁部材4,5と横杆57にかかる力を分散させるクッション性を有することができる。地震等の揺れによって、その横杆56及び消火機器54の設置位置にずれが生じた場合にも、横杆56を軸方向に移動させることで、横杆56及び消火機器54の設置位置を容易に修正することができる。
【0046】
ワイヤー部材46を介して野縁部材4,5と吊下げボルトBを連結したことによって、地震等の揺れによってハンガーHが破損して、格子体10ごと天井パネルPが天井Rから離脱しても、天井パネルPの落下を防ぐことができる。この場合、消火機器54が固定された横杆56が天井パネルPを備えた野縁部材4,5に固定されたことで、天井パネルPの落下によって天井パネルPに設置された消火機器54のスプリンクラーヘッド54Aの設置位置のずれが生じにくくなっており、スプリンクラーヘッド54Aによる天井パネルP付近まで迫った炎の熱検知が正常に行えるので、天井パネルPの落下によって消火機器54による消火動作に支障がでるのを防止することができる。
【0047】
また、接続体81を吊下げボルトBに揺動自在に備えたことにより、天井パネルPとともに落下する横杆56と吊下げボルトBとを連結するワイヤー部材46に掛かる衝撃を緩和することができる。
【0048】
以上のように本実施例では請求項1に対応しており、天井Rから吊下げ保持された野縁受部材9と、野縁受部材9の下部に野縁固定金具である野縁保持具1を介して固定された野縁部材4,5と、野縁部材4,5の下部に設置された天井パネルPと、天井パネルPに消火部54Aが設置された消火機器54とを備えた天井消火システムであって、消火機器54は、野縁部材4,5に横杆固定金具57を介して架設された横杆56に固定されるとともに、横杆固定金具57は、野縁部材4,5の長手方向に沿って形成された溝部2,3に取付可能な第3の野縁取付部59と、横杆56側面に当接可能な垂直面部60と、垂直面部60に設けられた横杆56上面に当接可能な水平面部61とを備え、第3の野縁取付部59、垂直面部60及び水平面部61によって囲まれた領域62に横杆56を挿通した状態で、横杆56を貫通せずに水平面部61と野縁取付部59を連結する締付手段63を備えている。
【0049】
この場合、消火機器54を備えた横杆56が地震等の揺れによって、その横桟56及び消火機器54の設置位置にずれが生じることを防ぐことができる。
【0050】
また本実施例は請求項2に対応しており、野縁受部材9は、天井Rから垂設された吊下げボルトBに装着された吊下げ部材であるハンガーHを介して天井Rから吊下げ保持されたものとし、野縁部材4,5に設けた野縁側連結受部36と、吊下げボルトBに設けたボルト側連結受部68とを備え、野縁側連結受部36とボルト側連結受部68とを連結手段であるワイヤー部材46で連結している。
【0051】
この場合、地震等の揺れによってハンガーHが破損して、天井パネルPが天井Rから離脱しても、天井パネルPの落下を防ぐことができる。
【0052】
さらに本実施例は請求項3に対応しており、ボルト側連結受部68は、吊下げボルトBに揺動自在に備えており、天井パネルPの落下によりワイヤー部材46にかかる衝撃を緩和することができる。
【実施例2】
【0053】
次に図11及び図12は、本発明の第2実施例を示すものである。同図において、図1〜図10と同一部分には同一符号を付し、その共通する部分の詳細な説明は省略する。
【0054】
本実施例では、横杆固定金具57の変形例として、第3の野縁取付部59に代わり、矩形のステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の板材を、その長手方向に断面略C形に形成した野縁取付部84を備えている。この野縁取付部84の凸曲面85の略中央部分を、野縁部材4,5の上面部の内面に対向させた状態で、野縁取付部84を野縁部材4,5内部に収容した場合に、野縁取付部84の短手方向の両端をそれぞれ、野縁部材4,5の野縁側両側縁部12,14の内面に野縁部材4,5の長手方向(図中、Y方向)に沿って係合可能に設けられており、野縁部材4,5を野縁側両側縁部12,14に沿ってスライド自在に保持可能に備えている。また野縁取付部84の中央部分には、第4のボルト66を螺着可能とする螺子孔66が形成されている。
【実施例3】
【0055】
次に図13は、本発明の第2実施例を示すものである。同図において、図1〜図12と同一部分には同一符号を付し、その共通する部分の詳細な説明は省略する。
【0056】
本実施例では、野縁保持具1に替えて周知のクリップ86を用いて野縁部材4,5と野縁受部材9とを固定しており、第3のボルト43の頭部に装着されたワイヤー部材46を直接野縁受部材9に接続している。
【0057】
このように、ワイヤー部材46を介して野縁部材4,5と野縁受部材9を連結したことによって、地震等の揺れによってクリップ86が破損して、野縁部材4,5ごと天井パネルPが野縁受部材9から離脱しても、天井パネルPの落下を防ぐことができる。この場合、消火機器54が固定された横杆56が天井パネルPを備えた野縁部材4,5に固定されたことで、天井パネルPの落下によって天井パネルPに設置された消火機器54のスプリンクラーヘッド54Aの設置位置のずれが生じにくくなっており、スプリンクラーヘッド54Aによる天井パネルP付近まで迫った炎の熱検知が正常に行えるので、天井パネルPの落下によって消火機器54による消火動作に支障がでるのを防止することができる。
【0058】
以上のように本実施例では請求項4に対応しており、野縁部材4,5に設けた野縁側連結受部36と野縁受部材9を連結手段であるワイヤー部材46で連結したことにより、地震等の揺れによってクリップ86が破損して、格子体10ごと天井パネルPが天井Rから離脱しても、天井パネルPの落下を防ぐことができる。
【0059】
また、上記各実施例においては、天井パネルPが天井Rから離脱した場合でも、横杆固定金具57を介して横杆56に固定された消火機器54の蛇腹管(フレキシブル管)54Bや天井パネルPに設置された照明装置や空調装置等の配線(図示せず)などによって天井パネルPが天井Rから吊下げ保持される構造となっており、天井パネルPが地面へ落下するのを防止している。
【0060】
本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、横杆固定金具57の構造についても、第3の野縁取付部59や野縁取付部84に限らず、第1の野縁取付部13と第2の野縁取付部15を両方備えた構造としてもよい。さらに、各野縁部材の保持具本体の縁を立ち上げて補強用のリブを備えてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 野縁保持具(野縁固定金具)
2,3 野縁側溝部(溝部)
4,5 野縁部材
9 野縁受部材
36 野縁側連結部
54 消火機器
54A スプリンクラーヘッド(消火部)
56 横杆
57 横杆固定金具
59 第3の野縁取付部
60 垂直面部
61 水平面部
62 領域
63 締付手段
68 ボルト側連結部
84 野縁取付部
B 吊下げボルト
H ハンガー(吊下げ部材)
R 天井
P 天井パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に設置される消火機器の設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の天井等に設置され、火災を感知して天井等から自動的に消火する消火機器が知られている。
【0003】
ここで、従来の消火機器の設置構造について説明すると、天井から吊下げ保持された野縁受部材と、野縁受部材の下部に野縁固定金具を介して固定された野縁部材と、野縁部材の下部に設置された天井パネルと、天井パネルに消火部が設置された消火機器とを備えている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−14822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載の消火装置の設置構造において、地震等の衝撃や振動等に対して、上下方向に重ねて配設された野縁部材と野縁受部材では、前者が後者に比べ揺れが大きく、消火機器が野縁受部材に固定されていると、野縁部材に設置された天井パネルに対して、消火機器の消火部の設置位置にずれが生じてしまうという問題があった。
【0006】
また、野縁部材の揺れを抑制するために、野縁部材と野縁受部材の固定を補強すると、天井と野縁受部材を接続している接続箇所に力が集中してしまい、この接続箇所が破損して野縁受部材とともに野縁部材と天井パネルも落下してしまうという問題点があった。
【0007】
さらに、地震等の衝撃や振動等によって、野縁受部材から野縁部材が離脱して、天井パネルが落下すると、野縁受部材側に留まった消火機器と、天井パネルとの距離が開いてしまい、天井パネルに迫った炎の熱を消火装置が正常に感知されないという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を解消するものであり、地震等による消火機器の位置ずれを防止した天井消火システムを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、天井パネルの落下を防止した天井消火システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明の天井消火システムは、天井から吊下げ保持された野縁受部材と、当該野縁受部材の下部に野縁固定金具を介して固定された野縁部材と、当該野縁部材の下部に設置された天井パネルと、前記天井パネルに消火部が設置された消火機器とを備えた天井消火システムであって、前記消火機器は、前記野縁部材に横杆固定金具を介して架設された横杆部材に固定されるとともに、前記横杆固定金具は、前記野縁部材の長手方向に沿って形成された溝部に取付可能な野縁取付部と、前記横杆部材側面に当接可能な垂直面部と、当該垂直面部に設けられた前記横杆部材上面に当接可能な水平面部とを備え、前記野縁取付部、前記垂直面部及び前記水平面部によって囲まれた領域に前記横杆部材を挿通した状態で、前記横杆部材を貫通せずに前記水平面部と前記野縁取付部を連結する締付手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明の天井消火システムは、前記野縁受部材は、前記天井から垂設された吊下げボルトに装着された吊下げ部材を介して前記天井から吊下げ保持されたものとし、前記野縁部材に設けた野縁側連結受部と、前記吊下げボルトに設けたボルト側連結受部とを備え、前記野縁側連結受部と前記ボルト側連結受部とを連結手段で連結したことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明の天井消火システムは、前記ボルト側連結受部は、前記吊下げボルトに揺動自在に備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明の天井消火システムは、前記野縁部材に設けた野縁側連結受部と前記野縁受部材を連結手段で連結したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、消火機器を備えた横杆が地震等の揺れによって、その横桟及び消火機器の設置位置にずれが生じることを防ぐことができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、地震等の揺れによって、天井パネルが天井から離脱しても、天井パネルの落下を防ぐことができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、天井パネルの落下により連結手段かかる衝撃を緩和することができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、地震等の揺れによって、天井パネルが天井から離脱しても、天井パネルの落下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施例における野縁保持具の斜視図である。
【図2】同上、野縁保持具に第1の野縁部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図3】同上、野縁保持具に第2の野縁部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】同上、野縁保持具に第1の野縁部材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図5】同上、野縁保持具に第2の野縁部材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図6】同上、野縁側連結体の斜視図である。
【図7】同上、野縁保持具の使用状態を示す斜視図である。
【図8】同上、野縁側連結部付近の斜視図である。
【図9】同上、横杆固定金具の断面図である。
【図10】同上、吊下げボルト付近を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2実施例における横杆固定金具の斜視図である。
【図12】同上、横杆固定金具の断面図である。
【図13】本発明の第3実施例における天井消火システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明における実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0020】
図1〜図10は本発明の実施例1を示すものであり、本実施例の野縁保持具1は、それぞれ長手方向に沿って溝部として野縁側溝部2,3が形成された断面略C形状の形鋼からなる複数の野縁部材4,5と、天井Rより垂設されて吊下げられた吊下げ部材としての吊下げボルトBに略S型形状の形鋼からなるハンガー8を介して接続された断面略C形状の形鋼からなる野縁受部材9とを、互いに直交させて一体化して、野縁部材4,5の下面に石膏ボード、コンパネ等の板材からなる天井パネルPが取付可能な格子体10を構成するものである。
【0021】
本実施例では、長手方向(図中、X方向)と水平方向に直交する方向である短手方向(図中、Y方向)の幅H1,H2の異なる2種類の野縁部材として、幅を大きく設定された幅広な第1の野縁部材5と、幅を小さく設定された幅狭な第2の野縁部材6を用いる。ここで、第1の野縁部材5の幅H1は、第2の野縁部材6の幅H2の約2倍の大きさに設定されている。
【0022】
野縁保持具1は、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる保持具本体11の下部には、第1の野縁部材5の第1の野縁側溝部2の断面略J型に形成された第1の野縁側両側縁部12と係合可能な第1の野縁取付部13と、第2の野縁部材6の第2の野縁側溝部3の断面略J型に形成された第2の野縁側両側縁部14と係合可能な第2の野縁取付部15が設けられている。
【0023】
また、保持具本体11の上部には、野縁受部材9を挟持して野縁受部材9の固定を行う受部材取付部16を備えている。
【0024】
第1の野縁取付部13は、保持具本体11の対向する一対の両端部17,17より略平行に立ち上げられ、第1の野縁部材5の第1の野縁側溝部2に挿入可能な一対の第1の立ち上げ部18と、各第1の立ち上げ部18の先端を互いの距離が離れるよう外側に折り曲げて断面略J型に形成し、第1の野縁側両側縁部12の内面に長手方向(図中、X方向)に沿って係合可能に設けられ、第1の野縁部材5を第1の野縁側溝部2に沿ってスライド自在に保持する第1の係止部19が設けられている。
【0025】
受部材取付部16は、一対の両端部と水平方向に直交する保持具本体の他方の端部より第1の立ち上げ部18とは反対方向へ略平行となるように垂直上向きに立ち上げられた受部材側立ち上げ部20と、この受部材側立ち上げ部20の上端を略水平方向に延設して、保持具本体と平行に形成され、保持具本体上面と対向する挟持部21と、挟持部21の先端を野縁受部材の側面形状に合わせて折り曲げて形成された受部材側係止部22とを有している。
【0026】
また、受部材取付部16は、受部材側立ち上げ部20と野縁受部材9とを締結する締結手段23として、受部材側立ち上げ部20に形成された取付側貫通部20Aと野縁受部材9に形成された受部材側貫通部9Aに挿通可能な第1の雄螺子部としての第1のボルト24と、受部材側立ち上げ部20外面から取付側貫通部20Aと受部材側貫通部9Aに挿通された第1のボルト24に野縁受部材9の内側より螺着可能な第1の雌螺子部としての第1のナット25を備えている。ここで第1のナット25は受部材側立ち上げ部20に固定されているものでも、受部材側立ち上げ部20と別体としても構わないものとする。また、第1の雌螺子部25としては、取付側貫通部20A及び受部材側貫通部9Aのいずれか一方又はその両方に第1のボルト24が螺合可能な螺子溝を螺刻したものとしても構わないものとする。さらに、第1のボルト24・第1のナット25はそれぞれ、取付側貫通部20A又は受部材側貫通部9Aに対して軟質ゴム製の座金部材24A,25Aを介して取り付けられることが好ましい。
【0027】
さらに、受部材取付部16には、挟持部21下面と保持具本体11上面によって野縁受部材9の挟持を可能とする締付機構26として、挟持部21の略中央部分に形成された挟持部側貫通部27と保持具本体11の略中央部分に形成された本体側貫通部28に挿通可能な第2の雄螺子部としての第2のボルト29と、挟持部21上方から挟持部側貫通部27と本体側貫通部28に挿通された第2のボルト29に保持具本体11下方より螺着可能な第2の雌螺子部としての第2のナット30を備えている。ここで第2のナット30は保持具本体11に固定されているものでも、保持具本体11と別体としても構わないものとする。また、第2の雌螺子部30としては、挟持部側貫通部27と本体側貫通部28のいずれか一方又はその両方に第2のボルト29が螺合可能な螺子溝を螺刻したものとしても構わないものとする。さらに、第2のボルト29・第2のナット30はそれぞれ、挟持部側貫通部27又は本体側貫通部28に対して軟質ゴム製の座金部材29A,30Aを介して取り付けられることが好ましい。
【0028】
また、締付機構26において、第2のボルト29の頭部に設けられた第1の環状部31と、一方が第1の環状部31に接続されて、他方が天井Rに接続されることにより、天井Rと第1の環状部31とを連結する揺れ止め手段たる第1のワイヤ32を備えている。
【0029】
さらに、前述の受部材側係止部22は、挟持部21の先端部分から中間部分にかけて、平行に形成された2条のスリット33,33によって区画された挟持部21の先端部分の両端を、下方に折り曲げて形成されたものである。
【0030】
第2の野縁取付部15には、保持具本体11の第1の立ち上げ部18,18間に第1の立ち上げ部18と略平行に立ち上げられ、且つ第1の立ち上げ部18,18間の間隔M1より幅狭な間隔M2に形成され、第2の野縁側溝部3に挿入可能な一対の第2の立ち上げ部34,34と、各第2の立ち上げ部34,34の先端を互いの距離が離れるよう外側に折り曲げて、第2の野縁両側縁部14の内面に長手方向(図中、X方向)に沿って係合可能に設けられ、第2の野縁部材6を第2の野縁側溝部3に沿ってスライド自在に保持する第2の係止部35が設けられている。
【0031】
ここで、各第1の立ち上げ部18,18は、保持具本体11側の基端から第1の係止部19側の先端にかけて、互い距離が近付くように傾斜して形成されており、第3の立ち上げ部40,40及び第2の立ち上げ部34,34についても同様に保持具本体11側の基端から第3の係止部41,41及び第2の係止部35,35側の先端にかけて、互いの距離が近付くように傾斜して形成されている。
【0032】
また、本実施例では、野縁側連結部36として、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる連結体本体37の下部に野縁保持具1と同様の第1の野縁取付部13及び第2の野縁取付部15を備えて、連結体本体37中央部分に形成された貫通部37Aに挿通可能な第3の雄螺子部としての第3のボルト43と、第3のボルト43を連結体本体37下面から螺着可能な第3の雌螺子部としての第3のナット44とを有し、第3のボルト43の頭部には、一端に環状部45を備えたワイヤー部材46が装着されている。ここで第3のナット44は連結体本体37に固定されているものでも、連結体本体37と別体としても構わないものとする。また、第3の雌螺子部44としては、貫通部42C及び貫通部37Aのいずれか一方又はその両方に第3のボルト43が螺合可能な螺子溝を螺刻したものとしても構わないものとする。さらに、第3のボルト43・第3のナット44はそれぞれ、貫通部42C及び貫通部37Aに対して軟質ゴム製の座金部材43A,44Aを介して取り付けられることが好ましい。
【0033】
ここで本実施例の特徴として、スプリンクラーヘッド54Aを先端に備え、蛇腹管(フレキシブル管)54Bに接続されたスプリンクラー等の消火機器54を取付金具55を介して固定する断面矩形状の横杆56を野縁部材に固定する横杆固定金具57を備えている。
ここで、横杆固定金具57としては、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる金具本体58の下部に第1の野縁取付部13と同様の構成を有する第3の野縁取付部59を備えるとともに、第3の野縁取付部59と直交する金具本体58の一辺を垂直上向きに立ち上げた垂直面部60と、この垂直面部60の上端を略水平方向に延設して、金具本体58と平行に形成され、金具本体58上面と対向する水平面部61とを有している。第3の野縁取付部59、垂直面部60及び水平面部61によって囲まれた領域62は、横杆56の断面形状より大きく形成され、この領域62に横杆56を挿通可能に構成している。
【0034】
横杆固定金具57には、領域62に横杆56を挿通した状態で水平面部61下面と金具本体58上面によって横杆56の挟持を可能とする締付手段63として、水平面部61の略中央部分に形成された水平面部側貫通部64と金具本体58の略中央部分に形成された取付部側貫通部65に挿通可能な第4の雄螺子部としての第4のボルト66と、水平面部61上方から水平面部側貫通部64と取付部側貫通部65に挿通された第4のボルト66に金具本体58下方より螺着可能な第4の雌螺子部としての第4のナット67を備えている。
【0035】
ここで、水平面部側貫通部64と取付部側貫通部65はともに、領域62に挿通された横杆56に第4のボルトが貫通しないように、横杆56との接触部分を除く垂直面部60と反対の領域62の開放62A側に設けられたものとする。また、第4のナット67は金具本体58に固定されているものでも、金具本体58と別体としても構わないものとする。また、第4の雌螺子部としては、水平面部側貫通部64と取付部側貫通部65のいずれか一方又はその両方に第4のボルト66が螺合可能な螺子溝を螺刻したものとしても構わないものとする。さらに、第4のボルト66・第4のナット67はそれぞれ、水平面部側貫通部64又は取付部側貫通部65に対して軟質ゴム製の座金部材を介して取り付けられることが好ましい。
【0036】
また、吊下げボルトBのハンガーHの上部には、ボルト側連結部68が装着されており、このボルト側連結部68は、ワイヤー部材46を介して野縁側連結部36に連結されている。
【0037】
ボルト側連結部68は、金属製の薄板を折り曲げて短片部69と長片部70を有する略J型に形成された連結部本体71と、連結部本体71の略半円弧状の折返し部分の両縁を内側に延設して吊下げボルトBのネジ山の凹凸に係止可能に形成されたとフランジ部72と、短片部69の中央部分を内側へ凹設した絞り部73と、短片部69の絞り部73より先端側に設けた短片側貫通部74と、長片部70の略中央部分に設けた長片側貫通部75と、長片部70の長片側貫通部75より先端側に長片部70の長手方向と平行な長孔76とを備えており、短片側貫通部74と長片側貫通部75に挿通可能な第5の雄螺子部としての蝶螺子77と、この蝶螺子77に螺着可能な第5の雌螺子部としての第5のナット78を備えている。
【0038】
さらに連結部本体71の長孔76には、第6の雄螺子部である第5のボルト79と第6の雌螺子部である第6のナット80を介して揺動自在に装着される接続体81を備えている。
【0039】
接続体81は、断面六角形状を有する金属製の中空な柱体としており、接続体81の一方には第5のボルト79が挿通可能な貫通部82を備えるとともに、接続体81の他方には接続体81の直径方向に連通して形成された一対の貫通部83を備えており、一対の貫通部83にワイヤー部材46に挿通して野縁側連結部36とボルト側連結部68を連結している。
【0040】
次に、上記構成についてその作用を説明する。最初に、第1の野縁部材5及び野縁受部材9を一体化させて格子体10を組み立てる方法について説明する。野縁保持具1の第1の立ち上げ部18を第1の野縁部材5の第1の野縁側溝部2に挿入して、第1の係止部19を第1の野縁側両側縁部12の内面に第1の野縁部材5の長手方向(図中、X方向)に沿って係合させて、第1の野縁部材5を第1の野縁側溝部2に沿ってスライド自在に保持する。
【0041】
また、野縁受部材9を、受部材側立ち上げ部20、挟持部21、そして保持具本体9によってコ字型に区画された空間内に挿通して、野縁受部材9の上面部及び下面部をそれぞれ、受部材取付部16の挟持部21下面及び保持具本体11上面に対向させた後、締結手段23である第1のボルト24・第1のナット25の締め付けにより野縁受部材9の一方の側面部と受部材側立ち上げ部20とを固定するとともに、締付機構26である第2のボルト29・第2のナット30の締め付けにより野縁受部材9の上面部と下面部をそれぞれ、挟持部21下面と保持具本体11上面により挟持して、さらに、挟持部21の先端を折り曲げて受部材側係止部22を形成して、この受部材側係止部22を野縁受部材9の側面部に係止させ、受部材取付部16に野縁受部材9を固定する。
【0042】
このように、第1の野縁部材5及び野縁受部材9を、野縁保持具1を介して互いに直交させて、一体化された格子体10を組み立てられ、第1の野縁部材5の下面部には天井パネルPが取り付けられる。
【0043】
ここで、第2の野縁部材6と野縁受部材9を一体化させて格子体10を組み立てる場合には、野縁保持具1の第2の立ち上げ部25を第2の野縁部材6の第2の野縁側溝部3に挿入して、第2の係止部35と第2の野縁両側縁部14を係合させて、第2の野縁部材6を第2の野縁側溝部3に沿ってスライド自在に保持して、第2の野縁部材6及び野縁受部材9を、互いに直交させて、一体化された格子体10を組み立てられ、第2の野縁部材6の下面部には天井パネルPが取り付けられる。格子体10を組み立てる際に、第1の野縁部材5及び第2の野縁部材6のどちらを用いるかは、格子体10の下面部に取り付けられる天井パネルの重量に応じて適宜変更可能とする。
【0044】
締付手段63によって横杆56を水平面部61と第3の野縁取付部59との間で挟持固定することにより、消火機器54を備えた横杆56が地震等の揺れによって、その横桟56及び消火機器54の設置位置にずれが生じることを防ぐことができる。
【0045】
また締付手段63では、第4のボルト66を領域62に挿通された横杆56に貫通しない状態で備え、水平面部61と第3の野縁取付部59との間で横杆56を軸方向に移動可能に挟持固定したことにより、地震等により揺れが発生した場合に、横杆56が横杆固定金具57を介して軸方向に移動し、さらに野縁部材4,5が第3の野縁保持部59に沿ってスライド自在に保持され、野縁部材4,5と横杆57が相互にスライドすることによって、地震時の揺れによって野縁部材4,5と横杆57にかかる力を分散させるクッション性を有することができる。地震等の揺れによって、その横杆56及び消火機器54の設置位置にずれが生じた場合にも、横杆56を軸方向に移動させることで、横杆56及び消火機器54の設置位置を容易に修正することができる。
【0046】
ワイヤー部材46を介して野縁部材4,5と吊下げボルトBを連結したことによって、地震等の揺れによってハンガーHが破損して、格子体10ごと天井パネルPが天井Rから離脱しても、天井パネルPの落下を防ぐことができる。この場合、消火機器54が固定された横杆56が天井パネルPを備えた野縁部材4,5に固定されたことで、天井パネルPの落下によって天井パネルPに設置された消火機器54のスプリンクラーヘッド54Aの設置位置のずれが生じにくくなっており、スプリンクラーヘッド54Aによる天井パネルP付近まで迫った炎の熱検知が正常に行えるので、天井パネルPの落下によって消火機器54による消火動作に支障がでるのを防止することができる。
【0047】
また、接続体81を吊下げボルトBに揺動自在に備えたことにより、天井パネルPとともに落下する横杆56と吊下げボルトBとを連結するワイヤー部材46に掛かる衝撃を緩和することができる。
【0048】
以上のように本実施例では請求項1に対応しており、天井Rから吊下げ保持された野縁受部材9と、野縁受部材9の下部に野縁固定金具である野縁保持具1を介して固定された野縁部材4,5と、野縁部材4,5の下部に設置された天井パネルPと、天井パネルPに消火部54Aが設置された消火機器54とを備えた天井消火システムであって、消火機器54は、野縁部材4,5に横杆固定金具57を介して架設された横杆56に固定されるとともに、横杆固定金具57は、野縁部材4,5の長手方向に沿って形成された溝部2,3に取付可能な第3の野縁取付部59と、横杆56側面に当接可能な垂直面部60と、垂直面部60に設けられた横杆56上面に当接可能な水平面部61とを備え、第3の野縁取付部59、垂直面部60及び水平面部61によって囲まれた領域62に横杆56を挿通した状態で、横杆56を貫通せずに水平面部61と野縁取付部59を連結する締付手段63を備えている。
【0049】
この場合、消火機器54を備えた横杆56が地震等の揺れによって、その横桟56及び消火機器54の設置位置にずれが生じることを防ぐことができる。
【0050】
また本実施例は請求項2に対応しており、野縁受部材9は、天井Rから垂設された吊下げボルトBに装着された吊下げ部材であるハンガーHを介して天井Rから吊下げ保持されたものとし、野縁部材4,5に設けた野縁側連結受部36と、吊下げボルトBに設けたボルト側連結受部68とを備え、野縁側連結受部36とボルト側連結受部68とを連結手段であるワイヤー部材46で連結している。
【0051】
この場合、地震等の揺れによってハンガーHが破損して、天井パネルPが天井Rから離脱しても、天井パネルPの落下を防ぐことができる。
【0052】
さらに本実施例は請求項3に対応しており、ボルト側連結受部68は、吊下げボルトBに揺動自在に備えており、天井パネルPの落下によりワイヤー部材46にかかる衝撃を緩和することができる。
【実施例2】
【0053】
次に図11及び図12は、本発明の第2実施例を示すものである。同図において、図1〜図10と同一部分には同一符号を付し、その共通する部分の詳細な説明は省略する。
【0054】
本実施例では、横杆固定金具57の変形例として、第3の野縁取付部59に代わり、矩形のステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の板材を、その長手方向に断面略C形に形成した野縁取付部84を備えている。この野縁取付部84の凸曲面85の略中央部分を、野縁部材4,5の上面部の内面に対向させた状態で、野縁取付部84を野縁部材4,5内部に収容した場合に、野縁取付部84の短手方向の両端をそれぞれ、野縁部材4,5の野縁側両側縁部12,14の内面に野縁部材4,5の長手方向(図中、Y方向)に沿って係合可能に設けられており、野縁部材4,5を野縁側両側縁部12,14に沿ってスライド自在に保持可能に備えている。また野縁取付部84の中央部分には、第4のボルト66を螺着可能とする螺子孔66が形成されている。
【実施例3】
【0055】
次に図13は、本発明の第2実施例を示すものである。同図において、図1〜図12と同一部分には同一符号を付し、その共通する部分の詳細な説明は省略する。
【0056】
本実施例では、野縁保持具1に替えて周知のクリップ86を用いて野縁部材4,5と野縁受部材9とを固定しており、第3のボルト43の頭部に装着されたワイヤー部材46を直接野縁受部材9に接続している。
【0057】
このように、ワイヤー部材46を介して野縁部材4,5と野縁受部材9を連結したことによって、地震等の揺れによってクリップ86が破損して、野縁部材4,5ごと天井パネルPが野縁受部材9から離脱しても、天井パネルPの落下を防ぐことができる。この場合、消火機器54が固定された横杆56が天井パネルPを備えた野縁部材4,5に固定されたことで、天井パネルPの落下によって天井パネルPに設置された消火機器54のスプリンクラーヘッド54Aの設置位置のずれが生じにくくなっており、スプリンクラーヘッド54Aによる天井パネルP付近まで迫った炎の熱検知が正常に行えるので、天井パネルPの落下によって消火機器54による消火動作に支障がでるのを防止することができる。
【0058】
以上のように本実施例では請求項4に対応しており、野縁部材4,5に設けた野縁側連結受部36と野縁受部材9を連結手段であるワイヤー部材46で連結したことにより、地震等の揺れによってクリップ86が破損して、格子体10ごと天井パネルPが天井Rから離脱しても、天井パネルPの落下を防ぐことができる。
【0059】
また、上記各実施例においては、天井パネルPが天井Rから離脱した場合でも、横杆固定金具57を介して横杆56に固定された消火機器54の蛇腹管(フレキシブル管)54Bや天井パネルPに設置された照明装置や空調装置等の配線(図示せず)などによって天井パネルPが天井Rから吊下げ保持される構造となっており、天井パネルPが地面へ落下するのを防止している。
【0060】
本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、横杆固定金具57の構造についても、第3の野縁取付部59や野縁取付部84に限らず、第1の野縁取付部13と第2の野縁取付部15を両方備えた構造としてもよい。さらに、各野縁部材の保持具本体の縁を立ち上げて補強用のリブを備えてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 野縁保持具(野縁固定金具)
2,3 野縁側溝部(溝部)
4,5 野縁部材
9 野縁受部材
36 野縁側連結部
54 消火機器
54A スプリンクラーヘッド(消火部)
56 横杆
57 横杆固定金具
59 第3の野縁取付部
60 垂直面部
61 水平面部
62 領域
63 締付手段
68 ボルト側連結部
84 野縁取付部
B 吊下げボルト
H ハンガー(吊下げ部材)
R 天井
P 天井パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井から吊下げ保持された野縁受部材と、
当該野縁受部材の下部に野縁固定金具を介して固定された野縁部材と、
当該野縁部材の下部に設置された天井パネルと、
前記天井パネルに消火部が設置された消火機器とを備えた天井消火システムであって、
前記消火機器は、前記野縁部材に横杆固定金具を介して架設された横杆部材に固定されるとともに、
前記横杆固定金具は、
前記野縁部材の長手方向に沿って形成された溝部に取付可能な野縁取付部と、
前記横杆部材側面に当接可能な垂直面部と、
当該垂直面部に設けられた前記横杆部材上面に当接可能な水平面部とを備え、
前記野縁取付部、前記垂直面部及び前記水平面部によって囲まれた領域に前記横杆部材を挿通した状態で、前記横杆部材を貫通せずに前記水平面部と前記野縁取付部を連結する締付手段を備えたことを特徴とする天井消火システム。
【請求項2】
前記野縁受部材は、前記天井から垂設された吊下げボルトに装着された吊下げ部材を介して前記天井から吊下げ保持されたものとし、
前記野縁部材に設けた野縁側連結受部と、前記吊下げボルトに設けたボルト側連結受部とを備え、
前記野縁側連結受部と前記ボルト側連結受部とを連結手段で連結したことを特徴とする請求項1記載の天井消火システム。
【請求項3】
前記ボルト側連結受部は、前記吊下げボルトに揺動自在に備えたことを特徴とする請求項2記載の天井消火システム。
【請求項4】
前記野縁部材に設けた野縁側連結受部と前記野縁受部材を連結手段で連結したことを特徴とする請求項1記載の天井消火システム。
【請求項1】
天井から吊下げ保持された野縁受部材と、
当該野縁受部材の下部に野縁固定金具を介して固定された野縁部材と、
当該野縁部材の下部に設置された天井パネルと、
前記天井パネルに消火部が設置された消火機器とを備えた天井消火システムであって、
前記消火機器は、前記野縁部材に横杆固定金具を介して架設された横杆部材に固定されるとともに、
前記横杆固定金具は、
前記野縁部材の長手方向に沿って形成された溝部に取付可能な野縁取付部と、
前記横杆部材側面に当接可能な垂直面部と、
当該垂直面部に設けられた前記横杆部材上面に当接可能な水平面部とを備え、
前記野縁取付部、前記垂直面部及び前記水平面部によって囲まれた領域に前記横杆部材を挿通した状態で、前記横杆部材を貫通せずに前記水平面部と前記野縁取付部を連結する締付手段を備えたことを特徴とする天井消火システム。
【請求項2】
前記野縁受部材は、前記天井から垂設された吊下げボルトに装着された吊下げ部材を介して前記天井から吊下げ保持されたものとし、
前記野縁部材に設けた野縁側連結受部と、前記吊下げボルトに設けたボルト側連結受部とを備え、
前記野縁側連結受部と前記ボルト側連結受部とを連結手段で連結したことを特徴とする請求項1記載の天井消火システム。
【請求項3】
前記ボルト側連結受部は、前記吊下げボルトに揺動自在に備えたことを特徴とする請求項2記載の天井消火システム。
【請求項4】
前記野縁部材に設けた野縁側連結受部と前記野縁受部材を連結手段で連結したことを特徴とする請求項1記載の天井消火システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−256677(P2011−256677A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134444(P2010−134444)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(595165726)株式会社内山産業 (17)
【出願人】(509045450)
【出願人】(000152424)株式会社日建設計 (55)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(595165726)株式会社内山産業 (17)
【出願人】(509045450)
【出願人】(000152424)株式会社日建設計 (55)
【Fターム(参考)】
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