説明

天板の連結構造

【課題】天板に、何ら連結用の別部材を取付けることなく、簡単な手段で、両天板同士を、上面を整合させて、隙間なく強固に連結しうるようにする。
【解決手段】左右の天板4の対向端部を、脚柱3の上端の天板支持杆3bに載置し、左右の天板4の対向端部の下面に設けた垂下片12a の外側面に、天板支持杆3bの両側方に配置した左右1対の連結部材13の上端部を当接させ、両連結部材13同士を、引き付け手段24、25をもって、天板支持杆3bの両側面に向かって互いに接近する方向に引き付けることにより、両天板4同士を、互いに引き寄せて連結するとともに、天板支持杆3bにも連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに隣接して配置されるテーブルや机等の天板同士を連結する連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような天板同士の連結構造としては、例えば特許文献1〜4に記載されているものがある。
【特許文献1】特開2001−120377号公報
【特許文献2】特開平7−255550号公報
【特許文献3】特開平11−46907号公報
【特許文献4】特開2001−128767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載されている天板の連結構造においては、互いに隣接するデスクの脚の上端の天板受け部に、連結部材を取付け、この両連結部材同士を、連結金具をもって下方よりねじ止めすることにより、両デスクの天板同士を間接的に連結しているため、天板に寸法誤差が生じた際などに、両天板の対向面間に隙間が形成されて、見栄えが悪くなることがある。
【0004】
一方、上記特許文献2〜4に記載の天板の連結構造は、いずれも、天板同士の端部同士を互いに引き寄せながら、連結手段により連結しているので、両天板の対向面間に隙間が形成される恐れは小さい。
しかし、特許文献2及び3に記載のものにおいては、両天板の側端部下面に前後方向を向く桟材を、特許文献4に記載のものでは、両天板の対向面に、互いに嵌合し合う凹部と凸部を有する複数の縁材を、それぞれ固着しているため、天板の製造コストが増大するとともに、一般的なデスク用の天板と共通化できないという問題がある。
【0005】
また、特許文献2及び3に記載のものは、両天板を直接引き寄せながら連結するものではなく、天板の対向面よりも下方、すなわち、天板の下面に固着した桟材同士を、ねじ、または、ねじと連結金具により連結しているので、ねじの締付け力が、天板の対向面に効果的に作用しない。そのため、例えば天板が板金により形成され、かつ製作誤差等により、側端面が外開き状に傾斜していたりすると、天板の上端部の対向面間に隙間が形成される恐れがある。
【0006】
さらに、特許文献2及び3に記載のものは、両天板を連結する連結手段と、天板同士の上面を互いに整合させるための高さ調節手段とを取り付けているので、部品点数が多く、コスト高となるとともに、両手段が露呈して見栄えが悪いという問題もある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、天板に、何ら連結用の別部材を取付ける必要がなく、かつ天板を、板金よりなるものとしても、両天板同士を、簡単な手段により、上面を整合させて、隙間なく強固に連結しうるようにした天板の連結構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)左右に隣接する天板の側端部同士を連結する連結構造において、前記両天板の対向端部を、脚柱の上端の前後方向を向く天板支持杆に載置し、前記左右の天板の対向端部の下面に設けた垂下部における両天板の対向面と反対側の外側面に、前記天板支持杆の両側方に配置した左右1対の連結部材の上端部を当接させ、両連結部材同士を、引き付け手段をもって、前記天板支持杆の両側面に向かって互いに接近する方向に引き付けることにより、前記両天板同士を、互いに引き寄せて連結するとともに、この連結位置を左右方向に調整可能として前記天板支持杆にも連結するようにする。
【0009】
(2)上記(1)項において、左右1対の連結部材を、天板支持杆の側方において正面視ほぼ逆ハ字状をなし、かつ下端部が天板支持杆の両側面に当接するようにした基片と、この基片の上端に連設され、先端が垂下部の外側面に当接するように内向きに折曲された引き付け片とを有するものとし、前記両基片に、引き付け手段を取付ける。
【0010】
(3)上記(2)項において、引き付け片の先端を、各垂下部の外側面の上端に当接させる。
【0011】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、引き付け手段を、天板支持杆を貫通するボルトと、それに螺合するナットよりなるものとする。
【0012】
(5)上記(4)項において、ボルト及びナットが当接する両連結部材の外側面を、外方に膨出する円弧状曲面とする。
【0013】
(6)上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、両連結部材の下端部と天板支持杆の側面との対向面のいずれか一方に係合孔を、かつ他方に、係合孔に嵌合する係止突部をそれぞれ設け、両連結部材が、係合孔と係止突部との嵌合部を支点として左右方向に回動しうるようにする。
【0014】
(7)上記(2)項またはそれに従属する上記(4)〜(6)項のいずれかにおいて、両連結部材の引き付け片の先端部を、斜め内向き下方に延出し、それらの先端を、左右の天板の対向端部に形成された正面視外向コ字状部内において、その下端の隅部に当接させる。
【0015】
(8)上記(1)〜(7)項のいずれかにおいて、天板支持杆に、上下方向を向くとともに、左右方向に長い長孔を設け、この長孔の下方より挿入したボルトを、左右の天板の対向端部に設けためねじに螺合することにより、両天板を天板支持杆に固定する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、両天板の対向端部下面に設けた垂下部の外側面に、左右1対の連結部材の上端部を当接させ、両連結部材同士を引き付け手段をもって、互いに接近する方向に引き付けるだけで、両天板同士を互いに引き寄せながら強固に連結しつつ、天板支持杆にも連結することができる。従って、左右の天板の側端部や天板支持杆に、何ら連結用の別部材を取付ける必要はなく、天板や天板支持杆を安価に製作しうるとともに、他の一般的な天板や天板支持杆と共通化することもできる。
また、左右の天板は、連結位置を左右方向に調節可能として天板支持杆に連結されているので、例えば両天板の左右寸法に誤差が生じ、それらの連結位置が左右にずれた際でも、両天板を引き寄せながら、天板支持杆に連結することができる。
さらに、左右の天板の対向端部は、天板支持杆により支持されており、この状態で互いに連結されるので、両天板の上面同士は整合し、上下に位置ずれすることはない。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、両連結部材の正面視逆ハ字状をなす基片同士を、引き付け手段により引き付けることにより、両連結部材は、天板支持杆の両側面に当接させた下端部を支点として互いに内向きに回動し、左右の天板の側端部同士を、左右の内向きの引き付け片により、水平方向内向きに効果的に引き寄せることができる。従って、両天板同士を、隙間なく、より強固に連結することができる。
また、両連結部材は、天板支持杆の両側面に当接させた基片の下端部を支点として、左右方向に独立して回動しうるので、両天板の連結位置が左右に大きくずれても、両天板を引き寄せながら、支障なく天板支持杆に連結することができる。
さらに、両連結部材の基片は、天板支持杆の側方に位置し、その基片同士に引き付け手段を取り付けているため、引き付け手段の操作性が向上する。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、両連結部材の引き付け片の対向端を、左右の天板の垂下部の上端に当接させているので、板金等により形成した天板の垂下部が、製作誤差等により外開き状に傾斜していても、垂下部同士の上端の対向面に隙間が形成される恐れはなく、見栄えが向上する。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、両連結部材を、ボルトとナットにより強固に引き付けうるとともに、両連結部材を固定するボルトは、天板支持杆を貫通しているので、左右の天板の連結部が天板支持杆の上面より浮き上がる恐れがない。
また、左右の連結部材は、天板支持杆に貫通させたボルトにより支持され、下方への落下を防止しながら締め付けうるので、作業性が向上する。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、天板の連結位置が左右方向にずれても、両連結部材と、ボルト及びナットとが互いに線接触するので、両連結部材をほぼ水平方向に均一に引き付けることができる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、左右の連結部材は、上下方向に位置ずれすることなく、係合孔と係止突部との嵌合部を支点として、左右方向に安定して独立回動しうるので、両天板の連結位置が左右方向に大きくずれても、両天板同士を、支障なく強固に連結することができる。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、両連結部材を引き付けると、左右の天板は、天板支持杆に押し付けられるように引き寄せられて、連結されるので、両天板の側端部が天板支持杆に固定され、浮き上がるのが防止される。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、天板の連結位置が左右方向にずれても、両天板の側端部同士を、天板支持杆に、ボルトにより強固に固定して連結することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を適用して形成されたテーブルの斜視図、図2は、図1のIIーII線拡大縦断側面図である。テーブル1は、左右1対の板状の側脚2、2と、両側脚2間の中央部に配置された中間脚3と、これら左右の側脚2と中間脚3の上面に取付けられた前後左右に並ぶ(以下、図1の斜め右手前を前として説明する)4枚の天板4とを備えている。
【0025】
前後に並ぶ天板4、4の対向面間には、配線挿通用の隙間5が、左右方向に連続するようにして形成され、この隙間5には、カバー6が着脱自在に嵌着されている。
中間脚3は、下面に前後1対のアジャスタ7、7が取付けられた角筒状の脚柱3aと、前後方向を向き、かつ中央部下面が脚柱3aの上端に固着された角筒状の天板支持杆3bとからなり、側面視T字状をなしている。天板支持杆3bの前後の開口端部には、キャップ8が嵌着されている。
【0026】
各天板4は、板金製の上面板9と裏板10との間に、左右方向を向く側面視逆ハット形断面をなす前後複数の補強部材11をスポット溶接して形成されている。上面板9の前後両端に連設された側面視概ね内向きコ字状をなす折曲片9a、9b の内端は、それぞれ最前部と最後部の補強部材11に、裏板10の前後両端の起立片10aを挟み込んで、スポット溶接されている。
【0027】
図4に示すように、各天板4の側端部における上面板9と裏板10との間には、正面視ほぼ上向コ字状の補強部材12がスポット溶接され、この補強部材12の外側面に、上面板9の側端に下向き折曲された正面視概ね内向きL字状をなす垂下片9cの内端が、裏板10の側端の起立片10b を挟み込んで、スポット溶接されている。なお、このような構造の天板4は、公知の汎用性のものである。
【0028】
左右に並ぶ天板4の対向端部同士は、以下に詳述する第1の実施形態の連結構造により連結されて、中間脚3に固定されている。なお、前部及び後部における左右の天板4同士の連結構造及び中間脚3への固定構造は、前後対称で同一構造であるため、以下の説明は、前部側のみについて行い、後部側についての説明は省略する。
【0029】
図2〜図4に示すように、中間脚3における脚柱3aよりも前方に位置する天板支持杆3bの前後部の左右両側面には、左右1対ずつの連結部材13、13を取付けるための円孔14、14と、方形の係合孔15、15とが、左右に対向するとともに、上下に並んで穿設されている。
【0030】
また、図5にも示すように、上記前後の円孔14および係合孔15よりもやや外方における天板支持杆3bの前後部の上下両面には、スペーサ16を取付けるための左右1対ずつのボルト挿通孔17、17が、上下に対向して穿設され、また左右のボルト挿通孔17を挟む上面には、スペーサ16を位置決めするための方形の位置決め孔18、18が穿設されている。
【0031】
左右の連結部材13、13は、上下方向を向く厚肉の基片13aと、その上端に連設された、上端部がほぼ内向き水平の牛角状断面をなす引き付け片13bとからなり、全体が、金属またはアルミニウム合金等により、正面視ほぼ倒立L字状をなすように、互いに左右対称に一体成形されている。両連結部材13における基片13aの上下方向の中間部には、後記するボルト24の頭部と軸部及びナット25が余裕をもって挿嵌される左右方向を向く段付孔19、19が、左右対称的に形成されている。この段付孔19の奥部の段差面19a は、外方に膨出する円弧状曲面とされている。
また、両基片13aの下端部の内側面には、上記天板支持杆3bの係合孔15に嵌合可能な係止突部20が形成されている。
【0032】
スペーサ16は、合成樹脂等により、天板支持杆3b内に嵌合しうる大きさのほぼ長方形断面に形成され、その上面中央には、上記位置決め孔18に下方より嵌合可能な短寸の上向き突部21が突設されている。2個のスペーサ16を、天板支持杆3b内に、それぞれの上向き突部21が位置決め孔18と嵌合するまで押し入れると、各スペーサ16に設けた上下方向を向く左右1対の左右方向に長い段付長孔22、22と、天板支持杆3bの左右のボルト挿通孔17、17とが、互いに整合するようになっている。
【0033】
左右の天板4の対向端同士の連結及び天板支持杆3bへの取付けは、次のようにして行われる。なお、天板4の前部と後部の連結及び取付けは、同じ要領で行われるため、前部側のみについて説明する。
【0034】
図4に示すように、両天板4の対向端部を天板支持杆3b上に載置したのち、左右1対の連結部材13における引き付け片13bを、左右の天板4における対向端部の裏板10と補強部材12の下面とに穿設された通孔23を介して、両天板4の側端部の内部空間に挿入する。
【0035】
ついで、両連結部材13の基片13aの係止突部20を、天板支持杆3bの両側面の係合孔15に嵌合させたのち、両基片13aのいずれか一方(実施形態では右方)の段付孔19より、六角孔付きの頭部24aを有する長寸のボルト24を、天板支持杆3bの左右の円孔14を貫通させて、先端部の雄ねじ部24bを、他方(左方)の段付孔19に挿入する。
【0036】
ついで、他方の段付孔19内において、雄ねじ部24bにナット25を螺合し、両連結部材13の引き付け片13bの先端が、左右の補強部材12の互いに対向する垂下片12a における両天板4の対向面と反対側の外側面に当接するまで仮締めする。なお、この際、両連結部材13における基片13aと、天板支持杆3bの両側端面との対向面間に、締め代分の隙間Sが形成されるように、すなわち、両連結部材13の下端部同士が正面視逆ハ字状をなすように、天板支持杆3bの左右寸法及び補強部材12の固定位置を適宜に定めてある。
【0037】
上記の状態で、ナット25を強く締め付けると、左右の連結部材13が、係止突部20を支点として、互いに接近する方向に内向きに回動させられ、かつ上端部に大きな回転モーメントが加わることにより、両引き付け片13bの対向端は、左右の補強部材12における互いに対向する垂下片12a の外側面の上端部を強く押圧する。
【0038】
これにより、両天板4の対向端部同士が、左右の連結部材13により直接引き寄せられ、両天板4は、互いに対向する側端面同士を密着させて強固に連結される。しかも、両連結部材13の引き付け片13bの先端は、垂下片12a の上端部に当接し、この部分を強く引き寄せるようにしているため、両天板4における側端の垂下片9cが、例えばプレス作業時の製作誤差等により外開き状に傾斜していても、それらの上端の対向面間に隙間が形成されることはない。
【0039】
このようにして、左右の天板4同士を連結した後、図5に示すように、天板支持杆3b内に予め位置決めして挿入された前後のスペーサ16の段付長孔22、22に、天板支持杆3bの下面のボルト挿通孔17を介してボルト26を挿入し、このボルト26を、天板4にスポット溶接される前において左右の補強部材12の上面に予め溶接されたナット27に螺合させて締め付ける。これにより、左右の天板4の対向端部は、互いの上面を同一面に整合させた状態で、天板支持杆3bの上面に固定される。
【0040】
左右の連結部材13は、それぞれ、基片13aの下端部の係止突部20を中心として左右方向に独立して回動するため、図6に示すように、例えば、天板4の左右寸法に誤差が生じ、両天板4の突き合わせ面Cが、天板支持杆3bの中心Oから左方(または右方)に少しずれたとしても、支障なく引き寄せて連結することができる。
【0041】
この際、両連結部材13に形成された段付孔19の段差面19a は、外方に膨出する円弧状曲面とされており、両連結部材13が左右非対称に回動しても、ボルト24の頭部24a及びナット25の内端面は、常に段差面19a に線接触するので、両連結部材13は、ほぼ水平方向に均一かつ強固に引き付けられる。
なお、上記のように、両天板4の突き合わせ面Cが左右方向に少しずれたとしても、スペーサ16に形成されたボルト26挿通用の段付長孔22は、左右方向に長くしてあるので、両天板4を支障なく天板支持杆3bに固定することができる。
【0042】
また、図7に示すように、例えば左右寸法の異なる天板4同士を連結する際において、両天板4の突き合わせ面Cが、天板支持杆3bの中心Oから左方(または右方)に大きく位置ずれしたようなときでも、上記と同様、左右の連結部材13は独立して左右方向に回動し、かつ段付孔19の段差面19a が円弧状曲面をなしているので、両天板4同士を支障なく強固に連結することができる。
【0043】
図8は、第2の実施形態の連結構造を示すもので、左右の連結部材28、28を、正面視ほぼ方形断面をなす基片28aと、その上端に連設された内向き倒立L字状断面の引き付け片28bとからなるものとし、両引き付け片28bに穿設された左右方向を向く軸孔29の一方より挿入したボルト30を、天板支持杆3bの円孔14を貫通させて、他方の軸孔29に挿通し、突出端部の雄ねじ部30aに螺合したナット31を締め付けることにより、両連結部材28を、天板4と平行をなして互いに接近する方向に移動させるようにしたものである。
【0044】
左右の引き付け片28bの先端は、上記と同様、左右の天板4における上面板9と裏板10間にスポット溶接された補強部材32、32における垂下片32aの外側面の上端部に当接させてある。このような連結構造においても、ナット31を締め付けて、両連結部材28を互いに接近する方向に平行移動させることにより、左右の天板4の対向部同士を直接引き寄せて強固に、かつ隙間なく連結することができる。なお、この第2の実施形態の連結構造により、左右寸法の比較的小さい天板4同士を連結する際には、中間脚3の天板支持杆3bを省略することもできる。
【0045】
図9は、第3の実施形態の連結構造を示すもので、左右の連結部材33、33を、厚肉の金属製平板よりなるものとし、両連結部材33の上端を、例えば木製や合成樹脂等よりなる左右の天板4における天板支持杆3bよりも外側方の下面に設けた、凹部34、34における内側の垂下部34aの外側面に当接させるとともに、両連結部材33の下端の対向面を、天板支持杆3bの両側面の下端に当接させることにより、両連結部材33を、正面視逆ハ字状をなすようにし、それらの中間部に穿設された通孔35、35及び天板支持杆3bの円孔14に挿通したボルト24の雄ねじ部24bに、ナット25を螺合して締め付け、両連結部材33が、下端を支点として互いに内向きに強圧されるようにしたものである。
【0046】
両連結部材33におけるボルト24の頭部24aと、ナット25とが当接する外側面33aは、上記と同様、互いに線接触しうるように、外方に膨出する円弧状曲面とされている。
第3の実施形態の連結構造においても、天板支持杆3b上に載置された、木製等の左右の天板4の対向端部同士を、上下に位置ずれさせることなく、互いに引き寄せて強固に、かつ隙間なく連結することができる。なお、図示は省略するが、両天板4と天板支持杆3bとは、図5に示すのと同様、スペーサ16に挿入したボルト26の上端部を、天板4の下面に設けためねじ孔に螺合することにより、固定されている。
【0047】
以上説明したように、上記実施形態の天板の連結構造においては、いずれも、天板4に何ら連結用の別部材を取付けることなく、単に汎用の天板4の側端部下面に穿設した通孔23や凹部34に、左右1対の連結部材13、28の上端部の引き付け片13b、28b又は連結部材33自体の上端を挿入し、天板4の下方において両連結部材13、28同士をボルト24とナット25により引き付けるだけで、両天板4同士を引き寄せて、隙間なく、かつ上面同士を整合させて強固に連結することができる。
【0048】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば図10に示す第4の実施形態のように、図4に示す左右の連結部材13における引き付け片13bを、正面視下向き円弧状に湾曲させ、それらの先端を、左右の補強部材12における互いに対向するコ字状部の下端の内隅部に、斜め上方より当接させて、両天板4の対向端部を、斜め内向き下方に強圧するようにしてもよい。 このようにすると、左右の天板4は、天板支持杆3bの上面に押し付けられるように引き寄せられて、互いに連結されるので、両天板4を天板支持杆13bに固定するためのスペーサ16、ボルト26及びナット27等を省略することもできる。
【0049】
上記板金製の天板4の連結構造においては、左右の天板4の側端部に固着した補強部材12、32を、連結部材13、28の引き付け片13b、28bにより押圧するようにしているが、これら補強部材12、32を有していない天板においては、両天板4の対向面の垂下片9cを直接押圧して互いに引き寄せるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施形態を適用して形成されたテーブルの斜視図である。
【図2】同じく、図1のIIーII線拡大縦断側面図である。
【図3】同じく、中間脚の前部側の要部の斜視図である。
【図4】図2のIVーIV線拡大縦断正面図である。
【図5】同じく、VーV線拡大縦断正面図である。
【図6】左右の天板の突き合わせ面が若干側方にずれたときの連結状態を示す拡大縦断正面図である。
【図7】左右の天板の左右寸法が異なる場合の連結状態を示す拡大縦断正面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の連結構造と、それによる天板同士の連結状態を示す拡大縦断正面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の連結構造と、それによる天板同士の連結状態を示す拡大縦断正面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態の連結構造と、それによる天板同士の連結状態を示す拡大縦断正面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 テーブル
2 側脚
3 中間脚
3a 脚柱
3b 天板支持杆
4 天板
5 隙間
6 カバー
7 アジャスタ
8 キャップ
9 上面板
9a 折曲片
9b 折曲片
9c 垂下片(垂下部)
10 裏板
10a 起立片
10b 起立片
11 補強部材
12 補強部材
12a 垂下片(垂下部)
13 連結部材
13a 基片
13b 引き付け片
14 円孔
15 係合孔
16 スペーサ
17 ボルト挿通孔
18 位置決め孔
19 段付孔
19a 段差面
20 係止突部
21 上向き突部
22 段付長孔
23 通孔
24 ボルト
24a 頭部
24b 雄ねじ部
25 ナット
26 ボルト
27 ナット
28 連結部材
28a 基片
28b 引き付け片
29 軸孔
30 ボルト
30a 雄ねじ部
31 ナット
32 補強部材
32a 垂下片(垂下部)
33 連結部材
33a 外側面
34a 垂下部
34 凹部
35 通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に隣接する天板の側端部同士を連結する連結構造において、前記両天板の対向端部を、脚柱の上端の前後方向を向く天板支持杆に載置し、前記左右の天板の対向端部の下面に設けた垂下部における両天板の対向面と反対側の外側面に、前記天板支持杆の両側方に配置した左右1対の連結部材の上端部を当接させ、両連結部材同士を、引き付け手段をもって、前記天板支持杆の両側面に向かって互いに接近する方向に引き付けることにより、前記両天板同士を、互いに引き寄せて連結するとともに、この連結位置を左右方向に調整可能として前記天板支持杆にも連結するようにしたことを特徴とする天板の連結構造。
【請求項2】
左右1対の連結部材を、天板支持杆の側方において正面視ほぼ逆ハ字状をなし、かつ下端部が天板支持杆の両側面に当接するようにした基片と、この基片の上端に連設され、先端が垂下部の外側面に当接するように内向きに折曲された引き付け片とを有するものとし、前記両基片に、引き付け手段を取付けてなる請求項1記載の天板の連結構造。
【請求項3】
引き付け片の先端を、各垂下部の外側面の上端に当接させてなる請求項2記載の天板の連結構造。
【請求項4】
引き付け手段を、天板支持杆を貫通するボルトと、それに螺合するナットよりなるものとした請求項1〜3のいずれかに記載の天板の連結構造。
【請求項5】
ボルト及びナットが当接する両連結部材の外側面を、外方に膨出する円弧状曲面としてなる請求項4記載の天板の連結構造。
【請求項6】
両連結部材の下端部と天板支持杆の側面との対向面のいずれか一方に係合孔を、かつ他方に、係合孔に嵌合する係止突部をそれぞれ設け、両連結部材が、係合孔と係止突部との嵌合部を支点として左右方向に回動しうるようにしてなる請求項1〜5のいずれかに記載の天板の連結構造。
【請求項7】
両連結部材の引き付け片の先端部を、斜め内向き下方に延出し、それらの先端を、左右の天板の対向端部に形成された正面視外向コ字状部内において、その下端の隅部に当接させてなる請求項2、または請求項2に従属する請求項4〜6のいずれかに記載の天板の連結構造。
【請求項8】
天板支持杆に、上下方向を向くとともに、左右方向に長い長孔を設け、この長孔の下方より挿入したボルトを、左右の天板の対向端部に設けためねじに螺合することにより、両天板を天板支持杆に固定してなる請求項1〜7のいずれかに記載の天板の連結構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−104512(P2008−104512A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−287786(P2006−287786)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】