説明

太陽光発電装置

【課題】降雪地域でも好適に利用できる太陽光発電装置を提供する。
【解決手段】立設する支柱上に取り付ける太陽光発電装置であって、支柱に固定する本体と、この本体の上部を覆って前方へ延設させる屋根部と、この屋根部の下方に設けて前記本体より前方へ突出させる光反射部とを備え、この光反射部を上面に照射させた太陽光が上方へ向かう反射光となるように設けると共に、前記屋根部の下面に受光面を下方へ向けた太陽電池を設けて、前記光反射部に反射させた反射光を受光するように設ける。屋根部の下面に受光面を下方へ向けた太陽電池が設けられるので、太陽電池の受光面に積雪せず、受光面の受光が雪に妨げられない

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降雪地域でも好適に利用できる太陽光発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽電池を用いた太陽光発電装置については、従来より様々な態様のものが利用されており、種々の発明が開示されている。
【0003】
例えば特許文献1においては、集光性を有する反射体であって、反射面側の外面に光触媒含有層が形成されていることを特徴とする自浄性集光反射体、が開示され、これを太陽光発電パネルに太陽光を集光供給する反射体として用いる太陽光集光発電装置、が本件出願人によって開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−286916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される太陽光集光発電装置は、光触媒含有層によって集光反射体への汚染物質の付着などが抑制されるようになされるが、降雪地帯に設置したときには、集光反射体への積雪が抑制しにくい構成となっており、発電効率の低下の要因となる可能性があった。
【0006】
そこで本発明は、降雪地域でも好適に利用できる太陽光発電装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る太陽光発電装置は、立設する支柱上に取り付けられる太陽光発電装置であって、支柱に固定される本体と、該本体の上部を覆って前方へ延設される屋根部と、該屋根部の下方に設けられて前記本体より前方へ突出する光反射部とを備え、該光反射部は上面に照射された太陽光を上方へ向かう反射光となるように設けられると共に、前記屋根部の下面には受光面を下方へ向けた太陽電池が設けられて、前記光反射部にて反射された反射光を受光するようになされていることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る太陽光発電装置によれば、支柱に固定される本体と、この本体の上部を覆って前方へ延設される屋根部を備え、この屋根部の下面に受光面を下方へ向けた太陽電池が設けられるので、太陽電池の受光面に積雪せず、受光面の受光が雪に妨げられない。
また、この屋根部の下方に設けられて前記本体より前方へ突出する光反射部を備え、この光反射部が上面に照射された太陽光を上方へ向かう反射光となるように設けられて、反射させた反射光を前記太陽電池の受光面に受光させるので、光反射部の上面への積雪が前記屋根部によって低減し、太陽電池の発電効率の低下が抑制される。
また、前記光反射部の上面に照射された太陽光が上方へ向かって反射されて、受光面を下方へ向けた太陽電池に受光されるので、光反射部の上面に積雪が生じた場合でも、雪の上面に反射された太陽光が前記受光面に受光され、発電が完全に停止するような状況の発生が抑制される。
【0009】
また、前記屋根部が、前記本体の前端より前方へ突出する前屋部と、前記本体の後端より後方へ突出する後屋部とを備え、前記屋根部の上面を前記前屋部から後屋部へ至る程下方へ下る傾斜面に形成すれば、屋根部の上面に積もった雪が滑り落ちる際に前記本体の後方へ落下するので、この落雪が前記本体の前方へ突出させて設けた光反射部の上へ落ちて、その上面に再度積もるような問題が生じないので、好ましい。
また、前記光反射部の上面を前方へ至るほど下方へ下る傾斜面に形成すれば、光反射部の上面に積もった雪が滑り落ちる際に、前記本体が障害とならずに、前方へ滑り落ちるようになされるので、好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の太陽光発電装置によれば、降雪時の発電効率の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】支柱に設置された本発明に係る太陽光発電装置の実施の一形態を示す、(イ)は正面図であり、(ロ)は側面図である。
【図2】図1の太陽光発電装置を示す、(イ)は正面図であり、(ロ)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において1は太陽光発電装置である。
太陽光発電装置1は立設された支柱Pの上端に取り付けられて設置され、太陽光を受光して生起した電力を内装、又は別途設けられた蓄電手段へ蓄電するようになされている。
【0013】
本実施形態の太陽光発電装置1は、長手方向を上下に向けた略円筒形状の本体3を有し、この本体3の下部が支柱Pの上部に取り付けられて、支柱Pに固定されている。
【0014】
本実施形態の太陽光発電装置1の上部には、屋根部2が前記本体3の上端に固定されて設けられている。
本実施形態の屋根部2は平板形状の鋼板にて形成されており、その下面を前記本体3の上端に固定させており、詳細には、前記本体3の前端より大きく前方へ突出する前屋部21と前記本体3の後端より若干後方へ突出する後屋部22とをそれぞれ屋根部2が備えるように、本体3に固定されている。
また、前記屋根部2の上面は、前記前屋部21から後屋部22に至る平面形状に設けられており、前方から後方へ至る程下方へ下る傾斜面に形成されている。
【0015】
前記屋根部2には、太陽電池4が前屋部21に固定されて設けられている。
太陽電池4は、前記前屋部21の下面に固定された取付金具Kを介して前記前屋部21の下方に取り付けられており、太陽電池4の受光面41が前記前屋部21の下面と平行となされるように取り付けられている。
より詳細には、太陽電池4の受光面41は下方へ向けられ、且つ前方から後方へ至る程下方へ下る傾斜面状に設けられている。
【0016】
そして前記太陽電池4の下方には、前記本体3より前方へ突出する光反射部5が設けられている。光反射部5は、その上面が鏡面状となされた平板形状に形成されており、上方から照射された太陽光を反射させて、この反射光を前記太陽電池4の受光面41へ受光させるように設けられている。
具体的には、前記光反射部5は、その上面が後方から前方へ至る程下方へ下る傾斜面状に設けられており、前方斜め上方向より照射された太陽光Sを、反射光Rとして後方斜め上方向へ反射させ、前記太陽電池4の受光面41へ反射光Rが照射されるように設けられている。
【0017】
また、前記太陽電池4の受光面41は、前方から後方へ至る程下方へ下る傾斜面状に形成されているので、後方斜め上方向へ反射された前記反射光Rを効率良く受光できるようになされている。
【0018】
本実施形態の太陽光発電装置1では、太陽電池4の受光面41が下方へ向けられ、その下方に設けられた光反射部5からの反射光Rを受光するようになされているので、降雪時などにおいて、受光面41の上面に積雪することがなく、受光面41への光が雪で遮断されることがない。
また、受光面41へ照射させる反射光Rを反射させるための、光反射部5が屋根部2の下方に設けられるので、光反射部5の反射面となされる上面への積雪が低減され、太陽電池4の発電効率の低下を抑制する。
また、降雪が風などに流されて光反射部5の上面に積もった場合でも、雪の上面に反射された太陽光が受光面41に受光されるので、太陽電池4の発電が完全に停止するような状況の発生が抑制される。
【0019】
また、本実施形態の屋根部2は、本体3の後端より若干後方へ突出する後屋部22を備えると共に、その上面が前記前屋部21から後屋部22に至る平面形状に設けられて、前方から後方へ至る程下方へ下る傾斜面に形成されているので、屋根部2の上面への積雪が滑り落ちるときに本体3の後方へ落雪するので、光反射部5の上へ滑り落ちてその上面へ積もるなどの問題が生じにくくなされる。
また、前記光反射部5は、その上面が後方から前方へ至る程下方へ下る傾斜面となされるように設けられているので、その上面へ雪が積もった場合でも、前方へ滑り落ちやすくなされている。
【0020】
本実施形成の屋根部2や光反射部5は、それぞれ平板形状に形成されているが、これに限るものではない。例えば、前記屋根部2と光反射部5の、いずれか一方、又は両方を箱形状に形成させて、その内部に蓄熱材を内装させ、その上面への積雪の抑制や、上面へ積もった雪の滑雪を促すための構造を設けても良い。
また、前記太陽電池4の受光面41や、光反射部5の上面へ、光触媒層を形成させ、この光触媒層の酸化力による表面に付着する汚染物質の分解や、この光触媒によって表面を親水化させて、表面への曇りの発生の抑制を行ってもよい。
【符号の説明】
【0021】
1 太陽光発電装置
2 屋根部
21 前屋部
22 後屋部
3 本体
4 太陽電池
41 受光面
5 光反射部
P 支柱
K 取付金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立設する支柱上に取り付けられる太陽光発電装置であって、
支柱に固定される本体と、
該本体の上部を覆って前方へ延設される屋根部と、
該屋根部の下方に設けられて前記本体より前方へ突出する光反射部とを備え、
該光反射部は上面に照射された太陽光を上方へ向かう反射光となるように設けられると共に、
前記屋根部の下面には受光面を下方へ向けた太陽電池が設けられて、前記光反射部にて反射された反射光を受光するようになされていることを特徴とする太陽光発電装置。
【請求項2】
前記屋根部は、前記本体の前端より前方へ突出する前屋部と、前記本体の後端より後方へ突出する後屋部とを備え、
前記屋根部の上面は前記前屋部から後屋部へ至る程下方へ下る傾斜面に形成されると共に、
前記光反射部の上面は前方へ至るほど下方へ下る傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−182213(P2012−182213A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42611(P2011−42611)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】