説明

媒体処理装置

【課題】従来の清掃部材では、清掃を行なう範囲が限定され、紙幣の搬送位置から奥まった位置にある紙粉や埃あるいは紙片は除去しきれない。
【解決手段】搬送手段11,12により媒体Mを搬送する搬送路7を有する媒体処理装置1において、清掃基材31に搬送手段11,12に対向する搬送手段対向部分33を除いて清掃材32が設けられた清掃部材30を、搬送路7に挿入する挿入口71−1と、搬送路7に清掃部材30を搬送する搬送手段11,12と、搬送路7を搬送された清掃部材30を取り出す取出口71−2とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃部材により搬送路を清掃する媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、媒体処理装置としての例えば自動取引装置においては、媒体としての紙幣を搬送する搬送路に紙幣を検知するための光学式センサが配設されている。このセンサが紙粉や埃等により汚れた場合、あるいは搬送路上に紙片が残留した場合、搬送路を清掃する必要がある。このような場合、従来はパトロール券を搬送させ、センサに付着した紙粉や埃を除去する一方、搬送路に残留した紙片の除去を行っていた。パトロール券を搬送させて搬送路を清掃することを開示するものとして、例えば、特許文献1(特開平10−91840号公報)が挙げられる。
【0003】
上記特許文献1に開示されるパトロール券は、紙幣、例えば1万円紙幣と同一の寸法及び形状を有する基材に清掃材としての布が被着された構成を有するもので、パトロール券を往復搬送することにより搬送路に配設されたセンサを清掃するというものである。(特許文献1段落0027等参照)
【特許文献1】特開平10‐91840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来の清掃部材(パトロール券)では、清掃を行なう範囲が、搬送路に突出するように設けられたセンサに限定され、媒体(紙幣)搬送位置から奥まった位置にある紙粉や埃あるいは紙片が清掃部材の往復搬送では除去しきれないという問題があった。紙粉や埃が残ると、それが再びセンサに付着する可能性があり、紙片が残ると、媒体(紙幣)の搬送時にジャムを惹き起こす可能性がある。
【0005】
また上記特許文献1に開示される清掃部材(パトロール券)は媒体(紙幣)と同一形状となっているので、搬送路の幅に対して媒体の幅が短くなっている。その結果、清掃部材と搬送路の幅方向の端部との間に清掃できない箇所ができる。これを解決するためには搬送路に対して清掃部材の搬送位置を変えて少なくとも2回清掃搬送しなければならず、清掃作業が煩雑になるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に関する媒体処理装置は、搬送手段により媒体を搬送する搬送路を有する媒体処理装置において、前記搬送手段に対向する搬送手段対向部分を除いて清掃材が設けられた清掃部材を前記搬送路に挿入する挿入口と、前記搬送路に前記清掃部材を搬送する前記搬送手段とを具備することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に関する清掃部材によれば、基材に高摩擦で可撓性を有するか又は伸縮自在な清掃材を設けたので、媒体の搬送位置から奥まった位置にある紙粉や埃を除去することが可能である。また本発明に関する清掃部材によれば、基材の幅方向の長さを搬送路の幅と略同じ長さで、基材の幅方向の端面に搬送時に過剰な抵抗が働かない程度の長さにしたことにより、搬送路の幅方向の端部の清掃を少ない回数の搬送で良好に行なうことが可能である。
【0008】
更に、本発明に関する媒体処理装置によれば、前記清掃部材の奏する効果に加えて、自動取引装置の主制御部の制御により、挿入口に挿入された清掃部材を自動にて搬送して清掃を行なうので、清掃部材を搬送させる手間を省くことができる。また表示部に清掃が必要なこと及び清掃が必要な清掃搬送路や挿入口を表示するので、保守員は容易に清掃部材を挿入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を実施するための形態を図面に従って説明する。なお、各図面に共通する要素には同一の符号を付す。また、以下に説明する実施の形態では媒体処理装置として自動取引装置を例にとって説明する。
【0010】
図1は媒体処理装置としての自動取引装置1を示す構成図である。図1において、自動取引装置1は、金融機関等に設置され、利用者Pに対して媒体としての紙幣Mを受け渡す機能(出金機能)と、利用者Pから紙幣Mを受け入れる機能(入金機能)とを有する。自動取引装置1は、出金紙幣を利用者Pが取り出し可能な位置に集積するとともに利用者Pから投入される入金紙幣を受け入れる接客部2と、紙幣Mを繰出し可能に収納する紙幣収納部3と、紙幣Mの真偽・金種等を鑑別する鑑別部4と、利用者Pが取り忘れた紙幣Mが収納される取忘れ紙幣収納部5と、出金時に鑑別部4で出金不可と判定された紙幣Mを収納するリジェクト収納部6を有する。更に自動取引装置1は、上記各部を接続して設けられ、上記各部間に紙幣Mを搬送する機能を有する搬送路7を複数有する。
【0011】
前記接客部2は、分離繰出し部2aを備え、この分離繰出し部2aにより利用者Pが投入した紙幣Mを前記搬送路7に1枚ずつ繰出す。また出金紙幣は搬送路7から接客部2に1枚ずつ集積される。搬送路7は同図に破線で示した部分であり、上述した各部を紙幣搬送可能に接続する。前記搬送路7における搬送手段は、後述する搬送ローラ又は搬送ベルトである。紙幣収納部3は、金種別に複数設けられ、それぞれ分離繰出し部3aにより収納している紙幣Mを1枚ずつ搬送路7に繰出す。更に、紙幣収納部3には、利用者Pから投入された紙幣Mが出金紙幣として利用可能なものであれば、分離繰出し部3aより紙幣Mを収納する。
【0012】
通常稼動時は、利用者Pが入金取引を選択して紙幣Mを接客部2に投入すると、投入された紙幣Mは接客部2から搬送路7を搬送されて鑑別部4へ送られる。ここで出金に使用可能と判定されると該当する金種の紙幣収納部3へ送られ、収納される。また利用者Pに出金する場合は、利用者Pが出金金額を入力すると、その金額に相当する紙幣Mが紙幣収納部3から繰出され、鑑別部4へ送られる。鑑別部4で出金に問題ないと判定されると、搬送路7を搬送されて接客部2へ送られる。出金金額に相当する紙幣Mが接客部2に集積されると、図示しないシャッターが開けられ、利用者Pは紙幣Mを取り出す。
【0013】
図2は搬送路7を示す概略正面図である。図2において、搬送路7には上部搬送ローラ11a、11b及び下部搬送ローラ12a、12bが回転可能に設けられ、上部搬送ローラ11aは下部搬送ローラ12aと圧接対向し、上部搬送ローラ11bは下部搬送ローラ11bと圧接対向している。上部搬送ローラ11a、11bはシャフト13に取付けられ、シャフト13の端部にはギア14及びノブ15が取付けられている。ノブ15は後述するように搬送路7を清掃する際に、清掃部材30を駆動するための駆動用ノブとして使用される。
【0014】
下部搬送ローラ12a、12bはシャフト16に取付けられ、シャフト16の一端部にはギア17が取付けられている。ギア17は上述のギア14と噛み合い、一つの駆動手段で両方のシャフト13、16が同時に互いに逆方向に回転駆動される。
【0015】
搬送路7には搬送ガイド18が設けられており、搬送ガイド18により紙幣Mが搬送される搬送領域20が形成される。搬送領域20の幅Bは紙幣Mの幅より充分大きく形成されている。また搬送ガイド18には紙幣Mを検知するための検知センサ21が設けられている。検知センサ21は、紙幣Mを挟んで配設される発光素子21−1と受光素子21−2で構成される。
【0016】
図3は搬送手段としての搬送ローラ11、12を示す斜視図である。図3において、上部搬送ローラ11a、11b及び下部搬送ローラ12a、12bがそれぞれ矢印方向に回転することにより、紙幣Mは矢印X方向に搬送される。搬送ローラ11、12は円形の車輪状の部品であり、中心を通るシャフト13、16に回転力が伝達されると、搬送ローラ11、12が回転する。搬送ローラ11、12の周速度は、単位時間当りの(回転数×ローラの直径×円周率)で表される。搬送ローラ11、12は図2で示すように搬送領域20に突出しており、搬送領域20を搬送される紙幣Mの表裏両面に(場合によっては片面のみに)接するように配置される。
【0017】
搬送ローラ11、12は弾力性を有し、その表面は高摩擦材料で形成され、搬送ローラ11、12が回転することにより紙幣Mとの接触面に摩擦が発生し、紙幣Mが搬送ローラ11、12とともに移動し、搬送されるようになっている。
【0018】
図4は搬送手段としての搬送ベルト22を示す斜視図である。紙幣Mを搬送する他の搬送手段としての搬送ベルト22について説明する。図4において、搬送ベルト22a、22bは、互いに離れた位置に配置されたプーリ23a、24a、23b、24bに掛け渡され、プーリ23a、24a、23b、24bが回転することにより搬送ベルト22a、22bが回転する。搬送ベルト22a、22bの外側表面は高摩擦材料で形成され、摩擦力を有する。搬送ベルト22a、22bが回転することにより紙幣Mとの接触面に摩擦が発生し、紙幣Mが搬送される。
【0019】
図5は第1の実施の形態の清掃部材30を示す正面図、図6は第1の実施の形態の清掃部材30を示す斜視図である。両図において、清掃部材30は、基材31と、基材31の両面に立設された清掃材32とから構成される。基材31は可撓性を有する材質、例えば、紙もしくはプラスチック、フィルムあるいは繊維材料等により形成され、望ましくは水に濡れても機能を損なわない材質とする。また清掃材32の材質は高摩擦性を有し、更に可撓性又は伸縮・圧縮可能な材質とするもので、例えば、モヘア(長めの起毛)とする。
【0020】
清掃材32は、基材31の両面にほぼ垂直に立設される。清掃材32の基材31への取付け方法は、両面テープによる貼り付け、接着剤による貼り付け、あるいは縫い付けなどの方法があるが、自動取引装置1の搬送路7は湾曲した部分もあるため、清掃部材30としての可撓性を損なわない方法を採るものとする。清掃材32は基材31の所定位置に取付けられる。即ち、搬送ローラ11、12又は搬送ベルト22に対向する部分としての接触する部分を除いた全ての表裏面に取付けられる。
【0021】
図5、図6に示す33は、基材31における、搬送ローラ11、12又は搬送ベルト22に対向する部分としての接触部である。当該接触部33は、前記基材31が搬送ローラ11、12又は搬送ベルト22により搬送されるために接触する接触部であり、この接触部33には清掃材32は立設されていない。
【0022】
図7は搬送ローラ11、12による清掃部材30の搬送状態を示す斜視図、図8は搬送ローラ11、12による清掃部材30の搬送状態を示す正面図である。また図9は搬送ベルト22による清掃部材30の搬送状態を示す斜視図、図10は搬送ベルト22による清掃部材30の搬送状態を示す正面図である。これらの図に示すように、清掃部材30の搬送時において、搬送ローラ11a、11b、12a、12bは清掃部材30の接触部33に接触して搬送し、搬送ベルト22a、22b、25a、25bの場合も同様に接触部33に接触して清掃部材30を搬送する。前記清掃部材30の高さは、紙幣Mの前記搬送領域20の高さと略同じである。清掃材(モヘア)32は搬送ローラ又は搬送ベルトの基材31との接触位置から奥側(図8、図10における上下方向)に搬送ガイド18まで伸びているので、前記搬送領域20内の奥まった位置の清掃が可能である。
【0023】
このように、接触部33を避けて清掃材32を基材31に立設することにより、清掃材32の厚みに配慮することなく搬送ローラ又は搬送ベルトを配置することができる。
【0024】
次に接触部33の幅について説明する。図11は清掃部材30の接触部33の幅を説明するための説明図である。図11において、清掃部材30の接触部33の幅は搬送ローラ11a、11bの幅と、搬送領域20の幅と、清掃部材30の幅により決定される。搬送ローラ11a、11bの幅をA、搬送領域20の幅をB、清掃部材30の幅をCとすると、接触部33の幅Dは、D≧A+(B−C)で設定される。この寸法設定により、清掃部材30が搬送領域20の一方の端部に寄った場合でも搬送ローラ11a、11bが清掃材32と接触することはない。
【0025】
清掃部材30の幅Cは、搬送領域20の幅Bとほぼ同じに設定されるが、完全に同じだと清掃部材30の端面と搬送領域20を形成する搬送ガイドが擦れて抵抗となる。そのため清掃部材30の幅方向の端面が抵抗にならない程度に短く設定されている。
【0026】
また、基材31の厚さを含めた清掃部材30の高さは、前述のように搬送領域20の高さとほぼ同じに設定される。これにより清掃材32は接触部33から奥側、即ち、紙幣搬送時には紙幣Mが到達しない高さまで到達することができるので、これらの位置まで清掃が可能である。
【0027】
次に、第1の実施の形態の清掃部材30を使用して自動取引装置1の清掃搬送路71を清掃する場合の動作について説明する。図12は清掃部材30を使用して清掃を行なう自動取引装置1を示す構成図である。紙幣Mのジャムや塵の堆積によるセンサ検知不良が発生した場合、搬送路7のうち清掃が必要な清掃搬送路71を清掃する。この場合、保守員は清掃搬送路71に対応する挿入口71−1から清掃部材30を挿入する。挿入後、保守員は図2に示すノブ15を手動で回転する。清掃搬送路71内の全ての搬送ローラ11、12は連動しており、ノブ15を回転することにより清掃部材30は挿入口71−1から取出口71−2まで搬送される。清掃部材30の通過により清掃搬送路71の内部は清掃され、清掃部材30が取出口71−2に到達すると、保守員は清掃部材30を取り出す。
【0028】
取り出した清掃部材30は洗浄して再利用することが可能である。基材31に紙を用いた場合は例えばドライクリーニングにより洗浄することにより再利用できる。また基材31にプラスチック、フィルムあるいは繊維材料を用いた場合は水洗いが可能である。
【0029】
自動取引装置1の搬送路7には紙幣Mの削れた粉である紙粉や埃がたまっていく。搬送路7には複数箇所に紙幣Mを検知する検知センサ21が配設されており、検知センサ21に埃等が付着することで誤動作を起こす。定期的に搬送路7の清掃作業を行なうことにより検知センサ21の誤動作を防止することができる。
【0030】
自動取引装置1が設置されている現場で保守を行なう場合、その場で装置を分解することはできない。そのため搬送路7内の埃や紙粉を除去することは多大な時間を要する作業となる。本実施においては、清掃部材30を搬送路7に1回通過させるだけで清掃を行なうことも可能になるので、極めて短時間で清掃作業を行なうことができる。
【0031】
また、清掃材32としてモヘア等を立設することで、搬送路7の搬送領域20の奥側まで入り込んで清掃できるので、検知センサ21だけでなく、搬送路7の搬送ガイド18の内壁の隅々まで清掃可能である。更にモヘアを使用した場合、搬送路7内から除去した塵や埃を自らの内に集塵するので、取り残すことなく清掃することができる。また第1の実施の形態によれば、清掃材32を基材31に対して搬送ローラ11、12又は搬送ベルト22との接触部33を避けて取付けたことにより、清掃材32による搬送ローラ11、12又は搬送ベルト22への影響を無くすことができる。
【0032】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。図13は第2の実施の形態に係る自動取引装置40を示す外観図、図14は第2の実施の形態に係る自動取引装置40を示す構成図である。
【0033】
図13に示すように自動取引装置40には、前記利用者Pが入金取引及び出金取引の際に誘導表示を行なう表示部41が具備されている。また図14に示すように、自動取引装置40の複数ある搬送路7のうち、清掃が必要な清掃搬送路71には挿入口71−1の近傍及び取出口71−2の近傍にそれぞれ清掃部材検知センサ42、43が配設されている。
【0034】
このうち挿入口検知手段としての清掃部材検知センサ42は挿入口71−1に清掃部材30が挿入されたことを検知し、取出口検知手段としての清掃部材検知センサ43は取出口71−2に清掃部材30が到達したことを検知する。なお、紙幣Mを検知するための図示しないセンサが、既に挿入口71−1又は取出口71−2の近傍に取付けられている場合には、清掃部材30の検出用にそれを利用してもよい。
【0035】
清掃部材30を検知するための清掃部材検知センサ42、43は、清掃搬送路71にのみ設けられている訳ではなく、他の搬送路7の挿入口及び取出口の近傍にも設けられているものである。
【0036】
図15は第2の実施の形態の自動取引装置40の制御系を示すブロック図である。図15において、主制御部45は自動取引装置40全体の動作を制御する。主制御部45には、表示部41、モータ46a、46b、46c、上述の挿入口近傍の清掃部材検知センサ42、取出口近傍の清掃部材検知センサ43、紙幣Mを検知するための検知センサ47aが接続されている。モータ46aは清掃搬送路71の搬送ローラ11、12又は搬送ベルト22を起動するモータである。
【0037】
次に第2の実施の形態の動作を説明する。なお第2の実施の形態においても第1の実施の形態で説明した清掃部材30を使用する。図16は第2の実施の形態の動作を示すフローチャートであり、図17は清掃箇所を示す表示を行なう表示部41を示す説明図である。
【0038】
主制御部45が、例えば清掃搬送路71において紙幣Mのジャムを検出した場合、主制御部45は、複数ある搬送路7のうち清掃が必要な清掃搬送路71を判定する(S101)。そして、主制御部45は図17に示すように、自動取引装置40の表示部41に、清掃が必要なことを表示するとともに(S102)、その清掃搬送路71の位置及び当該清掃搬送路71に対応する清掃部材30の挿入口71−1の位置を矢印で表示する(S103)。保守員が表示された挿入口71−1に清掃部材30を挿入すると、挿入口71−1の近傍に設けた清掃部材検知センサ42が、清掃部材30の挿入を検知し、検知信号を主制御部45へ送る。主制御部45は検知信号を受信すると(S104)、モータ46aを駆動し、清掃搬送路71の搬送ローラ11、12(又は搬送ベルト22)を回転させ、挿入された清掃部材30を搬送させる(S105)。搬送の過程で清掃部材30は清掃搬送路71内を清掃する。清掃部材30が取出口71−2の近傍まで来ると清掃部材検知センサ43がこれを検知し、検知信号を主制御部45へ送る。主制御部45は検知信号を受信すると(S106)、モータ46aを停止させて清掃部材30の搬送を停止させる(S107)。
【0039】
図18は清掃終了の表示を示す説明図である。主制御部45は清掃部材30の搬送を停止させると、同図に示すように、清掃が終了したことを表示するとともに(S108)、清掃部材30の取出口71−2の位置を矢印で示す(S109)。これにより保守員は清掃の完了と清掃部材30の取出口71−2の位置を知ることができる。同図の表示は保守員が清掃部材30を取り出すまで継続する。このため清掃部材30の取り忘れを防止することができる。
【0040】
以上のように第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の奏する効果に加えて、自動取引装置40の主制御部45の制御により、自動にて清掃部材30を搬送して清掃を行なうので、清掃部材30を搬送させる手間を省くことができる。また表示部41に清掃が必要なこと及び清掃が必要な清掃搬送路71や挿入口71−1を表示するので、保守員は容易に清掃部材30を挿入することができる。
【0041】
上記実施の形態では、清掃部材30の清掃材32としてモヘアを使用する例を示したが、これに限らず、例えばスポンジやフェルトなどの材料も清掃材32として使用することができる。また上記実施の形態では媒体処理装置として自動取引装置1を例にして説明したが、本発明に関する清掃部材30は、発券装置やカード読取装置等、シート状媒体とカード状媒体とを問わず、媒体を搬送し、清掃の必要のある搬送路を有する多くの装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】媒体処理装置としての自動取引装置を示す構成図である。
【図2】搬送路を示す概略正面図である。
【図3】搬送手段としての搬送ローラを示す斜視図である。
【図4】搬送手段としての搬送ベルトを示す斜視図である。
【図5】第1の実施の形態の清掃部材を示す正面図である。
【図6】第1の実施の形態の清掃部材を示す斜視図である。
【図7】搬送ローラによる清掃部材の搬送状態を示す斜視図である。
【図8】搬送ローラによる清掃部材の搬送状態を示す正面図である。
【図9】搬送ベルトによる清掃部材の搬送状態を示す斜視図である。
【図10】搬送ベルトによる清掃部材の搬送状態を示す正面図である。
【図11】清掃部材の接触部の幅を説明するための説明図である。
【図12】清掃部材を使用して清掃を行なう自動取引装置を示す構成図である。
【図13】第2の実施の形態に係る自動取引装置を示す外観図である。
【図14】第2の実施の形態に係る自動取引装置を示す構成図である。
【図15】第2の実施の形態の自動取引装置の制御系を示すブロック図である。
【図16】第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図17】清掃箇所を示す表示を行なう表示部を示す説明図である。
【図18】清掃終了の表示を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1、40 自動取引装置
7、 搬送路
11a、11b 搬送ローラ
12a、12b 搬送ローラ
15 ノブ
22a、22b 搬送ベルト
30 清掃部材
31 基材
32 清掃材
33 接触部
41 表示部
42 清掃部材検知センサ(挿入口検知手段)
43 清掃部材検知センサ(取出口検知手段)
45 主制御部
M 紙幣
71 清掃搬送路
71−1 挿入口
71−2 取出口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段により媒体を搬送する搬送路を有する媒体処理装置において、
前記搬送手段に対向する搬送手段対向部分を除いて清掃材が設けられた清掃部材を前記搬送路に挿入する挿入口と、
前記搬送路に前記清掃部材を搬送する前記搬送手段とを具備することを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
前記搬送路を搬送された前記清掃部材を取り出す取出口と
前記挿入口に前記清掃部材が挿入されたことを検知する挿入口検知手段と、
前記取出口に前記清掃部材が搬送されたことを検知する取出口検知手段と、
清掃が必要な清掃搬送路と前記挿入口又は取出口を表示する表示部と、
これらを制御する制御部とを有することを特徴とする請求項1記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記搬送路は複数の搬送路から構成され、
前記制御部は、前記複数の搬送路から前記清掃搬送路を判定し、更に前記清掃搬送路に対応する前記挿入口を前記表示部に表示すること特徴とする請求項2記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記搬送路の搬送手段は、清掃部材搬送時に駆動するための駆動用ノブを有すること特徴とする請求項3記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記挿入口検知手段の検知に基づいて、前記清掃搬送路の搬送手段を制御し、前記清掃部材を前記清掃搬送路に搬送すること特徴とする請求項2記載の媒体処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記取出口検知手段の検知に基づいて、前記表示部に前記取出口を表示すること特徴とする請求項2記載の媒体処理装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−93062(P2013−93062A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−29849(P2013−29849)
【出願日】平成25年2月19日(2013.2.19)
【分割の表示】特願2008−219058(P2008−219058)の分割
【原出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】